JP6848424B2 - カルバゾール化合物及びその用途 - Google Patents

カルバゾール化合物及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP6848424B2
JP6848424B2 JP2016252857A JP2016252857A JP6848424B2 JP 6848424 B2 JP6848424 B2 JP 6848424B2 JP 2016252857 A JP2016252857 A JP 2016252857A JP 2016252857 A JP2016252857 A JP 2016252857A JP 6848424 B2 JP6848424 B2 JP 6848424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
carbazole
mmol
phenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016252857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017128563A (ja
Inventor
宏和 新屋
宏和 新屋
松本 直樹
直樹 松本
高則 宮崎
高則 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to PCT/JP2017/000613 priority Critical patent/WO2017122669A1/ja
Publication of JP2017128563A publication Critical patent/JP2017128563A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6848424B2 publication Critical patent/JP6848424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は、フェノチアジン環またはフェノキサジン環を有するカルバゾール化合物及びそれを用いた有機EL素子に関するものである。
自発光を特徴とする有機EL素子は、液晶パネルで使用されるバックライトが不要であることから薄型化が可能であり、また画面を曲面にできるフレキシブル性能の利点を有するため、次世代の薄型ディスプレイや照明として近年盛んに研究が進み、既に携帯電話のディスプレイやテレビ等へ実用化されている。
一般に有機EL素子は、陽極と陰極との間に、正孔輸送材料、発光材料及び電子輸送材料を積層させた構造であるが、現在では低消費電力化、さらには長寿命化を達成させるため、正孔注入材料、電子注入材料及び正孔阻止材料等を挿入した多層積層構造が主流となっている。正孔輸送材料には、適当なイオン化ポテンシャルと正孔輸送能を有するアミン化合物が用いられ、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPDと略す)が知られているが、NPDを正孔輸送層に用いた素子の駆動電圧、発光効率及び耐久性は十分とは言い難い。さらに、近年では発光層に燐光発光材料を用いた有機EL素子の開発も進められており、燐光発光を用いた素子では、三重項準位が高い正孔輸送材料が要求されている。三重項準位という点からもNPDは十分ではなく、例えば、緑色の発光を有する燐光発光材料とNPDを組み合わせた有機EL素子では、発光効率が低下することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
このような背景から、最近ではカルバゾール化合物が報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、特許文献1及び2に記載のピレン環やアントラセン環の芳香族縮合環は三重項準位が低く、さらに電子受容性を有することから、緑色の燐光材料を用いた素子では高い発光効率を得ることが難しい。そのため、有機EL素子については、さらなる低駆動電圧化、高発光効率化、長寿命化を可能にする正孔輸送材料の開発が望まれている。
特開2008−078362公報 特開2008−195841公報
Journal of Applied Physics,2004年,95巻,7798頁
本発明は、従来公知のカルバゾール化合物に比べて、電子の阻止機能に優れ、有機EL素子の高発光効率化及び長寿命化に寄与する特定のカルバゾール化合物を提供することをその目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、カルバゾール環の9位に、フェニレン基を介してフェノチアジン環またはフェノキサジン環を有する下記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物を見出し、本願発明を完成させるに至った。
Figure 0006848424
(式中、Xは1,4−フェニレン基又は1,3−フェニレン基を表す。Yは硫黄又は酸素原子を表す。R〜Rは、各々独立して、水素原子、メチル基、又は下記一般式(2)で表される基を表し、R〜Rのうち少なくとも一つは下記一般式(2)で表される基である。)
Figure 0006848424
(式中、Ar及びArは、各々独立して、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であり、これらの基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい。)
本発明のカルバゾール化合物は、前記一般式(1)に示したように特定の位置に電子供与性のフェノチアジン環またはフェノキサジン環を有するために、従来公知のカルバゾール化合物に比べて電子阻止能が高く、電子流入による正孔輸送側材料の分解を抑制することができ、尚且つ正孔輸送性や励起三重項状態に優れる。このため、本発明のカルバゾール化合物を用いた有機EL素子は、従来公知のカルバゾール化合物を用いた有機EL素子と比較して、発光効率及び寿命に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物において、Xは1,4−フェニレン基又は1,3−フェニレン基を表す。これらのうち、有機EL素子の発光効率の観点から、1,4−フェニレン基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物において、Yは硫黄または酸素原子を表す。これらのうち、化合物の安定性に優れる点で、酸素原子が好ましい。
上記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物において、R〜Rは、各々独立して、水素原子、メチル基、又は上記一般式(2)で表される基を表し、R〜Rのうち少なくとも一つは上記一般式(2)で表される基である。なお、正孔輸送特性及び原料入手の容易性の点において、R、R、R及びRが、各々独立して、水素原子又はメチル基であり、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、メチル基、又は一般式(2)で表される基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも一つが一般式(2)で表される基であることが好ましく、R及びRが水素原子であり、R及びRが、各々独立して、水素原子又はメチル基であり、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、メチル基、又は一般式(2)で表される基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも一つが一般式(2)で表される基であることがより好ましく、R、R、R及びRが水素原子であり、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子、メチル基、又は一般式(2)で表される基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも一つが一般式(2)で表される基であることがより好ましく、R、R、R及びRが水素原子であり、R、R、R及びRは、各々独立して、水素原子又は一般式(2)で表される基を表し、R、R、R及びRのうち少なくとも一つが一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物において、Ar及びArは、各々独立して、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であり、これらの基は、各々独立して、メチル基、メトキシ基を有していてもよい。
Ar及びArにおける炭素数6〜18の芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、又はベンゾフルオレニル基(これらの基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよく、その数については特に限定されない。)等が挙げられる。
Ar及びArの具体例としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、2−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、4’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,6−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,5’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、p−ターフェニル基、m−ターフェニル基、o−ターフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフタレン−1−イル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、4−(1−ナフチル)フェニル−1−イル基、4−(2−ナフチル)−1−イル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル基、9−フェナントリル基、2−フェナントリル基、2−トリフェニレニル基、ベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、クリセニル基、又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
正孔輸送特性の点において、本発明の一般式(1)で表されるカルバゾール化合物におけるAr及びArとしては、各々独立して、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、フルオレニル基、または4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基(これら一連の基については、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい)であることが好ましく、フェニル基、トリル基、4−ビフェニリル基、p−ターフェニル−4−イル基、9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル基、4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であることがより好ましい。
また、正孔輸送性及び三重項準位に優れる観点から、一般式(1)において、カルバゾール環に対するアミノ基の置換位置は、2位、3位、4位、5位、6位、又は7位であることが好ましく、2位、4位、5位、又は7位であることがより好ましい。当該化合物として、下記一般式(3)又は(4)で表されるカルバゾール化合物を示すことができる。
Figure 0006848424
(式中、Ar及びArは、各々独立して、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であり、これらの基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい。R〜Rは、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。Xは1,4−フェニレン基又は1,3−フェニレン基を表す。Yは硫黄または酸素原子を表す。)
当該一般式(3)及び(4)で示したAr、Ar、R〜R、X及びYにおける、定義及びそれぞれの好ましい範囲については、一般式(1)で記載したものと同じである。
以下に、一般式(1)で表されるカルバゾール化合物について、好ましい化合物を例示するが、本願発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
Figure 0006848424
これらの例示化合物の内、三重項準位、正孔輸送能力、合成の容易性さらに電子の阻止機能に優れる点から、A6、A7、A11、A14、A18、A26、A31、A38、A86、A87、A91、A107、B6、B7、B10、B11、B12、B14、B18、B26、B31、B38、B81、B86、B87、B91、B98、又はB106で表される化合物が好ましい。
前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物は、カルバゾール環の1位〜8位のうち少なくとも一つがハロゲン化された9H−カルバゾール化合物を原料として用い、公知の方法(Tetrahedron Letters,1998年,第39巻,2367頁)によって合成することができる。例えば、カルバゾール環の2位がハロゲン化された9H−カルバゾール化合物の場合、下記のルートにより合成することができる。
一般式(5)で表される2位がハロゲン化された9H−カルバゾール化合物と、一般式(6)で表されるハロゲン原子を有するアリール化合物とを、塩基の存在下、銅触媒又はパラジウム触媒を用いて反応させ、一般式(7)で表される2−ハロゲン化−9−置換カルバゾール化合物を得る。更に、得られた一般式(7)で表される2−ハロゲン化−9−置換カルバゾール化合物と、一般式(8)で表される2級アミン化合物とを、塩基の存在下、銅触媒又はパラジウム触媒を用いて反応させる。
Figure 0006848424
[式中、X、Y、Ar及びAr、R〜Rは前記一般式(1)と同じ定義を表わす。A及びBは各々独立してハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、又はフッ素)を表す。]
一般式(5)、(6)及び(8)で表される化合物は、一般公知の方法に基づいて合成することができるし、市販されている化合物を用いることもできる。
本発明の前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物は、有機EL素子の発光層、正孔輸送層又は正孔注入層として使用することができる。なお、前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物は、正孔輸送特性や素子寿命の点で、高純度であることが好ましい。
前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物を有機EL素子の正孔注入層又は正孔輸送層として使用する際の発光層には、従来から使用されている公知の蛍光又は燐光発光材料を使用することができる。発光層は1種類の発光材料のみで形成されていても、ホスト材料中に1種類以上の発光材料がドープされていてもよい。
前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物からなる正孔注入層及び/又は正孔輸送層を形成する際には、必要に応じて2種類以上の材料を含有又は積層させてもよく、例えば、酸化モリブデン等の酸化物、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン等の公知の電子受容性材料を含有又は積層させてもよい。
また、本発明の前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物は、有機EL素子の発光層としても使用することができる。前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物を有機EL素子の発光層として使用する場合には、カルバゾール化合物を単独で使用、公知の発光ホスト材料にドープして使用、又は公知の発光ドーパントをドープして使用することができる。
前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物を含有する正孔注入層、正孔輸送層又は発光層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法等の公知の方法を適用することができる。
本発明の効果が得られる有機EL素子の基本的な構造としては、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び陰極を含むものが好ましく、一部の層が省略されていても、また逆に追加されていてもよい。
有機EL素子の陽極及び陰極は、電気的な導体を介して電源に接続されている。陽極と陰極との間に電位を加えることにより、有機EL素子は作動、発光する。
正孔は陽極から有機EL素子内に注入され、電子は陰極で有機EL素子内に注入される。
有機EL素子は典型的には基板に被せられ、陽極又は陰極は基板と接触することができる。基板と接触する電極は便宜上、下側電極と呼ばれる。一般的には、下側電極は陽極であるが、本発明の有機EL素子においては、そのような形態に限定されるものではない。
基板は、意図される発光方向に応じて、光透過性又は不透明であってもよい。光透過特性は、基板を通してエレクトロルミネッセンス発光により確認できる。一般的には、透明ガラス又はプラスチックがこのような場合に基板として採用される。基板は、多重の材料層を含む複合構造であってもよい。
エレクトロルミネッセンス発光を、陽極を通して確認する場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通すもので形成される。
本発明において使用される一般的な透明アノード(陽極)材料は、特に限定するものではないが、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、又は酸化錫等が挙げられる。その他の金属酸化物、例えばアルミニウム又はインジウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム−インジウム酸化物、又はニッケル−タングステン酸化物も使用可能である。これらの酸化物に加えて、金属窒化物である、例えば窒化ガリウム、金属セレン化物である、例えばセレン化亜鉛、又は金属硫化物である、例えば硫化亜鉛を陽極として使用することができる。
陽極は、プラズマ蒸着されたフルオロカーボンで改質することができる。陰極を通してだけエレクトロルミネッセンス発光が確認される場合、陽極の透過特性は重要ではなく、透明、不透明又は反射性の任意の導電性材料を使用することができる。この用途のための導体の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
陽極と発光層の間には、正孔注入層や正孔輸送層といった正孔輸送性の層を複数層設けることができる。正孔注入層や正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、これらの層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔を発光層に注入することができる。
本発明の有機EL素子において、正孔輸送層及び/又は正孔注入層は、前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物を含むものである。
正孔輸送層及び/又は正孔注入層には、前記一般式(1)で表されるカルバゾール化合物と共に、公知の正孔輸送材料及び/又は正孔注入材料の中から任意のものを選択して組み合わせて用いることができる。
公知の正孔注入材料、正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などがあげられる。
又、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
有機EL素子の発光層は、燐光材料又は蛍光材料を含み、この領域で電子・正孔対が再結合された結果として発光を生ずる。
発光層は、低分子及びポリマー双方を含む単一材料から成っていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料から成っており、発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
発光層のホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、又はアントラニル基を有する化合物が挙げられる。例えば、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャルブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、又は9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
発光層内のホスト材料としては、下記に定義する電子輸送材料、上記に定義する正孔輸送材料、正孔・電子再結合を助ける(サポート)別の材料、又はこれら材料の組み合わせであってもよい。
蛍光ドーパントの一例としては、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム又はチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物等が挙げられる。
燐光ドーパントの一例としては、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
ドーパントの一例として、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム))、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、Ir(PPy)(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、又はFlrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)等が挙げられる。
電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、又は土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
発光層と電子輸送層との間に、キャリアバランスを改善させる目的で、正孔阻止層を設けてもよい。正孔素子層として望ましい化合物は、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、Bphen(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム)、又はビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等が挙げられる。また、上記に記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、及び酸化窒化物のような無機化合物等も使用できる。
発光が陽極を通してのみ確認される場合、本発明において使用される陰極は、任意の導電性材料から形成することができる。望ましい陰極材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下に示す実施例1,2,9,11〜1619〜23,28〜42は、本発明の範囲に属しない参考例としての試験例である。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[材料純度測定(HPLC分析)]
測定装置:東ソー製 マルチステーションLC−8020
測定条件:カラム Inertsil ODS−3V(4.6mmΦ×250mm)
検出器 UV検出(波長 254nm)
溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン=9/1(v/v比)
[NMR測定]
測定装置:バリアン社製 Gemini200
[質量分析]
質量分析装置:日立製作所 M−80B
測定方法:FD−MS分析
[還元特性]
測定装置:北斗電工製HA−501及びHB−104
測定方法:サイクリックボルタンメトリー評価
[有機EL素子の発光特性]
測定装置:TOPCON社製LUMINANCEMETER(BM−9)
合成例1 2−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、2−クロロ−9H−カルバゾール 5.0g(24.8mmol)、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7g(27.3mmol)、リン酸三カリウム 7.9g(37.2mmol)、及びo−キシレン 40mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 56mg(0.25mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 176mg(0.87mmol)を添加して140℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を25mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を再結晶(トルエン/ヘキサン)することにより、2−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を9.2g(19.4mmol)単離した(収率78%、HPLC純度99.3%)。
化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
H−NMR(CDCl);8.13(d,1H),8.05(d,1H),7.70(d,2H),7.58(d,2H),7.46(s,3H),7.35−7.24(m,2H),7.13(d,2H),7.02−6.92(m,4H),6.53(d,2H)
13C−NMR(CDCl);143.75,141.18,141.03,135.85,131.83,130.38,128.82,127.23,127.06,126.36,123.30,122.93,122.62,122.12,121.27,120.71,120.37,117.72,109.93,109.85
合成例2 2−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gの代わりに、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノキサジン 9.2gを用い、反応時間を12hとした以外は合成例1と同様の操作を行い、2−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を9.1g(19.8mmol)単離した(収率80%、HPLC純度99.2%)。
化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
H−NMR(CDCl);8.12(d,1H),8.05(d,1H),7.77(d,2H),7.60(d,2H),7.48(s,3H),7.35−7.24(m,2H),6.73−6.67(m,6H),6.08(t,2H)
13C−NMR(CDCl);144.00,141.07,140.92,138.29,137.13,134.12,132.71,131.88,129.35,126.42,123.37,123.00,122.20,121.72,121.31,120.83,120.41,115.66,113.28,109.89,109.82
合成例3 2−クロロ−9−[3−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gの代わりに、10−(3−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gを用い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比2/3))で精製した以外は合成例1と同様の操作を行い、2−クロロ−9−[3−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を8.6g(18.1mmol)単離した(収率73%、HPLC純度99.4%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 475(M+)
合成例4 2−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gの代わりに、10−(3−ブロモフェニル)−10H−フェノキサジン 9.2gを用い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比2/3))で精製した以外は合成例1と同様の操作を行い、2−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を8.2g(17.9mmol)単離した(収率72%、HPLC純度99.3%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 458(M+)
合成例5 4−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
窒素気流下、200mLの三口フラスコに、4−クロロ−9H−カルバゾール 5.0g(24.8mmol)、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7g(27.3mmol)、リン酸三カリウム 7.9g(37.2mmol)、及びo−キシレン 40mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 56mg(0.25mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 176mg(0.87mmol)を添加して140℃で12時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を25mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比2/3))で精製し、4−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を7.5g(15.9mmol)単離した(収率64%、HPLC純度99.1%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 475(M+)
合成例6 4−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gの代わりに、10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノキサジン 9.2gを用いた以外は合成例5と同様の操作を行い、4−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を7.7g(16.9mmol)単離した(収率68%、HPLC純度99.2%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 458(M+)
合成例7 4−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの合成
Figure 0006848424
10−(4−ブロモフェニル)−10H−フェノチアジン 9.7gの代わりに、10−(3−ブロモフェニル)−10H−フェノキサジン 9.2gを用いた以外は合成例5と同様の操作を行い、4−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾールの白色粉末を5.9g(12.9mmol)単離した(収率52%、HPLC純度99.4%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 458(M+)
実施例1 (化合物(A11)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例1で得た2−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、N,N−ビスビフェニルアミン 0.97g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。有機層に析出した生成物をろ取し、水及びメタノールで洗浄した。残渣を再結晶(トルエン/ブタノール)することにより、化合物(A11)の白色粉末を2.1g(2.8mmol)単離した(収率92%、HPLC純度99.9%)。
化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
H−NMR(CDCl);8.08(t,2H),7.67(d,2H),7.57−7.37(m,15H),7.31−7.14(m,10H),7.07(d,2H),6.87−6.79(m,4H),6.40(d,2H)
13C−NMR(CDCl);147.21,146.09,143.78,141.73,141.21,140.53,140.50,136.41,135.22,130.47,128.75,128.70,127.74,127.07,127.00,126.84,126.63,125.49,123.79,123.53,123.10,122.23,121.20,120.51,119.93,119.85,118.89,117.42,109.67,106.39
実施例2 (化合物(A14)の合成)
Figure 0006848424
N,N−ビスビフェニルアミン 0.97gの代わりに、2−アニリノ−9,9−ジメチルフルオレン 0.86gを用い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製した以外は実施例1と同様の操作を行い、A14の白色粉末を1.8g(2.5mmol)単離した(収率82%、HPLC純度99.7%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 723(M+)
実施例3 (化合物(B3)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例2で得た2−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で12時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製し、化合物(B3)の白色粉末を1.3g(1.9mmol)単離した(収率64%、HPLC純度99.6%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 691(M+)
実施例4 (化合物(B7)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81gの代わりに、N−(4−トリル)−4−ビフェニルアミン 0.78gを用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、B7の白色粉末を1.6g(2.4mmol)単離した(収率79%、HPLC純度99.8%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 681(M+)
実施例5 (化合物(B11)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81gの代わりに、N,N−ビスビフェニルアミン 0.97gを用い、残渣を再結晶(トルエン/ブタノール)により精製した以外は実施例3と同様の操作を行い、化合物(B11)の白色粉末を1.9g(2.5mmol)単離した(収率85%、HPLC純度99.9%)。
化合物の同定は、H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
H−NMR(CDCl);8.08(t,2H),7.72(d,2H),7.57−7.48(m,11H),7.44−7.37(m,5H),7.33−7.15(m,9H),6.62(ddd,6H),5.98(d,2H)
13C−NMR(CDCl);147.19,146.13,143.94,141.59,141.09,140.51,137.78,137.53,135.28,134.09,132.44,129.12,128.75,127.75,126.85,126.63,125.54,123.79,123.60,123.33,121.56,121.24,120.63,119.96,119.91,118.97,115.53,113.22,109.63,106.37
実施例6 (化合物(B12)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81gの代わりに、N−フェニル−p−ターフェニルアミン 0.96gを用い、残渣を再結晶(トルエン/ブタノール)により精製した以外は実施例3と同様の操作を行い、B12の薄黄色粉末を1.8g(2.4mmol)単離した(収率80%、HPLC純度99.8%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 743(M+)
実施例7 (化合物(B16)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81gの代わりに、N−フェニル−4−(1−ナフチル)フェニルアミン 0.89gを用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、B16の白色粉末を1.3g(1.9mmol)単離した(収率62%、HPLC純度99.7%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 717(M+)
実施例8 (化合物(B18)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−9−フェナントリルアミン 0.81gの代わりに、N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フェニルアミン 1.00gを用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、B18の白色粉末を1.8g(2.4mmol)単離した(収率80%、HPLC純度99.8%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 756(M+)
実施例9 (化合物(A26)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例3で得た2−クロロ−9−[3−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、N−フェニル−4−ビフェニルアミン 0.74g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製し、化合物(A26)の白色粉末を1.7g(2.5mmol)単離した(収率84%、HPLC純度99.9%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 683(M+)
実施例10 (化合物(B31)の合成)
Figure 0006848424
2−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4gの代わりに、合成例4で得た2−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4gを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、B31の白色粉末を1.8g(2.4mmol)単離した(収率80%、HPLC純度99.8%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 743(M+)
実施例11 (化合物(A81)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例5で得た4−クロロ−9−[4−(10H−フェノチアジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、ジフェニルアミン 0.51g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で10時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製し、化合物(A81)の白色粉末を1.1g(1.8mmol)単離した(収率60%、HPLC純度99.6%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 607(M+)
実施例12 (化合物(A86)の合成)
Figure 0006848424
ジフェニルアミン 0.51gの代わりに、N−フェニル−4−ビフェニルアミン 0.74gを用いた以外は実施例11と同様の操作を行い、A86の白色粉末を1.5g(2.1mmol)単離した(収率71%、HPLC純度99.4%)。
FDMS(m/z); 683(M+)
実施例13 (化合物(B82)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例6で得た4−クロロ−9−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で15時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製し、化合物(B82)の白色粉末を1.5g(2.3mmol)単離した(収率76%、HPLC純度99.6%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 641(M+)
実施例14 (化合物(B87)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66gの代わりに、N−(4−トリル)−4−ビフェニルアミン 0.78gを用いた以外は実施例13と同様の操作を行い、B87の白色粉末を1.3g(2.0mmol)単離した(収率66%、HPLC純度99.5%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 681(M+)
実施例15 (化合物(B91)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66gの代わりに、N,N−ビスビフェニルアミン 0.97gを用いた以外は実施例13と同様の操作を行い、B91の白色粉末を1.6g(2.2mmol)単離した(収率74%、HPLC純度99.7%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 743(M+)
実施例31 (化合物(B81)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66gの代わりに、ジフェニルアミン 0.51gを用いた以外は実施例13と同様の操作を行い、B81の白色粉末を1.1g(1.9mmol)単離した(収率62%、HPLC純度99.5%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 591(M+)
実施例32 (化合物(B86)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66gの代わりに、N−フェニル−4−ビフェニルアミン 0.74gを用いた以外は実施例13と同様の操作を行い、B86の白色粉末を1.3g(1.9mmol)単離した(収率64%、HPLC純度99.7%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 667(M+)
実施例33 (化合物(B98)の合成)
Figure 0006848424
N−フェニル−1−ナフチルアミン 0.66gの代わりに、N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]フェニルアミン 1.00gを用いた以外は実施例13と同様の操作を行い、B86の白色粉末を1.3g(1.7mmol)単離した(収率58%、HPLC純度99.7%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 756(M+)
実施例34 (化合物(B106)の合成)
Figure 0006848424
窒素気流下、50mLの三口フラスコに、合成例7で得た4−クロロ−9−[3−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]カルバゾール 1.4g(3.0mmol)、N−フェニル−4−ビフェニルアミン 0.74g(3.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.40g(4.2mmol)、及びo−キシレン 15mLを加え、得られたスラリー状の反応液に酢酸パラジウム 6.7mg(0.03mmol)、及びトリ−tert−ブチルホスフィン 21mg(0.11mmol)を添加して140℃で15時間攪拌した。室温まで冷却後、純水を15mL添加し攪拌した。水層と有機層を分液し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒(体積比1/1))で精製し、化合物(B106)の白色粉末を1.4g(2.1mmol)単離した(収率70%、HPLC純度99.5%)。
化合物の同定はFDMSにより行った。
FDMS(m/z); 667(M+)
実施例16 (化合物(A14)の還元特性評価)
過塩素酸n―テトラブチルアンモニウムの濃度が0.1mol/Lである無水テトラヒドロフラン溶液に、化合物(A14)を0.001mol/Lの濃度で溶解させ、サイクリックボルタンメトリーで還元電位を測定した。作用電極にはグラッシーカーボン、対極に白金線、参照電極にAgNOのアセトニトリル溶液に浸した銀線を用いた。化合物(A14)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノチアジン環を有する化合物(A14)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例17 (化合物(B7)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B7)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B7)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B7)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例18 (化合物(B18)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B18)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B18)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B18)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例19 (化合物(A86)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(A86)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(A86)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノチアジン環を有する化合物(A86)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例20 (化合物(B87)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B87)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B87)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B87)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例35 (化合物(B81)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B81)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B81)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B81)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例36 (化合物(B86)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B86)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B81)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B86)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例37 (化合物(B98)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B98)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B98)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B98)は電子阻止機能に優れることが確認された。
実施例38 (化合物(B106)の還元特性評価)
化合物(A14)の代わりに、化合物(B106)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(B106)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として、−3.30V vs.Fc/Fc+まで走引したが、還元波は観測されなかった。即ち、電子供与性のフェノキサジン環を有する化合物(B106)は電子阻止機能に優れることが確認された。
比較例1
化合物(A14)の代わりに、下記に示す化合物(a)を用いた以外は実施例16と同様に測定した。化合物(a)は、フェロセンの酸化還元電位を基準として−2.75V vs.Fc/Fc+に還元波が観測された。即ち、アントラセン環を有する化合物(a)は電子阻止機能に劣ることが確認された。
Figure 0006848424
実施例21 (化合物(A11)の素子評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板を、アセトン及び純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行なった。さらに、紫外線/オゾン洗浄を行ない、真空蒸着装置へ設置後、1×10−4Paになるまで真空ポンプにて排気した。まず、ITO透明電極上に銅フタロシアニンを蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、10nmの正孔注入層とし、引続き、化合物(A11)を蒸着速度0.3nm/秒で30nm蒸着して正孔輸送層とした。続いて、燐光ドーパント材料であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))とホスト材料である4,4’−ビス(N−カルバゾリル)ビフェニル(CBP)を重量比が1:11.5になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、30nmの発光層とした。次に、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム)を蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、5nmのエキシトンブロック層とした後、さらにAlq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を0.3nm/秒で蒸着し、45nmの電子輸送層とした。引続き、電子注入層として沸化リチウムを蒸着速度0.01nm/秒で1nm蒸着し、さらにアルミニウムを蒸着速度0.25nm/秒で100nm蒸着して陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。このように作製した素子に20mA/cmの電流を印加し、駆動電圧及び電流効率を測定した。また、素子の輝度半減時間は、6.25mA/cmの電流を印加して評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、後述する比較例1の素子寿命を100とした相対値で表した。
実施例22
化合物(A11)の代わりに、化合物(A14)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例23
化合物(A11)の代わりに、化合物(A26)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例24
化合物(A11)の代わりに、化合物(B7)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例25
化合物(A11)の代わりに、化合物(B11)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例26
化合物(A11)の代わりに、化合物(B18)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例27
化合物(A11)の代わりに、化合物(B31)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例28
化合物(A11)の代わりに、化合物(A86)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例29
化合物(A11)の代わりに、化合物(B87)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例30
化合物(A11)の代わりに、化合物(B91)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例39
化合物(A11)の代わりに、化合物(B81)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例40
化合物(A11)の代わりに、化合物(B86)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例41
化合物(A11)の代わりに、化合物(B98)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
実施例42
化合物(A11)の代わりに、化合物(B106)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
比較例2 (NPDの素子評価)
化合物(A11)の代わりに、NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cmの電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
比較例3 (化合物(a)の素子評価)
化合物(A11)の代わりに、前述した化合物(a)を用いた以外は実施例21と同じ方法で有機EL素子を作製した。20mA/cmの電流を印加した際の駆動電圧及び電流効率、また、6.25mA/cmの電流を印加した際の輝度半減時間を表1に示した。
Figure 0006848424
本発明のカルバゾール化合物は、有機EL素子の正孔注入材料、正孔輸送材料又は発光層のホスト材料として利用可能であり、従来公知材料を用いた有機EL素子と比較して、素子効率及び寿命に優れる。さらには、有機EL素子又は電子写真感光体の正孔注入材料、正孔輸送材料又は発光材料としてのみでなく、光電変換素子、太陽電池、又はイメージセンサー等の有機光導電材料への分野にも応用可能である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるカルバゾール化合物。
    Figure 0006848424
    (式中、Xは1,4−フェニレン基又は1,3−フェニレン基を表す。Yは酸素原子を表す。R 、R 〜R 、及びは、各々独立して、水素原子、メチル基を表し、R 、及びR は、各々独立して、水素原子、メチル基、又は下記一般式(2)で表される基を表し、 、及びR のうちの1つが下記一般式(2)で表される基である。)
    Figure 0006848424
    (式中、Ar及びArは、各々独立して、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であり、これらの基は、各々独立して、メチル基又はメトキシ基を有していてもよい。)
  2. Ar及びArが、各々独立して、フェニル基、トリル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、9,9−ジメチル−9H−フルオレニル基、又は4−(カルバゾール−9−イル)フェニル基であることを特徴とする請求項1に記載のカルバゾール化合物。
  3. Xが1,4−フェニレン基であることを特徴とする請求項1または2に記載のカルバゾール化合物。
  4. 下記構造式B6、B7、B10、B11、B12、B14、B18、B26、B31、及びB38のうちのいずれかで表される請求項1に記載のカルバゾール化合物。
    Figure 0006848424
    Figure 0006848424
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカルバゾール化合物を含むことを特徴とする、発光ホスト材料、正孔輸送材料または正孔注入材料。
JP2016252857A 2016-01-15 2016-12-27 カルバゾール化合物及びその用途 Active JP6848424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2017/000613 WO2017122669A1 (ja) 2016-01-15 2017-01-11 カルバゾール化合物及びその用途

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016005797 2016-01-15
JP2016005797 2016-01-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017128563A JP2017128563A (ja) 2017-07-27
JP6848424B2 true JP6848424B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=59394301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016252857A Active JP6848424B2 (ja) 2016-01-15 2016-12-27 カルバゾール化合物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6848424B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022189480A (ja) * 2021-06-11 2022-12-22 キヤノン株式会社 フェノキサジン類、それを有する有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器、照明装置、移動体

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4830750B2 (ja) * 2006-09-21 2011-12-07 東レ株式会社 発光素子材料および発光素子
JP2008195841A (ja) * 2007-02-14 2008-08-28 Toray Ind Inc 発光素子材料および発光素子
JP5716270B2 (ja) * 2009-10-20 2015-05-13 東ソー株式会社 カルバゾール化合物およびその用途
KR102004447B1 (ko) * 2012-04-05 2019-07-29 덕산네오룩스 주식회사 질소가 포함된 육원자 헤테로고리 화합물을 포함하는 유기전기소자용 화합물, 이를 이용한 유기전기소자 및 그 전자 장치
KR102025834B1 (ko) * 2012-06-29 2019-09-27 삼성디스플레이 주식회사 신규한 유기 발광 화합물 및 이를 포함한 유기 발광 소자
KR101593182B1 (ko) * 2012-12-12 2016-02-19 삼성전자 주식회사 유기광전자소자용 화합물, 이를 포함하는 유기발광소자 및 상기 유기발광소자를 포함하는 표시장치
JP6032107B2 (ja) * 2013-04-16 2016-11-24 東ソー株式会社 2,5−ジアミノカルバゾール化合物及びその用途
JP2015071582A (ja) * 2013-09-09 2015-04-16 東ソー株式会社 2−アミノカルバゾール化合物及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017128563A (ja) 2017-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101823400B1 (ko) 유기 전계 발광 소자
KR102545074B1 (ko) 유기 전계 발광 소자용 재료 및 이를 포함하는 유기 전계 발광 소자
JPWO2014087657A1 (ja) 芳香族アミン誘導体及び有機エレクトロルミネッセンス素子
EP3379593A1 (en) Organic electroluminescence element
JP7040583B2 (ja) キノキサリン化合物及びその用途
KR20160070662A (ko) 아민 유도체 및 이를 포함하는 유기 일렉트로루미네센스 소자
CN106255695B (zh) 化合物及包含其的有机发光元件
JP7009877B2 (ja) 新規なカルバゾール化合物及びその用途
JP6672774B2 (ja) 新規カルバゾール化合物及びその用途
KR102280834B1 (ko) 2-아미노카바졸 화합물 및 그의 용도
JP2017109929A (ja) アミノカルバゾール化合物及びその用途
JP7363045B2 (ja) トリフェニレン化合物及びその用途
JP7066979B2 (ja) ジ置換ベンゼンを有するカルバゾール化合物及びその用途
JP6848424B2 (ja) カルバゾール化合物及びその用途
JP7215065B2 (ja) アミノカルバゾール化合物及びその用途
JP2021109878A (ja) インデノアクリジン化合物及びその用途
WO2017122669A1 (ja) カルバゾール化合物及びその用途
WO2015034093A1 (ja) 2-アミノカルバゾール化合物及びその用途
JP7095324B2 (ja) 2-アミノカルバゾール化合物及びその用途
JP2016108292A (ja) モノアミン誘導体、および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2020019748A (ja) トリフェニレン化合物及びその用途
JP2019116472A (ja) 縮合環化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子用材料
JP6580321B2 (ja) モノアミン誘導体、および有機エレクトロルミネッセンス素子
JP6977330B2 (ja) 新規なカルバゾール化合物及びその用途
JP2018127409A (ja) アミノカルバゾール化合物及びその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200820

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201211

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201211

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201222

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6848424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151