JP5598557B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、座部とシートバックとを有する車両用シート装置に関する。
従来、車両用シート装置として、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された技術は、車両座席のフレーム構造が持ち上げエレメントによって2つに互いに分離された平面内で球面的に調整可能なものである。
特表2003−516267号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、カーブ走行の際に乗員に作用する横荷重しか考慮されていない。また、特許文献1に記載の技術は、持ち上げエレメントが駆動モータにより駆動されるため、乗員の意思に沿って車両座席を動かすことができない。このため、操舵操作性や旋回時の姿勢保持性などの向上には改善の余地がある。
そこで、本件出願人は、先に出願したPCT出願(PCT/JP2011/068326)において、旋回時の乗員姿勢保持を容易にすることができる車両用シート装置を提案した。
つまり、人の運動の多くは、腰部を起点に発生し、また、腰部を様々な方向に動かすことで、より楽に効果的な運動を行うことができることが知られている。例えば、ランニングでは、腰部を屈曲及び回動させて骨盤と肩甲骨とを逆方向に動かすことで、楽に速く走ることができる。また、例えば、空手でも、腰部を屈曲及び回動させて骨盤と肩甲骨とを逆方向に動かすことで、スピードとパワーのある突き(punch)を行うことができる。
しかしながら、ドライバは、車両に固定されたシートに着座しているため、常に腰部が固定された状態となる。このため、ドライバは、自然な運動の起点となる腰部が固定された状態で運転操作を行わなくてはならない。
例えば、操舵操作の際、ドライバは、腰部を起点として骨盤と肩甲骨とを逆方向に動かす運動ができないため、腕の筋力だけでステアリングの回転操作をしなければならない。しかしながら、腕の筋肉は、腰部の体幹筋に比べて小さく持久力が低いため、腕の筋力だけでステアリングを回転操作すると、腕が疲れやすくなる。しかも、腰部を起点とした自然な運動とは異なり、腰部が固定された不自然な姿勢で腕の運動を行うため、肩や首も疲れやすくなる。
また、腰部が固定されることで体幹筋に力が入らないため、横方向の剛性が極めて小さくなる。このため、ドライバが、車両旋回方向外側に向かう横力に耐えるためには、シートのサイドサポートに頼らざるを得なくなる。このため、シートの重量化及び大型化を招いてしまう。
また、腰部が固定された状態が長時間継続すると、腰部の体幹筋が大きく低下するため、腰痛の発生原因となる。なお、タクシードライバーの3大疾病は、腰痛、痔及び胃潰瘍であるが、その要因は、長時間車両を運転することによる体幹筋の筋力低下によるものと言われている。
このようなことから、先に出願したPCT出願(PCT/JP2011/068326)では、車両用シート装置の座部を移動自在とすることで、上記課題を解決するものとした。
しかしながら、車両用シート装置の座部を移動自在とすると、旋回時の乗員姿勢保持は容易にできるものの、旋回終了後に、移動した座部が元の位置に戻らず、乗員姿勢が元の状態に戻らない可能性がある。
そこで、本発明は、旋回時の乗員姿勢保持を容易に行いつつ、旋回終了後に乗員姿勢を元の状態に戻すことができる車両用シート装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用シート装置は、座部と、前記座部の後側に配置されたシートバックと、を有する車両用シート装置であって、座部の右側と左側とが車両用シート装置の上下方向に相対的に移動自在となるように座部を支持する座部支持部と、座部が移動すると当該座部を元の位置に戻す復元力を発生する座部用復元力発生機構と、を有する。
本発明に係る車両用シート装置によれば、乗員は、腰椎を左右方向に折り曲げて、骨盤の右側と左側とを車両用シート装置の上下方向に相対的に移動させることができる。これにより、乗員は、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができるため、乗員の姿勢保持性を向上させることができる。しかも、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、座部用復元力発生機構により発生される復元力により、移動した座部が元の位置に戻される。このため、乗員の姿勢を、操舵操作を行う前の元の状態に戻すことができる。
本発明は、座部用復元力発生機構を、前記座部と前記座部を支持する非移動部とに接続される弾性部材で構成することができる。
このようにすることで、簡易な構成で、座部を元の位置に戻す復元力を容易に発生させることができる。
本発明は、座部支持部を、座部を車両のロール方向において回動自在に支持するものとすることができる。
このように、座部を車両のロール方向において回動自在に支持することで、操舵操作時に乗員の骨盤を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って骨盤を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
本発明は、座部支持部を、座部の右側と左側とが車両用シート装置の前後方向に相対的に移動するように、座部を支持するものとすることができる。
このようにすることで、乗員は、腰椎を捻って、骨盤の右側と左側とを車両用シート装置の前後方向に相対的に移動させることができる。これにより、乗員は、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができるため、乗員の姿勢保持性を更に向上させることができる。
本発明は、座部支持部を、座部を車両のヨー方向において回動自在に支持するものとすることができる。
このように、座部を車両のヨー方向において回動自在に支持することで、操舵操作時に乗員の骨盤を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って骨盤を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
本発明は、座部支持部による座部の回転軸を、車両用シート装置の前後方向において前方よりも後方が高くなるように設定することができる。
人の腰椎は後傾しているため、座部の回転軸を、車両用シート装置の前後方向において前方よりも後方が高くなるように設定することで、腰椎の折り曲げや腰椎の捻りが行い易くなる。これにより、乗員の操舵操作性を更に向上させることができる。
本発明は、座部支持部による座部の回転軸を、乗員腰部付近に通すことができる。
骨盤は、主に腰椎を中心軸として動くことが多いため、乗員腰部付近に座部の回転軸を通すことで、腰椎の折り曲げや腰椎の捻りが更に行い易くなる。これにより、乗員の操舵操作性を更に向上させることができる。
本発明は、シートバックの右側と左側とが車両用シート装置の上下方向に相対的に移動するようにシートバックを支持するシートバック支持部と、シートバックが移動すると当該シートバックを元の位置に戻す復元力を発生するシートバック用復元力発生機構と、を更に有するものとすることができる。
このようにすることで、乗員は、腰椎を左右方向に折り曲げて、肩甲骨の右側と左側とを車両用シート装置の上下方向に相対的に移動させることができる。このため、乗員は、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができるため、乗員の操舵操作性を更に向上させることができる。しかも、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、シートバック用復元力発生機構により発生される復元力により、移動したシートバックが元の位置に戻される。このため、乗員の姿勢を、操舵操作を行う前の元の状態に戻すことができる。
本発明は、シートバック用復元力発生機構を、シートバックとシートバックを支持する非移動部とに接続される弾性部材で構成することができる。
このようにすることで、簡易な構成で、座部を元の位置に戻す復元力を容易に発生させることができる。
本発明は、シートバック支持部を、シートバックを車両のロール方向において回動自在に支持するものとすることができる。
このように、シートバックを車両のロール方向において回動自在に支持することで、操舵操作時に乗員の肩甲骨を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って肩甲骨を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
本発明は、シートバック支持部を、シートバックの右側と左側とが車両用シート装置の前後方向に相対的に移動するように、シートバックを支持するものとし、座部とシートバックとを上面視において逆方向に回動させる移動方向規制部を更に有するものとすることができる。
このようにすることで、乗員は、腰椎を捻って、肩甲骨の右側と左側とを車両用シート装置の前後方向に相対的に移動させることができる。これにより、乗員は、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができる。しかも、乗員は、常に、骨盤と肩部とをヨー方向において逆方向に回動させることができる。この姿勢は、骨盤と肩部の角運動量保存の法則からみて最適な動きとなるため、乗員の操舵操作性を更に向上させることができる。
本発明は、シートバック支持部を、シートバックを車両のヨー方向において回動自在に支持するものとすることができる。
このように、シートバックを車両のヨー方向において回動自在に支持することで、操舵操作時に乗員の肩甲骨を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って肩甲骨を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
本発明は、シートバック支持部によるシートバックの回転軸を、乗員胸部付近に通すことができる。
肩甲骨は、主に胸椎又は腰椎を中心軸として動くことが多いため、乗員胸部付近にシートバックの回転軸を通すことで、腰椎の折り曲げや腰椎の捻りを更に行い易くすることができる。これにより、乗員の操舵操作性を更に向上させることができる。
本発明によれば、旋回時の乗員姿勢保持を容易に行いつつ、旋回終了後に乗員姿勢を元の状態に戻すことができる。
車両の右旋回時にドライバがとるべき体幹の動きを示した図である。 車両の左旋回時にドライバがとるべき体幹の動きを示した図である。 第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略側面図である。 第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略正面図である。 第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略平面図である。 第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略斜視図である。 座部用復元力発生機構の構成例を示す模式図である。 座部用復元力発生機構の構成例を示す模式図である。 座部用復元力発生機構の構成例を示す模式図である。 座部用復元力発生機構の構成例を示す模式図である。 図10に示すコイルばねの復元力と座部の回転角との関係を示す図である。 接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。 図12に示すXIII−XIII線における断面図である。 接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。 図14に示すXV−XV線における断面図である。 接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。 ロータリーダンパーの構成を示す模式図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略側面図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略正面図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略平面図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略側面図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略正面図である。 正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略平面図である。 人体の上半身における骨格を示した側面図である。 人体の上半身を示した背面図である。 筋肉による横方向の支持反力を説明するための図である。 第二の本実施形態に係る車両用シート装置の概略側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用シート装置の実施の形態を説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る車両用シート装置は、車両に搭載されて車両のドライバが着座する運転席である。このため、本実施形態に係る車両用シート装置の前後方向、上下方向、左右方向は、車両の前後方向、上下方向、左右方向と同様であり、本実施形態の説明に記載する上下、左右及び前後の方向は、車両及び車両用シート装置の方向を意味する。なお、本実施形態では、運転席の車両用シート装置について説明するが、助手席などの運転席以外の車両用シート装置であってもよい。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る車両用シート装置を説明する前に、ドライバが操舵操作を行う際の理想的な動きについて説明する。図1は、車両の右旋回時にドライバがとるべき体幹の動きを示した図であり、(a)は、ドライバの平面図、(b)は、ドライバの背面図を示している。図2は、車両の左旋回時にドライバがとるべき体幹の動きを示した図であり、(a)は、ドライバの平面図、(b)は、ドライバの背面図を示している。
車両を旋回させようとするドライバは、肩から繋がる腕でステアリングを旋回方向に回転させる操舵操作を行う。この操舵操作において、ドライバは、肩部を車両のロール方向に回動(回転移動)して、旋回方向内側(旋回方向と同方向側)の肩部を、旋回方向外側(旋回方向と逆方向側)の肩部に対して車両用シート装置の上下方向において相対的に下方に移動させるとともに、肩部を車両のヨー方向に回動して、旋回方向内側の肩部を、旋回方向外側の肩部に対して車両用シート装置の前後方向において相対的に後方に移動させる。そして、ドライバは、車両の旋回が終わるまでの間、この姿勢を保持している。ここで、肩部とは、肩甲骨から肩に至る体の部分を言う。
しかしながら、骨盤と両肩の角運動量保存の法則を考えると、車両を右旋回させようとするドライバは図1に示す姿勢をとり、車両を左旋回させようとするドライバは図2に示す姿勢をとることで、楽に操舵操作を行い、その姿勢を保持することができる。
図1(a)及び図2(a)に示す姿勢は、腰椎を折り曲げて、車両旋回方向内側における骨盤と肩部との距離を車両旋回方向外側における骨盤と肩部との距離よりも短くした姿勢となる。この姿勢は、腰椎を軸として、骨盤と肩部とを車両のロール方向において逆方向に移動させた姿勢であり、ロール方向における骨盤と肩部の角運動量保存の法則からみて最適な姿勢である。なお、ロール方向における骨盤と肩部の角運動量保存の法則は、ロール方向の慣性能率をIrとし、角速度をωとすると、下記の式(1)で表される。
Irω=constant …(1)
図1(b)及び図2(b)に示す姿勢は、腰椎を捻り、骨盤と肩部とを逆方向に回動させた姿勢となる。この姿勢は、腰椎を軸として、骨盤と肩部とを車両のヨー方向において逆方向に移動させた姿勢であり、ヨー方向における骨盤と肩部の角運動量保存の法則からみて最適な姿勢である。なお、ヨー方向における骨盤と肩部の角運動量保存の法則は、ヨー方向の慣性能率をIyとし、角速度をωとすると、下記の式(2)で表される。
Iyω=constant …(2)
そこで、本実施形態に係る車両用シート装置は、ドライバの骨盤及び肩甲骨を回動自在(移動自在)にすることで、車両の旋回時に、ドライバが図1及び図2に示す姿勢をとることを可能とするものである。
以下に、本実施形態に係る車両用シート装置について詳しく説明する。
[第一の実施形態]
図3は、第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略側面図である。図4は、第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略正面図である。図5は、第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略平面図である。図6は、第一の実施形態に係る車両用シート装置の概略斜視図である。なお、図面では、車両用シート装置の構造をわかりやすくするために、緩衝材などの部材を省略している。
図3〜6に示すように、本実施形態に係る車両用シート装置1は、車両のフロアFに固定されたレール2に、シートフレーム3が車両の前後方向において摺動可能に取り付けられている。
シートフレーム3は、レール2に摺動可能に取り付けられて車両のフロアFと略平行に配置される第一シートフレーム部4と、第一シートフレーム部4から立設されてヘッドレスト6が取り付けられる第二シートフレーム部5と、を備えている。なお、第二シートフレーム部5は、リクライニング機構により、第一シートフレーム部4に対して傾動可能に取り付けられている。
そして、第一シートフレーム部4には、座部7を回動自在に支持する座部支持機構9が取り付けられており、第二シートフレーム部5には、シートバック8を回動自在に支持するシートバック支持機構12が取り付けられている。
座部7は、主にドライバの骨盤及び大腿骨が載置されるものである。なお、図面では、座部7を平板状に描いているが、座部7の形状は特に限定されるものではなく、人間工学的な観点や工業的な観点から様々なデザインが施されてもよい。
座部支持機構9は、第一シートフレーム部4の先端から車両用シート装置1の前方かつ上方に向けて延びる座部支持機構取付部4aに取り付けられている。この座部支持機構9は、座部7を回動自在に支持するために、第一シートフレーム部4に固定されるスラスト軸受10と、座部7に固定されてスラスト軸受10に回動自在に連結されるスラスト軸11と、を備える。そして、座部支持機構9による座部7の回転軸Aは、スラスト軸11の回転軸と一致する。なお、座部7及び座部支持機構9のスラスト軸11は回転部(移動部)となり、第一シートフレーム部4及び座部支持機構9のスラスト軸受10は非回転部(非移動部)となる。ここで、回転部とは、座部7及び座部7と共に回転(移動)する部分をいい、被回転部とは、座部7と共に回転(移動)しない部分をいう。
回転軸Aは、車両用シート装置1の前後方向において前方よりも後方が高くなるとともに、車両用シート装置1に着座したドライバの腰部付近を通るように設定されている。このため、座部7及び座部7に載置されるドライバの骨盤は、回転軸Aを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動することが可能となっている。なお、腰部とは、腰椎や腰椎の周囲の体幹筋などを含む体の部分を言い、腰部付近とは、腰部及び腰部の周囲の部分を言う。
座部7の回転軸Aの設定は、例えば、座部支持機構9が取り付けられる座部支持機構取付部4aの傾斜角度の設定により行うことができる。そして、座部支持機構9を、座部支持機構取付部4aの左右方向中央部に取り付けることで、ドライバの椎骨(腰椎)上に回転軸Aを通すことができる。
座部7には、座部7が回動すると当該座部7を元の位置に戻す復元力を発生する座部用復元力発生機構40が取り付けられている。座部用復元力発生機構40の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、回転部である座部7又はスラスト軸11と非回転部である第一シートフレーム部4又はスラスト軸受10とに接続される弾性部材で構成することができる。また、この弾性部材は、例えば、ばねとすることができ、このばねは、例えば、コイルばね、棒ばね、板ばね、トーションバー(ねじり棒ばね)、ゼンマイばねとすることができる。
ここで、図7〜図15を参照して、座部用復元力発生機構40及びシートバック用復元力発生機構50の具体的な構成例について説明する。図7〜図10は、座部用復元力発生機構の構成例を示す模式図である。
図7に示す座部用復元力発生機構40Aは、弾性部材である棒ばねを回転部である座部7と非回転部である第一シートフレーム部4とに接続した機構である。
具体的に説明すると、図7に示す座部7は、座部支持機構9のスラスト軸11に接続されて車幅方向に延びるフロントフレーム部7aと、フロントフレーム部7aの両端から車両前後方向に延びる一対のサイドフレーム部7bと、一対のサイドフレーム部7bの後端に接続されるリアフレーム部7cと、を備えている。リアフレーム部7cは、座部7の回転中心に対して同心円状となるように湾曲している。
座部用復元力発生機構40Aは、第一シートフレーム部4に固定される接続部材41と、弾性を有する鋼線等で構成される複数本の棒ばね42と、を備えている。接続部材41は、座部7の回転中心又は当該回転中心の近傍に配置されている。棒ばね42は、一方端部が接続部材41に接続されており、他方端部が一対のサイドフレーム部7b及びリアフレーム部7cに接続されている。なお、棒ばね42の断面形状は特に限定されるものではなく、例えば、棒ばね42を角断面、丸断面、長円断面、楕円断面とすることができる。
接続部材41に対する各棒ばね42の接続は、例えば、図12〜図16に示す手段により行うことができる。図12は、接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。図13は、図12に示すXIII−XIII線における断面図である。図14は、接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。図15は、図14に示すXV−XV線における断面図である。図16は、接続部材に対する棒ばねの接続構造を示す模式図である。
図12及び図13に示す接続部材41Aは、第一シートフレーム部4に螺合されるボルト45と、ボルト45に挿入される複数のワッシャー46と、を備えている。そして、ワッシャー46の間に棒ばね42を挟み込んだ状態で、ボルト45を第一シートフレーム部4に締め付けることで、棒ばね42が接続部材41Aに固定されている。なお、接続部材41Aを用いる場合は、棒ばね42の中央部をU字状に屈曲させ、このU字状に屈曲させた部分を接続部材41Aに固定することが好ましい。
図14及び図15に示す接続部材41Bは、第一シートフレーム部4に固定されて棒ばね42が挿入される貫通口が形成されたボス47を備えている。そして、ボス47の貫通口に棒ばね42が挿入されることで、棒ばね42が接続部材41Bに接続されている。この場合、棒ばね42はボス47に対してスライド可能となるため、座部7の回動を円滑に行わせることができる。
図16に示す接続部材41Cは、第一シートフレーム部4に固定されて第一シートフレーム部4から突出する菱形又は矩形の曲げ方向規制枠48と、第一シートフレーム部4に固定されて第一シートフレーム部4から突出する複数の曲げ方向規制ピン49と、を備えている。また、各曲げ方向規制ピン49は、曲げ方向規制枠48の各頂点付近に配置されている。そして、曲げ方向規制枠48の辺に沿って曲げ方向規制枠48と曲げ方向規制ピン49との間に棒ばね42を配置し、棒ばね42を曲げ方向規制枠48及び曲げ方向規制ピン49に引っ掛ける。この場合、棒ばね42の脱落を防止する蓋(不図示)などの棒ばね脱落防止部材を第一シートフレーム部4に取り付けておく。
サイドフレーム部7b及びリアフレーム部7cに対する棒ばね42の接続は、様々な手段により行うことができ、例えば、棒ばね42の他方端部をU字状に折り返し、このU字状に折り返した部分をサイドフレーム部7b及びリアフレーム部7cに掛止することにより行うことができる。そして、サイドフレーム部7b及びリアフレーム部7cに対する棒ばね42の掛止位置が移動しないように、サイドフレーム部7b及びリアフレーム部7cに棒ばね42の滑り止め機構(不図示)を取り付けておく。
このように座部用復元力発生機構40Aを構成すれば、各棒ばね42が座部7の回転中心に対して放射状に配置され、座部7が正規の位置から回動すると、座部7の回転方向における各棒ばね42の曲げ剛性により、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。このため、回動した座部7は、自然に元の回転位置に戻る。
また、座部7の回転中心に対して同心円状となるように湾曲したリアフレーム部7cに各棒ばね42を接続することで、各棒ばね42を同じ長さにすることができるため、棒ばね42の製造コストを低減することができる。
また、接続部材41と座部7の各フレームとに複数本の棒ばね42を接続することで、これらの棒ばね42を座部7のクッションとして兼用することができるため、軽量化を図ることができる。
図8に示す座部用復元力発生機構40Bは、弾性部材である棒ばねを回転部である座部7と非回転部である第一シートフレーム部4とに接続した機構である。
具体的に説明すると、図8に示す座部7は、座部支持機構9のスラスト軸11に接続されて車幅方向に延びるフロントフレーム部7aと、フロントフレーム部7aの両端から車両前後方向に延びる一対のサイドフレーム部7bと、一対のサイドフレーム部7bの後端に接続されるリアフレーム部7cと、を備えている。リアフレーム部7cは、座部7の回転中心に対して同心円状となるように湾曲している。
座部用復元力発生機構40Bは、第一シートフレーム部4に固定される一対の接続部材43と、弾性を有する鋼線等で構成される一対の棒ばね42と、を備えている。一対の接続部材43は、座部7の回転中心を挟んで当該回転中心からオフセットされた位置に配置されている。棒ばね42は、一方端部が接続部材43に接続されており、他方端部がリアフレーム部7cに接続されている。なお、接続部材43に対する各棒ばね42の接続及びリアフレーム部7cに対する棒ばね42の接続は、図7に示す座部用復元力発生機構40Aと同様であるため、説明を省略する。
このように座部用復元力発生機構40Bを構成すれば、座部7が正規の位置から回動すると、座部7の回転方向における各棒ばね42の曲げ剛性により、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。このため、回動した座部7は、自然に元の回転位置に戻る。しかも、各棒ばね42は、座部7の回転中心に対して放射状に配置されないため、座部7が正規の位置から回動すると、各棒ばね42に、垂直方向以外の(圧縮方向又は伸長方向の)力が作用する。このため、各棒ばね42に発生する復元力は、図7に示す座部用復元力発生機構40Aに発生する復元力よりも大きくなる。
また、座部7の回転中心に対して同心円状となるように湾曲したリアフレーム部7cに各棒ばね42を接続することで、各棒ばね42を同じ長さにすることができるため、棒ばね42の製造コストを低減することができる。
また、接続部材41と座部7の各フレームとに一対の棒ばね42を接続することで、一対の棒ばね42を座部7のクッションとして兼用することができるため、軽量化を図ることができる。
図9に示す座部用復元力発生機構40Cは、弾性部材である棒ばねを回転部である座部7と非回転部である第一シートフレーム部4とに接続した機構である。
具体的に説明すると、図9に示す座部7は、座部支持機構9のスラスト軸11に接続されて車幅方向に延びるフロントフレーム部7aと、フロントフレーム部7aの両端から車両前後方向に延びる一対のサイドフレーム部7bと、一対のサイドフレーム部7bの後端に接続されて車幅方向に延びるリアフレーム部7dと、を備えている。
座部用復元力発生機構40Cは、第一シートフレーム部4に固定される一対の接続部材43と、弾性を有する鋼線等で構成される一対の棒ばね42と、を備えている。一対の接続部材43は、座部7の回転中心を挟んで当該回転中心からオフセットされた位置に配置されている。棒ばね42は、一方端部が接続部材43に接続されており、他方端部がリアフレーム部7dに接続されている。なお、接続部材41に対する各棒ばね42の接続及びリアフレーム部7dに対する棒ばね42の接続は、図7に示す座部用復元力発生機構40Aと同様であるため、説明を省略する。
このように座部用復元力発生機構40Cを構成すれば、座部7が正規の位置から回動すると、座部7の回転方向における各棒ばね42の曲げ剛性により、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。このため、回動した座部7は、自然に元の回転位置に戻る。しかも、各棒ばね42は、座部7の回転中心に対して放射状に配置されないため、座部7が正規の位置から回動すると、各棒ばね42に、垂直方向以外の(圧縮方向又は伸長方向の)力が作用する。このため、各棒ばね42に発生する復元力は、図7に示す座部用復元力発生機構40Aに発生する復元力よりも大きくなる。
また、接続部材41と座部7の各フレームとに一対の棒ばね42を接続することで、一対の棒ばね42を座部7のクッションとして兼用することができるため、軽量化を図ることができる。
図10に示す座部用復元力発生機構40Dは、弾性部材である棒ばねを回転部であるスラスト軸11と非回転部であるスラスト軸受10とに接続した機構である。
具体的に説明すると、図17に示す座部用復元力発生機構40Dは、スラスト軸受10とスラスト軸11と接続されたコイルばね44を備えている。
コイルばね44は、スラスト軸11に挿入されており、その一方端部44aがスラスト軸受10に固定されるとともに、その他方端部44bがスラスト軸11に固定されている。
このように座部用復元力発生機構40Dを構成すれば、座部7が正規の位置から回動すると、コイルばね44がゼンマイばねのように半径方向に変形して、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。このため、回動した座部7は、自然に元の回転位置に戻る。このとき、図11に示すように、コイルばね44に発生する復元力は、座部7の回転角に応じて大きくなり、座部7を何れの方向に回動させても、発生する復元力は同等となる。
また、回転部と非回転部との間に、回転部の回転方向の動きを抑制するための減衰機構60を取り付けてもよい。減衰機構60としては、公知の様々な減衰機構(ダンパー)を用いることができ、例えば、図17に示すロータリーダンパーを用いることもできる。図17に示すロータリーダンパー61は、オイルの粘性抵抗によりスラスト軸受10に対するスラスト軸11の回転運動を抑制するものである。なお、減衰機構の位置、数、硬さなどは適宜設定することができ、減衰機構の位置、数、硬さなどに応じて座部用復元力発生機構の復元力を調整することができる。
図18は、正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略側面図である。図19は、正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略正面図である。図20は、正面視において座部支持機構の回転軸が右回りに回動した車両用シート装置の概略平面図である。図21は、正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略側面図である。図22は、正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略正面図である。図23は、正面視において座部支持機構の回転軸が左回りに回動した車両用シート装置の概略平面図である。
図18〜図20に示すように、車両用シート装置1の正面視において、座部支持機構9のスラスト軸11が回転軸Aを中心として右回り(時計回り)に回動すると、座部7は、回転軸Aを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動して、以下のような姿勢となる。
すなわち、座部7は、回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動することで、座部7の右側が、座部7の左側に対して車両用シート装置1の上下方向において相対的に上方に移動した姿勢となる。これにより、座部7に着座したドライバは、骨盤が回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動して、骨盤の右側が、骨盤の左側に対してドライバの上下方向において相対的に上方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このように座部7及び骨盤が回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において時計回りに回動する”という。この“時計回り”とは、図19に示すように、車両用シート装置1の正面視における座部7の回動方向を意味する。
また、座部7は、回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動することで、座部7の右側が、座部7の左側に対して車両用シート装置1の前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。これにより、座部7に着座したドライバは、骨盤が回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動して、骨盤の右側が、骨盤の左側に対してドライバの前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このように座部7及び骨盤が回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動することを、“ヨー方向において反時計回りに回動する”という。この“反時計回り”とは、図20に示すように、車両用シート装置1の平面視における座部7の回動方向を意味する。
このように、座部7が回転軸Aを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動すると、座部用復元力発生機構40に、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、座部用復元力発生機構40は、座部7の回転方向とは逆方向に座部7を回動させようとする復元力、つまり、座部7をロール方向において反時計回り且つヨー方向において時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、座部用復元力発生機構40により発生される復元力により、スラスト軸11が回転軸Aを中心として左回り(反時計回り)に回動するとともに、座部7がロール方向において反時計回り且つヨー方向において時計回りに回動して、回動した座部7が元の位置に戻される。
一方、図21〜図23に示すように、車両用シート装置1の正面視において、座部支持機構9のスラスト軸11が回転軸Aを中心として左回り(反時計回り)に回動すると、座部7は、回転軸Aを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動して、以下のような姿勢となる。
すなわち、座部7は、回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動することで、座部7の左側が、座部7の右側に対して車両用シート装置1の上下方向において相対的に上方に移動した姿勢となる。これにより、座部7に着座したドライバは、骨盤が回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動して、骨盤の左側が、骨盤の右側に対してドライバの上下方向において相対的に上方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このように座部7及び骨盤が回転軸Aを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において反時計回りに回動する”という。この“反時計回り”とは、図22に示すように、車両用シート装置1の正面視における座部7の回動方向を意味する。
また、座部7は、回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動することで、座部7の左側が、座部7の右側に対して車両用シート装置1の前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。これにより、座部7に着座したドライバは、骨盤が回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動して、骨盤の左側が、骨盤の右側に対してドライバの前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このように座部7及び骨盤が回転軸Aを中心として車両のヨー方向に回動することを、“ヨー方向において時計回りに回動する”という。この“時計回り”とは、図23に示すように、車両用シート装置1の平面視における座部7の回動方向を意味する。
このように、座部7が回転軸Aを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動すると、座部用復元力発生機構40に、座部7を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、座部用復元力発生機構40は、座部7の回転方向とは逆方向に座部7を回動させようとする復元力、つまり、座部7をロール方向において時計回り且つヨー方向において反時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、座部用復元力発生機構40により発生される復元力により、スラスト軸11が回転軸Aを中心として右回り(時計回り)に回動するとともに、座部7がロール方向に時計回り且つヨー方向において反時計回りに回動して、回動した座部7が元の位置に戻される。
ここで、図24を参照して、座部7の回転軸Aの設定角度について説明する。図24は、人体の上半身における骨格を示した側面図である。図24に示すように、脊椎は、椎間板を介して連結される複数の椎骨で構成されており、側面視においてS字状に湾曲している。この脊椎の一部を構成する腰椎は、骨盤の仙骨(「仙椎」ともいう)の上方に連結された5つの椎骨で構成されており、骨盤の仙骨から後傾しながら上方に延びている。この腰椎を構成する各椎骨は、それぞれ、上からL1〜L5と呼ばれている。そして、腰椎を構成する各椎骨を連結する椎間板により、腰椎を折り曲げたり捻ったりすることが可能となっている。このため、腰椎を捻る動きとしては、椎間板を通り且つ椎間板の面に直交する軸を回転軸とするのが、最も楽な動きとなる。
ドライバが車両用シート装置1に着座した姿勢において、腰椎の椎間板の面に直交する軸は、鉛直線Vに対する傾斜角度θ1が45°前後の範囲となる。しかしながら、鉛直線Vに対する回転軸Aの傾斜角度が小さいと、ドライバの足が回転軸Aから大きく離れるため、座部7の回動によりドライバの足(特に膝部分)がバタつくことがある。このため、鉛直線Vに対する回転軸Aの傾斜角度を大きくして、座部7及び骨盤の変動(回動)をヨー方向よりもロール方向に大きくした方が、操舵操作がし易くなるとともに、旋回時の姿勢保持が楽になる。
そこで、回転軸Aの鉛直線Vに対する傾斜角度θ1は、鉛直線Vに対して60°±15°の範囲に設定することが好ましい。すなわち、この傾斜角度θ1は、45°以上75°以下の範囲とすることができる。この場合、この傾斜角度θ1を、50°以上70°以下の範囲としてもよく、55°以上65°以下の範囲としてもよい。
更に、腰椎の捻りを楽に行わせる観点から、例えば、腰椎を構成するL4又はL5の椎骨を回転軸Aが通るように設定することができる。
また、車両用シート装置1には、座部7の回動によりドライバが座部7から落下しないように、座部支持機構9による座部7の回動角度範囲を規制する座部用規制機構(不図示)が取り付けられている。座部用規制機構は、例えば、座部支持機構9や、第一シートフレーム部4や、フロアFなど様々な場所に取り付けることができる。座部用規制機構による座部7の回動角度規制範囲は、例えば、右回り及び左回りにそれぞれ10°以下に設定することができる。この場合、例えば、座部7の回動角度規制範囲を、右回り及び左回りにそれぞれ2.5°、5°10°などのように段階的に変更できるようにしてもよく、座部7の回動角度規制範囲を線形的に変更できるようにしてもよい。
図3〜6に示すように、シートバック8は、座部7の後側に配置されて、主にドライバの肩甲骨をもたれ掛けさせるものである。なお、図面では、シートバック8を平板状に描いているが、シートバック8の形状は特に限定されるものではなく、人間工学的な観点や工業的な観点から様々なデザインが施されてもよい。
シートバック支持機構12は、シートバック8を回動自在に支持するために、第二シートフレーム部5に固定されるスラスト軸受13と、シートバック8に固定されてスラスト軸受13に回動自在に連結されるスラスト軸14と、を備える。そして、シートバック支持機構12によるシートバック8の回転軸Bは、スラスト軸14の回転軸と一致する。なお、シートバック8及びシートバック支持機構12のスラスト軸14は回転部となり、第二シートフレーム部5及びシートバック支持機構12のスラスト軸受13は非回転部となる。ここで、回転部とは、シートバック8及びシートバック8と共に回転(移動)する部分をいい、非回転部とは、シートバック8と共に回転(移動)しない部分をいう。
シートバック8の回転軸Bは、車両用シート装置1の前後方向と平行(水平)であって、車両用シート装置1に着座したドライバの胸部付近を通るように設定されている。このため、シートバック8及びシートバック8にもたれ掛かったドライバの肩甲骨は、回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動することが可能となっている。なお、胸部とは、胸椎や胸椎の周囲の筋肉などを含むからだの部分を言い、胸部付近とは、胸部及び胸部の周囲の部分を言う。
シートバック8の回転軸Bの高さは、第二シートフレーム部5に対するシートバック支持機構12の取り付け位置により調整することができる。この場合、図面に示したように、第二シートフレーム部5に、車両用シート装置1の上下方向に延びるスライドレール15が取り付け、このスライドレール15を介して、第二シートフレーム部5に対して車両用シート装置1の上下方向に摺動可能に取り付けることができる。これにより、ドライバの体格の違いに対応して、シートバック8に肩甲骨をもたれ掛けさせることができ、容易に、車両用シート装置1に着座したドライバの胸部付近に回転軸Bが通るように設定することができる。そして、シートバック支持機構12を、第二シートフレーム部5における左右方向中央部に取り付けることで、ドライバの椎骨(胸椎)上に回転軸Bを通すことができる。なお、スライドレール15を備える場合は、スライドレール15も非回転部となる。
シートバック8には、シートバック8が回動すると当該シートバック8を元の位置に戻す復元力を発生するシートバック用復元力発生機構50が取り付けられている。シートバック用復元力発生機構50の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、回転部であるシートバック8又はスラスト軸14と非回転部である第二シートフレーム部5又はスラスト軸受13とに接続される弾性部材とすることができる。また、この弾性部材は、例えば、ばねとすることができ、このばねは、例えば、コイルばね、棒ばね、板ばね、トーションバー(ねじり棒ばね)、ゼンマイばねとすることができる。
シートバック用復元力発生機構50の具体的な構成は、特に限定されるものではなく、例えば、座部用復元力発生機構40と同様の構成とすることができる。すなわち、図7〜図17において、第一シートフレーム部4を第二シートフレーム部5とし、座部7をシートバック8とし、座部支持機構9をシートバック支持機構22とし、座部用復元力発生機構40をシートバック用復元力発生機構50とすればよい。
そして、図18〜図20に示すように、車両用シート装置1の正面視において、シートバック支持機構12のスラスト軸14が回転軸Bを中心として左回りに回動すると、シートバック8は、回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動し、以下のような姿勢となる。
すなわち、シートバック8は、回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動することで、シートバック8の右側が、シートバック8の左側に対して車両用シート装置1の上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動して、肩甲骨の右側が、肩甲骨の左側に対してドライバの上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において反時計回りに回動する”という。この“反時計回り”とは、図19に示すように、車両用シート装置1の正面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
このように、シートバック8が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動すると、シートバック用復元力発生機構50に、シートバック8を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、シートバック用復元力発生機構50は、シートバック8の回転方向とは逆方向にシートバック8を回動させようとする復元力、つまり、シートバック8をロール方向において時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、シートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、スラスト軸14が回転軸Bを中心として右回りに回動するとともに、シートバック8がロール方向において時計回りに回動して、回動したシートバック8が元の位置に戻される。
一方、図21〜図23に示すように、車両用シート装置1の正面視において、シートバック支持機構12のスラスト軸14が回転軸Bを中心として右回りに回動すると、シートバック8は、回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動し、以下のような姿勢となる。
すなわち、シートバック8は、回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動することで、シートバック8の左側が、シートバック8の右側に対して車両用シート装置1の上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動し、肩甲骨の左側が、肩甲骨の右側に対してドライバの上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において時計回りに回動する”という。この“時計回り”とは、図22に示すように、車両用シート装置1の正面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
このように、シートバック8が回転軸Bを中心として車両のロール方向に回動すると、シートバック用復元力発生機構50に、シートバック8を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、シートバック用復元力発生機構50は、シートバック8の回転方向とは逆方向にシートバック8を回動させようとする復元力、つまり、シートバック8をロール方向において反時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、シートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、スラスト軸14が回転軸Bを中心として左回りに回動するとともに、シートバック8がロール方向において反時計回りに回動して、回動したシートバック8が元の位置に戻される。
また、車両用シート装置1には、シートバック支持機構12によるシートバック8の回動角度範囲を規制するシートバック用規制機構(不図示)を備えることが好ましい。シートバック用規制機構は、例えば、シートバック支持機構12や、第二シートフレーム部5や、フロアFなど様々な場所に取り付けることができる。シートバック用規制機構によるシートバック8の回動角度規制範囲は、例えば、右回り及び左回りにそれぞれ10°以下に設定することができる。この場合、例えば、シートバック8の回動角度規制範囲を、右回り及び左回りにそれぞれ2.5°、5°10°などのように段階的に変更できるようにしてもよく、シートバック8の回動角度規制角度を線形的に変更できるようにしてもよい。
次に、車両用シート装置1の作用について説明する。
上述したように、操舵操作を行うドライバは、ステアリングを回動するために、旋回方向内側の肩部を、旋回方向外側の肩部に対して車両用シート装置1の上下方向において相対的に下方に移動させるとともに、旋回方向内側の肩部を、旋回方向外側の肩部に対して車両用シート装置1の前後方向において相対的に後方に移動させる。このとき、骨盤と肩部との角運動量保存の法則から、腰椎を折り曲げて、車両旋回方向内側における骨盤と肩部との距離を車両旋回方向外側における骨盤と肩部との距離よりも短くするとともに、腰椎を捻り、骨盤を肩部と逆方向に回動させた方が、操舵操作を楽に行うことができる。これは、人の運動が腰部を起点に発生することに起因するものであり、人が経験的に習得した自然な動作である。
本実施形態に係る車両用シート装置1は、座部7及びシートバック8が回動自在に支持されていることから、操舵操作を行うドライバは、意識的に又は無意識的に、このような自然で楽な姿勢をとることができる。
しかも、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、座部用復元力発生機構40及びシートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、回動した座部7及びシートバック8が元の位置に戻される。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、ドライバが意識的に姿勢を真直ぐにしなくても、自然に真っ直ぐな姿勢に戻すことができる。
ここで、操舵操作を行って車両を旋回させる際の状況について具体的に説明する。車両を右旋回させようとするドライバは、意識的に又は無意識的に、骨盤と肩部とを逆方向に回動させようとする。すなわち、ドライバは、体幹筋を使って腰椎を折り曲げ、骨盤をロール方向において時計回りに回動させるとともに、肩部をロール方向において反時計回りに回動させようとする。また、ドライバは、体幹筋を使って腰部を捻り、骨盤をヨー方向において反時計回りに回動させようとする。すると、図18〜図20に示すように、座部7は、骨盤の動きに合わせて、ロール方向において時計回り(図19参照)及びヨー方向において反時計回り(図20参照)に回動し、シートバック8は、肩部の動きに伴う肩甲骨の動きに合わせて、ロール方向において反時計回り(図19参照)に回動する。これにより、ドライバの姿勢が、図1に示す姿勢となるため、ドライバは、骨盤と肩部の角運動量保存の法則により、車両を右旋回させる操舵操作を楽に行うことができる。なお、車両を右旋回させようとするドライバが骨盤と肩部とを逆方向に移動させるのは、ステアリングを回動させる操舵操作を行う直前であってもよく、操舵操作と同時に行ってもよく、操舵操作に遅れて行ってもよい。
更に、ドライバは、車両の右旋回が終了するまでの間、図1に示す姿勢を保持することができる。
一方、車両を左旋回させようとするドライバは、意識的に又は無意識的に、骨盤と肩部とを逆方向に回動させようとする。すなわち、ドライバは、体幹筋を使って腰椎を折り曲げ、骨盤を、ロール方向において反時計回りに回動させるとともに、肩部をロール方向において時計回りに回動させようとする。また、ドライバは、体幹筋を使って腰部を捻り、骨盤をヨー方向において時計回りに回動させようとする。すると、図21〜図23に示すように、座部7は、骨盤の動きに合わせて、ロール方向において反時計回り(図22参照)及びヨー方向において時計回り(図23参照)に回動し、シートバック8は、肩甲骨の動きに合わせて、ロール方向において時計回り(図22参照)に回動する。これにより、ドライバの姿勢が、図2に示す姿勢となるため、ドライバは、骨盤と肩部の角運動量保存の法則により、車両を左旋回させる操舵操作を楽に行うことができる。なお、車両を左旋回させようとするドライバが骨盤と肩部とを逆方向に移動させるのは、ステアリングを回動させる操舵操作を行う直前であってもよく、操舵操作と同時に行ってもよく、操舵操作に遅れて行ってもよい。
更に、ドライバは、車両の左旋回が終了するまでの間、図2に示す姿勢を保持することができる。
ここで、図25及び図26を参照して、車両の旋回時にドライバが図1及び図2に示す姿勢をとった場合の、力学的な考察について説明する。図25は、人体の上半身を示した背面図である。図26は、筋肉による横方向の支持反力を説明するための図である。そして、図25(a)及び図26(a)は、脊椎が真っ直ぐに伸びた状態を示しており、図25(b)及び図26(b)は、骨盤が車両のロール方向に回動して脊椎がS字状に湾曲した状態を示している。
体幹筋は、外力に対して体を支持するための支持ばねとして作用する。ところが、骨盤が固定されていると、図25(a)に示すように、骨盤と肩部とが平行になって脊椎が真っ直ぐに伸びるため、図26(a)に示すように、体幹筋が横方向に対する支持ばねとして殆ど機能せず、人体の横方向の剛性が小さくなる。これは、筋肉は縮む方向にしか筋力が働かない性質によるものである。このため、車両の旋回時などにおいてドライバに横力Fが作用すると、ドライバは自らの筋力でこの横力Fに耐えることができない。その結果、横力Fを受けたドライバを支えるための大きなサイドサポートが必要になる。
これに対し、骨盤が回動すると、図25(b)に示すように、ドライバの脊椎がS字状に湾曲し、一方側の骨盤と肩部との距離が縮まるとともに、他方側の骨盤と肩部との距離が広がる。図26(b)に示すように、一方側の体幹筋による支持ばねの力をK’、他方側の体幹筋による支持ばねの力をK、腰椎の鉛直線に対する回動角度をθとすると、ドライバには、体幹筋による横方向の支持ばねとして、(K’+K)sinθの力が働く。これにより、横力Fに対する支持反力が格段に増加して、人体の横方向の剛性が高くなるため、大きなサイドサポートがなくても、ドライバは自らの筋力でこの横力Fに耐えることができる。
なお、左右における肩甲骨と骨盤との間隔が変わる場合だけでなく、上面視において骨盤と肩甲骨とが逆方向に回動する場合も、体幹筋が捻れることにより、ドライバの横方向の剛性が高くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート装置1によれば、座部支持機構9により座部7が回動自在に保持されているため、ドライバは、腰椎を左右方向に折り曲げて、骨盤の右側と左側とを車両用シート装置1の上下方向に相対的に移動させることができる。これにより、ドライバは、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができるため、ドライバの姿勢保持性を向上させることができる。同様に、シートバック支持機構12によりシートバック8が回動自在に保持されているため、ドライバは、腰椎を左右方向に折り曲げて、肩甲骨の右側と左側とを車両用シート装置1の上下方向に相対的に移動させることができる。このため、ドライバは、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができるため、ドライバの操舵操作性を更に向上させることができる。
しかも、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、座部用復元力発生機構40及びシートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、回動した座部7及びシートバック8が元の位置に戻される。このため、乗員の姿勢を、操舵操作を行う前の元の状態に戻すことができる。
そして、座部支持機構9により、回転軸Aを中心として座部7を車両のロール方向及びヨー方向において回動自在に支持することで、操舵操作時にドライバの骨盤を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って骨盤を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。同様に、シートバック支持機構12により、回転軸Bを中心としてシートバック8を車両のロール方向において回動自在に支持することで、操舵操作時にドライバの肩甲骨を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って肩甲骨を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
また、座部7の回転軸Aが、車両用シート装置1の前後方向において前方よりも後方が高く設定されるとともに、車両用シート装置1に着座したドライバの腰部付近を通るように設定されているため、腰椎の折り曲げや腰椎の捻りが行い易くなる。これにより、ドライバの操舵操作性を更に向上させることができる。同様に、シートバック8の回転軸Bが、車両用シート装置1に着座したドライバの胸部付近を通るように設定されているため、腰椎の折り曲げや腰椎の捻りを更に行い易くすることができる。これにより、ドライバの操舵操作性を更に向上させることができる。
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態に係る車両用シート装置は、基本的に、第一の実施形態に係る車両用シート装置と同様であるが、シートバックを回動自在に支持するシートバック支持機構が、第一の実施形態に係る車両用シート装置と相違する。このため、以下では、第1の実施形態に係る車両用シート装置と相違する部分のみを説明し、第1の実施形態に係る車両用シート装置と同様の部分の説明を省略する。
図27は、第二の実施形態に係る車両用シート装置の概略側面図である。図27に示すように、第二の実施形態に係る車両用シート装置21は、シートバック8を回動自在に支持するシートバック支持機構22が設けられている。
シートバック支持機構22は、シートバック8を回動自在に支持するために、第二シートフレーム部5に固定されるスラスト軸受23と、シートバック8に固定されてスラスト軸受23に回動自在に連結されるスラスト軸24と、を備える。このため、シートバック支持機構22によるシートバック8の回転軸Cは、スラスト軸24の回転軸と一致する。
シートバック8の回転軸Cは、車両用シート装置21の前後方向において前方よりも後方が高くなるとともに、車両用シート装置21に着座したドライバの胸部付近を通るように設定されている。このため、シートバック8及びシートバック8にもたれ掛ったドライバの肩甲骨は、回転軸Cを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動することが可能となっている。
シートバック8の回転軸Cの設定は、第二シートフレーム部5に対するシートバック支持機構22の取り付け位置と、第二シートフレーム部5に対するシートバック支持機構22の取り付け角度により調整することができる。この場合、図面に示したように、第二シートフレーム部5に、車両用シート装置21の上下方向に延びるスライドレール15が取り付け、このスライドレール15を介して、第二シートフレーム部5に対して車両用シート装置21の上下方向に摺動可能に取り付けることができる。これにより、ドライバの体格の違いに対応して、シートバック8に肩甲骨をもたれ掛けさせることができ、容易に、車両用シート装置21に着座したドライバの胸部付近に回転軸Cが通るように設定することができる。そして、シートバック支持機構22を、第二シートフレーム部5における左右方向中央部に取り付けることで、ドライバの椎骨(胸椎)上に回転軸Bを通すことができる。
なお、回転軸Cの鉛直線Vに対する傾斜角度θ2は、特に制限されるものではないが、車両用シート装置21に着座したドライバの胸椎又は腰椎の椎間板に直交する方向に回転軸Cを向けてもよく、回転軸Aと平行な方向に回転軸Cを向けてもよい。
そして、車両用シート装置21の正面視において、シートバック支持機構22のスラスト軸24が回転軸Cを中心として左回りに回動すると、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動し、以下のような姿勢となる。
すなわち、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動することで、シートバック8の右側が、シートバック8の左側に対して車両用シート装置21の上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動して、肩甲骨の右側が、肩甲骨の左側に対してドライバの上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において反時計回りに回動する”という。この“反時計回り”とは、車両用シート装置21の正面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
また、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動することで、シートバック8の右側が、シートバック8の左側に対して車両用シート装置21の前後方向において相対的に後方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動して、肩甲骨の右側が、肩甲骨の左側に対してドライバの前後方向において相対的に後方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動することを、“ヨー方向において時計回りに回動する”という。この“時計回り”とは、車両用シート装置21の平面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
このように、シートバック8が回転軸Cを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動すると、シートバック用復元力発生機構50に、シートバック8を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、シートバック用復元力発生機構50は、シートバック8の回転方向とは逆方向にシートバック8を回動させようとする復元力、つまり、シートバック8をロール方向において時計回り且つヨー方向において反時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、シートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、スラスト軸24が回転軸Cを中心として右回りに回動するとともに、シートバック8がロール方向において時計回り且つヨー方向において反時計回りに回動して、回動したシートバック8が元の位置に戻される。
一方、車両用シート装置21の正面視において、シートバック支持機構22のスラスト軸24が回転軸Cを中心として右回りに回動すると、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動し、以下のような姿勢となる。
すなわち、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動することで、シートバック8の左側が、シートバック8の右側に対して車両用シート装置21の上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動し、肩甲骨の左側が、肩甲骨の左側に対してドライバの上下方向において相対的に下方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のロール方向に回動することを、“ロール方向において時計回りに回動する”という。この“時計回りと”は、車両用シート装置21の正面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
また、シートバック8は、回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動することで、シートバック8の左側が、シートバック8の右側に対して車両用シート装置21の前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。これにより、シートバック8に着座したドライバは、肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動して、肩甲骨の左側が、肩甲骨の右側に対してドライバの前後方向において相対的に前方に移動した姿勢となる。なお、本実施形態では、このようにシートバック8及び肩甲骨が回転軸Cを中心として車両のヨー方向に回動することを、“ヨー方向において反時計回りに回動する”という。この“反時計回り”とは、車両用シート装置21の平面視におけるシートバック8の回動方向を意味する。
このように、シートバック8が回転軸Cを中心として車両のロール方向及びヨー方向に回動すると、シートバック用復元力発生機構50に、シートバック8を元の位置に戻す復元力が発生する。具体的に説明すると、シートバック用復元力発生機構50は、シートバック8の回転方向とは逆方向にシートバック8を回動させようとする復元力、つまり、シートバック8をロール方向において反時計回り且つヨー方向において時計回りに回動させようとする復元力が発生する。このため、操舵操作を行って車両を旋回させた後は、シートバック用復元力発生機構50により発生される復元力により、スラスト軸24が回転軸Cを中心として左回りに回動するとともに、シートバック8がロール方向において反時計回り且つヨー方向において時計回りに回動して、回動したシートバック8が元の位置に戻される。
そして、車両用シート装置21には、上面視において座部7とシートバック8とが逆方向に回動するように、座部支持機構9とシートバック支持機構22の動きを規制する移動方向規制機構(不図示)を設けることが好ましい。上面視において座部7とシートバック8とが同方向に回動すると、ドライバは骨盤を動かすことができなくなる恐れがある。このため、車両用シート装置21に移動方向規制機構を設け、ドライバの骨盤と肩部とが角運動量保存の法則からみて最適な動きとなるようにすることが好ましい。そして、車両用シート装置21に移動方向規制機構を設けると、回転軸Aを中心とした座部7及びドライバの骨盤のヨー方向における回動方向と、回転軸Cを中心としてシートバック8及びドライバの肩甲骨のヨー方向における回動方向とが、逆方向となる。このため、移動方向規制機構は、移動方向規制部として機能する。なお、移動方向規制機構は、例えば、ギアやワイヤなどを用いることで容易に構成することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート装置21によれば、ドライバは、腰椎を左右方向に折り曲げて、肩甲骨の右側と左側とを車両用シート装置21の前後方向に相対的に移動させることができる。これにより、ドライバは、意識的に又は無意識的に、楽に操舵操作を行うことができる姿勢や、旋回時の姿勢保持性に優れた姿勢をとることができる。
しかも、座部7とシートバック8とは、上面視において逆方向に回動するため、ドライバは、常に、骨盤と肩部とをヨー方向において逆方向に回動させることができる。この姿勢は、骨盤と肩部の角運動量保存の法則からみて最適な動きとなるため、ドライバの操舵操作性を更に向上することができる。
そして、シートバック支持機構22により、回転軸Cを中心としてシートバック8を車両のヨー方向において回動自在に支持することで、操舵操作時にドライバの肩甲骨を自然に移動させることができる。これにより、体幹筋を使って肩甲骨を動かす腰部の運動を円滑に行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、座部7及びシートバック8の双方が回動するものとして説明したが、何れか一方のみが回動するものとしてもよい。例えば、座部7のみが回動し、シートバック8は回動しないものとしてもよい。
また、上記実施形態では、座部支持機構及びシートバック支持機構がスラスト軸受及びスラスト軸で構成され、座部支持機構及びシートバック支持機構により座部及びシートバックが片持ち支持されるものとして説明したが、座部及びシートバックを回動自在に支持することができれば、座部支持機構及びシートバック支持機構の構成や座部及びシートバックの支持構造として、如何なる手段を採用してもよい。
また、上記実施形態において、座部支持機構及びシートバック支持機構は、シートフレームに取り付けられるものとして説明したが、如何なる場所に取り付けられてもよい。例えば、座部支持機構及びシートバック支持機構が直接車両のフロアなどに取り付けられてもよい。
また、上記実施形態では、車両の前後左右方向と車両用シート装置の前後左右方向が同じであることから、座部及びシートバックが車両のロール方向及びヨー方向に回動するものとして説明したが、車両に対する車両用シート装置の配置によって、車両に対する車両用シート装置の回動方向が変わる。例えば、車両用シート装置が車両の車幅方向に向かい合うように配置されている場合は、車両用シート装置の前後方向が車両の左右方向となり、車両用シート装置の左右方向が車両の前後方向となる。この場合、座部及びシートバックを車両のピッチ方向に回動させることで、座部及びシートバックの右側と左側とを車両用シート装置の上下方向に移動させることができ、座部及びシートバックを車両のヨー方向に回動させることで、座部及びシートバックの右側と左側とを車両用シート装置の前後方向に移動させることができる。
また、上記実施形態において、座部及びシートバックの右側と左側との相対的な移動は、座部及びシートバックの回動により行うものとして説明したが、座部及びシートバックの右側と左側とを相対的に移動させることができれば、如何なる手段により行ってもよい。例えば、座部及びシートバックを右側と左側とで分割し、この分割された座部及びシートバックの右側と左側とを、それぞれ車両用シート装置の上下方向及び前後方向に移動可能に支持するものとしてもよい。このようにすれば、座部及びシートバックを回動させることなく、座部及びシートバックの右側と左側とを、車両用シート装置の上下方向及び前後方向に相対的に移動させることができる。
また、第2の実施形態では、座部及びシートバックがロール方向及びヨー方向に回動するものとして説明したが、座部及びシートバックはロール方向又はヨー方向に回動するものとしてもよい。
1…車両用シート装置、2…レール、3…シートフレーム、4…第一シートフレーム部、4a…座部支持機構取付部、5…第二シートフレーム部、6…ヘッドレスト、7…座部、7a…フロントフレーム部、7b…サイドフレーム部、7c…リアフレーム部、7d…リアフレーム部、8…シートバック、9…座部支持機構(座部支持部)、10…スラスト軸受、11…スラスト軸、12…シートバック支持機構(シートバック支持部)、13…スラスト軸受、14…スラスト軸、15…スライドレール、21…車両用シート装置、22…シートバック支持機構、23…スラスト軸受、24…スラスト軸、40…座部用復元力発生機構、40A…座部用復元力発生機構、40B…座部用復元力発生機構、40C…座部用復元力発生機構、40D…座部用復元力発生機構、41…接続部材、41A…接続部材、41B…接続部材、41C…接続部材、43…接続部材、44a…一方端部、44b…他方端部、45…ボルト、46…ワッシャー、47…ボス、48…曲げ方向規制枠、49…曲げ方向規制ピン、50…シートバック用復元力発生機構、60…減衰機構、61…ロータリーダンパー、A…回転軸、B…回転軸、C…回転軸、F…フロア、θ1…傾斜角度、θ2…傾斜角度。

Claims (11)

  1. 座部と、前記座部の後側に配置されたシートバックと、を有する車両用シート装置であって、
    前記座部の右側と左側とが前記車両用シート装置の上下方向に相対的に移動自在となるように前記座部を支持する座部支持部と、
    前記座部が移動すると当該座部を元の位置に戻す復元力を発生する座部用復元力発生機構と、
    前記シートバックを支持するシートバック支持部と、
    を有し、
    前記座部と前記シートバックとは別体であり、
    前記座部支持部は、前記座部を車両のヨー方向において回動自在に支持し、
    前記シートバック支持部は、前記シートバックを車両のロール方向において回動自在に支持する、
    車両用シート装置。
  2. 前記座部用復元力発生機構は、前記座部と前記座部を支持する非移動部とに接続される弾性部材である、
    請求項1に記載の車両用シート装置。
  3. 前記座部支持部は、前記座部を車両のロール方向において回動自在に支持する、
    請求項1又は2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記座部支持部は、前記座部の右側と左側とが前記車両用シート装置の前後方向に相対的に移動するように、前記座部を支持する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用シート装置。
  5. 前記座部支持部による前記座部の回転軸は、前記車両用シート装置の前後方向において前方よりも後方が高くなるように設定されている、
    請求項1〜の何れか一項に記載の車両用シート装置。
  6. 前記座部支持部による前記座部の回転軸は、乗員腰部付近を通る、
    請求項1〜の何れか一項に記載の車両用シート装置。
  7. 前記シートバック支持部は、前記シートバックの右側と左側とが前記車両用シート装置の上下方向に相対的に移動自在となるように前記シートバックを支持し、
    前記シートバックが移動すると当該シートバックを元の位置に戻す復元力を発生するシートバック用復元力発生機構更に有する、
    請求項1〜の何れか一項に記載の車両用シート装置。
  8. 前記シートバック用復元力発生機構は、前記シートバックと前記シートバックを支持する非移動部とに接続される弾性部材である、
    請求項に記載の車両用シート装置。
  9. 前記シートバック支持部は、前記シートバックの右側と左側とが前記車両用シート装置の前後方向に相対的に移動するように、前記シートバックを支持し、
    前記座部と前記シートバックとを上面視において逆方向に回動させる移動方向規制部を更に有する、
    請求項の何れか一項に記載の車両用シート装置。
  10. 前記シートバック支持部は、前記シートバックを車両のヨー方向において回動自在に支持する、
    請求項に記載の車両用シート装置。
  11. 前記シートバック支持部による前記シートバックの回転軸は、乗員胸部付近を通る、
    請求項10の何れか一項に記載の車両用シート装置。
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