JP5611567B2 - 椅子の背もたれ - Google Patents

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Description

本願発明は、椅子の背もたれに関する。
椅子の背もたれとして、外周部を構成する強度メンバーとしてのバックフレームと、このバックフレームの前に配置された背板とを有する構成として、背板をバックフレームに取り付けたものがある。その一例が特許文献1に開示されている。
すなわち特許文献1では、背板はバックフレーム(背凭れフレーム)との間に間隔を空けた状態で配置されており、バックフレームにおける左右縦フレームの上部前面に上向きに突出した軸部を一体に設ける一方、背板の左右側部の上部には縦フレームの軸部に上から嵌まる雌形の係合部を設け、更に、バックフレームのうち下寄り部位には平面視で前向きに開口のC字形溝を有する係合片を形成して、背板に設けた上下長手の軸体を係合片に押し込み装着するようになっている。
特開2008−119220号公報
特許文献1は、背板を上下2カ所でバックフレームに連結するにおいて、上部の連結は背板の下向き移動で嵌め合うことで背板を前後左右に移動不能に保持する一方、下部の連結は、背板をバックフレームに強く押し当てて係合片を弾性変形させることにより、軸体を係合片で抱持させるものである。
しかし、特許文献1の構成は、背板の上部がバックフレームから前側に離反することはないが、背板の下部をある程度の力で手前に引くと軸体と係合片との嵌合状態を解除できるため、例えば、背板の下部を後ろから人が押したり、椅子を後ろ向きに移動させるに際して背板の下部が物に当たったりすると、背板の下部がバックフレームから外れてしまうおそれがある。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、バックフレームに体圧支持体を取付けてなる背もたれを、より改良された形態で提供せんとするものである。
本願発明に係る背もたれは、上下長手の左右サイドフレームとそれらの上端に繋がったアッパーフレームとを有する強度メンバーとしてのバックフレームと、前記バックフレームに前から重なる体圧支持体とを有しており、前記体圧支持体の左右側部と前記バックフレームのサイドフレームとに、前記体圧支持体を下向き移動させることで互いに噛み合って前記体圧支持体を前記バックフレームにて前向き離反不能に保持する係合手段が設けられている一方
前記バックフレームのアッパーフレームは、上面板と下面板との間に前向きに開口の横長溝が形成された部分を有しており、前記体圧支持体の上端部に、前記横長溝に手前から入り込むストッパー片を設けており、前記ストッパー片が前記バックフレームにおけるアッパーフレームの上面板に下方から当たることで、前記体圧支持体の上向き動が阻止されている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記体圧支持体の上端部に、前記バックフレームの横長溝に入り込む下向き鉤状の上係合爪を設けている一方、前記バックフレームの下面板には、前記上係合爪が上から係合する上係合穴を下方に開口した状態に設けている。
請求項3の発明は、請求項2において、前記上係合爪は前記ストッパー片の下方に配置されている。
請求項1では、背板のような体圧支持体は係合手段によってバックフレームから前向き移動不能に保持されていると共に、ストッパー片と上面板とからなるストッパー手段によって上下動不能に保持されているため、体圧支持体に後ろから外力が作用しても体圧支持体が外れるような不具合はない。
実施形態に係る椅子の外観図で、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 椅子を上方から見た斜視図である。 (A)(B)とも分離斜視図である。 背板を裏返してバックフレームと並べた部分斜視図である。 図4の部分拡大図である。 図5の部分的な拡大図である。 図4の上部の部分拡大図である。 (A)はバックフレームの部分的な拡大図、(B)は背もたれの部分的な平面図である。 背板の下側部の斜視図である。 (A)はメッシュ式表皮材の取付けを説明するための分離平面図、(B)はアッパーフレームの破断斜視図、(B)はロアフレームの破断斜視図である。 (A)は背板とメッシュ式表皮材との分離背面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)のC−C視断面図、(D)は(A)のD−D視断面図、(E)は(A)のE−E視断面図である。 (A)はメッシュ式表皮材の張り状態を説明するための縦断側面図、(B)は背もたれを図(A)のXIIB-XIIB 視箇所で切断した側断面図、(C)は背もたれを図(A)の XIIC-XIIC視箇所で切断した側断面図である。 (A)は背もたれを図5の XIIIA-XIIIA視箇所で切断した平断面図、(B)は背もたれを図5の XIIIB-XIIIB視箇所で切断した平断面図、(C)は(A)は背もたれを図5の XIIIC-XIIIC視箇所で切断した平断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、事務用に多用されている回転椅子に適用している。以下の説明では方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、これは、椅子に普通に着座者した人を基準にして、着座者が向いた方向を前として定義している。正面視方向は着座者と相対向した方向であり、背面視方向は着座者を後ろから見た方向である。
(1).概略
図1,2に示すように、椅子は、脚支柱(ガスシリンダ)1のみを表示した脚装置、脚支柱1の状態に固定したベース2、ベース2の上方に配置した座3、座3の後ろに配置された背もたれ4を有している。
背もたれ4は、ベース2に後傾動可能に連結されたバックフレーム5と、体圧支持体の一例としてバックフレーム5の前面に取り付けた背板6(インナーシェル)とを強度メンバーとしており、図1(A)に示すように、背板6の前面にメッシュ式表皮材7を張っている。
図3に示すように、バックフレーム5は、その左右側部を構成する上下長手の左右サイドフレーム8と、左右サイドフレーム8の上端に繋がった横長のアッパーフレーム9と、左右サイドフレーム8の下端に繋がった左右長手のロアフレーム10とを有しており、全体として略四角形で前後に開口した枠状になっている。更に、左右サイドフレーム8の下端には、ベース2の左右外面に向けて前向きに延びるサイドアーム11が一体に形成されている。
バックフレーム5はポリプロピレンやナイロン樹脂のような合成樹脂を材料にした成形品を使用しているが、アルミダイキャスト品を採用することも可能である。また、例えばサイドアーム11を別部材にするなど、複数の部材で構成することも可能である。
例えば図8に明示するように、バックフレーム5を構成するアッパーフレーム9はその左右側部だけに背板6が取り付くように平面視で大きく前向き開口した状態に形成されている。換言すると、バックフレーム5のアッパーフレーム9と背板6との間に横長の上空間13が空いている。従って、背板6の上部には後ろから視認できる上露出部6a(図2参照)が存在している。このため、人がバックフレーム5のアッパーフレーム9を掴むことができると共に、背板6の上端部が弾性変形することも可能になっている。
図1(B)や図2に明示するように、バックフレーム5のサイドフレーム8は、着座者の腰よりやや高い位置の部分が最も前となるように側面視で前向き突形に屈曲している。換言するとバックフレーム5のサイドフレーム8は側面視でくの字形に屈曲しており、このためサイドフレーム8は頂点部14を有している。
背板6のうちバックフレーム5の頂点部14よりも下方の部位は、バックフレーム5に取り付いておらず片持ち梁の状態になっている。換言すると、背板6のうちバックフレーム5の頂点部17よりも下方の部位はオーバーハングしている。従って、図1に示すように、背板6の下部は後ろからも視認できる下露出部6bになっている。
また、図1に示すように、バックフレーム5のサイドフレーム8は、着座者が凭れ掛かっていないニュートラル状態で頂点部14よりも上の部分は後傾姿勢になって、頂点部14より下方の部分は前傾姿勢になっている。
(2).背板及びバックフレーム
次に、背板6とバックフレーム5の構造を説明する。メッシュ式表皮材7の取付け構造は、背板6及びバックフレーム5の構造を説明してから述べる。
背板6はポリプロピレンのような合成樹脂製を材料にした成形品であり、図3に示すように、上下長手の左右のサイドメンバー16と、サイドメンバー16の上端間に一体に繋がったアッパーメンバー17と、左右サイドメンバー16の下端に一体に繋がったロアメンバー18とで略四角形の外形を構成し、更に、その内部には、左右サイドメンバー16に繋がった横長サポート板19が多段に配置されている。
例えば図4に示すように、バックフレーム5におけるサイドフレーム8のうち背板6が重なる支持部は前向きに開口した溝形になっている。すなわち、サイドフレーム8の支持部にはその全長にわたって延びる縦長溝20が形成されている。アッパーフレーム9のうち背板6のアッパーメンバー17と重なる支持部も前向き開口の溝形になっている。他方、背板6の各メンバー16,17,18は後ろ向きに開口した溝形になっている。
そして、図13に示すように、サイドフレーム8とサイドメンバー16とは前後方向から重なっている。サイドフレーム8の背部21は平面視で外側に行くほど前に出るように緩く湾曲しており、これに内壁22と外壁23とを設けることで縦長溝20を形成している。サイドフレーム8の背部21は内壁22よりも内側にはみ出ている。背板6のサイドメンバー16前向き凹状に緩く湾曲しており、これに、サイドフレーム8の内壁22に向けて延びる内向きリブ24を形成することにより、後ろ向きに開口した浅い溝が形成されている。
サイドフレーム8の内壁22とサイドメンバー16の内向きリブ24とには、互いに噛み合う内側段部25を形成している。このように内側段部25が互いに噛み合っていることにより、背板6は内向きずれ不能に保持されている。サイドフレーム8の内壁22と背板6の内側段部25との間にはスリット状の隙間が空いている。
このため、表皮材の厚さが相違してもその厚さを吸収できる。また、サイドフレーム8の内壁22と背板6の内向きリブ24とがこすれ合って粉が発生する可能性があるが、仮に粉が発生しても粉は上記の隙間部に付着するため外部から視認できず、このため美感低下を防止できる。
サイドフレーム8の内側段部25と背板6の内向きリブ24とは、表皮材7を介して当接するようになっている。このため背板6はサイドフレーム8に対する前後位置が正確に規定されている。
サイドフレーム8の外壁23は細巾のリブ状になっていて背部22の外端よりも内側にずれて形成されている。このため、外壁23の外側には外側段部26が形成されている。サイドフレーム8の外壁23とサイドメンバー16との間には、若干の空間が空いている。
例えば図4に示すように、背板6におけるサイドメンバー16の内面には、上下長手で板状の雄形嵌合部27が上下離れて3個形成されている。他方、サイドフレーム8の縦長溝20には、背板6の雄形嵌合部27を左右から挟む2枚のリブより成る雌形嵌合部28が3対形成されている。なお、サイドメンバー16に雌形嵌合部28を形成して、サイドフレーム8に雄形嵌合部27を形成してもよい。
これら雌雄嵌合部27,28が嵌まり合うことにより、サイドフレーム8とサイドメンバー16とは左右ずれ不能に保持されている。このため、ロッキングに際してサイドメンバー16がサイドフレーム8に対して内向きにずれ移動することはなく、ロッキング時にサイドメンバー16の外側部とサイドフレーム8の外側部とが広がるようなことはない。また、サイドフレーム8とサイドメンバー16とが一体化したような状態になって、背もたれ4の全体の剛性が高くなっている。
雌雄嵌合部27,28は前後に密着した状態で嵌合しており、このため雌雄嵌合部27,28はサイドフレーム8とサイドメンバー16との前後位置を規制する位置決め手段の役割も果たして構成している。
図4,5に示すように、背板6におけるサイドメンバー16の溝内には、側面視で下向き鉤形の第1係合爪30が上下に離反して2個形成されている一方、バックフレーム5のサイドフレーム8には、第1係合爪30と噛み合う上向き鉤形の第2係合爪31が上下に離反して2個形成されている。これら係合爪30,31 は請求項に記載した係合手段の具体例であり、これらの噛み合いにより、背板6はバックフレーム5に対して前向き移動不能に保持されている。
例えば図5に示すように、サイドフレーム8のうち側面視で前向き突出した頂点部14の箇所には仕切り板32が形成されており、縦長溝20は仕切り板32で上下に分断された状態になっている。そして、縦長溝20のうち仕切り板32のすぐ上の箇所の内側面に、上面33aが側面視で上に行くほど前に傾斜した下ガイド部33を形成している一方、背板6におけるサイドメンバー16には、下ガイド部33と内壁22との間に入り込む下部突起34を形成し、下部突起34に、下ガイド部33の傾斜面に重なり合う横向きストッパー34aを設けている。
サイドフレーム8のうち下ガイド体33の箇所の空間と、背板6のアッパーメンバー17に設けた下部突起34とにより、位置決め手段が構成されている。大まかに述べると、縦長溝20のうち仕切り板32の上側の部分が位置決め手段として機能しているともいえる。
背板6を、その上部がバックフレームから大きく離れるように手前に傾けることにより、横向きストッパー34aを下ガイド部33の内側に嵌め込むことができる。サイドメンバー16には、下部突起34に繋がった状態で上に延びる下部位置決め突起35を設けている。下部位置決め突起35は、サイドフレーム8における縦長溝20の底面に近接している(当接させてもよい。)。
従って、下部位置決め突起35はサイドフレーム8とサイドメンバー16との前後位置及び左右位置を規制するストッパーの役目も果たしている。従って、背板6の下部位置決め突起35とサイドフレーム8の長溝20とも、位置決め手段を構成している。下部位置決め突起35は縦リブと多数の横リブとが交叉した形態を成しており、下部突起34と縦長溝20の内側面とには空間が空いている。
例えば図4〜7に示すように、背板6のサイドメンバー16には、表皮材を取付けるためのボス36が上下適宜間隔で複数個後ろ向き突設されている。ボス36は先端に行くほど外径が小さくなる台錘状に形成されている。他方、サイドフレーム8の縦長溝20には、サイドメンバー16のボス36が当接する受け部37を形成している(図13(B)も参照)。
従って、ボス36及び受け部37も、サイドフレーム8とサイドメンバー16との前後位置を規制する着せ手段の役目を果たしている。図11に示すように、ボス部36は、背板6のサイドフレーム8とアッパーフレーム9との連接箇所にも形成している。
例えば図4から容易に理解できるように、縦長溝20はアッパーフレーム9の左右側部に形成した横長溝38に連続している。アッパーフレーム9には、上空間13の左右端面を構成する押さえ部39が形成されており、押さえ部39よりも外側に横長溝38が開口している。押さえ部39には前向きの補助リブ40が形成されており、更に、補助リブ40にサイドフレーム8の内壁22と連続する下面板41が形成されており、下面板41に上係合穴42が空いている。
他方、背板6のアッパーメンバー17には、上係合穴42に上から嵌まり係合する下向き鉤状の上係合爪43が形成されている。また、アッパーメンバー17のうち上係合爪43の内側にはサイド仕切り板44が形成されている。サイド仕切り板44は、アッパーフレーム9における補助リブ40の外端部に載るように設定されている。サイド仕切り板44には、ストッパー手段の一環として、上係合爪43の上方に位置するストッパー片44aを設けている。
図12(C)から理解できるように、ストッパー片44aはアッパーフレーム9の上面板9aに下方から当接可能になっている。従って、アッパーフレーム9の上面板9aもストッパー手段の一環を成している。
図10(B)や図12(A)に示すように、アッパーメンバー17の前面は上に行くに従って後ろにずれるように湾曲しており、このアッパーメンバー17の背面には、3段のリブを形成することで上横溝45と下横溝46とが形成されている。図8に明示するように、上下の横溝45,46は左右サイド仕切り板44の間に形成されている。
例えば図4から推測できるように、アッパーメンバー17のサイド仕切り板44はアッパーフレーム9における押さえ部39の外側面の箇所に位置している。従って、図15(B)にも示すように、アッパーメンバー17における上下横溝45,46の左右端部は押さえ部39の手前に位置している。
図10(C)に示すように、背板6のロアメンバー18は後ろ向きに開口した断面略つ字形を成しており、上部内面には段部を形成している。また、左右中間部と左右両側部とには前後に開口した下係合穴47が形成されており、係合穴47の箇所に下突起48を上向き突設している。
図9に示すように、背板6におけるサイドメンバー16のうち下部突起34よりも下方の部位(すなわち、サイドメンバー16の露出部16a)にも縦長溝20が形成されており、この露出部16aの縦長溝20に内向き鉤形の鉤形ボス50を突設している。また、露出部16aの縦長溝20には支持リブ51を適宜間隔で複数形成している。
背板6の取り付けは次の手順で行う。すなわち、まず、図5から理解できるように、背板6を手前に倒した姿勢にして下部突起34をサイドフレーム8の下ガイド部33の上に嵌め込み、そのまま下にずらすことで、横向きストッパー34aを下ガイド部33の傾斜面に当接させる。これにより、背板6はバックフレーム5に対して左右にずれない状態に保持される。
次いで、背板6を、その下端部を支点にして後ろに倒して若干持ち上げ気味にしてバックフレーム5に押圧することによって雌雄嵌合部27,28を嵌め合わせ、それから背板6を下向きにずらすことにより、第1係合爪30と第2係合爪31とを噛み合わせる。
第1係合爪30と第2係合爪31との噛み合わせは、背板6の上端を若干手前に起こした状態で行い、両係合爪30,31が噛み合い切るまでは、ストッパー片44aの先端はアッパーフレーム9の上面板9aに前から弾性に抗して当接している。
そして、第1係合爪30と第2係合爪31とが噛み合い切ると、上係合爪43が上係合穴42に嵌まり込むと共に、ストッパー片44aがアッパーフレーム9における上面板9aの下方に入り込み(横長溝38に嵌まり込み)、これにより、背板6はバックフレーム5に対して上下左右及び前後にずれ不能に保持される。このように、ごく簡単な手順で背板6をバックフレーム5に取り付けることができる。
なお、背板6の下ガイド部33をサイドフレーム8にセットしてから、背板6を、その下端を支点にして前に倒すことで背板6をバックフレーム5に押さえ込み、これによって係合爪30,31を噛み合わせることも可能である。両係合爪30,31の前面には互いの噛み合いを可能にする傾斜面を形成している。この方法を採用すると組み立ては一層簡単になる。
(3).メッシュ式表皮材7の取付け構造
次に、メッシュ式表皮材7の取付構造を説明する。メッシュ式表皮材7はその外周に固定されたテープ片によって背板6に取付けられる。すなわち、図10,11に示すように、メッシュ式表皮材7には、サイドメンバー16のうち露出部16aの上方の部位に裏から重なる第1サイドテープ片53と、サイドメンバー16の露出部16aに裏から重なる第2サイドテープ片54と、背板6の上部のコーナー部に裏から重なるコーナーテープ片55と、コーナーテープ片55の間においてアッパーメンバー17に裏から重なるアッパーテープ片56と、背板6のロアメンバー18に裏から重なるロアテープ片57とが逢着や接着によって固定されている。
各テープ片はポリプロピレンのような樹脂シートを使用しているが、他の素材を使用することも可能である。コーナーテープ片55は第1サイドテープ片53に一体に連結することも可能である。また、サイドテープ片53,54とコーナーテープ片55とを一連に連続したものを使用して、メッシュ式表皮材7に逢着してから切り込みを入れて独立化することも可能である。
第1サイドテープ片53にはサイドメンバー16のボス36に嵌まる第1取付け穴58が形成されており、図13に示すように、第1サイドテープ片53は外側からサイドメンバー16とサイドフレーム8との間に入り込んで、ボス36に嵌め込まれている。第1サイドテープ片53はサイドメンバー16に向いており、このため、外側からはメッシュ式表皮材7しか見えない。また、メッシュ式表皮材7にはアッパーフレーム9の外壁23が当接しており、このためサイドフレーム8の内部(縦長溝20)が見えることはない。このため美感に優れている。
なお、背板6は樹脂で製造されるが、塗装することがある。この場合、縦長溝20の内部まで塗装するのは面倒である。この点、本実施形態のように外壁23で縦長溝20の内部が見えない構成を採用すると、内部は塗装せずに外部のみ塗装したら足りるため、塗装に要するコストを抑制できる。
図10,11に示すように、第1サイドテープ片53には、サイドフレーム8とサイドメンバー16との連結部の邪魔にならないように切欠き59を形成している。
第2サイド縁部材54は切欠きが存在しない帯状の形態を成しており、図9に部分的に示すように、背板6のサイドメンバー16における露出部16aには、内側段部16cと外側段部16dとが形成されており、第2サイド縁部材54は内側段部16cと外側段部16dとの間の空所に嵌め込まれている。このためその巾方向にずれ不能に保持されている。第2サイド縁部材54も取付け穴58を有しており、これを鉤形ボス50に嵌め込んでいる。
また、第2サイドテープ片54も取付け穴58を有しており、これを鉤形ボス50に嵌め込んでいる。鉤形ボス50は内向きの鉤形であるため、第2サイドテープ片54が外れることはない。第2サイドテープ片54もサイドメンバー16に重なっており、外から視認されることはない。
コーナー縁部材55も、ボス36に嵌まることで抜け不能に保持されている。コーナー縁部材53は、背板6のコーナー部に合わせて斜め外向きに凸のカーブした外形を有するが、図11では、コーナー縁部材55は内向き凸の姿勢に表示している。裏側に折り返して背板6に取付けると外向きの凸の姿勢になる。コーナー縁部材55の内端部は細巾になっており、図12(C)に示すように、サイド仕切り板44に連接したストッパー片44aの上側に配置されている。
図12(A)に示すように、アッパーテープ片56はアッパーメンバー17の上横溝45に後ろから嵌入している。アッパーテープ片56は上横溝45の上面に重なっており、従って、アッパーテープ片56が外に露出することはない。アッパーテープ片56の左右両端はサイド仕切り板44まで延びている。そして、図12(B)に示すように、アッパーテープ片56の左右端部はアッパーフレーム9に設けた押さえ部39で後ろ向き移動不能に保持されている。このため、アッパーテープ片56は上横溝45に嵌め込んだだけであっても抜け不能に保持されている。
図12(B)に示すように、ロアテープ片57はロアメンバー18を後ろから塞ぐように配置されており、左右中間部と左右側部との3カ所に、ロアメンバー18の下係合穴47に嵌入するつ形の係合爪61を形成しており、係合爪61を係合穴47の下突起48に前から引っ掛けている。これによってロアテープ片57はロアメンバー18に離脱不能に保持されている。
背板6へのメッシュ式表皮材7の取り付けは、まず、左右のサイドテープ片53,54を装着し、次いで、ロアテープ片57を装着し、最後にアッパーテープ片56を装着する、という手順で行われる。このようにしてメッシュ式表皮材7が装着された背板6を、バックフレーム5に取り付ける。バックフレーム5への取付けに際して、メッシュ式表皮材7の周縁部はバックフレーム5に当接して多少伸び変形する。
本実施形態では、サイドフレーム8の長溝20に係合爪30,31等の係合手段や位置決め手段が配置されているため、連結構造外部に露出せずに美感に優れている。なお、背板6にはクッション材を張ることも可能であるが、本願発明との関連は薄いので説明は省略する。
(5).その他
本願発明は上記の各実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば背板は単なる板状(シェル状)の形態であってもよい。体圧支持体は必ずしも背板ある必要はなく、例えば、前後に開口したフレーム材にメッシュ状のサポートシートを張った構造でもよい。
係合手段としては係合爪と係合穴との組み合わせなど、様々の態様を選択できる。ストッパー手段も、例えば係合爪同士の噛み合わせなどを採用することも可能である
本願発明は椅子に適用して有用性を発揮する。よって、産業上利用できる。
4 背もたれ
5 バックフレーム
6 体圧支持体の一例として背板
8 サイドフレーム
9 アッパーフレーム
9a バックフレームのアッパーフレームでストッパー手段を兼用する上面板
16 背板のサイドメンバー
17 背板のアッパーメンバー
20 縦長溝
27 雄形嵌合部
28 雌形嵌合部
30,31 係合手段の一例としての係合爪
38 横長溝
41 下面板
42 上係合穴
43 上係合爪
44a ストッパー手段として背板のアッパーメンバーに設けたストッパー片

Claims (3)

  1. 上下長手の左右サイドフレームとそれらの上端に繋がったアッパーフレームとを有する強度メンバーとしてのバックフレームと、前記バックフレームに前から重なる体圧支持体とを有しており、前記体圧支持体の左右側部と前記バックフレームのサイドフレームとに、前記体圧支持体を下向き移動させることで互いに噛み合って前記体圧支持体を前記バックフレームにて前向き離反不能に保持する係合手段が設けられている一方
    前記バックフレームのアッパーフレームは、上面板と下面板との間に前向きに開口の横長溝が形成された部分を有しており、前記体圧支持体の上端部に、前記横長溝に手前から入り込むストッパー片を設けており、前記ストッパー片が前記バックフレームにおけるアッパーフレームの上面板に下方から当たることで、前記体圧支持体の上向き動が阻止されている、
    椅子の背もたれ。
  2. 前記体圧支持体の上端部に、前記バックフレームの横長溝に入り込む下向き鉤状の上係合爪を設けている一方、前記バックフレームの下面板には、前記上係合爪が上から係合する上係合穴を下方に開口した状態に設けている、
    請求項1に記載した椅子の背もたれ。
  3. 前記上係合爪は前記ストッパー片の下方に配置されている、
    請求項2に記載した椅子の背もたれ。
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