JP5843585B2 - 釣り竿 - Google Patents

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本発明は、強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを、複数層に亘って巻回して作成される釣り竿用の竿体に関する。
従来においては、前記複数層のうちの内側層を、メインパターンとしてのシート状のプリプレグ(以後、プリプレグシート)を巻回して構成するとともに、前記複数層の内の外側層を、細幅テープ状のプリプレグ(以後、プリプレグテープ)で構成し、そのプリプレグシートの形状を台形状に形成していた(特許公報1)。
特開2006−223184号公報(段落番号〔0020〕、図1)
確かに、特許文献1に記載した構成のものでは、外側層として、プリプレグテープを螺旋状に巻回しているので、竿を周方向に捩るトルクに対する特性が向上する効果があるが、竿先部分が硬くなる傾向にあるとともに重くなる傾向にある。
しかも、前記したプリプレグシートの形状は、台形状に形成された4辺のうちの一辺を芯金の軸線に沿った直線状に形成し、その一辺に対向する他辺を、直線状でかつ竿元側に位置する程前記一辺から離れる傾斜状態のものに形成していた。
上記のようなプリプレグシートとプリプレグテープに基づいて釣り竿用の竿体に形成した場合に、トルク特性やプリプレグテープの巻き付き面積量が多くなっているので、魚が掛かった場合の魚の重量を受けて竿体が曲りを生ずるが、その曲り状態が十分な円弧を呈することが少なく硬さが勝つものであり、より柔らかい竿体を求める傾向にあった。
また、上記竿体を穂先竿として使用した場合に曲りが十分でないところから、魚信も捉え難く、この面からも改善の余地があった。
本発明の目的は、曲り特性の向上を図りながら、魚信が捉えやすく、かつ、剛性の改善及び十分に軽量化が達成できる釣り竿用竿体を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、数層のうちの内側層が、巻回されたプリプレグシートであって、前記プリプレグシートの一辺が竿軸線に沿った直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、前記一辺に向かって凹入し、前記プリプレグシートが巻回された状態で、竿先部分から竿元側の近くに至るまで竿径の拡大率が小さく、竿元側では竿径の拡大率が大きくなる凹入円弧形状に形成してあり、
前記複数層の内の外側層が、巻回されて螺旋状を呈するプリプレグテープで構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
プリプレグシート形状において、他辺を一辺に向けて凹入する形状に形成してあるので、他辺を従来構造のように、直線状で竿元側程一辺から離れる傾斜状態に形成したものに比べて、竿先部分から竿元側の近くに至るまで竿径が余り大きくならず変わらないものに形成できると同時に、竿元側では急激に竿径が大きくなる傾向にあるので、竿元側部分が曲難く、かつ、竿先側部分及び中間部分が曲易い胴調子の竿とすることができる。
したがって、魚が掛かった場合に、竿先側部分から中間部分が滑らかな円弧状を呈して曲り易いものになると同時に、魚信も捉えやすくなる。
〔効果〕
以上のように、プリプレグテープを螺旋状に巻回することによって剛性を維持しながら、プリプレグシートに工夫を施すことによって、竿先部分の曲り特性を改善出来ると同時に、プリプレグシートとしての面積を低減できるので、軽量化も達成できた。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記内側層を、強化繊維が竿軸線に対して傾斜状態となるように配設された二枚のプリプレグシートを、それらの強化繊維が互いに交差する状態となるように重ね合わせて巻回したバイアス式プリプレグシートで構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
内側層を構成するのに、二枚のプリプレグシートを重ねて巻回し、重ねる際に互いの強化繊維が交差するように巻回してあるので、強化繊維が竿の軸線方向だけでなく、竿の軸線方向に対して直交する方向に対して対抗力を発揮できる成分を有しているので、釣り竿が上下方向に対して曲りを生じる場合に対する対抗力だけでなく、竿体の断面を上下方向に押し潰し左右方向に膨張させるような場合にも対抗力を発揮するものを提供できた。
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグが、複数層に亘って巻回されて作成されている釣り竿用の竿体であって、
前記複数層のうちの内側層を、最も内側に位置する第1内側層とその第1内側層の外側に位置する第2内側層とで構成し、
前記第1内側層が、巻回された第1プリプレグシートであって、前記第1プリプレグシートの一辺が竿軸線に沿った直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、竿先端側から竿元側端に向かうに連れて前記第1プリプレグシートの一辺から離間する直線状の傾斜辺に形成され
前記第2内側層が、巻回された第2プリプレグシートであって、前記第2プリプレグシートの一辺が竿軸線に対して竿元側程離間する直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、前記一辺に向かって凹入し、前記プリプレグシートが巻回された状態で、竿先部分から竿元側の近くに至るまで竿径の拡大率が大きくならず、竿元側では竿径の拡大率が大きくなる凹入円弧形状に形成してあり、
前記第2プリプレグシートを第1プリペレグシートより薄い肉厚でかつ強化繊維が高弾性であるプリプレグで構成し、
前記複数層の内の外側層が、巻回されて螺旋状を呈するプリプレグテープで構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
第2内側層を高弾性の強化繊維を配置した第2プリプレグシートで構成することによって、竿元側のネジリ剛性を高めることができるとともに、この第2プリプレグシートを薄くかつ他辺を凹入円弧形状に構成することによって、重量増も抑制することができる釣り竿用の竿体を設けることができた。
〔構成〕
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記第1プリプレグシートが台形状に裁断されたものであるのに対して、前記第2プリプレグシートは、穂先側端で一辺と他辺とが重なり合う収束状態を示す略三角形状に裁断されており、第1プリプレグシートと第2プリプレグシートとが重ね合わされて巻回された状態で、第2プリプレグシートの一辺が第1プリプレグシートの他辺に対して平行で近接し、かつ、第2プリプレグシートの他辺が第1プリプレグシートの他辺に対して交差する状態にあり、第2プリプレグシートの竿先側部分が第1プリプレグシートの竿先側部分より内側に位置する状態に、及び、第2プリプレグシートの竿元側部分が第1プリプレグシートの竿元側部分より更に外側に位置する状態に巻回されている点にある。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記第1内側層を、強化繊維が竿軸線に対して傾斜状態となるように配設された二枚の第1プリプレグシートを、それらの強化繊維が互いに交差する状態となるように重ね合わせて巻回したバイアス式プリプレグシートで構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
第1内側層を構成するのに、二枚の第1プリプレグシートを重ねて巻回し、重ねる際に互いの強化繊維が交差するように巻回してあるので、強化繊維が竿の軸線方向だけでなく、竿の軸線方向に対して直交する方向に対して対抗力を発揮できる成分を有しているので、釣り竿が上下方向に対して曲りを生じる場合に対する対抗力だけでなく、竿体の断面を上下方向に押し潰し左右方向に膨張させるような場合にも対抗力を発揮するものを提供できた。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記外側層において、前記プリプレグテープの螺旋状を呈する隣接する部分が互いに離間する状態に巻回してあり、かつ、二つのプリプレグテープを互いに交差するように反対向きの螺旋状に巻回して構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用〕
プリプレグテープを螺旋状に巻回するのに、互いに反対方向から巻回する二つのプリプレグテープで行っているので、左右何れの方向に対してもトルク特性を向上させることができる。
したがって、横風を強く受けた場合や船釣りにおいて船の揺れ等を受けても、魚を抜き上げる為に上方に引き上げる力を加えているにも拘わらず、横方向に振られて、魚の取り込みに苦労するということを抑制できる。
また、軸線方向で隣接することとなる螺旋部分同士を、離間する状態で配置することによって、プリプレグテープの巻回量を軽減し同時に剛性が必要以上に大きくなることを抑制できる。
〔効果〕
したがって、二つのプリプレグテープを反対方向にかつ螺旋部分同士を軸線方向で離間する状態で巻回するとともに、プリプレグシートの他辺を凹入する円弧状に形成する工夫によって、左右何れの方向に対してもトルク特性を向上させるものでありながら重量増を来たすことが少なく取り込み易い釣り竿用竿体を提供できるに至った。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、前記プリプレグテープを螺旋状に巻回するに、竿の軸線に対する傾斜角度を、竿先側部分における巻回状態より、竿元側部分における巻回状態を、直角に近い大きな角度に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
プリプレグの螺旋方向において竿元側部分より竿先側部分の方が、竿の軸線に対して傾斜角度が小さくなっているので、竿先側部分の曲げ強度を向上させることができ、穂先竿等の竿先が細いものに対して有効に作用する。
図1は、第1実施形態の内側層を形成する前の状態を示し、バイアス式のプリプレグシートを芯金に巻回する前の状態を示す側面図である。 図2は、第1実施形態の外側層を形成する途中の状態を示し、プリプレグテープを内側層の外側に巻回する状態を示す側面図である。 図3は、第1実施形態を示し、外側層を巻き終わった状態を示す側面図である。 図4は、第2実施形態の内側層を形成する前の状態を示し、バイアス式の第1プリプレグシートと第2プリプレグシートを重ね合わせたものを芯金に巻回する前の状態を示す側面図である。 図5は、異なる構成内容を備えた竿体について、竿先に荷重を掛けた場合の曲り具合の違いを現わした図である。 図6は、(a)において竿体の側面図、(b)において竿体の断面図を示している図である。
〔第1実施形態〕
釣り竿を構成する穂先竿等の竿体Aについて説明する。竿体Aは、図6(a)(b)で示すように、内側層Bと外側層Cとで構成される。図1(a)に示すように、炭素繊維等の強化繊維aを一方向に引き揃え、その引き揃え強化繊維群にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂(又は熱可塑性樹脂)を含浸させて、プリプレグとしてのプリプレグシート1を形成する。このプリプレグシート1を所定の台形状に裁断し、裁断した二枚のプリプレグシート1を二枚重ねて芯金2に巻回し、内側層Bを形成する。
二枚のプリプレグシート1においては、後記するように、芯金2に巻回する際に、プリプレグシート1の一辺1Aを芯金2の軸線Yに沿った直線状に形成し、一辺1Aに対向する他辺1Bを、一辺1Aに向かって凹入する凹入円弧形状に形成してある。凹入円弧形状部分は、曲率半径Rで形成されているが、例えば、複数の曲率半径Rを組み合わせたもの、あるいは、角を形成するように単に凹ませるだけの形状を呈するものであってもよい。
内側層Bにおいては、プリプレグシート1を二枚重ねたバイアス式のものになっており、図1(b)に示すように、重ねる状態は強化繊維aの引き揃え方向が竿軸線Xに対して傾斜角αを約1°〜5°とする範囲で傾斜させかつ竿軸線Xに対して対称となるように配置するものである。
このような構成によって、請求項1に記載したような作用効果を奏することができる。
ただし、内側層Bとしては、バイアス式を採用せずに一枚もののプリプレグシート1で構成してもよい。この場合には、強化繊維aの方向は、竿軸線Xに沿った方向とする。この際芯金2に周方向繊維を有するプリプレグを巻回した後、強化繊維aの方向が竿軸線X方向に沿ったプリプレグシートを巻回して構成してもよい。
また、傾斜角αとしては、5°より大きくてもよく、例えば、30°〜45°の範囲に設定してもよい。
プリプレグを構成する強化繊維aとしては、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、樹脂としては、エポキシ樹脂の他に、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂やPV(E)等の熱可塑性樹脂が使用できる。また、プリプレグとしては、織り物に樹脂を含浸させて構成したものであってもよい。
一方、芯金2は次のような材料によって構成されている。芯金2は、構造用鋼(例えばS45Cに表面焼き入れ)やNi―Mo鋼などの高耐熱耐食合金鋼を使用し、表面にクロムメッキ等を施して仕上げ加工される。
次に、外側層Cについて説明する。図2及び図3、図6(b)に示すように、外側層Cは、内側層Bの表面にプリプレグテープ3を螺旋状に巻回することによって形成されている。プリプレグテープ3を竿の軸線方向に沿って螺旋状に巻回し螺旋状を呈する隣接する部分が互いに離間する状態に巻回し、かつ、プリプレグテープ3を互いに交差するように反対向きの螺旋状に巻回して構成してある。プリプレグテープ3を構成するプリプレグの強化繊維bの配設方向は、プリプレグテープ3の長手方向に沿ったものである。
図3及び図6(a)に示すように、プリプレグテープ3の螺旋状を呈する隣接する部分が互いに離間する状態に設定される為に、プリプレグテープ3が交差する部分同士が、竿軸線Xに沿った方向において、竿先側程広くなる間隔になるように構成する。つまり、左右二つのプリプレグテープ3、3が交差する交点同士の隣接する間隔cは、竿先側に位置する程広くなるように設定してある。これによって、竿体Aの剛性を適度な強度のものにでき、軽量化も図れる。
また、プリプレグテープ3を螺旋状に巻回するに、竿軸線Xに対する傾斜角度βを、竿先側部分における巻回状態より、竿元側部分における巻回状態を、直角に近い大きな角度に設定してある(図3)。このようなプリプレグテープ3の巻回方法を採用することによって、穂先側でのプリプレグテープ3の竿軸線Xに沿った方向での対抗力が強くなり、曲げ強度や剛性の高まりが見られる。
上記した内外層B、Cを形成したものに対して、ポリエステル等の成形テープ(図示せず)を巻回して締め込んだものを、芯金2に巻回した状態で炉に入れて焼成し、焼成後成形テープを剥離しかつ芯金2を脱芯して円筒状の竿素材を取り出しその竿素材を所定長に裁断して、仕上加工を施し釣り竿用の竿体Aとする。
上記竿体Aについて詳述すると、プリプレグテープ3を螺旋状にかつプリプレグテープ3が交差する点を竿軸線X方向で離間する状態に配置することによって、プリプレグテープ3を隣接する部分同士が密接する密巻状態のものに比べて、重量増加分を3分の1に抑えることができる。
一方、プリプレグシート1の他辺1Bを円弧状に凹入形成することによって、プリプレグテープ3を、巻回した場合に見られる重量増加分を相殺することができる。
従って、プリプレグテープ3を巻回することによる重量増加分を、プリプレグシート1の他辺1Bを凹入形状に形成することによって、相殺することができた。
ここで、異なる構成内容を備えた竿体Aについて、竿先に荷重を掛けた場合の曲り具合について説明する。
(1)第1番目の竿体Aaは、図5の点線で示す曲りを呈するが、内側層Bのプリプレグシート1の他辺に凹入形状を形成したものであり、プリプレグテープ3による外側層Cは形成されていないものを示す。
図5の点線で示すように、プリプレグシート1に凹入部を形成しプリプレグテープ3による外側層Cを形成していないものでは、穂先部分が可なり柔らかくなり、穂先部分が曲り易い傾向を持っている。
(2)第2番目の竿体Abは、図5の1点鎖線で示す曲りを呈するが、内側層Bのプリプレグシート1には一辺1Aにも、他辺1Bにも凹入形状は採用されてなく、そのプリプレグシート1の上からプリプレグテープ3を図3で示すように螺旋状に巻回したものを示す。
図5の1点鎖線で示すように、プリプレグシート1にプリプレグテープ3を巻回したものでは、プリプレグシート1に凹入部を形成してはいないので、穂先部分の柔らかさが抑制され、かつ、竿体全体が均等な曲率半径で円弧状を呈する傾向を持っている。
(3)第3番目の竿体Acは、図5の実線で示す曲りを呈するが、本願発明が提示する竿体であり、内側層Bのプリプレグシート1の他辺に凹入形状を形成したものであり、かつ、そのプリプレグシート1の上からプリプレグテープ3、3を図3で示すように螺旋状に巻回したものを示す。
図5の実線で示すように、本願発明の竿体Acは、プリプレグテープ3を巻回した第2番目の竿体Abと同様に、円弧状を呈する曲り傾向を維持しながら、若干、穂先部分が、プリプレグシート1に凹入部を形成することに起因して、穂先部分が柔らかさを増して、第2番目の竿体Abに比べて少し曲り易い傾向を持っている。
したがって、本願発明を具現化する第3番目の竿体Acにおいては、
(1)プリプレグテープ3を螺旋状に巻回するに、竿軸線Xに対する傾斜角度βを、竿先側部分における巻回状態より、竿元側部分における巻回状態を、直角に近い大きな角度に設定してある。このようなプリプレグテープ3の巻回方法を採用することによって、穂先側でのプリプレグテープ3の竿軸線Xに沿った方向での対抗力が強くなり、曲げ強度や剛性の高まりが見られる。
(2)一方、図5の実線で示すように、本願発明の竿体Acは、プリプレグテープ3を巻回した第2番目の竿体Abと同様に、円弧状を呈する曲り傾向を維持しながら、若干、穂先部分が、プリプレグシート1に凹入部を形成することに起因して、柔らかさを増して、第2番目の竿体Abに比べて少し曲り易い傾向を持っている。
(3)上記した(1)に起因して、竿先部分が曲り難く硬くなる点を、(2)に記載した方策によって竿先部分に柔らかさを付与できるので、両者が相俟って相殺しあい、適度な柔らかさと強度を備えた竿先部分を有する竿体Acを提案することができた。
〔第2実施形態〕
ここでは、請求項3〜5に対応した実施形態について説明する。つまり、図4に示すように、内側層Bを第1内側層Baとその外側に位置する第2内側層Bbとの二層に形成し、外側層Cとして、第1実施形態で示したプリプレグテープ3を巻回した層を採用する形態について説明する。ただし、プリプレグテープ3を巻回した外側層Cについては、図2及び図3に示すものと同じであるので、ここでは図示してはいない。
図4に示すように、第1内側層Baを、シート状のプリプレグ(以後、第1プリプレグシート)を巻回して構成するとともに、第1プリプレグシート4の一辺4Aを竿軸線Xに沿った直線状に形成し、一辺4Aに対向する他辺4Bを竿先端側から竿元側端に向かうに連れてその一辺4Aから離間する直線状の傾斜辺4Bに形成する。つまり、一般的な台形状のプリプレグシートを形成する。
一方、第1プリプレグシート4の竿先側辺4Cの幅L1と竿元側辺4Dの幅L3とは、竿元側辺4Dの幅L3が長く裁断されているが、その差は2倍より短くなっている(図4)。
このことは、図1(a)で示すように、プリプレグシート1の竿先側辺1Cの幅L1に対して竿元側辺1Dの幅L2が2倍から3倍に相当する長さを有するものと異なっている。
このように、竿元側辺4Dの幅L3を抑制することによって、竿元側での巻き回数(プライ数)を低減し、竿元側が必要以上に硬く、剛性が高くなることを抑制している。
また、このことによって、重量増を抑制できる。
この第1内側層Baを形成する第1プリプレグシート4については、第1実施形態で示したように、二枚のプリプレグシート4を重ね合わせたバイアス式のものであり、夫々のプリプレグシート4の強化繊維aは、竿軸線Xに対して前記した傾斜角αで引き揃えられている。
なお、この第1プリプレグシート4の厚みは、前記したプリプレグシート1の厚みより薄いものを使用している。
ただし、この第1内側層Baとしては、バイアス式を採用せずに一枚もののプリプレグシート4で構成してもよい。この場合には、強化繊維aの方向は、竿軸線Xに沿った方向とする。
次に、第2内側層Bbを、シート状のプリプレグ(以後、第2プリプレグシート)を巻回して構成するとともに、第2プリプレグシート5の一辺5Aを第1プリプレグシート4の他辺4Bに沿った直線状に形成し、一辺5Aに対向する他辺5Bを、一辺5Aに向かう凹入円弧形状に形成してある。
一辺5Aと他辺5Bとは竿先側で一点に交わり一致点となるとともに、竿元側において一定の幅を備えた竿元側辺5Dを構成してある。竿元側辺5Dは、一定の幅tを有する直線状部分5dと他辺5Bに繋がる傾斜状部分5eとで形成してあり、全体として第2プリプレグシート5は略三角形を呈している。
この三角形状を呈する第2プリプレグシート5を第1プリプレグシート4に対して、竿先部分が幅tで一致するように重ね合わせ、傾斜状部分5eが第1プリプレグシート4の他辺4Bと直交する状態で、竿元側の手元側部分が第1プリプレグシート4から突出するように構成してある。
また、第2プリプレグシート5を第1プリプレグシート4より薄い肉厚でかつ強化繊維が高弾性であるプリプレグで構成して、第1プリプレグシートの竿元側に重なるように配置した。
複数層の内の外側層Cについては図示してはいないが、図2、3に示すプリプレグテープ3が螺旋状に巻回される。
〔別実施形態〕
(1)内側層Bを形成する場合に、プリプレグシート1、4を巻回することに先行して、竿先側と竿元側とに、軸線長の短い補強プリプレグを巻回してもよい。補強プリプレグとしては、強化繊維aを竿軸線Xに平行なものであってもよく、或いは、強化繊維aを竿軸線Xに対して僅かに傾斜させた二枚のプリプレグをバイアス式に重ね合わせたものでもよい。
(2)穂先竿ではなく、中間竿等を形成する場合には、外側層Cの更に外側に最外側層を形成してもよい。最外層としては、強化繊維aを竿軸線X方向に引き揃えたプリプレグシート、また、強化繊維aを竿の周方向に沿って引き揃えたプリプレグシート、または、プリプレグテープを螺旋状に巻回するものであってもよい。
(3)外側層Cとしては、単一のプリプレグテープを螺旋状に巻回するものでもよい。この場合には、竿軸線方向に沿って隣接するテープ部分同士を密接する状態で、或いは、適当な間隔を空けて離間する状態に巻回してもよい。
単一のプリプレグテープを螺旋状に左右一方方向に巻回した上から、他の単一プリプレグテープを左右反対方向に螺旋状に巻回してもよい。
本願発明は、ルアー竿等の穂先竿から元上までの釣り竿用の竿体に適用できる。
1 プリプレグシート
1A 一辺
1B 他辺
2 芯金
3 プリプレグテープ
4 第1プリプレグシート
4A 一辺
4B 他辺
5 第2プリプレグシート
5A 一辺
5B 他辺
A 竿体
B 内側層
Ba 第1内側層
Bb 第2内側層
C 外側層

Claims (7)

  1. 数層のうちの内側層が、巻回されたプリプレグシートであって、前記プリプレグシートの一辺が竿軸線に沿った直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、前記一辺に向かって凹入し、前記プリプレグシートが巻回された状態で、竿先部分から竿元側の近くに至るまで竿径の拡大率が大きくならず、竿元側では竿径の拡大率が大きくなる凹入円弧形状に形成してあり、
    前記複数層の内の外側層が、巻回されて螺旋状を呈するプリプレグテープで構成してある釣り竿用の竿体。
  2. 前記内側層を、強化繊維が竿軸線に対して傾斜状態となるように配設された二枚のプリプレグシートを、それらの強化繊維が互いに交差する状態となるように重ね合わせて巻回したバイアス式プリプレグシートで構成してある請求項1記載の釣り竿用の竿体。
  3. 強化繊維群にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグが、複数層に亘って巻回されて作成されている釣り竿用の竿体であって、
    前記複数層のうちの内側層を、最も内側に位置する第1内側層とその第1内側層の外側に位置する第2内側層とで構成し、
    前記第1内側層が、巻回された第1プリプレグシートであって、前記第1プリプレグシートの一辺が竿軸線に沿った直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、竿先端側から竿元側端に向かうに連れて前記第1プリプレグシートの一辺から離間する直線状の傾斜辺に形成され
    前記第2内側層が、巻回された第2プリプレグシートであって、前記第2プリプレグシートの一辺が竿軸線に対して竿元側程離間する直線状を呈し、前記プリプレグシートの一辺に対向する他辺が、前記一辺に向かって凹入し、前記プリプレグシートが巻回された状態で、竿先部分から竿元側の近くに至るまで竿径の拡大率が大きくならず、竿元側では竿径の拡大率が大きくなる凹入円弧形状に形成してあり、
    前記第2プリプレグシートを第1プリペレグシートより薄い肉厚でかつ強化繊維が高弾性であるプリプレグで構成し、
    前記複数層の内の外側層が、巻回されて螺旋状を呈するプリプレグテープで構成してある釣り竿用の竿体。
  4. 前記第1プリプレグシートが台形状に裁断されたものであるのに対して、前記第2プリプレグシートは、穂先側端で一辺と他辺とが重なり合う収束状態を示す略三角形状に裁断されており、第1プリプレグシートと第2プリプレグシートとが重ね合わされて巻回された状態で、第2プリプレグシートの一辺が第1プリプレグシートの他辺に対して平行で近接し、かつ、第2プリプレグシートの他辺が第1プリプレグシートの他辺に対して交差する状態にあり、第2プリプレグシートの竿先側部分が第1プリプレグシートの竿先側部分より内側に位置する状態に、及び、第2プリプレグシートの竿元側部分が第1プリプレグシートの竿元側部分より更に外側に位置する状態に巻回されている請求項3記載の釣り竿用の竿体。
  5. 前記第1内側層を、強化繊維が竿軸線に対して傾斜状態となるように配設された二枚の第1プリプレグシートを、それらの強化繊維が互いに交差する状態となるように重ね合わせて巻回したバイアス式プリプレグシートで構成してある請求項3記載の釣り竿用の竿体。
  6. 前記外側層において、前記プリプレグテープの螺旋状を呈する隣接する部分が互いに離間する状態に巻回してあり、かつ、二つのプリプレグテープを互いに交差するように反対向きの螺旋状に巻回して構成してある請求項1〜のうちの少なくともいずれか一項に記載の釣り竿用の竿体。
  7. 前記プリプレグテープを螺旋状に巻回するに、竿の軸線に対する傾斜角度を、竿先側部分における巻回状態より、竿元側部分における巻回状態を、直角に近い大きな角度に設定してある請求項1〜のうちの少なくともいずれか一項に記載の釣り竿用の竿体。
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