JP7297601B2 - オルト構造を有するトリアジン化合物 - Google Patents
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Description
特許文献1は、高効率で駆動電圧を低減できる有機電界発光素子用の材料であるトリアジン化合物を開示している。
また、本発明の他の態様は、上記トリアジン化合物を含む有機電界発光素子用材料を提供することに向けられている。
さらに、本発明のさらに他の態様は、高い発光効率を発揮し、種々の用途又は様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子を提供することに向けられている。
Ar1及びAr2は、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、又はナフチル基を表す;
Ar3は、メチル基で置換されていてもよいナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、又はトリフェニレニル基を表す;
Xは、N又はC-Hを表す。
本発明の一態様にかかるトリアジン化合物は、式(1)で表されるトリアジン化合物である:
Ar1及びAr2は、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基、又はナフチル基を表す;
Ar3は、メチル基で置換されていてもよいナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、又はトリフェニレニル基を表す;
Xは、N又はC-Hを表す。
Ar1及びAr2は、各々独立に、フェニル基、ビフェニリル基又はナフチル基を表す。
Ar1及びAr2は、同一の基であることが好ましい。Ar1とAr2とが同一の基であると、トリアジン化合物(1)の合成が容易である。
トリアジン化合物(1)が電子輸送性材料特性に優れる点で、Ar1及びAr2が、共にフェニル基であることが好ましい。
式(1)中、Ar3は、メチル基で置換されていてもよいナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、又はトリフェニレニル基を表す。
トリアジン化合物(1)がより高性能な有機電界発光素子の形成に資するものとなる点で、Ar3が、9-フェナントリル基、9,9-ジメチルフルオレン-2-イル基、2-ジベンゾチオフェニル基、2-ジベンゾフラニル基、2-トリフェニレニル基であることが好ましい。
また、トリアジン化合物(1)の合成が容易な点で、Ar3が、9-フェナントレニル基あることが更に好ましい。
式(1)中、Xは、N又はC-Hを表す。
トリアジン化合物(1)がより高性能な有機電界発光素子の形成に資するものとなる点で、Xが、Nであることがより好ましい。
トリアジン化合物(1)の具体例としては、以下の(A-1)から(A-66)を例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。有機電界発光素子における電子輸送材としての性能がよい点で、トリアジン化合物(1)としては(A-1)、(A-10)、(A-17)、(A-22)、又は(A-61)で示される化合物が好ましい。
トリアジン化合物(1)は、以下の合成経路(i)~(vi)に示される方法で製造可能である。
Ar1、Ar2、Ar3、及びXの定義は、それぞれ、式(1)におけるAr1、Ar2、Ar3、及びXの定義と同じである;
Y1、Y2、Y3及びY4は、各々独立に、ハロゲン原子を表す;
R1は、水素原子、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を表す;
B(OR1)2の2つのR1は、同一であっても異なっていてもよい;
2つのOR1と、ホウ素原子と、が環を形成していてもよい。
2つのOR1と、ホウ素原子と、が環を形成している場合のB(OR1)2の例としては、例えば、次の(I)から(VI)で示される基が例示でき、収率がよい点で(II)で示される基が好ましい。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、前述したトリアジン化合物(1)を含有する。
トリアジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料は、高い発光効率及び長寿命特性を発揮し、種々の用途又は様々な環境下で利用可能な有機電界発光素子の作製に資するものである。
以下、トリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子(以下、単に有機電界発光素子と称することがある)について説明する。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型など、他の公知の素子構成であってもよい。
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、電子注入層7、及び陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、発光層5と電子輸送層6との間に正孔阻止層が設けられていてもよく、正孔注入層3が省略され、陽極2上に正孔輸送層4が直接設けられていてもよい。また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層4、単層の電子輸送層6が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層5、電子輸送層6及び電子注入層7からなる群より選ばれる1層以上にトリアジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層6が本発明のトリアジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよい。
なお、以下においては、電子輸送層6がトリアジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
基板1としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。
基板1としては、例えば、ガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ガラス板、石英板、光透過性プラスチックフィルムが好ましい。
光透過性プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルムが挙げられる。
なお、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
陽極の材料としては、仕事関数の大きい(例えば4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が挙げられる。陽極の材料の具体例としては、Auなどの金属;CuI、酸化インジウム-スズ(ITO;Indium Tin Oxide)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通す導電性透明材料で形成される。
陽極2と後述する発光層5との間には、陽極2側から、正孔注入層3、正孔輸送層4がこの順で設けられている。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層の間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
正孔輸送層4と後述する電子輸送層6との間には、発光層5が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料又は単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
発光層5と後述する電子注入層7との間には、電子輸送層6が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
なお、トリアジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は、一種又は二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
電子輸送層6と後述する陰極8との間には、電子注入層7が設けられている。
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子注入層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子注入層の材料としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等の有機化合物が挙げられる。また、電子注入層の材料としては、SiO2、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、酸化窒化物等の無機化合物も挙げられる。
電子注入層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。
これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好ましい。
以上説明した、電極(陽極、陰極)を除く各層は、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。各層の材料は、それ単独で用いてもよく、必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に用いてもよい。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm~5μmの範囲である。
陽極及び陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
陽極及び陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
トリアジン化合物(1)は、有機電界発光素子の電子輸送層として用いることで素子の低電圧駆動、高効率化及び長寿命化のいずれも高次元に達成可能なトリアジン化合物を提供することができる。さらに、トリアジン化合物(1)を用いた、低電圧駆動、高効率化及び長寿命化を発揮し得る有機電界発光素子を提供することができる。
1H-NMRの測定には、Bruker ASCEND 400(400MHz;BRUKER製)を用いた。1H-NMRは、重クロロホルム(CDCl3)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。
ガラス転移温度、結晶化温度、及び融点の測定はDSC(Differential scanning calorimetry)装置 DSC7020(製品名、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて行った。DSC測定におけるリファレンスは酸化アルミニウム(Al2O3)を使用し、試料は10mgで測定を行った。
測定の前処理として、試料を30℃から融点以上の温度まで15℃/分の速度で温度を上昇させて融解させた後、液体窒素にて急冷を行った。続いて、前処理した試料を30℃から5℃/分の速度で温度を上昇させ、ガラス転移温度、結晶化温度、及び融点を測定した。
有機電界発光素子の発光特性は、25℃環境下、各実施例(後述)で作製した素子に直流電流を印加し、輝度計 BM-9(製品名、トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
1HNMR(CDCl3)δ7.54-7.68(m,12H),7.80(s,1H),7.83(dt,J=7.4,1.5Hz,1H),7.89(t,J=1.8Hz,1H),7.92(t,J=1.5Hz,1H),7.94(dd,J=1.5,7.9Hz,1H),8.05(dd,J=0.9,8.2Hz,1H),8.74-8.79(m,6H),8.83(d,J=8.4Hz,1H),8.96(t,J=1.8Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ1.41(s,12H),7.56-7.61(m,8H),7.62-7.73(m,4H),7.81(s,1H),7.89(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),7.94(dd,J=1.4,7.8Hz,1H),7.97(t,J=1.6Hz,1H),8.06(dd,J=1.2,8.4Hz,1H),8.34(dd,J=1.2,1.9Hz,1H),8.76(d,J=7.8Hz,1H),8.79-8.83(m,5H),9.14(t,J=1.6Hz,1H),9.17(t,J=1.8Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ6.83(t,J=7.4Hz,1H),7.04(t,J=8.0Hz,2H),7.22(dd,J=8.3,1.0Hz,2H),7.40(brs,1H),7.48-7.76(m,19H),7.97(t,J=7.4Hz,2H),8.74-8.80(m,6H),8.84(d,J=8.1Hz,1H),8.90(t,J=1.7Hz,1H).
得られた化合物A-1のガラス転移温度は123℃であり、結晶化温度は検出されなかった。
1HNMR(CDCl3)δ6.93(t,J=7.4Hz,1H),7.11(t,J=8.0Hz,2H),7.42-7.47(m,4H),7.56-7.67(m,12H),7.68-7.75(m,3H),7.95(dd,J=1.4,8.2Hz,1H),7.98(dd,J=1.0,8.7Hz,1H),8.01(dd,J=1.7,7.7Hz,1H),8.73-8.79(m,7H),8.84(d,J=8.2Hz,1H),8.95(t,J=1.6Hz,1H).
得られた化合物A-22のガラス転移温度は130℃であり、結晶化温度は検出されなかった。
1HNMR(CDCl3)δ7.19(tt,J=1.6,7.2Hz,1H),7.28-7.34(m,4H),7.40(dt,J=0.8,7.2Hz,1H),7.48-7.73(m,19H),8.06(d,J=7.6Hz,1H),8.17-8.18(m,1H),8.75-8.79(m,5H),8.89(t,J=1.7Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ7.15-7.24(m,4H),7.27-7.39(m,4H),7.35(dd,J=2.1,2.0Hz,1H),7.37(dd,J=2.0,1.9Hz,1H),7.48-7.66(m,10H),8.62(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),8.74(ddd,J=7.9,2.0,1.8Hz,4H),8.82(dd,J=1.6,1.6Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ1.40(m,12H),7.18-7.22(m,5H),7.45(dd,J=7.5,7.4Hz,1H),7.50-7.64(m,11H),7.67(dd,J=7.0,2.2Hz,1H),7.81(d,J=7.2Hz,1H),7.88(s,1H),8.63(dd,J=1.6,1.5Hz,1H),8.75(dd,J=6.6,1.6Hz,4H)8.82(dd,J=1.6,1.5Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3)δ1.58(s,6H),7.19-7.34(m,5H),7.36(ddd,J=7.1,6.9,1.4Hz,2H),7.39-7.72(m,18H),7.79(dd,J=6.4,1.5Hz,1H),7.84(d,J=7.8Hz,1H),8.72(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),8.76(ddd,J=6.5,2.0,1.6Hz,4H),8.88(dd,J=1.6,1.6Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ7.15(tdd,J=7.3,1.4,1.3Hz,1H),7.24-7.34(m,3H),7.49-7.65(m,13H),7.66-7.75(m,6H),7.79(ddd,J=7.7,1.5,1.1Hz,1H),7.92(dd,J=8.5,1.8Hz,1H)8.67-8.81(m,10H),8.87(d,J=1.6Hz,1H),8.92(dd,1.64,1.56Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ7.46(dd,=7.8,3.0Hz,1H)7.56-7.75(m,12H),7.82(s,1H),7.90(dt,J=7.8,3.0Hz,1H),7.95(dd,J=7.8,1.3Hz,2H),7.99(dd,J=1.3,1.3Hz,1H),8.05-8.10(m,3H),8.75-8.84(m,6H),9.00(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),9.09(d,J=1.8Hz,1H),9.12(d,J=1.6,1.6,1H).
1HNMR(CDCl3)δ7.43(tt,J=1.2,7.3Hz,1H),7.52-7.66(m,11H),7.68-7.73(m,3H),7.79-7.82(m,3H),7.91(dt,J=8.1,1.4Hz,1H),7.94(dd,J=1.4,7.9Hz,1H),8.00(t,J=1.6Hz,1H),8.09(dd,J=1.0,8.2Hz,1H),8.11(t,J=1.8Hz,1H),8.76(d,J=8.5Hz,1H),8.79-8.83(m,5H),9.00(t,J=1.6Hz,1H),9.06(t,J=1.6Hz,1H).
1HNMR(CDCl3)δ7.32(ddd,J=1.0,4.8,7.5Hz,1H),7.56-7.67(m,9H),7.67-7.74(m,3H),7.83(s,1H),7.86(dt,J=1.8,6.7Hz,1H),7.95(d,J=7.8Hz,2H),7.98(dt,J=1.0,7.8Hz,1H)8.03(t,J=1.5Hz,1H),8.08(dd,J=1.0,8.3Hz,1H),8.60(t,J=1.7Hz,1H),8.73-8.79(m,2H),8.80-8.84(m,5H),9.14(t,J=1.7Hz,1H),9.32(t,J=1.7Hz,1H).
1H-NMR(CDCl3):δ7.45(t,J=7.3Hz,1H),7.52-7.63(m,9H),7.67(t,J=7.2Hz,1H),7.73(t,J=7.8Hz,1.3Hz,2H),7.84(dd,J=8.1Hz,1.0Hz,2H),7.88(s,1H),7.98(dd,J=7.8Hz,1.4Hz,1H),8.01-8.04(m,2H),8.77-8.80(m,5H),8.85(d,J=8.3Hz,1H),8.93(t,J=1.7Hz,1H),9.12(t,J=1.7Hz,1H).
得られた化合物ETL-4のガラス転移温度は108℃、結晶化温度は207℃、融点は260℃であった。尚、DSC測定は本願の合成実施例-1と同じ条件にて行った。
(基板1、陽極2の用意)
陽極2をその表面に備えた基板1として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。なお、各有機材料は抵抗加熱方式により成膜した。
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンと1,2,3-トリス[(4-シアノ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンとを99:1(質量比)の割合で10nm成膜し、正孔注入3を作製した。成膜速度は0.1nm/秒の速度であった。
昇華精製したN-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミンを0.2nm/秒の速度で85nm成膜し、第一正孔輸送層41を作製した。
昇華精製したN-フェニル-N-(9,9-ジフェニルフルオレン-2-イル)-N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)アミンを0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第二正孔輸送層42を作製した。
昇華精製した3-(10-フェニル-9-アントリル)-ジベンゾフランと2,7-ビス[N,N-ジ-(4-tertブチルフェニル)]アミノ-ビスベンゾフラノ-9,9’-スピロフルオレンとを95:5(質量比)の割合で20nm成膜し、発光層5を作製した。成膜速度は0.1nm/秒であった。
昇華精製した2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを0.05nm/秒の速度で6nm成膜し、正孔阻止層9を作製した。
合成実施例-3で合成した4,6-ジフェニル-2-[3’-(フェナントレン-9-イル)-5-(2-フェニルピリジン-3-イル)-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物 A-22)及び8-ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、電子輸送層6を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
Liqを0.02nm/秒の速度で1nm成膜し、電子注入層7を作製した。
最後に、基板1上のITOストライプ(陽極2)と直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
素子実施例-1において、電子輸送層6に、4,6-ジフェニル-2-[3’-(フェナントレン-9-イル)-5-(2-フェニルピリジン-3-イル)-ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物 A-22)及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、ETL-3及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
発光特性として、電流密度10mA/cm2を流した時の電圧(V)、発光効率(cd/A)を測定し、連続点灯時の素子寿命を測定した。当該素子寿命は初期輝度を1000cd/m2で駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m2)が3%減じるまでに要した時間を測定した。なお、電圧(V)、発光効率(cd/A)及び寿命の値は、素子参考例-1を100とした時の相対値で表した。結果を表1に示す。
正孔阻止層9に、2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを6nm成膜(成膜速度0.05nm/秒)する代わりに、2-[3-(フェナントレン-9-イル)-1,1’:3’,1’’:2’’,1’’’-クアテルフェニル-5’-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(化合物 A-1)を6nm成膜(成膜速度0.05nm/秒)し、
電子輸送層6に、4,6-ジフェニル-2-[3’-(フェナントレン-9-イル)-5-(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物 ETL-3)及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、4’-{4-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル]-1-ナフタレニル}-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボニトリル及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
素子実施例-1において、
正孔阻止層9に、2-[3’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-3-イル]-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを6nm成膜(成膜速度0.05nm/秒)する代わりに、4,6-ジフェニル-2-[3-(フェナントレン-9-イル)-1,1’:3’,1’’テルフェニル-5’-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物 ETL-2)を6nm成膜(成膜速度0.05nm/秒)し、
電子輸送層6に、4,6-ジフェニル-2-[3’-(フェナントレン-9-イル)-5-(2-ピリジル)ビフェニル-3-イル]-1,3,5-トリアジン(化合物 ETL-3)及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)する代わりに、4’-{4-[4-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)フェニル]-1-ナフタレニル}-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボニトリル及びLiqを50:50(質量比)の割合で25nm成膜(成膜速度0.15nm/秒)した以外は、素子実施例-1と同じ方法で有機電界発光素子を作製した。
発光特性として、電流密度10mA/cm2を流した時の電圧(V)、発光効率(cd/A)を測定した。更に、当該素子を初期輝度1000cd/m2で駆動させ、連続点灯時の輝度減衰率を測定した結果、素子実施例-2及び素子参考例-2は200時間駆動させても輝度減衰率が10%以内であることが確認できた。なお、電圧(V)及び発光効率(cd/A)の値は、素子参考例-2を100とした時の相対値で表した。結果を表2に示す。
2.陽極
3.正孔注入層
4.正孔輸送層
5.発光層
6.電子輸送層
7.電子注入層
8.陰極
9.正孔阻止層
51.第一の正孔輸送層
52.第二の正孔輸送層
100.有機電界発光素子
Claims (7)
- Ar1及びAr2が、同一の基である請求項1に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用電子輸送材料。
- Ar1及びAr2が、フェニル基である請求項1又は2に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用電子輸送材料。
- Ar3が、9-フェナントリル基、9,9-ジメチルフルオレン-2-イル基、2-ジベンゾチオフェニル基又は2-ジベンゾフラニル基である請求項1から3のいずれか1項に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用電子輸送材料。
- Ar3が、トリフェニレニル基である請求項1から3のいずれか1項に記載のトリアジン化合物を含有する、有機電界発光素子用電子輸送材料。
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