JP6976895B2 - 芯材に繊維強化樹脂層が巻回された竿体を有する釣竿及びその製造方法 - Google Patents

芯材に繊維強化樹脂層が巻回された竿体を有する釣竿及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、芯材に繊維強化樹脂層が巻回された竿体を有する釣竿及びその製造方法に関
する。
従来、芯材と、当該芯材に巻回された繊維強化樹脂層と、を有する中実の竿体を備えた釣竿が知られている。芯材は、炭素繊維強化樹脂等の各種樹脂から成り、穂先側に向かって先細となるように形成される。このような釣竿は、例えば、特開2000−209982号公報、特開2001−190185号公報、及び特開2005−218459号公報に開示されている。
上記の公報に記載されているように、従来の竿体において芯材に巻回される繊維強化樹脂層は、当該竿体の破壊強度の向上や曲げ剛性の向上のために設けられている。
芯材に巻回される繊維強化樹脂層は、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグシー
トから形成される。上記の公報に記載されているように、繊維強化樹脂層の強化繊維とし
ては、炭素繊維やガラス繊維が主として利用されている。
特開2000−209982号公報 特開2001−190185号公報 特開2005−218459号公報
一般に、穂先竿には高い柔軟性が必要とされる。上記特許文献1においては、繊維強化樹脂層の強化繊維として炭素繊維を使用すると、穂先竿の柔軟性が得られがたいという問題が指摘されている。穂先に近い部位においては、炭素繊維含有の繊維強化樹脂層を用いることは望ましくない。
繊維強化樹脂層の強化繊維として、炭素繊維よりも弾性率の低い有機繊維(例えば、ポリエステル繊維)は、炭素繊維と比べて伸度が大きい(20%以上)ため、繰返し変形が加わる釣竿において使用すると繊維が伸びてしまい、その結果、初期の補強効果が得られなくなるという問題がある。
ケブラーは、炭素繊維よりも弾性率が低く、また、伸度も小さい(2.4〜4.4%)。しかしながら、ケブラーは、吸水性が高い(3〜7%)ため、環境中での寸法変化が大きく、耐候性が低い。このため、水辺の屋外で使用される釣竿への使用には適していない。
他方、繊維強化樹脂層の強化繊維としてガラス繊維を使用すると、穂先竿の高重量化に繋がるという問題点がある。
釣竿の使用時において、穂先竿には、大きなねじり応力が作用する。このねじり応力による穂先竿の破壊を防ぐために、穂先竿は、高いねじり強度を有することが望ましい。
また、釣竿の手元での操作を穂先竿を介して仕掛けまで伝達するために、穂先竿は高いねじり剛性を有することが望ましい。つまり、釣竿の操作性を高めるために、穂先竿は高いねじり剛性を有することが望まれる。
本発明の具体的な目的の一つは、ねじり強度及びねじり剛性に優れた穂先竿を備える釣竿を提供することである。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一態様による釣竿は、竿体を備え、当該竿体は、長手軸方向に延びる芯材と、前記芯材に巻かれた繊維強化樹脂層と、を備える。当該実施形態において、前記繊維強化樹脂層は、液晶ポリエステル繊維を含有するプリプレグシートから成り、前記液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率が500〜1100cN/dtexであり、前記液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度が20〜33cN/dtexである。
上記態様の竿体は、引張弾性率が500〜1100cN/dtexであり引張破断強度が20〜33cN/dtexである液晶ポリエステル繊維を含有するプリプレグシートからから成る繊維強化樹脂層により補強されているため、高いねじり強度と高いねじり剛性を有する。また、当該繊維強化樹脂層に含まれる液晶ポリエステル繊維は、伸度が小さく(2.3〜3.8%程度)、吸水性も低(0.1%以下)く、耐候性が高いため、釣竿の竿体としての使用が可能である。
本発明の一態様において、前記繊維強化樹脂層は、前記液晶ポリエステル繊維が3軸方向に編成されたシートである。
本発明の一態様において、前記液晶ポリエステル繊維は、前記長手軸の周りの周方向に延伸する第1の繊維と、前記長手軸方向に対して所定角度を為して延びる第2の繊維と、前記長手軸方向に対して所定角度を為して延びる第3の繊維と、を含む。
上記態様によれば、第2の繊維及び第3の繊維によりねじり強度及びねじり剛性を効果的に改善することができる。
本発明の一態様に係る釣竿は、前記竿体の先端に設けられた第1の釣糸ガイドと、前記竿体の前記先端よりも後方に設けられた第2の釣糸ガイドと、をさらに備え、前記繊維強化樹脂層は、前記第1の釣糸ガイドと前記第2の釣糸ガイドとの間において前記芯材に巻かれる。
釣竿の竿体においては、竿体の先端に設けられた第1の釣糸ガイドとその後方にある第2の釣糸ガイドとの間の部位において破壊が起きやすい。当該部位は、細径であり、柔軟性も高いため、使用方法によっては大きく曲がりやすく、このため破壊がおきやすい。上記態様によれば、第1の釣糸ガイドと第2の釣糸ガイドとの間の部位を補強できる。
本発明の様々な実施形態によって、ねじり強度及びねじり剛性に優れた竿体を備える釣
竿を提供することができる。
本発明の一実施形態による釣竿を模式的に示す図である。 図1に示す釣竿の先端付近の断面を模式的に示す断面図である。 図2の釣竿のA−A線に沿う断面図である。 釣糸ガイドの固定部を竿杆に対して固定するプリプレグシートの構成を示す概略斜視図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 巻取試験において試験片が破壊されるまでの釣糸の巻取量の計測結果を示すグラフである。 巻取試験において試験片が破壊されたときの巻取トルクの計測結果を示すグラフである。 ねじり試験において測定された最大ねじりトルクを示すグラフである。 ねじり試験により得られたねじり角度を横軸にとりねじりトルクを縦軸にとったグラフの初期勾配を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿Rは、長手軸AX方向に延伸する竿体1と、リールシート3を介して竿体1に着脱自在に装着されるリール2と、竿体1の手元端側に取り付けられたグリップ4と、を備える。竿体1には、少なくとも1つの釣糸ガイドが取り付けられる。図1の例では、竿体1には、釣糸ガイド5−1〜5−4の4個の釣糸ガイドが取り付けられている。リール3から繰り出された不図示の釣糸は、釣糸ガイド5−1〜5−4により竿体1の穂先まで案内される。釣糸ガイド5−1〜5−4の各々は、パイプ状の取り付け部と、当該取り付け部に設けられたガイドリングと、を有する。釣糸ガイド5−1〜5−4の各々は、その取り付け部に竿体1を挿入することにより、竿体1に取り付けられる。
竿体1について、図2及び図3を参照してさらに説明する。図2は、竿体1を長手軸AXを通る平面で切断した断面図であり、図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。図2においては、説明の便宜上、竿体1の先端付近のみが示されている。図示のように、竿体1は、芯材となるソリッド体11と、ソリッド体11に巻回された繊維強化樹脂層12と、を備える。
ソリッド体11は、穂先に近づくほど小径となるように加工された棒状の部材である。ソリッド体11は、長手軸AX方向に延伸している。一実施形態において、ソリッド体11は、炭素繊維、ガラス繊維、又はこれら以外の各種強化繊維に合成樹脂(例えば、不飽和ポリエステル)を含浸させた繊維強化樹脂から成る。
繊維強化樹脂層12は、ソリッド体11に巻回されている。一実施形態において、繊維強化樹脂層12は、長手軸AX方向における釣糸ガイド5−1と釣糸ガイド5−2との間の領域において、ソリッド体11に巻回される。例えば、繊維強化樹脂層12は、長手軸AX方向における釣糸ガイド5−1と釣糸ガイド5−2との間の領域において、当該釣糸ガイド5−1及び釣糸ガイド5−2と重複しない位置に設けられる。例えば、釣糸ガイド5−1はパイプ状の固定部を有しており、ソリッド体11の先端から5〜20mmの部位が、当該固定部に挿入される。このとき、繊維強化樹脂層12は、その先端がソリッド体11の先端よりも釣糸ガイド5−1の固定部の幅だけ後方の位置にあるように、ソリッド体11に設けられる。このように、繊維強化樹脂層12を、ソリッド体11の長手軸AX方向において釣糸ガイド5−1及び釣糸ガイド5−2と重複しない位置に設けることにより、繊維強化樹脂層12の設置範囲を限定し、これにより竿体1を軽量化できる。一実施形態において、繊維強化樹脂層12は、その先端が釣糸ガイド5−1と重複するように設けられてもよい。繊維強化樹脂層12は、その先端が釣糸ガイド5−1の取り付け部に覆われるように設けられてもよい。これにより、釣糸ガイド5−1と繊維強化樹脂層12とをシームレスに接続することができる。一実施形態において、繊維強化樹脂層12は、その後端が釣糸ガイド5−2の取り付け部と重複するように設けられてもよい。釣糸ガイド5−2と繊維強化樹脂層12とをシームレスに接続することができる。繊維強化樹脂層12の先端が釣糸ガイド5−1の取り付け部に覆われていない場合には、長手軸AX方向における当該先端の前後において強度および剛性が急激に変化する。繊維強化樹脂層12の先端を釣糸ガイド5−1の取り付け部で覆うことにより、当該先端の前後における強度および剛性の変化を緩やかにすることができる。同様に、繊維強化樹脂層12の後端を釣糸ガイド5−2の取り付け部で覆うことにより、当該後端の前後における強度および剛性の変化を緩やかにすることができる。
竿体1の製造方法について説明する。竿体1の製造時には、まず、ソリッド体11を準備する。一実施形態において、ソリッド体11は、炭素繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化樹脂を先細の棒状に成形することで得られる。ソリッド体11は、本明細書で明示されるものに限られず、公知の様々な素材や製法を用いて作製され得る。
続いて、繊維強化樹脂層12となるシート体を準備する。一実施形態において、このシート体は、液晶ポリエステル繊維に合成樹脂(マトリクス樹脂)を含浸させたプリプレグシートである。当該シート体は、所定の形状に裁断され、この裁断されたシート体がソリッド体11に長手軸A方向の所定位置において巻回される。シート体の巻き数(プライ数)は適宜調整される。次に、ソリッド体11に巻回されたシート体のマトリクス樹脂を硬化させることで繊維強化樹脂層12が形成される。マトリクス樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、ソリッド体11に巻回されたプリプレグシートを加熱することで、マトリクス樹脂を硬化させる。このようにして、ソリッド体11に繊維強化樹脂層12が形成された竿体1が得られる。液晶ポリエステル繊維と不飽和ポリエステルとは密着性に優れているため、ソリッド体11に不飽和ポリエステルが含まれている場合には、繊維強化樹脂層12を密着性よくソリッド体11に巻回することができる。
一実施形態において、繊維強化樹脂層12となるプリプレグシートに含まれる液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率は、500〜1100cN/dtexである。
一実施形態において、繊維強化樹脂層12となるプリプレグシートに含まれる液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度は、20〜33cN/dtexである。
炭素繊維の引張弾性率は、一般に、230〜324GPa(1310〜1810cN/dtex)程度である。また、炭素繊維を強化繊維として含むプリプレグシートの曲げ弾性率は、通常、120〜220GPa程度である。このため、液晶ポリエステル繊維を含む繊維強化樹脂層12が用いられた竿体1は、炭素繊維を強化繊維として含むプリプレグシートからなる補強層を形成した竿体と比較して、高い柔軟性が得られる。
一実施形態において、繊維強化樹脂層12となるプリプレグシートは、液晶ポリエステル繊維が3軸方向に編成された編成シートである。例えば、繊維強化樹脂層12となるプリプレグシートは、第1の方向に伸びる第1の繊維と、第2の方向に伸びる第2の繊維と、第3の方向に伸びる第3の繊維と、を有する。この第1の繊維、第2の繊維、及び第3の繊維のそれぞれは、多数の単繊維で構成された繊維束である。当該プリプレグシートがソリッド体11に巻回されたときに、第1の繊維は、長手軸Aと直交する第1の方向に延伸していてもよく、第2の繊維は、長手軸Aに対して所定角度だけ傾いた第2の方向に延伸していてもよく、第3の繊維は、長手軸Aに対して所定角度だけ傾いた第3の方向に延伸していてもよい。第2の方向が長手軸Aと為す角度は、例えば、45°であり、第2の方向が長手軸Aと為す角度は、第2の方向とは反対方向に45°である。第2の方向及び第3の方向が長手軸Aと為す角度は適宜変更される。
以下のようにして複数の試験片を作成し、当該試験片の各々について、巻込試験を行って使用時における強度を検証した。
図4に、試験片となる構造体20が模式的に示されている。この構造体20は、上述した釣竿R1の竿体1のうちリールシート3よりも前方の部位に相当する。図示のように、試験片となる構造体20は、ソリッド体21と、ソリッド体21の外周面に設けられた釣糸ガイド15−1〜15−4と、釣糸ガイド15−1と釣糸外15−2との間においてソリッド体21に巻回された繊維強化樹脂層22と、を備える。
構造体20は、以下のようにして作成した。炭素繊維に不飽和ポリエステルを含浸させた繊維強化樹脂製の丸棒を引抜成形で作成後、センタレス加工等によりテーパー加工することによりソリッド体21を作成した。このようにして得られたソリッド体21は、その全長L3が466mmであり、その先端の直径が0.8mmであった。また、ソリッド体21は、先端に近く付くほどその外径が小さくなる先細形状を有し、そのテーパは3/1000であった。
次に、ソリッド体21の外周面の所定の位置に、釣糸ガイド15−1〜15−4をそれぞれ取り付けた。釣糸ガイド15−1は、ソリッド体21の先端に取り付けられ、釣糸ガイド15−2は、ソリッド体21の先端から距離L2(100mm)の位置に取り付けられた。
次に、釣糸ガイド15−1と釣糸外15−2との間の領域においてソリッド体21に、液晶ポリエステル繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを1.0〜1.1プライだけ巻回した。このプリプレグシートに含有される液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率は、500〜1100cN/dtexであり、JIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度は、20〜33cN/dtexであった。次に、ソリッド体21に巻回されたプリプレグシートを加熱してエポキシ樹脂を固化させることで繊維強化樹脂層22を形成した。繊維強化樹脂層22は、ソリッド体21の先端からL1(20mm)だけ後方の位置から、ソリッド体21の先端からL2(100mm)だけ後方の位置まで延在させた。つまり、ソリッド体21の長手方向における繊維強化樹脂層22の長さは、80mmであった。以上のようにして、試験片となる構造体20を得た。
また、上記の構造体20から繊維強化樹脂層22を省略した構造体を比較例として作成した。この比較例の製造方法は、繊維強化樹脂層22が形成されない点以外は、構造体20の製造方法と同様である。
図5に模式的に示されている巻込試験装置30により、巻き込み量及び巻き込み破壊荷重を測定した。試験装置30は、釣糸31と、この釣糸31を巻き取る巻取機32と、を備える。巻取機32は、釣糸31の巻取量を計測する計測装置と、釣糸を巻き取るための巻取りトルクを計測するトルク計測装置と、を備えている。釣糸31は、その一端が構造体20の先端に設けられた釣糸ガイド15−1に結びつけられ、釣糸ガイド15−2〜15−4にガイドされて、その他端が巻取機32に接続される。
試験開始時においては、構造体20は、台に戴置されている。このとき、構造体20には釣糸31からの引張力が作用していないため、構造体20は図5に2点鎖線で示されている伸長姿勢を取る。巻取機32を作動させると、釣糸31が巻取機32に巻き取られるため、構造体20は、図5に実線で示されているように、巻取機32側に向かって撓む。構造体20の撓みが大きくなると、構造体20は、釣糸ガイド15−1と釣糸ガイド15−2との間で破壊される。この破壊時における釣糸31の巻取量及び破壊時における巻取トルクをそれぞれ計測した。また、上記の比較例のサンプルについても、同様の方法で、破壊時における釣糸31の巻取量及び破壊時における巻取トルクをそれぞれ計測した。
この測定結果を図6及び図7に示す。図6は、破壊時までの釣糸31の巻取量の計測結果(N=5)を示し、図7は、破壊時における巻取トルクの計測結果(N=5)を示す。
図6のグラフから、ソリッド体21に繊維強化樹脂層22が設けられた構造体20は、繊維強化樹脂層22を有していない構造体よりも、破断までに巻き取ることができる釣糸の巻取量が多いことが分かる。
図7のグラフから、ソリッド体21に繊維強化樹脂層22が設けられた構造体20は、繊維強化樹脂層22を有していない構造体よりも、破壊時における巻取トルクが大きいことが分かる。
この測定結果から、JIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率が500〜1100cN/dtexであり、JIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度が20〜33cN/dtexである液晶ポリエステル繊維を含むプリプレグシートから成る繊維強化樹脂層をソリッド体に設けた構造体は、かかる繊維強化樹脂層を有しない構造体と比べて破断が起こりにくいことが分かった。
次に、試験片となる構造体20、比較例1及び比較例2について、ねじり試験を行った。比較例1は、構造体20から繊維強化樹脂層22を省略した構造体である。この比較例1の製造方法は、繊維強化樹脂層22が形成されない点以外は、構造体20の製造方法と同様である。比較例2は、ソリッド体21に、ケブラー繊維にエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートを巻回し、ソリッド体21に巻回されたプリプレグシートを加熱してエポキシ樹脂を固化させることで作成した。つまり、比較例2は、ソリッド体21の周囲に巻回されている繊維強化樹脂層の強化繊維がケブラー繊維である点で構造体20と異なっており、それ以外の点は構造体20と同じである。ただし、ねじり試験用の構造体20、比較例1、及び比較例2には、釣糸ガイド15−1〜15−4を設けなかった。
ねじり試験は、島津製作所製オートグラフを使用し、試験片である構造体20の先端と先端から100mmだけ後方に離れた位置を支持し(支持距離100mm)、ねじり速度7.2°/secで、構造体20にねじりモーメントを加え、ねじりトルクを測定した。比較例1及び比較例2についても同様にしてねじりモーメントを加え、ねじりトルクを測定した。構造体20、比較例1、及び比較例2のそれぞれについて、ねじり角度を横軸にとし、ねじりトルクを縦軸とするグラフを作成した。
この測定結果を図8及び図9に示す。図8は、上記試験により計測された最大ねじりトルクを示し、図9は、上記試験により計測されたねじり角度を横軸にとりねじりトルクを縦軸にとったグラフの初期勾配を示す。
この測定結果から、JIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率が500〜1100cN/dtexであり、JIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度が20〜33cN/dtexである液晶ポリエステル繊維を含有するプリプレグシートから成る繊維強化樹脂層をソリッド体に設けた構造体、かかる繊維強化樹脂層を有しない構造体と比べてねじり剛性及びねじり強度に優れていることが分かった。
また、比較例2と構造体20との比較から、ソリッド体に巻回される繊維強化樹脂層の強化繊維として液晶ポリエステル繊維が用いられる場合に、ケブラー繊維が用いられる場合よりもねじり剛性が高くなることが確認できた。ケブラー繊維は、液晶ポリエステル繊維と同程度の引張弾性率を有するが、液晶ポリエステル繊維と比べてマトリクス樹脂との密着性において劣るため、ソリッド体からの剥離が起こりやすく、その結果、液晶ポリエステル繊維が使用される場合と比べて優れたねじり剛性が得られない場合があると考えられる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
R 釣竿
1 竿体
11 ソリッド体
12 繊維強化樹脂層

Claims (4)

  1. 竿体を備える釣竿であって、
    前記竿体は、
    長手軸方向に延びる芯材と、
    前記芯材に巻かれた繊維強化樹脂層と、
    を備え、
    前記繊維強化樹脂層は、前記竿体の先端に設けられた第1の釣糸ガイドと前記竿体の前記先端よりも後方に設けられた第2の釣糸ガイドとの間において、前記第1の釣糸ガイド及び前記第2の釣糸ガイドと重複しない位置に設けられ、
    前記繊維強化樹脂層は、液晶ポリエステル繊維を含有するプリプレグシートから成り、
    前記液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張弾性率が500〜1100cN/dtexであり、
    前記液晶ポリエステル繊維のJIS K 7161に準拠して測定される引張破断強度が20〜33cN/dtexである、
    釣竿。
  2. 前記繊維強化樹脂層は、前記液晶ポリエステル繊維が3軸方向に編成されたシートである、
    請求項1に記載の釣竿。
  3. 前記液晶ポリエステル繊維は、前記長手軸の周りの周方向に延伸する第1の繊維と、前記長手軸方向に対して所定角度を為して延びる第2の繊維と、前記長手軸方向に対して所定角度を為して延びる第3の繊維と、を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の釣竿。
  4. 前記芯材は、炭素繊維又はガラス繊維に不飽和ポリエステルを含浸させた繊維強化樹脂からなる、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の釣竿。
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