JP2017141216A - 環状アジン化合物、及びその用途 - Google Patents

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Yuji Oka
祐児 岡
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恵理子 太田
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【課題】耐熱性に優れ、有機電界発光素子の長寿命性、低電圧駆動性又は発光効率に優れる電子輸送材料又は正孔阻止材料の提供。【解決手段】式(1)で示される有機電界発光素子用材料。(Zは=CH−又は=N−;Ar1及びAr2は各々独立にフェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基;X1及びX2は、各々独立にフェニレン基又はナフチレン基、Ar3及びAr4は各々独立にC1〜4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換/非置換のフェニル基)【選択図】図1

Description

本発明は、環状アジン化合物とその製造方法、及びそれを含有する有機電界発光素子に関する。さらに詳しくは、有機電界発光素子の構成成分として有用なフェニル基置換環状アジン化合物、及び、このフェニル基置換環状アジン合物を有機化合物層の少なくとも一層に用いることにより、消費電力の低減化が達成された有機電界発光素子に関する。
有機電界発光素子は、発光材料を含有する発光層を、正孔輸送層と電子輸送層で挟み、さらにその外側に陽極と陰極を取付けたものを基本構成とし、発光層に注入された正孔及び電子の再結合により生ずる励起子が失活する際の光の放出(蛍光又は燐光)を利用する発光素子であり、既に小型のディスプレイだけでなく大型テレビや照明等の用途へ用いられている。なお、前記正孔輸送層は正孔輸送層と正孔注入層に、前記発光層は、電子ブロック層と発光層と正孔ブロック層に、前記電子輸送層は電子輸送層と電子注入層に分割して構成される場合もある。また、有機電界発光素子のキャリア輸送層(電子輸送層又は正孔輸送層)として、金属、有機金属化合物又はその他有機化合物をドープした共蒸着膜を用いる場合もある。
従来の有機電界発光素子は、無機発光ダイオードに比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低く、素子寿命も著しく低く、実用化には至っていなかった。最近の有機電界発光素子は徐々に改良されているものの、発光効率特性、駆動電圧特性、長寿命特性において、さらに優れた材料が求められている。更に、車載用途等、用途によっては高い耐熱性を要する場合もあり、材料は高いガラス転移温度(Tg)を求められている。
これら従来の有機電界発光素子の課題に対応した化合物として、環状アジン化合物が挙げられる。しかしながら、当該材料を用いた有機電界発光素子の電圧、寿命及び発光効率の点で更なる改良が求められていた。
特許第5312824号
本発明の目的は、膜質の耐熱性に優れ、有機電界発光素子の長寿命性、低電圧駆動性又は発光効率に優れる電子輸送材料又は正孔阻止層を提供することである。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、後述する炭化水素基が結合した環状アジン化合物の膜質の耐熱性が高く、当該化合物を電子輸送材料又は正孔阻止材料として用いた有機電界発光素子が、従来公知の材料を用いた場合に比べて低電圧化、長寿命化、又は高発光効率化することを見いだし、本願発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)
Figure 2017141216
(一般式(1)中、
Zは=CH−又は=N−を表す。Ar及びArは、各々独立にフェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基を示し、これらの基は炭素数1から6のアルキル基又はトリフルオロメチル基で1つ以上置換されていても良い。X及びXは、各々独立にフェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良い。p及びqは、各々独立に0から2の整数を示す。pが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。qが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。Ar及びArは、各々独立に炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良いフェニル基を示す。ただし、Zが=CH−の場合、X及びXはフェニレン基であり、かつp=q、かつAr=Arである。また、Zが=CH−且つp=q=0である場合、Ar及びArは1,3,5−トリメチルフェニル基とはならない。)
で示される環状アジン化合物(以下、環状アジン化合物(1)とも称する)、それら化合物の製造方法、及びそれらの化合物を用いた有機電界発光素子用材料に関するものである。
本発明によれば、膜質の耐熱性に優れる環状アジン化合物を提供することができ、低電圧、長寿命、又は発光効率に優れる有機電界発光素子を提供することができる。特に、電子輸送層又は正孔阻止層として用いた場合にこの効果が顕著に現れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上記の環状アジン化合物(1)及び当該化合物を含む有機電界発光素子用材料を提供することに関するものである。
本発明の環状アジン化合物(1)における置換基はそれぞれ以下のように定義される。
Zは、=CH−又は=N−を表す。
Zは、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、=N−であることが好ましい。
一般式(1)中、Ar及びArは、各々独立にフェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基を表し、これらの基は炭素数1から6のアルキル基又はトリフルオロメチル基で1つ以上置換されていても良い。
前記の炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、i−プロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)、ペンチル基(n−ペンチル基、ネオペンチル基)、ヘキシル基(n−ヘキシル基、シクロヘキシル基)が挙げられる。
Ar及びArにおける、トリフルオロメチル基で置換されていても良いフェニル基、ナフチル基又はビフェニル基としては、特に限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメチルナフチル基、又はトリフルオロメチルビフェニル基等が好ましい例として挙げられる。
Ar及びArにおける、メチル基で置換されていても良いフェニル基、ナフチル基又はビフェニル基としては、特に限定するものではないが、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、トリル基、メチルナフチル基、メチルビフェニル基、ジメチルフェニル基、ジメチルナフチル基、又はジメチルビフェニル基等が好ましい例として挙げられる。
Ar及びArは、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、各々独立に、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基であることが好ましく、合成が容易な点でフェニル基であることがより好ましい。
Ar及びArの具体例としては、特に限定するものではないが、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、3−メチルビフェニル−4−イル基、2’−メチルビフェニル−4−イル基、4’−メチルビフェニル−4−イル基、2,2’−ジメチルビフェニル−4−イル基、2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−4−イル基、6−メチルビフェニル−3−イル基、5−メチルビフェニル−3−イル基、2’−メチルビフェニル−3−イル基、4’−メチルビフェニル−3−イル基、6,2’−ジメチルビフェニル−3−イル基、2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−3−イル基、5−メチルビフェニル−2−イル基、6−メチルビフェニル−2−イル基、2’−メチルビフェニル−2−イル基、4’−メチルビフェニル−2−イル基、6,2’−ジメチルビフェニル−2−イル基、2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−2−イル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−メチルナフタレン−4−イル基、1−メチルナフタレン−5−イル基、1−メチルナフタレン−6−イル基、1−メチルナフタレン−7−イル基、1−メチルナフタレン−8−イル基、2−メチルナフタレン−1−イル基、2−メチルナフタレン−3−イル基、2−メチルナフタレン−4−イル基、2−メチルナフタレン−5−イル基、2−メチルナフタレン−6−イル基、2−メチルナフタレン−7−イル基、又は2−メチルナフタレン−8−イル基等が好ましい例として挙げられる。これらの置換基のうち、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、1−ナフチル基、又は2−ナフチル基が好ましく、フェニル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基、1−ナフチル基、又は2−ナフチル基がより好ましい。
一般式(1)中、X及びXは、各々独立にフェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良い。
前記炭素数1から4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、i−プロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)が挙げられる。
及びXは、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、各々独立に、フェニレン基又はナフチレン基であることが好ましく、合成が容易な点でフェニレン基であることがより好ましい。
及びXで示される基の具体例としては、特に限定するものではないが、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、6−メチル−1,3−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、4−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、5−tert−ブチル−1,3−フェニレン基、5−tert−ブチル−1,4−フェニレン基、2−tert−ブチル−1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、2−メチル−1,4−ナフチレン基、5−メチル−1,4−ナフチレン基、6−メチル−1,4−ナフチレン基、2−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、5−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、6−tert−ブチル−1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2−メチル−1,5−ナフチレン基、3−メチル−1,5−ナフチレン基、4−メチル−1,5−ナフチレン基、2−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基、3−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基、4−tert−ブチル−1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、1−メチル−2,6−ナフチレン基、3−メチル−2,6−ナフチレン基、4−メチル−2,6−ナフチレン基、1−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基、3−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基、又は4−tert−ブチル−2,6−ナフチレン基などが挙げられる。
これらのうち、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、X及びXは、各々独立に、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、6−メチル−1,3−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基又は2,6−ナフチレン基であることが好ましい。
一般式(1)中、Ar及びArは、各々独立に炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良いフェニル基を示す。
一般式(1)中、Ar及びArは、お互いに同一であっても相異なっていてもよい。
前記炭素数1から4のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、i−プロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基)が挙げられる。
Ar及びArは、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、各々独立に、フェニル基であることが好ましい。
Ar及びArで示される炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良いフェニル基としては、特に限定するものではないが、具体的には、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基等を例示することができる。
これらのうち、電子輸送性材料又は正孔阻止材料特性に優れる点で、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、又はp−トリル基であることが好ましく、合成が容易な点でフェニル基であることがより好ましい。
一般式(1)中、pは0、1、又は2を表す。
pが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。
一般式(1)中、qは0、1、又は2を表す。
qが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。
Zが=CH−の場合、X及びXはフェニレン基であり、かつp=q、かつAr=Arである。
また、Zが=CH−且つp=q=0である場合、Ar及びArは1,3,5−トリメチルフェニル基とはならない。
一般式(1)で示される化合物については、特に好ましい化合物の具体例として、次の(A−1)から(A−315)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017141216
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以下、本発明の環状アジン化合物(1)の用途について説明する。
有機電界発光素子における発光層は、広義の意味では、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指す。具体的には、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する蛍光性化合物を含有する層のことを指す。通常、有機電界発光素子は一対の電極の間に発光層を挟持した構造をとる。
本発明の有機電界発光素子は、必要に応じ発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層、陽極バッファー層及び陰極バッファー層等を有し、陰極と陽極で挟持された構造をとる。具体的には以下に示される構造が挙げられる。
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機電界発光素子における発光層には、従来公知の発光材料を用いることができる。発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜を形成する方法がある。
又、この発光層は、樹脂などの結着材と共に発光材料を溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法などにより塗布して薄膜形成することにより得ることができる。
このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
次に正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等、発光層と組み合わせて有機電界発光素子を構成するその他の層について説明する。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、陰極から注入され、電子注入層及び/又は電子輸送層より発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層もしくは正孔輸送層の界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層もしくは正孔輸送層に漏れることなく発光層内の界面に累積され、発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。
上記正孔注入材料、正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。この正孔注入材料、正孔輸送材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などがあげられる。
又、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記正孔注入材料、正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層、正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本発明の有機電界発光素子において、電子輸送層は上記一般式(1)で表される環状アジン化合物を含むものである。
当該電子輸送層は、上記一般式(1)で表される環状アジン化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜形成法により成膜して形成することができる。電子輸送層の膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。また、この電子輸送層は、一般式(1)で表される環状アジン化合物を含み、かつ従来公知の電子輸送材料を含んでいてもよく、一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、或いは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
又、本発明においては、発光材料は発光層のみに限定することはなく、発光層に隣接した正孔輸送層、又は電子輸送層に1種含有させてもよく、それにより更に有機電界発光素子の発光効率を高めることができる。
本発明の有機電界発光素子に好ましく用いられる基板は、ガラス、プラスチックなどの種類には特に限定はなく、又、透明のものであれば特に制限はない。本発明の有機電界発光素子に好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性プラスチックフィルムを挙げることができる。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子を作製する好適な例を説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機電界発光素子の作製法について説明する。
まず適当な基板上に、所望の電極用物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層/電子注入層からなる薄膜を形成させる。
なお、陽極と発光層又は正孔注入層の間、及び、陰極と発光層又は電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
更に上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば正孔ブロック層、電子ブロック層などのような機能層を有していてもよい。
次に、本発明の有機電界発光素子の電極について説明する。有機電界発光素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、酸化インジウム−スズ(ITO)、SnO、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
上記陽極は蒸着やスパッタリングなどの方法によりこれらの電極物質の薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いは蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。上記陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
前記の様に、適当な基板上に所望の電極用物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陽極を作製した後、該陽極上に前記の通り正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層/電子注入層からなる各層薄膜を形成させた後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させて陰極を設け、所望の有機電界発光素子が得られる。
本発明の有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。又、異なる発光色を有する本発明の有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
実施例で作製する単層素子の断模式面図である。
1.ITO透明電極付きガラス基板
2.正孔注入層
3.電荷発生層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.正孔阻止層
7.電子輸送層
8.陰極層
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の環状アジン化合物(1)は、塩基の存在下又は非存在下に、パラジウム触媒の存在下で、次の反応式(1)
Figure 2017141216
(反応式(1)中、Ar、Ar、Ar、X、p、及びZは、前記一般式(1)と同じ置換基を表す。Y及びYは後述する脱離基を表す。Mは後述する置換基を表す。)
、反応式(2)
Figure 2017141216
(反応式(2)中、Ar、Ar、Ar、X、p、及びZは、前記一般式(1)と同じ置換基を表す。Yは後述する脱離基を表す。M及びMは後述する置換基を表す。)
、反応式(3)
Figure 2017141216
(反応式(3)中、Ar、Ar、Ar、Ar、X、X、p、q、及びZは、前記一般式(1)と同じ置換基を表す。Y及びYは後述する脱離基を表す。M及びMは後述する置換基を表す。)
、反応式(4)
Figure 2017141216
(反応式(4)中、Ar、Ar、Ar、Ar、X、X、p、q、及びZは、前記一般式(1)と同じ置換基を表す。Y及びYは後述する脱離基を表す。M及びMは後述する置換基を表す。)
、及び反応式(5)
Figure 2017141216
(反応式(5)中、Ar、Ar、Ar、Ar、X、X、p、q、及びZは、前記一般式(1)と同じ置換基を表す。Yは後述する脱離基を表す。Mは後述する置換基を表す。)
で示される方法により製造することができる。
また、以降、一般式(2)で表される化合物については化合物(2)と称する。なお、化合物(3)〜化合物(4)についても同義とする。
、M、M、及びMは、各々独立して、ZnR、MgR、Sn(R又はB(ORを表す。但し、R及びRは、各々独立に塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Rは、炭素数1から4のアルキル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子、炭素数1から4のアルキル基又はフェニル基を表し、B(ORの2つのRは同一又は異なっていてもよい。また、2つのRは一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成することもできる。
ZnR、MgRとしては、ZnCl、ZnBr、ZnI、MgCl、MgBr、MgI等が例示できる。
Sn(Rとしては、Sn(Me)、Sn(Bu)等が例示できる。
B(ORとしては、B(OH)、B(OMe)、B(OPr)、B(OBu)等が例示できる。また、2つのRが一体となって酸素原子及びホウ素原子を含んで環を形成した場合のB(ORの例としては、次の(C−1)から(C−6)で示される基が例示でき、収率がよい点で(C−2)で示される基が望ましい。
Figure 2017141216
、Y、Y、及びYは、各々独立して脱離基を表し、特に限定するものではないが、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリフラート等が挙げられる。このうち、反応収率がよい点で臭素原子又は塩素原子が好ましい。但し、原料の入手性からトリフラートを用いた方が好ましい場合もある。
続いて、反応式(1)について説明する。「工程1」は化合物(2a)を、塩基の存在下又は非存在下に、パラジウム触媒の存在下に、化合物(3c)と反応させ、本発明の環状アジン化合物(1)を得る方法であり、鈴木−宮浦反応、根岸反応、玉尾−熊田反応、スティレ反応等の、一般的なカップリング反応の反応条件を適用することにより、収率よく目的物を得ることができる。
「工程1」で用いることのできるパラジウム触媒としては、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等の塩を例示することができる。さらに、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及びジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム等の錯化合物を例示することができる。中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は反応収率がよい点でさらに好ましく、入手容易であり、反応収率がよい点で、トリフェニルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が特に好ましい。
第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体は、パラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。この際用いることのできる第三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が例示できる。入手容易であり、反応収率がよい点で、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル又はトリフェニルホスフィンが好ましい。第三級ホスフィンとパラジウム塩又は錯化合物とのモル比は、1:10〜10:1が好ましく、反応収率がよい点で1:2〜5:1がさらに好ましい。
「工程1」で用いることのできる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等を例示することができ、収率がよい点で炭酸カリウムが望ましい。塩基と化合物(13)とのモル比は、1:2から10:1が望ましく、収率がよい点で1:1から3:1がさらに望ましい。
「工程1」で用いる化合物(2a)と化合物(3c)とのモル比は、1:2から5:1が望ましく、収率がよい点で1:2から3:1がさらに望ましい。
「工程1」で用いることのできる溶媒として、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、エタノール、メタノール又はキシレン等が例示でき、これらを適宜組み合わせて用いてもよい。収率がよい点でジオキサン又はテトラヒドロフランと水の混合溶媒を用いることが望ましい。
「工程1」は、0℃から150℃から適宜選ばれた温度で実施することができ、収率がよい点で50℃から100℃で行うことがさらに望ましい。
化合物(1)は、「工程1」の終了後に通常の処理をすることで得られる。必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
反応式(2)における反応条件などについては、それぞれ、反応式(1)のものと同様である。すなわち、反応式(2)における「工程2」は「工程1」で挙げた条件のうち、化合物(2a)を化合物(3a)及び化合物(3c)を化合物(2c)に置き換えた条件を適用することができる。但し、「工程1」と同じ反応条件である必要はない。「工程2」の終了後、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
反応式(3)における反応条件などについては、それぞれ、反応式(1)のものと同様である。すなわち、反応式(3)における「工程3」は、「工程1」で挙げた条件のうち、それぞれ化合物(1a)を化合物(4c)に置き換えた条件を適用することができる。反応式(3)における「工程4」は、化合物(3c)を化合物(4c)及び化合物(2a)を化合物(2b)に置き換えた条件を適用することができる。但し、それぞれ「工程1」と同じ反応条件である必要はない。「工程3」及び「工程4」の終了後、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
反応式(4)における反応条件などについては、それぞれ、反応式(1)のものと同様である。すなわち、反応式(4)における「工程5」は、「工程1」で挙げた条件のうち、それぞれ化合物(2a)を化合物(3b)及び化合物(3c)を化合物(2c)に置き換えた条件を適用することができる。但し、「工程1」と同じ反応条件である必要はない。「工程5」の終了後、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
反応式(5)における反応条件などについては、それぞれ、反応式(1)のものと同様である。すなわち、反応式(5)における「工程6」は、「工程1」で挙げた条件のうち、それぞれ化合物(2a)を化合物(4a)及び化合物(3c)を化合物(2d)に置き換えた条件を適用することができる。但し、「工程1」と同じ反応条件である必要はない。「工程6」の終了後、必要に応じて、再結晶、カラムクロマトグラフィー又は昇華等で精製してもよい。
本発明の環状アジン化合物(1)は、有機電界発光素子用材料として好適に用いられるものである。
さらに、本発明の環状アジン化合物(1)は、有機電界発光素子用の電子輸送材料、正孔阻止層又は電子注入材料として好適に用いられるものである。
本発明の環状アジン化合物(1)は有機電界発光素子の構成成分の一部として用いた時に有効である。特に、電子輸送層又は正孔阻止層として用いた時に、従来の素子よりも長寿命化、高効率化及び低電圧化等の効果が得られる。また、本発明の環状アジン化合物(1)を有機電界発光素子用材料として用いる際、任意の有機金属種、有機化合物又は無機化合物との共蒸着膜として用いることも可能である。
本発明の環状アジン化合物(1)から成る有機電界発光素子用薄膜の製造方法に特に制限はないが、真空蒸着法による成膜が可能である。真空蒸着法による成膜は、汎用の真空蒸着装置を用いることにより行うことができる。真空蒸着法で膜を形成する際の真空槽の真空度は、有機電界発光素子作製の製造タクトタイムや製造コストを考慮すると、一般的に用いられる拡散ポンプ、タ−ボ分子ポンプ、クライオポンプ等により到達し得る1×10−2〜1×10−5〜1×10−6Pa程度が好ましく、より好ましくは1×10−3〜10−6Paである。蒸着速度は、形成する膜の厚さによるが0.005〜1.0nm/秒が好ましく、より好ましくは0.01〜1nm/秒である。また、本発明の環状アジン化合物(1)は、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル又は、テトラヒドロフラン等に対する溶解度が高いため、汎用の装置を用いたスピンコ−ト法、インクジェット法、キャスト法又は、ディップ法等による成膜も可能である。
本発明の効果がえられる有機電界発光素子の典型的な構造としては、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層発光層、電子輸送層、及び陰極を含む。
有機電界発光素子の陽極及び陰極は、電気的な導体を介して電源に接続されている。陽極と陰極との間に電位を加えることにより、有機電界発光素子は作動する。正孔は陽極から有機電界発光素子内に注入され、そして電子は陰極で有機電界発光素子内に注入される。
有機電界発光素子は典型的には基板に被せられ、陽極又は陰極は基板と接触することができる。基板と接触する電極は便宜上、下側電極と呼ばれる。一般的には、下側電極は陽極であるが、本発明の有機電界発光素子においてはそのような形態に限定されるものではない。基板は、意図される発光方向に応じて、光透過性又は不透明であってよい。光透過特性は、基板を通してエレクトロルミネッセンス発光を見るのに望ましい。透明ガラス又はプラスチックがこのような基板として一般に採用される。基板は、多重の材料層を含む複合構造であってよい。
エレクトロルミネッセンス発光が陽極を通して見られる場合、陽極が当該発光を通すか又は実質的に通すべきである。本発明において使用される一般的な透明アノード(陽極)材料は、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、又は酸化錫であるが、しかしその他の金属酸化物、例えばアルミニウム又はインジウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム−インジウム酸化物、又はニッケル−タングステン酸化物も役立つ。これらの酸化物に加えて、金属窒化物、例えば窒化ガリウム、金属セレン化物、例えばセレン化亜鉛、又は金属硫化物、例えば硫化亜鉛を陽極として使用することができる。陽極は、プラズマ蒸着されたフルオロカーボンで改質することができる。陰極を通してだけエレクトロルミネッセンス発光が見られる用途の場合、陽極の透過特性は重要ではなく、透明、不透明又は反射性の任意の導電性材料を使用することができる。この用途のための導体の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム及び白金が挙げられる。
陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層が設けることができる。正孔注入材料は、後続の有機層の膜形成特性を改善し、そして正孔輸送層内に正孔を注入するのを容易にするのに役立つことができる。正孔注入層内で使用するのに適した材料の一例としては、ポルフィリン化合物、プラズマ蒸着型フルオロカーボン・ポリマー、及びビフェニル基、カルバゾール基等芳香環を有するアミン、例えばm−MTDATA(4,4’,4’’−トリス[(3−メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン)、2T−NATA(4,4’,4’’−トリス[(N−ナフタレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン)、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、MeO−TPD(N,N,N’N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジナフチル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ビス(メチルフェニル)−N,N’−ビス(4−ノルマルブチルフェニル)フェナントレン−9,10−ジアミン、又はN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等が挙げられる。
有機電界発光素子の正孔輸送層は、1種以上の正孔輸送化合物、例えば芳香族第三アミンを含有することが好ましい。芳香族第三アミンは、1つ以上の三価窒素原子を含有する化合物であることを意味し、この三価窒素原子は炭素原子だけに結合されており、これらの炭素原子の1つ以上が芳香族環を形成している。具体的には、芳香族第三アミンは、アリールアミン、例えばモノアリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、又は高分子アリールアミンであってよい。
正孔輸送材料としては、1つ以上のアミン基を有する芳香族第三アミンを使用することができる。さらに、高分子正孔輸送材料を使用することができる。例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、又はポリアニリン等を使用することができる。例えば、NPD(N,N’−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)、α−NPD(N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)、TPBi(1,3,5−トリス(1−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼン)、又はTPD(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン)等が挙げられる。
正孔注入層と正孔輸送層の間に、電荷発生層としてジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を含む層を設けてもよい。
有機電界発光素子の発光層は、燐光材料又は蛍光材料を含み、この場合、この領域で電子・正孔対が再結合された結果として発光を生じる。発光層は、低分子及びポリマー双方を含む単一材料から成っていてよいが、しかし、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料から成っており、この場合、発光は主としてドーパントから生じ、そして任意の色を有することができる。
発光層のホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、又はアントリル基を有する化合物が挙げられる。例えば、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャルブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、又は9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
発光層内のホスト材料は、下記に定義する電子輸送材料、上記に定義する正孔輸送材料、又は正孔・電子再結合をサポートする別の材料又はこれら材料の組み合わせであってよい。
有用な蛍光ドーパントの一例としては、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン及びキナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、又はチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、及びカルボスチリル化合物等が挙げられる。
有用な燐光ドーパントの一例としては、イリジウム、白金、パラジウム又はオスミウムの遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
ドーパントの一例として、Alq(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム))、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−パラ−トリルアミノ)スチリル] ビフェニル)、ペリレン、Ir(PPy)(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、又はFlrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子の電子輸送層を形成するのに使用する薄膜形成材料は、本発明の環状アジン化合物(1)である。なお、当該電子輸送層には、他の電子輸送性材料を含んでいても良く、当該電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。望ましいアルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、又はビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
発光層と電子輸送層との間に、キャリアバランスを改善させる目的で、正孔阻止層を設けてもよい。正孔阻止層として望ましい化合物は、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、Bphen(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム)、又はビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、低電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、又はアントロン等が挙げられる。また、上記に記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなど各種酸化物、窒化物、及び酸化窒化物のような無機化合物も使用できる。
発光が陽極を通してのみ見られる場合、本発明において使用される陰極は、ほぼ任意の導電性材料から形成することができる。望ましい陰極材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
H−NMR測定は、Gemini200(バリアン社製)を用いて行った。
有機電界発光素子の発光特性は、室温下、作製した素子に直流電流を印加し、LUMINANCEMETER(BM−9)(TOPCON社製)の輝度計を用いて評価した。
実施例−1
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3−ブロモ−5−クロロフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(3.00g,7.10mmol)、2−ビフェニルボロン酸(3.38g,17.1mmol)、酢酸パラジウム(31.9mg,0.14mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.115g,0.29mmol)を、テトラヒドロフラン(80mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(21.0mL、42.0mmol)を滴下し、75℃で19時間撹拌した。室温まで放冷後、溶媒を減圧濃縮した。得られたスラリーに水(30mL)、ヘキサン(30mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、メタノール(100mL)、ヘキサン(100mL)で洗浄した。この固体を再結晶(トルエン)で精製することで、目的の2−(1,1’:2’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンクフェニル−5’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−34)の白色固体(収量3.98g,収率91%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.18−7.30(m,13H),7.41−7.50(m,6H),7.53−7.63(m,6H),8.36(s,2H),8.62(d,J=6.5Hz,4H).
得られた化合物A−34のTgは97℃であった。
実施例2
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3−ブロモ−5−クロロフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.50g,3.55mmol)、2−p−ターフェニルボロン酸(2.33g,8.52mmol)、酢酸パラジウム(15.9mg,0.07mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(67.7mg,0.14mmol)を、テトラヒドロフラン(140mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(10.7mL、21.4mmol)を滴下し、75℃で22時間撹拌した。室温まで放冷後、水(100mL)、ヘキサン(100mL)、メタノール(100mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(50mL)、メタノール(50mL)、ヘキサン(50mL)で洗浄した。この固体を再結晶3回(トルエン)で精製することで、目的の2−(1,1’:4’,1’’:2’’,1’’’:3’’’,1’’’’:2’’’’,1’’’’’:4’’’’’,1’’’’’’−セプチフェニル−5’’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−83)の白色固体(収量2.24g,収率82%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.23−7.33(m,14H),7.35−7.43(m,6H),7.45−7.54(m,11H),7.56−7.60(m,2H),8.42(s,2H),8.61(d,J=6.7Hz,4H).
得られた化合物A−83のTgは119℃であった。
合成例−1
Figure 2017141216
アルゴン気流下、1−ブロモ−3−クロロベンゼン(9.78g,51.1mmol)、4−ビフェニルボロン酸(11.13g,56.19mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.18g,1.02mmol)を、テトラヒドロフラン(510mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(76.6mL、153.3mmol)を滴下し、70℃で17時間撹拌した。室温まで放冷後、ヘキサン(100mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、メタノール(100mL)、ヘキサン(100mL)で洗浄することで、3−クロロ−p−ターフェニルの白色固体(収量7.41g,収率55%)を得た。
合成例−2
Figure 2017141216
アルゴン気流下、3−クロロ−p−ターフェニル(7.0g,26.4mmol)、ビスピナコラートジボロン(11.4g,44.9mmol)、酢酸パラジウム(0.30g,1.32mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(1.26g,2.64mmol)、酢酸カリウム(11.0g、112.4mmol)を、テトラヒドロフラン(132mL)に溶解し、70℃で18時間撹拌した。放冷後、この反応溶液に水(100mL)を加え、テトラヒドロフラン(100mL)で抽出した。有機層と水層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムを用いて脱水したのち、有機層から低沸点成分を減圧留去し、乾固物を得た。得られた固体をメタノールに懸濁し、熱時ろ過することで、3−{(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−p−ターフェニルの白色固体(収量8.22g,収率87%)を得た。
実施例−3
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3,5−ジブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2.00g,4.28mmol)、3−{(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−p−ターフェニル(3.97g,11.13mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(148.4mg,0.13mmol)を、テトラヒドロフラン(43mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(7.0mL、13.9mmol)を滴下し、70℃で22時間撹拌した。室温まで放冷後、メタノール(50mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(50mL)、メタノール(50mL)、ヘキサン(50mL)で洗浄した。この固体を再結晶3回(トルエン)で精製することで、目的の2−(1,1’:4’,1’’:3’’,1’’’:3’’’,1’’’’:3’’’’,1’’’’’:4’’’’’,1’’’’’’−セプチフェニル−5’’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−68)の白色固体(収量2.19g,収率67%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.37(t,J=7.3Hz,2H),7.47(t,J=7.8Hz,4H),7.57−7.68(m,12H),7.71−7.75(m,6H),7.79−7.83(m,6H),8.05(s,2H),8.15(s,1H),8.82(d,J=6.3Hz,4H),9.05(s,2H).
得られた化合物A−68のTgは112℃であった。
実施例−4
Figure 2017141216
アルゴン気流下、4,6−ビス(3−ビフェニリル)−2−(3,5−ジブロモフェニル)−1,3,5−トリアジン(3.00g,4.84mmol)、2−ビフェニルボロン酸(2.30g,11.6mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.45g,0.39mmol)を、テトラヒドロフラン(180mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(14.5mL、29.0mmol)を滴下し、75℃で72時間撹拌した。室温まで放冷後、溶媒を減圧濃縮した。得られたスラリーに水(50mL)、ヘキサン(200mL)、メタノール(100mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、メタノール(100mL)、ヘキサン(100mL)、アセトン(50mL)で洗浄した。この固体を再結晶(トルエン・酢酸エチル)で精製することで、目的の4,6−ビス(3−ビフェニリル)−2−(1,1’:2’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’−キンクフェニル−5’’−イル)−1,3,5−トリアジン(化合物A−94)の白色固体(収量1.53g,収率41%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.12−7.20(m,10H),7.27−7.31(m,3H),7.40−7.49(m,8H),7.54(t,J=8.0Hz,4H),7.64(t,J=7.8Hz,2H),7.74(d,J=7.6Hz,4H),7.83(d,J=7.5Hz,4H),8.39(s,2H),8.62(d,J=8.0Hz,2H),8.84(s,2H).
実施例−5
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3−クロロ−1,1’:2’,1’’−ターフェニル−5−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(3.00g,6.05mmol)、2−p−ターフェニルボロン酸(1.99g,7.26mmol)、酢酸パラジウム(13.7mg,0.06mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(57.7mg,0.12mmol)を、テトラヒドロフラン(100mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(9.1mL、18.2mmol)を滴下し、75℃で20時間撹拌した。室温まで放冷後、溶媒を減圧濃縮した。得られたスラリーに水(50mL)、ヘキサン(200mL)、メタノール(50mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(50mL)、メタノール(50mL)、ヘキサン(50mL)で洗浄した。この固体を再結晶(トルエン)で精製することで、目的の2−(1,1’:2’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’:4’’’’,1’’’’’−セキシフェニル−5’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−41)の白色固体(収量3.74g,収率90%)を得た。
1H−NMR(THF−d8)δ(ppm):7.13−7.62(m,29H),8.39(s,1H),8.51(s,1H),8.65(d,J=6.5Hz,4H).
実施例−6
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3−クロロ−1,1’:4’,1’’−ターフェニル−5−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(2.00g,4.03mmol)、2−p−ターフェニルボロン酸(1.47g,5.36mmol)、酢酸パラジウム(14.0mg,0.06mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(94.7mg,0.20mmol)を、テトラヒドロフラン(200mL)に懸濁し、そこに2Mの炭酸カリウム水溶液(6.0mL、18.2mmol)を滴下し、次いで75℃で31時間撹拌した。室温まで放冷後、溶媒を減圧留去して濃縮した。得られたスラリーに水(50mL)、ヘキサン(200mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(50mL)、メタノール(50mL)、ヘキサン(50mL)で洗浄した。この固体を再結晶(トルエン)で精製することで、目的の2−(1,1’:4’,1’’:3’’,1’’’:2’’’,1’’’’:4’’’’,1’’’’’−セキシフェニル−5’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−21)の白色固体(収量2.43g,収率87%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.29(t,J=7.4Hz,1H),7.34−7.40(m,5H),7.44−7.65(m,22H),7.73−7.75(m,1H),8.75−8.78(m,5H),8.87(s,1H).
次に素子評価について記載する。
素子評価に用いた化合物の構造式及びその略称を以下に示す。
実施例−7
Figure 2017141216
アルゴン気流下、2−(3,5−ジブロモフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(4.00g,8.56mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−フェニルナフチル−6−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(7.35g,22.26mmol)、酢酸パラジウム(77.2mg,0.34mmol)、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.327g,0.69mmol)を、テトラヒドロフラン(500mL)に懸濁し、2Mの炭酸カリウム水溶液(22.0mL、44.0mmol)を滴下し、75℃で67時間撹拌した。室温まで放冷後、溶媒を減圧濃縮した。得られたスラリーに水(500mL)を加え、析出した固体を濾別した。得られた固体を水(100mL)、メタノール(100mL)、ヘキサン(100mL)で洗浄した。この固体を再結晶(トルエン)で精製することで、目的の2−[3,5−ジ(2−フェニルナフチルー6−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−143)の白色固体(収量4.23g,収率69%)を得た。
1H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.42(t,J=8.6Hz,2H),7.53(t,J=8.0Hz,4H),7.59−7.67(m,6H),7.79(d,J=6.9Hz,4H),7.85(d,J=8.5Hz,2H),8.02(d,J=6.9Hz,2H),8.10(dd,J=8.5Hz,5.6Hz,4H),8.15(s,2H),8.31−8.33(m,3H),8.84(d,J=6.1Hz,4H),9.14(s,2H).
Figure 2017141216
素子実施例1
基板には、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、断面図を図1に示すような発光面積4mm有機電界発光素子を作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。
その後、図1の1で示すITO透明電極付きガラス基板上に有機化合物層として、正孔注入層2、電荷発生層3、正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6、電子輸送層7、及び陰極層8を、この順番に積層させながら、いずれも真空蒸着で成膜した。
正孔注入層2としては、昇華精製したHILを0.15nm/秒の速度で65nm成膜した。
電荷発生層3としては、昇華精製したHATを0.05nm/秒の速度で5nm成膜した。
正孔輸送層4としては、HTLを0.15nm/秒の速度で10nm成膜した。
発光層5としては、EML−1とEML−2を95:5の割合で25nm成膜した(成膜速度0.18nm/秒)。
正孔阻止層6としては、実施例−3で合成した2−(1,1’:4’,1’’:3’’,1’’’:3’’’,1’’’’:3’’’’,1’’’’’:4’’’’’,1’’’’’’−セプチフェニル−5’’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−68)を5nm成膜した(成膜速度0.15nm/秒)。
電子輸送層7としては、ETL−1及びLiqを50:50(重量比)の割合で25nm成膜した(成膜速度0.15nm/秒)。
最後に、ITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極層8を成膜した。陰極層8は、銀/マグネシウム(重量比1/10)と銀を、この順番に、それぞれ80nm(成膜速度0.5nm/秒)と20nm(成膜速度0.2nm/秒)で成膜し、2層構造とした。
それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。
さらに、この素子を酸素及び水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと前記成膜基板エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、TOPCON社製のLUMINANCE METER(BM−9)の輝度計を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の電圧(V)、電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命(h)を測定した。なお、当該素子寿命(h)は、作製した素子を初期輝度800cd/mで駆動したときの連続点灯時の輝度減衰を測定し、輝度(cd/m)が10%減じるまでに要した時間とした。素子実施例の素子寿命は、後述の素子参考例1における素子寿命(h)を基準値(100)とした相対値で表した。結果を表1に示す。
素子実施例2
素子実施例1において、化合物A−68の代わりに実施例−1で合成した化合物A−34を用いた以外は、素子実施例1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例3
素子実施例1において、化合物A−68の代わりに実施例−2で合成した化合物A−83を用いた以外は、素子実施例1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例4
素子実施例1において、化合物A−68の代わりに実施例−4で合成した化合物A−94を用いた以外は、素子実施例1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例5
素子実施例1において、化合物A−68の代わりに実施例−5で合成した化合物A−41を用いた以外は、素子実施例1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子参考例1
素子実施例1において、化合物A−68の代わりにETL−1を用いた以外は、素子実施例1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、本素子参考例1の素子寿命を基準値(100)とした。
Figure 2017141216
素子実施例2−1
基板には、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、断面図を図1に示すような発光面積4mm有機電界発光素子を作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。
その後、図1の1で示すITO透明電極付きガラス基板上に有機化合物層として、正孔注入層2、電荷発生層3、正孔輸送層4、発光層5、正孔阻止層6、電子輸送層7、及び陰極層8を、この順番に積層させながら、いずれも真空蒸着で成膜した。
正孔注入層2としては、昇華精製したHILを0.15nm/秒の速度で65nm成膜した。
電荷発生層3としては、昇華精製したHATを0.05nm/秒の速度で5nm成膜した。
正孔輸送層4としては、HTLを0.15nm/秒の速度で10nm成膜した。
発光層5としては、EML−3とEML−4を85:15の割合で25nm成膜した(成膜速度0.18nm/秒)。
正孔阻止層6としては、実施例−3で合成した2−(1,1’:4’,1’’:3’’,1’’’:3’’’,1’’’’:3’’’’,1’’’’’:4’’’’’,1’’’’’’−セプチフェニル−5’’’−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−68)を5nm成膜した(成膜速度0.15nm/秒)。
電子輸送層7としては、ETL−1及びLiqを50:50(重量比)の割合で25nm成膜した(成膜速度0.15nm/秒)。
最後に、ITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、陰極層8を成膜した。陰極層8は、銀/マグネシウム(重量比1/10)と銀を、この順番に、それぞれ80nm(成膜速度0.5nm/秒)と20nm(成膜速度0.2nm/秒)で成膜し、2層構造とした。
それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した。
さらに、この素子を酸素及び水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと前記成膜基板エポキシ型紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いた。
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、TOPCON社製のLUMINANCE METER(BM−9)の輝度計を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の電圧(V)、電流効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命(h)を測定した。なお、当該素子寿命(h)は、作製した素子を初期輝度800cd/mで駆動したときの連続点灯時の輝度減衰を測定し、輝度(cd/m)が10%減じるまでに要した時間とした。素子実施例の素子寿命は、後述の素子参考例2−1における素子寿命(h)を基準値(100)とした相対値で表した。結果を表2に示す。
素子実施例2−2
素子実施例2−1において、化合物A−68の代わりに実施例−1で合成した化合物A−34を用いた以外は、素子実施例2−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表2に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例2−1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例2−3
素子実施例2−1において、化合物A−68の代わりに実施例−2で合成した化合物A−83を用いた以外は、素子実施例2−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表2に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例2−1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例2−4
素子実施例2−1において、化合物A−68の代わりに実施例−4で合成した化合物A−94を用いた以外は、素子実施例2−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表2に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例2−1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子実施例2−5
素子実施例2−1において、化合物A−68の代わりに実施例−5で合成した化合物A−41を用いた以外は、素子実施例2−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表2に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、後述の素子参考例2−1の素子寿命を基準値(100)とした相対値で表した。
素子参考例2−1
素子実施例2−1において、化合物A−68の代わりにETL−1を用いた以外は、素子実施例2−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。結果を表2に示した。なお、素子寿命については、素子寿命(h)を測定したうえで、本素子参考例2−1の素子寿命を基準値(100)とした。
Figure 2017141216
本発明の環状アジン化合物(1)は、膜質の耐熱性に優れるため、当該化合物を用いることによって長寿命性及び発光効率に優れる有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明の環状アジン化合物(1)は、低駆動電圧に優れる有機電界発光素子用電子輸送材料又は正孔阻止材料として利用される。さらに、本発明によれば、消費電力に優れる有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明の環状アジン化合物(1)は、昇華精製時の熱安定性が良いために昇華精製の操作性に優れ、有機電界発光素子の素子劣化の原因となる不純物の少ない材料を提供することができる。また、本発明の環状アジン化合物(1)は蒸着膜の安定性に優れるために長寿命な有機電界発光素子を提供することができる。
また、本発明の環状アジン化合物(1)から成る薄膜は、電子輸送能、正孔ブロック能、酸化還元耐性、耐水性、耐酸素性、電子注入特性等に優れるため、有機電界発光素子の材料として有用であり、電子輸送材料、正孔阻止材料、発光ホスト材料等として有用である。とりわけ電子輸送材料又は正孔阻止材料と用いた際に有用である。また本発明の環状アジン化合物(1)はワイドバンドギャップ化合物なため、従来の蛍光素子用途のみならず、燐光素子へ好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で示される環状アジン化合物。
    Figure 2017141216
    (一般式(1)中、
    Zは=CH−又は=N−を表す。Ar及びArは、各々独立にフェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基を示し、これらの基は炭素数1から6のアルキル基又はトリフルオロメチル基で1つ以上置換されていても良い。X及びXは、各々独立にフェニレン基又はナフチレン基を示し、これらの基は炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良い。p及びqは、各々独立に0から2の整数を示す。pが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。qが2のとき、連結するXは同一又は相異なっていても良い。Ar及びArは、各々独立に炭素数1から4のアルキル基又はフッ素原子で1つ以上置換されていても良いフェニル基を示す。ただし、Zが=CH−の場合、X及びXはフェニレン基であり、かつp=q、かつAr=Arである。また、Zが=CH−且つp=q=0である場合、Ar及びArは1,3,5−トリメチルフェニル基とはならない。)
  2. Ar及びArがフェニル基である請求項1に記載の環状アジン化合物。
  3. 及びXが、各々独立に、フェニレン基又はナフチレン基である請求項1、又2に記載の環状アジン化合物。
  4. Ar及びArが、各々独立に、フェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基である請求項1、2、又は3に記載の環状アジン化合物。
  5. Ar及びArがフェニル基である請求項1、2、3又は4に記載の環状アジン化合物。
  6. Zが=N−である請求項1、2、3、4、又は5に記載の環状アジン化合物。
  7. 請求項1に記載の環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料。
  8. 請求項1に記載の環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用電子輸送材料又は正孔阻止材料。
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