JP5590892B2 - ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式c8h17coohのカルボン酸とのジエステルの混合物、前記ジエステルの製造方法並びに前記混合物の使用 - Google Patents

ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式c8h17coohのカルボン酸とのジエステルの混合物、前記ジエステルの製造方法並びに前記混合物の使用 Download PDF

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Description

本発明は、ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式C817COOHとのジエステルの、特に前記カルボン酸のイソソルビドエステルの混合物に関する。同様に、本発明は、かかるエステルもしくは混合物の製造方法並びにその使用に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は、経済的に最も重要なポリマーの一つである。硬質PVCとしても、軟質PVCとしても多岐にわたり使用されている。
軟質PVCの製造のためには、PVCに可塑剤が添加され、その際、大多数の場合において、フタル酸エステル、特にジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)及びジイソデシルフタレート(DIDP)が使用されている。その他に、例えば脂環式のポリカルボン酸エステル、例えばシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸のエステルも、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)及びポリオレフィンなどのプラスチック用の可塑剤として使用される。それというのも、それらのエステルは、健康障害に関して、相応のフタル酸エステルよりも問題がないと見なされているからである。更に、上述のエステルは、潤滑油成分として又は金属加工における助剤として使用することができる。
上述の芳香族のもしくは脂肪族のポリカルボン酸エステルは、限られた可用性しか示さない化石原料を完全に基礎としている。化石資源の保護のために、従って、少なくとも部分的に後に続く原料を基礎とするポリカルボン酸エステルが要求されている。
WO99/45060号から、イソソルビド誘導体、特にまたイソソルビドエステルを、例えばポリ塩化ビニル(PVC)用の可塑剤として用いる使用が知られている。該エステルの製造のために、イソソルビドは、相応のカルボン酸と反応させる。そのカルボン酸基は、3〜12個の炭素原子を有してよく、その際、可能なカルボン酸基としては、ブタノイル、ヘキサノイル、2−エチルヘキサノイル、オクタノイル及びデカノイルが明確に挙げられている。実施例において、イソソルビド−ジオクタノエート、イソソルビド−ジブタノエート、イソソルビド−ジヘキサノエート及びイソソルビド−ビス(2−エチルヘキサノエート)が記載されている。
WO01/83488号において、イソソルビドエステルの製造方法であって、ジアンヒドログリシトール、モノアンヒドログリシトールもしくはグリシトールを、好ましくは3〜20個の炭素原子を有する相応のカルボン酸と、マクロ孔質の酸性イオン交換体樹脂の存在下で反応させる製造方法が記載されている。その際、((ジ)アンヒドロ)グリシトールとカルボン酸とのモル比は、2〜5である。その発明の詳細な説明においては、分枝鎖状もしくは非分枝鎖状の酸との反応を行うことができると説明されている。例えば、可能な酸としては、プロパン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸もしくはデカン酸が挙げられる。実施例において、オクタン酸もしくは2−エチルヘキサン酸とイソソルビドが反応される。
公知の技術水準から出発して、本発明の課題は、可塑剤として、特にPVCの可塑化のために特に適した代替的なイソソルビドエステルを提供することにあった。
市販されている2つのノナン酸であるペラルゴン酸(n−ノナン酸)及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸を、相応のジアンヒドロヘキシトール誘導体の製造のために使用する場合には、こうして得られるエステルが、制限されてのみ、PVC用の可塑剤として使用できることが突き止められた。
しかしながら、驚くべきことに、9個の炭素原子を有するカルボン酸であって少なくとも2種の構造的に異なるノナン酸の混合物を含有し、かつ好ましくは規定の分岐度を有するカルボン酸のジアンヒドロヘキシトールジエステル、特にイソソルビドジエステルが、特に良好に可塑剤として、殊にPVC用の可塑剤として適していることが判明した。
従って、本発明の対象は、式I
Figure 0005590892
[式中、R1〜R8は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、基R1〜R8は、同一もしくは異なってよい]で示される、ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式C817COOHのカルボン酸とのジエステルを含有する混合物であって、該混合物中に、存在するカルボン酸基C817COOの少なくとも1つの構成において異なる少なくとも2種の異なるジエステルIが含まれていることを特徴とする混合物である。
同様に、本発明の対象は、式Iの複数のジエステルの製造方法において、式II
Figure 0005590892
[式中、基R1〜R8は、式Iに挙げられる意味を有する]の6価アルコール及び/又は式IIのアルコールのアンヒドロ誘導体もしくはジアンヒドロ誘導体を、実験式C817COOHの少なくとも2種の異なるカルボン酸を有する混合物と反応させることを特徴とする製造方法である。
更に、本発明の対象は、本発明による混合物を、染料、インキもしくは塗料において、プラスチゾル、接着剤もしくは接着剤成分において、シールコンパウンドにおいて、プラスチックもしくはプラスチック成分における可塑剤として、溶剤として、潤滑油成分として、及び金属加工における助剤として用いる使用並びにPVCと100質量部のPVC当たり5〜250質量部の本発明による混合物とを含有するPVC組成物もしくはプラスチゾルである。
本発明による混合物は、部分的に次代を担う原料を基礎とし、従って今後も可用性が保証されるという利点を有する。初期の調査によれば、イソソルビドジアルカノイルエステルは、また、一般に好ましい毒性学的特性を有する(van Haevren他,ACS Symposium series 2006,Vol921,第99〜115頁)。更に、酸基中に第4級のC原子が存在しないか又は少数しか存在しない場合については、良好な生分解性を期待することができる。
1種だけのカルボン酸異性体を基礎とするか、あるいはそのカルボン酸基が0.7未満の分岐度を有する、式Iの化合物を含有する混合物に対して、本発明による混合物は、一般に、PVCとのより良好な混合可能性の点で優れている。例えば、n−ノナン酸(ペラルゴン酸)のイソソルビドジエステルは室温で固形であり、これはプラスチゾル用途での使用を困難にし、あるいは除外する。分岐度が2.0を超えるカルボン酸基を有する式Iの化合物を含有する混合物に対して、本発明による混合物は、明らかに改善された低温特性(低温でのプラスチックの可撓性)及びプラスチゾル中でのより低い粘度の点で優れている。
本発明の範囲でイソノナン酸もしくはイソノナノールについて報告される場合に、それらは、常に、ノナン酸もしくはノナノールの異性体又は異性体の混合物を表す。従って、イソノナン酸もしくはイソノナノールは、分岐した異性体も、分岐していない異性体も示すことができる。
式I
Figure 0005590892
[式中、R1〜R8は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、基R1〜R8は、同一もしくは異なってよい]で示される、ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式C817COOHのカルボン酸とのジエステルを含有する本発明の混合物は、該混合物中に、存在するカルボン酸基C817COOの少なくとも1つ及び/又は2種の存在するカルボン酸基C817COOの構成において異なる少なくとも2種の異なるジエステルIが含まれていることを特徴とする。該混合物は、その際、一方もしくは両方のカルボン酸基が、分岐していないカルボン酸基、一分岐した及び/又は多分岐したカルボン酸基であるジエステルを示すことができる。
好ましくは、本発明による混合物は、ジエステル混合物の鹸化によって得られた実験式C817COOHの異なる構成式を有する少なくとも2種のカルボン酸を有し、その際、該混合物中に存在するどのカルボン酸も、95モル%より高い割合、好ましくは少なくとも90モル%の割合を有さないという構成となっている。
本発明による混合物中に含まれる式Iのジエステルの鹸化によって得られた実験式C817COOHのカルボン酸が、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、特に好ましくは1モル%未満の、殊に好ましくは0.0001〜1モル%の3,5,5−トリメチルヘキサン酸又は他の三置換されたノナン酸、特に第4級のC原子を有するノナン酸を有することが好ましいことがある。
好ましくは、本発明による式Iのジエステルの混合物の鹸化によって得られる実験式C817COOHのカルボン酸の混合物は、1モル%未満の、好ましくは0.001モル%未満の、第4級炭素原子を有する酸を有するが、有利には前記の酸を有さない。これは、相応の酸もしくはエステルがより容易に生分解可能であるため、より良好な生態学的収支を示すという利点を有する。
更に、本発明による混合物中に含まれる式Iのジエステルの鹸化によって得られる実験式C817COOHのカルボン酸は、1〜85%の、特に1〜50%の、好ましくは2〜20%のn−ノナン酸を有することが好ましいことがある。
式Iのジエステルの鹸化は、通常の方法に従って、アルカリ性の媒体での転化によって実施できる(例えばウールマンの工業化学事典、第5版、A10、第254〜260頁、1986を参照)。得られた混合物中のカルボン酸の含有率、特に3,5,5−トリメチルヘキサン酸の含有率の測定は、通常の様式で、例えばガスクロマトグラフィーによる分析法(GC)によって、好ましくはメチルエステルもしくはシリルエステルへの誘導体化後に行うことができる。
特に好ましくは、混合物中に含まれるジエステルの実験式C817COOのカルボン酸基は、平均分岐度0.7〜2.0、好ましくは0.9〜1.9、有利には1.0〜1.8、特に有利には1.2〜1.7を有する。カルボン酸基は、その際、実験式C817COOHのカルボン酸の2種もしくはそれ以上の異性体の混合物を基礎とするものである。
平均分岐度の測定は、実験式C817COOHのカルボン酸のイソソルビドジエステルの場合のように、もっぱら、環上で非置換のジエステルが存在する場合には、1H−NMR法によって行うことができる。本発明による方法によれば、分岐度の測定は、好ましくは、該ジエステルを重クロロホルム(CDCl3)中に溶かした溶液での1H−NMR分光法によって行われる。スペクトルの記録のために、例えば20mgの物質を0.6mlのCDCl3(1質量%のTMSを含む)中に溶解させて、直径5mmを有するNMRチューブに充填してよい。調査されるべき物質と使用されるCDCl3のいずれも、存在する場合がある水により測定値が狂うのを排除するために、まずモレキュラーシーブを介して乾燥させてよい。分岐度の測定方法は、例えばWO03/029339号に記載されるアルコール基の特性決定のための他の方法に対して好ましい。それというのも、水による汚染は、実質的に測定結果及びその評価には影響しないからである。部分的にα−分岐したイソノナン酸の場合での2.3ppm付近のシグナルグループは、−CH2−COORの他にも−CH−COOR基を表すので、参照として、イソソルビドのエステル化されたOCH基のシグナルグループは、5.3ppmと5.5ppmの間で考慮される。NMR分光法による調査は、原則的に、あらゆる商慣習のNMR機器を用いて実施することができる。本願のNMR分光法による調査のためには、Brucker社製のAvance 500型の機器が使用された。スペクトルは、303Kの温度でdl=5秒のディレイ(遅延)、32スキャン(回数)、30゜プラス及び10000Hzのスイープ幅(スペクトル幅)と5mmのBBOプローブヘッド(road and bserver;ブロードバンドオブザーバ)で記録された。共鳴シグナルは、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS=0ppm)の化学シフトに対して記録される。他の商慣習のNMR機器を用いて、同じ運転パラメータで同等の結果が得られる。
イソソルビドのジエステルの混合物の得られた1H−NMRは、0.5ppmから、0.9〜1.1ppmの範囲の最小の谷間の最小値までの範囲において、カルボン酸基のメチル基の水素原子のシグナルによって形成される共鳴シグナルを示す。3.5ppm〜5.5ppmの化学シフトの範囲でのシグナルは、イソソルビド本体のシグナルに属し、その際、そのシグナルは、部分的に、全体で8個のプロトンの個々のシグナルの重ね合わせである(1+1):1:1:(1+1+1):1。定量化は、それぞれの共鳴シグナルの下方の面積、すなわちは基線のシグナルによって取り囲まれた面積の測定によって行われる。商慣習のNMR機器は、シグナル面積の積分のための装置を有する。本願のNMR分光法による調査においては、積分は、ソフトウェア"xwinnmr"のバージョン3.5を用いて実施された。引き続き、0.5ppmから、0.9ppm〜1.1ppmの範囲にある最小の谷間の最小値までの範囲のシグナル(=I(CH3))の積分値と、5.0ppm〜5.3ppmの範囲のシグナル(=I(OCH))の積分値の比を取り、それぞれ相応のプロトンの数によって除算する。メチル基1つ当たり3つの水素原子が存在し、かつそれぞれの分子が2つのC9酸基を含むので、CH3基シグナルの強度は6によって割らねばならない;分子1つ当たりに2つのエステル化されたイソソルビドのOCH基が存在するため、イソノナノイル基1つ当たりのメチル基の数を得るためには、このシグナルを2によって割らねばならない。メチル末端基を1つだけしか有さない直鎖状の第一級のノナン酸は分岐を含まず、従って分岐度0を示すはずなので、この値から、さらに1の大きさを減ざねばならない。
従って、分岐度Vは、以下の式に従って、測定された強度比から計算することができる:
Figure 0005590892
Vは、平均分岐度、すなわちC9酸基1つ当たりの分岐の数であり、
I(CH3)は、メチル水素原子に属している、0.5ppm〜約1.0ppmの面積分であり、
I(OCH)は、イソソルビドのエステル化されたOCH基の、5.0〜5.3ppmの面積分である。
選択的に、分岐度の測定は、また、エステル化のために使用されるカルボン酸をメチルエステルに変換し、次いで前記の方法と同様に、アルキル基のメチル基に属するシグナルの強度(I(CH3))を、エステル基のメトキシシグナルの強度(I(OCH3))に対して測定し、そして両者の互いの比を取ることによって行うことができる。この方法は、環上で置換されたジエステルでも使用できるという利点を有する。分岐度は、この手順では、以下の式:
Figure 0005590892
により決定できる。
式Iのジエステル、特にイソソルビドエステルが、可能な限り大きな使用範囲を有するためには、該ジエステルは、好ましくは室温で液状であり、かつできる限り低粘度であることが望ましい。フタル酸エステルでは、その粘度は、使用されるノニルアルコール(C9−アルコール)もしくはノニルアルコール混合物(C9−アルコール混合物)の線形性が高まるほど低下する。従って、ジ−n−ノニルフタレートは、非常に低い粘度を有し、従って非常に容易に加工することができる。驚くべきことに、式Iの複数のジエステル、特に複数のイソソルビドエステルの場合には、全く別の事情となることが判明した。イソソルビドとペラルゴン酸(n−ノナン酸)とがエステル化される場合に、生ずる可塑剤は室温で固体(示差走査熱量測定法DSCでの特有の測定によるMpは27℃、"開始")であるため、従って例えば主なプラスチゾル用途のために是認できる追加費用なくして使用できない。更に、同様に市販されている3,5,5−トリメチルヘキサン酸のジエステルは室温でなおも非常に制限されてのみ流動可能であるにすぎない(融点21.7℃、DSC測定での"開始")。それに対して、実験式C817COOHの少なくとも2種の異なるカルボン酸を基礎とする、本発明による式Iのジエステル、特にイソソルビドジエステルは、流動性に優れており、かつ実施例に示されるように、良好な応用技術的特性を示す。特に極めて適しているのは、殊に、実験式C817COOHのカルボン酸であって1−ブテンもしくは2−ブテンの二量体から製造されたカルボン酸の混合物を基礎とする、式Iのかかるジエステル、特にイソソルビドジエステルである。
本発明による式Iのジエステルの混合物は、種々の構成を有してよい:
a)本発明による混合物は、もっぱら、全てが同一の式Iの二環式の下位構造を有し、かつ個々のジエステル異性体が、異なる構造のカルボン酸基の点でのみ異なるにすぎないジエステルを有してよい。かかる混合物は、従って、全てが同一のジアンヒドロヘキシトール誘導体−基本骨格を有するジエステル異性体からなる。異性は、少なくとも2つの異なるC9−カルボン酸が存在するため、個々のジエステル異性体が、2つのそれぞれ同一もしくは異なるC9−カルボン酸基を有しうることにある。2つだけの異なるC9−カルボン酸しか存在しない場合には、その混合物は、それゆえ最大で4種の異なるジエステル異性体を有し、イソソルビドジエステルの場合には、最大で3種の異なるジエステル異性体を有する。
b)本発明による混合物は、例えば式Iの異なる二環式の下位構造を有する少なくとも2種のジエステル異性体であって、その立体配置の点で異なるものを有してよい。かかる混合物は、従って、異なる立体配置を有する2種もしくはそれより多くのジアンヒドロヘキシトール誘導体−基本骨格を有する、ジエステル異性体からなってよい。またしても、少なくとも2種の異なるC9−カルボン酸基が存在する。
c)本発明による混合物は、例えば種々のモル質量を有する少なくとも2種のジエステルを有してよい。かかる混合物は、種々のモル質量(基本骨格の置換によって制限される)を有する2種もしくはそれより多くのジアンヒドロヘキシトール誘導体−基本骨格を有するジエステルからなってよい。またしても、少なくとも2種の、その構成に関して異なるC9−カルボン酸基が存在する。
d)本発明による混合物は、種々のモル質量のジエステルと同様に、二環式の下位構造の種々の構成を有するジエステル異性体も有してよい。
本発明による混合物中に含まれる式Iのジエステルが、基R1〜R8がそれぞれHであるものであり、特にもっぱら基R1〜R8がそれぞれHであるものである場合が好ましいことがある。
特に好ましい本発明による混合物は、得られた式Iのジエステルが、もっぱら式Ia
Figure 0005590892
のジエステルであり、その際、二環式の基本骨格のキラル炭素原子が、互いに無関係に、RもしくはSの立体配置を取りうることを特徴とする。酸基の相対位置に応じて、式Iaのジエステルは、イソマンニド、イソイジドもしくはイソソルビドのジエステルであってよい。特に、混合物中の式Iのジエステルは、もっぱらイソソルビドのジエステルであることが好ましい。
本発明による混合物は、もっぱら式Iのジエステルからなるか、あるいは該ジエステルの他に、式Iのジエステルではない少なくとも1種のポリマー及び/又は少なくとも1種の可塑剤を有するかのいずれかであってよい。可塑剤は、例えばクエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、グリセリンエステル、グリコールジベンゾエート、アルキルベンゾエート、ジアルキルアジペート、トリアルキルトリメリテート、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート又は1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルから選択することができ、その際、4〜13個の炭素原子、好ましくは5、6、7、8、9、10、11、12もしくは13個の炭素原子を有するアルキル基を有する。可塑剤は、また、ジアンヒドロヘキシトールエステル、好ましくはイソソルビドジエステル、例えばn−酪酸もしくはイソ酪酸、吉草酸もしくは2−エチルヘキサン酸などの他のカルボン酸であってよい。本発明による混合物中に含まれていてよいポリマーは、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチレート(PVB)及びポリアルキルメタクリレート(PAMA)である。特に好ましくは、該ポリマーは、ポリ塩化ビニル(PVC)である。
式Iのジエステルとポリマーを有する好ましい混合物において、1種以上のポリマーと1種以上の式Iのジエステルとの質量比は、好ましくは30:1〜1:2.5であり、有利には20:1〜1:2である。
式Iのジエステルと、式Iのジエステルではない可塑剤とを有する好ましい混合物において、可塑剤、特にアルキルベンゾエート、ジアルキルアジペート、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリアルキルトリメリテート、グリコールジベンゾエート、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノイルエステル及び/又は1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルと、1種以上の式Iのジエステルとのモル比は、好ましくは1:10〜10:1であり、有利には1:6〜6:1である。
本発明による式Iのジエステルの混合物もしくは式Iのジエステル自体は、種々の様式で製造することができる。好ましくは、式Iのジエステルの混合物もしくは式Iのジエステルは、以下に記載される方法で製造される。
本発明による式I
Figure 0005590892
[式中、R1〜R8は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、基R1〜R8は、同一もしくは異なっている]の複数のジエステルの製造方法は、式II
Figure 0005590892
[式中、R1〜R8は、式Iに挙げられた意味を有する]の6価のアルコール及び/又は式IIのアルコールのアンヒドロ誘導体もしくはジアンヒドロ誘導体と、実験式C817COOHの少なくとも2種の異なるカルボン酸を有する混合物とを反応させることを特徴とする。
好ましくは、種々の構成式を有する実験式C817COOHの少なくとも2種のカルボン酸を有するカルボン酸混合物が使用され、その際、該混合物中に存在するカルボン酸のいずれも、95モル%より高い割合、有利には少なくとも90モル%の割合を有さない。
好ましくは、本発明による方法で使用される、実験式C817COOHの異性体カルボン酸の混合物は、10モル%未満の、好ましくは5モル%未満の、有利には1モル%未満の、特に0〜0.5モル%の、有利には0.1モル%未満の、特に0.0001〜0.1モル%の、特に有利には0.05モル%未満の、特に0.01〜0.05モル%の、3,5,5−トリメチルヘキサン酸又は別の三置換された実験式C817COOHを有するカルボン酸、特に第4級炭素原子を有するかかるカルボン酸を含有する。該混合物中の異性体カルボン酸の異性体分布は、NMR分光法、GC分光法もしくはGC/MS分光法などの通常の当業者によく知られた測定法を用いて、好ましくはシリルエステルもしくはメチルエステルへと変換した後に測定することができる。
特に好ましくは、本発明による方法においては、実験式C817COOHの異性体カルボン酸の混合物であって、平均分岐度0.7〜2.0、好ましくは1.0〜1.9、有利には1.1〜1.8、特に有利には1.1〜1.7を有する混合物が使用される。n−ノナン酸は、例えば分岐度0を有し、3,5,5−トリメチルヘキサン酸は、分岐度3を有する。該混合物の分岐度は、個々の成分の分岐度の合計を、個々の成分のそれぞれの質量割合もしくはモル割合で乗じて、全ての個々の成分の合計によって割ることで得られる。
混合物に関する分岐度は、最も簡単な場合には、個々の成分の割合の直接的な測定によって決定することができる。かかる測定が不可能である場合には、異性体のノナン酸の混合物に関する分岐度は、例えば1H−NMRによって、前記の方法と同様に測定することができる。
ノナン酸の製造
原則的に、実験式C817COOHを有するカルボン酸であって、少なくとも2種の異なる構成異性体を有するカルボン酸の全ての工業用混合物を使用することができる。好ましくは、実験式C817COOHを有する異性体カルボン酸のかかる混合物であって、種々の異性体の割合に関して、平均分岐度に関して、かつ/又は3,3,5−トリメチルヘキサン酸の含有率に関して上記の範囲にある混合物が使用される。
本発明による方法で使用される、実験式C817COOHを有する異性体カルボン酸の混合物(以下に異性体ノナン酸と呼ぶ)は、例えば種々の様式でも作成できるオクテンのヒドロホルミル化と、引き続いての酸化とによって製造することができる。
オクテンの製造のための原料としては、一般に、工業用C4流を使用することができ、前記流は、まず飽和ブタン以外の全ての異性体C4オレフィンと、場合によりC3オレフィン及びC5オレフィンなどの不純物及びアセチレン性化合物を含有する。C4流中に含まれるオレフィンのオリゴマー化によって、主に、C12及びC16オレフィン混合物などのより高級なオリゴマーの他に、異性体オクテン混合物が得られる。これらのオクテン混合物は、場合によりC12及びC16オレフィンの蒸留による分離の後に、相応のアルデヒドへとヒドロホルミル化され、引き続きカルボン酸へと酸化されうる。工業用ノナン酸混合物の組成、すなわち異性体分布は、出発材料と、オリゴマー化方法、酸化方法及びヒドロホルミル化方法に依存している。
オクテン混合物としては、例えばC3/C4混合物の固体酸性触媒上での、好ましくは固体リン酸触媒(SPA法)上でのオリゴマー化が実施される、いわゆるポリガス法によって得られる混合物も使用できる。前記方法は、とりわけ文献US6,284,938号、US6,080,903号、US6,072,093号、US6,025,533号、US5,990,367号、US5,895,830号、US5,856,604号、US5,847,252号及びUS5,081,086号に記載されている。もっぱら前記のようにして得られたオレフィン混合物がヒドロホルミル化される場合には、一般に、なおも複数のオクタナールとデカナールの割合が得られるので、ここでは平均鎖長は、炭素原子9個から外れることがある。従って、酸化の後に、異性体ノナン酸を有する混合物であって、さらにオクタン酸もしくはデカン酸の異性体も含んでよい混合物が得られる。しかしながら、それは、上述の方法による分岐度Vの測定に影響を及ぼさない。
更に、エチレンのオリゴマー化によるオクテンも好ましくは使用できる。
特に好ましい、本発明による方法で使用することができる異性体ノナン酸の混合物は、異性体オクテンのヒドロホルミル化と、引き続いての生じたアルデヒド及び場合により生ずるアルコールの酸化とによって得られるものであり、その際、異性体オクテンの混合物は、ブテンを有する炭化水素混合物であってイソブテンを、ブテンに対して、好ましくは20質量%未満の割合で、有利には10質量%未満の割合で、特に有利には5質量%未満の割合で、殊に有利には3質量%未満の割合で、特に有利には1質量%未満の割合で、好ましくは0.01〜1質量%の割合で、特に好ましくは0.05〜0.5質量%の割合で有する混合物と、オリゴマー化触媒、特にニッケル酸化物含有触媒とを接触させることによって得られる。実質的に直鎖状の複数のブテンのニッケル担体触媒上でのオリゴマー化による製造は、例えばOCTOL法として公知であり、それは、例えばEP0395857号もしくはEP1029839号に記載されている。OCTOL法に対する変法において、例えばTiもしくはZrを有する触媒が使用される。かかる代替的な変法及び特に触媒は、例えばEP171413号に記載されている。既に上記したように、こうして得られたより高級のオレフィン、従ってC12オレフィン、C16オレフィン、C20オレフィンなどは、例えば蒸留によって分離することができる。
ヒドロホルミル化
例えば前記のように製造されるオクテンもしくは異性体オクテンの混合物は、ヒドロホルミル化に供給される。ヒドロホルミル化は、変性された又は変性されていないコバルト触媒又はロジウム触媒の存在下で行われる。好ましくは、ヒドロホルミル化は、未変性のコバルト化合物の存在下で行われる。好適なヒドロホルミル化法は、例えばEP0850905号及びEP1172349号から知られている。一般に、このようにして、実質的に複数の異性体ノナナールからなり、場合によりなおも未反応の複数のオクテンからなる混合物並びに水素化(後続反応)によって生じた複数の異性体ノナノール及び複数のオクタンからなる相応の混合物が生成する。
ヒドロホルミル化は、ロジウム触媒の存在下でも実施できる。かかるヒドロホルミル化法は、一般に、例えばEP0213639号、EP1201675号、WO03/16320号、WO03/16321号、WO2005/090276号並びにそこで引用された文献から公知である。本発明による方法で使用できる複数の異性体ノナン酸の製造のために同様に適している特定のヒドロホルミル化方法は、例えばWO2004/020380号もしくはDE10327435号に記載されている。そこに記載される方法は、環状炭酸エステルの存在下で実施される。
また、複数の異性体オクテンの混合物を、ヒドロホルミル化への供給前に、まずEP1172349号に記載されるように分別することが好ましいこともある。このように、本発明による方法で使用可能な複数の異性体ノナン酸の混合物の製造のために特により適しているオクテン分画を得ることが可能である。前記分画から、次いで比較的簡単な様式で、好適な分画の混合によって、複数の異性体オクテンの混合物を得ることができ、該混合物は、本発明による方法で使用するための複数の異性体ノナン酸の混合物の製造のために適している。
ヒドロホルミル化から得られる反応混合物を分別し、こうして酸化のために規定されるノナナール分画を濃縮することは、場合により可能であり、好ましくは行われる。特に、酸化が予定される複数のノナナールからなる混合物においてなおもより高い割合の複数のノナノールが存在する場合には、蒸留による精製が推奨される。オクテン混合物のヒドロホルミル化は、一段階もしくは多段階で、場合により未反応のオクテンの分離を各段階の後に実施することができる。
酸化
9−アルデヒド又は混合物中に存在する2種もしくはそれより多くの異性体のC9−アルデヒドの、相応のカルボン酸への酸化は、自体公知の様式で実施することができる。酸化剤としては、例えば酸素、空気もしくは他の酸素含有ガスを使用することができる。酸化は、触媒を用いずに又は触媒を用いて実施することができる。前記の場合に、遷移金属、特にコバルトの化合物を触媒として使用することが好ましいことがある。アルデヒドの酸化は、常圧又は高められた圧力(1〜10バール、好ましくは1.1〜5バール)で実施することができる。反応温度は、30℃〜150℃、好ましくは40〜90℃、特に好ましくは50〜80℃の範囲である。反応時間は、上述の酸化条件に適合でき、数分ないし複数時間であってよい。
1種以上のカルボン酸は、酸化混合物から、常圧もしくは減圧下での蒸留によって得ることができる。場合により、カルボン酸混合物は、種々のカルボン酸を有する分画に分離することができる。
またこのようにして、次いで、本発明によるジアンヒドロヘキシトールエステル、有利には式Iのイソソルビドジエステルの製造のために特に適したノナン酸分画をもう一度得ることができる。前記の分別と引き続いての分画の互いの混合もしくは他のカルボン酸混合物との混合によって、特に、上述の好ましい規定の成分の含有率もしくは規定の分岐度を有するカルボン酸混合物を編成することが可能である。前記の簡単な様式で、所望の特性を有する式Iのジエステルの混合物を得ることができる。
しかし、本発明による方法において、複数の異性体ノナン酸の混合物として、複数の純粋異性体ノナン酸の混合及び/又は複数の異性体ノナン酸の分別によって得られる混合物を使用することができる。少なくとも2種の純粋異性体ノナン酸は、市販されている。すなわちn−ノナン酸(ペラルゴン酸)及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸(CAS番号3302−10−1)である。同様に、本発明による方法のために好ましくない特性を有するノナン酸混合物もしくはノナン酸分画は市販されている。これは、実質的に、高い割合(93〜95%)の3,5,5−トリメチルヘキサン酸を有する多分岐したイソノナン酸の混合物(CAS番号26896−18−4、Celanese社)である。かかる複数の純粋異性体ノナン酸と、他の複数の純粋異性体ノナン酸もしくはノナン酸混合物とを簡単に混合することによって、エステル化に際して所望の特性を有する複数の式Iのジエステルをもたらす複数のノナン酸の混合物を製造することができる。特に、かかる容易な混合によって、所望の割合の3,5,5−トリメチルヘキサン酸と他の成分とを有する複数のノナン酸の混合物を得ることが可能である。
アルコール使用物質
本発明による方法で使用されるアルコール成分は、式IIのアルコール又はこのアルコールのジアンヒドロ誘導体もしくはモノアンヒドロ誘導体から選択される。好ましくは、式IIのアルコールとしては、基R1〜R8が、それぞれHであるアルコール又はこのアルコールのジアンヒドロ誘導体もしくはモノアンヒドロ誘導体が使用される。このヘキシトールの群のうち、ソルビトール、マンニトール及びイジトールが特に好ましく、ソルビトールが殊に好ましい。また、上述の化合物の混合物を使用することもできる。
好ましくは、式IIのアルコールのジアンヒドロ誘導体として、イソソルビドが使用され、又はその立体配置異性体のジアンヒドロ誘導体として、イソマンニドもしくはイソイジドIIa
Figure 0005590892
が使用され、前記誘導体は、式IIで示され、全てのR1〜R8がそれぞれHであるアルコール(ソルビトールもしくはマンニトール又はイジトール)から二脱水(分子内エーテル化)によって、又は式IIb
Figure 0005590892
の相応のモノアンヒドロ誘導体(ソルビタンもしくはマンニタン又はイジタン)から一脱水によって得ることができる。特に好ましくは、式IIのアルコールのジヒドロ誘導体としては、イソソルビドが使用される。
特定のソルビトールは、年間10万トンを超える量で市販され、重要なイソソルビド生産能力は、多くの製造元から知らされているので、原料の供給は少なくとも長期に保証される。
本発明による式Iのジエステルの製造は、形式的には、以下に詳細に検討される種々の様式で実施することができる。
一方で、ビエステルの製造は、式Iのアルコールのジアンヒドロ誘導体から出発して、少なくとも2種の異性体ノナン酸の混合物とのエステル化によって行うことができる。複数のジアンヒドロヘキシトール、特にイソソルビドと、種々の脂肪族カルボン酸とのエステル化は、文献でたびたび詳細に記載されている。一般に、ジアンヒドロヘキシトールをカルボン酸と触媒の存在下で反応させて、ジアンヒドロヘキシトールの相応のジエステルが得られる。好ましくは、過剰のカルボン酸(すなわち2モル当量より多く)との、好ましくは10〜100%、好ましくは20〜50%のモル過剰での反応が行われる。エステル化によって形成される水を反応混合物から分離するために、種々の方法を使用することができる。水は、例えば反応混合物に導通される不活性ガス流によって追い出されるか、又は真空によって除去することができる。更に、水は、共沸蒸留によって、トルエン、ベンゼン、キシレンもしくはクロロヘキサンなどの共沸添加剤を使用することによって分離することができ、又はカルボン酸自体が、共沸添加剤として用いられ、そして留去された量が、完全にもしくは部分的にカルボン酸によって置き換えられる。文献に記載される方法に関する概要は、WO2006/103338号に見受けられる。そこで、先行技術の説明の他に、ジアンヒドロヘキシトールジエステルの製造のための方法も記載されている。
他方で、本発明による式Iのジエステルの製造は、式IIのヘキシトールから出発して、二箇所の分子内脱水によりジアンヒドロ誘導体とし、引き続きもしくは同時にエステル化することからなる反応順序によって、又は式IIのヘキシトールのモノアンヒドロ誘導体から出発して、一箇所の分子内脱水によりジアンヒドロ誘導体とし、引き続きもしくは同時にエステル化することからなる反応順序によって行うことができる。反応の両方の個別段階(エステル化及び一箇所以上の脱水)は、別々にもしくはいわゆるワンポット反応として実施することができる。実施の説明は、例えばWO01/83488号に見受けられる。
脱水(分子内エーテル化)
式IIのアルコールのモノアンヒドロ誘導体が使用される場合に、該誘導体は、形式的には、事前の又は同時に行われる分子内脱水において、ジアンヒドロ誘導体に変換される。式IIの6価アルコールが使用される場合に、該アルコールは、形式的には、事前の又は同時に行われる、二箇所もしくは一箇所の分子内脱水においてジアンヒドロ誘導体あるいはモノアンヒドロ誘導体に変換され、その際、後者の誘導体は、更なる分子内脱水において、同様にジアンヒドロ誘導体に変換される。
式IIのアルコール又は相応のアンヒドロ誘導体の、式IIc
Figure 0005590892
[式中、R1〜R8は、式Iで定義したものと同じである]によるジアンヒドロ誘導体への脱水(水脱離)は、本発明による方法の一実施態様においては、別個の段階においてエステル化前に実施することができる。この場合に得られる、実質的にヘキシトールのジアンヒドロ誘導体及びモノアンヒドロ誘導体を副生成物と一緒に含有する反応混合物は、次いで直接的にエステル化に供給されるか、又は場合によりまず後処理され、その際、例えば脱水のための触媒を分離し、かつ蒸留、結晶化、洗浄、漂白などの洗浄工程によって、後続の反応段階に必要なジアンヒドロヘキシトールの純度を高めることができる。
脱水(分子内エーテル化)は、本発明による方法の前記の実施態様では、ソルビトールもしくはそのモノアンヒドロ誘導体が脱水されるべき場合には、好ましくは100〜200℃の温度で、有利には110〜180℃の温度で、特に好ましくは120〜150℃の温度で、常圧もしくは軽い真空下で実施される。脱水は、前記の実施態様では、好ましくは触媒の存在下で実施される。脱水混合物を直接的に更にエステル化する場合には、特に好ましくは、エステル化に使用される触媒と同じ触媒が使用される。この目的のために、WO01/83488号によれば、マクロ孔質の酸性イオン交換体が特に適している。
しかしながら、多くの場合において、動力学的な理由から、式IIのアルコールが既に十分にジアンヒドロ誘導体へと完全に反応されていて、またもはやごく僅かなモノアンヒドロ誘導体(<10%、GCにより測定可能)しか存在しない場合には、複数の異性体ノナン酸の混合物をまず反応混合物に添加することが好ましいと見なされることがある。それにもかかわらず、モノアンヒドロヘキシトールからジアンヒドロヘキシトールへの第二の脱水は、モノアンヒドロ誘導体のエステル化に対して競争的に進行し、これは、ジアンヒドロヘキシトールのジイソノナノイルエステルのより低い収率をもたらす。カルボン酸を添加するのが好ましい相応の時間は、予備試験によって容易に決定できる。この時間は、とりわけ触媒の種類及び量に、かつ温度に依存する。
脱水では、該方法の間に形成される水を、反応混合物へのガス、特に不活性ガスの流過によって除去する場合に好ましいことがある。不活性ガスとしては、例えば窒素を使用することができる。
しかしながらまた、脱水の間に形成される水は、蒸留によって反応混合物から除去することも可能である。好ましくは、この蒸留は、減圧下で実施される。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、式IIのアルコール又は該アルコールのモノアンヒドロ誘導体、特にソルビトールもしくはソルビタンの使用の場合に、1作業過程で脱水及びエステル化が行われる。この場合に、複数の異性体ノナン酸の混合物は、既に最初から反応混合物に添加されていてよい。脱水とエステル化という順序のための触媒の選択の場合に、これによりジアンヒドロ誘導体のジエステルとなる選択性が高いことが顧慮されるべきである。それというの、さもなくば場合により(不所望の)高い割合において、式IIのアルコールのモノアンヒドロ誘導体のモノエステル、ジエステル、トリエステルもしくはテトラエステルが生じうるからである。特により適した触媒は、一般に、強ブレンステッド酸、例えば硫酸又は既に挙げられたマクロ孔質の酸性イオン交換体樹脂である。例えばテトラブチルチタネートなどの純粋なルイス酸は、しばしば脱水工程のためには適していない。
エステル化
エステル化は、公知のようにして、例えば複数の式IIのアルコールあるいはそのモノアンヒドロ誘導体もしくはジアンヒドロ誘導体と、複数の異性体ノナン酸の好適な混合物とを反応させることによって行うことができる。エステル化は、自己触媒により又は触媒を用いて実施することができる。好ましくは、エステル化は、触媒の存在下で行われる。原則的に、全ての公知のエステル化方法は、本発明による方法で使用することができる。しかしながら、好ましくは、エステル化段階は、生じた反応水が共沸蒸留によってカルボン酸と一緒に除去され、共沸蒸留によって反応から除去される液体量が完全にもしくは部分的に複数の異性体ノナン酸の混合物で再び補われる方法の後に行われる。液体量とは、以下で、共沸蒸留によって反応から除去される、主に反応水と複数の異性体ノナン酸とからなる液体容量を指す。除去された液体量の完全な置き換えが好ましい。これは、例えば複数の異性体ノナン酸の混合物のレベル調節された反応器への供給によって行われる。
技術的な理由から、除去された液体量の完全な置き換えは、実現できないか又は困難にのみ実現可能であるにすぎない。この場合には、除去された液体量は、部分的にのみ、例えば複数の異性体ノナン酸の混合物のみが置き換えられるが、除去された反応水は置き換えられないが、各場合において90%より多くが、好ましくは95〜98%が再び置き換えられる。また、留去された液体量より多くを反応器に返送する必要があることもあり、すなわち除去された酸量の他に、反応水を置き換えて、さらに更なる酸を添加する。このエステル化の実施態様では、除去された液体量の110〜110%、好ましくは105〜100%が酸によって置き換えられる。
このエステル化の実施態様は、公知の断続的な方法と比較して反応速度が高まるという利点を有する。それによって、サイクルタイムを短縮でき、それによってより高い空時収量が達成される。
エステル化は、好ましくは、反応バッチを撹拌機又は再循環ポンプを用いて激しく混合できる反応容器中で実施される。出発物質及び触媒は、同時に又は順次に反応器中に充填することができる。使用物質が充填温度で固体であれば、液体の使用成分を供することが合理的である。固体の使用物質は、粉末、造粒物、結晶物もしくは溶融物として供給することができる。装入時間を短縮するために、充填の間に加熱を開始することが適切である。触媒は、純粋形で又は溶液として、好ましくは使用物質中に溶かされた溶液として、最初に又は反応温度の達成後にはじめて導入することができる。
共沸添加剤としても用いられる複数の異性体ノナン酸の反応されるべき混合物は、化学量論的過剰に使用することができる。好ましくは、5〜50%の、特に好ましくは10〜30%の過剰が使用される。
エステル化(ジアンヒドロ誘導体から出発する場合)又は脱水及びエステル化の順序(式IIの6価アルコール又はそのモノアンヒドロ誘導体から出発する場合)の実施に関しては、特にEP1278752号(WO01/83488号)に指摘される。そこに記載される方法は、特に好ましくは、本発明による式Iaのエステルの合成のために使用することができる。
純粋なジアンヒドロ誘導体から出発するエステル化は、好ましくはエステル化触媒としてのマクロ孔質の酸性イオン交換体樹脂上で実施される。エステル化での反応温度は、一般に、この樹脂の温度安定性によって上限が決まる。架橋度に応じて、この樹脂は、従って100〜190℃の最大温度で使用することができる。相応の情報は、製造元によって伝えられる。
本発明による方法で使用するのが好ましい酸性イオン交換体樹脂のグループは、特にスルホン酸基を有する樹脂である。適当なイオン交換体樹脂は、例えばフェノール/アルデヒド縮合体のスルホン化又は芳香族ビニル化合物のコオリゴマーのスルホン化によって製造されたイオン交換体樹脂である。コオリゴマーを製造するための芳香族ビニル化合物の例は次のものである:スチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルエチルベンゼン、メチルスチレン、ビニルクロロベンゼン、ビニルキシレン及びジビニルベンゼン。特に、スチレンとビニルベンゼンとの反応により生じたコオリゴマーは、スルホン酸基を有するイオン交換体樹脂の製造のための前駆体として使用される。
これらの樹脂の特性、特に比表面積、気孔率、安定性、膨潤性もしくは収縮性及び交換容量は製造プロセスによって変化させることができる。
本発明による方法の場合に、イオン交換体樹脂はそのH型で使用することができる。スチレン−ジビニルベンゼン型の強酸のマクロ孔質の樹脂は特に次の商品名:Amberlyst 15、Amberlyst 35、Amberlyst 70で販売されている。
使用されるのが好ましいイオン交換体樹脂の細孔容量は有利に0.3〜0.9ml/g、特に0.5〜0.9ml/gである。使用されるのが好ましい樹脂の粒度は、有利に0.3mm〜1.5mm、特に0.5mm〜1.25mmである。粒度分布は、より狭く又はより広く選択されることができる。特に有利には、非常に一様な粒度を有するイオン交換体樹脂が使用される。使用されるのが好ましいイオン交換体樹脂の容量は、供給状態に関して、有利に0.7〜2.0当量/l、特に1.1〜2.0当量/lもしくは0.5〜5.5モル/kg、特に0.8〜5.5モル/kg(容量についてモル/kgで示した数値は、温かい窒素流中で例えば105℃でそれぞれ一定重量まで乾燥されたイオン交換体樹脂に関する)である。
イオン交換体樹脂の他に、ジエステルの製造のためには、ジアンヒドロヘキシトールから出発して、多くの別の触媒を使用することもできる。かかるエステル化触媒は、例えば硫酸、メタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸などの酸又は金属含有の触媒であってよい。特に使用されるのが好ましい金属触媒のための代表例は、テトライソプロピルオルトチタネートもしくはテトラブチルオルトチタネートなどのチタン酸エステル並びにテトラブチルジルコネートなどのジルコニウムエステルである。金属触媒は、プロトン酸を基礎とする触媒と比較して高温触媒であり、その完全活性は、しばしば180℃より高い温度で初めて達成される。
触媒濃度は、触媒の種類に依存する。使用されるのが好ましいチタン化合物の場合には、その濃度は、反応混合物に対して、0.005〜1.0質量%、特に0.01〜0.3質量%である。
反応温度は、チタン触媒を使用する場合には、160℃〜260℃である。至適温度は、使用物質、反応の進展及び触媒濃度に依存する。それらは、それぞれの具体的な事例について、試験によって容易に決定することができる。より高い温度は、反応速度を高め、かつ例えば有色の副生成物の形成などの副反応を促進する。反応水の除去のためには、複数の異性体ノナン酸の混合物を反応混合物から留去できる必要がある。所望の温度又は所望の温度範囲は、反応容器中の圧力によって調整することができる。イソソルビドと複数のノナン酸の混合物との触媒としてテトラブチルチタネートを使用した反応の場合には、180〜260℃、好ましくは210〜250℃の温度範囲が好ましいことが判明した。
反応に返送されるべき液体量は、部分的にもしくは完全に複数のノナン酸からなっていてよく、それらは、共沸蒸留物の後処理によって得られる。また、その後処理は、より後の時点で実施することも可能であり、そして除去された液体量を、完全にもしくは部分的に、新たな異性体ノナン酸、すなわち貯蔵容器から準備する異性体ノナン酸によって置き換えることも可能である。エステル化のもう一つの実施態様において、分離された液体は複数の異性体ノナン酸へと後処理される。
反応の完了後に、実質的に完全エステル(目標生成物)及び過剰のカルボン酸とからなる反応混合物は、触媒及び/又はその後続生成物の他に、少量のジアンヒドロヘキシトール−モノエステルを含有する。その他に、平行反応及び/又は後続反応によって生ずる副生成物、特に式IIによる6価アルコールのモノアンヒドロ誘導体のモノエステル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルが存在してよい。一般に、粗生成物混合物は、黄色ないし暗褐色の色を有し、従って工業的な使用可能性のために、場合により面倒な精製を必要とする。これは、例えばWO06/103338号に記載される触媒系を使用した場合には、より簡単になることがある。
前記のエステル粗製混合物の後処理のために、大部分の過剰のカルボン酸混合物は、真空蒸留及び任意の水蒸気蒸留によって、特に120〜225℃の温度範囲で除去される。その後に、粗生成物の中和、精製、漂白及び濾過のための通常の工程が続き、それらは、水溶性の副生成物の色強度もしくは割合に応じて、種々の時点及び種々の強度まで実施される。
カルボン酸又は場合により酸性触媒などの酸性物質の中和は、アルカリ金属の及びアルカリ土類金属の塩基性作用を有する化合物の添加によって行うことができる。これらは、その炭酸塩、炭酸水素塩又は水酸化物の形で使用することができる。中和剤は、固形で、又は好ましくは溶液として、特に水溶液として使用することができる。中和は、好ましくは、過剰のカルボン酸の主要量を留去した後に実施される。
殆どの場合に、中和された粗生成物は、水溶性の副成分を分離しうるために、水もしくは塩溶液で1回もしくは複数回洗浄することが適切である。
粗生成物のライトニングは、一方で、活性炭などの大きい表面積を有する固体上で吸着的に実施できるが、また特定のポリマーの吸着剤樹脂、例えばスチレン及びジビニルベンゼンを基礎とする樹脂上で実施できる。選択的に、過酸化水素もしくはオゾンによる漂白が考えられる。漂白のどの変法を選択するかは、予備試験によって決定できる。場合により、また、前記の方法の2つもしくはそれより多くを組み合わせることもできる。
精製の終了後に、生成物はより高い温度で真空中で乾燥され、引き続き濾過される。
本発明による方法でエステル化段階として使用できる好適なエステル化方法についての更なる詳細は、例えばEP1186593号及びEP1300388号から引き出せる。
本発明による、式Iのエステルを含有するか又は該エステルからなる混合物は、染料、インキもしくは塗料において、プラスチゾル、接着剤もしくは接着剤成分において、シールコンパウンドにおいて、プラスチックもしくはプラスチック成分における可塑剤として、溶剤として、潤滑油成分として、冷却液もしくはボーリング液又はその成分として、又は金属加工における助剤として使用することができる。好ましいプラスチゾルは、その際、特にPVC−プラスチゾルもしくはPAMA−プラスチゾルである。好ましいプラスチックは、その際、特にポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニル、酢酸セルロース、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、エステル基の酸素原子で結合されたアルキル基を有する、1〜10個の炭素原子を有する分岐もしくは非分岐アルコールのアクリレート、スチレン、アクリルニトリルを基礎とするホモポリマー及びコポリマー、環状オレフィンのホモポリマーもしくはコポリマーである。
上記のグループの代表としては、例えば以下のプラスチックが挙げられる:
4〜8個の炭素原子を有する同一もしくは異なるアルキル基をエステル基の酸素原子に結合して有する、特にn−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及び2−エチルヘキシル基を有するポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、メチルアクリレート−ブチルアクリレート−コポリマー、メチルメタクリレート−ブチルメタクリレート−コポリマー又は、一般に、ポリアルキルメタクリレート(PAMA)、エチレン−ビニルアセテート−コポリマー、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン−コポリマー、エチレン−プロピレン−コポリマー、エチレン−プロピレン−ジエン−コポリマー、スチレン−アクリルニトリル−コポリマー、アクリルニトリル−ブタジエン−ゴム、スチレン−ブタジエン−エラストマー、メチルメタクリレート−スチレン−ブタジエン−コポリマー、酢酸セルロース、PVB及びPVC。特に好ましいプラスチックは、その際、PVCである。
更に、本発明による混合物は、プラスチック混合物の変性のために、例えばポリオレフィンとポリアミドとの混合物の変性のために使用することができる。
プラスチック、特にPVCもしくはPAMA、式Iのエステルを含有するか又はそれらからなる本発明による混合物からなる組成物は、例えば以下の製品に含まれていてよい:例えば台所用具などの電気機器用のケーシング、コンピュータのケーシング、オーディオ機器及び受像機のケーシング及び部材、配管、装置、ケーブル、ワイヤ外被、絶縁テープ、内装構造、車両構造及び家具構造で、プラスチゾル、床張材、医学用物品、食品包装、シーリング、シート、複合フィルム、レコード盤、人工皮革、玩具、包装容器、接着テープフィルム、衣服、被覆、染色(Befleckung)及び印刷、織物用繊維、被覆織物。更に、プラスチック、特にPVC、式Iのエステルを含有するか又はそれらからなる本発明による化合物からなる組成物は、例えば以下の製品の製造のために使用することができる:配管、ホース、ケーブル、ワイヤ外被、絶縁テープ、車両構造及び家具構造、プラスチゾル、異形材、床張材、医学用物品(例えば血液バッグ、チュービング、点滴バッグなど)、玩具、食品包装、シーリング、シート、複合フィルム、プレート、人工皮革、壁紙、包装容器、接着テープフィルム、衣服、被覆又は織物用繊維、靴、下塗り層、継ぎ目シール、屋根板、模型材料又はボール。
PVCと、式Iのエステルを含有するか又はそれらからなる本発明による混合物を含むPVC組成物又はプラスチゾルは、好ましくは、5〜250質量部の、有利には10〜200質量部の、特に有利には20〜100質量部の本発明による混合物を100質量のPVC当たりに含有している。
図1は、いわゆるプラスチゾルの複素粘性率を、温度に依存してプロットしたグラフを示す。
実施例1: イソノナン酸の合成
a)ジブテンを基礎とするC9−アルデヒドの製造
9−アルデヒド(イソノナナール)をC8−オレフィンのヒドロホルミル化によって製造するために、出発物質として、OXENO Olefinchemie GmbH社のOctol法からのC8−オレフィン混合物(ジブテン)を使用した。選択された実験方法を、以下に表す。
撹拌機と電気加熱器を有する5lの高圧オートクレーブにおいて、2000gのジブテンをコバルト触媒の存在下で175℃及び280バールの合成圧力で3時間にわたりヒドロホルミル化した。該触媒は、1.0質量%のコバルトを有する酢酸コバルト水溶液640gを、170℃及び28MPaで6時間にわたり合成ガスで処理することで製造された。冷却と放圧の後に、形成されたコバルトカルボニルを、2000gのジ−n−ブテンでの抽出によって、有機相に移動させ、それを水相と分離した。ジブテン中の触媒の濃度は、ジブテンに対して、かつコバルト金属として計算して、0.02質量%であった。その後に、80℃で、ヒドロホルミル化混合物を、5%水性酢酸1000gでの処理によって、フリットを介して流量30l/hで30分にわたり混合物に導通された空気の存在下でコバルトを除去した。コバルト除去されたヒドロホルミル化混合物を、引き続き水相から分離した。
その方法を、同じ反応条件下で4回実施した。脱コバルトされたヒドロホルミル化混合物を精製した。9450gの混合物が得られた。粗生成物排出物は、ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)の後に、以下の組成(質量%)を有する:19.8%のC8−炭化水素、57.6%のC9アルデヒド、18.3%のC9−アルコール、2.7%のC9−アルコールホルミエート及び1.6%の残留物
粗生成物排出物から、後接続された回分蒸留において、未反応のC8−炭化水素(低沸点物)を除去した。底部留分の以下の典型的な組成(質量%)は、GC分析により測定した:73.2%のC9−アルデヒド、21.5%のC9−アルコール、3.1%のC9−アルコールホルミエート及び2.0%の高沸点物及び0.2%のC8−炭化水素。
有用生成物であるC9−アルデヒドを含有する底部留分を、引き続きC9−カルボン酸の製造のために使用した。
b)C9−アルデヒドの酸化によるC9−酸の製造
9−アルデヒドの液相酸化によるC9−酸の製造は、加熱可能な6lの二重ジャケット撹拌タンク中で行った。出発物質として、約73質量%のC9−アルデヒドを有する例1aからのヒドロホルミル化生成物を使用した。
反応バッチのために、反応器に3500gの液状出発物質を装入した。反応ガスとしては、窒素−酸素混合物が使用され、該混合物は、反応器下方部で一様にフリットを介して液体中に分配された。
該反応器中に、30Nl/hの一定の窒素流と、反応を通じての消費に応じて排ガス中の酸素含有率のオンライン測定により調整される酸素流とを計量供給した。反応器の反応器上部のガス空間に、一定の窒素流330Nl/hを計量供給した。排ガス中で6容量%の最大酸素含有率を可能にした。C9−アルデヒドの酸化は、55℃の反応温度及び0.12MPaの圧力下で実施した。酸化の進展は、規則的な試料採取と引き続きのGC分析によって測定した。
選択された反応条件下で、20時間の試験時間後に、第1表の第二列に列記された組成の粗生成物が得られた。
引き続き、酸化の反応排出物を、回分蒸留で後処理した。その蒸留のために、5lのふくれ(Blase)を有する研究用充填カラム(Sulzer DX Packung)を使用した。蒸留前後の生成物の組成が、第1表に挙げられている。
第1表: 生成物の組成
Figure 0005590892
第1表から理解されるように、以下に説明する反応のために、高い純度のC9−カルボン酸混合物が得られた。
実施例2: 実施例1からのイソノナン酸とイソソルビドとのエステル化(本発明による)
撹拌機、水分離器、滴下漏斗、内部温度計及び浸漬管を有する2リットルの多口フラスコにおいて、365g(2.5モル)のイソソルビド(Cerestar社)を、1027g(6.5モル)の実施例1によるイソノナン酸及び0.91gのテトラブチルオルトチタネート(イソソルビドに対して0.25質量%、Dupont社、Tyzor TnBT)と一緒に、撹拌し、かつ浸漬管を介して窒素バブリング(6l/h)をしつつ230℃に加熱した。軽い真空を印加することによって、この温度で、反応水が水分離器を介して完全に排出できることを保証した。反応の経過は、GC分析によって追跡した。全体で約8時間後に、反応を終え、そして水分離器を蒸留ブリッジに置き換え、それを介して200〜230℃の温度で過剰のイソノナン酸を留去できた。またその場合には、逐次に、圧力が約3hPaにまで減少した。次いで、該バッチを80℃に冷却し、そして50mlの10%苛性ソーダ液で中和した。次いで、粗製エステルを分液漏斗において、それぞれ300mlの5%NaCl溶液で3回洗浄し、そして水相をそれぞれ分離し、廃棄した。次いで、該バッチを、1質量%の活性炭と混合し、撹拌フラスコ中で125℃及び圧力5hPaで1時間乾燥させ、そして100℃に冷却した後に濾過した。生成物の激しい着色のゆえに、次いで該バッチを撹拌フラスコ中でもう一度90℃で2質量%のH22(35%、Merck社)で漂白し、引き続きもう一度中和し(40mlの10%NaOH)、次いで再び2回洗浄し、乾燥し、濾過した。色は未だに不十分だったので、H22漂白、中和、洗浄、乾燥及び濾過という前記の順序をさらに2回繰り返した。こうして得られた生成物イソソルビド−ジイソノナノエート(IsDIN)は、APHA62のヘーズによる色数を有していた。GC分析により測定した純度は、99%であった(エステルA)。NMRにより測定された側鎖の分岐度は、1.3であった。
実施例3: 2−エチルヘキサン酸とイソソルビドとのエステル化(比較例)
撹拌機、水分離器、滴下漏斗、内部温度計及び浸漬管を有する2リットルの多口フラスコにおいて、292g(2モル)のイソソルビド(Cerestar社)を、730g(5モル)の2−エチルヘキサン酸(European Oxo社)及び1.46gのテトラブチルオルトチタネート(イソソルビドに対して0.5質量%、Dupont社、Tyzor TnBT)と一緒に、撹拌し、かつ浸漬管を介して窒素バブリング(6l/h)をしつつ240℃に加熱した。軽い真空を印加することによって、この温度で、反応水が水分離器を介して完全に排出できることを保証した。反応の経過は、GC分析によって追跡した。全体で約8時間後に、反応を終え、そして水分離器を次いで蒸留ブリッジに置き換え、それを介して180℃の温度で過剰の2−エチルヘキサン酸を最低5hPaまでの圧力で留去できた。引き続き、残留物を2.5質量%のH22溶液(35%、Merck)を用いて80〜90℃で漂白し、引き続き実施例2に相応してNaOH溶液で中和し、次いで洗浄し、そして乾燥させた。更なる色の向上のために、次いでもう一度、同量のH22と一緒に撹拌し、次いで120℃で乾燥させ、次いで、5%のNaCl溶液でさらに2回洗浄し、次いでもう一度120℃で乾燥させ、2%の活性炭を用いて更に1時間にわたり前記温度で撹拌し、引き続き濾過した。こうして得られたイソソルビド−ジ−2−エチルヘキサノイルエステル(IsDEH、エステルB)は、約99%の純度(GC)を有しており、かつ50のヘーズ色数を有していた。後者は、DIN EN ISO 6271に従ってHach−Lange社の色数測定器LICO400を用いて測定した。
実施例4: 3,5,5−トリメチルヘキサン酸とイソソルビドとのエステル化(比較例)
実施例1によるイソノナン酸から出発する合成と類似の様式で、また、イソソルビドのジ−3,5,5−トリメチルヘキシルエステルを製造した。出発物質として、市販の3,5,5−トリメチルヘキサン酸("イソノナン酸"、European Oxo社)を使用した。
こうして得られたエステルであるイソソルビド−ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(IsD355TMH)は、様々な精製段階(実施例2及び3を参照)の実施後に、98.2%の純度と68のヘーズ色数(方法は実施例3を参照)で製造できた。このエステルの、DSCで測定された融点(開始)は、21.7℃であった。以下で、それをエステルCと呼称する。
実施例5: ペラルゴン酸(n−ノナン酸)とイソソルビドとのエステル化(比較例)
撹拌機、水分離器、滴下漏斗、内部温度計及び浸漬管を有する4リットルの多口フラスコにおいて、876g(6モル)のイソソルビド(Cerestar社)を、2370g(15モル)のペラルゴン酸(FLUKA社)及び2.19gのテトラブチルオルトチタネート(イソソルビドに対して0.25質量%、Dupont社、Tyzor TnBT)と一緒に、撹拌し、かつ浸漬管を介して窒素バブリング(6l/h)をしつつ220℃に加熱した。軽い真空を印加することによって、この温度で、反応水が水分離器を介して完全に排出できることを保証した。反応の経過は、GC分析によって追跡した。全体で約8.5時間後に、反応を終え、そして水分離器を蒸留ブリッジに置き換え、それを介して180℃の温度で逐次に2hPaにまで低下された圧力で、大部分の過剰なペラルゴン酸を留去できた。それに引き続き、180℃で水蒸気蒸留を行い、そして活性炭(1質量%)の存在下で乾燥を行った。引き続き、実施例2と同様に中和し、バッチを250mlの5%NaCl溶液で2回洗浄し、そして真空中での再度の水蒸気蒸留の後に乾燥させ、引き続き濾過した。更なるライトニングのために、次いで、80〜120℃の温度で、2%のH22と一緒に撹拌し、引き続きもう一度中和させ、さらに2回洗浄し、そして最後の水蒸気蒸留の後に140℃で真空下に1%の活性炭を添加した後に乾燥させ、次いでバッチを濾過した。得られたエステルであるイソソルビド−ジ−ペラルゴネート(IsDnN)は、その際APHA38のヘーズ色数(方法は実施例3を参照)と、GCにより測定された含有率99%を有していた。室温に冷却した場合に、該エステルは固体となり、DSC(示差走査熱量測定法)による融点の測定により、27℃の値が得られた。前記のエステル(エステルD)が室温で固体であるという事実は、プラスチゾルのための唯一の可塑剤としてのその使用を事実上排除する。それというのも、加工(塗被、浸漬塗布、噴霧塗布、回転塗布)のために必要なペースト状の粘稠性は、更なる助剤の添加によって困難にのみ実現可能だからである。従って、このエステルは、更なる調査に際してもはや使用されなかった。
実施例6: ペラルゴン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合物を基礎とするイソソルビドエステルの製造
実施例4及び5で製造されたエステルが周囲温度の範囲の融点を有するという事実は、プラスチゾル加工のために不適切であると考えられる。結晶傾向の低下は、両方の酸の混合と、引き続いてのエステル化によって達成できるべきであった。この目的のために、第2表によれば、ペラルゴン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合物が製造され、この混合物を既に前記の方法に従ってエステル化させた。表中には、反応バッチ中の酸のモル割合の他に、GCによって得られたイソソルビドジエステルの含有率及びその融点も、実施例4及び5からのエステルの相応の値と一緒に挙げられている。
融点は、DSCによって測定した。そのために、それぞれ融点シグナルの上昇(いわゆる"開始")を考慮した。複数の融点(例えばエステルFでの種々の相)の場合に、最も高い融点を挙げた。それというのも、この温度未満で、第一の結晶化が開始するからである。全てのエステルは、更に、多かれ少なかれ高い非晶質分を有するガラス点も示している。
第2表:
Figure 0005590892
それらの酸の1つが95モル%以上の割合で添加されているエステルは、その高い融点に基づき、室温では、プラスチゾル法において使用できないか、又は過度に高い費用を伴ってのみ使用できるに過ぎない。本発明によるエステルFは、それに対して、問題なく室温で加工することができる。
実施例7: プラスチゾルの製造
種々異なるプラスチゾル1についての成分の使用した秤量を、以下の表に示す。
第3表: 実施例による配合表(全ての表示はphr(=100質量部PVCあたりの質量部)である)
Figure 0005590892
可塑剤を、添加の前に25℃の温度にした。まず、液状の成分を、次いで粉末状の成分をPE製ビーカ中に秤量した。手作業で、該混合物をペーストへらを用いて湿潤していない粉末がもはや存在しなくなるまで撹拌した。混合ビーカを、次いで、溶解槽撹拌機の固定装置中に固定した。撹拌機を該混合物中に浸す前に、回転数を、1800回転/分に調整した。撹拌機を作動させた後に、温度センサのデジタル表示の温度が30.0℃に達するまで撹拌した。それにより、プラスチゾルの均質化が、規定のエネルギー供給に際して達成されることが保証された。次いで、プラスチゾルを直ちに25.0℃の温度にした。
実施例8: ゲル化曲線の測定
プラスチゾルのゲル化挙動の調査は、剪断応力制御で作動する商標名Bohlin CVO(測定システムPP20)の振動式粘度計中で行った。
以下のパラメータを設定した:
モード:
温度勾配
開始温度:25℃
終了温度:180℃
加熱/冷却速度:2℃/分
測定後の温度:25℃
振動周波数:2Hz
遅延時間:1秒
待機時間:15秒
連続振動:オン
自動剪断応力設定:オン
開始剪断応力:0.3Pa
所要変形(Soll−Deformation):0.002
間隔幅:0.5mm
測定の実施:
測定システムの下方のプレート上に、へらを用いて、測定すべきプラスチゾル配合の小滴を気泡がないように施与した。その場合に、測定システムを閉じた後に、幾らかのプラスチゾルが一様に測定システムから滲出できることを顧慮した(周囲約6mm以下)。引き続き、断熱にも役立つ保護カバーを載せ、そして測定を開始した。
図1に、いわゆるプラスチゾルの複素粘性率を、温度に依存してプロットした。本発明によるプラスチゾル2(IsDIN)は、黒塗りの丸を貫通した線によって表され、プラスチゾル1(Vestinol 9)は、菱形を有する破線によって表され、そしてIsDEHを可塑剤として有する比較例は、三角形を有する点線によって表される。ゲル化過程の開始は、一般に、複素粘性率の急激な増大において確認されるべきである。この粘度上昇が早期に開始するほど、その系のゲル化能力は一般により良好である。
結果: 本発明によるエステルIsDINを有するプラスチゾルのゲル化は、相応のフタレートDINPを基礎とするプラスチゾルと同等であり、またIsDEHの場合よりも僅かだけゆっくりである。
実施例9: プラスチゾル粘度の測定
実施例7で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、DIN53019の教示に従って、Physica DSR4000(Paar−Physica社)型レオメータを用いて、付属のソフトウェアUS200を介して制御して、以下のように実施した。プラスチゾルを、貯蔵容器中でもう一度へらで撹拌し、そして測定システムZ3(DIN 25mm)中で条件の手引きに従って測定した。その測定は、25℃で自動的に、前記のソフトウェアを介して行った。設定は以下のとおりであった:
・ 60秒の時間にわたり100s-1の前剪断(その際に測定値は評価しなかった)
・ 200s-1から始まって0.1s-1までの下降推移(それぞれ5秒の測定点期間を有する30ステップで対数級数に割り当てる)測定データの調整は、測定後に自動的にソフトウェアによって実施した。粘度は、剪断速度に依存して表された。測定は、それぞれ2時間後、4時間後、24時間後、及び28日後に実施した。これらの時点の間に、ペーストは25℃で貯蔵した。
以下の第4表において、100s-1の剪断速度について例示的に、それぞれ示された貯蔵時間後に得られる相応の粘度値が挙げられている。
第4表: 剪断速度100s-1(粘度の表記Pa*s)
Figure 0005590892
本発明によるプラスチゾル2の粘度は、可塑剤としてIsDEHを有する比較例の粘度と同等である。本発明によるプラスチゾルは、最も良好な貯蔵安定性を示す。
実施例10: シートの製造
試験体の作成のために、まず、第3表からのそれぞれの配合について、1mm厚のシートを製造した。このために、まず高光沢剥離紙(Sappi社、イタリア)を、30×44cmの大きさに裁断し、そしてマチスオーブン用の塗被装置LTSVの張り枠に嵌め込んだ。次いで、張り枠をテンタを案内枠に載せ、マチスオーブン(LTF型)を200℃に調整し、前記枠を前記温度に達した後に予熱した。次いで、ドクターブレードを取り付け装置につなぎ、ドクターブレード間隔を予備試験にわたり、そのシート厚がゲル化完了後に1mm(±0.05mm)となるように調整した。紙の前方縁部に過剰なペーストを受け止めるためにマスキングテープを貼った。次いで、ペーストをドクターブレードの前に載せ、案内枠を引くことによってドクターブレードで、取り付けられた剥離紙上に前記プレートを塗布した(約6m/分の速度)。次いで、ドクターブレードを外し、マスキングテープを過剰のペーストと一緒に取り去った。引き続き、溶融ローラを下へ降ろし、張り枠をオーブン中に入れた。ゲル化(200℃で2分)の後に、前記枠を再びオーブンから取り出し、冷却後に紙からシートを引き離した。
実施例11: DIN53407によるシートからの揮発性の測定
実施例10で製造された約1mmの厚さを有するシートから、それぞれ直径50mmを有する3つの円板を打ち出し、まず24時間、標準雰囲気(23℃/50%相対空気湿分)中で貯蔵し、次いで秤量した。次いで、それらの円板をDIN53407(方法A、活性炭との直接的な接触、粒度2.5mm)に従って、それぞれ24時間、加熱だな中で80℃で加熱した。
その後に、それらの円板を、再び加熱だなから取り出し、標準雰囲気で24時間冷却し、そして再び秤量してから、改めて加熱だな中に貯蔵した。7×24時間の貯蔵期間の後に、試験を完了した。第5表中に、得られた測定値を挙げる:
第5表: 揮発性測定の結果
Figure 0005590892
結果: 本発明によるエステルから製造されるシートの揮発性は、相応のフタレートDINPから製造されたシートの揮発性に相当し、かつその揮発性は、比較生成物IsDEH及びIsD355TMHの揮発性よりも明らかに低い。
実施例12: シートのガラス転移温度の測定
実施例10により製造されたシートから、60mm長、80mm幅及び1mm厚の破片を打ち出し、その破片からMYRENNE ATM III型のねじれ振り子においてDIN EN ISO6721(パート2)に従って−100℃ないし+100℃の温度でかつ1s-1の振動数で、それぞれ剛性G′及び損失弾性率G′′を測定した。
G′′の最大値から、ガラス転移温度TGを決定できる。これは、低温での可撓性についての尺度である。
試験体のガラス転移温度は、第6表に列記されている:
第6表: シートのガラス転移温度
Figure 0005590892
本発明による複数のジイソノナノイルエステルから製造されたシートのガラス転移温度は、IsDEHから製造されたシート(比較例)のガラス転移温度よりも、また相応のフタレートDINPのそれよりも低い場合には明らかに低い。
結論:
従って、本発明によるイソソルビド−ジイソノナノイルエステル(IsDIN)は良好な可塑剤特性を示し、かつ2−エチルヘキサン酸(IsDEH、実施例3)、3,5,5−トリメチルヘキサン酸(IsD355TMH、実施例4)及びペラルゴン酸(IsDnN、実施例5)から製造されたイソソルビドエステルは、応用技術的に優れている。

Claims (37)

  1. 式I
    Figure 0005590892
    [式中、R1〜R8は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、基R1〜R8は、同一であってもよいしもしくは異なっていてもよい]で示される、ジアンヒドロヘキシトール誘導体と実験式C817COOHのカルボン酸とのジエステルのみからなる混合物であって、
    該混合物は、少なくとも2種の異なる式Iのジエステルからなり、ここで、当該少なくとも2種の異なるジエステルは、2つのカルボン酸基C817COOのうちの少なくとも1つが同一ではない異性体であること、並びに、
    該混合物を構成するジエステルの鹸化によって得られるカルボン酸混合物が、異なる構成式を有する実験式C817COOHのうちの少なくとも2種のカルボン酸を有しており、ここで、当該混合物中に存在するカルボン酸はいずれも、該カルボン酸の混合物中に95モル%以上の割合で存在しないこと
    を特徴とする混合物。
  2. 請求項1に記載の混合物であって、
    該混合物を構成するジエステルの鹸化によって得られる前記実験式C817COOHのカルボン酸は、10モル%未満の3,5,5−トリメチルヘキサン酸を含有する
    ことを特徴とする、混合物。
  3. 請求項1又は2に記載の混合物であって、
    該混合物を構成するジエステルのカルボン酸基C817COOが、0.7〜2.0の分岐度を有する
    ことを特徴とする、混合物。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    該混合物を構成するジエステルのカルボン酸基C817COOが、1.2〜1.9の分岐度を有する
    ことを特徴とする、混合物。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    基R1〜R8がいずれもHである
    ことを特徴とする、混合物。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    該混合物の複数種のジエステルは、その立体配置が異なる少なくとも2種のジアンヒドロヘキシトール誘導体の基本骨格を有する
    ことを特徴とする、混合物。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    該混合物の複数種のジエステルは、モル質量が異なる少なくとも2種のジエステルを有する
    ことを特徴とする、混合物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    該混合物は、モル質量が異なる複数種のジエステルも、ジアンヒドロヘキシトール誘導体の基本骨格が異なる立体配置の複数種のジエステル異性体も有する
    ことを特徴とする、混合物。
  9. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の混合物であって、
    該混合物は、ジアンヒドロヘキシトール誘導体の基本骨格がいずれも同一である複数種のジエステルのみを有し、かつ、個々のジエステル異性体は、カルボン酸基の構造が異なることのみによって異なる
    ことを特徴とする、混合物。
  10. 請求項1から5までのいずれか1項又は請求項9に記載の混合物であって、
    前記の式Iの複数種のジエステルが、実質的に、式Ia
    Figure 0005590892
    [式中、二環式の基本骨格のキラル炭素原子が、互いに無関係に、RもしくはSの立体配置を有してよい]のジエステルである
    ことを特徴とする、混合物。
  11. 請求項9又は10に記載の混合物であって、
    前記の複数種のジエステルが、実質的に、イソソルビドのジエステルである
    ことを特徴とする、混合物。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物
    少なくとも1種のポリマー及び/又は式Iのジエステルではない少なくとも1種の更なる可塑剤
    有する、組成物
  13. 請求項12に記載の組成物であって、
    前記のポリマーの前記の複数種の式Iのジエステルに対する質量比が、30:1〜1:2.5である
    ことを特徴とする、組成物
  14. 請求項12又は13に記載の組成物であって、
    前記の更なる可塑剤の前記の複数種の式Iのジエステルに対するモル比が、1:10〜10:1である
    ことを特徴とする、組成物
  15. 請求項12から14までのいずれか1項に記載の組成物であって、
    前記のポリマーは、ポリ塩化ビニル(PVC)である
    ことを特徴とする、組成物
  16. 式I
    Figure 0005590892
    [式中、R1〜R8は、H又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、基R1〜R8は、同一であってもよいしもしくは異なっていてもよい]の複数種のジエステルを製造するための方法であって、
    式II
    Figure 0005590892
    [式中、R1〜R8は、式Iに挙げられた意味を有する]の6価のアルコール及び/又は上記式IIのアルコールのアンヒドロ誘導体もしくはジアンヒドロ誘導体と、
    実験式C817COOHの少なくとも2種の異なるカルボン酸からなる混合物であって、当該混合物中に存在するカルボン酸がいずれも該混合物中に95モル%以上の割合で存在しない、混合物と
    を反応させることを特徴とする、方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、
    平均分岐度0.7〜2.0を有する実験式C817COOHの複数種の異性体カルボン酸の混合物を使用する
    ことを特徴とする、方法。
  18. 請求項16又は17に記載の方法において、
    前記式IIのアルコール又は当該アルコールのモノアンヒドロ誘導体を使用する場合に、脱水を、別個の一段階においてエステル化の前に実施する
    ことを特徴とする、方法。
  19. 請求項16又は17に記載の方法において、
    前記式IIのアルコール又は当該アルコールのモノアンヒドロ誘導体を使用する場合に、脱水及びエステル化を、一工程において実施する
    ことを特徴とする、方法。
  20. 請求項16から19までのいずれか1項に記載の方法において、
    脱水を、100〜180℃の温度で実施する
    ことを特徴とする、方法。
  21. 請求項16から20までのいずれか1項に記載の方法において、
    脱水を、エステル化で使用したものと同じ触媒の存在下で実施する
    ことを特徴とする、方法。
  22. 請求項16から21までのいずれか1項に記載の方法において、
    エステル化を酸性イオン交換樹脂上で実施する
    ことを特徴とする、方法。
  23. 請求項16から22までのいずれか1項に記載の方法において、
    該方法の間に形成された水を、反応混合物中に不活性ガスを導通させることによって該反応混合物から除去する
    ことを特徴とする、方法。
  24. 請求項16から23までのいずれか1項に記載の方法において、
    該方法の間に形成された水を、蒸留によって反応混合物から除去する
    ことを特徴とする、方法。
  25. 請求項16から24までのいずれか1項に記載の方法において、
    エステル化を、120〜260℃の温度で実施する
    ことを特徴とする、方法。
  26. 請求項18に記載の方法において、
    事前に前記の別個の脱水段階が実施された場合に、エステル化を、130〜180℃の温度で実施する
    ことを特徴とする、方法。
  27. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、染料、インキ又は塗料における使用。
  28. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、プラスチゾル、接着剤又は接着剤成分における使用。
  29. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、シールコンパウンドにおける使用。
  30. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、プラスチック又はプラスチック成分における可塑剤としての使用。
  31. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、溶剤としての使用。
  32. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、潤滑油成分としての使用。
  33. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物の、金属加工助剤としての使用。
  34. 前記プラスチックがポリ塩化ビニル(PVC)であることを特徴とする、請求項30に記載の使用。
  35. 前記プラスチゾルがポリ塩化ビニル(PVC)プラスチゾルであることを特徴とする、請求項28に記載の使用。
  36. ポリ塩化ビニル(PVC)と、100質量部のPVC当たりに5〜250質量部の請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物とを含有する、PVC組成物。
  37. ポリ塩化ビニル(PVC)と、100質量部のPVC当たりに5〜250質量部の請求項1から11までのいずれか1項に記載の混合物又は請求項12から15までのいずれか1項に記載の組成物とを含有する、プラスチゾル。
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