JP2020158441A - 有機電界発光素子に用いる環状アジン化合物 - Google Patents

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史成 上原
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Shusuke Aihara
秀典 相原
拓也 山縣
Takuya Yamagata
拓也 山縣
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Takeo Nakano
健央 中野
直輝 早川
Naoki Hayakawa
直輝 早川
菜摘 中嶋
Natsumi NAKAJIMA
菜摘 中嶋
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Yohei Ono
洋平 小野
信道 新井
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信道 新井
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Hirokazu Araya
宏和 新屋
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智宏 荘野
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桂甫 野村
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Abstract

【課題】発光効率および素子寿命に優れた有機電界発光素子の作製に資する、環状アジン化合物を提供すること。【解決手段】式(1)で示される特定の構造を有する環状アジン化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、環状アジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用電子輸送材料に関する。
有機電界発光素子は、小型のディスプレイだけでなく大型テレビや照明等の用途へ用いられており、その開発が精力的に行われている。
例えば特許文献1は、有機電界発光素子用材料として、耐熱性に優れ、発光効率、素子寿命および駆動電圧の点で優れた有機電界発光素子の提供に資する、環状アジン化合物を開示している。
特開2011−063584号公報
近年の有機電界発光素子に対する市場からの要求は益々高くなり、発光効率特性、素子寿命、駆動電圧のいずれにおいても優れた材料が求められている。
ここで、特許文献1で開示された環状アジン化合物を用いた有機電界発光素子は、優れた発光効率を発揮するものの、素子寿命についてはさらなる改善が求められている。
本発明の一態様は、発光効率および素子寿命に優れた有機電界発光素子の作製に資する、環状アジン化合物、ならびに、該環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用電子輸送材料を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる環状アジン化合物は、式(1)で示される環状アジン化合物である:
Figure 2020158441
式中、
Arは、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、またはジベンゾチエニル基を表す;
Arで表される基は、フェニル基又はメチル基で置換されていてもよい。
本発明の他の態様にかかる有機電界発光素子用材料は、上記環状アジン化合物を含む。
本発明のさらにその他の態様にかかる有機電界発光素子用電子輸送材料は、上記環状アジン化合物を含む。
本発明の一態様によれば、発光効率および素子寿命に優れた有機電界発光素子の作製に資する環状アジン化合物、ならびに、該環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用電子輸送材料を提供することができる。
本発明の一態様にかかる環状アジン化合物を含む有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の一態様にかかる環状アジン化合物を含む有機電界発光素子の積層構成の一例(素子実施例−1)を示す概略断面図である。
以下、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物について詳細に説明する。
<環状アジン化合物>
本発明の一態様にかかる環状アジン化合物(以下、「環状アジン化合物(1)」とも称する。)は、式(1)で示される環状アジン化合物である:
Figure 2020158441
式中、
Arは、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、またはジベンゾチエニル基を表す;
Arで表される基は、フェニル基又はメチル基で置換されていてもよい。
環状アジン化合物(1)は、有機電界発光素子(OLED;Organic Light Emitting Diode)の構成成分の一部として用いると、高発光効率化、および長寿命化の効果が得られる。特に、環状アジン化合物(1)を電子輸送層として用いた場合にこれらの効果がより一層発現する。
Arで表わされる基の具体例としては、以下に示す(1)〜(14)の基等が好ましい例として挙げられる。
(1):1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フェニルナフタレン−1−イル基、3−フェニルナフタレン−1−イル基、4−フェニルナフタレン−1−イル基、5−フェニルナフタレン−1−イル基、6−フェニルナフタレン−1−イル基、7−フェニルナフタレン−1−イル基、8−フェニルナフタレン−1−イル基、1−フェニルナフタレン−2−イル基、3−フェニルナフタレン−2−イル基、4−フェニルナフタレン−2−イル基、5−フェニルナフタレン−2−イル基、6−フェニルナフタレン−2−イル基、7−フェニルナフタレン−2−イル基、8−フェニルナフタレン−2−イル基、2−メチルナフタレン−1−イル基、3−メチルナフタレン−1−イル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、5−メチルナフタレン−1−イル基、6−メチルナフタレン−1−イル基、7−メチルナフタレン−1−イル基、8−メチルナフタレン−1−イル基、1−メチルナフタレン−2−イル基、3−メチルナフタレン−2−イル基、4−メチルナフタレン−2−イル基、5−メチルナフタレン−2−イル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、7−メチルナフタレン−2−イル基、8−メチルナフタレン−2−イル基
(2):1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレン−1−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−3−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−4−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−1−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−3−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル基
(3):フルオランテン−1−イル基、フルオランテン−2−イル基、フルオランテン−3−イル基、フルオランテン−7−イル基、フルオランテン−8−イル基
(4):トリフェニレン−1−イル基、トリフェニレン−2−イル基
(5):ベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチオフェン−3−イル基、ベンゾチオフェン−4−イル基、ベンゾチオフェン−5−イル基、ベンゾチオフェン−6−イル基、ベンゾチオフェン−7−イル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、ベンゾフラン−4−イル基、ベンゾフラン−5−イル基、ベンゾフラン−6−イル基、ベンゾフラン−7−イル基、ジベンゾチオフェン−1−イル基、ジベンゾチオフェン−2−イル基、ジベンゾチオフェン−3−イル基、ジベンゾチオフェン−4−イル基、ジベンゾフラン−1−イル基、ジベンゾフラン−2−イル基、ジベンゾフラン−3−イル基、ジベンゾフラン−4−イル基
(6):3−メチルベンゾチオフェン−2−イル基、4−メチルベンゾチオフェン−2−イル基、5−メチルベンゾチオフェン−2−イル基、6−メチルベンゾチオフェン−2−イル基、7−メチルベンゾチオフェン−2−イル基、2−メチルベンゾチオフェン−3−イル基、4−メチルベンゾチオフェン−3−イル基、5−メチルベンゾチオフェン−3−イル基、6−メチルベンゾチオフェン−3−イル基、7−メチルベンゾチオフェン−3−イル基、2−メチルベンゾチオフェン−4−イル基、3−メチルベンゾチオフェン−4−イル基、5−メチルベンゾチオフェン−4−イル基、6−メチルベンゾチオフェン−4−イル基、7−メチルベンゾチオフェン−4−イル基、2−メチルベンゾチオフェン−5−イル基、3−メチルベンゾチオフェン−5−イル基、4−メチルベンゾチオフェン−5−イル基、6−メチルベンゾチオフェン−5−イル基、7−メチルベンゾチオフェン−5−イル基、2−メチルベンゾチオフェン−6−イル基、3−メチルベンゾチオフェン−6−イル基、4−メチルベンゾチオフェン−6−イル基、5−メチルベンゾチオフェン−6−イル基、7−メチルベンゾチオフェン−6−イル基、2−メチルベンゾチオフェン−7−イル基、3−メチルベンゾチオフェン−7−イル基、4−メチルベンゾチオフェン−7−イル基、5−メチルベンゾチオフェン−7−イル基、6−メチルベンゾチオフェン−7−イル基
(7):3−メチルベンゾフラン−2−イル基、4−メチルベンゾフラン−2−イル基、5−メチルベンゾフラン−2−イル基、6−メチルベンゾフラン−2−イル基、7−メチルベンゾフラン−2−イル基、2−メチルベンゾフラン−3−イル基、4−メチルベンゾフラン−3−イル基、5−メチルベンゾフラン−3−イル基、6−メチルベンゾフラン−3−イル基、7−メチルベンゾフラン−3−イル基、2−メチルベンゾフラン−4−イル基、3−メチルベンゾフラン−4−イル基、5−メチルベンゾフラン−4−イル基、6−メチルベンゾフラン−4−イル基、7−メチルベンゾフラン−4−イル基、2−メチルベンゾフラン−5−イル基、3−メチルベンゾフラン−5−イル基、4−メチルベンゾフラン−5−イル基、6−メチルベンゾフラン−5−イル基、7−メチルベンゾフラン−5−イル基、2−メチルベンゾフラン−6−イル基、3−メチルベンゾフラン−6−イル基、4−メチルベンゾフラン−6−イル基、5−メチルベンゾフラン−6−イル基、7−メチルベンゾフラン−6−イル基、2−メチルベンゾフラン−7−イル基、3−メチルベンゾフラン−7−イル基、4−メチルベンゾフラン−7−イル基、5−メチルベンゾフラン−7−イル基、6−メチルベンゾフラン−7−イル基
(8):2−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、3−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、4−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、6−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、7−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、8−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、9−メチルジベンゾチオフェン−1−イル基、1−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、3−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、4−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、6−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、7−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、8−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、9−メチルジベンゾチオフェン−2−イル基、1−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、2−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、4−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、6−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、7−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、8−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、9−メチルジベンゾチオフェン−3−イル基、1−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、2−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、3−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、6−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、7−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、8−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基、9−メチルジベンゾチオフェン−4−イル基
(9):2−メチルジベンゾフラン−1−イル基、3−メチルジベンゾフラン−1−イル基、4−メチルジベンゾフラン−1−イル基、6−メチルジベンゾフラン−1−イル基、7−メチルジベンゾフラン−1−イル基、8−メチルジベンゾフラン−1−イル基、9−メチルジベンゾフラン−1−イル基、1−メチルジベンゾフラン−2−イル基、3−メチルジベンゾフラン−2−イル基、4−メチルジベンゾフラン−2−イル基、6−メチルジベンゾフラン−2−イル基、7−メチルジベンゾフラン−2−イル基、8−メチルジベンゾフラン−2−イル基、9−メチルジベンゾフラン−2−イル基、1−メチルジベンゾフラン−3−イル基、2−メチルジベンゾフラン−3−イル基、4−メチルジベンゾフラン−3−イル基、6−メチルジベンゾフラン−3−イル基、7−メチルジベンゾフラン−3−イル基、8−メチルジベンゾフラン−3−イル基、9−メチルジベンゾフラン−3−イル基、1−メチルジベンゾフラン−4−イル基、2−メチルジベンゾフラン−4−イル基、3−メチルジベンゾフラン−4−イル基、6−メチルジベンゾフラン−4−イル基、7−メチルジベンゾフラン−4−イル基、8−メチルジベンゾフラン−4−イル基、9−メチルジベンゾフラン−4−イル基
(10):3−フェニルベンゾチオフェン−2−イル基、4−フェニルベンゾチオフェン−2−イル基、5−フェニルベンゾチオフェン−2−イル基、6−フェニルベンゾチオフェン−2−イル基、7−フェニルベンゾチオフェン−2−イル基、2−フェニルベンゾチオフェン−3−イル基、4−フェニルベンゾチオフェン−3−イル基、5−フェニルベンゾチオフェン−3−イル基、6−フェニルベンゾチオフェン−3−イル基、7−フェニルベンゾチオフェン−3−イル基、2−フェニルベンゾチオフェン−4−イル基、3−フェニルベンゾチオフェン−4−イル基、5−フェニルベンゾチオフェン−4−イル基、6−フェニルベンゾチオフェン−4−イル基、7−フェニルベンゾチオフェン−4−イル基、2−フェニルベンゾチオフェン−5−イル基、3−フェニルベンゾチオフェン−5−イル基、4−フェニルベンゾチオフェン−5−イル基、6−フェニルベンゾチオフェン−5−イル基、7−フェニルベンゾチオフェン−5−イル基、2−フェニルベンゾチオフェン−6−イル基、3−フェニルベンゾチオフェン−6−イル基、4−フェニルベンゾチオフェン−6−イル基、5−フェニルベンゾチオフェン−6−イル基、7−フェニルベンゾチオフェン−6−イル基、2−フェニルベンゾチオフェン−7−イル基、3−フェニルベンゾチオフェン−7−イル基、4−フェニルベンゾチオフェン−7−イル基、5−フェニルベンゾチオフェン−7−イル基、6−フェニルベンゾチオフェン−7−イル基
(11):3−フェニルベンゾフラン−2−イル基、4−フェニルベンゾフラン−2−イル基、5−フェニルベンゾフラン−2−イル基、6−フェニルベンゾフラン−2−イル基、7−フェニルベンゾフラン−2−イル基、2−フェニルベンゾフラン−3−イル基、4−フェニルベンゾフラン−3−イル基、5−フェニルベンゾフラン−3−イル基、6−フェニルベンゾフラン−3−イル基、7−フェニルベンゾフラン−3−イル基、2−フェニルベンゾフラン−4−イル基、3−フェニルベンゾフラン−4−イル基、5−フェニルベンゾフラン−4−イル基、6−フェニルベンゾフラン−4−イル基、7−フェニルベンゾフラン−4−イル基、2−フェニルベンゾフラン−5−イル基、3−フェニルベンゾフラン−5−イル基、4−フェニルベンゾフラン−5−イル基、6−フェニルベンゾフラン−5−イル基、7−フェニルベンゾフラン−5−イル基、2−フェニルベンゾフラン−6−イル基、3−フェニルベンゾフラン−6−イル基、4−フェニルベンゾフラン−6−イル基、5−フェニルベンゾフラン−6−イル基、7−フェニルベンゾフラン−6−イル基、2−フェニルベンゾフラン−7−イル基、3−フェニルベンゾフラン−7−イル基、4−フェニルベンゾフラン−7−イル基、5−フェニルベンゾフラン−7−イル基、6−フェニルベンゾフラン−7−イル基
(12):2−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、3−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、4−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、6−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、7−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、8−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、9−フェニルジベンゾチオフェン−1−イル基、1−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、3−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、4−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、6−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、7−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、8−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、9−フェニルジベンゾチオフェン−2−イル基、1−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、2−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、4−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、6−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、7−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、8−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、9−フェニルジベンゾチオフェン−3−イル基、1−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、2−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、3−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、6−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、7−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、8−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基、9−フェニルジベンゾチオフェン−4−イル基
(13):2−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、3−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、4−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、6−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、7−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、8−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、9−フェニルジベンゾフラン−1−イル基、1−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、3−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、4−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、6−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、7−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、8−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、9−フェニルジベンゾフラン−2−イル基、1−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、2−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、4−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、6−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、7−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、8−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、9−フェニルジベンゾフラン−3−イル基、1−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、2−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、3−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、6−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、7−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、8−フェニルジベンゾフラン−4−イル基、9−フェニルジベンゾフラン−4−イル基
(14):1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレン−1−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−3−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−4−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−1−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−3−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル基
Arが、フェニルナフタレン−イル基、ジメチルフルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基又はジベンゾチエニル基であることが特に好ましい。
[環状アジン化合物(1)の具体例]
式(1)で示される本発明の一態様にかかる環状アジン化合物のうち、特に好ましい化合物の具体例としては、次の(A−1)から(A−23)が挙げられるが、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2020158441
Figure 2020158441
これらの中でも、式(A−2)、(A−6)、(A−10)又は(A−18)で表される環状アジン化合物が好ましい。
次に環状アジン化合物(1)の製造方法について説明する。
環状アジン化合物(1)は、以下の合成経路(i)〜(iv)に示される方法で製造可能である。
Figure 2020158441
Figure 2020158441
式(2)〜(10)中、
Arの定義は、式(1)におけるArの定義と同じである;
、及びYは、各々独立に、ハロゲン原子を表す;
は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表す;
B(ORの2つのRは、同一であっても異なっていてもよい;
2つのORと、ホウ素原子と、が環を形成していてもよい。
、Y及びYで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を例示することができ、トリアジン化合物(1)の収率がよい点で、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
B(ORとしては、例えば、B(OH)、B(OMe)、B(OiPr)、B(OBu)、B(OPh)等を例示することができる。なお、Meはメチル基、iPrはイソプロピル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を示す。
2つのORと、ホウ素原子と、が環を形成している場合のB(ORの例としては、例えば、次の式(I)から(VI)で示される基が例示でき、収率がよい点で式(II)で示される基が好ましい。
Figure 2020158441
合成経路(i)〜(iv)におけるカップリング反応は、式(2)、(3)、(5)、又は(10)で表されるハロゲン化アリール化合物と、式(4)、(6)、(8)、又は(9)で表されるホウ素化合物とをパラジウム触媒及び塩基存在下に反応させる方法であり、一般的な鈴木−宮浦反応の反応条件を適用することができる。
ホウ素化合物は、例えばThe Journal of Organic Chemistry,60巻,7508頁,1995年又はThe Journal of Organic Chemistry,65巻,164頁,2000年に開示されている方法に従い製造することができる。
ハロゲン化アリールは、例えばJournal of the American Chemical Society,74巻,6289頁,1952年又はSynlett,808頁,2002年に従い、製造することができる。また、市販品を用いてもよい。ハロゲン化アリールは、反応収率がよい点で、ホウ素化合物に対して0.5〜3.0モル当量を用いることが好ましい。
合成経路(ii)及び(iv)におけるホウ素化反応は、式(2)又は(3)で表されるハロゲン化アリール化合物を、パラジウム触媒及び塩基存在下でホウ素原料(例えばピナコラートボラン、ビスピナコラートジボロンなど)を反応させて式(4)又は(6)で表されるホウ素化合物を製造する方法である。これらのホウ素化合物は、例えばThe Journal of Organic Chemistry,60巻,7508頁,1995年又はTetrahedron Letters,38巻,3447頁,1997年に開示されている方法に従い製造することができる。
前述のカップリング反応及びホウ素化反応に用いるパラジウム触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム等のパラジウム塩が挙げられる。さらに、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の錯化合物;及び、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム等の第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体;が挙げられる。これらはパラジウム塩又は錯化合物に第三級ホスフィンを添加し、反応系中で調製することもできる。
第三級ホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等が挙げられる。
中でも、第三級ホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体が、収率がよい点で好ましく、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル又はトリシクロヘキシルホスフィンを配位子として有するパラジウム錯体がさらに好ましい。
第三級ホスフィンとパラジウム塩又は錯化合物とのモル比は1:10〜10:1の範囲であることが好ましく、収率がよい点で1:2〜3:1の範囲であることがさらに好ましい。前述のカップリング反応及びホウ素化反応で用いるパラジウム触媒の量に制限はないが、収率がよい点で、パラジウム触媒のモル当量はホウ素化合物に対して0.005〜0.5モル当量の範囲にあることが好ましい。
前述のカップリング反応及びホウ素化反応に用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等の金属炭酸塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の金属酢酸塩、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等の金属リン酸塩、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等の金属フッ化物塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロピルオキシド、カリウムtert−ブトキシド等の金属アルコキシド等を挙げることができる。中でも反応収率がよい点で、金属炭酸塩又は金属リン酸塩が好ましく、炭酸カリウム又はリン酸カリウムがさらに好ましい。用いる塩基の量に特に制限はない。反応収率がよい点で、塩基とホウ素化合物とのモル比は、1:2〜10:1の範囲であることが好ましく、1:1〜4:1の範囲であることがさらに好ましい。
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は溶媒中で実施することができる。
溶媒としては、水、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、γ−ラクトン等のエステル;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)等のアミド;N,N,N’,N’−テトラメチルウレア(TMU)、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)等のウレア;ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のアルコール;等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよく、任意の比で混合して用いてもよい。溶媒の使用量に特に制限はない。これらのうち、反応収率がよい点で水、エーテル、アミド、アルコール、及びこれらの混合溶媒が好ましく、THFと水との混合溶媒、または、トルエンと1−ブタノールとの混合溶媒がさらに好ましい。
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は、0℃〜200℃から適宜選択された温度にて実施することができ、反応収率がよい点で60℃〜160℃から適宜選択された温度にて実施することが好ましい。
前述のカップリング反応及びホウ素化反応は、反応の終了後に再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華精製、分取HPLCなどの一般的な精製処理を必要に応じて適宜組み合わせることによって、目的物を得ることができる。
以下、環状アジン化合物(1)の用途について説明する。
<有機電界発光素子用材料、有機電界発光素子用電子輸送材料>
環状アジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用材料として用いることができる。また、環状アジン化合物(1)は、例えば、有機電界発光素子用電子輸送材料として用いることができる。
すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、環状アジン化合物(1)を含む。また、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用電子輸送材料は、環状アジン化合物(1)を含む。環状アジン化合物(1)を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用電子輸送材料は、耐久性および発光効率に優れた有機電界発光素子の作製に資するものである。
<有機電界発光素子>
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、環状アジン化合物(1)を含む。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)〜(vi)の構成が挙げられる。
(i):陽極/発光層/陰極
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi):陽極/正孔注入層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
以下、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子を、上記(vi)の構成を例に挙げて、図1を参照しながらより詳細に説明する。
図1は、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物を含む有機電界発光素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
なお、図1に示す有機電界発光素子は、いわゆるボトムエミッション型の素子構成を有するものであるが、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子はボトムエミッション型の素子構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、トップエミッション型の素子構成であってもよく、その他の公知の素子構成であってもよい。
有機電界発光素子100は、基板1、陽極2、正孔注入層3、電荷発生層4、正孔輸送層5、発光層6、電子輸送層7、および陰極8をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。例えば、電子輸送層7と陰極8との間に電子注入層が設けられていてもよく、電荷発生層4が省略され、正孔注入層3上に正孔輸送層5が直接設けられていてもよい。また、例えば電子注入層の機能と電子輸送層の機能とを単一の層で併せ持つ電子注入・輸送層のような、複数の層が有する機能を併せ持った単一の層を、当該複数の層の代わりに備えた構成であってもよい。さらに、例えば単層の正孔輸送層5、単層の電子輸送層7が、それぞれ複数層からなっていてもよい。
[式(1)で表される環状アジン化合物を含む層]
有機電界発光素子は、発光層、および、該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に上記式(1)で示される環状アジン化合物を含む。したがって、図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層6および電子輸送層7からなる群より選ばれる少なくとも1層に環状アジン化合物(1)を含む。特に、電子輸送層7が環状アジン化合物(1)を含むことが好ましい。なお、環状アジン化合物(1)は、有機電界発光素子が備える複数の層に含まれていてもよく、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられている場合、電子注入層が環状アジン化合物(1)を含んでいてもよい。
なお、以下においては、電子輸送層7が環状アジン化合物(1)を含む有機電界発光素子100について説明する。
[基板1]
基板としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板、プラスチックフィルムなどが挙げられる。また、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
光透過性を有するプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
[陽極2]
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通す材料で形成される。
陽極に用いられる透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、インジウム−錫酸化物(ITO;Indium Tin Oxide)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO;Indium Zinc Oxide)、酸化錫、アルミニウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム−インジウム酸化物、ニッケル−タングステン酸化物、その他の金属酸化物、窒化ガリウム等の金属窒化物、セレン化亜鉛等の金属セレン化物、および硫化亜鉛等の金属硫化物などが挙げられる。
なお、陰極側のみから光を取り出す構成の有機電界発光素子の場合、陽極の透過特性は重要ではない。したがって、この場合の陽極に用いられる材料の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
陽極上には、バッファー層(電極界面層)を設けてもよい。
[正孔注入層3、正孔輸送層5]
陽極2と後述する発光層6との間には、陽極2側から、正孔注入層3、後述する電荷発生層4、正孔輸送層5がこの順で設けられている。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層、正孔輸送層を陽極と発光層との間に介在させることによって、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入される。
また、正孔注入層、正孔輸送層は、電子障壁性の層としても機能する。すなわち、陰極から注入され、電子注入層および/または電子輸送層から発光層に輸送された電子は、発光層と正孔注入層および/または正孔輸送層との界面に存在する電子の障壁により、正孔注入層および/または正孔輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該電子が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機電界発光素子が得られる。
正孔注入層、正孔輸送層の材料としては、正孔注入性、正孔輸送性、電子障壁性の少なくともいずれかを有するものである。正孔注入層、正孔輸送層の材料は、有機物、無機物のいずれであってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の材料の具体例としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物などが挙げられる。これらの中でも、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物が好ましく、特に芳香族第三級アミン化合物が好ましい。
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入層の材料、正孔輸送層の材料の一例として挙げることができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電荷発生層4]
正孔注入層3と正孔輸送層5との間には、電荷発生層4が設けられていてもよい。
電荷発生層の材料としては特に制限はないが、例えば、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)が挙げられる。
電荷発生層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[発光層6]
正孔輸送層5と後述する電子輸送層7との間には、発光層6が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料または単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
ホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、アントリル基を有する化合物が挙げられる。より具体的には、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャルブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、2−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−9−[4−(4−フェニルフェニルキナゾリン−2−イル)カルバゾール、9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントとしては、例えば、アントラセン、ピレン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム、チアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物、等が挙げられる。蛍光ドーパントはこれらから選ばれる2種以上を組み合わせたものであってもよい。
燐光ドーパントとしては、例えば、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
蛍光ドーパント、燐光ドーパントの具体例としては、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム)、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)、Ir(PPy)3(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III))、及びFIrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)))等が挙げられる。
また、発光材料は発光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、発光材料は、発光層に隣接した層(正孔輸送層5、または電子輸送層7)が含有していてもよい。これによってさらに有機電界発光素子の発光効率を高めることができる。
発光層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[電子輸送層7]
発光層6と後述する陰極8との間には、電子輸送層7が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
電子輸送層は、前述したとおり、環状アジン化合物(1)を含むことが好ましい。
また、電子輸送層は、環状アジン化合物(1)に加えてさらに従来公知の電子輸送材料を含んでいてもよい。
なお、環状アジン化合物(1)が電子輸送層に含まれず、他の層に含まれる場合は、従来公知の電子輸送材料から選ばれる1種以上を、電子輸送層を構成する電子輸送材料として用いることができる。
従来公知の電子輸送材料としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、またはビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム、2−[3−(9−フェナントレニル)−5−(3−ピリジニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、および2−(4,’’−ジ−2−ピリジニル[1,1’:3’,1’’−テルフェニル]−5−イル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、Bphen(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム)、およびビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
電子輸送層は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
電子輸送層が、発光層側を第一電子輸送層、陰極側を第二電子輸送層とする二層構造である場合、第一電子輸送層が環状アジン化合物(1)を含むことが好ましい。
[陰極8]
電子輸送層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
陰極の材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
陰極上(電子輸送層側)には、バッファー層(電極界面層)を設けてもよい。
[各層の形成方法]
以上説明した電極(陽極、陰極)を除く各層は、それぞれの層の材料(必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に)を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
陽極および陰極は、電極材料を蒸着やスパッタリングなどの方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリングなどによって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
陽極および陰極の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。また、異なる発光色を有する本態様の有機電界発光素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
なお、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物は、既知の反応(例えば、鈴木−宮浦クロスカップリング反応など)を適切に組み合わせることにより合成可能である。
以上の本発明の一態様によれば、発光効率および素子寿命に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定して解釈されるものではない。
H−NMR測定]
H−NMR測定は、Gemini200(バリアン社製)を用いて行った。
[ガラス転移温度の測定]
ガラス転移温度の測定は、DSC7020(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて行った。
上記DSCの測定条件は以下のとおりである。なお、測定は、窒素雰囲気下(流量50ml/min)にて行った。また、ファーストヒーティング、ファーストクーリング、セカンドヒーティングの順に行い、セカンドヒーティングの際のガラス転移温度を、試料のガラス転移温度とした。
試料量 :5〜10mg
測定条件:
<ファーストヒーティング>
昇温速度:15℃/min
測定温度範囲:30℃〜360℃
<ファーストクーリング>
ドライアイスによる急冷
<セカンドヒーティング>
昇温速度:5℃/min
測定温度範囲:30℃〜360℃
[発光特性の測定]
有機電界発光素子の発光特性は、室温(25℃)下、作製した素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM−9、トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
合成実施例−1
Figure 2020158441
アルゴン雰囲気下、2−[5−クロロ−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(15.0g,30mmol)、9,9−ジメチルフルオレン−2−ボロン酸(9.36g,39mmol)、及び酢酸パラジウム(67.9mg,0.3mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(433mg,0.9mmol;X−Phos)をTHF(300mL)に溶解した。これに、2.0M−炭酸カリウム水溶液(45mL,91mmol)を加え、70℃で16時間撹拌した。放冷後、水(600mL)を加えて、析出した固体をろ別した。得られた固体を水(50mL)、エタノール(40mL)で洗浄した。この固体をトルエン(110mL)に懸濁し、120℃で撹拌したのち放冷し、析出した固体を濾別し、トルエン(10mL)、エタノール(30mL)で洗浄することで、目的の2−[5−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−10)を白色固体(収量16.6g,収率84%)として得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):8.88(t,J=1.8Hz,1H),8.80−8.77(m,5H),7.80−7.74(m,3H),7.67−7.51(m,11H),7.47(dd,J=6.0Hz,2.3Hz,1H),7.40−7.31(m,7H),7.15(d,J=1.6Hz,1H),1.54(s,6H)
化合物A−10のガラス転移温度は、117℃であった。
合成実施例−2
Figure 2020158441
アルゴン雰囲気下、4,6−ジフェニル−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(5.00g,8.5mmol)、2−ブロモジベンゾフラン(3.15g,13mmol)、酢酸パラジウム(57mg,0.25mmol)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(243mg,0.51mmol)をTHF(85mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M−炭酸カリウム水溶液(13mL,26mmol)を加え、18時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ別した。得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6−ジフェニル−2−[5−(2−ジベンゾフラニル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−18)の白色固体(収量3.71g,収率69%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ7.30−7.43(m,6H),7.48−7.65(m,14H),7.73−7.76(m,2H),8.01(d,J=7.6Hz,1H),8.76−8.79(m,5H),8.87(t,J=1.7Hz,1H).
合成実施例−3
Figure 2020158441
アルゴン雰囲気下、4,6−ジフェニル−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(4.99g,8.5mmol)、1−クロロトリフェニレン(2.90g,11.1mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(117mg,0.13mmol)及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(217mg,0.51mmol)をTHF中に懸濁した。この懸濁液に2.0M−リン酸カリウム水溶液(13mL,26mmol)を加え、80℃で12時間撹拌した。放冷後、反応混合物に酢酸エチル及び水を加えた後、有機層を抽出し、さらに有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層に硫酸ナトリウム及び活性炭を加えて撹拌した後、セライトろ過を行い、低沸点留分を減圧除去した。得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6−ジフェニル−2−[5−(1−トリフェニレニル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−13)の白色固体(収量3.40g,収率59%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.12(brt,J=7.1Hz,1H),7.19−7.26(m,1H),7.34−7.35(m,4H)7.40(dd,J=7.2,1.1Hz,1H),7.43−7.60(m,10H),7.54(brd,J=7.5Hz,2H),7.64−7.70(m,3H),7.86(brd,J=7.6Hz,1H),8.56(dd,J=1.7,1.7Hz,1H),8.57(brd,J=7.3Hz,1H),8.63−8.68(m,2H),8.64(brd,J=6.9Hz,4H),8.69(d,J=7.3Hz,2H).
合成実施例−4
Figure 2020158441
アルゴン雰囲気下、4,6−ジフェニル−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(5.00g,8.5mmol)、2−ブロモトリフェニレン(3.40g,11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(120mg,0.13mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(222mg,0.51mmol)、及び2.0M−リン酸カリウム(13mL,26mmol)をTHF(85mL)に懸濁させ、80℃で16時間攪拌した。放冷後、メタノールと水を加え、析出した固体をろ別し、さらに水、メタノールで固体を洗浄した。得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで目的の4,6−ジフェニル−2−[5−(2−トリフェニレニル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−14)の白色固体(収量5.20g,収率89%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm):7.17−7.18(m,1H),7.39−7.41(m,4H),7.52−7.64(m,9H),7.68−7.77(m,6H),7.82(dd,J=8.5,1.8Hz,1H),8.49(d,J=1.8Hz,1H),8.64(dd,J=7.5,1.8Hz,1H),8.73(d,J=8.6Hz,1H),8.67−8.70(m,3H),8.80(dd,J=8.3,1.8Hz,4H),8.83(t,J=1.6Hz,1H),9.02(t,J=1.7Hz,1H).
合成実施例−5
Figure 2020158441
アルゴン雰囲気下、4,6−ジフェニル−2−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(5.00g,8.5mmol)、6−フェニル−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシナフタレン(3.92g,11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(117mg,0.13mmol)、2−ジシクロへキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(243mg,0.51mmol)をTHF(85mL)に懸濁した。この懸濁液に2.0M−リン酸カリウム水溶液(13mL,26mmol)を加え、21時間加熱還流した。放冷後、反応混合物に水及びメタノールを加え、析出した固体をろ別した。得られた固体を再結晶(トルエン)により精製することで、目的の4,6−ジフェニル−2−[5−(6−フェニルナフタレン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−6)の白色固体(収量4.63g,収率82%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ7.28−7.36(m,5H),7.40(tt,J=1.8,7.4Hz,1H),7.49−7.68(m,13H),7.73−7.77(m,4H),7.80(dd,J=1.8,8.5Hz,1H),7.95(d,J=8.5Hz,1H),7.96(d,J=8.5Hz,1H),8.07(d,J=1.2Hz,1H),8.74−8.82(m,5H),8.94(t,J=1.6Hz,1H).
化合物A−6のガラス転移温度は、111℃であった。
合成参考例−1
Figure 2020158441
窒素気流下、2−[3−クロロ−5−(9−フェナントレニル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(1.00g,1.9mmol)、フェニルボロン酸(282mg,2.3mmol)、酢酸パラジウム(13mg,0.06mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(55mg、0.12mmol)、及び2.0M−リン酸三カリウム水溶液(3mL,5.8mmol)を1,4−ジオキサン(50mL)に懸濁した後、95℃で6時間撹拌した。放冷後、反応混合物に水(100mL)を加え、析出した固体をろ別した。得られた固体を水、メタノール、次いでヘキサンで洗浄し、灰色粉末を得た。得られた灰色粉末を再結晶(トルエン)により精製することで、目的物である4,6−ジフェニル−2−[5−(9−フェナントレニル)−ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物 ETL−1)の灰色粉末(収量0.70g,収率65%,LC純度99.60%)を得た。
次に素子評価について記載する。
素子実施例−1(図2参照)
(基板101、陽極102の用意)
陽極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。
(正孔注入層103の作製)
昇華精製したN−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンと1,2,3−トリス[(4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)メチレン]シクロプロパンを0.15nm/秒の速度で55nm成膜し、正孔注入層を作製した。
(第一正孔輸送層1051の作製)
N−[1,1’−ビフェニル]−4−イル−9,9−ジメチル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9H−フルオレン−2−アミンを0.15nm/秒の速度で10nm成膜し、第一正孔輸送層を作製した。
(第二正孔輸送層1052の作製)
N−フェニル−N−(9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル)−N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)アミンを0.15nm/秒の速度で10nm成膜し、第二正孔輸送層を作製した。
(発光層106の作製)
3−(10−フェニル−9−アントリル)−ジベンゾフランと2,7−ビス[N,N−ジ−(4−tertブチルフェニル)]アミノ−ビスベンゾフラノ−9,9’−スピロフルオレンを95:5(質量比)の割合で25nm成膜し、発光層を作製した。成膜速度は0.18nm/秒であった。
(第一電子輸送層1071の作製)
合成実施例−1で合成した2−[5−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(化合物A−10)を0.15nm/秒の速度で5nm成膜し、第一電子輸送層71を作製した。
(第二電子輸送層1072の作製)
昇華精製した2−{3−(2,6−ジメチルピリジン−3−イル)−5−(9−フェナントリル)フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジンおよび8−ヒドロキシキノリノラートリチウム(以下、Liq)を50:50(質量比)の割合で25nm成膜し、第二電子輸送層71を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
(陰極108の作製)
最後に、基板上のITOストライプと直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
以上により、図2に示すような発光面積4mm有機電界発光素子100を作製した。なお、それぞれの膜厚は、触針式膜厚測定計(DEKTAK、Bruker社製)で測定した。
さらに、この素子を酸素および水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、ガラス製の封止キャップと成膜基板(素子)とを、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)を用いて行った。
上記のようにして作製した有機電界発光素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM−9、トプコンテクノハウス社製)を用いて発光特性を評価した。発光特性として、電流密度10mA/cmを流した時の発光効率(cd/A)を測定した。なお、表1の素子寿命(h)は、作製した素子を初期輝度1000cd/mで駆動したときの連続点灯時の輝度減衰時間を測定し、輝度(cd/m)が5%減じるまでに要した時間を測定した。なお、発光効率は、後述の素子参考例1における結果を基準値(100)とした相対値である。得られた測定結果を表1に示す。
素子実施例−2
素子実施例−1において、化合物A−10の代わりに、合成実施例−2で合成した4,6−ジフェニル−2−[5−(3−ジベンゾフラニル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−18)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
素子実施例−3
素子実施例−1において、化合物A−10の代わりに、合成実施例−5で合成した4,6−ジフェニル−2−[5−(6−フェニルナフタレン−2−イル)−1,1’:2’,1”−テルフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物A−6)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
素子参考例−1
素子実施例−1において、化合物A−10の代わりに合成参考例−1で合成した4,6−ジフェニル−2−[5−(9−フェナントレニル)−ビフェニル−3−イル]−1,3,5−トリアジン(化合物 ETL−1)を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
Figure 2020158441
素子実施例1〜3によれば、素子参考例−1と同程度の優れた発光効率の有機電界発光素子が得られた。
また、素子実施例−1〜3によれば、素子参考例−1と比較して極めて優れた素子寿命の有機電界発光素子が得られた。
したがって、本発明の一態様にかかる環状アミン化合物は、発光効率および素子寿命に優れた有機電界発光素子の作製に資する有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用電子輸送材料に利用できる。さらに、本発明の一態様にかかる環状アジン化合物によれば、発光効率および長寿命性に優れる有機電界発光素子を提供することができる。
1,101 基板
2,102 陽極
3,103 正孔注入層
4 電荷発生層
5,105 正孔輸送層
6,106 発光層
7,107 電子輸送層
8,108 陰極
51,1051 第一正孔輸送層
52,1052 第二正孔輸送層
71,1071 第一電子輸送層
72,1072 第二電子輸送層
100 有機電界発光素子

Claims (5)

  1. 式(1)で示される環状アジン化合物:
    Figure 2020158441
    式中、
    Arは、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、またはジベンゾチエニル基を表す;
    Arで表される基は、フェニル基又はメチル基で置換されていてもよい。
  2. Arが、フェニルナフタレン−イル基、ジメチルフルオレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基又はジベンゾチエニル基である、請求項1に記載の環状アジン化合物。
  3. 式(A−2)、(A−6)、(A−10)又は(A−18)で表される、請求項1に記載の環状アジン化合物:
    Figure 2020158441
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用材料。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状アジン化合物を含む有機電界発光素子用電子輸送材料。
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