JP5522990B2 - 釣り竿用竿体及び釣り竿用竿体を備えた釣り竿 - Google Patents

釣り竿用竿体及び釣り竿用竿体を備えた釣り竿 Download PDF

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Description

本発明は、プリプレグを巻回して形成した内側層とプリプレグを巻回して形成した外側層とを備えた釣り竿用竿体及び釣り竿用竿体を備えた釣り竿に関する。
この種の釣り竿用竿体において、プリプレグをテープ状に成形したものが使用されることがある。プリプレグテープは、細幅の長尺状を呈しており、長手方向に沿って強化繊維が配向されている。
このプリプレグテープを使用して内側層や外側層を形成するには、プリプレグテープをマンドレルに竿軸線方向に沿って密着する状態で螺旋状に巻回することによって形成していた。
特開2008−263819号公報(段落番号〔0026〕,〔0027〕、図3,図5)
内側層と外側層とにプリプレグテープを使用しているが、螺旋状に巻回される方向が共に同じ方向である。つまり、公報における図3及び図5に示すように、プリプレグテープの巻回方向は、竿元側から竿軸芯方向に沿って見た場合に、右ネジに沿った方向で、内外層ともに同じ方向に設定してある。
そうすると、プリプレグの強化繊維がプリプレグテープの右ネジに沿った方向と一致する方向となるので、同じ方向を向いて配設されていることとなり、右ネジに沿った方向の捩り力(右ひねり)を受けた場合には強化繊維が引張対抗力を発揮して捩り剛性を十分なものとするが、左ネジに沿った方向の捩り力(左ひねり)を受けた場合には、強化繊維は引張対抗力を発揮することができず、捩り剛性を低下させるものとなっていた。
本発明の目的は、プリプレグの配設方向に工夫を加えることによって、捩り剛性等を高めた釣り竿用竿体及び釣り竿用竿体を備えた釣り竿を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、内側層と外側層とを備えた釣り竿用竿体であって、
前記内側層を、竿体の長さに相当する長さを備え強化繊維を引き揃え配置したプリプレグシートからなるメインパターンを前記強化繊維が竿軸線に対して傾斜する状態となるように巻回して形成し、
前記外側層を、長手方向に沿って強化繊維を引き揃えた細幅のプリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
前記プリプレグシートの強化繊維と前記プリプレグテープの強化繊維とが、径方向視において交差するように互いに逆向きに巻回してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、内側層のプリプレグシートと外側層のプリプレグテープとを、それらの強化繊維が、径方向視において互いに交差するように逆向きに巻回してあるので、左右何れの方向からの捩り力が作用しても、いずれかの強化繊維がその捩り力に対抗するので、ねじり方向に依存しない捩り剛性の高い釣り竿用竿体とすることができた。
したがって、針掛かりした魚の横走りに対して釣り人は竿を横倒ししながら魚の動きに対応する際に、釣り竿を追従させながら魚を水面に浮かせる操作が容易になる。
しかも、内側層としてプリプレグシートを巻回しているので、プリプレグテープを内側層として巻回する場合に比べて、次のような利点がある。つまり、プリプレグテープを巻回する際に、隣接する側端同士を密接する状態で巻いていく必要があり、そのことに作業性の困難さがある。これに対してプリプレグシートには、隣接する側端同士を密接する状態で巻回するといった点に留意する必要はなく、強度の高い内側層を形成できる。
そして更に、プリプレグシートの強化繊維が竿軸線方向に対して傾斜する状態に巻回されている。このことによって、次のようなことが言える。つまり、魚が針掛かりして竿が下向きに曲りを生じた場合に、各竿体における竿軸線より上方側の表面には大きな引っ張り力が作用するが、その場合に、プリプレグシートの強化繊維における竿軸線方向に沿った成分が対抗力を発揮して魚の引張力に対抗することができる。一方、魚が針掛かりして竿が下向きに曲りを生じた場合には、各竿体の断面を横長い楕円状に変形させる力が作用するが、プリプレグシートの強化繊維における周方向に沿った成分が対抗力を発揮してその変形力に対抗することができる。
このように、プリプレグシートの強化繊維を竿軸線に対して傾斜する方向に沿って引き揃え配置したことによって、竿軸線方向に沿った引張力に対して対抗力を発揮する強化繊維を竿軸線に沿って配置した状態と、断面を横長楕円に変形させる力に対して強い強化繊維を周方向に配置した状態との両方の機能に準じた機能を備えた曲げ剛性の高いプリプレグシートを、単一のプリプレグシートで達成することができた。
内側にプリプレグシートを配置し、外側にプリプレグテープを配置してあるので、プリレグテープを巻回する際には、プリプレグテープが細い幅のものとなり、プリプレグシートを巻回する場合に比べて、空気を巻き込む事が少なく欠陥が生ずる事が少ない。
しかも、前記したように、隣接する側端同士を密接する状態で巻回する点についても、マンドレルに先行して巻回されているプリプレグシートの上からこのプリプレグテープを巻回していくこととなるので、プリプレグテープをマンドレルに直接巻回する場合に比べて隣接する側端同士を密接する状態で巻回することをさほど注意深く慎重に作業を運ぶ必要性は高くなく、比較的良好な巻回状態を得ることができる。
以上のように、魚の動きに対応した竿捌きを行うことができ、かつ、製造面でも強度面でも十分な機能を発揮する釣り竿用竿体を提供することができた。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1記載の釣り竿用竿体において、前記外側層の更に外側に最外側層を設け、前記最外側層を、長手方向に沿って強化繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成した内側部分と、竿体の長さに相当する長さを備え強化繊維を引き揃え配置した外側プリプレグシートからなる外側メインパターンを前記強化繊維が竿軸線に対して傾斜する状態となるように巻回して形成した外側部分とを重ね合わせて形成し、
前記最外側層の外側プリプレグテープの強化繊維と前記最外側層の外側プリプレグシートの強化繊維とが、径方向視において交差するように互いに逆向きに巻回してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、請求項1に対応して記載した作用効果に加えて次ぎのような作用効果を奏する。請求項1において記載した釣り竿用竿体において、その外側層の更に外側に最外側層を形成した。最外側層の構成は、内側部分がプリプレグテープであり、外側部分がプリプレグシートであり、丁度、請求項1における内側層を外側部分に請求項1における外側層を内側部分にして重ね合わせたような構成となっている。
このように、最外側層を設けた請求項2における釣り竿用竿体は、捩り力に対する対抗力を高めたものにでき、特に大型魚を釣る大型の釣り竿等に適用することができる。
〔構成〕
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿に構成している点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
上記したような捩り剛性及び曲げ剛性の高い竿体を適宜組み合わせることによって、全体として、魚の横走り等があっても竿をためながら魚の動きを抑えて水面まで魚を浮かせることが容易に行える。
そして、魚が針掛かりして釣り竿が大きな曲りを生じた場合であっても、その状態からさらに魚が下向きに潜り込む動作を行った場合にも釣り竿はさらに変形してその魚の動きに追従することが可能であり、かつ、魚を取り込む為に釣り竿を縦向き姿勢に振り上げた場合にも釣り竿は自己の弾性復帰力によって縦向きの直線姿勢に復帰する力強さを兼ね備える釣り竿を提供することができた。
釣り竿の全体側面図である。 第1実施形態と第2実施形態における前半工程とが同一の製作工程を採ることを示したもので、(a)内側に位置するプリプレグシートを巻回する前の状態を示す斜視図、(b)プリプレグシートをマンドレルに巻回した状態を示す斜視図、(c)プリプレグシートの上からプリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図である。 第2実施形態における後半工程を示したもので、(d)プリプレグテープの上から外側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、(e)外側プリプレグテープの上から外側プリプレグシートを巻回する前の状態を示す斜視図である。 竿体の捩り力を測定する測定装置を示す斜視図である。 竿体の捩り力を測定する装置で測定した右ひねり状態の数値を示す折れ線グラフである。 竿体の捩り力を測定する装置で測定した左ひねり状態の数値を示す折れ線グラフである。 魚の浮かせ易さを検証するフィールドテスト結果を示す棒グラフである。
〔第1実施形態〕
鮎竿や渓流竿等で代表される釣り竿Aは、図1に示すように、釣り竿用竿体Bとしての釣り糸aを連結した穂先竿1、二番竿2、三番竿3、元上4、握り部5Aを備えた元竿5で構成されている。
請求項1に係る発明に対応した釣り竿用竿体Bの製作工程について説明する。穂先竿1から二番竿2等の比較的小径の釣り竿用竿体Bに適した実施形態について説明する。
内側層Aaについて説明する。図2(a)(b)に示すように、内側層Aaは、メインパターン7をマンドレル6に巻回して作成される。メインパターン7は、竿軸線Xに対して傾斜する状態で引き揃えた強化繊維cに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグシートを、釣り竿用竿体Bの長さに相当する長さL1とマンドレル6の周長(数周長)に相当する幅L2を備えた略台形形状に裁断したものである。このように裁断したメインパターン7を、メインパターン7のマンドレル6に対向する側面7aをマンドレル6の軸線Yに平行な姿勢にした状態で巻回することによって、内側層Aaを形成する。
強化繊維cが竿軸線Xに対して傾斜する角度は10°〜80°であり、望ましくは、30°〜60°である。
外側層Abについて説明する。図2(c)に示すように、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて細幅のプリプレグテープ8を形成する。そのプリプレグテープ8を内側層Aaの上から竿軸線X方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、そのプリプレグテープ8の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、プリプレグテープ8を螺旋状に巻回することによって外側層Abを形成してある。
図2(c)に示すように、内側層Aaのプリプレグシート7の強化繊維cと外側層Abのプリプレグテープ8の強化繊維cは、径方向視において、互いに交差する状態でかつ逆向きに巻回されている。
交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。ただし、プリプレグテープ8の強化繊維cは、プリプレグシート7の強化繊維cに対して竿軸線Xを挟んで対称に配置されるのが原則である。
このように、内側層のプリプレグシート7と外側層のプリプレグテープ8とを、それらの強化繊維cが径方向視で交差し互いに逆方向に巻回することによって、請求項1に係る発明に対応した作用効果の項で記載したように、捩り剛性の高い機能を確保することができる。
強化繊維cとしては、炭素繊維以外にガラス繊維及びボロン繊維等が使用でき、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂等が使用可能である。含浸させる樹脂としては、熱可塑性樹脂も使用できる。また、それらプリプレグの強化繊維cとしては、炭素繊維でメインパターンに20〜60トン/mm2の引張弾性率のものを使用することになる。
外側層Abの外周面には、装飾層(図示せず)を形成する。装飾層は、樹脂塗料を刷毛塗り方法や吹き付け方法によって塗布したり、装飾原料を物理蒸着や化学蒸着によって薄膜状に塗布することによって形成される。
〔第1実施形態の別実施形態〕
(1) 内側層Aaとしてのプリプレグシート7の強化繊維cの向きを右ネジに沿った方向に巻回してあるが、左ネジに沿った方向に巻回してもよい。したがって、外側層Abとしてのプリプレグテープ8の強化繊維cの向きを右ネジに沿った方向に巻回する。
(2) 内側層Aaと外側層Abとの間に中間層として竿軸線方向に沿って強化繊維cを引き揃えたプリプレグシートを配置してもよい。このように、竿軸線方向に沿って強化繊維cを引き揃えたプリプレグシートを配置することによって、魚が針掛かりして釣り竿Aが下向きに曲がりを生じた場合に、各釣り竿用竿体Bの竿軸線Xより上側部分に係る引張力に対する対抗力を高めることができる。
以上のように作成した釣り竿用竿体Bを使用して釣り竿Aを構成し、その釣り竿Aで捩じり強度テストを行いその結果を記載し説明する。
強度テストで使用した釣り竿Aは、本願発明に係る発明品と従来技術の項で説明した従来品とである。発明品は、この第1実施形態において記載した釣り竿用竿体Bである。一方、従来品は、内側層Aaと外側層Abとして共にプリプレグテープを使用して、それらプリプレグテープの強化繊維cが竿軸線Xに対して傾斜する状態でかつ径方向視で同一向きに巻回されたものが使用される。
測定装置Cとして、次ぎのようなもので行った。図4に示すように、釣り竿用竿体Bを左右に間隔長さSで配置した固定ディスク13と回転ディスク14とで挟み込み支持する。回転ディスク14の外周面に環状溝14aを形成し、環状溝14aに測定用のワイヤ15を装着し、測定ワイヤ15の一端を回転ディスク14に固定し、他端を回転ディスク14とともに回転させて引き出していく。
この引出量(捩り量)と引出力(捩り力)とで、発明品と従来品との捩り剛性を評価する。
捩り剛性GIpに関連する強さとしては比捩れ角θ/Sがあり、その比捩れ角は次ぎの式で表される。
比捩れ角は、
(θ/S)=(360度/2Π)×(T/IpG)・・・(イ)
T:捩じりモーメント、Ip:極断面二次モーメント、G:横弾性係数
θ:捩れ角、S:固定ディスク13と回転ディスク14との間隔として表現される。
捩りモーメントTは、
T=P×R ・・・(ロ)
P:捩り力(引張力)、R:回転ディスク半径として表現される。
捩れ量Hは、
H≒R×θ ・・・(ハ)
H:捩れ量として表現される。
上記した数式(イ)に数式(ロ)(ハ)を代入して、捩り剛性GIpの式が算出される。
GIp≒(2Π/360度)×(SR2)×(P/H)≒(定数)×(P/H)
と表現されて、捩り剛性GIpは、前記した捩り力Pと捩り量Hとの関係式の傾きとして表される。
そして、ここでは上記したような数式を踏まえて、捩り力Pを加えた場合に、回転ディスク14が回転して測定ワイヤ15の引き出し長さ(捩り量:H)を測定し、捩り剛性GIpを間接的に評価することとした。
ここで使用された測定装置Cの数値は、S=340mm、R=150mmである。
図5では、右ひねりを加えた場合の発明品と従来品とのテスト結果である。この場合には、発明品も従来品よりもやや良好な数値を示しており、捩り力が12N(ニュートン)を越える数値となった場合に、測定ワイヤ15が25mm程引き出される捩れ状態を呈している。
したがって、従来品の強化繊維cの巻回方向が捩り方向と一致するものであると、発明品と従来品との捩り剛性において差は少ないと言える。
図6に示すように、反対方向からのひねり(左ひねり)を加えると、発明品と従来品とでは状況が異なる。つまり、発明品では右ひねりの場合と同様に捩り力が14N近くになると、測定ワイヤ15が25mm程引き出される捩れ状態を呈する。
しかし、従来品の場合には、捩り力が8Nに満たない状態で、測定ワイヤ15が25mm程引き出される捩れ状態を呈するものであり、捩り剛性が低い状態を呈している。つまり、従来品においては、反対方向からの捩り力が作用した場合には、捩り剛性が大幅に低下することが分かる。
このように、強化繊維cの巻回方向が捩り方向と反対方向であると、図6で示すように、従来品では捩り剛性が大幅に低下している。これに対して、発明品は強化繊維cの巻回方向が左ひねりに対応できるものと、右ひねりに対応できるものと両方のものを備えているので、従来品のようにひねりの方向によって捩り剛性が異なると言ったことは少ない。
また、作用効果の項で横走りする魚を浮き上がらせ易い点に言及したが、その浮き上がらせ易さについてフィールドテストを行った。このフィールドテストでは、従来品と発明品とで、夫々、二種類の釣り竿Aを用意し、二人のフィールドテスタによるテストを実施した。二種類の釣り竿Aは、仕掛けが釣り竿Aの半分の長さしかない、所謂、提灯釣りを行う提灯釣り用釣り竿Aと、仕掛けが釣り竿Aより長い長仕掛付き釣り竿Aである。
夫々の釣り竿Aで二人のフィールドテスタD,Eが12枚の魚を釣り上げ、釣り上げた魚の重量と魚を浮き上がらせるに要する時間とを計測して、時間を重量で割り最大及び最小をカットして残りの数値を平均したものであり、釣り竿Aの強化繊維cの巻回状態によって、どのような釣り竿Aが魚を浮き上がらせ易いかを検証した。
その結果を図7に示している。これによると、提灯釣り用釣り竿Aと長仕掛付き釣り竿Aとの仕掛けの長さの違いによって魚を浮き上がらせるに要する違いはあるものの、総じて、発明品の方が魚を浮き上がらせ易いと言える。
〔第2実施形態〕
請求項2に係る発明に対応した釣り竿用竿体Bの製作工程について説明する。三番竿3から元竿5等の比較的大径の釣り竿用竿体B又は更に大型魚の釣りに適した実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態において装飾層を形成する前の釣り竿用竿体Bに次に記すような最外側層Acを巻回して、第1実施形態の釣り竿用竿体Bとは別個の釣り竿用竿体Bを形成する工程について説明する。つまり、第1実施形態の釣り竿用竿体Bの外側層Abの上から更に、最外側層Acを形成して新たな釣り竿用竿体Bを形成する。
最外側層Acは、内側部分を形成する外側プリプレグテープ9と外側部分を形成する外側メインパターン10とを巻回することによって、第1実施形態において提示した釣り竿用竿体Bとは別個の釣り竿用竿体Bを形成する。
図3(d)に示すように、最外側層Acの内側部分としての外側プリプレグテープ9は、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて細幅のテープとして形成される。外側プリプレグテープ9を外側層Abとしてのプリプレグテープ8の上から竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、その外側プリプレグテープ9の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、外側プリプレグテープ9を螺旋状に巻回することによって、内側に位置するプリプレグテープ8の強化繊維cと外側プリプレグテープ9の強化繊維cとは径方向視で交差し互いに逆方向に巻回されるので、捩り力に対する対抗力が高い。
ただし、外側プリプレグテープ9の強化繊維cは、プリプレグテープ8の強化繊維cに対して竿軸線Xを挟んで対称に配置されるのが原則である。
図3(e)に示すように、最外側層Acの内側部分としての外側プリプレグテープ9の外側に最外側層Acの外側部分としての外側メインパターン10を巻回する。外側メインパターン10は、竿軸線Xに対して傾斜する状態で引き揃えた強化繊維cに熱硬化性樹脂を含浸させた外側プリプレグシートを、釣り竿用竿体Bの長さに相当する長さL3とマンドレル6の周長(数周長)に相当する幅L4を備えた略台形形状に裁断したものである。
このように裁断した外側メインパターン10を、その外側メインパターン10のマンドレル6に対向する側面10aがマンドレル6の軸線Yに対して平行な姿勢になる状態で巻回することによって形成してある。
強化繊維cが竿軸線Xに対して傾斜する角度は10°〜80°であり、望ましくは、30°〜60°である。
図3(e)に示すように、外側プリプレグテープ9の強化繊維cと外側メインパターン10の強化繊維cは、径方向視において、互いに交差する状態でかつ逆向きに巻回される。交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。ただし、外側プリプレグシート10の強化繊維cは、外側プリプレグテープ9の強化繊維cに対して竿軸線Xを挟んで対称に配置されるのが原則である。
以上のように、二つのプリプレグテープ8,9と二つのプリプレグシート7,10が重ね巻きされているが、夫々の強化繊維cの巻回方向は、互いに逆向きになっている。
また、交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。捩じりモーメントに対する強度を確保するためである。
ここでは、二つのプリプレグテープ8,9と二つのプリプレグシート7,10の強化繊維cの巻回方向における組み合わせについて記載する。これらの組み合わせは、釣り竿用竿体Bの所望の硬度を得るために、自由に選択することができる。
強化繊維cを竿軸線X方向に沿って螺旋状に巻回していく状態を次のように定義する。つまり、竿元側から竿軸芯Xに沿った方向視で、左回りで巻回する状態を左ネジ方向と右回りで巻回する状態を右ネジ方向と表現する。
図2及び図3に示された巻回方向をネジ表記で表現すると、次のようになる。
(1)プリプレグシート7の強化繊維cは「右ネジ方向」、プリプレグテープ8の強化繊維cは「左ネジ方向」、外側プリプレグテープ9の強化繊維cは「左ネジ方向」、外側プリプレグシート10は「右ネジ方向」である。
上記した以外に次のような巻回方向の組み合わせが可能である。
(2)プリプレグシート7は「左ネジ方向」、プリプレグテープ8は「右ネジ方向」、外側プリプレグテープ9は「右ネジ方向」、外側プリプレグシート10は「左ネジ方向」であってもよい。
(3)プリプレグシート7は「右ネジ方向」、プリプレグテープ8は「左ネジ方向」、外側プリプレグテープ9は「右ネジ方向」、外側プリプレグシート10は「左ネジ方向」であってもよい。
(4)プリプレグシート7は「左ネジ方向」、プリプレグテープ8は「右ネジ方向」、外側プリプレグテープ9は「左ネジ方向」、外側プリプレグシート10は「右ネジ方向」である。
(5)上記したようなプリプレグシート7、プリプレグテープ8、外側プリプレグテープ9、外側プリプレグシート10の巻回方向は、釣り竿用竿体Bの捩り剛性や曲げ剛性の度合い、及び、それらと関連する竿調子に必要な形態を適宜採用することができる。
以上のように巻回した外側プリプレグシート10の外側に、装飾層(図示せず)を形成して釣り竿用竿体Bを形成する。
〔第2実施形態の別実施形態〕
外側層Abのプリプレグテープ8と最外側層Acの外側プリプレグテープ9との間に、または、最外側層Acの内側部分である外側プリプレグテープ9と最外側層Acの外側部分である外側プリプレグシート10との間に、竿軸線方向に沿って強化繊維cを引き揃えたプリプレグシートを配置してもよい。このプリプレグシートとしては、複数枚重ねたものであってもよい。
本発明の構成は、竿体の外周面に釣り糸ガイドを取り付けた磯竿、船竿等にも適用可能であり、釣り糸ガイドを竿体内に備える中通し竿にも適用可能である。また、振出竿だけでなく、並継竿及びインロー継竿にも適用可能である。
1 穂先竿 (竿体)
2 二番竿 (竿体)
3 三番竿 (竿体)
4 元上 (竿体)
5 元竿 (竿体)
7 プリプレグシート
8 プリプレグテープ
9 外側プリプレグテープ
10 外側プリプレグシート
A 釣り竿
Aa 内側層
Ab 外側層
Ac 最外側層
B 釣り竿用竿体
X 竿軸線

Claims (3)

  1. 内側層と外側層とを備えた釣り竿用竿体であって、
    前記内側層を、竿体の長さに相当する長さを備え強化繊維を引き揃え配置したプリプレグシートからなるメインパターンを前記強化繊維が竿軸線に対して傾斜する状態となるように巻回して形成し、
    前記外側層を、長手方向に沿って強化繊維を引き揃えた細幅のプリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
    前記プリプレグシートの強化繊維と前記プリプレグテープの強化繊維とが、径方向視において交差するように互いに逆向きに巻回してある釣り竿用竿体。
  2. 請求項1記載の釣り竿用竿体において、前記外側層の更に外側に最外側層を設け、前記最外側層を、長手方向に沿って強化繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成した内側部分と、竿体の長さに相当する長さを備え強化繊維を引き揃え配置した外側プリプレグシートからなる外側メインパターンを前記強化繊維が竿軸線に対して傾斜する状態となるように巻回して形成した外側部分とを重ね合わせて形成し、
    前記最外側層の外側プリプレグテープの強化繊維と前記最外側層の外側プリプレグシートの強化繊維とが、径方向視において交差するように互いに逆向きに巻回してある釣り竿用竿体。
  3. 請求項1又は2記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿。
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