JP5591996B2 - 新規化合物、電荷輸送材料および有機デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、新規化合物とその新規化合物からなる電荷輸送材料に関する。また本発明は、新規化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスにも関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスには、電荷移動度が大きな電荷輸送材料が必要とされている。そして、これまでに種々の電荷輸送材料が提案されており、特にトリフェニルアミン構造を有する化合物が比較的高い電荷移動度を示すことが知られている。
トリフェニルアミン構造を有する化合物としては、例えば、以下に示す構造を有するN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン[TDP]やN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン[α−NPD]といったトリフェニルアミン二量体が広く知られており実用化されている。
Figure 0005591996
また、トリフェニルアミンを構成する芳香環同士を連結基で連結してトリフェニルアミンの平面性を高めたことを特徴とするトリフェニルアミン誘導体(単量体)も知られている(特許文献1参照)。このトリフェニルアミン誘導体は、TPDよりもホール輸送能に優れていることが示されている。しかしながら、当該文献中にはトリフェニルアミン誘導体の二量体を製造することについてはまったく記載されていない。
特開平11−339868号公報
有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスに用いられる電荷輸送材料は、アモルファス状態が安定で結晶化しにくい性質を有しているものが好ましい。そのためには、ガラス転移温度(Tg)が高くて熱的な安定性に優れている電荷輸送材料を提供することが望ましい。また、従来知られている電荷輸送材料とは別に、高い電荷輸送効率を有する材料をさらに提供することが望ましい。
そこで本発明者らは、アモルファス状態が安定で結晶化しにくいうえ、電荷輸送材料として優れた特性を有する新規化合物を提供することを目的として検討を進めた。また本発明者らは、優れた電荷輸送材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスを提供することも目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、分子内に特定の環状構造を複数有する化合物が熱的に安定で電荷輸送材料として優れた特性を有しており、有機デバイスに効果的に利用できることを見出した。本発明者らは、この知見に基づいて、上記の課題を解決する手段として、以下の本発明を提供するに至った。
(1) 下記一般式[1]で表される化合物。
Figure 0005591996
[一般式[1]において、Ar1は単結合または下記のいずれかの構造を表し;
Figure 0005591996
1およびQ2は、ともに=CH−であるか、Q1が単結合でQ2が−CH=CH−であるか、Q1が−CH=CH−でQ2が単結合であり;pは0〜3のいずれかの整数を表し;qは0〜3のいずれかの整数を表し;Eは酸素原子、硫黄原子を表すか、または炭素原子、珪素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子もしくは硫黄原子を介して連結する原子団を表し;
1は、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し;
1は、窒素原子、ホウ素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し;
1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し、L1とL2、L3とL4の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表し;
1、R2、R5〜R7およびR10〜R12は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12は、互いに結合して連結基を形成していてもよく;
n1は2以上のいずれかの整数を表し、分子内にn1個存在するX1、Y1、R1、R2、R5〜R7およびR10〜R12は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく;
Arが単結合であるとき、隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成していてもよく、隣接する2つのR2同士が互いに結合して連結基を形成していてもよい。]
(2) 一般式[1]におけるL1とL2、L3とL4のいずれか一方が形成する連結基と、X1が表す連結基が、各々独立に、−O−、−S−、−SO2−、>CR2122、>C=O、>C=CR2324、>C=NR25、>NR26
Figure 0005591996
または>SiR2829であり、
1が、>N−、>B−、>P−または>P(=O)−であり、
1、R2、R21、R22、R28およびR29が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、
5〜R7およびR10〜R12が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であるか、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12が互いに結合して連結基を形成しており、
23〜R27が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする(1)に記載の化合物。
(3) 一般式[1]におけるL1とL2、L3とL4のいずれか一方が形成する連結基と、X1が表す連結基が−O−であることを特徴とする(1)または(2)に記載の化合物。
(4) 一般式[1]におけるY1が>N−であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の化合物。
(5) 一般式[1]におけるR1およびR2が水素原子であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の化合物。
(6) 一般式[1]におけるR5、R7、R10およびR12が水素原子であり、R6およびR11が水素原子またはアルコキシ基であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の化合物。
(7) 分子が非対称であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物。
(8) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の化合物からなる電荷輸送材料。
(9) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機デバイス。
(10) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
(11) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の化合物を用いた光電変換素子。
(12) (1)〜(7)のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機薄膜太陽電池。
本発明の化合物は、アモルファス状態が安定で結晶化しにくいうえ、電荷輸送材料として優れた特性を有する化合物である。また、この化合物を用いた本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスは、高効率であり、消費電力や発熱量を抑え、長寿命化も実現しうるものである。
本発明の化合物のサイクリックボルタンメトリーの測定結果を表すグラフである。 比較化合物A〜Cのサイクリックボルタンメトリーの測定結果を表すグラフである。 HOMOとLUMOの軌道準位を表す図である。 実施例9におけるTOF法によるホール移動度の測定結果を示すグラフである。 実施例9におけるTOF法による化合物201の測定結果を示すグラフである。 実施例10で製造した有機エレクトロルミネッセンス素子の概略断面図である。 実施例10における有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度と電流効率の関係を示すグラフである。 実施例11における有機エレクトロルミネッセンス素子の時間と電圧の関係を示すグラフである。 実施例11における有機エレクトロルミネッセンス素子の時間と輝度の関係を示すグラフである。 実施例12における有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度と電流効率の関係を示すグラフである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[一般式[1]で表される化合物]
本発明の化合物は、一般式[1]で表される構造を有する。
Figure 0005591996
一般式[1]におけるAr1は、単結合または下記の[31]〜[34]のいずれかの構造を表す。
Figure 0005591996
Ar1が式[31]で表されるベンゼン環である場合、n1が2であるときの結合位置として1、3位、1,4位を挙げることができる。n1が3であるときの結合位置として、1,3,5位を挙げることができる。
Ar1が一般式[32]で表されるとき、pは0〜3のいずれかの整数を表す。例えばpが0のビフェニル構造であってn1が2であるときの結合位置として、3,3’位、4,4’位を挙げることができる。pが1〜3のいずれかの整数であるとき、p個のフェニレン基は各々独立に1,3−フェニレン基か1,4−フェニレン基であることが好ましい。また、pが2または3であるとき、p個のフェニレン基の結合位置は同一であっても異なっていてもよい。
Ar1が一般式[33]で表されるとき、qは0〜3のいずれかの整数を表す。Q1およびQ2は、ともに=CH−であるか、Q1が単結合でQ2が−CH=CH−であるか、Q1が−CH=CH−でQ2が単結合である。例えばqが0のナフタレン構造であってn1が2であるときの結合位置として、1,5位、2,6位、2,7位、1,8位を挙げることができる。qが2または3であるとき、q個のQ1は同一であっても異なっていてもよく、q個のQ2は同一であっても異なっていてもよい。
Ar1が一般式[34]で表されるとき、Eは酸素原子、硫黄原子を表すか、または炭素原子、珪素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子もしくは硫黄原子を介して連結する原子団を表す。一般式[34]には、以下の一般式[41]、[42]および[43]が包含される。
Figure 0005591996
一般式[41]におけるE1はCまたはSiを表し、一般式[42]におけるE2はN、P、P(=O)またはBを表し、一般式[43]におけるE3はS、SO2またはOを表す。一般式[41]および[42]におけるRおよびR’は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。好ましい置換基として、例えば置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を挙げることができ、その説明と好ましい範囲については下記のR21〜R29がとりうるアルキル基、アリール基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
一般式[1]におけるX1は、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。また、L1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。X1が表す連結基と、L1とL2、L3とL4のいずれか一方が表す連結基は、同一であっても、異なっていてもよい。好ましいのは同一である場合である。酸素原子を介して連結する連結基は−O−である。
硫黄原子を介して連結する連結基は−S−または−SO2−であることが好ましく、−S−であることがより好ましい。
炭素原子を介して連結する連結基は>CR2122、>C=O、>C=CR2324または>C=NR25であることが好ましい。R21〜R25は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。R21およびR22は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であることが好ましい。また、R23〜R25は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
窒素原子を介して連結する連結基は>NR26である。R26は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
リン原子を介して連結する連結基は
Figure 0005591996
であることが好ましい。R27は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることが好ましい。
珪素原子を介して連結する連結基は>CR2829であることが好ましい。R28およびR29は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。R28およびR29は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であることが好ましい。
21〜R29がとりうるアルキル基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。好ましいのは直鎖状または分枝状のアルキル基である。アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜3であること(すなわちメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基)がさらにより好ましい。環状のアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基を挙げることができる。
21、R22、R28およびR29がとりうるアルコキシ基は、直鎖状であっても、分枝状であっても、環状であってもよい。好ましいのは直鎖状または分枝状のアルコキシ基である。アルコキシ基の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜12であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜3であること(すなわちメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基)がさらにより好ましい。環状のアルコキシ基としては、例えばシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基を挙げることができる。
21〜R29がとりうるアリール基は、1つの芳香環からなるものであってもよいし、2以上の芳香環が融合した構造を有するものであってもよい。アリール基の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であること(すなわちフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基)がさらにより好ましい。
21、R22、R28およびR29がとりうるアリールオキシ基は、1つの芳香環からなるものであってもよいし、2以上の芳香環が融合した構造を有するものであってもよい。アリールオキシ基の炭素数は、6〜22であることが好ましく、6〜18であることがより好ましく、6〜14であることがさらに好ましく、6〜10であること(すなわちフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基)がさらにより好ましい。
上記アルキル基と上記アルコキシ基は、さらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、例えばアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができ、その説明と好ましい範囲については上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基の記載を参照することができる。
また、上記アリール基と上記アリールオキシ基は、さらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。置換されている場合の置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができ、その説明と好ましい範囲については上記アルキル基、上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基の記載を参照することができる。
一般式[1]におけるY1は、窒素原子、ホウ素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。窒素原子を介して連結する連結基は>N−である。ホウ素原子を介して連結する連結基は>B−である。リン原子を介して連結する連結基は>P−または>P(=O)−であることが好ましい。
1が>N−または>P−である場合は、一般式[1]の化合物は電荷輸送材料として有用な性質を示し、特にホール輸送材料として有用な性質を示す。また、Y1が>B−または>P(=O)−である場合は、一般式[1]の化合物は電荷輸送材料として有用な性質を示し、特に電子輸送材料として有用な性質を示す。さらに、Y1が>N−である場合はバイポーラー材料として有用な性質を示すものも含まれ、特にX1が−O−である場合にその傾向がうかがえる。
一般式[1]において、L1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表すが、L1とL2、L3とL4の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L1とL2が互いに結合して上記連結基を表すとき、L3とL4は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L3とL4が互いに結合して上記連結基を表すとき、L1とL2は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
一般式[1]におけるR1、R2、R5〜R7およびR10〜R12は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
1、R2、R5〜R7、R10〜R12およびL1〜L4がとりうる置換基として、例えば、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基を挙げることができる。これらの各置換基の説明と好ましい範囲については、上記アルキル基、上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基の記載を参照することができる。
一般式[1]におけるR1およびR2は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であることが好ましい。また、Ar1が単結合であるときに、隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成していることや、隣接する2つのR2同士が互いに結合して連結基を形成していることも好ましい。ここでいうアルキル基とアルコキシ基の説明と好ましい範囲についても、上記アルキル基と上記アルコキシ基の記載を参照することができる。R1およびR2としてより好ましいのは、水素原子、メチル基またはメトキシ基である。R1およびR2が両方とも水素原子である場合も好ましい。
隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成しているとき、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を形成していることが好ましい。具体的には、−O−、−S−、−SO2−、>CR2122、>C=O、>C=CR2324、>C=NR25、>NR26または
Figure 0005591996
または>SiR2829で表される連結基を形成していることが好ましい。これらの連結基の説明と好ましい範囲についても、上記X1およびX2における対応する連結基の記載を参照することができる。隣接する2つのR2同士が互いに結合して連結基を形成している場合の説明と好ましい範囲は、隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成している場合と同じである。隣接する2つのR1と隣接する2つのR2は、両方とも互いに結合して連結基を形成していてもよいが、いずれか一方だけが互いに結合して連結基を形成していてもよい。
一般式[1]におけるR5〜R7およびR10〜R12は、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であることが好ましい。ここでいう各置換基の説明と好ましい範囲についても、上記アルキル基、上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基の記載を参照することができる。
連結基を形成していないL1〜L4は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、水素原子、メチル基またはメトキシ基であることがさらに好ましい。連結基を形成していないL1〜L4はすべて水素原子である場合も好ましい。
5〜R7およびR10〜R12はすべてが水素原子であってもよいし、少なくとも1つが置換基であってもよい。少なくとも1つが置換基である場合、R6、R7、R10およびR11のうちの少なくとも1つが置換基であることがより好ましい。
一般式[1]におけるR5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12は、互いに結合して連結基を形成していてもよい。形成する連結基は、連結鎖が炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子およびリン原子からなる群より選択される1種以上の原子から構成されるものであることが好ましく、例えば炭素原子のみから構成されるものを好ましく例示することができる。炭素原子のみから構成される連結鎖は二重結合を含むものであってもよいし、単結合のみからなるものであってもよい。連結鎖の原子数は2〜6であることが好ましく、3〜5であることがより好ましく、3または4であることがさらに好ましく、4であることが最も好ましい。連結鎖を構成する原子には水素原子または置換基が結合しうる。好ましい連結基は、
−C(R30)=C(R31)−C(R32)=C(R33)−
で表される構造を有するものであり、R30〜R33は水素原子または置換基を表し、R30とR31、R31とR32、R32とR33は、互いに結合してさらに連結基を形成していてもよい。ここでいう置換基としては、例えばアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基を挙げることができ、その説明と好ましい範囲については上記アルキル基、上記アルコキシ基、上記アリール基、上記アリールオキシ基の記載を参照することができる。また、R30とR31などが形成する連結基の説明と好ましい範囲については、上記のR5とR6などが形成する連結基の記載を参照することができる。
一般式[1]におけるn1は、2以上のいずれかの整数である。n1は、2〜10のいずれかの整数であることが好ましく、2〜4のいずれかの整数であることがより好ましい。例えば、2または3とすることができる。
一般式[1]で表される化合物の好ましい範囲として、L1とL2、L3とL4のいずれか一方と、X1とが、各々独立に、−O−、−S−、−SO2−、>CR2122、>C=O、>C=CR2324、>C=NR25、>NR26
Figure 0005591996
または>SiR2829から選択される連結基であり;Y1が、>N−、>B−、>P−または>P(=O)−であり;R1、R2、R21、R22、R28およびR29が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であるか、Ar1が単結合であるときに隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成しているか、隣接する2つのR2同士が互いに結合して連結基を形成しており;連結基を形成していないL1〜L4と、R5〜R7およびR10〜R12が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であるか、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12が互いに結合して連結基を形成しており;R23〜R27が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であり;n1が2〜6のいずれかの整数である範囲を挙げることができる。
一般式[1]の好ましい構造として、下記の一般式[1−1]および一般式[1−2]を挙げることができる。一般式[1−1]および[1−2]におけるAr1、X1、Y1、R1、R2、R5〜R7、R10〜R12およびn1の定義と好ましい範囲については、一般式[1]における対応する記載を参照することができる。X2とX3の定義と好ましい範囲は、一般式[1]におけるX1の定義と好ましい範囲と同じである。また、X1〜X3は、互いに同一であっても異なっていてもよい。L11〜L14は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。L11〜L14がとりうる置換基の定義と好ましい範囲については、一般式[1]における連結基でないL1〜L4がとりうる置換基の記載を参照することができる。
Figure 0005591996
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[2]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
一般式[2]において、X1およびX4は、各々独立に、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。X1およびX4の説明と好ましい範囲については、一般式[1]のX1の記載を参照することができる。X1およびX4は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。また、L5とL6、L7とL8のいずれか一方は、互いに結合して、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。L1とL2が互いに結合して連結基を表すとき、L5とL6が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。また、L3とL4が互いに結合して連結基を表すとき、L7とL8が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。L1とL2、L3とL4のいずれか一方が表す連結基と、L5とL6、L7とL8のいずれか一方が表す連結基は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、L1とL2、L3とL4のいずれか一方が表す連結基と、L5とL6、L7とL8のいずれか一方が表す連結基と、X1およびX4が表す連結基は、同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
1およびY2は、各々独立に、窒素原子、ホウ素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。Y1およびY2の説明と好ましい範囲については、一般式[1]のY1の記載を参照することができる。Y1とY2は同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式[2]において、L1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表すが、L1とL2、L3とL4の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L1とL2が互いに結合して上記連結基を表すとき、L3とL4は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L3とL4が互いに結合して上記連結基を表すとき、L1とL2は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
同様に、L5とL6、L7とL8のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表すが、L5とL6、L7とL8の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L5とL6が互いに結合して上記連結基を表すとき、L7とL8は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L7とL8が互いに結合して上記連結基を表すとき、L5とL6は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
連結基を形成していないL1〜L8と、R1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、R1とR3、R2とR4、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R18とR19、R19とR20は、互いに結合して連結基を形成していてもよい。R1〜R4の説明と好ましい範囲については、一般式[1]のR1およびR2の記載を参照することができる。R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の説明と好ましい範囲については、一般式[1]のR5およびR12の記載を参照することができる。
連結基を形成していないL1〜L8は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基であることがより好ましく、水素原子、メチル基またはメトキシ基であることがさらに好ましい。連結基を形成していないL1〜L8がすべて水素原子である場合も好ましい。
1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20はすべてが水素原子であってもよいし、少なくとも1つが置換基であってもよい。少なくとも1つが置換基である場合、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20のうちの少なくとも1つが置換基であることが好ましく、R6、R11、R14およびR19のうちの少なくとも1つが置換基であることがより好ましい。R6、R11、R14およびR19のうちの少なくとも1つが置換基であるときは、R6、R11、R14およびR19のうちのいずれか2つが置換基であるか、またはすべてが置換基であることがより好ましい。
一般式[2]の好ましい構造として、下記の一般式[2−1]および一般式[2−2]を挙げることができる。一般式[2−1]および[2−2]におけるX1、X4、Y1、Y2、R1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義と好ましい範囲については、一般式[2]における対応する記載を参照することができる。X2、X3、X5およびX6の定義と好ましい範囲は、一般式[2]におけるX1の定義と好ましい範囲と同じである。また、X1〜X6は、互いに同一であっても異なっていてもよい。L11〜L18は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。L11〜L18がとりうる置換基の定義と好ましい範囲については、一般式[1]における連結基でないL1〜L4がとりうる置換基の記載を参照することができる。
Figure 0005591996
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[3]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
一般式[3]におけるY1、Y2、R1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義と好ましい範囲については、一般式[1]および[2]における対応する記載を参照することができる。
一般式[3]におけるL1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して、酸素原子を介して連結する連結基(−O−)を表す。また、L5とL6、L7とL8のいずれか一方は、互いに結合して、酸素原子を介して連結する連結基(−O−)を表す。L1とL2が互いに結合して連結基を表すとき、L5とL6が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。また、L3とL4が互いに結合して連結基を表すとき、L7とL8が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。
一般式[3]において、L1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して連結基(−O−)を表すが、L1とL2、L3とL4の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L1とL2が互いに結合して連結基(−O−)を表すとき、L3とL4は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L3とL4が互いに結合して連結基(−O−)を表すとき、L1とL2は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
同様に、L5とL6、L7とL8のいずれか一方は、互いに結合して連結基(−O−)を表すが、L5とL6、L7とL8の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L5とL6が互いに結合して連結基(−O−)を表すとき、L7とL8は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L7とL8が互いに結合して連結基(−O−)を表すとき、L5とL6は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
一般式[3]で表される化合物の1つの好ましい範囲として、R1〜R4が水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基である範囲を挙げることができる。この範囲は、さらにR1〜R4が水素原子、メチル基またはメトキシ基であることがより好ましく、R1〜R4がすべて水素原子であることがさらに好ましい。
一般式[3]で表される化合物の別の好ましい範囲として、R1とR3が互いに結合して連結基を形成している範囲を挙げることもできる。R1とR3は互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を形成していることがより好ましく、R1とR3は互いに結合して−O−、−S−、−SO2−、>CR2122、>C=O、>C=CR2324、>C=NR25、>NR26または
Figure 0005591996
または>SiR2829で表される連結基を形成していることがさらに好ましい。R2とR4はともに水素原子であるか、または互いに結合して連結基を形成していることが好ましい。R2とR4が形成する連結基の説明と好ましい範囲は一般式[3]のR1とR3が形成する連結基と同じである。具体例として、R1とR3が互いに結合して−O−を形成し、R2とR4がともに水素原子である場合を挙げることができ、他の具体例として、R1とR3が互いに結合して−O−を形成し、R2とR4も互いに結合して−O−を形成している場合を挙げることができる。
一般式[3]の好ましい構造として、下記の一般式[3−1]および一般式[3−2]を挙げることができる。一般式[3−1]および[3−2]におけるY1、Y2、R1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義と好ましい範囲については、一般式[3]における対応する記載を参照することができる。
Figure 0005591996
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[4−1]、一般式[4−2]、一般式[4−3]および一般式[4−4]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
Figure 0005591996
一般式[4]におけるY1、Y2、R6、R7、R10、R11、R14、R15、R18およびR19の定義と好ましい範囲については、一般式[1]および[2]における対応する記載を参照することができる。
一般式[4]で表される化合物の1つの好ましい範囲として、Y1およびY2がいずれも窒素原子である場合を挙げることができる。
一般式[4]で表される化合物の別の好ましい範囲として、R6、R11、R14およびR19が水素原子または置換基である場合を挙げることができる。R6、R11、R14およびR19のすべてが水素原子であるか、いずれか2つが置換基であるか、すべてが置換基であることがより好ましい。また、R7、R10、R15およびR18が水素原子または置換基である場合を挙げることができる。R7、R10、R15およびR18のすべてが水素原子であるか、いずれか2つが置換基であるか、すべてが置換基であることがより好ましい。R6、R7、R10、R11、R14、R15、R18およびR19がとりうる置換基としては、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であることが好ましい。ここでいう各置換基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]の対応する置換基の記載を参照することができる。具体例として、R11およびR14が水素原子であって、R6およびR19がアルコキシ基である場合や、R7およびR18がトリフルオロメチル基であって、R10およびR15が水素原子である場合を挙げることができる。
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[5]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
一般式[5]におけるX1、X4、Y1、Y2、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義と好ましい範囲については、一般式[1]〜[3]における対応する記載を参照することができる。一般式[5]におけるL1〜L8の定義と好ましい範囲については、一般式[2]における対応する記載を参照することができる。一般式[5]におけるR1〜R4は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。置換基の説明と好ましい範囲については、一般式[1]のR1およびR2がとりうる置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
一般式[5]で表される化合物の好ましい範囲として、例えば、X1およびX4が酸素原子であり;L1とL2、L5とL6が、いずれも互いに連結して酸素原子を介して連結する連結基(−O−)であり;Y1およびY2が窒素原子であり;L3、L4、L7、L8、R1〜R5、R7〜R10、R12、R13、R15〜R18およびR20が水素原子であり;R6、R11、R14およびR19が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[5]で表される化合物の別の好ましい範囲として、例えば、X1およびX4が酸素原子であり;L3とL4、L7とL8が、いずれも互いに連結して酸素原子を介して連結する連結基(−O−)であり;Y1およびY2が窒素原子であり;L1、L2、L5、L6、R1〜R5、R7〜R10、R12、R13、R15〜R18およびR20が水素原子であり;R6、R11、R14およびR19が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[6]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
一般式[6]におけるX1、X4、Y1、Y2、L1〜L8、R1〜R4、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義と好ましい範囲については、一般式[5]における対応する記載を参照することができる。
一般式[6]で表される化合物の好ましい範囲として、例えば、X1およびX4が酸素原子であり;L1とL2、L5とL6が、いずれも互いに連結して酸素原子を介して連結する連結基(−O−)であり;Y1およびY2が窒素原子であり;L3、L4、L7、L8、R1〜R5、R7〜R10、R12、R13、R15〜R18およびR20が水素原子であり;R6、R11、R14およびR19が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[6]で表される化合物の別の好ましい範囲として、例えば、X1およびX4が酸素原子であり;L3とL4、L7とL8が、いずれも互いに連結して酸素原子を介して連結する連結基(−O−)であり;Y1およびY2が窒素原子であり;L1、L2、L5、L6、R1〜R5、R7〜R10、R12、R13、R15〜R18およびR20が水素原子であり;R6、R11、R14およびR19が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[1]で表される化合物の別の好ましい範囲として、下記の一般式[7]で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005591996
一般式[7]におけるX1、X4、X7の定義と好ましい範囲については、一般式[1]のX1の記載を参照することができる。一般式[7]におけるY1〜Y3の定義と好ましい範囲については、一般式[1]のY1の記載を参照することができる。一般式[7]におけるR5〜R7、R10〜R12、R13〜R15、R18〜R20、R43〜R45およびR48〜R50の定義と好ましい範囲については、一般式[1]におけるR5〜R7およびR10〜R12の記載を参照することができる。一般式[7]におけるR1〜R4、R41およびR42の定義と好ましい範囲については、一般式[1]のR1およびR2の記載を参照することができる。一般式[7]におけるL1〜L8の定義と好ましい範囲については、一般式[2]の対応する記載を参照することができる。
一般式[7]におけるL9とL10、L11とL12のいずれか一方は、互いに結合して、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表す。L9とL10、L11とL12の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。すなわち、L9とL10が互いに結合して上記連結基を表すとき、L11とL12は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、また、L11とL12が互いに結合して上記連結基を表すとき、L9とL10は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。L1とL2が互いに結合して連結基を表すとき、L5とL6が互いに結合して連結基を表し、L9とL10が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。また、L3とL4が互いに結合して連結基を表すとき、L7とL8が互いに結合して連結基を表し、L11とL12が互いに結合して連結基を表すことが好ましい。L1とL2、L3とL4のいずれか一方が表す連結基と、L5とL6、L7とL8のいずれか一方が表す連結基と、L9とL10、L11とL12のいずれか一方が表す連結基は、互いに同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。また、L1とL2、L3とL4のいずれか一方が表す連結基と、L5とL6、L7とL8のいずれか一方が表す連結基と、L9とL10、L11とL12のいずれか一方が表す連結基と、X1、X4およびX7が表す連結基は、同一であっても異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
一般式[7]で表される化合物の好ましい範囲として、例えば、X1、X4、X7が酸素原子であり;Y1〜Y3が窒素原子であり;R1〜R5、R7、R10、R12、R13、R15、R18、R20、R41〜R43、R45、R48およびR50が水素原子であり;R6、R11、R14、R19、R44およびR49が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[7]で表される化合物の別の好ましい範囲として、例えば、X1、X4、X7が酸素原子であり;Y1〜Y3が窒素原子であり;R1〜R6、R11〜R14、R19、R20、R41〜R43、R44、R49およびR50が水素原子であり;R7、R10、R15、R18、R45およびR48が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基である範囲を挙げることができる。
一般式[1]〜[7]で表される化合物は、分子が対称な構造を有するものであっても、非対称な構造を有するものであってもよい。ここでいう対称とは、線対称または点対称であることを意味する。
以下に一般式[1]で表される化合物の具体例を例示する。なお、本発明の一般式[1]で表される化合物の範囲は、以下の具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。以下の表1および2は一般式[2−1]で表される化合物の具体例であり、以下の表3および4は一般式[2−2]で表される化合物の具体例であり、以下の表5および6は一般式[5]で表される化合物の具体例であり、以下の表7および8は一般式[6]で表される化合物の具体例であり、以下の表9および10は一般式[7]で表される化合物の具体例である。
Figure 0005591996
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[一般式[1]で表される化合物の合成]
一般式[1]で表される化合物の合成法は特に制限されない。一般式[1]で表される化合物の合成は、既知の合成法や条件を適宜組み合わせることにより行うことができる。
例えば、好ましい合成法として、下記のスキーム1で表される合成法を挙げることができる。ここでは一般式[2]で表される化合物の合成スキームとして記載する。
Figure 0005591996
一般式[11]および一般式[12]におけるX1、X4、Y1、Y2、L1〜L8、R5〜R7、R10〜R12、R13〜R15およびR18〜R20の定義は、一般式[1]および[2]と同じである。一般式[11]および一般式[12]におけるR1〜R4は水素原子または置換基を表し、置換基の説明と好ましい範囲は一般式[1]のR1およびR2の置換基の説明と好ましい範囲と同じである。一般式[11]および一般式[12]におけるZはハロゲン原子を表し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましく、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることがより好ましく、臭素原子であることがさらに好ましい。
スキーム1の反応はカップリング反応であり、通常はカップリング剤を用いて行う。すなわち、一般式[12]のZをメタル化し、パラジウム(0)やニッケル(0)を用いた既知のクロスカップリング反応により一般式[1]で表される化合物を合成することができる。反応条件は、既知の条件を参考にして最適化することができる。
一般式[1]の化合物として左右対称な分子構造を有する化合物を合成する場合には、下記スキーム2により一般式[1]の化合物を合成することが可能である。スキーム2に従えば、一般式[1]のX1、Y1、L1〜L4、R1、R2、R5〜R7、R10〜R12が、順にX4、Y2、L5〜L8、R3、R4、R13〜R15、R18〜R20と同じである化合物を合成することができる。
Figure 0005591996
スキーム2の反応はカップリング反応であり、通常はカップリング剤を用いて行う。例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル[Ni(COD)2]、2,2’−ビピリジル[bpy]、1,5−シクロオクタジエン[COD]の存在下で反応を行うことができる。これらの試薬を用いたカップリング反応自体は既に知られており、既知の反応条件に基づいてスキーム2の反応条件を最適化することができる。
スキーム1およびスキーム2の反応は、一般式[11]の化合物と一般式[12]の化合物を溶解する溶媒中で行うことができ、例えばテトラヒドロフラン[THF]中で行うことができる。反応温度は特に制限されないが、溶媒の沸点以下の温度で加熱しながら行うことが好ましい。例えばTHFを溶媒として用いる場合は、好ましくは40〜66℃、より好ましくは55〜66℃で反応を行うことができる。
スキーム1の合成法は、一般式[1]のAr1が単結合でない化合物の合成にも適用することができる。例えば、一般式[1]のAr1が1,3−フェニレン基である一般式[6]の化合物を合成するときは、スキーム1の一般式[11]で表される化合物の代わりに、下記の一般式[13]で表される化合物を用いればよい。他の一般式[1]の化合物も同様にして合成することができる。
Figure 0005591996
また、一般式[5]〜[7]の化合物は、上記の一般式[11]の化合物を下記の一般式[14]で表されるジオキサボラン体にして、1,4−ジブロモベンゼン、1,3−ジブロモベンゼンまたは1,3,5−トリブロモベンゼンと反応させることにより合成することもできる。一般式[14]のジオキサボラン体は、一般式[11]の化合物を例えばn−ブチルリチウムと反応させた後に2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランと反応させることにより合成することができる。ジオキサボラン体を一般式[5]〜[7]の化合物へ変換する際には、例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム・クロロホルム付加体[Pd2(dba)3・CHCl3]や2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル[SPhos]を用いながら反応を進めることが好ましい。これらの反応の詳細については、後述の合成例を参考にすることができる。
Figure 0005591996
スキーム1およびスキーム2の出発物質である一般式[11]および[12]で表される化合物や、上記の一般式[13]で表される化合物は、例えば以下のスキーム3により合成することができる。スキーム3では、一般式[11]のX1が−O−であり、L1とL2が互いに結合して−O−を形成し、Y1が>N−である化合物の合成法を例にとって説明する。Zは臭素原子であることが好ましい。
Figure 0005591996
一般式[21]〜[25]におけるR1、R2、R5〜R7およびR10〜R12の定義は、一般式[11]と同じである。R8およびR9は、各々独立に水素原子または置換基を表す。一般式[21]、[22]および[24]におけるR21はアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
スキーム3の第1工程では、まずo−アルコキシヨウ化ベンゼンである一般式[21]と[22]の各化合物を、2,6−ジフッ化アニリンである一般式[23]の化合物と反応させる。第1工程で合成しようとしている一般式[24]のR5、R6、R7、R8が、順にR12、R11、R10、R9と同一である場合は、単一種のo−アルコキシヨウ化ベンゼンを一般式[23]の化合物と反応させればよい。反応は、一般式[21]および[22]の化合物と一般式[23]の化合物とのカップリング反応の進行を促進する環境下で行うことが好ましい。例えば、炭酸カリウムなどの存在下でCuを好ましく用いることができる。これらの試薬を用いた反応条件は類似のカップリング反応の条件を参考にして最適化することができる。なお、第1工程の反応は、まず一般式[21]の化合物1分子と一般式[23]の化合物1分子をカップリング反応させた後に、一般式[22]の化合物1分子とさらにカップリングさせる2段階ステップにより行うことも可能である。最初のカップリング反応に用いる触媒を選択することにより、一般式[21]の化合物2分子が一般式[23]の化合物1分子とカップリングするのを妨げることが可能である。そのような触媒として、例えばCuIを挙げることができる。
第1工程の反応は、一般式[21]〜[23]の化合物を溶解する溶媒中で行うことができ、例えばo−ジクロロベンゼン[ODCB]中で行うことができる。反応温度は特に制限されないが、溶媒の沸点以下の温度で加熱しながら行うことが好ましい。例えばODCBを溶媒として用いる場合は、好ましくは150〜180℃、より好ましくは沸点で還流しながら反応を行うことができる。
スキーム3の第2工程では、第1工程で得られた一般式[24]で表される化合物のアルコキシ基をヒドロキシル基に変換して、一般式[25]で表される化合物とする。第2工程は、アルコキシ基からヒドロキシル基への既知の変換反応条件を適宜組み合わせることにより行うことができる。例えば塩化メチレン溶媒中でまず三臭化ホウ素と反応させ、次いで塩酸を作用させることにより行うことができる。第2工程で得られた生成物は、精製や単離をすることなく次の第3工程に用いることができる。
スキーム3の第3工程では、第2工程で得られた一般式[25]で表される化合物のヒドロキシル基とフッ素原子を分子内環化反応させて、一般式[11]で表される化合物とする。この反応は、例えば炭酸カリウムなどのアルカリ存在下で加熱することにより進行する。加熱温度は70〜130℃程度で行うことが好ましい。溶媒は、例えばジメチルホルムアミド[DMF]などを好ましく採用することができる。
スキーム1の出発物質である一般式[12]や一般式[13]で表される化合物も、同様にしてスキーム3により合成することが可能である。また、その他の類似化合物も同様にして合成することが可能である。
スキーム3の合成ルートは新規な合成ルートであり、従来知られている酸素架橋トリアリールアミンや硫黄架橋トリアリールアミンの合成法(M.Kuratsu et.al., Chem. Lett., Vol.33, No.9 (2004))に比べて収率が良く、大量合成が容易であるという利点がある。また、互いに異なる構造を有する一般式[21]の化合物と一般式[22]の化合物を、一般式[23]の化合物とそれぞれカップリングさせることができるため、架橋されるアリール基が非対称な化合物を合成しやすいという利点もある。また、一般式[23]の化合物として臭素化物(例えばZが臭素原子である化合物)を用いることで、架橋型トリアリールアミンの臭素化物を合成することができ、本骨格を複数含む化合物の合成も容易になるという利点もある。
スキーム3の合成ルートは、例えば以下の合成法として一般化して記載することができる。
(2,2’:6,2”−ジオキサトリフェニルアミン化合物の合成方法)
2,6−ジフルオロアニリン化合物1分子と2−アルコキシヨウ化ベンゼン化合物2分子をカップリングさせてN,N−ビス(2−アルコキシフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物を調製し、
得られたN,N−ビス(2−アルコキシフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物のアルコキシ基をヒドロキシル基に変換してN,N−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物とし、さらに分子内環化反応を行うことにより2,2’:6,2”−ジオキサトリフェニルアミン化合物を合成することを特徴とする、2,2’:6,2”−ジオキサトリフェニルアミン化合物の合成方法。
出発物質である2,6−ジフルオロアニリン化合物または2−アルコキシヨウ化ベンゼン化合物のベンゼン環にさらにZに相当する置換基を導入しておくことにより、最終的に得られる2,2’:6,2”−ジオキサトリフェニルアミン化合物の対応するベンゼン環にZを導入することができる。また、カップリングさせる2−アルコキシヨウ化ベンゼン化合物2分子は、同一分子であってもよいし、異なる2分子であってもよい。異なる2分子を用いる場合は、置換基が異なる2分子を用いることが好ましい。その場合、1分子ずつ段階的にカップリングさせる逐次反応を採用することが可能である。Pdを用いれば、1分子のみを効率良くカップリングさせることができる。
(2,2’:6,2”−ジチアトリフェニルアミン化合物の合成方法)
2,6−ジフルオロアニリン化合物1分子と2−アルキルチオヨウ化ベンゼン化合物2分子をカップリングさせてN,N−ビス(2−アルキルチオフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物を調製し、
得られたN,N−ビス(2−アルキルチオフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物のアルキルチオ基をチオール基に変換してN,N−ビス(2−メルカプトフェニル)−2,6−ジフルオロアニリン化合物とし、さらに分子内環化反応を行うことにより2,2’:6,2”−ジチアトリフェニルアミン化合物を合成することを特徴とする、2,2’:6,2”−ジチアトリフェニルアミン化合物の合成方法。
出発物質である2,6−ジフルオロアニリン化合物または2−アルコキルチオヨウ化ベンゼン化合物のベンゼン環にさらにZに相当する置換基を導入しておくことにより、最終的に得られる2,2’:6,2”−ジオキサトリフェニルアミン化合物の対応するベンゼン環にZを導入することができる。また、カップリングさせる2−アルコキルチオヨウ化ベンゼン化合物2分子は、同一分子であってもよいし、置換基が異なる2分子であってもよい。また、異なる2分子をカップリングさせる場合の逐次反応については、上の説明を参照することができる。
スキーム1〜3を利用するなどして合成した一般式[1]で表される化合物は、精製し単離してから特定の用途に供してもよいが、用途によっては単離することなく用いてもよい。本発明は、一般式[1]で表される化合物と一般式[1]では表されない化合物をともに含む組成物も包含するものである。また、本発明は、一般式[1]で表される化合物を複数種含む組成物も包含するものである。なお、合成した一般式[1]で表される化合物の精製は、カラムクロマトグラフィー法などの既知の精製法を適宜選択して行うことができる。
[一般式[1]で表される化合物の物性]
一般式[1]で表される化合物は、準平面構造を持っているため、結晶化を抑制しながら分子同士を密にパッキングさせることが可能である。計算化学により、一般式[1]で表される化合物は再配列エネルギーが小さくて、分子間トランスファー積分が大きい材料であることが本発明者らにより確認されている。また、一般式[1]で表される化合物は十分な分子サイズを有している。以上の特徴を有することから、一般式[1]で表される化合物はガラス転移温度が高くてアモルファス状態が安定に存在しうる。さらに、一般式[1]で表される化合物は、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)とLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の軌道準位が電荷輸送材料として適したレベルにある。なかでも、一般式[1]のY1およびY2が>N−または>P−である場合は、一般式[1]で表される化合物は特にホール輸送材料として有用な性質を示す。また、Y1およびY2が>B−または>P(=O)−である場合は、一般式[1]で表される化合物は特に電子輸送材料として有用な性質を示す。本発明における電荷輸送材料という用語は、このようなホール輸送材料と電子輸送材料を包含する概念である。
一般式[1]で表される化合物は電荷輸送材料として優れているため、様々な有機デバイス、特に有機電子デバイスに効果的に用いることができる。例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子や電子写真用感光体に有効に用いることができる。また、光電変換素子にも効果的に用いることができるため、有機薄膜太陽電池にも有効に用いることができる。さらに有機トランジスタとしても有効に用いることができる。以下において、代表的な有機デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子と有機薄膜太陽電池について説明する。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
典型的な有機エレクトロルミネッセンス素子は、ガラスなどの透明基板上にITOなどの陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極が積層された構造を有する。一般式[1]で表される本発明の化合物は、その物性に応じて、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の材料として用いることが可能である。例えば、電子輸送材料として有用な一般式[1]で表される化合物(特にY1およびY2が>B−または>P(=O)−である化合物)を電子輸送層に使用すれば、陰極から電子注入層を経由して電子輸送層に注入される電子を効率良く発光層へ輸送することができる。このため、発光層における電子とホールの再結合効率を上げて、消費電力と発熱量を抑えながら高い発光効率を実現することができる。また、それによって有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化も実現することができる。別の例として、ホール輸送材料として有用な一般式[1]で表される化合物(特にY1およびY2が>N−または>P−である化合物)をホール輸送層に使用すれば、陽極からホール注入層を経由してホール輸送層に注入されるホールを効率良く発光層へ輸送することができる。このため、発光層における電子とホールの再結合効率を上げて、消費電力と発熱量を抑えながら高い発光効率を実現することができる。また、それによって有機エレクトロルミネッセンス素子の長寿命化も実現することができる。
本発明の化合物を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子には、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられる既知の材料を適宜選択して組み合わせて用いることができる。本発明の化合物を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子には、公知の技術や公知の技術から容易に想到しうる様々な改変を必要に応じて加えることができる。
[有機薄膜太陽電池]
典型的な有機薄膜太陽電池は、ガラスなどの透明基板上にITOなどの陽極、ホール輸送層、光電変換層、電子輸送層、陰極が積層された構造を有する。光電変換層は陽極側にp型半導体層を有し、陰極側にn型半導体層を有している。一般式[1]で表される本発明の化合物は、その物性に応じて、ホール輸送層、p型半導体層、n型半導体層、電子輸送層の材料として用いることが可能である。一般式[1]で表される本発明の化合物は、有機薄膜太陽電池においてホール輸送材料や電子輸送材料として機能しうる。また、一般式[1]で表される本発明の化合物を利用して、一般式[1]で表される骨格を繰り返し単位として含む重合体を製造し、それを有機薄膜太陽電池に用いることも有用である。
本発明の化合物を用いる有機薄膜太陽電池は、上記の他にホールブロック層、電子ブロック層、電子注入層、ホール注入層、平滑化層などを適宜備えていてもよい。本発明の化合物を用いる有機薄膜太陽電池には、有機薄膜太陽電池に用いられる既知の材料を適宜選択して組み合わせて用いることができる。また、本発明の化合物を用いる有機薄膜太陽電池には、公知の技術や公知の技術から容易に想到しうる様々な改変を必要に応じて加えることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
以下のスキームにしたがって化合物1を合成した。
Figure 0005591996
化合物21a(19.8g、84.6mmol)、化合物23a(7.74g、37.2mmol)、K2CO3(21.5g、156mmol)、およびCu(7.82g、123mmol)を、o−ジクロロベンゼン[ODCB](100ml)に溶解して180℃で110時間加熱した。反応混合物をろ過し、不溶物をクロロホルム(100ml)で3回洗浄した。ろ液を水で洗浄した後にMgSO4で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。さらに得られた黒色の固体をヘキサンで洗浄することにより、白色粉末の化合物24a(10.6g、25.4mmol)を収率68%で得た。
Mp:157.5−158.5℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.10−6.94(m,4H),6.94−6.81(m,6H),3.60(s,6H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm):δ158.24(dd,1J(C,F)=252.4,3J(C,F)=6.9Hz),153.25,136.12,124.61,121.10,115.29(dd,2J(C,F)=17.8,4J(C,F)=9.2Hz),114.70(t,3J(C,F)=12.0Hz),113.00,56.03.
HRMS(FAB):m/z 419.0325(M+);C2016BrF2NOの計算値:419.0332.
元素分析(%):C2016BrF2NO2の計算値:C57.16,H3.84,N3.33,実測値:C57.15,H3.90,N3.40.
化合物24a(9.75g、23.3mmol)の脱水のCH2Cl2(450ml)溶液を−78℃に冷却して、BBr3(4.50ml、47.5mmol)を加えて、その後ゆっくりと室温まで昇温し、3時間撹拌した。その後、溶液を水(100ml)に加えて、CH2Cl2(100ml)で3回抽出した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過後、減圧下で濃縮することにより、白色粉末の化合物25a(8.38g,21.4mmol)を収率92%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.12−7.03(m,6H),6.87(td,3J(H,H)=7.8Hz,4J(H,H)=1.5Hz,4H).
化合物25a(6.68g,17.1mmol)と無水K2CO3(7.15g,51.8mmol)をジメチルホルムアミド[DMF](150ml)に入れ、100℃に加熱して22時間加熱した。室温に戻すと白色の固体が析出した。析出した固体をろ過し、水で洗浄し、その後減圧下で乾燥することにより、白色の結晶として化合物11a(4.73g、13.5mmol)を収率79%で得た。また、ろ液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2を展開溶媒に用いてシリカゲルクロマトグラフィー(Rf=0.78)により精製し、白色の結晶として化合物11a(0.931g、2.65mmol)を得た。あわせて化合物11a(5.66g、16.1mmol)を収率94%で得た。
Mp:215.5−216.3℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.31(dd,3J(H,H)=7.5,4J(H,H)=1.8Hz,2H),6.99−6.85(m,6H),6.66(s,2H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ146.67,145.72,128.70,123.91,123.63,120.39,117.53,115.21,114.68,114.48.
HRMS(FAB):m/z 350.9895(M+),C1810BrNO2の計算値:350.9908.
元素分析(%):C1810BrNO2の計算値:C61.39,H2.86,N3.98;実測値C61.01,H3.00,N4.02.
化合物11a(4.20g、12.0mmol)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル[Ni(cod)2](3.96g、14.4mmol)、1,5−シクロオクタジエン[COD](1.77g、16.4mmol)、2,2’−ビピリジル[bpy](2.25g、14.4mmol)を、テトラヒドロフラン[THF](360ml)に溶解して60℃で24時間加熱した。混合物を二硫化炭素に溶かしてシリカゲルに吸着させ、展開溶媒として二硫化炭素(1000ml)を用いて抽出した。得られた溶液から減圧下で溶媒を留去し、黄色の固体として化合物1(1.60g、2.94mmol)を収率49%で得た。二硫化炭素で抽出した後のシリカゲルに対して、さらに、ソックスレー抽出器を用いてトルエンで抽出し、黄色の固体として化合物1(0.510g、0.940mmol)を得た。あわせて、化合物1(2.11g、3.88mmol)を収率65%で得た。さらに、得られた化合物1は、昇華精製(320〜350℃、1mmHg)することにより黄色の結晶とし、各種測定に用いた。
Mp:375.2−376.1℃.
1H NMR(300MHz,CD2Cl2,ppm)δ7.36(d,3J(H,H)=6.9Hz,4H),7.05−6.90(m,12H),6.69(s,4H).
13C NMR(150MHz,CD2Cl2/CS2,ppm):δ147.15,145.76,136.04,129.12,124.16,124.03,120.50,117.93,115.00,109.47.
HRMS(FAB):m/z 544.1429(M+);C362024の計算値:544.1423.
元素分析(%):C362024の計算値:C79.40,H3.70,N5.14;実測値C79.57,H3.88,N5.13.
(実施例2)
以下のスキームにしたがって化合物2を合成した。
Figure 0005591996
化合物21b(20.4g、77.2mmol)、化合物23b(6.86g、33.0mmol)、K2CO3(18.2g、132mmol)、およびCu(6.80g、107mmol)を、o−ジクロロベンゼン[ODCB](90ml)に溶解して180℃で150時間加熱した。不溶物をろ過により取り除き、CH2Cl2(100ml)で3回洗浄し、ろ液を水で洗浄した。得られた有機相をMgSO4で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/CH2Cl2(1/3),Rf=0.56)により精製して、白色の固体として化合物24b(9.63g、20.1mmol)を収率61%で得た。
Mp:96.4−97.3℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.05−6.90(m,2H),6.83(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H),6.46(d,4J(H,H)=2.7Hz,2H),6.38(dd,3J(H,H)=8.7,4J(H,H)=2.7Hz,2H),3.78(s,6H),3.60(s,6H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ158.16(dd,1J(C,F)=251.9,3J(C,F)=7.4Hz),156.98,154.34,130.03,125.30,115.21(dd,2J(C,F)=17.8,4J(C,F)=9.2Hz),113.51(t,3J(C,F)=12.1Hz),104.49,100.30,56.00,55.34.
HRMS(FAB):m/z 479.0544(M+);C22202NO2の計算値:479.0544.
元素分析(%):C2220BrF2NO2の計算値:C55.01,H4.20,N2.92;実測値:C54.99,H4.18,N2.99.
化合物24b(4.68g、9.77mmol)のCH2Cl2(190ml)溶液を−78℃に冷却し、BBr3(10.0g、40.1mmol)を加えて、その後ゆっくり室温まで昇温し、一晩撹拌した。その後、1.0M塩酸(100ml)を加えて、酢酸エチル(50ml)で3回抽出した。得られた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過した後、減圧下で濃縮することにより青黒い固体として化合物25b(4.08g,9.61mmol)を収率98%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.05−7.00(m,2H),6.98(d,3J(H,H)=9.0Hz,2H),6.39(d,4J(H,H)=2.7Hz,2H),6.33(dd.3J(H,H)=9.0Hz,4J(H,H)=3.0Hz,2H),5.57(br,2H),4.70(br,2H).
化合物25b(3.50g,8.26mmol)と無水K2CO3(6.85g、49.6mmol)をジメチルホルムアミド[DMF](200ml)に溶解し、100℃に加熱して14時間攪拌した。その後、混合物にCH3I(2.00ml,32.1mmol)を加え、60℃で3時間加熱した。混合物を1M塩酸(200ml)に入れた後、水層を酢酸エチル(100ml)で3回抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過した後、減圧下で濃縮した。さらにCH2Cl2を展開溶媒に用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Rf=0.85)を行うことにより精製して、白色の固体として化合物11b(2.29g、5.56mmol)を収率67%で得た。
Mp:175.5−177.4℃.
1H NMR(300MHz,C66,ppm)δ6.89(d,3J(H,H)=9.7Hz,2H),6.56(s,2H),6.46(d,4J(H,H)=2.7Hz,2H),6.28(dd,3J(H,H)=9.7Hz,4J(H,H)=2.7Hz,2H),3.21ppm(s,6H;OMe).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ156.73,148.10,146.03,122.90,121.63,115.38,115.13,109.27,104.61,55.34ppm.
HRMS(FAB):m/z 411.0087(M+);C2014BrNO4の計算値:411.0106.
元素分析(%):C2014BrNO4の計算値:C58.27,H3.42,N3.40;実測値:C58.35,H3.44,N3.39.
化合物11b(1.85g、4.50mmol)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル[Ni(cod)2](1.49g、5.41mmol)、1,5−シクロオクタジエン[COD](0.586g、5.42mmol)、2,2’−ビピリジル[bpy](0.843g、5.40mmol)を、テトラヒドロフラン[THF](130ml)に溶解して60℃で12時間加熱した。混合溶液を減圧下で濃縮し,トルエン(100ml)を加えた後、シリカゲルに吸着させ、ソックスレー抽出器を用いてトルエンで抽出し、減圧下で濃縮し、ヘキサンでろ過することにより、黄色の固体として化合物2(0.810g、1.22mmol)を収率54%で得た。さらに、昇華精製(285〜310℃,0.06〜0.08mmHg)し、各種測定に用いた。
Mp(分解温度):351.8−353.8℃.
1H NMR(300MHz,CD2Cl2,ppm)δ6.99(d,3J(H,H)=8.7Hz,4H),6.44(s,4H),6.34(d,4J(H,H)=2.7Hz,4H),6.27(dd,3J(H,H)=8.7,4J(H,H)=2.7Hz,4H),3.52ppm(s,12H).
HRMS(FAB):m/z 664.1818(M+);C402828の計算値:664.1846.
元素分析(%):C402828の計算値:C72.28,H4.25,N4.21;実測値:C72.33,H4.28,N4.25.
(実施例3)
以下のスキームにしたがって化合物24を合成した。
Figure 0005591996
化合物21c(11.7g,49.9mmol)、化合物23c(9.19g,44.2mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(0.799g,0.765mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(4.38g,45.6mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.920g,4.55mmol)を乾燥トルエン(100ml)に溶解し、100℃で26時間撹拌した。不溶物を濾過し、トルエンで洗浄(60ml)した。その後、ろ液に水を加え、トルエンで抽出(50ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:5,Rf=0.30)で精製し、白色の固体として化合物24c−pre(7.73g,24.6mmol)を収率50%で得た。
Mp:71.2−72.2℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.20−7.11(m,2H),6.91−6.80ppm(m,3H),6.57(td,3J(H,H)=8.7Hz,4J(H,H)=2.7Hz,1H),5.83(s,1H),3.93(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ156.67(dd,1J(C,F)=250.1Hz,3J(C,F)=6.3Hz),147.74,132.54,120.70,120.24,118.67(t,3J(C,F)=14.9Hz),115.79(dd,2J(C,F)=18.3Hz,4J(C,F)=8.6Hz),114.62(t,3J(C,F)=11.7Hz),113.17(t,4J(C,F)=2.9Hz),110.11,55.58ppm.
HRMS(FAB):m/z312.9923(M+),C1310BrF2NOの計算値:312.9914.
元素分析(%):C1310BrF2NOの計算値:C49.71,H3.21,N4.46;実測値:C49.79,H3.17,N4.52.
2−メトキシ−5−トリフロオロメチルアニリン(10.1g,53.1mmol)をアセトニトリル(160ml)に溶解し、12M HCl水溶液(11.0ml)を加えて0℃に冷却した。その溶液に30mlの水に溶解した亜硝酸ナトリウム(4.76g,71.0mmol)を10分かけて滴下して20分間撹拌した。さらに60mlの水に溶解したヨウ化カリウム(26.6g,160mmol)を15分かけて滴下した後、2時間撹拌し、室温に戻してさらに20時間撹拌した。Na2SO3水溶液(50ml)を加え、エーテルで抽出(60ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られたオイルをシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(ヘキサン,Rf=0.40)で精製し、無色のオイルとして化合物22c(14.8g、49.0mmol)を収率92%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ8.01(d,4J(H,H)=2.1Hz,1H),7.59(dd,3J(H,H)=9.0Hz,4J(H,H)=2.1Hz,1H),6.51(d,3J(H,H)=9.0Hz,1H),3.94(s,3H).
化合物24c−pre(0.862g,2.75mmol)、化合物22c(0.990g,3.28mmol)、K2CO3(0.857g,6.20mmol)、銅粉末(0.317g,4.99mmol)を乾燥ODCB(20ml)に加え180℃に加熱し、65時間撹拌した。不溶物を濾過し、乾燥CH2Cl2で洗浄(50ml)した。その後ろ液に水(20ml)を加え、CH2Cl2で抽出(10ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:3,Rf=0.31)で精製し、白色の固体として化合物24c(1.00g,2.05mmol)を収率75%で得た。
Mp:98.4−99.4℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.29(d,3J(H,H)=9.0Hz,1H),7.12(ddd,3J(H,H)=7.2Hz,3J(H,H)=6.9Hz,4J(H,H)=2.1Hz,1H),7.07(d,4J(H,H)=1.8Hz,1H),7.02(d,3J(H,H)=8.1Hz,2H),6.95−6.88(m,4H),3.64(s,3H),3.59(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ158.49(dd,1J(C,F)=253Hz,3J(C,F)=6.9Hz),155.04,153.44,136.35,135.07,125.60,125.11,124.18(q,1J(C,F)=270Hz),124.16,123.99,123.17(q,2J(C,F)=32.6Hz),121.25,120.98,120.54,120.49,115.79,115.477,115.474(dd,2J(C,F)=18.1,4J(C,F)=8.9Hz),113.00,112.05,56.03,55.89ppm.
HRMS(FAB):m/z 487.0206(M+),C2115BrF5NO2の計算値:487.0206.
元素分析(%)forC2115BrF5NO2の計算値:C51.66,H3.10,N2.87;実測値:C51.89,H3.09,N2.92.
化合物24c(3.113g,6.38mmol)を乾燥CH2Cl2(200ml)に溶解し−78℃に冷却した。そこにBBr3(1.25ml,13.20mmol)を加えた後、徐々に室温まで昇温し、3時間撹拌した。溶液を水(100ml)に入れCH2Cl2(50ml×3)で抽出した。Na2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2を含む3.063gの固体(化合物25c)を得た。得られた固体をDMF(130ml)に溶解し、K2CO3(2.642g,19.1mmol)を加え、100℃で12時間撹拌した。この反応混合物に1MNH4Cl水溶液(100ml)を加えて、水層をCH2Cl2で抽出(80ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)で原点除去を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:5,Rf=0.66)で精製し、白色の固体として化合物11c(1.741g,4.14mmol)を収率65%で得た。
Mp:146.1−147.0℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.53(d,1H),7.28(dd,4J(H,H)=2.1Hz,3J(H,H)=6.6Hz,4J(H,H)=1.2Hz,1H),7.16(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),7.04−6.88(m,4H),6.74(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),6.69ppm(dd,3J(H,H)=7.8Hz,4J(H,H)=2.1Hz,2H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ149.22,146.64,145.63,145.19,129.52,127.83,126.50(q,2J(C,F)=33.2Hz),124.48,123.67(q,1J(C,F)=270Hz),120.67(q,3J(C,F)=4.0Hz),119.71,117.92,117.72,115.89,115.18,114.62,114.42,111.59ppm(q,3J(C,F)=4.1Hz).
HRMS(FAB):m/z 418.9783(M+);C199BrF3NO2の計算値:418.9769.
元素分析(%):C199BrF3NO2の計算値:C54.31,H2.16,N3.33;実測値:C54.43,H2.42,N3.53.
化合物11c(0.964g,2.29mmol)、Ni(cod)2(0.379g,1.38mmol)、1,5−シクロオクタジエン(0.35ml,2.85mmol)、2,2’−ビピリジル(0.432g,2.77mmol)を乾燥THF(60ml)に溶解し、60℃で14.5時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを用いてシリカゲルに吸着させ、ソックスレー抽出器を用いてトルエンで抽出(Rf=0.96)した後、減圧下で濃縮した。固体をヘキサンで洗浄し、黄色の固体として化合物24(553.3mg,0.813mmol)を収率71%で得た。
Mp:363.2−364.2℃.
1H NMR(300MHz,CD2Cl2,ppm)δ7.60(d,4J(H,H)=1.2Hz,2H),7.34(dd,3J(H,H)=7.8Hz,4J(H,H)=2.1Hz,2H),7.20(d,3J(H,H)=9.0Hz,2H),7.07−6.95(m,8H),6.73ppm(dd,3J(H,H)=6.3Hz,4J(H,H)=1.8Hz,2H).
HRMS(FAB):m/z 680.1169(M+),C3818624の計算値:680.1171.
元素分析(%):C3818624の計算値:C67.06,H2.67,N4.12;実測値:C67.20,H2.61,N4.25.
(実施例4)
以下のスキームにしたがって化合物201を合成した。
Figure 0005591996
化合物24d−pre(8.34g,24.5mmol)、N−ブロモスクシンイミド(4.35g,24.4mmol)をCHCl3(200ml)と酢酸(200ml)に溶解し、室温で18時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で中和し、CHCl3で抽出(100ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:2,Rf=0.45)で精製し、白色の固体として化合物24d(8.11g,19.3mmol)を収率79%で得た。
Mp:119.1−120.1℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.11−6.97(m,3H),6.95(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=2.1Hz,1H),6.93−6.76(m,5H),6.74(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),3.59(s,3H),3.56ppm(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ158.96(dd,1J(C,F)=249.5Hz,3J(C,F)=5.7Hz),153.46,153.28,136.06,124.96,124.77,124.67,124.40(t,3J(C,F)=6.9Hz),124.26,124.13,123.92,121.13,116.28,116.05,113.15,111.54(dd,2J(C,F)=16.0Hz,4J(C,F)=6.8Hz),56.24,56.05ppm.
HRMS(FAB):m/z 419.0332(M+),C2016BrF2NO2の計算値:419.0332.
元素分析(%):C2016BrF2NO2の計算値:C57.16,H3.84,N3.33;実測値:C57.26,H3.88,N3.38.
化合物24d(1.82g,4.33mmol)を乾燥CH2Cl2(90ml)に溶解した。その溶液を−78℃に冷却し、BBr3(1.00ml,10.6mmol)を加えた後、徐々に室温まで昇温し4時間撹拌した。溶液を水に入れ水層をCH2Cl2(50ml×3)で抽出した。Na2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2を含む1.74gの白色の固体(化合物25d)を得た。得られた固体をDMF(60ml)に溶解し、K2CO3(1.84g,13.3mmol)を加え、100℃で15.5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、水を加え、CH2Cl2で抽出(50ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2,Rf=0.95)で精製し、白色の固体として化合物11d(1.51g,4.28mmol)を収率99%で得た。
Mp:145.3−146.3℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.25(d,3J(H,H)=6.9Hz,1H),7.19(dd,3J(H,H)=6.9Hz,4J(H,H)=2.4Hz,1H),7.07−7.02(m,2H),6.98−6.88(m,3H),6.76(t,3J(H,H)=8.4Hz,1H),6.51(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.2Hz,1H),6.49ppm(dd,3J(H,H)=7.5Hz,4J(H,H)=1.2Hz,1H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ147.63,146.88,145.25,144.93,128.57,128.44,126.34,123.88,123.73,123.65,120.58,117.58,115.47,114.47,111.46,111.13ppm.
HRMS(FAB):m/z 350.9897(M+),C1810BrNO2の計算値:350.9895.
元素分析(%):C1810BrNO2の計算値:C61.39,H2.86,N3.98;実測値:C61.53,H2.79,N4.00.
化合物11d(0.351g,1.00mmol)、Ni(cod)2(0.329g,1.20mmol)、1,5−シクロオクタジエン(0.14ml,1.14mmol)、2,2’−ビピリジル(0.189g,1.21mmol)を乾燥THF(30ml)に溶解し、60℃で18時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、トルエンを用いてシリカゲルに吸着させ、ソックスレー抽出器を用いてトルエンで抽出(Rf=0.95)した後、減圧下で濃縮した。固体をヘキサンで洗浄することにより、黄色の固体として化合物201(0.268g,0.491mmol)収率98%で得た。
Mp:337.6−338.6℃.
1H NMR(300MHz,1/1CD2Cl2/CS2,ppm)δ7.38(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H),7.36(dd,3J(H,H)=8.1Hz,4J(H,H)=1.5Hz,2H),7.16(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=2.1Hz,2H),7.10(d,4J(H,H)=2.1Hz,2H),7.02−6.88(m,6H),6.79(t,3J(H,H)=8.1Hz,2H),6.53(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.2Hz,2H),6.51ppm(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.2Hz,2H).
HRMS(FAB):m/z544.1426(M+),calcd.forC362024:544.1423.
HRMS(FAB):m/z 544.1426(M+),C362024の計算値:544.1423.
元素分析(%):C362024の計算値:C79.40,H3.70,N5.14;実測値C79.22,H3.59,N5.17.
(実施例5)
以下のスキームにしたがって化合物285を合成した。
Figure 0005591996
化合物31(21.7g,92.5mmol)、化合物32(10.7g,82.7mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(1.60g,1.59mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(9.22g,95.9mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン(2.58g,12.7mmol)を乾燥トルエン(200ml)に溶解し、100℃で16時間撹拌した。不溶物を濾過し、トルエンで洗浄(150ml)した。その後、ろ液に水(50ml)を加え、トルエンで抽出(50ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:2,Rf=0.45)を行った後、さらにシリカゲルショートカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:4,Rf=0.25)で精製し、橙色の液体として化合物33(18.7g,79.4mmol)を収率96%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.10−6.93(m,3H),6.92−6.80(m,3H),6.60(m,1H),5.88(s,1H),3.93(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ157.05(dd,1J(C,F)=246.1Hz,3J(C,F)=5.7Hz),147.59,133.18,123.56(t,3J(C,F)=9.8Hz),120.65,119.72,118.95(t,2J(C,F)=15.5Hz),112.91(t,4J(C,F)=2.3Hz),111.77(dd,2J(C,F)=16.6Hz,4J(C,F)=6.8Hz),109.96,55.47.
HRMS(FAB):m/z 235.0811(M+);C13112NOの計算値:235.0809.
元素分析(%):C13112NOの計算値:C66.38,H4.71,N5.95;実測値:C66.27,H4.53,N6.06.
化合物33(3.60g,15.3mmol)、化合物34(5.18g,17.2mmol)、K2CO3(4.18g,30.2mmol)、銅粉末(1.53g,24.1mmol)を乾燥o−ジクロロベンゼン[ODCB](45ml)に加え180℃に加熱し、50時間撹拌した。不溶物を濾過し、CH2Cl2で洗浄(50ml)した。その後、ろ液に水を加え、CH2Cl2で抽出(35ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:3,Rf=0.22)で精製し、白色の固体として化合物35(5.43g,13.3mmol)を収率87%で得た。
Mp:57.1−58.1℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.28(d,3J(H,H)=9.0Hz,1H),7.14−6.99(m,3H),6.95−6.80(m,6H),3.61(s,3H),3.58(s,3H).
13C NMR(75MHz,CDCl3,ppm)δ159.00(dd,1J(C,F)=249Hz,3J(C,F)=5.7Hz),154.95,153.28,136.88,135.61,125.15,124.82,124.62(t,4J(C,F)=9.8Hz),124.28(t,2J(C,F)=20.6Hz),124.27(q,1J(C,F)=270Hz),123.1(q,2J(C,F)=32.1Hz),121.19,120.84(q,3J(C,F)=4.0Hz),120.24(q,3J(C,F)=3.5Hz),113.09,112.11,111.60(dd,2J(C,F)=16.6Hz,4J(C,F)=6.8Hz),56.01,55.91.
HRMS(FAB):m/z 409.1097(M+);C21165NO2の計算値:409.1101.
元素分析(%):C21165NO2の計算値:C61.62,H3.94,N3.42;実測値:C61.76,H3.91,N3.4.
化合物35(4.09g,10.0mmol)を乾燥CH2Cl2(300ml)に溶解し−78℃に冷却した。そこにBBr3(2.00ml,21.1mmol)を加えた後、徐々に室温まで昇温し、3時間撹拌した。溶液を水(100ml)に入れ、CH2Cl2(50ml×3)で抽出した。Na2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2を含む3.75gの固体を得た。得られた固体をDMF(200ml)に溶解し、K2CO3(4.15g,30.0mmol)を加え、100℃で20時間撹拌した。不溶物を濾過した後、溶液を減圧下で濃縮した。固体をCH2Cl2(100ml)に溶解し、1MNH4Cl水溶液(100ml)を加え、CH2Cl2で抽出(70ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)で原点除去を行った後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:4,Rf=0.58)で精製することで、白色の固体として化合物36(2.20g,6.44mmol)を収率64%で得た。
Mp:129.3−130.2℃.
1H NMR(300MHz,CD2Cl2,ppm)δ7.56(d,4J(H,H)=1.8Hz,1H),7.31(dd,3J(H,H)=7.5Hz,4J(H,H)=2.1Hz,1H),7.16(dq,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,F)=0.9Hz,1H),7.04−6.90(m,4H),6.80(t,3J(H,H)=8.1Hz,1H),6.69(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=0.9Hz,1H),6.53(dd,3J(H,H)=8.1Hz,4J(H,H)=1.2Hz,1H).
元素分析(%):C19103NO2の計算値:C66.87,H2.95,N4.10;実測値:C66.72,H2.80,N4.07.
化合物36(1.72g,5.03mmol)、N−ブロモスクシンイミド(0.993g,5.58mmol)をCHCl3(45ml)、酢酸(45ml)に溶解し、室温で18.5時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で中和し、CHCl3で抽出(50ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)で原点除去を行った後、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:2,Rf=0.78)で精製し、白色の固体として化合物11e(1.90g,4.51mmol)を収率90%で得た。
Mp:128.6−130.3℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.48(s,1H),7.19−7.06(m,4H),6.96(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),6.80(t,3J(H,H)=8.1Hz,1H),6.53(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H).
HRMS(FAB):m/z418.9770(M+);C199BrF3NO2の計算値:418.9769.
元素分析(%):C199BrF3NO2の計算値:C54.31,H2.16,N3.33;実測値:C54.41,H2.05,N3.43.
化合物11e(603mg,1.44mmol)、Ni(cod)2(236mg,0.858mmol)、1,5−シクロオクラタジエン(0.23ml,1.87mmol)、2,2’−ビピリジル(270mg,1.73mmol)を乾燥テトラヒドロフラン[THF](30ml)に溶解し、60℃で25時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、o−ジクロロベンゼンを用いてシリカゲルに吸着させ、熱o−ジクロロベンゼンで抽出した後、減圧下で濃縮した。固体をヘキサンで洗浄し、黄色の固体として化合物285(449mg,0.660mmol)を収率92%で得た。
Mp:287.5−289.2℃.
1H NMR(600MHz,CD2Cl2,ppm)δ7.60(d,4J(H,H)=1.2Hz,2H),7.37(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H),7.23(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.8Hz,2H),7.19(dq,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,F)=0.6Hz,2H),7.17(d,4J(H,H)=2.4Hz,2H),7.00(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.8Hz,2H),6.84(t,3J(H,H)=7.8Hz,2H),6.59(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.2Hz,2H),6.56(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.2Hz,2H).
13C NMR(150MHz,CD2Cl2,ppm)δ149.96,147.56,145.36,145.21,135.80,130.14,127.71,126.24(q,2J(C,F)=33.0Hz),124.76,124.27(q,1J(C,F)=270Hz),122.02,120.90(q,3J(C,F)=4.5Hz),120.36,117.98,115.62,115.10,112.09,111.84(q,3J(C,F)=3.0Hz),111.60.
HRMS(FAB):m/z 680.1164(M+);C3818624の計算値:680.1171.
元素分析(%):C3818624の計算値:C67.06,H2.67,N4.12;実測値:C67.30,H2.59,N4.19.
(実施例6)
以下のスキームにしたがって化合物294を合成した。
Figure 0005591996
化合物41(121mg,0.288mmol)、銅粉末(56.3mg,0.886mmol)を、あらかじめアルゴンバブリング(2時間)により脱気した乾燥ジメチルスルホキシド[DMSO](5ml)に溶解し、パーフルオロブチルヨージド(114mg,0.329mmol)を加え、110℃で49時間加熱、撹拌した。不溶物をろ過し、水(5ml)を加え、CH2Cl2で抽出(20ml×3)し、水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:ヘキサン=1:5,Rf=0.80)で精製し、黄色液体として化合物42(112mg,0.200mmol)を収率69%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.55(s,1H),7.29(d,3J(H,H)=8.1Hz,1H),7.20(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),7.08−6.90(m,4H),6.75ppm(d,3J(H,H)=6.9Hz,2H).
HRMS(FAB):m/z 559.0449(M+);C23912NO2の計算値:559.0442.
化合物42(106mg,0.190mmol)、N−ブロモスクシンイミド(36.4mg,0.204mmol)をCHCl3(5ml)、酢酸(5ml)に溶解し、室温で14時間撹拌した。その後、60℃に加熱し、6.5時間撹拌した。反応溶液を、飽和NaHCO3水溶液で中和し、水層をCHCl3で抽出(15ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン,Rf=0.40)で精製し、白色の固体として化合物11f(117.3mg,0.184mmol)を収率97%で得た。
Mp:121.6−122.8℃.
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.48(s,1H),7.23(d,3J(H,H)=8.7Hz,1H),7.16(s,2H),7.10(s,1H),6.99(d,3J(H,H)=8.4Hz,1H),6.76ppm(s,2H).
HRMS(FAB):m/z 638.9537(M+);C238BrF12NO2の計算値:638.9529.
化合物11f(64.9mg,0.102mmol)、Ni(cod)2(17.4mg,0.0633mmol)、1,5−シクロオクタジエン(15ml,0.122mmol)、2,2’−ビピリジル(19.0mg,0.123mmol)を乾燥テトラヒドロフラン[THF](2.5ml)に溶解し、60℃で72時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、o−ジクロロベンゼンを用いてシリカゲルに吸着させ、熱o−ジクロロベンゼンで抽出した後、減圧下で濃縮した。固体をヘキサンで洗浄し、黄色の固体として化合物294(34.8mg,0.0312mmol)を収率61%で得た。
Mp:246.5−248.3℃.
1H NMR(300MHz,CD2Cl2,ppm)δ7.61(d,4J(H,H)=1.5Hz,2H),7.39(d,3J(H,H)=8.4Hz,2H),7.27(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=2.1Hz,2H),7.25(dq,3J(H,H)=8.1Hz,4J(H,F)=2.1Hz,2H),7.19(d,4J(H,H)=2.4Hz,2H),7.03(dd,3J(H,H)=8.4Hz,4J(H,H)=1.8Hz,2H),6.80ppm(dd,3J(H,H)=10.2Hz,4J(H,H)=1.8Hz,4H).
HRMS(FAB):m/z 1116.0756(M+);C46162424の計算値:1116.0727.
元素分析(%):C46162424の計算値:C49.48,H1.44,N2.51;実測値:C49.58,H1.45,N2.74.
(実施例7)
以下のスキームにしたがって化合物401を合成した。
Figure 0005591996
化合物11a(1.06g,3.01mmol)を乾燥テトラヒドロフラン[THF](100ml)に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中,1.58M,2.0ml,3.16mmol)を滴下して1時間撹拌した。その後2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(0.65ml,3.19mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、CH2Cl2(50ml)に溶解した。水を加え、水層をCH2Cl2で抽出(25ml×3)した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた固体をゲル排除クロマトグラフィー(トルエン)で精製し、白色の固体として化合物14a(1.04g,2.61mmol)を収率87%で得た。
1H NMR(300MHz,CDCl3,ppm)δ7.32(dd,3J(H,H)=6.6Hz,4J(H,H)=2.4Hz,2H),6.96−6.85ppm(m,8H).
トルエンと蒸留水をそれぞれアルゴンバブリングにより4時間脱気した。1,4−ジブロモベンゼン(34.5mg,0.146mmol)、化合物14a(126mg,0.315mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(4.92mg,0.00475mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル[SPhos](7.76mg,0.0189mmol、K3PO4(92.6mg,0.436mmol)をシュレンクに入れ、アルゴン置換を行った。アルゴンバブリング(4時間)により脱気したトルエン(5ml)、蒸留水(0.5ml)を加え、110℃で39時間撹拌した。溶液を減圧化で濃縮し、o−ジクロロベンゼンを用いてシリカゲルに吸着させ、熱o−ジクロロベンゼンで抽出した後、減圧下で濃縮した。固体をヘキサンで洗浄し、黄色の固体として化合物401(38.4mg,0.0619mmol)を収率42%で得た。
1H NMR(300MHz,300MHz,1/1CD2Cl2/CS2,ppm)δ7.55(s,4H),7.37(dd,3J(H,H)=7.5Hz,4J(H,H)=1.8Hz,4H),7.02−6.90(m,12H),6.79ppm(s,4H).
(実施例8)
以下のスキームにしたがって化合物701を合成した。
Figure 0005591996
1,3−ジブロモベンゼン(18μl,0.150mmol)、化合物14a(125mg,0.312mmol)、Pd2(dba)3・CHCl3(4.90mg,0.00473mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’、6’−ジメトキシビフェニル[SPhos](7.53mg,0.0183mmol、K3PO4(96.0mg,0.452mmol)をシュレンクに入れ、アルゴン置換を行った。アルゴンバブリング(2.5時間)により脱気したトルエン(6mL)および蒸留水(0.6mL)を加え、110°Cで42時間撹拌した。反応溶液を減圧化で濃縮し、o−ジクロロベンゼンを用いてシリカゲルに吸着させ、熱o−ジクロロベンゼンで抽出した後、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、薄黄色の固体として化合物701(83.9mg,0.135mmol)を収率90%で得た。
1H NMR(300MHz,1/1CD2Cl2/CS2,ppm)δ7.62(s,1H),7.46(d,3J(H,H)=1.2Hz,2H),7.37(dd,3J(H,H)=6.6Hz,4J(H,H)=1.2Hz,4H),7.35(t,3J(H,H)=1.2Hz,1H),7.02−6.91(m,12H).
(試験例1)
実施例1〜4で得られた化合物1、化合物2、化合物24、化合物201(二量体)と比較化合物である化合物A〜C(単量体)についてサイクリックボルタンメトリーを行った結果を図1および図2に示す。なお、サイクリックボルタンメトリーは、n−Bu4+PF6-(0.1mol/l)を支持電解質に用い、参照電極としてAg/Ag+、作用極としてグラッシーカーボン、対極としてPtを用いて、CH2Cl2溶液中で行った。サイクリックボルタンメトリーの結果より、化合物1、化合物24、化合物201は二段階の可逆な酸化波を示し、この測定条件下において、対応するラジカルカチオンおよびジカチオンが安定に生成することが確認され、ホール輸送材料として優れた特性を示すことが示唆された。化合物2は、二段階の可逆な酸化波に加えて、3、4段階目の二電子酸化に対応する酸化波も可逆に観測され、この測定条件下では、対応するテトラカチオン種までもが安定に生成することが確認され、優れたホール輸送材料であることが示唆された。化合物1、化合物2、化合物24、化合物201は、サイクリックボルタンメトリーの測定結果と光吸収スペクトルから見積もられるHOMOがいずれも高いためホール注入性にも優れていることが確認された(図3参照)。なお、図3におけるα−NPDとTPDのデータは、Appl. Phys. Lett., 2007, 90, 183503に基づくものである。
(実施例9)
化合物1を用いて薄膜を作成し、SCLC法(Appl. Phys. Lett. 2007, 90, 203512)にしたがってホール移動度を測定したところ、1.2〜2.0×10-4cm2/Vsであった。また、化合物1、化合物24、化合物201、α−NPDを用いてTOF法(Time-of-flight法)にしたがってホール移動度を測定した結果を図4に示す。これらの結果は、有機エレクトロルミネッセンス素子における代表的なホール輸送材料であるα−NPDと同程度のホール移動度を本発明の化合物が有していることを示している。また、化合物201についてTOF法にしたがって電子移動度を測定した結果をホール移動度の測定結果とともに図5に示す。この結果は、化合物201の電子移動度がホール移動度よりもさらに高いことを示しており、本発明の化合物の中には優れたバイポーラー材料が含まれていることを示している。
(実施例10)
本実施例において、図6に示す本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(a)と比較用の有機エレクトロルミネッセンス素子(b)を製造した。
有機エレクトロルミネッセンス素子(a)は、ITO電極付きガラス基板のITO電極上に化合物1を10nm、α−NPDを50nm、下記の構造を有するAlq3を50nm、LiFおよびAlを順に蒸着することにより製造した(図6(a)参照)。
有機エレクトロルミネッセンス素子(b)は、化合物1を含むホール注入層を形成しなかった点を変更して、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子(a)と同じ工程にしたがって製造した(図6(b)参照)。
Figure 0005591996
製造した有機エレクトロルミネッセンス素子(a)と有機エレクトロルミネッセンス素子(b)の構造は以下の通りである。
素子(a) ITO/化合物1(10nm)/α-NPD(50nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
素子(b) ITO/α-NPD(50nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
製造した有機エレクトロルミネッセンス素子(a)と有機エレクトロルミネッセンス素子(b)について、電流密度と電流効率の関係を測定したところ図7に示す結果が得られた。このことから、本発明の一般式[1]で表される化合物1を用いることにより電流効率が向上することが確認された。
(実施例11)
実施例10と同様にして以下の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(c)および(d)を製造した。これらの有機エレクトロルミネッセンス素子は、ホール輸送材料が異なっている。
素子(c) ITO/化合物1(60nm)/Alq3(50nm) /LiF/Al
素子(d) ITO/α-NPD(60nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
製造した有機エレクトロルミネッセンス素子(c)および(d)について、2mAに電流値を固定して2000時間あるいはそれ以上にわたって電圧と輝度の変化を測定した。電圧変化の測定結果を図8に示し、輝度変化の測定結果を図9に示す。図8より、本発明の一般式[1]で表される化合物1を用いた場合は、電圧の増加が小さく抑えられることが確認された。このことは、化合物1を用いれば素子の劣化に基づく電気抵抗の上昇を抑制しうることを示すものである。また、図9より、化合物1を用いた場合は、素子の輝度低下が小さく抑えられることが確認された。これらの結果は、化合物1が素子の長寿命化に効果があることを示すものである。
(実施例12)
実施例10で用いた化合物1のかわりに化合物201を用いて、実施例10と同様にして以下の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(e)および(f)を製造した。また、比較用として以下の構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(g)も製造した。これらの有機エレクトロルミネッセンス素子は、化合物201膜とα−NPD膜の合計膜厚を60nmで一定にして、化合物201膜の膜厚を変化させたものである。
素子(e) ITO/化合物201(30nm)/α-NPD(30nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
素子(f) ITO/化合物201(10nm)/α-NPD(50nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
素子(g) ITO/α-NPD(60nm)/Alq3(50nm)/LiF/Al
製造した有機エレクトロルミネッセンス素子(e)〜(g)について、電流密度と電流効率の関係を測定したところ図10に示す結果が得られた。α−NPDに対するホール注入層として化合物201膜を形成することにより、電流あたりの輝度の向上が認められ、電流効率が向上することが確認された。また、化合物201膜の膜厚を厚くすることにより、電流あたりの輝度がさらに高まり、電流効率がさらに向上することが確認された。このことは、化合物201がホール輸送性材料としても優れていることを示している。
以上から明らかなように、一般式[1]で表される化合物は、アモルファス状態が安定で結晶化しにくいうえ、電荷輸送材料として優れた特性を有している。このため、一般式[1]で表される化合物を用いることにより、高効率で、消費電力や発熱量を抑え、長寿命化も実現しうる有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池などの有機デバイスを提供することが可能である。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 ITO電極付きガラス基板
2 化合物1
3 α−NPD
4 Alq3
5 LiF
6 Al

Claims (12)

  1. 下記一般式[1]で表される化合物。
    Figure 0005591996
    [一般式[1]において、Ar1は単結合または下記のいずれかの構造を表し;
    Figure 0005591996
    1およびQ2は、ともに=CH−であるか、Q1が単結合でQ2が−CH=CH−であるか、Q1が−CH=CH−でQ2が単結合であり;pは0〜3のいずれかの整数を表し;qは0〜3のいずれかの整数を表し;Eは酸素原子、硫黄原子を表すか、または炭素原子、珪素原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子もしくは硫黄原子を介して連結する原子団を表し;
    1は、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し;
    1は、窒素原子、ホウ素原子およびリン原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し;
    1とL2、L3とL4のいずれか一方は、互いに結合して酸素原子、硫黄原子、炭素原子、窒素原子、リン原子および珪素原子からなる群より選択される1つの原子を介して連結する連結基を表し、L1とL2、L3とL4の他方は、各々独立に、水素原子または置換基を表し;
    1、R2、R5〜R7およびR10〜R12は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12は、互いに結合して連結基を形成していてもよく;
    n1は2以上のいずれかの整数を表し、分子内にn1個存在するX1、Y1、R1、R2、R5〜R7およびR10〜R12は、それぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく;
    Arが単結合であるとき、隣接する2つのR1同士が互いに結合して連結基を形成していてもよく、隣接する2つのR2同士が互いに結合して連結基を形成していてもよい。
    ただし、Y 1 が窒素原子であり、L 1 とL 2 が水素原子であり、L 3 とL 4 が互いに結合して酸素原子を介して連結する連結基を表すとき、X 1 が炭素原子を介して連結する連結基であることはない。
  2. 一般式[1]におけるL1とL2、L3とL4のいずれか一方が形成する連結基と、X1が表す連結基が、各々独立に、−O−、−S−、−SO2−、>CR2122、>C=O、>C=CR2324、>C=NR25、>NR26
    Figure 0005591996
    または>SiR2829であり、
    1が、>N−、>B−、>P−または>P(=O)−であり、
    1、R2、R21、R22、R28およびR29が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアルコキシ基であり、
    5〜R7およびR10〜R12が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のアリールオキシ基であるか、R5とR6、R6とR7、R10とR11、R11とR12が互いに結合して連結基を形成しており、
    23〜R27が、各々独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式[1]におけるL1とL2、L3とL4のいずれか一方が形成する連結基と、X1が表す連結基が−O−であることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  4. 一般式[1]におけるY1が>N−であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
  5. 一般式[1]におけるR1およびR2が水素原子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  6. 一般式[1]におけるR5、R7、R10およびR12が水素原子であり、R6およびR11が水素原子またはアルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 分子が非対称であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物からなる電荷輸送材料。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機デバイス。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を用いた光電変換素子。
  12. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を用いた有機薄膜太陽電池。
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