JP5608372B2 - 耐熱性カタラーゼ - Google Patents

耐熱性カタラーゼ Download PDF

Info

Publication number
JP5608372B2
JP5608372B2 JP2009554336A JP2009554336A JP5608372B2 JP 5608372 B2 JP5608372 B2 JP 5608372B2 JP 2009554336 A JP2009554336 A JP 2009554336A JP 2009554336 A JP2009554336 A JP 2009554336A JP 5608372 B2 JP5608372 B2 JP 5608372B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
sequence
dna
amino acid
catalase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009554336A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009104622A1 (ja
Inventor
薫 岡倉
風介 間塚
崇恵 福島
弘一郎 村島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP2009554336A priority Critical patent/JP5608372B2/ja
Publication of JPWO2009104622A1 publication Critical patent/JPWO2009104622A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5608372B2 publication Critical patent/JP5608372B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • C12N9/0065Oxidoreductases (1.) acting on hydrogen peroxide as acceptor (1.11)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y111/00Oxidoreductases acting on a peroxide as acceptor (1.11)
    • C12Y111/01Peroxidases (1.11.1)
    • C12Y111/01006Catalase (1.11.1.6)

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、耐熱性カタラーゼに関するものであり、詳細には、ペニシリウム・ピノフィラム又はフミコーラ・グリゼア由来の耐熱性カタラーゼ、耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードするDNA及び耐熱性カタラーゼの製造方法に関するものである。
カタラーゼは、過酸化水素を水と酸素に分解する反応を触媒する酵素である。過酸化水素水は消毒剤・殺菌剤として広く利用されている。過酸化水素水は、殺菌終了後、水で簡単に除去が可能であり、かつ時間経過とともにある程度自然分解されるため、食品などの殺菌剤として広く利用されている。しかし、残存する過酸化水素から発生する活性酸素が、細胞の老化やガンを引き起こす可能性を有するため、過酸化水素使用後は完全に分解・除去することが求められている。過酸化水素の分解には、新たな化学物質を添加することなく分解できるため、カタラーゼが非常に有効である。実際、カタラーゼは、綿の漂白処理後に残存する過酸化水素や、食品中の残存過酸化水素の分解・除去に用いられている。これまでに、カタラーゼとして、微生物由来のもの(特許文献1〜5)及び豚・牛の肝臓などの動物由来のカタラーゼなどが知られている。
上記カタラーゼの中で、糸状菌であるアスペルギルス・ニガーが産生するカタラーゼや豚の肝臓由来のカタラーゼが工業用途に良く用いられてきた。しかし、これらのカタラーゼは耐熱性が低く、70℃で30分間処理すると10%程度の活性が残存するのみであることが知られている(特許文献6)。一方、特に繊維加工や食品加工等の用途においては、高温での過酸化水素の分解が必要とされるため、従来品よりも耐熱性が高いカタラーゼが所望されている。これまでに耐熱性カタラーゼとして、アスペルギルス・テレウス(特許文献6)、アクレモニウム・アラバメンシス(特許文献6)、サーモアスカス・オーランチアカス(特許文献6)、シタリジウム・サーモフィラム(特許文献7)、フミコーラ・インソレンス(特許文献7)、及びサーモマイセス属(特許文献8)が産生するカタラーゼが報告されている。
糸状菌は、タンパク質の分泌能が極めて高いことが知られており、酵素などの組換えタンパク質を生産するための宿主として適している。従って、耐熱性カタラーゼ遺伝子を糸状菌に導入し、組換えタンパク質として大量に発現させることができれば、野生株と比較して、耐熱性カタラーゼを著しく高い生産性により製造できることが期待される。これまでに、組換えタンパク質の生産用にアスペルギルス属(特許文献9)、ペニシリウム属(特許文献10)、フミコーラ属(特許文献11)、トリコデルマ属(特許文献12)、アクレモニウム属(特許文献13)に分類される糸状菌において組換えタンパク質の産生に成功したことが報告されている。
これらの糸状菌を宿主として組換えタンパク質を発現させる場合、必ずしも宿主に導入した全ての外来遺伝子が発現される訳ではない。一般に、導入遺伝子のコドン使用の観点から、導入する外来遺伝子の由来は宿主にできる限り近縁であることが望ましいとされている。例えば、フミコーラ・インソレンスを宿主としてエンドグルカナーゼを組換えタンパク質として発現させる際に、フミコーラ・インソレンス由来であるNCE4、NCE5遺伝子を導入した場合には顕著な量でのエンドグルカナーゼの発現が認められた(特許文献14、15)。これに対し、NCE4、NCE5とアミノ酸配列で高い同一性を有するリゾプス・オリゼー由来のRCEI遺伝子を導入した場合には、エンドグルカナーゼの発現がほとんど認められなかった(特許文献16)。また、アスペルギルス・アワモリを宿主としてグルコアミラーゼを組換えタンパク質として発現させる際に、アスペルギルス・ニガー由来のグルコアミラーゼ遺伝子を導入した場合には、グルコアミラーゼの発現は4.6g/Lと高い生産性を示したのに対し、フミコーラ・グリゼア由来の遺伝子を導入した場合には0.66g/Lと低い生産性を示すに留まった(非特許文献1)。更には、アルファー−アミラーゼを組換えタンパク質として発現させる際に、アスペルギルス・オリゼを宿主としてアスペルギルス・オリゼ由来のアルファー−アミラーゼ遺伝子を導入した場合には、アルファー−アミラーゼの発現は12g/Lと高い生産性を示したのに対し、トリコデルマ・ビリデを宿主としてアスペルギルス・オリゼ由来のアルファー−アミラーゼ遺伝子を導入した場合には、アルファー−アミラーゼの発現は1g/Lの生産性を示すに過ぎなかった(非特許文献1)。これらの結果は、著量の組換えタンパク質の発現を目指す場合においては、宿主と同種もしくは近縁の糸状菌に由来する遺伝子を導入するほうが望ましいことを示している。
糸状菌を宿主とし、耐熱性カタラーゼを組換えタンパク質として大量に発現させることを目指す場合にも、上記の通り、導入される耐熱性カタラーゼ遺伝子の由来は宿主とする糸状菌と近縁であることが望ましいと考えられる。しかし、これまでに耐熱性カタラーゼ遺伝子の単離が報告されたのは、サーモアスカス・オーランチアカス由来のカタラーゼ遺伝子(特許文献17)及びシタリジウム・サーモフィラム由来のカタラーゼ遺伝子(特許文献18)のみである。タンパク質の生産宿主として開発されているアスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、アクレモニウム属等の糸状菌から耐熱性カタラーゼ遺伝子が単離された例はこれまで報告されておらず、耐熱性カタラーゼを組換えタンパク質として生産性高く発現させることは、たいへん困難であった。
特開昭55−135588号公報 特開昭60−083579号公報 特開昭63−003788号公報 特公昭49−004956号公報 特開平2−076579号公報 特開平5−153975号公報 特表平6−506347号公報 特開平10−257883号公報 国際公開第WO97/034004号パンフレット 国際公開第WO2000/068401号パンフレット 国際公開第WO98/003667号パンフレット 国際公開第WO98/011239号パンフレット 特開2001/017180号公報 国際公開第WO98/003640号パンフレット 国際公開第WO2001/090375号パンフレット 国際公開第WO2000/024879号パンフレット 特開2004−261137号公報 米国特許第5646025号明細書 塚越規弘著、組換えタンパク質生産法(学会出版センター)、pp.94〜95
このような背景のもと、耐熱性カタラーゼを組換えタンパク質として大量に発現させることが求められており、本発明者らは、組換えタンパク質の生産宿主として開発されたアスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、アクレモニウム属の糸状菌から耐熱性カタラーゼを探索し、それら耐熱性カタラーゼをコードする遺伝子を単離し、耐熱性カタラーゼを大量に発現させることを課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するため、組換えタンパク質の生産宿主として開発された糸状菌であるアスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、アクレモニウム属に分類される糸状菌を多数培養し、得られた培養液中のカタラーゼについてその熱安定性の評価を重ね、これらの糸状菌より耐熱性カタラーゼを得ることを試みた。その結果、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアが耐熱性カタラーゼを産生することを見出した。
次に本発明者らは、ペニシリウム・ピノフィラムの培養液より耐熱性カタラーゼを精製したところ、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)上で約80kDaの位置に単一のバンドを示し、かつそのN末端アミノ酸配列がDDSNASSETEAFLSEFYLNDNDAYLTTDVGG(配列番号5)である耐熱性カタラーゼを得た。また、フミコーラ・グリゼアの培養液より耐熱性カタラーゼを精製したところ、SDS−PAGE上で約80kDaの位置に単一のバンドを示し、かつそのN末端アミノ酸配列がQDTTSGQSPLAAYEVDDSTG(配列番号10)である耐熱性カタラーゼを得た。
更に、本発明者らは、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアのゲノムDNAから、これらの耐熱性カタラーゼをコードする遺伝子のクローニング、塩基配列の決定に成功し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
1)ペニシリウム属に属する微生物が産生する耐熱性カタラーゼ、
2)ペニシリウム属に属する微生物が、ペニシリウム・ピノフィラムである、1)に記載の耐熱性カタラーゼ、
3)分子量が約80kDaである、1)又は2)に記載の耐熱性カタラーゼ、
4)フミコーラ・グリゼアが産生する耐熱性カタラーゼ、
5)分子量が約80kDaである、4)に記載の耐熱性カタラーゼ、
6)以下の(i)、(ii)、及び(iii)から選択されるタンパク質:
(i)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列を含んでなるタンパク質;
(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質;
(iii)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質、
7)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列からなる耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質、
8)配列番号2に記載のアミノ酸配列の−1〜−42番の配列、又は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の−1〜−42番の配列において1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列をN末端側に有する、6)又は7)に記載のタンパク質、
9)以下の(i)、(ii)、及び(iii)から選択されるタンパク質:
(i)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列を含んでなるタンパク質;
(ii)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質;
(iii)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質。
10)配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列からなる耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質、
11)配列番号4に記載のアミノ酸配列の−1〜−32番の配列、又は、配列番号4に記載のアミノ酸配列の−1〜−32番の配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列をN末端側に有する、9)又は10)に記載のタンパク質、
12)以下の(i)、(ii)、及び(iii)から選択されるDNA:
(i)6)〜8)のいずれか一に記載のタンパク質をコードするDNA;
(ii)配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列を含んでなるDNA;
(iii)配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、
13)配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列からなるDNA、
14)12)又は13)に記載のDNAから、イントロン配列を除去したDNA、
15)イントロン配列が、配列番号1に記載の塩基配列の322〜372番、599〜651番、1068〜1113番、又は、1279〜1326番の配列から選択される1以上の配列である、14)に記載のDNA、
16)12)〜15)のいずれか一に記載のDNAから、シグナル配列をコードする塩基配列を除去したDNA、
17)シグナル配列をコードする塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列の1〜126番の配列である、16)に記載のDNA、
18)以下の(i)、(ii)、及び(iii)から選択されるDNA:
(i)9)〜11)のいずれか一に記載のタンパク質をコードするDNA;
(ii)配列番号3に記載の塩基配列の1〜2749番の配列を含んでなるDNA;
(iii)配列番号3に記載の塩基配列の1〜2749番の配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA、
19)配列番号3に記載の塩基配列の1〜2749番の配列からなるDNA、
20)18)又は19)に記載のDNAから、イントロン配列を除去したDNA、
21)イントロン配列が、配列番号3に記載の283〜463番、667〜747番、771〜846番、1008〜1160番、1218〜1270番、又は1842〜1895番の配列から選択される1以上の配列である、20)に記載のDNA、
22)18)〜21)に記載されるDNAから、シグナル配列をコードする塩基配列を除去したDNA、
23)シグナル配列をコードする塩基配列が、配列番号3に記載の1〜96番の配列である、22)に記載のDNA、
24)12)〜17)のいずれか一に記載のDNAを含んでなる発現ベクター、
25)12)〜17)のいずれか一に記載のDNA又は24)に記載の発現ベクターで形質転換された宿主微生物、
26)宿主微生物が、糸状菌である、25)に記載の宿主微生物、
27)糸状菌が、アスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、又はアクレモニウム属に属する糸状菌から選択される糸状菌である、26)に記載の宿主微生物、
28)25)〜27)のいずれか一に記載の宿主微生物を培養し、培養物から耐熱性カタラーゼを採取することを特徴とする、耐熱性カタラーゼの製造方法、
29)18)〜23)のいずれか一に記載のDNAを含んでなる発現ベクター、
30)18)〜23)のいずれか一に記載のDNA又は29)に記載の発現ベクターで形質転換された宿主微生物、
31)宿主微生物が、糸状菌である、30)に記載の宿主微生物、
32)糸状菌が、アスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、又はアクレモニウム属に属する糸状菌から選択される糸状菌である、31)に記載の宿主微生物、
33)30)〜32)のいずれか一に記載の宿主微生物を培養し、培養物から耐熱性カタラーゼを採取することを特徴とする、耐熱性カタラーゼの製造方法、
に関する。
本発明により、耐熱性カタラーゼを組換えタンパク質として効率良く生産するために必要なDNAを得ることができ、また、耐熱性カタラーゼを効率良く発現する組換え微生物を得ることができる。更に、得られた組換え微生物を培養することにより、効率よく安価に耐熱性カタラーゼを生産することができる。本発明の耐熱性カタラーゼで過酸化水素を含んだ溶液を処理することにより、高温においても過酸化水素を効率的かつ安価に分解することができる。
プラスミドpPCNの制限酵素地図である。 プラスミドpHCNの制限酵素地図である。 プラスミドpPTPCNの制限酵素地図である。
本明細書において、「耐熱性カタラーゼ」とは、特許文献6の実施例4に開示された方法で耐熱性を測定し、70℃で30分間保存後の活性残存率が50%以上であるカタラーゼを意味する。
ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアが培養液中に産生する耐熱性カタラーゼは、例えば特許文献6に示されている方法により得ることができる。カタラーゼ活性の測定は、過酸化水素を含んだ溶液にカタラーゼを添加し、一定時間後に減少した過酸化水素を定量することにより評価され、例えば特許文献6に開示されている方法により測定できる。また、耐熱性カタラーゼは、特許文献6に記載の方法に従って、適当な濃度に希釈した培養上清を70℃で30分間熱処理し、熱処理前後のカタラーゼ活性を測定することで評価できる。本明細書において、上記の定義に従い、本熱処理において50%以上の活性が残存するカタラーゼを耐熱性カタラーゼとする。
上記の方法により得られたペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアの培養液上清につき、その上清中のカタラーゼの熱安定性を測定した。その結果、70℃で30分間の熱処理によりペニシリウム・ピノフィラムの産生するカタラーゼは50%、フミコーラ・グリゼアの産生するカタラーゼは57%のカタラーゼ活性が残存しており、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアは耐熱性カタラーゼを産生していた。
耐熱性カタラーゼの精製は、上記の方法で得られた耐熱性カタラーゼを含んだ培養上清から、タンパク質精製の定法に従って実施できる。この際、用いられるタンパク質精製法は、一般的に知られている様々な方法が適用できるが、例えば、疎水クロマトグラフィ、陰イオン交換クロマトグラフィを組み合わせることにより実施できる。また、精製された耐熱性カタラーゼの分子量はSDS−PAGEにより決定することができる。
上記の方法により、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアの産生する耐熱性カタラーゼを精製し、分子量を決定したところ、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアから、それぞれ約80kDaの分子量を持つ耐熱性カタラーゼが得られた。
本明細書において、「アミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列」とは、部位特異的突然変異誘発法等の周知の方法により、又は天然に生じ得る程度の複数個の数のアミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味する。アミノ酸の改変の個数は、好ましくは1〜50個、より好ましくは1〜30個、更に好ましくは1〜10個、更により好ましくは1〜5個、最も好ましくは1〜2個である。
本発明のタンパク質の改変アミノ酸配列の例は、好ましくは、そのアミノ酸が、1又は複数個(好ましくは、1ないし数個あるいは1、2、3、又は4個)の保存的置換を有するアミノ酸配列であることができる。
本明細書において、「保存的置換」とは、1もしくは複数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことができる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
本明細書において「ストリンジェントな条件」とは、ハイブリダイゼーション後のメンブレンの洗浄操作を、高温下低塩濃度溶液中で行うことを意味し、例えば、0.5×SSC濃度(1×SSC:15mmol/Lクエン酸3ナトリウム、150mmol/L塩化ナトリウム)、60℃、15分間の洗浄条件、好ましくは0.5×SSC濃度、0.1%SDS溶液中で60℃、15分間の洗浄条件を意味する。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法に従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができる。
本明細書において、塩基配列又はアミノ酸配列についての「同一性」とは、比較される配列間において、各々の配列を構成する塩基又はアミノ酸残基の一致の程度の意味で用いられる。本明細書において示した「同一性」の数値はいずれも、当業者に公知の相同性検索プログラムを用いて算出される数値であればよく、例えば、FASTA等においてデフォルト(初期設定)のパラメータを用いることにより、容易に算出することができる。
配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列は、好ましくは、80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、更により好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列であることができる。
配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列は、好ましくは、80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、更により好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の同一性を有するアミノ酸配列であることができる。
本発明において、配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は容易に定まり、配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列をコードする種々の塩基配列を選択することができる。
本発明において、配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列が与えられれば、それをコードする塩基配列は容易に定まり、配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列をコードする種々の塩基配列を選択することができる。
従って、配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列を含んでなるタンパク質をコードするDNAとは、配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列で表される塩基配列の一部又は全部に加え、同一のアミノ酸をコードする塩基配列であって縮重関係にあるコドンを塩基配列として有する配列をも意味するものとする。本発明においては更に、これらに対応するRNA配列も含まれる。
また、配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列を含んでなるタンパク質をコードするDNAとは、配列番号3に記載の塩基配列の1〜2749番の配列で表される塩基配列の一部又は全部に加え、同一のアミノ酸をコードする塩基配列であって縮重関係にあるコドンを塩基配列として有する配列をも意味するものとする。本発明においては更に、これらに対応するRNA配列も含まれる。
配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列を含んでなるタンパク質をコードするDNAの好ましい例としては、配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列で表される塩基配列を含んでなるDNAが挙げられる。
配列番号4に記載のアミノ酸配列の1〜684番の配列を含んでなるタンパク質をコードするDNAの好ましい例としては、配列番号3に記載の塩基配列の1〜2749番の配列で表される塩基配列を含んでなるDNAが挙げられる。
ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアが産生する耐熱性カタラーゼをコードする遺伝子の単離は、ペニシリウム・ピノフィラム及びフミコーラ・グリゼアよりゲノムファージライブラリーを作製し、耐熱性カタラーゼ遺伝子を含んだ陽性ファージクローンを得ることにより実施することができる。ゲノムファージライブラリーより陽性ファージクローンをスクリーニングするためのプローブとして、耐熱性カタラーゼ遺伝子断片を用いることができる。プローブとする耐熱性カタラーゼ遺伝子断片はそれぞれのゲノムDNAを鋳型としたPCRによる増幅できる。PCRのためのプライマーセットは、既知の糸状菌由来カタラーゼ遺伝子の保存配列を基に設計できる。この様にして得られた陽性クローンから耐熱性カタラーゼ遺伝子を大腸菌ベクターにサブクローニングしたのち、得られるベクターの塩基配列を解析することにより、耐熱性カタラーゼ遺伝子の塩基配列を決定できる。また、該塩基配列より推定されるアミノ酸配列と既知のカタラーゼのアミノ酸配列との比較、及びイントロンの保存配列を基に、該塩基配列中のイントロン配列が推定できる。また該遺伝子の翻訳開始コドンから、精製された耐熱性カタラーゼのN末アミノ酸配列をコードする配列の直前までが、シグナル配列をコードする配列として推定できる。
上記の方法により、ペニシリウム・ピノフィラムのゲノムDNAより単離された全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子PCNは、配列表の配列番号1に記載された2403bpの塩基からなっており、また本遺伝子は配列番号1に記載の322〜372番、599〜651番、1068〜1113番、及び1279〜1326番の塩基配列で示される4つのイントロンからなっていると推定された。該遺伝子配列より推定される耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列は配列番号2に示される通りであった。また、該アミノ酸配列の1〜31番の配列は、ペニシリウム・ピノフィラムより精製した耐熱性カタラーゼのN末アミノ酸配列と完全に一致したため、配列番号2の−1〜−42番のアミノ酸配列をシグナル配列であると推定し、該アミノ酸配列がコードされる配列番号1の1〜126番の塩基配列をシグナル配列がコードされる塩基配列と推定した。
本明細書において示したペニシリウム・ピノフィラム由来のカタラーゼ遺伝子PCNの塩基配列に基づいて、所望の遺伝子を増幅させるためのプライマーを作製し、ペニシリウム・ピノフィラムのゲノムDNAを鋳型としてPCRを実施し、増幅したDNA断片を適当なベクターと連結することにより発現ベクターを作製することができ、所望の遺伝子を単離することができる。更に、本発明のペニシリウム・ピノフィラム由来のDNAは、プラスミドpPCNに含まれていることから、これらをPCRの鋳型DNAとして利用することが可能である。また、これらプラスミドから適当な制限酵素にて所望のDNA断片を調製することができる。
本発明によれば、平成20年(2008年)2月7日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に国内寄託(国内受託番号FERM P−21504)され、平成20年(2008年)12月11日から国際寄託(国際受託番号FERM BP−11074)に移管されている、pPCNで形質転換された大腸菌(Escherichia coli)株が提供される。
上記の方法によりフミコーラ・グリセアのゲノムDNAより単離された全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子HCNは配列表の配列番号3に示された2749bpの塩基からなっており、また本遺伝子は、配列番号3の283〜463番、667〜747番、771〜846番、1008〜1160番、1218〜1270番、1842〜1895番の塩基配列で示される6つのイントロンからなっていると推定された。該遺伝子配列より推定される耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列は配列番号4に示される通りであった。また、該アミノ酸配列の1〜20番の配列は、フミコーラ・グリセアより精製した耐熱性カタラーゼのN末アミノ酸配列と完全に一致したため、配列番号4の−1〜−32番のアミノ酸配列をシグナル配列であると推定し、該アミノ酸配列がコードされる配列番号3の1〜96番の塩基配列をシグナル配列がコードされる塩基配列と推定した。
本明細書において示したフミコーラ・グリセア由来のカタラーゼ遺伝子HCNの塩基配列に基づいて、所望の遺伝子を増幅させるためのプライマーを作製し、フミコーラ・グリセアのゲノムDNAを鋳型としてPCRを実施し、増幅したDNA断片を適当なベクターと連結することにより発現ベクターを作製することができ、所望の遺伝子を単離することができる。更に、本発明のフミコーラ・グリセア由来のDNAは、プラスミドpHCNに含まれていることから、これらをPCRの鋳型DNAとして利用することが可能である。また、これらプラスミドから適当な制限酵素にて所望のDNA断片を調製することができる。
また、本発明によれば、平成20(2008)年2月7日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に国内寄託(国内受託番号FERM P−21503)され、平成20年(2008年)12月11日から国際寄託(国際受託番号FERM BP−11073)に移管されている、pHCNで形質転換された大腸菌(Escherichia coli)が提供される。
上記のようにして単離した耐熱性カタラーゼ遺伝子は、これらを宿主に導入して発現させることにより耐熱性カタラーゼを製造できる。宿主に導入されるDNAは、全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子、該DNAからイントロン配列の一部又は全部を除去したDNA、又はシグナル配列をコードする塩基配列を除去したDNAのいずれでも構わない。
本発明によれば、前記の本発明によるDNAを、宿主微生物内で複製可能で、かつそのDNAがコードするタンパク質を発現可能な状態で含んでなる発現ベクターが提供される。更に本発明によれば、この発現ベクターによって形質転換された微生物が提供される。
この宿主−ベクター系は特に限定されず、例えば大腸菌、放線菌、酵母、カビなどを用いた系、及びそれらを用いた他のタンパク質との融合タンパク質発現系などを用いることができる。本発明に好適な宿主微生物としては、糸状菌、好ましくはトリコデルマ属、アスペルギルス属、ペニシリウム属(更に好ましくはペニシリウム・ピノフィラム)、フミコーラ属(更に好ましくはフミコーラ・グリセア)、アクレモニウム属糸状菌などが挙げられ、発現ベクターとしては、特許文献9〜13に記載の発現ベクターなどを使用することができる。
本発明によるベクター構築の手順及び方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
本発明の発現ベクターは、これを実際に宿主微生物に導入して所望のタンパク質を発現させるために、前記の本発明によるDNAの他に、その発現を制御するDNAや微生物を選択するための遺伝子マーカー等を含んでいてもよい。
こうして得られた形質転換体を適当な培地で培養し、その培養物から上記した本発明のタンパク質を単離して得ることができる。形質転換体の培養及びその条件は、使用する微生物に応じて適宜に設定すればよい。また、培養液からの目的とするタンパク質の回収、精製も常法に従って行なうことができる。
以下、本発明の理解を深めるために実施例に沿って説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:ペニシリウム・ピノフィラム培養液中のカタラーゼ活性(耐熱性)の測定
ポテトデキストロース寒天培地で生育させたペニシリウム・ピノフィラムを、シュークロース50g/L、麦芽エキス20g/L、酵母エキス5g/Lより成る培地30mLを入れた200mLの三角フラスコに植菌し、26℃で5日間振とう培養した後、得られた培養液から遠心分離により菌体を除き、培養上清液を得た。得られた培養上清液中のカタラーゼについて、そのカタラーゼ活性(耐熱性)を特許文献6の実施例4に開示された方法で測定した結果、70℃で30分間保存後の活性残存率は50%であった。以上の結果から、ペニシリウム・ピノフィラムは耐熱性のカタラーゼを産生していると判断した。
実施例2:ペニシリウム・ピノフィラム培養液中の耐熱性カタラーゼの単離精製
実施例1に記載の方法で得られたペニシリウム・ピノフィラムの培養上清液に最終濃度1mol/Lになるように硫酸アンモニウムを溶解させた後、本溶液をあらかじめ50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)中1mol/L硫酸アンモニウムで平衡化させた疎水カラムPhenyl Sepharose HP 26/10(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)に通液させることにより吸着させた。次に、本疎水カラムに吸着されたタンパク質を50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)中1mol/L硫酸アンモニウムから50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)への直線勾配溶出法により溶出させ、分画した。分画した溶出液のカタラーゼ活性を実施例1に記載の方法により測定し、活性を示した画分を回収した。回収した活性画分に最終濃度1mol/Lになるように硫酸アンモニアを添加し、上記と同様の方法で疎水カラムにより再クロマトグラフィを実施した。得られた活性画分を限外ろ過することにより濃縮脱塩した後、最終濃度50mmol/Lとなるようにリン酸緩衝液(pH8.0)を添加した。続いて本溶液を、あらかじめ50mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化した陰イオン交換カラムMonoQ(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)に通液し、タンパク質を吸着させた。吸着させたタンパク質を50mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)から50mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.0)中1mol/L NaClへの直線勾配溶出法により溶出させ分画した。分画した溶出液のカタラーゼ活性(耐熱性)を実施例1に記載の方法により測定し、活性を示した画分を回収した。回収した活性画分をSDS−PAGEにて分析したところ、約80kDaの単一なバンドを示したので、本バンドに由来するタンパク質が耐熱性カタラーゼであると判断した。本耐熱性カタラーゼをSDS−PAGEにより分離した後、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜にブロットし、N末端のアミノ酸配列を解析したところ、次の配列が得られた。
DDSNASSETEAFLSEFYLNDNDAYLTTDVGG(配列番号5)
実施例3:ペニシリウム・ピノフィラムからの耐熱性カタラーゼ遺伝子PCNのクローニング
3−1)ゲノムDNAライブラリーの作製
ペニシリウム・ピノフィラムの菌体より、堀内らの方法[H.Horiuchi et. al., J. Bacteriol., 170, 272-278, (1988)]に従ってゲノムDNAを単離・精製した。単離したゲノムDNAを制限酵素Sau3AIにより部分消化した。これをファージベクター・EMBL3クローニングキット(ストラタジーン社製)のBamHIアームに、ライゲーションキットVer.2(タカラバイオ社製)を用いて連結させた。これをエタノール沈澱後、TE緩衝液に溶解した。連結混合物の全量をMaxPlaxλ packerging kit(エピセンターテクノロジー社製)を用い、ファージ粒子を形成させ、大腸菌XL1-blue MRA (P2)株に感染させた。この方法により1.1×10個のファージから成るゲノムDNAライブラリーが得られた。
3−2)プローブの作製
既知のカタラーゼの保存領域の配列を基に以下のプライマーを作製した。
PカタラーゼF:GAGGCCGGCAACTACCCNGARTGGRA(配列番号6)
PカタラーゼR:CCTGCTCGGTCTCGGCRAARWARTT(配列番号7)
PカタラーゼF及びPカタラーゼRをプライマーとして使用し、ゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは、LA Taqポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用いて実施した。PCRは、94℃で30秒、アニールを30秒、72℃で1分間を40サイクル実施するプログラムで実施したが、アニール温度は最初の20サイクルで63℃から53℃へ段階的に低下させ、その後の20サイクルにおいては53℃に固定した。増幅された250bpのDNA断片を、TOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)により、添付のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOプラスミドベクターに挿入し、プラスミドTOPO−Pカタラーゼを得た。
プラスミドTOPO−Pカタラーゼにクローニングされた挿入DNA断片のシークエンスは、BigDye(R) Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ社製)とABI PRISMジェネティックアナライザー(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、添付のプロトコールに従って行った。その結果得られた塩基配列をホモロジー検索した結果、アスペルギルス・クラバタス由来のカタラーゼと71%の同一性を示したため、本DNA断片をカタラーゼ遺伝子の一部であると判断した。本DNA断片をプラスミドTOPO−Pカタラーゼを鋳型として上記と同様の方法でPCRに増幅し、得られたPCR産物はECLダイレクトシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて標識しプローブとした。
3−3)プラークハイブリダイゼーションによるスクリーニング
実施例3−1において作製したファージプラークを、ハイボンドN+ナイロントランスファーメンブラン(アマシャム社製)に転写し、アルカリ変性後、5倍濃度SSC(SSC:15mmol/Lクエン酸3ナトリウム、150mmol/L塩化ナトリウム)で洗浄し、乾燥させてDNAを固定した。ハイブリダイゼーションは、1時間のプレハイブリダイゼーション(42℃)の後、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識プローブを添加し、4時間(42℃)ハイブリダイゼーションを行った。プローブの洗浄は6mol/L尿素、0.4%SDS添加0.5倍濃度SSCで2回、2倍濃度SSCで2回行った。
プローブの洗浄を行ったナイロン膜は、検出溶液に1分間浸したあと、同社製ハイパーフィルムECLに感光させ、1個の陽性クローンを得た。陽性クローンからのDNA調製は、Maniatisらの方法(J.Sambrook,E.F.Fritsch and T.Maniatis,"Molecular Cloning",Cold Spring
Harbor Laboratory Press.1989)に従い、宿主大腸菌としてLE392を用いて行った。まず、LE392をLB−MM培地(1%ペプトン、0.5%イーストエキス、0.5%塩化ナトリウム、10mmol/L硫酸マグネシウム、0.2%マルトース)で一晩培養した。これにシングルプラーク由来のファージ溶液を感染させ、LB−MM培地で一晩培養した。これに、塩化ナトリウムを1mol/Lに、そしてクロロホルムを0.8%になるよう加え、大腸菌の溶菌を促進させた。遠心分離により、菌体残渣をのぞき、ポリエチレングリコール(PEG)沈澱(10%PEG6000)からファージ粒子を回収した。ファージ粒子はSDS存在下、プロティナーゼKで消化し、これをフェノール処理、エタノール沈澱化によりファージDNAを回収した。
以上のように調製したDNAはECLダイレクトシステムを用い、サザンブロット解析を行った。実施例3−2のPCR増幅断片をプローブにハイブリダイゼーションを行った結果、約7kbのPstI断片が染色体DNAと共通のハイブリダイゼーションパターンを示した。
このPstI断片をpUC118にクローン化し、プラスミドpUC−PCNを得た。得られたプラスミドの塩基配列を実施例3−2に記載の方法により解析した。更にペニシリウム・ピノフィラム由来のカタラーゼ遺伝子PCNをサブクローニングするために、pUC−PCNを鋳型にして、以下のプライマーセット(PCNF及びPCNR)によりPCRを実施し、PCN遺伝子を増幅した。
PCNF:ATGCGAGGATTATACTCCCTC(配列番号8)
PCNR:CTACTCATCCACAGCGAATCG(配列番号9)
増幅されたDNAをTOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)により、pCR2.1-TOPOプラスミドベクターに挿入し、プラスミドpPCNを得た。得られたプラスミドpPCNにより大腸菌(Escherichia coli)TOP10株(インビトロジェン社)を形質転換することによりEscherichia coli TOP10株/pPCNを得た。
3−4)耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列の推定
上記の方法によりペニシリウム・ピノフィラムのゲノムDNAより単離された全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子PCNは配列番号1に示された2403bpの塩基からなっていた。本塩基配列より推定されるアミノ酸配列と既知のカタラーゼのアミノ酸配列との比較及びイントロンの保存配列を基に、本遺伝子は配列番号1の322〜372番、599〜651番、1068〜1113番、1279〜1326番に示される4つのイントロンが含まれていると推定された。本塩基配列より推定される耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列は配列番号2に示される通りであった。また、配列番号2のアミノ酸配列の1番〜31番の配列は、実施例2に示したペニシリウム・ピノフィラムより精製した耐熱性カタラーゼのN末アミノ酸配列と完全に一致したため、配列番号2のアミノ酸配列の−1〜−42番の配列をシグナル配列であると推定し、本アミノ酸配列がコードされる配列番号1の1〜126番の塩基配列をシグナル配列がコードされる塩基配列と推定した。
実施例4:フミコーラ・グリセア培養液中のカタラーゼ活性(耐熱性)の測定
フミコーラ・グリセアの培養上清液を、実施例1と同様の方法で調製した。得られた培養上清液中のカタラーゼについて、そのカタラーゼ活性(耐熱性)を実施例1の方法で測定した結果、70℃で30分間保存後の活性残存率は、57%であった。以上の結果から、フミコーラ・グリセアは耐熱性カタラーゼを産生していると判断した。
実施例5:フミコーラ・グリセア培養液中の耐熱性カタラーゼの単離精製
実施例4に記載の方法で得られたフミコーラ・グリセアの培養上清液に最終濃度1mol/Lになるように硫酸アンモニウムを溶解させた後、本溶液をあらかじめ50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)中1mol/L硫酸アンモニウムで平衡化させた疎水カラムPhenyl
Sepharose HP 26/10(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)に通液させることにより吸着させた。次に、本疎水カラムに吸着されたタンパク質を50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)中1mol/L硫酸アンモニウムから50mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)への直線勾配溶出法により溶出させ分画した。分画した溶出液のカタラーゼ活性(耐熱性)を実施例1に記載の方法により測定し、活性を示した画分を回収した。回収した活性画分に最終濃度1mol/Lになるように硫酸アンモニアを添加し、上記と同様の方法で疎水カラムにより再クロマトグラフィを実施した。得られた活性画分を限外ろ過することにより濃縮脱塩した後、最終濃度50mmol/Lとなるように酢酸緩衝液(pH4.0)を添加した。続いて本溶液を、あらかじめ50mmol/L酢酸緩衝液(pH4.0)で平衡化した陽イオン交換カラムMonoS(GEヘルスケア バイオサイエンス社製)に通液した。非吸着画分にカタラーゼ活性が検出されたため、非吸着画分を活性画分として回収した。回収した活性画分をSDS−PAGEにて分析したところ、約80kDaの単一なバンドを示したので、本バンドに由来するタンパク質が耐熱性カタラーゼであると判断した。本耐熱性カタラーゼをSDS−PAGEにより分離した後、PVDF膜にブロットし、N末端のアミノ酸配列を解析したところ、次の配列が得られた。
QDTTSGQSPLAAYEVDDSTG(配列番号10)
実施例6:フミコーラ・グリセアからの耐熱性カタラーゼ遺伝子HCNのクローニング
6−1)ゲノムDNAライブラリーの作製
実施例3−1に記載の方法で、フミコーラ・グリセアのゲノムDNAライブラリーを調製した。
6−2)プローブの作製
糸状菌及び酵母由来カタラーゼの保存領域の配列を基に以下のプライマーを作製した。
HカタラーゼF:GTNCGNTTYTCNACTGT(配列番号11)
HカタラーゼR:AARAANACNGGTTRTTGTT(配列番号12)
[配列番号12中、下線で示す記号「N」(12番)はデオキシイノシンを意味する]
HカタラーゼF及びHカタラーゼRをプライマーとして使用し、ゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRは、Ex Taqポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用いて実施した。PCRは、98℃で10秒、アニールを55℃で30秒、伸長反応を72℃で15秒間の30サイクル実施するプログラムで実施した。増幅された300bpのDNA断片を、TOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)により、添付のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOプラスミドベクターに挿入し、プラスミドTOPO−Hカタラーゼを得た。
プラスミドTOPO−Hカタラーゼにクローニングされた挿入DNA断片の塩基配列を解析し、得られた塩基配列をホモロジー検索した結果、スクレロティニア・スクレロティオラム由来のカタラーゼと97%と高い同一性を示したため、本DNA断片をカタラーゼ遺伝子の一部であると判断した。本DNA断片をプラスミドTOPO−Hカタラーゼを鋳型として上記と同様の方法でPCRに増幅し、得られたPCR産物はECLダイレクトシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて標識しプローブとした。
6−3)プラークハイブリダイゼーションによるスクリーニング
実施例3−3に記載の方法で、ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングした結果、1個の陽性クローンを得た。得られた陽性クローンについてサザンブロット解析を行った結果、約7kbのXhoI断片と約4kbのBamHI断片が染色体DNAと共通のハイブリダイゼーションパターンを示した。これらXhoI断片とBamHI断片をpUC118にクローン化し、それぞれプラスミドpUC−HCN−XhoIとpUC−HCN−BamH1を得た。これらのプラスミドの塩基配列を解析した結果、XhoI断片には配列番号3の塩基配列の616番から3’末端までの配列が、BamHI断片には5’末端から配列番号3の塩基配列の1675番の配列が確認され、耐熱性カタラーゼ遺伝子断片が含まれていた。これらの塩基配列を結合させることにより全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子の塩基配列を確定させた。フミコーラ・グリセア由来のカタラーゼ遺伝子HCNをサブクローニングするために、フミコーラ・グリセアのゲノムDNAを鋳型にして、以下のプライマーセット(HCNF及びHCNR)によりPCRを実施し、HCN遺伝子を増幅した。
HCNF:ATGAACAGAGTCACGAATCTC(配列番号13)
HCNR:TCAAAAAACAAAGGCACCAAG(配列番号14)
増幅されたDNAをTOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)により、pCR2.1-TOPOプラスミドベクターに挿入し、プラスミドpHCNを得た。得られたプラスミドpHCNにより大腸菌(Escherichia coli)TOP10株(インビトロジェン社)を形質転換することによりEscherichia coli TOP10株/pHCNを得た。
6−4)耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列の推定
上記の方法によりフミコーラ・グリセアのゲノムDNAより単離された全長の耐熱性カタラーゼ遺伝子HCNは配列番号3に示された2749bpの塩基からなっていた。本塩基配列より推定されるアミノ酸配列と既知のカタラーゼのアミノ酸配列との比較及びイントロンの保存配列を基に、本遺伝子は配列番号3の塩基配列の283〜463番、667〜747番、771〜846番、1008〜1160番、1218〜1270番、1842〜1895番に示される6つのイントロンが含まれていると推定された。本塩基配列より推定される耐熱性カタラーゼのアミノ酸配列は配列番号4に示される通りであった。また、配列番号4のアミノ酸配列の1〜20番の配列は、実施例5に示したフミコーラ・グリセアより精製した耐熱性カタラーゼのN末アミノ酸配列と完全に一致したため、配列番号4のアミノ酸配列の−1〜−32番のアミノ酸配列をシグナル配列であると推定し、本アミノ酸配列がコードされる配列番号3の塩基配列の1〜96番の配列をシグナル配列がコードされる塩基配列と推定した。
実施例7:組換えPCN発現ベクターの調製
アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラス(Aspergillus niger var. macrosporus)を宿主とした組換えPCNの発現は、アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスにおいて著量発現されているプロクターゼB遺伝子のプロモーターとターミネーターとの間に、PCN遺伝子を挿入した発現ベクターを用いて実施した。本発現ベクターは、以下の手順により調製した。
7−1)ゲノムDNAライブラリーの作製
アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスの菌体より、堀内らの方法[H.Horiuchi et. al., J. Bacteriol., 170, 272-278, (1988)]に従ってゲノムDNAを単離・精製した。単離したゲノムDNAをSau3AIにより部分消化した。これをファージベクターλEMBL3クローニングキット(ストラタジーン社製)のBamHIアームに、ライゲーションキットVer.2(タカラバイオ社製)を用いて連結させた。これをエタノール沈澱後、TE緩衝液に溶解した。連結混合物の全量をMaxPlaxλ packerging kit(エピセンターテクノロジー社製)を用い、ファージ粒子を形成させ、大腸菌XL1-blue MRA(P2)株に感染させた。この方法により1.25×10個のファージから成るゲノムDNAライブラリーが得られた。
7−2)プローブの作製
アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスのゲノムDNAライブラリーについて、プロクターゼB遺伝子の翻訳領域をプローブとしたサザンブロッティングを実施することにより、プロクターゼB遺伝子のプロモーター及びターミネーター領域を含んだクローンを単離した。プロクターゼB遺伝子の翻訳領域はアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスのゲノムDNAを鋳型にし、特開平5−68570号公報に記載されたプロクターゼB遺伝子の翻訳領域の5’末端及び3’末端配列を基に設計したプライマー(proctaseB−NとproctaseB−C)を用いて、PCRにより増幅した。
proctaseB−N:ATGGTCGTCTTCAGCAAAACC(配列番号15)
proctaseB−C:CTAAGCCTGAGCGGCGAATCC(配列番号16)
PCRは、LA PCRTM KIT Ver2.1(タカラバイオ社製)を用いて行った。反応条件は、94℃で1分間保温の後、(94℃、30秒間)・(52℃、30秒間)・(72℃、90秒間)のサイクルを30サイクル行い、最後に72℃、7分間処理し、反応を終了した。その結果、約1.2kbのDNAが増幅された。増幅された1.2kbのDNA断片を、TOPO TAクローニングキット(インビトロジェン社製)により、キットに添付されていたプロトコールに従ってpCR2.1−TOPOプラスミドベクターに挿入し、プラスミドTOPO−ProBを得た。プラスミドTOPO−ProBにクローニングされた挿入DNA断片のシークエンスは、BigDye(R) Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit(アプライドバイオシステムズ社製)とABI PRISMジェネティックアナライザー(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、添付されていたプロトコールに従って行った。その結果得られた塩基配列は特開平5−68570号公報記載のプロクターゼB遺伝子の配列と一致したため、本DNA断片をプロクターゼB遺伝子の翻訳領域であると判断した。本DNA断片をECLダイレクトシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて標識し、プローブとした。
7−3)プラークハイブリダイゼーションによるプロクターゼ遺伝子のプロモーター領域及びターミネーター領域を含んだクローンのスクリーニング
実施例7−1において作製したファージプラークを、ハイボンドN+ナイロントランスファーメンブラン(アマシャム社製)に転写し、アルカリ変性後、5倍濃度SSC(SSC:15mmol/Lクエン酸3ナトリウム、150mmol/L塩化ナトリウム)で洗浄し、乾燥させてDNAを固定した。ハイブリダイゼーションは、1時間のプレハイブリダイゼーション(42℃)の後、実施例に7−2に記載の方法で調製したプローブを添加し、20時間(42℃)ハイブリダイゼーションを行った。プローブの洗浄は6mol/L尿素、0.4%SDS添加0.5倍濃度SSCで2回、2倍濃度SSCで2回行った。プローブの洗浄を行ったナイロン膜は、検出溶液に1分間浸したあと、同社製ハイパーフィルムECLに感光させ、8個の陽性クローンを得た。
陽性クローンからのDNA調製は、Maniatisらの方法(J.Sambrook,E.F.Fritsch and T.Maniatis,"Molecular Cloning",Cold Spring
Harbor Laboratory Press.1989)に従い、宿主大腸菌としてLE392を用いて行った。まず、LE392を、LB−MM培地(1%ペプトン、0.5%イーストエキス、0.5%塩化ナトリウム、10mmol/L硫酸マグネシウム、0.2%マルトース)で一晩培養した。これにシングルプラーク由来のファージ溶液を感染させ、LB−MM培地で一晩培養した。これに、塩化ナトリウムを1mol/Lに、そしてクロロホルムを0.8%になるように加え、大腸菌の溶菌を促進させた。遠心分離により、菌体残渣をのぞき、ポリエチレングリコール(PEG)沈澱(10%PEG6000)からファージ粒子を回収した。ファージ粒子はSDS存在下、プロティナーゼKで消化し、これをフェノール処理、エタノール沈澱化によりファージDNAを回収した。
以上のように調製したDNAはECLダイレクトシステムを用い、サザンブロット解析を行った。実施例7−2に記載の方法で調製したプローブにハイブリダイゼーションを行った結果、約5.5kbのXhoIからEcoRI断片が染色体DNAと共通のハイブリダイゼーションパターンを示したため、本断片がプロクターゼB遺伝子を含んだ断片であると判断し、サブクローニングを実施することとした。ファージDNAより切り出したXhoIからEcoRI断片をpUC119のSalI、EcoRI部位に挿入し、プラスミドpPROB/119E.Xを得た。得られたプラスミドの塩基配列を解析し、プロクターゼB遺伝子のプロモーター、ターミネーター領域の塩基配列を決定した。
7−4)遺伝子発現用組換えベクターpPTB−EXの構築
実施例7−3に記載した方法で調製したプラスミドpPROB/119E.Xから、プロクターゼB遺伝子の翻訳領域を削除し、本遺伝子のプロモーターの3’末端とターミネーター領域の5’側末端とが、XbaI認識配列で結合したベクターを発現ベクターpPTB−EXとした。pPTB−EXは、pPROB/119E.Xを鋳型として、プロクターゼB遺伝子のプロモーターの3’側末端としたプライマー(proctaseBNxba)、ターミネーターの5’側末端をプライマー(proctaseBCxba)としたインバースPCRにより調製した。
proctaseBNxba:GGTCTAGAATGTCAAGCAAGAGAGT(配列番号17)
proctaseBCxba:GGTCTAGAATCAACCACTGAAGTGGA(配列番号18)
尚、両プライマー5’側末端にはXbaI認識配列を付加した。PCRは、Primestar MAX DNA POLYMERASE(タカラバイオ社製)を用いて、(98℃、10秒間)・(55℃、5秒間)・(72℃、60秒間)の反応を30サイクル行った。その結果、約7kbのDNAが増幅された。PCR反応液はQIAQUICK PCR PURIFICATION KIT(キアゲン社製)を用いてDNAの精製を行い、50μLのTEバッファーに溶出し、得られたDNA断片をXbaIで制限処理した後、ライゲーションキットVer.2(タカラバイオ社製)を用いて再連結し、発現ベクターpPTB−EXとした。得られたプラスミドの塩基配列を解析し、インバースPCRによる変異が入っていないことを確認した。
7−5)組換えPCN発現用ベクターpPTPCNの構築
実施例3に記載の方法で単離したPCN遺伝子を、発現ベクターpPTB−EXのXbaIサイトに挿入し、組換えPCN発現用ベクターpPTPCNを構築した。PCN遺伝子翻訳領域の5’側末端及び3’側末端にXbaI認識配列を付加するために、pPCNを鋳型として、PCN遺伝子の翻訳領域の5’側末端及び3’側末端にXbaI認識配列を付加したプライマーPCN−XbaIPtNとPCN−XbaIPtCを用いてPCRを行った。
PCN−XbaIPtN:GGTCTAGAGGTCAAAATGCGAGGATTATACTCCCT(配列番号19)
PCN−XbaIPtC:GGTCTAGACTACTCATCCACAGCGAATCGG(配列番号20)
PCRは、Primestar MAX DNA POLYMERASE(タカラバイオ社製)、(98℃、10秒間)・(55℃、5秒間)・(72℃、60秒間)の反応を30サイクルで行った。その結果、約2.3kbのDNAが増幅された。PCR反応液はQIAQUICK PCR PURIFICATION KIT(キアゲン社製)を用いてDNAの精製を行い50μLのTEバッファーに溶出し、得られたDNA断片をXbaIで制限処理した後、同じくXbaIで消化した後に脱リン酸化処理したpPTB−EXとライゲーションキットVer.2(タカラバイオ社製)を用いて連結し、プラスミドpPTPCNを得た(配列番号21、図3)。本プラスミドに挿入されたPCNのDNA配列を解析し、PCRにより変異が導入されていないことを確認した。
実施例8:PCN発現ベクターpPTPCNによるアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスの形質転換、及び組換えPCNの発現
PCN発現ベクターpPTPCNによるアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスの形質転換は、本株のniaD欠損株を、niaD遺伝子を選択マーカー遺伝子として形質転換することにより実施した。
8−1)niaD欠損株Nia2株の単離
アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスの胞子をサペック培地−N(0.1%KHPO、0.05%MgSO・7HO、0.05%KCl、0.001%FeSO・2HO、3%シュークロース、1.5%Purified Agar、pH5.5〜6.0)に0.188%グルタミン酸ナトリウム及び3%KClOを添加した培地に塗布した。30℃にて5〜7日間培養した後に得られたコロニーを、サペック培地のN源をNO、NHもしくはグルタミン酸とする培地にそれぞれレプリカし30℃、5〜7日間培養した。レプリカしたコロニーのうち、NH及びグルタミン酸をN源とする培地では生育するが、NOをN源とする培地では生育しない株をniaD欠損株Nia2株として単離した。
8−2)選択マーカー遺伝子niaD遺伝子の単離
アンクルら[Uncle,S.E., Cambell,E.I., Punt,P.J., Hawker,K.L., Contreras,R.,
Hawkins,A.R., Van Den Hondel,C.A. and Kinghorn,J.R., "The Aspergillus niger niaD gene
encoding nitrate reductase:upstream nucreltide and amino acid sequence
comparisons", Gene 111(2), 149-155(1992)]により報告されたアスペルギルス・ニガーのniaD遺伝子の翻訳領域の5’末端及び3’末端を基に設計したプライマーNia−N及びNia−Cを用いたPCRにより、アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスのniaD遺伝子の翻訳領域を増幅した。
Nia−N:ATGGCGACTGTCACTGAGGTG(配列番号22)
Nia−C:TTAGAAGAAATGAAGGTCCGA(配列番号23)
PCRはアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスのゲノムDNAを鋳型にして、LA PCRTM KIT Ver2.1(タカラバイオ社製)を用いて、94℃1分の後、(94℃、30秒間)・(55℃、30秒間)・(72℃、3分間)のサイクルを30サイクル行い最後に72℃、7分間処理することにより、実施した。その結果、約3kbのDNAが増幅された。増幅された3kbのDNA断片を、ECLダイレクトシステム(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を用いて標識し、プローブとした。
続いて、前記の方法で調製したniaD遺伝子の翻訳領域をプローブとして、実施例7−1に記載の方法で調製したアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスのゲノムDNAライブラリーよりniaD遺伝子のプロモーター領域、ターミネーター領域を含んだクローンを単離した。実施7と同様の方法により、ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし、1個の陽性クローンを得た。得られたファージクローンを実施例7と同様の方法でサザンブロット解析を行った。その結果、約6.5kbのXbaI消化断片が染色体DNAと共通のハイブリダイゼーションパターンを示したので、このXbaI断片をpUC118のXbaI認識配列部位にクローニングし、プラスミドpPTnia118を得た。得られたプラスミドの塩基配列を解析し、niaD遺伝子のプロモーター及びターミネーター領域を含む6416bpの塩基配列(配列番号24)を決定した。
8−3)PCN遺伝子のアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスNia2株への導入
アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスNia2株をS培地(3.0%グルコース、0.1%ポリペプトン、1%イーストエキス、0.14%硫酸アンモニウム、0.2%リン酸カリウム、0.03%硫酸マグネシウム、pH6.8)で30℃、24時間培養し、遠心分離(3500rpm、10分)によって菌体を回収した。得られた菌体を0.5mol/Lシュークロースで洗浄し、0.45μmのフィルターで濾過したプロトプラスト化酵素溶液(10mg/mL βグルクロニダーゼ、3mg/mLキチナーゼ、3mg/mLザイモラーゼ、0.5mol/Lシュークロース)に懸濁した。30℃、60分間振とうし、菌糸をプロトプラスト化させた。脱脂綿によりこの懸濁液を濾過した後、2500rpm、10分間遠心してプロトプラストを回収し、SUTCバッファー(17.1%シュークロース、10mmol/L Tris−HCl pH7.5、10mmol/L CaCl)で洗浄した。以上のようにして調製したプロトプラストを100μLのSUTCバッファーで再懸濁した後、pPTPCN7.5μL(1μg/μL)とpPTnia118 2.5μL(1μg/μL)とを添加し、氷上で5分間静置した。次に400μLのPEG溶液(60%PEG4000、10mmol/L Tris−HCl pH7.5、10mmol/L CaCl)を添加し、氷上に20分静置した後、SUTCバッファーを10mL添加し2500rpm、10分間遠心した。遠心分離したプロトプラストを1mLのSUTCバッファーに懸濁した後、4000rpm、5分間遠心して、最終的に100μLのSUTCバッファーに懸濁した。
以上の処理をしたプロトプラストをサペック再生培地(0.085%NaNO、0.1%KHPO、0.05%MgSO・7HO、0.05%KCl、0.001%FeSO・2HO、17.1%シュークロース、1.5%Purified Agar、pH5.5〜6.0)上に軟寒天とともに重層し、30℃、5〜7日間培養し形成したコロニーを形質転換体とした。
8−4)アスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラス Nia2株形質転換体におけるPCNの発現と酵素活性の測定
得られた形質転換体をP培地(1.0%でんぷん、6.0%脱脂大豆粕、1.0%コーンスティープリカー、0.3%硫酸アンモニウム、1%炭酸カルシウム)にて28℃、6日間培養した。培養後の上清をSDS−PAGEにより解析したところ、組換えPCNに由来する分子量約80kDaのバンドが観測された株(No.16株)を得た。No.16株の培養上清と、Nia2株を同様に培養し得られた培養上清について、実施例1に記載の方法でカタラーゼ活性を測定した。その結果、表1に記載のとおりNo.16は親株の77倍以上の活性を示し、組換えPCNが発現したことが確認された。
Figure 0005608372
なお、カタラーゼ活性は1分間に1μmolの過酸化水素を分解する酵素量を1単位とした。更に、実施例1に記載の方法で得られたペニシリウム・ピノフィラムの培養上清のカタラーゼ活性を測定したところ、その活性は385U/mLであった。この結果から、PCNをアスペルギルス・ニガー バラエティ マクロスポーラスを宿主として、発現させることにより、その生産性が顕著に向上することが示された。
8−5)N末端アミノ酸配列の解析
実施例8−4で得られた形質転換体No.16株の培養上清をSDS−PAGEに供し、ミリポア社製PVDF膜(Immobilon−PSQ)に転写した。このPVDF膜をクマシーブリリアントブルーで染色し、約80kDaのタンパク質がブロットされた部分を切り取り、Model492アミノ酸シーケンサーに供し、アミノ末端側11残基のアミノ酸配列を解読した。その配列は以下に示されるとおりであった。
DDSNASSETEA(配列番号5の1〜11番)
このアミノ酸配列はペニシリウム・ピノフィラム由来PCNのN末端アミノ酸配列と同一であったことから、約80kDaのタンパク質が組換えPCNであることが確認された。
8−6)組換えPCNの熱安定性の検討
実施例1に記載のとおり、ペニシリウム・ピノフィラムの産生する天然のPCNの熱安定性は、50%であった。実施例1に記載の方法で、実施例8−4に記載の方法で得た組換えPCNの熱安定性を評価した結果、その安定性は71.3%であった。以上の結果から、組換えPCNの熱安定性は、天然のPCNのそれと比較して顕著に向上することが明らかとなった。

以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
配列表の配列番号6−9、11−20、22−23の各塩基配列は、人工的に合成したプライマー配列であり、それぞれ、プライマーP catalase F(配列番号6)、P catalase R(配列番号7)、PCNF(配列番号8)、PCNR(配列番号9)、H catalase F(配列番号11)、H catalase R(配列番号12)、HCNF(配列番号13)、HCNR(配列番号14)、proctaseB-N(配列番号15)、proctaseB-C(配列番号16)、proctaseBNxba(配列番号17)、proctaseBCxba(配列番号18)、PCN-XbaIPtN(配列番号19)、PCN-XbaIPtC(配列番号20)、Nia-N(配列番号22)、Nia-C(配列番号23)である。
配列番号21の塩基配列は、プラスミドpPTPCNである。
配列番号6の記号「N」(18番)、配列番号11の記号「N」(3、6、12番)、配列番号12の記号「N」(6、9番)は、それぞれ、任意の塩基を表し、配列番号12の記号「N」(12番)は、デオキシイノシンを表す。

Claims (14)

  1. 以下の(i)、(ii)、及び(iii)から選択されるタンパク質:
    (i)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列を含んでなるタンパク質;(ii)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質;
    (iii)配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり、かつ耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質。
  2. 配列番号2に記載のアミノ酸配列の1〜692番の配列からなる耐熱性カタラーゼ活性を有するタンパク質。
  3. 配列番号2に記載のアミノ酸配列の−1〜−42番の配列、又は、配列番号2に記載のアミノ酸配列の−1〜−42番の配列において1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列をN末端側に有する、請求項1又は2に記載のタンパク質。
  4. 以下の(i)及び(ii)から選択されるDNA:
    (i)請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質をコードするDNA;
    (ii)配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列を含んでなるDNA。
  5. 配列番号1に記載の塩基配列の1〜2403番の配列からなるDNA。
  6. 請求項4又は5に記載のDNAから、イントロン配列を除去したDNA。
  7. イントロン配列が、配列番号1に記載の塩基配列の322〜372番、599〜651番、1068〜1113番、又は、1279〜1326番の配列から選択される1以上の配列である、請求項6に記載のDNA。
  8. 請求項4〜7のいずれか一項に記載のDNAから、シグナル配列をコードする塩基配列を除去したDNA。
  9. シグナル配列をコードする塩基配列が、配列番号1に記載の塩基配列の1〜126番の配列である、請求項8に記載のDNA。
  10. 請求項4〜9のいずれか一項に記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
  11. 請求項4〜9のいずれか一項に記載のDNA又は請求項10に記載の発現ベクターで形質転換された宿主微生物。
  12. 宿主微生物が、糸状菌である、請求項11に記載の宿主微生物。
  13. 糸状菌が、アスペルギルス属、ペニシリウム属、フミコーラ属、トリコデルマ属、又はアクレモニウム属に属する糸状菌から選択される糸状菌である、請求項12に記載の宿主微生物。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の宿主微生物を培養し、培養物から耐熱性カタラーゼを採取することを特徴とする、耐熱性カタラーゼの製造方法。
JP2009554336A 2008-02-18 2009-02-18 耐熱性カタラーゼ Active JP5608372B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009554336A JP5608372B2 (ja) 2008-02-18 2009-02-18 耐熱性カタラーゼ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008036171 2008-02-18
JP2008036171 2008-02-18
JP2009554336A JP5608372B2 (ja) 2008-02-18 2009-02-18 耐熱性カタラーゼ
PCT/JP2009/052729 WO2009104622A1 (ja) 2008-02-18 2009-02-18 耐熱性カタラーゼ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009104622A1 JPWO2009104622A1 (ja) 2011-06-23
JP5608372B2 true JP5608372B2 (ja) 2014-10-15

Family

ID=40985500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009554336A Active JP5608372B2 (ja) 2008-02-18 2009-02-18 耐熱性カタラーゼ

Country Status (8)

Country Link
US (2) US8975053B2 (ja)
EP (1) EP2256192B1 (ja)
JP (1) JP5608372B2 (ja)
CN (1) CN101970658B (ja)
DK (1) DK2256192T3 (ja)
ES (1) ES2547118T3 (ja)
HK (1) HK1149048A1 (ja)
WO (1) WO2009104622A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012072777A1 (en) 2010-12-01 2012-06-07 B.R.A.I.N. Biotechnology Research And Information Network Ag Novel catalases
EP3333258A3 (en) 2011-03-25 2018-07-25 Novozymes A/S Method for degrading or converting cellulosic material
WO2013091547A1 (en) * 2011-12-19 2013-06-27 Novozymes, Inc. Polypeptides having catalase activity and polynucleotides encoding same
CN104126007B (zh) * 2011-12-19 2018-07-10 诺维信股份有限公司 具有过氧化氢酶活性的多肽和编码该多肽的多核苷酸
US9637725B2 (en) 2011-12-19 2017-05-02 Novozymes Inc. Polypeptides having catalase activity and polynucleotides encoding same
CN102559714A (zh) * 2012-01-31 2012-07-11 福州大学 一种编码过氧化氢酶的基因及其制备方法和应用
ES2702293T3 (es) * 2012-06-13 2019-02-28 Eucodis Bioscience Gmbh Catalasa en medios de cultivo
EP3848469A1 (en) 2013-02-21 2021-07-14 Novozymes A/S Methods of saccharifying and fermenting a cellulosic material
EP3052620B1 (en) 2013-09-04 2020-07-15 Novozymes A/S Processes for increasing enzymatic hydrolysis of cellulosic material
BR112016009619B1 (pt) 2013-11-01 2022-11-16 Novozymes A/S Métodos para sacarificar um material celulósico e para produzir um produto de fermentação a partir de material celulósico
EP3191597A1 (en) 2014-08-21 2017-07-19 Novozymes A/S Process for saccharifying cellulosic material under oxygen addition
CN104212820B (zh) * 2014-09-15 2016-09-21 青岛蔚蓝生物集团有限公司 一种具有过氧化氢酶活性的酶及其编码基因
AU2015320214B2 (en) 2014-09-23 2021-04-01 Novozymes A/S Processes for producing ethanol and fermenting organisms
CN107949637A (zh) 2015-09-04 2018-04-20 诺维信公司 抑制酶组合物的aa9溶解性多糖单加氧酶催化的失活的方法
CN107384886B (zh) * 2017-08-28 2020-10-13 王艺璇 一种过氧化氢酶及其应用
CN110540974B (zh) * 2019-09-29 2020-07-03 上海市农业科学院 草菇过氧化氢酶vcat及其编码基因和应用
WO2023225459A2 (en) 2022-05-14 2023-11-23 Novozymes A/S Compositions and methods for preventing, treating, supressing and/or eliminating phytopathogenic infestations and infections

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992017571A1 (en) * 1991-03-27 1992-10-15 Novo Nordisk A/S Catalase, its production and use
WO1996034962A1 (en) * 1995-05-05 1996-11-07 Novo Nordisk Biotech, Inc. Scytalidium catalase gene
JP2007143405A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Mitsubishi Gas Chem Co Inc カタラーゼb遺伝子およびカタラーゼbタンパク質

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS494956B1 (ja) 1970-10-28 1974-02-04
JPS494956A (ja) 1972-04-25 1974-01-17
JPS55135588A (en) 1979-04-03 1980-10-22 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Preparation of heat-resistant catalase
JPS6083579A (ja) 1983-10-11 1985-05-11 Seiwa Kasei Kk 高力価カタラ−ゼを産生する酵母およびその製造法
JP2508001B2 (ja) 1986-06-25 1996-06-19 三菱瓦斯化学株式会社 耐塩性カタラ−ゼおよび過酸化水素の分解法
FR2627517B1 (fr) 1988-02-24 1990-10-12 Sandoz Sa Procede de blanchiment des matieres textiles avec destruction enzymatique de l'exces de peroxyde
JPH0276579A (ja) 1988-09-08 1990-03-15 Novo Ind As 耐塩性カタラーゼ
JPH0568570A (ja) 1991-09-12 1993-03-23 Meiji Seika Kaisha Ltd プロクターゼb遺伝子
JP3063800B2 (ja) 1991-12-07 2000-07-12 三菱瓦斯化学株式会社 耐熱性カタラーゼ
WO1997034004A1 (fr) 1996-03-11 1997-09-18 Meiji Seika Kaisha, Ltd. β-FRUCTOFURANNOSIDASE ET SON GENE, PROCEDE D'ISOLEMENT DU GENE DE β-FRUCTOFURANNOSIDASE, SYSTEME POUR LA PRODUCTION DE β-FRUCTOFURANNOSIDASE, ET VARIANT DE β-FRUCTOFURANNOSIDASE
JP3954149B2 (ja) 1996-03-19 2007-08-08 ホクレン農業協同組合連合会 カタラーゼ遺伝子を導入した耐冷性イネ及びこの耐冷性イネに由来するカタラーゼの製造方法
DE69736606T2 (de) 1996-07-24 2007-09-20 Meiji Seika K.K. Cellulase und Cellulase-Präperation, die dieselbe enthält
EP0953644B1 (en) 1996-07-24 2007-08-29 Meiji Seika Kaisha Ltd. Systems for the mass production of proteins or peptides by microorganisms of the genus humicola
DK0952223T3 (da) 1996-09-13 2007-04-02 Meiji Seika Kaisha Regulatorisk sekvens for cellulase cbh1-gener fra Trichoderma viride og system til masseproduktion af proteiner eller peptider under anvendelse af en sådan sekvens
JPH10257883A (ja) 1997-03-18 1998-09-29 Shin Nippon Kagaku Kogyo Kk カタラーゼ及びその製造方法
US6921655B1 (en) 1998-10-23 2005-07-26 Meiji Seika Kaisha, Ltd. Endoglucanases and cellulase preparations containing the same
JP2003516112A (ja) 1999-05-06 2003-05-13 アベンテイス・アニマル・ニユートリシヨン・エス・エー 相同又は非相同タンパク質生産のための組換えペニシリウム フニクロスム
JP4257759B2 (ja) 1999-07-06 2009-04-22 明治製菓株式会社 新規なプロモーター、及びそれを用いたタンパク質の発現方法
ATE349516T1 (de) 2000-05-22 2007-01-15 Meiji Seika Kaisha Endoglukanase nce5
DE60327740D1 (de) * 2002-02-19 2009-07-09 Novozymes As Expressionsklonierungsverfahren in filamentösen pilzen
JP2004261137A (ja) 2003-03-04 2004-09-24 Mitsubishi Gas Chem Co Inc カタラーゼ遺伝子
CA2662610A1 (en) 2006-10-24 2008-05-02 Novozymes A/S Improved alpha factor signal peptide for producing a polypeptide

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992017571A1 (en) * 1991-03-27 1992-10-15 Novo Nordisk A/S Catalase, its production and use
WO1996034962A1 (en) * 1995-05-05 1996-11-07 Novo Nordisk Biotech, Inc. Scytalidium catalase gene
JP2007143405A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Mitsubishi Gas Chem Co Inc カタラーゼb遺伝子およびカタラーゼbタンパク質

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6009023049; KURAKOV, A.V. et al.: '"Search for micromycetes producing extracellular catalase by micromycetes and study of conditions of' PRINKL. BIOKHIM. MIKROBIOL. (ISSN 0555-1099) Vol.37, No.1, 200102, p.67-72 *
JPN6013043950; KURAKOV, A.V. et al.: '"Search for micromycetes producing extracellular catalase and study of conditions of catalase synthe' APPLIED BIOCHEMISTRY AND MICROBIOLOGY Vol.37, No.1, 200101, P.59-64 *

Also Published As

Publication number Publication date
US8975053B2 (en) 2015-03-10
DK2256192T3 (en) 2015-09-28
US20150132820A1 (en) 2015-05-14
CN101970658A (zh) 2011-02-09
HK1149048A1 (en) 2011-09-23
WO2009104622A1 (ja) 2009-08-27
EP2256192A4 (en) 2012-06-06
US9512409B2 (en) 2016-12-06
EP2256192A1 (en) 2010-12-01
US20100330646A1 (en) 2010-12-30
EP2256192B1 (en) 2015-07-15
CN101970658B (zh) 2014-02-26
JPWO2009104622A1 (ja) 2011-06-23
ES2547118T3 (es) 2015-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5608372B2 (ja) 耐熱性カタラーゼ
US5753484A (en) Trichoderma longibrachiatum EGIII cellulase
JP4571604B2 (ja) トリペプチジルアミノペプチダーゼ
JP6757422B2 (ja) 変異型ニトリルヒドラターゼ、該変異型ニトリルヒドラターゼをコードする核酸、該核酸を含む発現ベクター及び形質転換体、該変異型ニトリルヒドラターゼの製造方法、並びにアミド化合物の製造方法
JP5618478B2 (ja) 新規セルラーゼ遺伝子
WO2001040450A1 (fr) Nouvelle carbonyl reductase, son gene et son procede d'utilisation
JP2001517094A (ja) アスペルギルスオリザからのプロリル−ジペプチジル−ペプチダーゼのクローニング
JP3683280B2 (ja) Trichoderma viride由来のセルラーゼcbh1遺伝子の制御配列およびそれを用いたタンパク質またはペプチドの大量生産系
JP3593134B2 (ja) フミコーラ属微生物におけるタンパク質またはペプチドの大量生産系
JP4663631B2 (ja) 放線菌由来のampデアミナーゼ及びその利用
Yano et al. Cloning and expression of a Bacillus circulans KA-304 gene encoding chitinase I, which participates in protoplast formation of Schizophyllum commune
JP4683531B2 (ja) 新規なα−L−アラビノフラノシダーゼとその利用方法
JP2009118783A (ja) 糸状菌タンパク質分泌生産の改善
JP5260941B2 (ja) 新規なコラーゲン分解酵素とその利用
JP6106738B2 (ja) 新規セルラーゼ遺伝子
WO2000050582A1 (fr) Nouvelle enzyme a activite de decoloration et procede de decoloration de colorant au moyen de ladite enzyme
CN114350643B (zh) 一种产氨肽酶的重组菌株及其在高效蛋白水解中的应用
CN111690622B (zh) 一种真菌来源的漆酶g2589及其基因和应用
EP1029922B1 (en) DNA fragments of basidiomycetes having promoter activity and their use
JP4274767B2 (ja) (r)−体のアミド結合を選択的に加水分解するアミダーゼ遺伝子及びその利用
KR101696974B1 (ko) 열 안정성이 우수한 저온성 단백질 분해효소
JP2004337173A (ja) フミコーラ属微生物におけるタンパク質またはペプチドの大量生産系
JP2006211938A (ja) アラビノガラクタン分解酵素及びその製造方法並びに当該酵素によるガラクトビオースの製造方法
JP2012187102A (ja) 新規なプロテアーゼ遺伝子、組換え体dna及びプロテアーゼの製造法
Phoma Towards developing a new host-vector system for high-level protein expression

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5608372

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250