JP5757948B2 - 2,5−フランジカルボン酸のエステル誘導体及び可塑剤としてのその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、2,5−フランジカルボン酸(FDCA)と異性体C9−アルコール、特に線状及び分枝状ノナノールのエステルから成る混合物に関する。同様に、本発明はこのようなエステル又は混合物を製造する方法ならびに例えばポリ塩化ビニルのようなポリマー用の可塑剤としての使用に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は経済的に重要なポリマーに属する。これは硬質PVCとしても軟質PVCとしても多様に使用されている。
軟質PVCを製造するためにPVCには可塑剤が添加され、その際、大抵の場合には、フタル酸エステル、特にジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)及びジイソデシルフタレート(DIDP)が使用される。
既に存在し、なお且つ将来的に可能性としてあり得るフタレートを制限して使用するための法的規制により、新たに可塑剤として従来使用されたものと同じアルコールを使用できるPVC及びその他のポリマーに適切なエステルを見出す必要がある。化石材料の制限された可用性ゆえに、特にこのようなエステルは将来的に有利な市場の見込みがあるべきであり、その際、少なくとも酸成分は例えば糖、脂肪又は油のような天然に存在する資源をベースとする。
T. Werpy and G. Petersen(U.S. Dept. Of Energy (DOE); 08/2004)による刊行物"Top Value Added Chemicals from Biomass"では、2,5−フランジカルボン酸(FDCA)が、糖をベースとする十分なプラットフォームケミカルとしてみなされている。テトラフタル酸との構造的類似性により、近年では2,5−フランジカルボン酸又は種々の誘導体を主にポリマーで使用する論文が出されている。多くの場合に、主な使用はポリマーにおけるテレフタル酸又はその誘導体の部分的な又は完全な代用であった。
FDCAに関する極めて大規模な概要、その使用及び合成の可能性は、Jaroslaw Lewkowskiによりインターネットで公表されている刊行物(ARKIVOC 2001(i)、17〜54
頁、ISSN1424〜6376)において"5−ヒドロキシメチルフルフラル及びその誘導体の合成、化学及び適用"というタイトルで見出すことができる。この合成の大概が意味するものは、カーボンハイドレート、特にグルコース又はフルクトースの、有利にはフルクトースの5−ヒドロキシメチルフルフラル(5−HMF)への酸接触反応であり、これは例えば2相法のような技術的操作により反応媒体から分離することができる。相応の結果は例えば、Roman-Leshkov et al, Science 2006、312、1933〜1937頁及びZhangにより、Angewandte Chemical 2008、120の9485〜9488頁に記載されている。
もう1つの工程では、5-HMFは酸化されてFDCAになり、これは例えば、ChristensenによりChemSusChem 2007、1、75〜78頁に言及されている。
更に、特定のFDCA−エステルの製造は、ガラクタル酸と相応のアルコールから出発する直接的な合成によっても記載されている(Tagouchi in Chemistry Letter 第37版、1号(2008))。
プラスチック用、特にPVC、PVB、PLA、PHB又はPAMA用の2,5−フランジカルボン酸のエステルの可塑剤としての使用は、これまでに殆ど記載されていない。これに関する最も広範囲な概要は、R. D. Sanderson et al.による刊行物において、Journal of Appl. Pol. Sci. 1994、第53巻、1785〜1793頁に見出される。そこには、n−ブタノール、n−ヘキサノール、2−オクタノール及び2−エチルヘキサノールをベースとする相応のエステルが例示的に記載されている。エステルとPVCを相互作用させる研究は、これがPVC用の可塑剤として使用できたことを示す。しかし、この推論は単にDMTA−測定からだけに由来する。取り扱い者にとって重要であり、有益な使用は実施されていない。例えば、ここでも例えばDSC−測定(12℃での融点最大、−2.7℃で開始)により証明できるFDCAの2−エチルヘキシルエステルが低温で結晶化する傾向は言及されていない。これによりこのエステルは多くの取り扱い者にとって使用が制限される。それというのも、低温ではポンプ性能がそれ以上得られないからである。
その上、特にスキン製品及び/又は食料品と接触する分野での危険物質として2−エチルヘキサノールの利用性の格付けは制限されることになる。
公知の従来技術から出発して、本発明の課題は例えば、PVC、PVB、PLA、PHB又はPAMAのようなプラスチック用の可塑剤として使用することができる2,5−フランジカルボン酸をベースとするエステルを提供することであり、その際、前記の問題は生じないか又は著しく和らいだ形でのみ生じ、かつ現在の石油化学的に標準の可塑剤に代わる工業的なポテンシャルを有する。
2,5−フランジカルボン酸(式I)の異性体ノニルエステル
Figure 0005757948
の混合物は、プラスチック、特にPVC、PVB、PLA、PHB及びPAMA用の可塑剤として使用でき、かつ文献公知のFDCA−エステルに対する有利な特性が示されることが見出された。更に、相応のフタル酸エステルに対するこのエステルは同様に使用工業的に有利であることが示されている。
本発明の対象は、式Iの2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物である。更に本発明の対象は、式Iの2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を有する組成物である。
原料ベースに関して、本発明の利点は本発明によるフランジカルボン酸エステルの製造に再生原料を任意に使用することにある。この場合に、本発明の意味では、再生原料は石油又は石炭のような化石資源をベースとする石油化学原料とは異なり、このような原料はバイオマスをベースに生じるか又は製造される原料を意味する。"バイオマス"、"バイオベース"又は"再生原料をベースとする又は再生原料から製造される"という用語には、いわゆる"炭素短期サイクル"に由来する生物由来の材料、従って地質形成又は化石層の成分ではない全ての材料が含まれる。再生原料の同定及び定量化は、ASTM法D6866により行われる。特に再生原料に特徴的であるのは、石油化学原料に対するその炭素アイソトープ14Cの割合である。
本発明の特別な経済的利点及び同時にエコロジカルな利点は、本発明によるフランジカルボン酸エステルの製造に再生原料と石油化学原料を同時に使用することにあり、このことは一方では特に廉価でかつ広い利用性を可能にし、他方では特に"持続的な"生成物を生じることができることを意味する。
本発明のもう1つの対象は、染料、インク又は塗料、プラスチゾル、接着剤又は接着剤成分、シーリング・コンパウンドにおける、またプラスチック又はプラスチック成分における可塑剤としての、溶剤としての、潤滑油成分としての及び金属加工の際の助剤としてのこれらの混合物の使用ならびにPVC−組成物又はPVC含有プラスチゾル(PVC100質量部当たり本発明による混合物5〜250質量部)である。
本発明のもう1つの対象は、2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法であり、該方法は2,5−フランジカルボン酸と、異性体ノナノールの混合物(以後、イソノナノールと称する)を場合により触媒の存在でエステル化するか、又は2,5−フランジカルボン酸ジメチルエステルとイソノナノールをメタノールの遊離下に、場合により触媒の使用下にエステル化し、2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物にすることを特徴とする。
更に、異性体ノニルエステルの混合物を製造するために、ガラクタル酸から出発し、これを異性体ノナノールの存在で有利な酸触媒下にワンポット反応の意味で同時に環化し、かつ反応させて相応のフランジカルボン酸エステルにしてもよい。
従来技術によるフランジカルボン酸エステルに対して、また現在のところ標準の可塑剤であるジ(イソノニル)フタレート(DINP)に対しても、本発明によるFDCAの異性体ノニルエステルの混合物は、プラスチック、特にPVCにおいて可塑剤として使用する際に著しく改善された特性を有する。
従来技術から公知の2−エチルヘキサノールをベースとするFDCA−エステルに対して、本発明によるジ−イソノニルエステルは、時間と共にフィルムからの僅かな揮発性ならびにプラスチゾル中で僅かな粘度の増大を有し、かつそれにより改善された耐老化性を有する。更に、本発明によるイソノナノールをベースとするエステル混合物は、ジ−2−エチルヘキシルエステルに対して、−20℃までの範囲内では結晶化の傾向を示さず、単に約−80℃でガラス転移点を示すだけである。興味深いことに、本発明によるジイソノニルエステルは、利用者にとって重要な特性で、また相応のフタレート(ジイソノニルフタレート、DINP)に対しても、例えば速いゲル化及び改善された可塑化作用のような改善された特性を示す。取り扱い者にとって、これは僅かな加工温度を意味するか、又は同じ加工温度での単位時間当たり製品の高い生産能力を意味し、これは同程度の柔軟さ/可撓性にとって相応のフタレートの場合よりも僅かな可塑剤だけが必要であるという効果と組み合わさる。
本発明による2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物は、該混合物が異性体C9−基の構造において区別される少なくとも2つの異なるエステルを有し、その際、混合物中に存在するC9−基は90mol%よりも多い割合を有さないように調製されるのが有利である。
本発明による混合物は、専ら式Iのエステルの混合物から成るか、又はこの他に少なくとも1つのポリマー及び/又は少なくとも1つの可塑剤(式Iのジエステルではない)を有することができる。該可塑剤は、例えば、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、グリセリンエステル、グリコールジベンゾエート、アルキルベンゾエート、ジアルキルアジペート、トリアルキルトリメリテート、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート又は1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルから選択することができ、その際、アルキル基は、4〜13個、有利には5、6、7、8、9、10、11個又は13個の炭素原子を有する。可塑剤は、ジアンヒドロヘキシトールエステル、有利にはカルボン酸、例えばn−酪酸又はイソ酪酸、バレリアン酸又は2−エチルヘキサン酸又はイソノナン酸のイソソルビドジエステルであることもできる。
本発明による混合物中に含有されていてもよいポリマーは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラル(PHB)及びポリアルキルメタクリレート(PAMA)であることができる。ポリマーはポリ塩化ビニル(PVC)であるのが特に有利である。
式Iのジエステルとポリマーを有する有利な混合物中、ポリマー/複数のポリマー:式Iの1つのジエステル/複数のジエステルの質量比は30:1〜1:2.5、及び有利には20:1〜1:2である。
式Iのジエステルと可塑剤(式Iのジエステルではない)を有する有利な混合物中、可塑剤、特にアルキルベンゾエート、ジアルキルアジペート、グリセリンエステル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリアルキルトリメリテート、グリコールジベンゾエート、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノイルエステル及び/又は1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステル:式Iの1つのジエステル/複数のジエステルのモル比は、有利には1:15〜15:1、有利には1〜6:6〜1である。
本発明による式Iの複数のジエステル又は式Iの1つのジエステルの混合物は、それ自体を種々の方法で製造できる。式Iの複数のジエステル又は式Iの1つのジエステルの混合物は、有利には以下に記載する方法で製造される。
2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの本発明による製法は、2,5−フランジカルボン酸又はこの化合物の単鎖ジアルキルエステル、特にジメチルエステルを、任意に触媒の使用下に異性体ノナノールの混合物と反応させることに傑出している。更に、FDCAと塩化チオニルのようなクロロ化剤との反応により得られる2,5−フランジカルボン酸二塩化物は、ジイソノニルエステルを製造するための出発剤として使用される。二塩化物の中間段階を経てFDCAを反応させてジイソノニルエステルにする適切な条件は、実施例に見出される。
異なる構造式で、一般式C817CH2OHの少なくとも2個のノナノールを有する異性体ノナノールの混合物を使用するのが有利であり、その際、混合物中に存在するノニルアルコールは有利には90mol%よりも多い割合を有さない。
本発明による方法で使用される混合物中に、一般式C919OHの異性体ノナノール、特に式C817CH2OHの異性体ノナノールを、有利には10mol%より少なく、有利には5mol%より少なく、特に有利には1mol%より少なく、特に0〜0.5mol%、有利には0.1mol%より少なく、特に0.0001〜0.1mol%、かつとりわけ有利には0.05mol%より少なく、特に3,5,5−トリメチルヘキサノールを0.01〜0.05mol%、又は一般式C817CH2OHを有するその他の3回置換されたノニルアルコール(特に第四級C原子を有するもの)を0.01〜0.05mol%有する。このアルコールの存在は使用工業性を劣悪にし、かつ分子の生物分解速度を下げてしまう。
更に、本発明による混合物中に含有される式Iのジエステルを製造する際に使用される一般式C919OH、特に式C817CH2OHのイソノナノールは、n−ノナノール1〜85%、特に1〜50%、有利には2〜20%を有する。
混合物中の異性体アルコールの異性体分布は、当業者に慣用である通常の測定法、例えば、NMR−分光法、GC−又はGC/MS−分光法を用いて、有利にはシリルエステル又はメチルエステルへの変換により算定することができる。
異性体ノニルアルコールの合成
原則的に、一般式C919OHを有するノナノールの全ての工業用混合物、特に少なくとも2個の異なる構造異性体を有する式C817CH2OHを有するものを使用することができる。式C817CH2OHを有する異性体ノナノールのこのような混合物を使用するのが有利であり、これは種々の異性体の割合及び/又は第四級C−原子を有するC−アルコールの含有量に関して上記の範囲内にある。
本発明による方法で使用される一般式C919OH、特に式C817CH2OH(以下、イソノナノールと称する)を有する異性体ノナノールの混合物は、例えば、オクテンのヒドロホルミル化により、また種々の方法で製造することもでき、かつ引き続き水素化により製造することができる。
オクテンを製造するための原料として、工業的C4−流を使用することができ、これはまず飽和ブタンの他に全ての異性体C4−オレフィン及び場合により、C3−オレフィン及びC5−オレフィンのような不純物及びアセチレン性化合物を含有していてもよい。C4−流中に含有されるオレフィンのオリゴマー化により、高分子オリゴマー、例えば、C12−及びC16−オレフィン混合物の他に主として異性体オクテン混合物が得られる。このオクテン混合物は、場合によりC12−オレフィン及びC16−オレフィンの蒸留による分離の後に、相応のアルデヒドにヒドロホルミル化することができ、かつ引き続き水素化されてアルコールになる。組成物、すなわち工業的ノナノール混合物の異性体分布は、出発材料により、かつ実質的にオリゴマー化法とヒドロホルミル化法による。
オクテン混合物として、例えばいわゆるポリガス法により得られるものを使用することもでき、その際、C3−/C4−混合物のオリゴマー化は固体酸性触媒、有利には固体リン酸触媒(SPA−法)において実施できる。この方法は特に文献US6284938、US6080903、US6072093、US6025533、US5990367、US5895830、US5856604、US5847252及びUS5081086に記載されている。専ら、この方法で得られるオリゴマー混合物をヒドロホルミル化する場合には、通常はオクタナールとデカナールのフラクションも得られるので、ここでは9個の炭素原子の平均鎖長を剥がすことができる。すなわち水素化の後に、異性体ノナノールを有する混合物が得られ、これは異性体オクタナール又はデカナールを有することもできる。更に、エチレンオリゴマー化からのオクテンを有利に使用することができる。
本発明による方法で使用可能な異性体ノナノールの混合物は、異性体オクテンのヒドロホルミル化により及び引き続き生じたアルデヒドの水素化により得られるものが特に有利である。その際、異性体オクテンの混合物は、ブテンを有する炭化水素混合物(ここで、ブテンに対して、イソブテンは有利には20質量%未満、有利には10質量%未満、特に有利には5質量%未満、とりわけ有利には3質量%未満、特に有利には1質量%未満、更に有利には0.01〜1質量%の間、特に有利には0.05〜0.5質量%の間の割合を有する)をオリゴマー化触媒、特に酸化ニッケルを含有する触媒と接触させて得られる。ニッケル担体触媒における実質的に線状のブテンのオリゴマー化による異性体オクテンの製造は、例えば、OCTOL法として公知であり、例えばEP0395857又はEP1029839に記載されている。OCTOL法の変法では、例えば、Ti又はZrを有する触媒が使用される。このような二者択一的な変法及び特に触媒は、例えば、EP1171413に記載されている。既に先に記載したように、このように得られるオクテンは、高分子オレフィン、すなわちC12−、C16−、C20−などのオレフィンから例えば蒸留により分離できる。
例えば、上記のように製造されたオクテン又は異性体オクテンの混合物は、引き続きヒドロホルミル化に供給される。ヒドロホルミル化は、変性又は非変性コバルト触媒又はロジウム触媒の存在で行うことができる。有利には、ヒドロホルミル化は非変性コバルト化合物の存在で行われる。適切なヒドロホルミル化法は、例えば、EP0850905及びEP1172349から公知である。通常は、この方法で実質的に異性体ノナナール、事実上まだ反応していないオクテンから成る混合物、ならびに水素化(二次反応)により相応して生じる相異性体ノナノールとオクタンから成る混合物が生じる。
ヒドロホルミル化は、ロジウム触媒の存在で行うこともできる。このようなヒドロホルミル化法は、一般に、例えば、EP0213639、EP1201675、WO03/16320、WO 03/16321、WO2005/090276ならびにそこに引用されている文献から公知である。本発明による方法で使用可能な異性体ノナノールの混合物を製造するために同様に適切である特殊なヒドロホルミル化法は、例えばWO2004/020380又はDE10327435に記載されている。そこに記載されている方法は、環式炭酸エステルの存在で実施される。
異性体オクテンの混合物をヒドロホルミル化に供給する前に、EP1172349に記載されているようにまずフラクション化するのも有利であることができる。この方法で、本発明による方法で使用可能な異性体ノナノールの混合物を製造するために特に適切であるオクテンフラクションを得ることができる。次にこのフラクションからは、比較的に簡単な方法で、適切なフラクションの混合により異性体オクテンの混合物を得ることができ、これは本発明による方法で使用する異性体ノナノールの混合物の製造に適切である。
オクテン混合物のヒドロホルミル化は1工程又は多工程で、場合により各工程の後に反応していないオクテンを分離して実施できる。場合により、ヒドロホルミル化から得られた反応混合物をフラクション化し、かつこのように水素化に特定のノナナールフラクションを濃縮することができ、かつ有利であることができる。しかし通常は、ヒドロホルミル化生成物を触媒から直接に放し、かつその後に水素化に供給することもできる。ヒドロホルミル化は通常は不均一触媒において高温及び高圧で、液相又は気相法で自体公知の方法で、例えば、WO 2009/027135に開示されているように行われる。
本発明の意味する範囲内で適切なイソノナノール混合物は、例えばEP1171413に挙げられている。
フランジカルボン酸
フラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA、CAS-Nr:3238-40-2)は、>300℃の融点を有する白色固体であり、これまでに大工業的に使用可能ではないが文献に挙げられているように製造されるか又は市販されている。場合により二塩化物への所望の又は有利な変換は、実施例に詳細に記載されている。
エステル化
本発明によるエステルを製造するために、フランジカルボン酸又は反応性誘導体、例えば相応の二塩化物(実施例参照)を異性体ノナノールの混合物と反応させる。有利には、エステル化は触媒を用いて、フランジカルボン酸とイソノナノールから出発して行うのが有利である。
フランジカルボン酸とイソノナノール混合物の、相応するエステルへのエステル化は、例えば、ブレンステッド酸又はルイス酸を用いて自己触媒により又は触媒により実施できる。全く同じ種類の触媒は、使用材料(酸とアルコール)と生成物(エステルと水)の間に温度依存による平衡が常に生じるように選択される。エステルの有利な平衡へ移すために、連行剤を使用することができ、これを用いて反応水が混合物から除去される。エステル化に使用されるアルコール混合物は、フランジカルボン酸、それらの反応性誘導体及びそれらのエステルよりも低く沸騰し、かつ水との溶解度ギャプを示すので、これは連行剤として頻繁に使用され、水を分離した後に方法に再び戻すことができる。
連行剤として同時に使用されるエステルの形成に使用されるアルコール又は異性体ノナノール混合物は、エステルの形成に必要な量の有利には5〜50質量%、特に10〜30質量%過剰で使用される。
エステル化触媒として、酸、例えば、硫酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸、又は金属又はそれらの化合物を使用できる。微分散する金属として又は合理的にその塩、酸化物又は溶解性有機化合物の形で使用されるスズ、チタン、ジルコニウムが適切である。金属触媒はプロトン酸とは異なり、その完全な活性が180℃を上回る温度でようやく達成される高温触媒である。しかし、この場合にフランジカルボン酸は190℃を上回る温度でCO2を分離する傾向があり、かつ次にそこからモノカルボン酸が形成され、これはそれ以上反応して目標生成物になることができない。しかし、金属触媒が有利に使用される。なぜならば、この金属触媒はプロトン触媒と比べて使用されるアルコールからのオレフィンのように僅かな副生成物を形成するからである。金属触媒の例示的な代表は、スズ粉末、酸化スズ(II)、シュウ酸スズ(II)、チタン酸エステル、例えば、テトライソプロピルオルトチタネート又はテトラブチルオルトチタネートならびにジルコニウムエステル、例えばテトラブチルジルコネートである。
触媒の濃度は触媒の種類による。有利に使用されるチタン化合物は、これを反応混合物に対して0.005〜2.0質量%、特に0.01〜0.5質量%、とりわけ有利には0.01〜0.1質量%有する。
反応温度は、チタン触媒を使用する場合には160℃〜270℃の間、有利には160〜200℃の間である。任意の温度は使用材料、反応工程及び触媒濃度による。しかし、これはどの場合にも試験により容易に算出することができる。より高い温度は、反応速度及び促進する副反応、例えばアルコールからの水の分離又は有色の副生成物の形成を高めることができる。反応水を除去するために、アルコールを反応混合物から留去することができる。所望の温度又は所望の温度範囲は、反応容器中の圧力により調節できる。従って、低沸点アルコールの場合には超過圧で、かつ高沸点アルコールの場合には減圧で反応が実施される。例えば、FDCAと異性体ノナノールの混合物の反応は、160℃〜190℃の温度範囲内で、0.1MPa〜0.001MPaの圧力範囲内で運転される。
反応に戻される液体量は、アゼオトロープ蒸留物の後処理により得られたアルコールから部分的に又は完全に成ることが出来る。後処理をより遅い時点で実施し、かつ除去した液体量を新たなアルコール、すなわち貯蔵容器中に既に存在するアルコールと完全に又は部分的に取り替えることもできる。
1つ又は複数のエステルの他に、アルコール、触媒又はその二次生成物及び場合により副生成物を含有する粗エステル混合物を自体公知の方法により後処理することができる。その際、後処理は以下の工程を含む:過剰のアルコール及び場合により低沸点物の分離、存在する酸の中和、場合により水蒸気の蒸留、容易に濾過可能な残留物中への触媒の移動、固体の分離及び場合により乾燥。この場合に使用される後処理の方法に応じて、この工程の順序を変えることもできる。
任意に、場合により沈殿物を中和した後にジイソノニルエステルの混合物を反応混合物から蒸留により分離してもよい。
エステル化
二者択一的に、本発明によるジイソノニルエステルをフラン−2,5−ジカルボン酸ジエステルとイソノナノール混合物のエステル化により得ることもできる。エダクトとして、エステル基の酸素原子に結合したアルキル基が1〜8個の炭素原子を有するフラン−2,5−ジカルボン酸ジエステルを使用できる。これらの基は、脂肪族、直鎖又は分枝の脂肪族又は芳香族であることができる。このアルキル基の1つ又は複数のメチレン基は、酸素により置換されていてもよい。エダクトであるエステルに基づいて存在するアルコールは、使用されるイソノナノール混合物よりも低く沸騰するのが合理的である。有利な使用物質はフラン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルである。
エステル化は、触媒により例えばブレンステッド酸又はルイス酸又は塩基を用いて実施される。使用物質(ジアルキルエステル及びイソノナノール混合物)と生成物(ジイソノニルエステル混合物及び遊離アルコール)の間で温度に依存する平衡が常に生じる全く同じ触媒が使用される。ジイソノニルエステル混合物の望ましい平衡に変えるために、エダクトであるエステルから生じるアルコールを反応混合物から留去する。
ここでも、イソノナノール混合物を過剰に使用するのが合理的である。エステル化触媒として、酸、例えば硫酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸、又は金属又はそれらの化合物を使用することができる。例えば、スズ、チタン、ジルコニウムが適切であり、これは微分散した金属として又は合理的にはその塩、酸化物又は溶解性有機化合物の形で使用される。金属触媒はプロトン酸とは異なり、その完全な活性が180℃を上回る温度でようやく達成される高温触媒である。しかし、金属触媒が有利に使用される。なぜならば、この金属触媒はプロトン触媒に対して、使用アルコールからのオレフィンのような僅かな副生成物を形成するからである。金属触媒の例示的な代表は、スズ粉末、酸化スズ(II)、シュウ酸スズ(II)、チタン酸エステル、例えば、テトライソプロピルオルトチタネート又はテトラブチルオルトチタネートならびにジルコニウムエステル、例えばテトラブチルジルコネートである。
更に塩基触媒、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸水素塩、カーボネート又はアルコレートを使用することができる。これらのグループから、有利なアルコレート、例えば、ナトリウムメチレートを使用するのが有利である。アルコレートは、in situでアルカリ金属及びノナノール又はイソノナノール混合物から製造することもできる。
触媒濃度は触媒の種類による。これらは通常、反応混合物に対して0.005〜2.0質量%の間である。
エステル化の反応温度は通常100〜220℃の間である。これは、エダクトであるエステルから生じるアルコールが所定の圧力で、大抵は常圧で反応混合物から留去できる程度に少なくとも高くあるべきである。
エステル化混合物は、エステル化混合物で記載したものと同じように処理できる。
使用
2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの本発明による混合物は、特にプラスチック組成物、接着剤、シーリング・コンパウンド、ラッカー、染料、プラスチゾル、人造皮革、床カバー材、下張り床の保護、被覆織物、壁紙又はインクにおける可塑剤として使用できる。有利には、本発明による可塑剤は、成形物、接着剤、食料品パッケージ、フィルム、玩具、医薬品、ルーフィング膜、人工皮革、床カバー材、下張り床の保護、被覆織物、壁紙、ケーブル及び電線ジャケット、特に有利には食料品パッケージにおいて、玩具、医薬品、例えば、注入、人工透析及び排出用のバッグ及びホース材料、壁紙、床カバー材及び被覆織物のようなものにおいて使用できる。
2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの本発明による混合物の使用下に、2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を有する本発明による組成物が特に得られる。
このような組成物は、本発明による2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を単独で又は他の可塑剤との混合物の形で有することができる。本発明による組成物が本発明による2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を他の可塑剤との混合物の形で有する場合には、他の可塑剤は有利にはフタル酸ジアルキルエステル、有利にはアルキル鎖中に4〜13個の炭素原子を有する;トリメリット酸トリアルキルエステル、有利には側鎖中に4〜10個の炭素原子を有する;アジピン酸ジアルキルエステル及び有利にはテレフタル酸ジアルキルエステル、それぞれ有利には側鎖中に4〜13個の炭素原子を有する;1,2−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、1,3−シクロヘキサン二酸アルキルエステル及び1,4−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、有利には1,2−シクロヘキサン二酸アルキルエステル、それぞれ有利にはアルキル=側鎖中に4〜13個の炭素原子を有するアルキル基;グリコールのジ安息香酸エステル:8〜22個の炭素原子を有するアルキル基を有するフェノールのアルキルスルホン酸エステル;ポリマー可塑剤、グリセリンエステル、イソソルビドエステル及び安息香酸アルキルエステル、有利にはアルキル鎖中に7〜13個の炭素原子を有するもののグループから選択される。全ての場合に、アルキル基は線状又は分枝ならびに同じ又は異なっていることができる。該組成物は、2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物の他に、アルキル=7〜13個の炭素原子を有するアルキル基を有する安息香酸アルキルエステル、有利には安息香酸イソノニルエステル、安息香酸ノニルエステル、安息香酸イソデシルエステル、安息香酸プロピルヘプチルエステル又は安息香酸デシルエステルを有するのが特に有利である。他の可塑剤との混合物中の本発明による2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物の割合は、有利には15〜90質量%、特に有利には20〜80質量%、とりわけ有利には30〜70質量%であり、その際、存在する全ての可塑剤の質量割合は合計して100質量%になる。
2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物と他の可塑剤から成る前記組成物は、プラスチック組成物、接着剤、シーリング・コンパウンド、塗料、染料、プラスチゾル又はインクにおいて可塑剤組成物として使用できる。本発明による可塑剤組成物から製造されるプラスチック製品は、例えば次のものであることができる:成形物、シーリング・コンパウンド、食料品パッケージ、フィルム、玩具、医薬品、ルーフィング膜、人工皮革、床カバー材、下張り床の保護、被覆織物、壁紙、ケーブル及び電線ジャケット。このグループから、食料品パッケージ、玩具、医薬品、壁紙、被覆織物及び床カバー材が有利に挙げられる。
2,5−フランジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を有する本発明による組成物は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリレート、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアルキルメタクリレート(PAMA)、フルオロポリマー、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート、特にポリビニルブチラール(PVB)、ポリスチレンポリマー、特にポリスチレン(PS)、発泡ポリスチレン(EPS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−無水マレイン酸−コポリマー(SMA)、スチレン−メタクリル酸−コポリマー、ポリオレフィン、特にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリエチレン−酢酸ビニル(EVA)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリスルフィド(PSu)、バイオポリマー、特にポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)、ポリヒドロキシバレリアン酸(PHV)、ポリエステル、デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、特にニトロセルロース(NC)、エチルセルロース(EC)、セルロースアセテート(CA)、セルロース−アセテート/ブチレート(CAB)、ゴム又はシリコーンから選択されるポリマーならびに前記ポリマー又はそれらのモノマー単位の混合物又はコポリマーを有することができる。
有利には、本発明による組成物は、PVC、又はエチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、10個までの炭素原子を有する分枝又は非分枝アルコールのエステル基の酸素原子に結合したアルキル基を有するアクリレート又はメタクリレート、スチレン、アクリロニトリル又は環式オレフィンをベースとするホモポリマー又はコポリマーを有する。
本発明による組成物は、PVC−タイプの懸濁液−、材料−、マイクロ懸濁液−又はエマルション−PVCとして含有されるのが有利である。ポリマー100質量部に対して、本発明による組成物は、可塑剤を有利には5〜200質量部、特に有利には10〜150質量部含有する。
本発明による組成物は、前記成分の他に更なる成分、特に例えば、更なる可塑剤、充填剤、顔料、安定剤、補助安定剤、例えば、エポキシド化された大豆油ならびに滑剤、発泡剤、キッカー、抗酸化剤又は殺虫剤を含有することもできる。
本発明による組成物は、有利には液体、特にポンプ輸送可能な液体として、ペーストとして、保護物質として、プラスチゾル、粉末、固体又は固体物として存在する。
前記ポリマーを有する前記組成物は、接着剤、シーリング・コンパウンド、塗料、染料、プラスチゾル、プラスチック、床カバー材、下張り床の保護、織物被覆、壁紙又はインクとして又はそれらの製造に使用できる。
前記組成物がプラスチックである場合には、これは成形物、シーリング・コンパウンド、単分節又は多文節のシャッター装置、食料品パッケージ、フィルム、玩具、医薬品、特に、例えば、注入、人工透析及び排出に使用されるバッグ及びホース材料、ルーフィング膜、人工皮革、床カバー材、下張り床の保護、被覆織物、壁紙、ケーブル及び電線ジャケットに加工することができる。本発明による組成物は、食料品パッケージ、玩具、医薬品、壁紙及び床被覆の製造に使用されるのが有利である。
以下の実施例は本発明を説明するものであるが、その使用範囲を詳細な説明及び請求項から得られるものに制限されるものではない。また容易な実施例は当業者が本発明を最も幅広く考え得る範囲内で利用できるものに由来する。
実施例
本発明によるエステルは、二工程の合成でフラン−2,5−ジカルボン酸から出発して二塩化物を介して製造される。
例1:フラン−2,5−ジカルボン酸二塩化物(II)の合成工程
還流冷却器と滴下漏斗を備えた250ml−三つ首フラスコ中に、アルゴン72.1g(462mmol)下にフラン−2,5−ジカルボン酸を予め装入した。10分間の間に、塩化チオニル165g(1.39mol)を液滴N,N−ジメチルホルムアミドと混合しながら添加した。懸濁液を還流温度まで加熱し、かつ生じたガスをKOH水溶液を有する洗浄瓶により排出した。次にガスの発生が終了するまで、かつ固定が完全に溶解するまで還流下に4時間加熱した。生成物の単離は、蒸留による精製により過剰の塩化チオニルを取り去った後に行った(T=110℃、p=0.0012MPa)。
この場合に、二塩化物79.4gが融点79.5〜80.0℃を有する無色の結晶質固体(収率89%)として得られた。
フラン−2,5−ジカルボン酸二塩化物を更に使用するために、暗所で保護ガス(アルゴン)下に室温で貯蔵した。
例2:フラン−2,5−ジカルボン酸エステルの合成
アルゴン下に、還流冷却器及び滴下漏斗を備えた三つ首フラスコ中に二塩化物を予め装入し、かつ加熱により溶融した。液体に2.4当量のアルコールをゆっくり滴下し、その際、ガスが発生する発熱反応が生じた。発生したガスは、KOH水溶液を有する洗浄瓶により送った。完全に添加した後に、80〜100℃の温度で16時間撹拌した。過剰のアルコールを沸騰石の存在で減圧下に除去し、かつ粗生成物を蒸留により精製した。
比較例の合成のために、市販の2−エチルヘキサノールを使用した。本発明によるエステル混合物を製造するために商品名イソノナノールINAで得られる出願人CAS Reg. No. 27458-94-2のイソノナノールを使用した。使用されたイソノナノールは、20℃で0.8348g/cm3の密度(DIN 51757による)、20℃で1.4362の破断指数(DIN 51423/2による)及び20℃で13.2mPa*sの剪断粘度(DIN 53015による)ならびに<−75℃の凝固点を有し、かつガスクロマトグラフィーによる分析により算定して、以下の組成物を有した:n−ノナノール7.5mol%、6−メチルオクタノール19.8mol%、4−メチルオクタノール20.0mol%、2−メチルオクタノール3.8mol%、3−エチルヘプタノール8.3mol%、2−エチルヘプタノール2.1mol%、2−プロピルヘキサノール1.8mol%、4,5−ジメチルヘプタノール15.0mol%、2,5−ジメチルヘプタノール10.1mol%、2,3−ジメチルヘプタノール2.5mol%、3−エチル−4−メチルヘキサノール4.1mol%、2−エチル−4−メチルヘキサノール2.9mol%、その他の同定されていない炭素原子9個を有する化合物2.1mol%、前記成分の全体の合計は100mol%になる。
以下の表1には、2つの合成の結果が記載されている。
Figure 0005757948
フラン−2,5−ジカルボン酸二塩化物(2)の相応するエステルへの反応は、殆ど定量的に行った。
例3:冷間での示差走査熱量計(DSC)によるエステルの含有量の決定
装置:Mettler Toledo社のDSC820
試験条件:
温度範囲:−100〜250℃
加熱速度:10K/分
秤量分:約10〜11mg
るつぼ:蓋に穴の開いた標準的なアルミニウムるつぼ
フラッシュガス:窒素
結果:2−ET−エステルII(比較例)は0℃を上回って(すなわち氷結点を上回って既に固体として存在する)融解シグナルを示したのに対して、本発明によるイソノニルエステルIは約−80℃でガラス状で生じた。DSC−サーモグラムでは、融解シグナルではなく、約−80℃でガラス転移点だけが検出できた。
従って、これは本発明のエステルIは低温でも固化せず、流動可能又はポンプ輸送可能なままであることに由来する。
例4:プラスチゾルの製造
本発明によるエステルで達成可能な有利な特性は、以下のプラスチゾルとそれから得られる半製品で示される。種々のプラスチゾル用の成分に使用した秤量分は、以下の表2から見て取れる。
Figure 0005757948
液体成分を固体成分の前に適切なPEグラスに量り入れた。軟膏スパチャラを用いて混合物を湿っていない粉末が存在しないように手で混ぜ合わせた。次にミキサーグラスをディソルバー撹拌機の固定装置中にはめ込んだ。ミキサーディスクで試験体をホモジナイズした。
この場合に、回転数を330rpmから2000rpmに高め、かつサーモセンサーのデジタル表示の温度が30.0℃に達するまで撹拌した。定義づけられたエネルギーの取り込みでプラスチゾルのホモジナイジングが達成されることが保証された。その後にプラスチゾルは25.0℃で直ぐに温度調節された。
例5:プラスチゾルの粘度の測定
例4で製造したプラスチゾルの粘度の測定は、付属ソフトウェアRheplusでコントロールされたRheometer Physica MCR 101(Paar-Physica社)を用いて以下のように実施された。
プラスチゾルをスパチュラを用いてストック容器中でもう一度撹拌し、かつ条件マニュアルに倣って測定系Z3(DIN25mm)中で測定した。上記ソフトウェアにより測定を25℃で自動的に行った。以下の点を調節した。
100秒-1の予備剪断を60秒の期間、測定値を記録しなかった(標準のチキソトロピー効果)。
200秒-1〜0.1秒-1を下回る剪断速度で開始する等温的下方傾斜を、それぞれ5秒の測定期間で30段間の対数配列に分割した。
測定データの評価は測定後にソフトウェアにより自動的に実施した。粘度は剪断速度に応じて表示されている。プラスチゾルを置いておく(また"プラスチゾルの成熟")間のプラスチゾルの粘度の変化を考慮するために、それぞれ2時間、24時間及び7日間測定を実施した。この時点の間に、プラスチゾルを25℃で貯蔵した。
以下の表には、100秒-1の剪断速度に関して、それぞれ所定の貯蔵時間後に得られた相応の粘度値が例示的に示されている。
Figure 0005757948
本発明によるイソノニルエステルIは、2−エチルヘキシルエステルIIに対して時間の経過と共にプラスチゾルの著しく僅かな粘度の増大を示している。標準の可塑剤DINPに比べて該調製物では、当業者に公知のような(最適化された)調製物及び/又はその他の組成物において適切な方法により、例えば、可塑剤の全体量を高めることにより、より低い固有粘度を有する更なる可塑剤の添加により、レオロジー添加剤(例えば分散添加剤又は他の表面活性物質)の添加及び/又は(補助)溶剤の添加により、本発明によるPVC−プラスチゾルの高い粘度水準を下げることができる。
例6:ゲル化速度の測定
プラスチゾルのゲル化挙動の試験は、剪断応力が制御されて運転されたプレート−プレート測定系(PP25)を用いる振動モードにおいて行った。更なる温度調節カバーを器具につなぎ、均一な熱分布と一様な試験体温度を達成した。
以下のパラメーターに調節した:
方法:温度勾配
開始温度:25℃
終了温度:180℃
加熱/冷却速度:5℃/分
振動率:4〜0.1Hz対数的傾斜
角振動数Ω:10 1/秒
測定点の数:63
測定期間:0.5分
間隙の自動的トラッキングF:0 N
一定の測定点の期間
間隙幅 0.5mm。
測定の実施:
以下の測定系のプレート上に、測定すべきプラスチゾル調製物の一滴を気泡が無いようにスパチュラで載せた。この場合に、測定系の凝固の後に、プラスチゾルが幾分か測定系から一様に吹き出ることができるように留意した(円周約6mmを上回らない)。引き続き、温度調節カバーを試料の上に置き、かつ測定を開始した。
いわゆるプラスチゾルの複素粘性率を温度に依存して決定した。時間間隔(5℃/分の加熱測定により確定)で一定の温度が達成されたので、ゲル化温度の他に測定系のゲル化速度の証明も得られた。ゲル化プロセスの始まりは、複素粘性率の急な著しい上昇で分かる。この粘度増大が早く始まるほど系のゲル化性能は良好である。比較のために、各プラスチゾルの補間により1000Pa・sの複素粘性率が達成された温度を決定した。ここで表4に記載した値を挙げる。
Figure 0005757948
フランジカルボン酸エステルが相応のフタレートよりも早く(すなわち、より低い温度で)ゲル化することが明らかに分かる。
例7:流し込成形品のショアー硬度の測定
ショアー硬度Aは、試験体の柔軟さの指標である。特定の測定期間で規格化された針が試験体に深く突き抜けることができるほど、より一層低い測定値が出される。同じ可塑剤の量で最も高い効果を有する可塑剤は、最も低い値のショアー硬度を生じる。逆に、極めて効果的な可塑剤では、調製物中で一定の割合を節約することができ、この事は多くの場合に取り扱い者にとって僅かな費用しかかからないことを意味する。
ショアー硬度を決定するために、例4により製造されるプラスチゾルを直径42mmを有する円形の鋳造型に流し込んだ。次に、金型中のプラスチゾルを200℃で30分間循環乾燥棚中でゲル化し、冷却後に取り出し、かつ測定前に25℃で少なくとも24時間貯蔵した。流し込成形品の厚さは約12mmであった。
測定自体は、Zwick-Roell社のショアーA−測定装置を用いて実施し、測定値をそれぞれ3時間後に読み取った。各試験体で、種々の箇所(縁の範囲内では無い)で3つの異なる測定を実施し、かつそれぞれの平均値を記入した。
表5には得られた測定値が挙げられている。
Figure 0005757948
記載された実施例は、本発明によるフランジカルボン酸Iのジ−イソノニルエステルが、最も近い従来技術、フラン2,5−ジカルボン酸−ビス−(2−エチル−ヘキシル)エステルIIよりも結晶化しない決定的な利点を有することを裏付けている。可塑剤の作用とゲル化速度では、相応のフタレートDINPよりも部分的に著しい改善が示されている。
例8:ジイソノニルテレフタレート(DINT)と一緒のPVC−ルーフィング膜調製物(プラスチゾル)における本発明によるフランジカルボン酸エステルの使用−ルーフィング膜−プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は例4に倣って行ったが、調製物を変えた。種々のプラスチゾルに使用した成分の秤量分は以下の表(6)から見て取れる。
Figure 0005757948
例9:24時間(25℃で)の貯蔵期間後の本発明によるフランジカルボン酸エステルとジイソノニルテレフタレートを含有するトップコートプラスチゾル(例8による)のプラスチゾル粘度の決定
例8で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、Rheometer Physica MCR 101(Paar-Physica社)を用いて、例5で記載した方法により行った。結果は、100/秒、10/秒、1/秒及び0.1/秒の剪断速度に関して以下の表(7)に例示的に記載されている。
Figure 0005757948
低い剪断速度の範囲内では、本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有するプラスチゾルは、その剪断粘度で類似のDINP−プラスチゾルの水準を下回るか又は上回る。より高い剪断速度では、本発明によるプラスチゾルの剪断粘度は、類似のDINP−プラスチゾルの剪断粘度を単に僅かに上回るだけである。従って、ジイソノニルテレフタレートと本発明によるフランジカルボン酸エステルの混合により、DINP−プラスチゾルのような類似した加工特性を有するが、しかし同時にオルト−フタレートを含有せず、かつ再生される粗生成物をベースとするプラスチゾルを製造できる。
例10:即ゲル化するプラスチゾルと一緒の本発明によるフランジカルボン酸エステルの、熱膨張性プラスチゾル(床)における使用−プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造を例4に倣って行ったが、しかし調製物を変えて使用した。種々のプラスチゾルに使用した成分の秤量分は以下の表(8)から見て取れる。
Figure 0005757948
使用した材料と物質を以下に詳細に説明する:
Vinnolit MP 6852:K値(DIN EN ISO 1628-2による)68を有するマイクロ懸濁液PVC(ホモポリマー);Vinnolit GmbH & Co KG社。
Vestinol9:ジイソノニル(オルト)フタレート[DINP]、可塑剤;Evonik Oxeno GmbH社。
Citrofol BII:アセチルクエン酸トリブチル、即ゲル化する可塑剤;Jungbunzlauer AG社。
Mesamol II:フェノールのアルキルスルホン酸エステル;即ゲル化する可塑剤;Lanxess AG社。
Jayflex MB10:イソデシルベンゾエート;即ゲル化する可塑剤;ExxonMobil Chemicals社。
Eastman DBT:ジブチルテレフタレート;即ゲル化する可塑剤;Eastman Chemical Co社。
DINFDC:本発明によるフラン−2,5−ジカルボン酸ジイソノニルエステル;例2により製造。
Unifoam AZ Ultra 7043:アゾジカルボンアミド;熱活性可能な発泡剤;Hebron S.A.社。
ZnO:酸化亜鉛;熱発泡剤用の分解触媒;発泡剤の物質固有の分解温度を下げる;酸化亜鉛活性;Lanxess AG社。
例11:24時間の貯蔵期間(25℃で)後の本発明によるフランジカルボン酸エステルとジイソノニル(オルト)フタレート又は即ゲル化剤を含有する熱膨張性プラスチゾル(例10による)のプラスチゾル粘度の決定
例10で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、Rheometer Physica MCR 101(Paar-Physica社)を用いて、例5で記載した方法により行った。結果は、100/秒、10/秒、1/秒及び0.1/秒の剪断速度に関して以下の表(9)に例示的に記載されている。
Figure 0005757948
即ゲル化剤の選択によりプラスチゾルの粘度は目標を定めて調節可能であり、その際、この場合本発明によるフランジカルボン酸ジイソノニルエステルとアルキルベンゾエート(プラスチゾル調製物5)から成る組合せは、汎用の可塑剤であるジイソノニル(オルト)フタレートを使用する場合と類似したレオロジー挙動を生じた。すなわち、現在のところ標準の可塑剤DINPを使用できるような類似した加工条件下(例えば塗装速度)に本発明によるプラスチゾルを提供でき、但しこの場合に、これはオルトフタレートを含有せず(含有してはならず)かつ少なくとも部分的に再生される粗生成物に基づいている。
例12:本発明によるフランジカルボン酸エステルとジイソノニル(オルト)フタレート又は即ゲル化剤を含有する熱膨張性プラスチゾル(例10による)からのフォームラミネートの製造(200℃)ならびに発泡挙動又はフォーミング挙動の決定
フォーミング挙動を、0.01mmの精度を有する迅速な厚さ測定器(軟質PVC測定に好適)を用いて決定した。フィルム製造に、マティス・ラボコーター(Mathis Labcoater)(製造者:W. Mathis AG社)のドクターロールを用いて、1mmのドクターナイフ間隙に調節した。これを、隙間ゲージで制御し、かつ場合により後から調節した。例10で製造したプラスチゾルを、1つの枠内に平らに広げた壁紙(Warran Release Paper; Sappi Ltd社)上に、マティス・ラボコーターのドクターロールを用いてドクターナイフ塗布した。パーセントのフォーミングを達成可能にするために、まずゲル化し、かつフォーミングしていないフィルムを製造した。このフィルムのフィルム厚は、所定のドクターナイフ間隙の場合に0.74mmであった。厚さの測定はフィルムの異なる3箇所で実施した。引き続き同様にマティス・ラボコーターを用いて又はマティス・ラボコーター内で、フォームフィルム(フォーム)を4つの異なるオーブン滞留時間(60秒、90秒、120秒及び150秒)で製造した。フォームの冷却後に、同様に厚さを異なる3箇所で測定した。厚さの平均値及び0.74mmの初期厚さは、膨張の計算に必要である。例えば:(フォームの厚さ−初期厚さ)/初期厚さ×100%=膨張。結果を以下の表(10)に記載する。
Figure 0005757948
フランジカルボン酸ジイソノニルエステルを含有する本発明によるプラスチゾル調製物の膨張は、比較例(プラスチゾル調製物1)を単独で使用した可塑剤としてのジイソノニルフタレートよりも著しく速く経過した。特定のクエン酸エステル(プラスチゾル調製物3)のような特定の即ゲル化剤を目標を定めて使用することにより、一方では熱的予備処理(例えば、多層構造物での予備ゲル化)を行うことができるが、しかし既に測定可能な膨張を有さず、他方では以降より一層速く膨張するPVC−プラスチゾルを製造できた。その他の可塑剤の組合せの相手の選択により、同様にPVC−プラスチゾルを製造でき、これは例えばプラスチゾル調製物4と5のように、同じく著しい膨張を示し始め、よって現在のところ標準の可塑剤DINPと比べて、非常に短い全加工時間を可能にした。従って、種々の加工性能の大きなバンド幅を有するPVC−プラスチゾルを提供できる。
例13:本発明によるフランジカルボン酸エステルとジイソノニル(オルト)プラスチゾル又は即ゲル化剤を含有する熱膨張性プラスチゾル(例10による)のゲル化挙動の決定
例10で製造した熱膨張性プラスチゾルのゲル化挙動試験を、例6で記載した方法により、Physica MCR 101内で、剪断応力が制御されて運転されたプレート−プレート測定系(PP25)を用いる振動モードで行った。いわゆるプラスチゾルの複素粘性率は一定の加熱速度で温度に依存して決定した(いわゆるゲル化曲線)。ゲル化プロセスの開始は、複素粘性率の急な著しい上昇で認識できる。この粘度増大が早く始まるほど相応するプラスチゾルのゲル化は速くなる。得られた測定曲線からは、各プラスチゾルの補間により1000Pa・s又は10000Pa・sの複素粘性率が達成された温度が決定される。更に、タンジェント法により、該試験構造体で達成された最大のプラスチゾル粘度を決定し、ならびに垂直線を下ろすことで、最大のプラスチゾル粘度が生じる温度を決定した。結果を以下の表(11)に記載する。
Figure 0005757948
即ゲル化剤の選択により、予期した通りに、ゲル化速度ならびにゲル化温度を調節できるだけではなく、極めて高い程度でゲル化したプラスチゾルの最大粘度(最大プラスチゾル粘度)、ひいては熱膨張により製造されたPVCフォームの材料特性を調節できる。従って、一方では現在のところ標準の可塑剤DINPだけで製造されたプラスチゾルよりも実質的に速くゲル化し、他方では著しく高い粘度又は著しく高い強度及び/又は弾性を有するフォームに加工できる熱膨張性PVCプラスチゾルを提供できる。
例14:他の可塑剤と一緒の本発明によるフランジカルボン酸エステルのドライブレンドにおける使用−ドライブレンドの製造
本発明によるエステルで達成可能な有利な特性を乾燥混合物(いわゆる"ドライブレンド")において、及びこれから得られた半製品を用いて以下に例示すことにする。製造された調製物は以下の表(12)に示されている。
Figure 0005757948
使用した材料と物質を以下に詳しく挙げる:
Solvin S 271 PC:K値(DIN EN ISO 1628-2により決定)71を有する懸濁液−PVC;SOLVIN S. A社
Vestinol9:ジイソノニル(オルト)フタノール[DINP]、可塑剤;Evonik Oxeno GmbH社
DEHT:ジ(2−エチルヘキシル)テレフタレート;"Eastman 168";可塑剤;Eastman Chemical社
DINT:ジイソノニルテレフタレート(実験用製品、DE 102008006400A1/例1により製造)
DINCH:ジ(イソノニル)シクロヘキサンジカルボン酸ジエステル;Hexamoll DINCH;可塑剤;BASF AG社
GSS:オクタデカン酸−12−(アセチルオキシ)−2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピルエステル;ヒマシ油をベースに製造したグリセリントリエステル;"Grindstedt Soft’n Safe";可塑剤;Danisco A/S社
Polysorb ID 37:イソソルビド−ジ(オクタン酸)エステル;可塑剤;Roquette Freres社
DINFDC:本発明によるフラン−2,5−ジカルボン酸ジイソノニルエステル;例2により製造
Drapex 39:エポキシド化大豆油;補助安定剤及び補助可塑剤;Chemtura/Galata社
Mark BZ 561:バリウム/亜鉛−安定剤;Chemtura/Galata社
ステアリン酸カルシウム:ステアリン酸のカルシウム塩;滑剤
ドライブレンドの製造は、プラネットミキサーのブラベンダー内で行った。サーモスタットはプラネットミキサーの混合容器を90℃の一定温度まで加熱した。ソフトウェア"Winmix"により、プラネットミキサーのブラベンダーで以下のパラメーターに調節した。
回転数プログラム:アクティブ
プロフィール:
回転数50rpm;加熱時間:9分;増大時間:1分
回転数100rpm;加熱時間:20分
ニーダー温度:88℃
測定範囲:2Nm
減衰:3。
混合容器の温度は88℃であった。プラネットミキサーに、固有のキャリブレーションを実施した後に固体成分を混合容器に供給した。プログラムを開始し、かつ粉末混合物を混合容器中で10分撹拌し、かつ温度調節して液体成分だけを添加した。混合物をプラネットミキサー内でさらに20分間撹拌した。プログラムの終了後に、完成した乾燥混合物(粉末)が取り出された。移動回転モーメント−時間ダイアグラムをブラベンダー・ソフトウェアにより評価した。液体成分を添加後に、曲線の著しい増大が認識された。曲線が再び著しく下向した場合に、ようやく可塑剤の吸収が終了した。この両方の点の時間差は可塑剤の吸収時間(いわゆるドライブレンド時間)である。最大回転モーメントをプログラムから自動的に評価した。可塑剤の吸収ならびに乾燥混合物の製造の際に決定した最大回転モーメントは表13に記載されている。
Figure 0005757948
本発明による混合物の加工速度は、標準の可塑剤DINPを有する比較調製物よりも部分的に著しく高かった。その際に、最大回転モーメントは全ての場合に匹敵した。従って、これまでの標準の可塑剤DINPに対して、似た力の吸収で著しく高い加工速度を可能にする乾燥混合物/ドライブレンドを提供できる。
例15:他の可塑剤と一緒に本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有する乾燥混合物/ドライブレンド(例14から)からの圧延板とプレスプレートの製造
圧延板の製造
圧延板の製造は、Collin社のカレンダーW 150AP上で行った。
カレンダーで以下のパラメーターに調節した:
ローラー温度:165℃
ローラー間隙:0.5mm
ローラー時間:5分
圧延板を製造するための5段階のプログラム。
ローラー温度が達成された後に、ローラー間隙をキャリブレートした。測定を開始するために、ローラー間隙を0.2mmに調節した。それぞれドライブレンド(例14から)の160gを計量供給し、かつ固定ローラーでローラー間隙内に入れた。プログラムを開始した。圧延を5rpmの回転数及び20%の摩擦で開始した。約1分後に、可塑化は大部分が完了し、かつローラー間隙を0.5mmに広げた。ニーダーで自動的周辺ユニットによりカレンダーで3回のホモジナイジングを行った。5分後に、圧延シートをローラーから取り出し、かつ冷却した。
プレスプレートの製造
プレスプレートをCollin社の実験用プレスで製造した。予め完成した圧延シート(上記参照)をプレスプレートの製造に使用した。圧延板の両側を切断機を用いて取り除き、引き続き圧延シートを約14.5×14.5cmの大きさの断片に切り取った。1mmの厚さのプレスプレートについて、ステンレス製の15×15cmサイズのプレスフレーム内に2個の圧延板の断片をセットした。
以下のパラメーターを実験用プレスで調節した:
3フェーズのプログラム:
フェーズ1:2枚のプレート165℃;プレスプレート圧:5bar;フェーズ時間:60秒
フェーズ2:2枚のプレート165℃;プレスプレート圧:200bar;フェーズ時間:120秒
フェーズ3:2枚のプレート40℃;プレスプレート圧:200bar;フェーズ時間:270秒
過剰のプレスリップ(Presslippe)をプレスプレートの製造後に除去した。
例16:他の可塑剤と一緒に本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有する乾燥混合物/ドライブレンドから製造されたプレスプレートにおけるショア―硬度(ショア―AとD)の測定による可塑性作用又は可塑剤効果の決定
ショアー硬度は、試験体の柔軟さの指標である。特定の測定期間で規格化された針が試験体に深く突き抜けることができるほど、より一層低い測定値が出される。同じ可塑剤の量で最も高い効果を有する可塑剤は、最も低い値のショアー硬度を生じる。実際の調製物/調合物では、頻繁に特定のショア―硬度に調節又は最適化できるので、極めて効果的な可塑剤では、調製物中で一定の割合を節約することができ、この事は取り扱い者に僅かな費用しかかからないことを意味する。
硬度の測定はDIN 53505により、Zwick-Roell社のショア−A及びショア−D−測定装置を用いて実施し、測定値をそれぞれ3秒後に読み取った。各試験体(例15により製造)で、種々の箇所で測定を実施し、かつ平均値を記入した。表14には硬度測定の結果が挙げられている。
Figure 0005757948
種々の標準の可塑剤と本発明によるフランジカルボン酸エステルをドライブレンド中で混合することにより、DINP(標準の可塑剤)に似た又はDINPよりも良好な可塑剤の効果が達成された。この場合に、現在のところ慣用の可塑剤として使用されるDINPよりも著しく改善された効果を有し、かつ特に低い調製剤の費用を生じることができる乾燥混合物/ドライブレンドも提供される。
例17:他の可塑剤と一緒に本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有する乾燥混合物/ドライブレンドから製造されたプレスプレート(半製品)における水の吸収と洗い流し挙動の決定
水の吸収と洗い流し挙動は、PVC−ドライブレンドをベースとして製造された半製品の良好さを分類する際の2つの実質的な判定基準である。PVC−半製品が大量の水を吸収する場合には、一方ではその材料特性が、他方ではその視覚的外観が変わる(例えば、混濁する)のが分かる。従って、高い水の吸収は通常は望ましくない。洗い流し挙動は、使用条件下での調製物成分の永久性にとって更なる判定基準である(例えば、床カバー材又はルーフィング膜)。これは、特に安定剤、可塑剤及び/又はその成分にも当てはまる。それというのも、この調製物成分の場合、半製品における濃度減少は材料の特性を劣悪にし、また半製品の寿命も著しく減少させ得るからである。
試験体の製造
プレスプレート(例15により製造された)から、試験体/乾燥混合物当たりそれぞれ3つのディスク(10cm2)をサークルカッターを用いて切り取った。ディスクに穴をあけた。水を貯蔵する前に、乾燥剤(KC−乾燥剤ビーズ)を備えた乾燥器中、ディスクを24時間25℃で貯蔵した。出発重量(秤量分)を分析秤で0.1mgに正確に測定した。次に蒸留水で充填した撹拌浴に適切な試験体ホルダーと一緒にディスクを水面よりも下に30℃の温度で24時間貯蔵し、かつ連続的に秤量した。貯蔵後に、ディスクを水浴から取り出し、乾燥させかつ連続的に秤量した(24時間後の重量)。量り入れたディスクを新たに水浴中に置き、かつ7日後に新たに乾燥した状態で秤量した(7日後の重量)。2回目の秤量の後、再びディスクを乾燥剤(KC-乾燥剤ビーズ)を備えた乾燥器中25℃で24時間貯蔵し、かつ引き続きもう1度秤量した(最終の秤量=乾燥後の重量)。質量の変化をパーセントで計算し、かつ表15に記載してある。
Figure 0005757948
本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有している試験体は、標準の可塑剤DINPだけを含有している試験体と同じく、水の貯蔵に関しても作用した。水の吸収は最も低く、これは特にカレンダーされた床カバー材にとってもルーフィング膜にとっても有利である。洗い流しによる質量損失は、イソソルビドエステルPolysorb ID 37とフランジカルボン酸ジイソノニルエステルの混合物を除いて狭い範囲に保持された。従って、僅かな水の吸収と僅かな洗い流し挙動に傑出し、かつこれにより水と常に又は頻繁に接触する分野で使用するためにも理想的であるドライブレンド及びそれから製造可能な半製品を提供することができる。
例18:他の可塑剤と一緒に本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有する乾燥混合物/ドライブレンドから製造されたプレスプレート(半製品)における引張り特性/伸長特性の決定
引張強さと破断点伸度は、機械的に負荷された半製品に重要な役割がある材料特性である。この場合に、機械的負荷は、半製品の製造プロセスの間にも、またその使用の際にも生じる。特にルーフィング膜の分野では、大抵の場合に中程度の伸長で高い引張強さを有する材料が有利である。
引張り試験に関しては、例15により製造されたプレスプレートから通称"S-2"−試験片を型抜きした。引張り試験はDIN53504によりZwick社の引張り試験装置"Z1445"において行った。
以下の試験条件に調節した:
試験温度:23℃、50%F
予圧:0.5N
予圧速度:5mm/分
試験速度:100mm/分。
引張強さと破断点伸度の測定に関して、1つの試験体あたり5つの測定を実施した。計算した測定値は以下の表(16)に記載してある。
Figure 0005757948
本発明による混合物の使用により、単なるDINP(標準の可塑剤)と比べて著しく高い引張強さを達成することができた。この場合に、材料の柔軟性は何も制限されず、むしろ破断点伸長は僅かに高まった。従って、高い引張強さと同時に高い柔軟性及び良好な形状不変性に傑出し、かつ高い機械抵抗(とりわけ張力)で使用するためにも適しているドライブレンド及びそれから製造可能な半製品を提供することができる。
例19:保護材料における本発明によるフランジカルボン酸エステルの使用(例えば、下張り床の保護/UBS)−UBS−プラスチゾルの製造
本発明によるエステルで達成可能な有利な特性を以下のUBS−プラスチゾル(保護材料)を用いて示すことにする。プラスチゾルの製造を例4に倣って但し調製剤を変えて行った。種々のプラスチゾルに使用した成分の秤量分は、以下の表(17)から見て取れる。
Figure 0005757948
例20:2時間(25℃)の貯蔵時間後の、本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有するUBS−プラスチゾルのプラスチゾル粘度の決定
保護材料、特に自動車の下塗りの分野で使用されるものは、現存する剪断速度に応じて種々の粘度要求を満たすべきである。従って、これらは通常は高い剪断速度下で噴霧により行われる塗布の際に、できるだけ容易に流れ、かつ処理した表面上で均一な噴霧パターン及び良好な流展を有するのがよい。それに対して、塗布後(すなわち、最も進行した剪断力の不在で)に、高い粘度及びほんの僅かな後流れ挙動を示すのがよい。
例19で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、例5に記載した方法によりRheometer Physica MCR 101(Paar-Physica社)を用いて、25℃での2時間ペーストの温度調節時間後に行った。100/秒、10/秒、1/秒及び0.1/秒の剪断速度に関して結果を以下の表(18)に例示的に記載してある。
Figure 0005757948
DINP(標準の可塑剤、プラスチゾル調製物2)と比べて、本発明によるフランジカルボン酸エステル混合物をベースとするUBS−ペースト/UBS−プラスチゾル(プラスチゾル調製物1)は、高い剪断速度ではより一層低い剪断粘度を有するのに対して、低い剪断速度ではDINP−ペーストの剪断粘度を著しく上回る。塗布中の同じ加工性では、調製物の液滴強さで明らかな利点を生じる。従って、優れた噴霧特性と流展特性を有すると同時に極めて僅かな後流れ挙動を示すUBSプラスチゾルが提供される。
例21:本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有するUBS−プラスチゾルのゲル化速度の決定
UBS−保護材料のゲル化は、自動車産業の分野で存在する熱硬化挙動を可能にすべきである。この場合に、一方では後からの滴りを阻止するために保護材料の出来るだけ速い固体化が重要であり、しかし他方では最大の保護作用を達成するために、出来るだけ短時間での可能な限り完全なゲル化が重要である。
例19で製造されたUBS−プラスチゾルのゲル化挙動の試験は、剪断応力が制御されて運転されたPhysica MCR101内でプレート−プレート測定系(PP25)を用いて振動モードで、例6に記載した方法により行った。
プラスチゾルのいわゆる複素粘性率は、一定の加熱率(いわゆるゲル化曲線)で温度に依存して決定された。ゲル化プロセスの始まりは、複素粘性率の急な著しい増大で分かる。この粘度増大が速く始まるほど、相応のプラスチゾルは一層速くゲル化する。得られた測定曲線は、それぞれのプラスチゾルの補間により1000Pa・s又は10000Pa・sの複素粘性率が達成された温度を決定できる。更に、タンジェント法により、試験構造体で達成された最大のプラスチゾル粘度を決定し、ならびに垂直線を下ろすことにより、最大のプラスチゾル粘度が生じる温度を決定した。結果を以下の表(19)に記載する。
Figure 0005757948
本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有するUBS−保護材料は、匹敵するDINP−保護材料よりも著しく速くゲル化することが示された。すなわち、実質的に速い加工、又はこれとは代替的に低い加工温度(=エネルギー及び費用の削減)の使用が可能であることが示された。本発明によるUBS−保護材料の著しく高い最終粘度は、例えば、石の打撃に対して更に材料の改善された保護作用を示す。従って、現在のところ標準の可塑剤であるDINPをベースとするUBS−プラスチゾルと比べて、著しく改善された加工特性と材料特性を有するUBS−プラスチゾルが提供される。
例22:本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有するUBS−保護材料の標準的な薄板における粘着作用
UBS−保護材料の持続する保護作用には、自動車のボディープレート上でのゲル化UBS保護材料の粘着特性が特に決定的に重要である。
粘着試験に関して、特殊被覆された"Cathogard"薄片(BASF Coatings GmbH)を使用した。ドクターナイフを用いて例19からのUBS−プラスチゾルで薄片を被覆した。25℃で2時間貯蔵した後にUBS−プラスチゾルを使用した。被覆に関して、約7×3cmの大きさの4つの平面が得られるように薄片を粘着テープで貼った。まず4つの平面上でプラスチゾルをスパチュラで分けた。次にドクターナイフでプラスチゾルを平らに延ばした。過剰なプラスチゾルと粘着バンドを取り除いた。被覆した薄片を乾燥棚中、温度130℃で25分間ゲル化した。
異なる3つの時間コード(2時間/24時間/168時間)の後で粘着試験を実施した。このために、カミソリの刃で平面を複数の小さな平面に分けた。引き続き、最初の平面を特殊なスパチュラで剥がす試験をした。粘着/剥離挙動を評価した(表20を参照)。試験の間に、25℃で試験の間に温度調節した棚でゲル化した薄片の貯蔵を行った。
Figure 0005757948
ゲル化UBS−プラスチゾルの粘着/剥離試験の結果は以下の表(21)にまとめてある。
Figure 0005757948
従って、本発明によるフランジカルボン酸エステルを含有する保護材料は、類似のDINP−保護材料と同じ粘着特性を有する。従って、極めて良好な加工特性と材料特性の他に、自動車プレートにおける良好な粘着、ひいては良好な保護作用を有するUBS−保護材料が提供される。

Claims (14)

  1. 式I
    Figure 0005757948
    のフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物であって、
    異性体C9−基の構造において区別される少なくとも2個の異なるエステルを有し、混合物中に存在するいずれのC9−基も90mol%より多い割合を有さない、前記フラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物
  2. 請求項1に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法において、
    a)フラン−2,5−ジカルボン酸を水の遊離下に異性体C9−アルコールの混合物と接触させ、
    b)その際、異性体C9−アルコールの混合物の50%モル過剰までが使用され、
    c)a)による反応は、ブレンステッド酸及び/又はルイス酸のから選択される触媒の使用下に行われることを特徴とする、
    式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法。
  3. 請求項1に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法において、
    a)フラン−2,5−ジカルボン酸を相応のフラン−2,5−ジカルボン酸塩化物に変換し、これを
    b)分離及び精製した後に、引き続き、塩化水素の遊離下に、異性体C9−アルコールの混合物と接触させることを特徴とする、
    式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法。
  4. 請求項1に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法において、
    a)フラン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルをメタノールの遊離下に異性体C9−アルコールの混合物と接触させ、
    b)その際、a)による反応は、ブレンステッド酸及び/又はルイス酸のから選択される触媒の使用下に行われることを特徴とする、
    式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物を製造する方法。
  5. 請求項1に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物ならびにアルキルベンゾエート、ジアルキルアジペート、グリセリンエステル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリアルキルトリメリテート、グリコールジベンゾエート、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノイルエステル及び/又は1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルのから選択される可塑剤を有する組成物。
  6. 式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステル:可塑剤の比は、1:15〜15:1の範囲内である、請求項に記載の組成物。
  7. ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチラール及び/又はポリアルキルメタクリレートから選択されるポリマーをさらに含有する、請求項に記載の組成物。
  8. 請求項1に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの混合物と、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチラール及び/又はポリアルキルメタクリレートから選択されるポリマーを有する組成物。
  9. ポリマー:式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの比は、30:1〜1:2.5の範囲内である、請求項に記載の組成物。
  10. 請求項に記載の式Iのフラン−2,5−ジカルボン酸の異性体ノニルエステルの可塑剤としての使用。
  11. 染料、インク、接着剤若しくは接着剤成分、塗料、プラスチゾル、又はシーリング・コンパウンドを製造する際の、プラスチック又はプラスチック成分における、請求項から9までのいずれか1項に記載の組成物の可塑剤としての使用。
  12. 染料、インク、接着剤若しくは接着剤成分、塗料、プラスチゾル、又はシーリング・コンパウンドを製造する際の、請求項から9までのいずれか1項に記載の組成物の溶剤としての使用。
  13. 請求項から9までのいずれか1項に記載の組成物の潤滑油成分としての使用。
  14. 金属加工の際の、請求項から9までのいずれか1項に記載の組成物の助剤としての使用。
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