JP7176195B2 - 酸素架橋型トリアリールアミン化合物及びその前駆体ならびに発光材料 - Google Patents

酸素架橋型トリアリールアミン化合物及びその前駆体ならびに発光材料 Download PDF

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Description

本発明は、酸素架橋型トリアリールアミン化合物及びその前駆体ならびに発光材料に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子、Organic Light-Emitting Diode)の発光層に使用する材料は、電子および正孔の両方を受け取ることができるバイポーラー性を有する必要がある。
特許文献1、2は、カルバゾールやジアリールアミン、或いは架橋型のトリアリールアミンのように正孔輸送能に優れた骨格と、トリアジンやピリミジンのように電子輸送能に優れた骨格と、をともに有する化合物を開示している。
国際公開第2008/123189号パンフレット 国際公開第2010/050778号パンフレット
しかしながら、特許文献1、2にかかる化合物であっても、有機EL素子の優れた発光効率と、十分な長寿命と、を満足する有機EL素子は得られず、さらなる改善が求められている。
本発明者等がバイポーラー性についてさらに検討を重ねたところ、以下の知見が得られた。
電子と正孔とをバランス良く輸送することができない発光層を使用した有機EL素子では、発光に寄与しない余剰な正孔若しくは電子が発生することとなり、発光効率が低下してしまう。
本発明の一態様は、良好なバイポーラー性を有し、低電圧かつ高発光効率な有機エレクトロルミネッセンス素子の形成に資する酸素架橋型トリアリールアミン化合物、および、その前駆体ならびに発光材料を提供することを目的とする。
[1]:本発明の第1の態様は、式(1)で表される化合物である:
Figure 0007176195000001
式(1)中、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、
炭素数6~18のアリール環、または、
炭素数3~13のヘテロアリール環であり;
該アリール環または該ヘテロアリール環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、式(2)で表される置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
ただし、式(1)で表される前記化合物は、少なくとも1つの前記置換基Zを有する;
Figure 0007176195000002
式(2)中、
Lは、それぞれ独立して、
フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、および、9-フェニルカルバゾールジイル基、からなる群から選択される2価の基、または、
単結合を表し;
該2価の基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
Hyは、それぞれ独立して、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、および、窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの原子、ならびに、多重結合を形成する窒素原子で構成される炭素数3~12の含窒素ヘテロ芳香族基を表し;
該含窒素ヘテロ芳香族基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
[2]:本発明の第2の態様は、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、および、クリセン環からなる群から選択される1つの環であり、
該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、前記置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、上記第1の態様に記載の化合物である。
[3]:本発明の第3の態様は、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環およびナフタレン環から選択される1つの環であり、
該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、前記置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、上記第1または上記第2の態様に記載の化合物である。
[4]:本発明の第4の態様は、
式(1-1)~(1-26)のいずれか1つで表される化合物である、上記第1の態様に記載の化合物である:
Figure 0007176195000003
Figure 0007176195000004
式(1-1)~(1-26)中、
Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、または、ジベンゾチオニル基を表す;
Zは、式(2)と同義である。
[5]:本発明の第5の態様は、
Lが、それぞれ独立して、
単結合、または、
式(L-1)~(L-11)のいずれか1つで表される基である、上記第1~第4の態様のいずれか1つに記載の化合物である:
Figure 0007176195000005
式(L-1)~(L-11)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、または、炭素数3~20のヘテロアリール基を表す。
[6]:本発明の第6の態様は、
Hyが、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、および、ベンゾフロピリミジニル基からなる群から選択される1つの基であり、
該基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、上記第1~第5の態様のいずれか1つに記載の化合物である。
[7]:本発明の第7の態様は、
Hyが、それぞれ独立して、式(Hy-1)~(Hy-9)のいずれか1つで表される基である、上記第1~第6の態様のいずれか1つに記載の化合物である:
Figure 0007176195000006
式(Hy-1)~(Hy-9)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、または、炭素数3~20のヘテロアリール基を表す。
[8]:本発明の第8の態様は、
上記第1~第7の態様のいずれか1つに記載の化合物を含む発光材料である。
[9]:本発明の第9の態様は、
式(1-a)で表される塩素化合物である:
Figure 0007176195000007
式(1-a)中、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、
炭素数6~18のアリール環、または、
炭素数3~13のヘテロアリール環であり;
該アリール環または該ヘテロアリール環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
ただし、式(1-a)で表される前記化合物は、少なくとも1つの塩素原子を有する。
[10]:本発明の第10の態様は、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、および、クリセン環からなる群から選択される1つの環であり、
該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、上記第9の態様に記載の塩素化合物である。
[11]:本発明の第11の態様は、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環およびナフタレン環から選択される1つの環であり、
該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、上記第9または上記第10の態様に記載の塩素化合物である。
[12]:本発明の第12の態様は、
式(1-a1)~(1-a23)のいずれか1つで表される塩素化合物である、上記第9の態様に記載の塩素化合物である:
Figure 0007176195000008
Figure 0007176195000009
式(1-a1)~(1-a23)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、または、ジベンゾチオニル基を表す。
本発明の一態様によれば、良好なバイポーラー性を有し、低電圧かつ高発光効率な有機エレクトロルミネッセンス素子の形成に資する酸素架橋型トリアリールアミン化合物および、その前駆体ならびに発光材料を提供することができる。
本発明を実施するための例示的な態様について詳細に説明する。
以下、本発明の一態様にかかる酸素架橋型トリアリールアミン化合物及びその前駆体(以下、塩素化合物とも称する)ならびに発光材料に関して詳細に説明する。
[酸素架橋型トリアリールアミン化合物(化合物)]
酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、式(1)で表される化合物である:
Figure 0007176195000010
式(1)中、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、
炭素数6~18のアリール環、または、
炭素数3~13のヘテロアリール環であり;
該アリール環または該ヘテロアリール環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、式(2)で表される置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
ただし、式(1)で表される前記化合物は、少なくとも1つの前記置換基Zを有する;
Figure 0007176195000011
式(2)中、
Lは、それぞれ独立して、
フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、および、9-フェニルカルバゾールジイル基、からなる群から選択される2価の基、または、
単結合を表し;
該2価の基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
Hyは、それぞれ独立して、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、および、窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの原子、ならびに、多重結合を形成する窒素原子で構成される炭素数3~12の含窒素ヘテロ芳香族基を表し;
該含窒素ヘテロ芳香族基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、炭素数6~18のアリール環、または、炭素数3~13のヘテロアリール環である。これらのアリール環、または、ヘテロアリール環は、少なくとも1つの置換基X1で置換されていてもよい。ここで、少なくとも1つの置換基X1とは、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、式(2)で表される置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つである。
前記炭素数6~18のアリール環は、単環もしくは縮環の炭素数6~18のアリール環、または単環もしくは縮環の炭素数6~18の芳香族炭化水素環と書き表すことができる。炭素数6~18のアリール環としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、およびクリセン環が挙げられる。
前記炭素数3~13のヘテロアリール環は、単環もしくは縮環の炭素数3~13のヘテロアリール環、または単環もしくは縮環の炭素数3~13のヘテロ芳香族環と書き表すことができる。炭素数3~13のヘテロアリール環としては、特に限定されるものではないが、例えば、ピロール環、イミダゾール環、トリアジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、フェナジン環、アクリジン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、チアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、およびジベンゾチオフェン環等が挙げられる。
前記置換基X1における炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、シクロプロピル基、およびシクロヘキシル基などが挙げられる。
A環、B環およびC環は、バイポーラー性に優れる点で、それぞれ独立して、炭素数6~10のアリール環、又は炭素数3~10のヘテロアリール環であることが好ましい。なお、炭素数6~10のアリール環、又は炭素数3~10のヘテロアリール環は、少なくとも1つの前記置換基X1で置換されていてもよい。ここで、炭素数6~10のアリール環は、単環もしくは縮環の炭素数6~10のアリール環、または単環もしくは縮環の炭素数6~10の芳香族炭化水素環とも称する。また、炭素数3~10のヘテロアリール環は、単環もしくは縮環の炭素数3~10のヘテロアリール環、または単環もしくは縮環の炭素数3~10のヘテロ芳香族環とも称する。
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、クリセン環、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、キノリン環、および、イソキノリン環からなる群から選択される1つの環であることが好ましい。該環は、少なくとも1つの前記置換基X1で置換されていてもよい。
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、および、クリセン環からなる群から選択される1つの環であることがさらに好ましい。該環は、少なくとも1つの前記置換基X1で置換されていてもよい。
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環およびナフタレン環からなる群から選択される1つの環であることが特に好ましい。該環は、少なくとも1つの前記置換基X1で置換されていてもよい。
なお、式(1)で表される化合物は、少なくとも1つの前記置換基Zを有する。
ここで、置換基Zについては、式(1)中、1つ、2つ、又は3つの水素原子と置換されていることが好ましく、1つまたは2つの水素原子と置換されていることがより好ましく、1つの水素原子と置換されていることがさらに好ましい。
式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、式(1-1)~(1-26)のいずれか1つで表される化合物を挙げることができる。
Figure 0007176195000012
Figure 0007176195000013
式(1-1)~(1-26)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、およびジベンゾチオニル基から選ばれるいずれか1つを表す。Zは式(2)と同義である。また、式(1-1)~(1-26)中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基は、前記置換基X1中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基と同義である。
Rは、化合物のバイポーラー性を損なわない点から、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基であることが好ましい。
式(2)で表される置換基Zにおいて、Lは、それぞれ独立して、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、および9-フェニルカルバゾールジイル基からなる群から選択される2価の基;または単結合を表す。
該2価の基は、少なくとも1つの置換基X2で置換されていてもよい。ここで、少なくとも1つの置換基X2とは、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つである。
前記置換基X2中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基は、前記置換基X1中の、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基と同義である。
前記置換基X2中の炭素数6~25のアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基、4-ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、m-テルフェニル-5’-イル基、トリフェニレン-1-イル基、トリフェニレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-1-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-3-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-4-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-1-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-3-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-4-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-1-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-2-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-3-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-4-イル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、および9-フェナントリル基などが挙げられる。
前記置換基X2中の炭素数3~20のヘテロアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3-ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、およびジベンゾフラニル基などが挙げられる。
Lは、化合物のバイポーラー性に優れる点で、それぞれ独立して、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、およびジベンゾフランジイル基からなる群から選択される2価の基;または、単結合;であることが好ましい。該2価の基は、少なくとも1つの置換基X2で置換されていてもよい。
Lは、それぞれ独立して、単結合、または式(L-1)~(L-11)のいずれか1つで表される基であることがより好ましい。
Figure 0007176195000014
式(L-1)~(L-11)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、または炭素数3~20のヘテロアリール基を表す。式(L-1)~(L-11)中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、炭素数3~20のヘテロアリール基は、それぞれ、前記置換基X2中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、炭素数3~20のヘテロアリール基と同義である。
また、Lは、化合物のバイポーラー性に優れる点で、それぞれ独立して、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、およびジベンゾフランジイル基からなる群から選択される2価の基;または、単結合であることが好ましい。該2価の基は、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基、4-ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、および、ジベンゾフラニル基からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
Lは、化合物のバイポーラー性に優れる点で、それぞれ独立して、単結合;または、式(L-1)~(L-11)のいずれか1つで表される基であることがより好ましい。
Figure 0007176195000015
式(L-1)~(L-11)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基、4-ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、またはジベンゾフラニル基を表す。
式(2)で表される置換基Zにおいて、Hyは、それぞれ独立して、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、および、窒素原子からなる群より選ばれる少なくとも1つの原子、ならびに、多重結合を形成する窒素原子で構成される炭素数3~12の含窒素ヘテロ芳香族基を表す。該含窒素ヘテロ芳香族基は、少なくとも1つの前記置換基X2で置換されていてもよい。
前記の炭素数3~12の含窒素ヘテロ芳香族基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、ベンゾフロピリミジニル基、フェナジニル基、ベンゾチアゾリル基、およびベンゾイミダゾリル基等が挙げられる。
Hyは、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、および、ベンゾフロピリミジニル基からなる群から選択される1つの基であることが好ましい。該基は、前記置換基X2で置換されていてもよい。
Hyは、それぞれ独立して、式(Hy-1)~(Hy-9)のいずれか1つで表される基であることがより好ましい。
Figure 0007176195000016
式(Hy-1)~(Hy-9)中、Rは、それぞれ独立して水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基から選ばれるいずれか1つを表す。式(Hy-1)~(Hy-9)中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、炭素数3~20のヘテロアリール基は、それぞれ、前記置換基X2中の炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、炭素数3~20のヘテロアリール基と同義である。Rは、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、及びナフチル基からなる群から選ばれるいずれか1つであることが好ましい。
また、Hyは、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、およびベンゾフロピリミジニル基から選ばれる基であることが好ましい。該基は、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、テルフェニル基、トリフェニレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、フェナントリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、および、ジベンゾフラニル基からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
これらの具体例としては、式(Hy-1)~(Hy-9)のいずれか1つで表される基が挙げられる。
Figure 0007176195000017
式(Hy-1)~(Hy-9)におけるRは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、テルフェニル基、トリフェニレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、9,9-ジフェニルフルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、フェナントリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、及びジベンゾフラニル基からなる群から選択されるいずれか1つであることが好ましく、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されるいずれか1つであることがより好ましい。
また、Hyは、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、およびベンゾフロピリミジニル基からなる群から選択される1つの基であることが好ましい。該基は、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基、4-ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、m-テルフェニル‐5’-イル基、トリフェニレン-1-イル基、トリフェニレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-1-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-3-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-4-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-1-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-3-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-4-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-1-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-2-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-3-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-4-イル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、またはジベンゾフラニル基で置換されていてもよい。
これらの具体例としては、式(Hy-1)~(Hy-9)のいずれか1つで表される基が挙げられる。
Figure 0007176195000018
式(Hy-1)~(Hy-9)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、2-ビフェニル基、3-ビフェニル基、4-ビフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、m-テルフェニル‐5’-イル基、トリフェニレン-1-イル基、トリフェニレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-1-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-2-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-3-イル基、9,9-ジメチルフルオレン-4-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-1-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-3-イル基、9,9-ジフェニルフルオレン-4-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-1-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-2-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-3-イル基、9,9’-スピロビフルオレン-4-イル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、及びジベンゾフラニル基からなる群より選択されるいずれか1つであることが好ましく、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、及びナフチル基からなる群から選択されるいずれか1つであることがより好ましい。
以下に好ましい化合物を例示するが、酸素架橋型トリアリールアミン化合物はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0007176195000019
Figure 0007176195000020
Figure 0007176195000021
Figure 0007176195000022
Figure 0007176195000023
Figure 0007176195000024
Figure 0007176195000025
Figure 0007176195000026
Figure 0007176195000027
Figure 0007176195000028
Figure 0007176195000029
Figure 0007176195000030
Figure 0007176195000031
Figure 0007176195000032
Figure 0007176195000033
Figure 0007176195000034
Figure 0007176195000035
Figure 0007176195000036
Figure 0007176195000037
Figure 0007176195000038
Figure 0007176195000039
Figure 0007176195000040
Figure 0007176195000041
Figure 0007176195000042
Figure 0007176195000043
Figure 0007176195000044
Figure 0007176195000045
Figure 0007176195000046
Figure 0007176195000047
Figure 0007176195000048
Figure 0007176195000049
Figure 0007176195000050
Figure 0007176195000051
Figure 0007176195000052
Figure 0007176195000053
Figure 0007176195000054
Figure 0007176195000055
Figure 0007176195000056
Figure 0007176195000057
式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、例えば、下記のルートにより合成することができる。
Figure 0007176195000058
式中、Akは、それぞれ独立して、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基を表す。Akは、原料が入手し易いという点で、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
ここでは環Cの水素原子が置換基Zで置換された例を示したが、当業者常識に基づいて、原料を適宜変更することで、所望の環、置換位置へ、Zを導入することが可能である。
工程(1) 両側のオルト位がフッ素で置換されたアリールアミンに、例えば2-ヨードアニソールのようなオルト位にアルコキシ基を有するハロゲン化アリールをパラジウム触媒や銅触媒を用いてカップリング反応させ、2級アミンを得る。
工程(2) 工程(1)で得られた2級アミンと、オルト位にアルコキシ基を有するハロゲン化アリールと、を更に反応させ、3級アミンを得る。
工程(3) アルコキシ基のアルキルを常法により切断した後、求核置換反応によりクロル基等のカップリング反応性基を有する酸素架橋型トリアリールアミン化合物を得る。
工程(4) カップリング反応性基を有する酸素架橋型トリアリールアミン化合物と、置換基Zのボロン酸化合物またはボロン酸エステル化合物と、の鈴木カップリング反応より、式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物を得ることができる。
ここでは置換基Zのボロン酸化合物またはボロン酸エステル化合物を使用した例を示したが、酸素架橋型トリアリールアミン化合物をボロン酸化合物またはボロン酸エステル化合物として、この酸素架橋型トリアリールアミン化合物と、置換基Zのハロゲン化物と、反応させてもよい。
また、鈴木カップリング反応の代わりに根岸カップリング反応や熊田・玉尾カップリング反応を用いることもできる。
原料の1級アミンをA環ではなく、B環やC環にした場合も、それぞれの環の置換基を適宜変更することで酸素架橋型トリアリールアミン化合物を合成することができる。また、B環、C環のアルコキシ基をA環にして、フッ化アリールをB環およびC環としても同様に酸素架橋型トリアリールアミン化合物を合成することができる。
置換基Zは式(2)で定義されるが、当該置換基Zのボロン酸化合物またはボロン酸エステル化合物については、公知の方法に基づき合成することが可能である。
[塩素化合物(前駆体)]
上記の工程(3)から得られる塩素化合物は、式(1-a)で表される:
Figure 0007176195000059
式(1-a)中、
A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、
炭素数6~18のアリール環、または、
炭素数3~13のヘテロアリール環であり;
該アリール環または該ヘテロアリール環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
ただし、式(1-a)で表される前記化合物は、少なくとも1つの塩素原子を有する。
式(1-a)中のA環、B環およびC環における、炭素数6~18のアリール環、炭素数3~13のヘテロアリール環、及び炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基の定義は、それぞれ、式(1)中のA環、B環およびC環における、炭素数6~18のアリール環、炭素数3~13のヘテロアリール環、及び炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基の定義と同義であり、好ましい範囲についても同様である。
なお、式(1-a)中のA環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環およびクリセン環からなる群から選択される1つの環であることが好ましい。該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
一般式(1-a)中のA環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環およびナフタレン環から選択される1つの環であることがより好ましい。該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、塩素原子からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
ただし、式(1-a)で表される塩素化合物は、少なくとも1つの塩素原子を有する。
このように、式(1-a)で表される塩素化合物は、式(1-a1)~(1-a23)のいずれか1つで表される塩素化合物であることが好ましい。
Figure 0007176195000060
Figure 0007176195000061
式(1-a1)~(1-a23)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、またはジベンゾチオニル基を表す。
式(1-a1)~(1-a23)中のRにおける炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基は、式(1)における炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基と同義であり、好ましい範囲についても同様である。
一般式(1-a1)~(1-a23)中、Rは、それぞれ独立して、化合物のバイポーラー性を損なわない点から、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、フェニル基、ビフェニル基、またはナフチル基であることが好ましい。
[発光材料]
本発明の一態様にかかる発光材料は、上記した化合物(酸素架橋型トリアリールアミン化合物)を含む。
[有機エレクトロルミネッセンス素子]
式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の各層で使用することができるが、発光ホスト材料または発光ドーパント材料として好ましく使用することができる。式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、バイポーラー性を有し、正孔と電子とを安定に輸送することが可能であること、さらに、発光特性にも優れることから、発光層の材料として使用した際に、有機EL素子の高効率化と長寿命化とを実現することができる。
式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物を、有機EL素子の発光層の材料として使用する場合には、酸素架橋型トリアリールアミン化合物を単独で使用してもよく、公知の発光ホスト材料にドープして使用してもよく、公知の発光ドーパントをドープして使用してもよい。
式(1)で表される酸素架橋型トリアリールアミン化合物を含有する発光層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法等の公知の方法を適用することができる。
所望の効果が得られる有機EL素子の基本的な構造としては、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び陰極を含むものが好ましく、一部の層が省略されていても、また逆に追加されていてもよい。
有機EL素子の陽極及び陰極は、電気的な導体を介して電源に接続される。陽極と陰極との間に電位を加えることにより、有機EL素子は作動する。
正孔は陽極から有機EL素子内に注入され、電子は陰極で有機EL素子内に注入される。
有機EL素子は典型的には基板に被せられ、陽極又は陰極は基板と接触することができる。基板と接触する電極は便宜上、下側電極と呼ばれる。一般的には、下側電極は陽極であるが、本開示の一態様にかかる有機EL素子においては、そのような形態に限定されるものではない。
基板は、意図される発光方向に応じて、光透過性又は不透明であってもよい。光透過特性は、基板を通してエレクトロルミネッセンス発光により確認できる。一般的には、透明ガラス又はプラスチックがこのような場合に基板として採用される。基板は、多重の材料層を含む複合構造であってもよい。
エレクトロルミネッセンス発光を、陽極を通して確認する場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通すもので形成される。
陽極に用いられる透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、インジウム-錫酸化物(ITO;Indium Tin Oxide)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO;Indium Zinc Oxide)、酸化錫、アルミニウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム-インジウム酸化物、ニッケル-タングステン酸化物等の金属酸化物;窒化ガリウム等の金属窒化物;セレン化亜鉛等の金属セレン化物;硫化亜鉛等の金属硫化物;等が挙げられる。陽極は、プラズマ蒸着されたフルオロカーボンで改質することができる。
陰極を通してだけエレクトロルミネッセンス発光が確認される場合、陽極の透過特性は重要ではなく、陽極の材料として、透明、不透明又は反射性の任意の導電性材料を使用することができる。この場合の陽極に用いられる材料の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
陽極と発光層との間には、正孔注入層や正孔輸送層といった正孔輸送性の層を複数層設けることができる。正孔注入層や正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、これらの層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔を発光層に注入することができる。
正孔輸送層及び/又は正孔注入層としては、公知の正孔注入材料、正孔輸送材料を用いることができる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、ならびに、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物を用いることが好ましく、芳香族第三級アミン化合物を用いることが特に好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノフェニル、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-〔1,1’-ビフェニル〕-4,4’-ジアミン(TPD)、2,2-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラ-p-トリル-4,4’-ジアミノビフェニル、1,1-ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、ビス(4-ジメチルアミノ-2-メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ジ-p-トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(4-メトキシフェニル)-4,4’-ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’-テトラフェニル-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N-トリ(p-トリル)アミン、4-(ジ-p-トリルアミノ)-4’-〔4-(ジ-p-トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4-N,N-ジフェニルアミノ-(2-ジフェニルビニル)ベンゼン、3-メトキシ-4’-N,N-ジフェニルアミノスチルベンゼン、N-フェニルカルバゾール、4,4’-ビス〔N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’-トリス〔N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などがあげられる。
p型-Si、p型-SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
発光層は、上述した酸素架橋型トリアリールアミン化合物を含む。発光層には、酸素架橋型トリアリールアミン化合物と共に、公知の発光材料(発光ホスト材料、蛍光ドーパント、燐光ドーパント)を選択して組み合わせて用いることができる。
発光ホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントラニル基を有する化合物が挙げられる。例えば、DPVBi(4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)-1,1’-ビフェニル)、BCzVBi(4,4’-ビス(9-エチル-3-カルバゾビニレン)1,1’-ビフェニル)、TBADN(2-ターシャルブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)-2,2’-ジメチルビフェニル)、9,10-ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントの一例としては、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム又はチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物等が挙げられる。
燐光ドーパントの一例としては、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
ドーパントの一例として、Ir(PPy)3(トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)、FirPic(ビス(3,5-ジフルオロ-2-(2-ピリジル)フェニル-(2-カルボキシピリジル)イリジウム(III)、Ir(piq)2(acac)ビス(1-フェニルイソキノリン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(piq)3トリス(1-フェニルイソキノリン)イリジウム(III)等が挙げられる。
陰極と発光層との間には、電子輸送層が単層または複数層設けられる。
電子輸送層に含まれる電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8-ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラート)ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-1-ナフトラートアルミニウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)-2-ナフトラートガリウム等が挙げられる。
発光層と電子輸送層との間に、キャリアバランスを改善させる目的で、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層の材料として望ましい化合物は、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Bphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラート)-4-(フェニルフェノラート)アルミニウム)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
有機EL素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等が挙げられる。また、上記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、酸化窒化物のような無機化合物等も使用できる。
発光が陽極を通してのみ確認される場合、陰極は、任意の導電性材料から形成することができる。望ましい陰極材料としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
本開示の一態様は、上述した特定の酸素架橋型トリアリールアミン化合物を用いてなる低電圧、高発光効率、長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することをさらなる目的とする。
酸素架橋型トリアリールアミン化合物を含む少なくとも1つの発光層を有する有機EL素子は、発光層への電子注入及び正孔注入の両方が容易となり、発光層内での電子と正孔との再結合効率が向上する。従って、本開示の一態様によれば、輝度及び効率が高く、寿命に優れる有機EL素子を提供することが可能となる。
また、塩素化合物については、従来公知の酸素架橋型トリアリールアミンハロゲン化合物に比べて反応選択性が高く不純物の生成が少ないという効果を奏するものであり、極めて高い純度が要求される有機EL素子用材料の製造中間体として工業的に重要である。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
H-NMRは、バリアン社製 Gemini200を用いて行った。
FDMS測定は、日立製作所製 M-80Bを用いて行った。
合成例1 (5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000062
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、国際公開第2012/118164号公報に開示された方法で合成した2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン 5.0g(21.3mmol)、4-クロロ-2-ヨードアニソール 8.6g(31.9mmol)、銅粉 7.2g(31.9mmol)、炭酸カリウム 6.1g(63.8mmol)、18-クラウン-6 1.1g(4.3mmol)、及びo-ジクロロベンゼン 30mLを添加して180℃で9時間攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を除去した後、ロータリーポンプを用いて溶媒を減圧留去した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリンの白色固体を7.1g(18.9mmol)単離した。(収率89%)。
合成例2 (5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000063
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例1で得た5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン 9.0g(23.9mmol)、ピリジン塩酸塩 99.6g(862.1mmol)、及びN-メチルピロリドン 10mLを添加して190℃で12時間攪拌した。100℃以下まで冷却後、純水 30mLを加え、室温で終夜撹拌した。トルエンで有機層を抽出した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンと酢酸エチルの混合溶媒)で精製し、5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリンの白色粉末を4.1g(11.8mmol)単離した(収率49%)。
実施例1 (2-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの合成)
Figure 0007176195000064
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例2で得た5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリン 4.0g(11.5mmol)、炭酸カリウム 4.8g(34.5mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド 160mLを添加して100℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を減圧留去し、純水 300mLを加えて撹拌した後、析出した固体を吸引濾過にて採取した。得られた固体をトルエンに溶解させ、シリカゲルパスカラムを通過させた後、トルエンを減圧留去した。残渣にヘキサンを加えることで再沈殿させ、吸引濾過にて2-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの白色固体3.1g(10.1mmol)を単離した(収率78%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 307(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);7.29-7.34(m,2H),6.88-7.01(m,3H),6.75-6.88(m,3H),6.50(m,2H)
実施例2 (化合物(1-3-1)の合成)
Figure 0007176195000065
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例1で得た2-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.5g(8.1mmol)、2,3-ジフェニル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン 4.3g(10.6mmol)、酢酸パラジウム 55mg(0.25mmol)、X-phos 230mg(0.49mmol)、テトラヒドロフラン 85mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 12.2mLを添加して還流温度で2時間半攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mL及びトルエン 100mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、溶媒を減圧留去して得られた油状成分に酢酸エチル 20mLを加えて再沈殿させ、吸引濾過に化合物(1-3-1)の橙色粉末を3.8g(6.9mmol)単離した(収率84%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 554(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.29(s,1H),8.21(d,1H),7.96(d,1H),7.76(s,1H),7.20-7.58(m,12H),6.68-7.08(m,4H),6.80(t,1H),6.55(d,2H)
合成例3 (2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000066
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、2-ブロモ-3-メトキシナフタレン 15.0g(63.3mmol)、2,6-ジフルオロアニリン 9.8g(75.9mmol)、ナトリウム-tert-ブトキシド 7.3g(75.9mmol)、o-キシレン 170mL、酢酸パラジウム 142mg(0.6mmol)、及びトリ(tert-ブチル)ホスフィン 384mg(1.9mmol)を添加して140℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 100mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、溶媒を減圧留去して得られた固体をヘキサンで洗浄することで2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリンの薄紫色粉末を15.4g(54.0mmol)単離した(収率87%)。
合成例4 (5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000067
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、合成例3で得た2,6-ジフルオロ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリン 15.0g(52.6mmol)、4-クロロ-2-ヨードアニソール 25.0g(93.1mmol)、銅粉 17.7g(78.9mmol)、炭酸カリウム 15.2g(157.7mmol)、18-クラウン-6 2.8g(10.5mmol)、及びo-ジクロロベンゼン 90mLを添加して180℃で25時間攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を除去した後、ロータリーポンプを用いて溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、溶媒を減圧留去して得られた固体をヘキサンで洗浄し、5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリンの薄紫色固体を19.4g(45.6mmol)単離した。(収率87%)。
合成例5 (5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシナフタレン-3-イル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000068
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例4で得た5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-メトキシ-N-(2-メトキシナフタレン-3-イル)アニリン 19.0g(44.6mmol)、ピリジン塩酸塩 154.7g(1338.5mmol)、及びN-メチルピロリドン 100mLを添加して190℃で4時間半攪拌した。100℃以下まで冷却後、純水 300mLを加えて反応を停止した。析出した固体を溶かすのに十分のトルエンを加えて分液し、有機層の溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンと酢酸エチルの混合溶媒)で精製し、(5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシナフタレン-3-イル)アニリンの淡黄色粉末を7.8g(19.6mmol)単離した(収率44%)。
実施例3 (2-クロロ-ベンゾ[b][1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの合成)
Figure 0007176195000069
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例5で得た(5-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシナフタレン-3-イル)アニリン 7.8g(19.6mmol)、炭酸カリウム 8.1g(58.8mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド 120mLを添加して100℃で15時間攪拌した。反応液を70℃まで冷却後、純水 100mLを加えて撹拌した後、析出した固体を吸引濾過にて採取した。得られた固体をヘキサンで洗浄し、2-クロロ-ベンゾ[b][1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの白色固体6.7g(18.7mmol)を単離した(収率96%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 357(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);7.60-7.68(m,3H),7.53(m,1H),7.28-7.40(m,3H),6.77-6.95(m,3H),6.03(d,1H),6.52(d,1H)
実施例4 (化合物(1-9-1)の合成)
Figure 0007176195000070
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例3で得た2-クロロ-ベンゾ[b][1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.5g(7.0mmol)、2,3-ジフェニル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン 3.7g(9.1mmol)、酢酸パラジウム 47mg(0.2mmol)、X-phos 200mg(0.4mmol)、テトラヒドロフラン 85mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 10.5mLを添加して還流温度で1時間半攪拌した。室温まで冷却後、純水 100mL及びトルエン 100mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をクロロホルムに溶かし、シリカゲルショートパスカラムを通過させ、溶媒を減圧留去して得られた油状成分にヘキサン 20mLを加えて再沈殿させた。吸引濾過に沈殿を回収し、酢酸エチル、ついでテトラヒドロフランで洗浄し、化合物(1-9-1)の橙色粉末を2.6g(4.3mmol)単離した(収率62%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 604(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.31(s,1H),8.21(d,1H),7.95(m,2H),7.79(s,1H),7.48-7.70(m,6H),7.28-7.43(m,10H),7.08(d,1H),6.83(t,1H),6.63(d,1H),6.59(d,1H)
実施例5 (化合物(1-3-1)の素子評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行ない、真空蒸着装置へ設置後、1×10-4Paになるまで真空ポンプにて排気した。まず、ITO透明電極上に4,4’-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニル]ビフェニルを蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、65nmの正孔注入層とした。引続き、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル]ビフェニル(NPD)を蒸着速度0.3nm/秒で10nm蒸着し正孔輸送層とした。続いて、発光ドーパント材料としてビス-(1-フェニルイソキノリル)イリジウム(III)アセチルアセトナート((piq)2Ir(acac))、ホスト材料として化合物(1-3-1)を重量比が8:92になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、40nmの発光層とした。次に、9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)-2-[4-(1-フェニル-1H-ベンズイミダゾール-2-イル)フェニル]アントラセンとリチウムキノリノールを重量比が50:50になるように蒸着速度0.15nm/秒で共蒸着し、30nmの電子輸送層とした。さらに銀とマグネシウムを重量比が1:10になるように蒸着速度0.5nm/秒で80nm共蒸着し、陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。このように作製した素子に20mA/cmの電流を印加し、駆動電圧、電流効率及び輝度20%減時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007176195000071
比較例1~3
化合物(1-3-1)を4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP)、比較化合物(a)又は比較化合物(b)に変更した以外は実施例5と同様な有機EL素子を作製した。20mA/cmの電流を印加した際の駆動電圧、電流効率および輝度20%減時間を表1に示す。
Figure 0007176195000072
合成例6 (3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-メトキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000073
窒素気流下、1Lの三口フラスコに、3-クロロ-2,6-ジフルオロアニリン 19.0g(116.2mmol)、2-ヨードアニソール 82.0g(348.5mmol)、銅粉 78.2g(348.5mmol)、炭酸カリウム 67.0g(697.0mmol)、18-クラウン-6 6.1g(23.2mmol)、及びo-ジクロロベンゼン 290mLを添加して180℃で20時間攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を除去した後、ロータリーポンプを用いて溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルショートパスカラム(トルエン)を通過させ、溶媒を減圧留去して得られた油状成分にヘキサンを加えて再沈殿させた。吸引濾過にて沈殿を採取し、ヘキサンで洗浄することで、3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-メトキシフェニル)アニリンの白色固体を35.5g(99.2mmol)単離した。(収率81%)。
合成例7 (3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-ヒドロキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000074
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例6で得た3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-メトキシフェニル)アニリン 35.5g(94.5mmol)、ドデシルメチルスルフィド 102.2g(472.3mmol)、及びトルエン 190mLを添加して、氷浴で冷却撹拌した。この溶液に無水塩化アルミニウム 63.0g(472.3mmol)を加えた後、氷浴を外して室温で20時間攪拌した。再び氷浴で冷却し、水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで有機物を抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、ヘキサンを加えることで再沈殿させ、吸引濾過にて沈殿を採取した。得られた沈殿をヘキサン 200mlで洗浄することで、3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-ヒドロキシフェニル)アニリンの白色固体を27.2g(78.2mmol)単離した。(収率83%)。
実施例6 (6-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの合成)
Figure 0007176195000075
窒素気流下、1Lの三口フラスコに、合成例7で得た3-クロロ-2,6-ジフルオロ-N,N-ビス(2-ヒドロキシフェニル)アニリン 27.2g(78.2mmol)、炭酸カリウム 32.4g(234.7mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド 380mLを添加して100℃で15.5時間攪拌した。80℃まで冷却し、純水 300mLを加えて再沈殿させた。析出した固体を吸引濾過にて採取し、水、次いでメタノールで洗浄することで6-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの白色固体23.0g(74.7mmol)を単離した(収率95%)。
実施例7 (化合物(1-2-1)の合成)
Figure 0007176195000076
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例6で得た6-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.3g(7.3mmol)、2,3-ジフェニル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン 3.6g(8.8mmol)、酢酸パラジウム 50mg(0.22mmol)、X-phos 210mg(0.44mmol)、テトラヒドロフラン 27mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 5.5mLを添加して還流温度で3時間半攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mL及びトルエン 100mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、溶媒を減圧留去して得られた油状成分に酢酸エチル 20mLを加えて再沈殿させ、吸引濾過にて化合物(1-2-1)の橙色粉末を3.5g(6.3mmol)単離した(収率88%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 554(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.31(s,1H),8.21(d,1H),7.97(d,1H),7.54(m,4H),7.30-7.40(m,8H),6.84-7.06(m,7H),6.65(d,1H)
合成例8 (2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの合成)
Figure 0007176195000077
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例1で得た2-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 13.0g(42.2mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン 14.0g(54.9mmol)、酢酸パラジウム 95mg(0.42mmol)、X-phos 400mg(0.85mmol)、酢酸カリウム 12.4g(126.7mmol)、及びテトラヒドロフラン 150mLを添加して還流温度で5時間攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を濾別し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣をトルエンに溶解させ、活性炭ショートパスカラムを通過させた後、溶媒を減圧下に濃縮した。残渣にヘキサンを加えることで再沈殿させ、吸引濾過にて2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの白色固体を15.4g(38.6mmol)単離した(収率90%)
実施例8 (化合物(1-3-15)の合成)
Figure 0007176195000078
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、合成例8で得た2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 3.5g(8.8mmol)、2-クロロ-4-フェニルキナゾリン 2.7g(11.4mmol)、酢酸パラジウム 180mg(0.79mmol)、X-phos 750mg(1.6mmol)、テトラヒドロフラン 60mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 6.6mLを添加して還流温度で17時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mLを加えて再沈殿させ、吸引濾過にて析出した固体を採取した。得られた固体をメタノールで洗浄した後、加熱したクロロベンゼン 500mlに溶解させ、シリカゲルショートパスカラムを通過させた。濾液を減圧下に濃縮して再沈殿させ、吸引濾過にて化合物(1-3-15)の淡黄色粉末を1.9g(4.0mmol)単離した(収率45%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 478(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.73(s,1H),8.26(d,1H),8.11(t,2H),7.87(m,3H),7.59(m,5H),6.90-7.08(m,4H),6.77(t,1H),6.53(d,2H)
実施例9 (化合物(1-3-24)の合成)
Figure 0007176195000079
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、合成例8で得た2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 3.5g(8.8mmol)、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン 2.8g(10.5mmol)、Pd(PPh 51mg(0.44mmol)、テトラヒドロフラン 44mL、及び2M炭酸カリウム水溶液 8.8mLを添加して還流温度で15時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mLを加えて再沈殿させ、吸引濾過にて析出した固体を採取した。得られた固体をメタノールで洗浄した後、加熱したクロロベンゼン 600mlに溶解させ、シリカゲルショートパスカラムを通過させた。濾液を減圧下に濃縮して再沈殿させ、吸引濾過にて化合物(1-3-24)の黄色粉末を1.9g(8.3mmol)単離した(収率96%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 505(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.82(s,1H),8.73(d,4H),8.34(d,1H),7.59(m,7H),6.90-7.10(m,4H),6.80(t,1H),6.55(d,2H)
実施例10 (化合物(1-3-42)の合成)
Figure 0007176195000080
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、合成例8で得た2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.5g(6.3mmol)、2-(4’-ブロモフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン 3.2g(8.1mmol)、酢酸パラジウム 40mg(0.19mmol)、X-phos 180mg(0.38mmol)、テトラヒドロフラン 47mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 4.7mLを添加して還流温度で18時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mLを加えて再沈殿させ、吸引濾過にて析出した固体を採取した。得られた固体をメタノールで洗浄した後、加熱したクロロベンゼン 350mlに溶解させ、シリカゲルショートパスカラムを通過させた。濾液を減圧下に濃縮して再沈殿させ、吸引濾過にて化合物(1-3-42)の黄色粉末を2.8g(4.8mmol)単離した(収率78%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 581(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.81(m,6H),7.53-7.76(m,10H),7.45(d,1H),6.90-7.05(m,4H),6.79(t,1H),6.54(d,2H)
合成例9 (2,6-ジフルオロ-N-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000081
窒素気流下、1Lの三口フラスコに、2,6-ジフルオロヨードベンゼン 40.0g(166.6mmol)、2-クロロ-6-メトキシアニリン 23.6g(150.0mmol)、酢酸パラジウム 374mg(1.7mmol)、ナトリウムtertブトキシド 19.2g(200.0mmol)、25%トリ-tert-ブチルホスフィン・o-キシレン溶液 4.6ml、及びo-キシレン 460mLを添加して還流温度で9時間半攪拌した。反応液を室温まで冷却し、吸引濾過にて無機塩を除去した後、シリカゲルショートパスカラムを通過させた。溶媒を減圧下に濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、2,6-ジフルオロ-N-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)アニリンの白色固体を32.0g(118.7mmol)単離した。(収率79%)。
合成例10 (2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000082
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例9で得た2,6-ジフルオロ-N-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)アニリン 30.0g(111.3mmol)、2-ヨードアニソール 39.0g(166.8mmol)、銅粉 37.5g(166.8mmol)、炭酸カリウム 32.1g(333.6mmol)、18-クラウン-6 6.0g(22.2mmol)、及びo-ジクロロベンゼン 180mLを添加して180℃で15時間半攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を除去した後、ロータリーポンプを用いて溶媒を減圧留去した。析出した固体をヘキサンで洗浄し、2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリンを含む白色固体を19.5g取得した。得られた混合物は精製せずに次工程で使用した。
合成例11 (2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリンの合成)
Figure 0007176195000083
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例10で得た2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メトキシ-N-(2-メトキシフェニル)アニリン混合物 19.5g、ドデシルメチルスルフィド 54.7g(252.8mmol)、及びトルエン 101mLを添加して、氷浴で冷却撹拌した。この溶液に無水塩化アルミニウム 33.7g(252.8mmol)を加えた後、氷浴を外して室温で20時間攪拌した。再び氷浴で冷却し、水を加えて反応を停止させ、酢酸エチルで有機物を抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した後、ヘキサンを加えることで再沈殿させ、吸引濾過にて沈殿を採取した。得られた沈殿をヘキサン 200mlで洗浄することで、2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリンを含む白色固体を17.5g取得した。(収率57%)。
実施例11 (4-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの合成)
Figure 0007176195000084
窒素気流下、500mLの三口フラスコに、合成例11で得た2-クロロ-N-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシフェニル)アニリン混合物 17.5g、炭酸カリウム 20.9g(151.0mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド 250mLを添加して100℃で15時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を減圧留去し、純水 200mLを加えて撹拌した後、析出した固体を吸引濾過にて採取した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、4-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジンの白色固体10.5g(34・1mmol)を単離した。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 307(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);7.28(d,1H),7.22(d,1H),6.90-6.98(m,4H),6.86(t,1H),6.79(t,1H),6.61(d,1H),6.53(d,1H)
実施例12 (化合物(1-5-1)の合成)
Figure 0007176195000085
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例11で得た4-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.0g(5.6mmol)、2,3-ジフェニル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノキサリン 3.0g(7.3mmol)、酢酸パラジウム 40mg(0.17mmol)、X-phos 160mg(0.34mmol)、テトラヒドロフラン 40mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 4.0mLを添加して還流温度で6時間半攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mLを加えて析出した固体を吸引濾過にて採取した。得られた固体をトルエンに溶解させ、シリカゲルショートパスカラムを通過させた後、溶媒を減圧下に濃縮して再沈殿させ、吸引濾過にて化合物(1-5-1)の橙色粉末を2.1g(3.8mmol)単離した(収率68%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 554(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.35(s,1H),8.24(d,1H),8.00(d,1H),7.54(m,5H),7.32-7.42(m,8H),7.11(m,2H),6.96(m,3H),6.4-6.54(m,2H)
合成例12 (6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,4-ジフェニルキナゾリンの合成)
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、European Journal of Chemistry 3 (2) (2012) 252‐257に記載の合成法で得た6-クロロ-2,4-ジフェニルキナゾリン 6.0g(18.9mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン 6.3g(24.6mmol)、酢酸パラジウム 43mg(0.19mmol)、X-phos 180mg(0.38mmol)、酢酸カリウム 5.6g(56.8mmol)、及びテトラヒドロフラン 70mLを添加して還流温度で3時間半攪拌した。室温まで冷却後、吸引濾過にて無機塩を濾別し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣をトルエンに溶解させ、活性炭ショートパスカラムを通過させた後、溶媒を減圧下に濃縮した。残渣にヘキサンを加えることで再沈殿させ、吸引濾過にて6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,4-ジフェニルキナゾリンの白色固体を5.0g(12.2mmol)単離した(収率65%)
実施例13 (化合物(1-5-39)の合成)
Figure 0007176195000086
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、実施例11で得た4-クロロ-[1,4]ベンゾオキサジノ[2,3,4-kl]フェノキサジン 2.0g(5.6mmol)、合成例12で得た6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,4-ジフェニルキナゾリン 3.0g(7.3mmol)、酢酸パラジウム 40mg(0.17mmol)、X-phos 160mg(0.34mmol)、テトラヒドロフラン 40mL、及び2Mリン酸三カリウム水溶液 4.0mLを添加して還流温度で3時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 50mLを加えて析出した固体を吸引濾過にて採取した。得られた固体をクロロベンゼンに溶解させ、シリカゲルショートパスカラムを通過させた後、溶媒を減圧下に濃縮して再沈殿させ、吸引濾過にて析出物を採取した。更にクロロベンゼン 65から再結晶させ化合物(1-5-39)の淡黄色粉末を2.7g(6.6mmol)単離した(収率64%)。
化合物の同定は、FDMS、H-NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 554(M+)
H-NMR(CDCl3)δ(ppm);8.73(d,2H),8.33(s,1H),8.25(d,1H),8.09(d,1H),7.95(m,2H),7.50-7.62(m,6H),7.30-7.40(m,2H),6.90-7.10(m,5H),6.72(t,1H),6.52(d,1H),6.26(d,1H)
実施例14 (化合物(1-2-1)の素子評価)
素子評価に用いた化合物の構造式およびその略称を以下に示す。
Figure 0007176195000087
(基板、陽極の用意)
陽極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれの層を作製した。
(有機EL素子の作製)
まず、ITO透明電極上にHILを0.15nm/秒の速度で55nm成膜し、正孔注入層を作製した。引続き、HATを0.05nm/秒の速度で5nm成膜し、電荷発生層を作製した。HAT層の上にHTL-1を0.15nm/秒の速度で15nm成膜し、第一正孔輸送層を作製した。更にその上に、HTL-2を0.15nm/秒の速度で50nm成膜し、第二正孔輸送層を作製した。続いて、発光ドーパント材料としてビス-(1-フェニルイソキノリル)イリジウム(III)アセチルアセトナート((piq)2Ir(acac))、ホスト材料として化合物(1-2-1)を重量比が5:95になるように蒸着速度0.18nm/秒で共蒸着し、35nmの発光層とした。次に、ETLおよびLiqを50:50(質量比)の割合で30nm成膜し、電子輸送層を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。最後に、基板上のITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
以上により、発光面積4mm有機電界発光素子を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
上記のようにして作製した有機電界発光素子に10mA/cmの電流を印加した際の駆動電圧および電流効率を表2に示す。
実施例15 (化合物1-3-42)の素子評価
実施例14において、化合物(1-2-1)の代わりに化合物(1-3-42)を用いた以外は、実施例14と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
実施例16 (化合物1-5-1)の素子評価
実施例14において、化合物(1-2-1)の代わりに化合物(1-5-1)を用いた以外は、実施例14と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
実施例17 (化合物1-5-39)の素子評価
実施例14において、化合物(1-2-1)の代わりに化合物(1-5-39)を用いた以外は、実施例14と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
比較例4 比較化合物(c)の素子評価
実施例14において、化合物(1-2-1)の代わりに比較化合物(c)を用いた以外は、実施例14と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表2に示す。
Figure 0007176195000088
良好なバイポーラー性を有している本発明の一態様にかかる酸素架橋型トリアリールアミン化合物を含有する有機EL素子は、発光層内での電子と正孔の再結合効率の向上が期待できる。従って、本発明の一態様にかかる酸素架橋型トリアリールアミン化合物は、輝度及び効率が高く、寿命に優れる有機EL素子を提供することが可能となる。

Claims (8)

  1. 式(1)で表される化合物:
    Figure 0007176195000089
    式(1)中、
    A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、
    炭素数6~18のアリール環であり;
    該アリール環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、式(2)で表される置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
    ただし、式(1)で表される前記化合物は、少なくとも1つの前記置換基Zを有する;
    Figure 0007176195000090
    式(2)中、
    Lは、それぞれ独立して、
    フェニレン基、ビフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スピロビフルオレンジイル基、ジベンゾチオフェンジイル基、ジベンゾフランジイル基、および、9-フェニルカルバゾールジイル基、からなる群から選択される2価の基、または、
    単結合を表し;
    該2価の基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、炭素数3~20のヘテロアリール基、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい;
    Hyは、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、ベンゾフロピリミジニル基、フェナジニル基、ベンゾチアゾリル基、またはベンゾイミダゾリル基を表し;
    上記Hyで表される基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3-ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい。
  2. A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、アントラセン環、および、クリセン環からなる群から選択される1つの環であり、
    該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、前記置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
  3. A環、B環およびC環は、それぞれ独立して、ベンゼン環およびナフタレン環から選択される1つの環であり、
    該環は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオニル基、および、前記置換基Z、からなる群から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(1-1)~(1-26)のいずれか1つで表される化合物である、請求項1に記載の化合物:
    Figure 0007176195000091
    Figure 0007176195000092
    式(1-1)~(1-26)中、
    Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、9-フェニルカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、または、ジベンゾチオニル基を表す;
    Zは、式(2)と同義である。
  5. Lが、それぞれ独立して、
    単結合、または、
    式(L-1)~(L-11)のいずれか1つで表される基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物:
    Figure 0007176195000093
    式(L-1)~(L-11)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、または、炭素数3~20のヘテロアリール基を表す。
  6. Hyが、それぞれ独立して、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、カルボリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾキノキサリニル基、ベンゾキナゾリニル基、ベンゾチエノピリミジニル基、および、ベンゾフロピリミジニル基からなる群から選択される1つの基であり、
    上記Hyで表される基は、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、および、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3-ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基から選択される少なくとも1つで置換されていてもよい、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. Hyが、それぞれ独立して、式(Hy-1)~(Hy-9)のいずれか1つで表される基である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の化合物:
    Figure 0007176195000094
    式(Hy-1)~(Hy-9)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、重水素原子、炭素数1~18の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、炭素数6~25のアリール基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3-ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル基、カルバゾリル基、またはジベンゾチエニル基を表す。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の化合物を含む発光材料。
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