JP5582032B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
(3)(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する工程。
(i)アルコールと(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程、
(ii)前記工程(i)で製造した(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を添加して、残存する(メタ)アクリル酸無水物を加水分解する工程。
原料として使用される脂肪酸無水物は、上記一般式(I)で表される化合物である。一般式(I)において、R1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などが挙げられる。R2としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。(メタ)アクリル酸と反応して副生する脂肪酸と生成した(メタ)アクリル酸無水物との蒸留塔における分離性の点から、R1はメチル基、エチル基、ビニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。同様にR2はメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。前記理由から、無水酢酸(酢酸同士の酸無水物)が最も好ましい。
(メタ)アクリル酸無水物の製造に際して、原料の(メタ)アクリル酸は、脂肪酸無水物に対しモル比1〜8倍で使用することが好ましい。脂肪酸無水物基準の(メタ)アクリル酸無水物収率の点から、このモル比は2倍以上であることが好ましく、2.2倍以上であることがより好ましい。また、反応終了時に反応液中の(メタ)アクリル酸量の回収負荷軽減の点から、このモル比は6倍以下であることが好ましく、4倍以下であることがより好ましい。
本発明における(メタ)アクリル酸無水物の製造方法においては、触媒を用いた方が好ましい。(メタ)アクリル酸無水物の分解反応、二量化、三量化、メタクリル酸のマイケル付加などの好ましくない副反応は無触媒でも進行する。無触媒であると反応時間が長くなり、前記の副反応生成物が多くなる。触媒としては金属化合物、酸触媒、塩基触媒、不均一系触媒などが挙げられる。
反応は、生産性及び溶媒回収の負荷などの点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;ジエチルケトン、ジイソプロピルケトンなどのケトン類などが使用できる。副生する脂肪酸と共沸しやすい溶媒が好ましい。溶媒の使用量は、(メタ)アクリル酸1質量部に対して1〜30質量部が好ましい。
(メタ)アクリル酸無水物を製造する際の反応温度は、30〜120℃の範囲が好ましい。反応を円滑に進行することができる点から、反応温度は50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。一方、重合や副反応を抑制する点から、反応温度は100℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましい。
反応は副生する脂肪酸を系外に除去しながら行う。副生する脂肪酸と他の化合物とを分離する方法としては、例えば、複数段の蒸留塔(精留塔)を用いて蒸留する方法が挙げられる。蒸留塔には、例えば、ステンレス鋼、ガラス、陶磁器製などのラシヒリング、レッシングリング、ディクソンパッキン、ポールリング、サドル、スルザーパッキンなどの形状を有する充填物を使用した充填塔、多孔板塔や泡鐘塔などの棚段塔などが使用できる。蒸留塔と反応器との接続は、反応器の上部に蒸留塔が連接された形態、反応器と接続された別容器の上部に蒸留塔が連接された形態、蒸留塔の上段から下段のいずれかの位置に反応器が接続された形態のいずれでも良い。いずれの接続形態においても、反応器と蒸留塔の間の経路は一つでも複数でも良く、途中に熱交換器などの装置が介在していてもよい。
前記反応における反応時間は、反応器内の一般式(I)で表される脂肪酸無水物又は混合酸無水物の残量をもとに適宜決定できる。しかし、反応を12時間未満で終了させると、無水(メタ)アクリル酸の製造量に対して、精留塔などの設備が大きくなりすぎるという問題があるため、12時間以上とすることが好ましい。(メタ)アクリル酸無水物の収率及び精留塔設備の大きさの点から、反応時間は15時間以上が好ましく、18時間以上がより好ましい。一方、生産性の点から反応時間は72時間以下が好ましく、60時間以下がより好ましく、48時間以下がさらに好ましい。また、反応時間は短いほど副反応が抑制される。
本発明では、反応終了時に反応液中の(メタ)アクリル酸無水物に対する(メタ)アクリル酸のモル比が0.3〜2の範囲になる条件で実施する事が好ましい。前記モル比を0.3以上することにより(メタ)アクリル酸の安定性が向上し、このモル比が大きいほど(メタ)アクリル酸無水物の安定性がより向上するため、0.5以上が好ましい。一方、(メタ)アクリル酸無水物に対する(メタ)アクリル酸が多いほど、得られた反応液を使用して(メタ)アクリル酸エステルを製造する際に反応器が大きくなること、また、後述するように、貯蔵時に容量の大きな容器が必要になること、得られた(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とを分離するための負荷が増大すること、などの理由により、前記モル比は2以下であることが好ましい。前記モル比は1以下がより好ましく、0.8以下が特に好ましい。なお、本発明では、反応全体を通して(メタ)アクリル酸無水物に対する(メタ)アクリル酸のモル比を0.3以上に維持することが好ましい。
本発明においては、(メタ)アクリル酸無水物の製造に際して重合防止剤を使用することができる。重合防止剤は反応器中に導入されるが、蒸留塔の塔頂や塔の途中にも導入することが好ましい。
工程(2)においては、前記の方法で得られた未精製の(メタ)アクリル酸無水物とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エステルが製造される。
原料のアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、n−へキシルアルコール、n−へプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、n−デシルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、アリルアルコール、ブチンジオール等の不飽和アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノール、1−アダマンタンメタノール等の環式アルコール、フェノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、さらには、これらのアルコールの少なくとも一つの位置がアミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基等の置換基に置換されたアルコール、構造中にエーテル結合、エステル結合等を有したアルコールなどが挙げられる。これらのアルコールの中でも、生成した(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸を蒸留精製する場合の分離性の点から、炭素数5以上のアルコールが好ましい。また、選択性の点から、アミノ基などの(メタ)アクリル酸無水物と反応する置換基を持たないアルコールが好ましい。
さらに、マイケル付加物の分解のしやすさから、フェノール性水酸基を有するアルコールが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルを製造するに際して、(メタ)アクリル酸無水物は、アルコールに対しモル比0.5〜5倍で使用することが好ましい。アルコール基準の(メタ)アクリル酸エステル収率の点から、このモル比は0.8倍以上がより好ましく、0.9倍以上がさらに好ましい。また、反応後の(メタ)アクリル酸無水物の処理または回収負荷低減の点から、このモル比は1.2倍以下がより好ましく、1.1倍以下がさらに好ましい。アルコールと(メタ)アクリル酸無水物の比は、(メタ)アクリル酸エステル生成後の精製のしやすさ、アルコールの価格、アルコールの反応性などの観点から適宜決められる。
(メタ)アクリル酸エステルの製造においては触媒を用いることが好ましい。無触媒であると反応時間が長くなり、重合や副反応が進行する場合がある。触媒としては工程(1)で使用されるものと同様の金属化合物、酸触媒、塩基触媒、不均一触媒などが使用される。
反応は、生産性および溶媒回収の負荷などの点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要に応じて反応に不活性な溶媒を用いることもできる。このような溶媒としては、工程(1)で使用されるものと同様の溶媒が挙げられる。溶媒は(メタ)アクリル酸と共沸しやすいものが好ましい。溶媒の使用量は(メタ)アクリル酸無水物の質量に対して1〜30倍が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法においては、重合防止剤を使用することができる。重合防止剤は反応器中に導入されるが、蒸留塔の塔頂や塔の途中にも導入することが好ましい。重合防止剤は、アルコール、(メタ)アクリル酸無水物および(メタ)アクリル酸に対して不活性な重合防止剤が好ましい。重合防止剤としては、工程(1)で使用されるものと同様の重合防止剤が挙げられる。これらの重合防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。重合防止剤の添加量は、その種類や条件により影響されるので一概には言えないが、反応液の質量に対して0.01〜10000ppmの範囲が好ましい。また、反応液に酸素を含む気体をバブリングさせることにより、重合防止効果が向上することがある。
本発明においては、必要に応じて、前記工程(2)において、(メタ)アクリル酸無水物を過剰に仕込み、反応液中から原料アルコールを消失させ、(メタ)アクリル酸無水物を処理した後に精製することにより、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得る事が出来る。あるいは、原料アルコールと(メタ)アクリル酸無水物が残った状態で、(メタ)アクリル酸無水物を処理した後、反応液中の原料アルコールと(メタ)アクリル酸エステルを蒸留などの方法で分離することにより、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得る事が出来る。
(メタ)アクリル酸無水物の処理方法は、特に制限されないが、得られた反応液に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を添加することにより、残存する(メタ)アクリル酸無水物のみを加水分解処理することが好ましい。
この処理の際に残存する(メタ)アクリル酸無水物1モルに対し、0.1〜10モルの水を前記反応液に添加することにより、(メタ)アクリル酸無水物の処理効率がより向上する。処理効率の点から水の使用量は0.3モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましい。精製のしやすさの点から、水の使用量は5モル以下が好ましく、3モル以下がより好ましい。
処理は、生産性及び溶媒回収の負荷などの点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要により反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒としては、前記工程(1)で使用されるものと同様な溶媒が使用できる。不活性な溶媒を使用する場合、その使用量としては、(メタ)アクリル酸エステルの質量に対して1〜30倍量が好ましい。溶媒としては、副生する脂肪酸と共沸しやすいものが好ましい。
処理時間は、(メタ)アクリル酸無水物量、仕込み量、反応温度から適宜決定することができるが、通常0.5〜48時間である。(メタ)アクリル酸無水物残量を減少させる観点から反応時間は1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。重合及び副反応抑制の観点から反応時間は36時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、12時間以下がさらに好ましい。
処理において、重合防止剤を使用することができる。重合防止剤およびその使用方法は、工程(1)と同様のものが採用できる。
前記工程において(メタ)アクリル酸無水物とアルコールを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造すると、(メタ)アクリル酸エステルとほほ等モルの(メタ)アクリル酸が生成する。
(メタ)アクリル酸を回収する方法としては、例えば、単蒸留、複数段の蒸留塔(精留塔)を用いて蒸留する方法などが挙げられる。蒸留塔には、例えば、ステンレス鋼、ガラス、陶磁器製などのラシヒリング、レッシングリング、ディクソンパッキン、ポールリング、サドル、スルザーパッキンなどの形状を有する充填物を使用した充填塔、多孔板塔や泡鐘塔などの棚段塔などが使用できる。蒸留塔と反応器との接続は、反応器の上部に蒸留塔が連接された形態、反応器と接続された別容器の上部に蒸留塔が連接された形態、蒸留塔の上段から下段のいずれかの位置に反応器が接続された形態のいずれでも良い。いずれの接続形態においても、反応器と蒸留塔の間の経路は一つでも複数でも良く、途中に熱交換器などの装置が介在していてもよい。
(メタ)アクリル酸の回収においては、重合防止剤を使用することができる。重合防止剤は反応器中だけでなく蒸留塔の塔頂や塔の途中にも導入することが好ましい。反応器に使用する重合防止剤は、(メタ)アクリル酸に対して不活性な重合防止剤が好ましい。重合防止剤としては、工程(1)で使用されるものと同様の重合防止剤が挙げられる。これらの重合防止剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<加熱処理>
工程(2)の後に必要に応じて、前記の方法で得られた(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液を90℃以上の温度で加熱処理することにより、(メタ)アクリル酸エステルに(メタ)アクリル酸がマイケル付加した化合物を(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸に分解することができる。加熱処理温度は、90〜150℃の範囲が好ましい。加熱処理時間の点から、加熱温度は100℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。一方、重合や副反応を抑制する点から、反応温度は140℃以下がより好ましく、130℃以下がより好ましい。
第四の発明は、工程(2)と工程(3)の間に工程(2”)を行う(メタ)アクリル酸エステルの製造方法である。
本発明においては(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸を含む反応液を蒸留することにより、両成分を一緒に回収することができる。蒸留塔、蒸留塔と反応器との接続形態、蒸留塔の理論段数、還流器の有無、還流比、蒸留塔の圧力制御基準、重合防止剤の選択基準と添加箇所等は、工程(3)の場合と同様の条件を採用することができる。
本発明においては、工程(3)の後に、必要に応じて、工程(3)で回収した(メタ)アクリル酸を精製することにより、高純度の(メタ)アクリル酸エステルを得ることができる。精製方法としては、特に制限されないが、蒸留、吸着処理、洗浄、晶析等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルを洗浄する方法としては、水、食塩や硫酸ナトリウムなどの塩の水溶液、塩基性物質の水溶液によって洗浄する方法が挙げられる。塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等のアルカリ土類金属の炭酸水素塩;ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基等が挙げられる。また、これらの塩基性物質を2種類以上組み合わせて使用することも可能である。洗浄は1回でも複数回でも良い。更に、異なる塩基性物質の水溶液により複数回の洗浄を行うこともできる。塩基性物質で洗浄後は、有機層に残存する塩基性物質を除くために水による洗浄を行うことが好ましい。洗浄に使用する水は、蒸留水やイオン交換樹脂等で脱イオンされた純水を使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルを吸着処理する方法としては、カラムクロマトグラフィー、吸着剤を懸濁して不純物を吸着させた後吸着剤を分離する方法などが挙げられる。
吸着剤としては、活性白土、ハイドロタルサイト類、多孔質の重合体、イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂)、活性炭、吸着樹脂、シリカゲル、シリカアルミナ系吸着剤、アルミナゲル、活性アルミナ、二酸化ケイ素、ゼオライト等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルを晶析する方法としては、反応液の温度を下げて結晶を析出させる方法、反応液中の低沸物質を除くことによって濃縮して結晶を析出させる方法などが挙げられる。晶析を行う場合、溶媒を添加しても良い。溶媒は飽和炭化水素溶媒が好ましい。溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、イソオクタン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼンなどが挙げられる。またこれらの2種以上を混合して使用しても良い。(メタ)アクリル酸の回収率の点から精製は蒸留で実施することが最も好ましい。
(i)アルコールと(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを製造する工程
(ii)前記工程(i)で製造した(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を添加して、残存する(メタ)アクリル酸無水物を加水分解する工程。
工程(i)は前記の工程(2)と同様に実施することができる。
[工程(ii)]
<塩基性化合物>
工程(ii)においては塩基性化合物が使用される。アルカリ金属とアルカリ土類金属では、アルカリ土類金属を用いた場合にその(メタ)アクリル酸塩の溶解性が低く、析出する事があるため、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が好ましい。処理効率や(メタ)アクリル酸エステルが加水分解する可能性が低い点から、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。以上の化合物は結晶水や不純物としての水を含有していても良い。
この処理の際に残存する(メタ)アクリル酸無水物1モルに対し、0.1〜10モルの水を前記反応液に添加することにより、より(メタ)アクリル酸無水物の処理効率が向上する。処理効率の点から水の使用量は0.3モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましい。精製のしやすさの点から、水の使用量は5モル以下が好ましく、3モル以下がより好ましい。
処理は、生産性及び溶媒回収の負荷などの点から、無溶媒で行うことが好ましいが、必要により反応に不活性な溶媒を用いることもできる。不活性な溶媒としては、前記工程(1)で使用されるものと同様な溶媒が使用できる。不活性な溶媒を使用する場合、その使用量としては、(メタ)アクリル酸エステルの質量に対して1〜30倍量が好ましい。溶媒としては、副生する脂肪酸と共沸しやすいものが好ましい。
処理温度は、30〜150℃の範囲が好ましい。反応を円滑に進行することができる点から、処理温度は50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましい。一方、重合や副反応を抑制する点から、反応温度は140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。
処理時間は、(メタ)アクリル酸無水物量、仕込み量、反応温度から適宜決定することができるが、通常0.5〜48時間である。(メタ)アクリル酸無水物残量の観点から反応時間は1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましい。重合及び副反応抑制の観点から反応時間は36時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましく、12時間以下がさらに好ましい。
精留塔(内径35mm、理論段数10段)、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を付した3Lの5つ口フラスコを準備した。無水酢酸918g(9.0mol)、メタクリル酸1705g(19.8mol)、触媒として炭酸ナトリウム9.5g(0.09mol)および重合防止剤としてフェノチアジン2.6gをこのフラスコ内に仕込んだ。フラスコの内液をエアーバブリングおよび攪拌しながら、フラスコをオイルバスで加熱した。内温が80℃に達した後、1時間保持して反応原液の組成が平衡に達するようにした。さらに30分後、エアーバブリングした状態で真空ポンプを起動させて減圧を開始した。反応原液の温度70℃、フラスコ内の圧力6.4kPaで全還流状態とした。その後、還流比1.5で塔頂から溜出液を抜き出し、この時点を反応開始とした。8時間後に還流比を2.0に変えて、24時間かけて反応を行った。この間、塔の重合防止のためフェノチアジン192mgを溶解させたメタクリル酸96gを精留塔の上部に供給した。反応液の温度を徐々に83℃まで上げ、フラスコ内の圧力を徐々に2.1kPaに下げて行き、酢酸が主成分の溜出液を精留塔の塔頂から抜き出した。溜出液は15℃に冷却した冷却管および液体窒素につけたトラップで回収した。反応終了後、反応液を冷却した。
X = B ÷ A × 100
メタアクリル酸無水物の二重結合に酢酸またはメタアクリル酸が一つ又は二つマイケル付加した化合物と思われるピークが複数検出されており、それらの面積の合計は、総面積の9.2%であった。
(1)メタクリル酸エステルの製造
製造例1で得た反応液205g(メタクリル酸無水物含有量1.0mol)およびフェノール104g(1.1mol)を攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を付した1Lの5つ口フラスコに入れ、120℃のオイルバスで加熱して5時間反応させた。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表1に示した。その他成分として、メタクリル酸の二重結合に酢酸またはメタクリル酸がマイケル付加した化合物(以下「MAマイケル付加物」という)と思われるピークが検出されており、それらの面積の合計は総面積の0.8%であった。
1Lのフラスコに精留塔(内径35mm、理論段数10段)、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続した。エアーバブリングした状態で真空ポンプを起動させて減圧を開始した。反応液の温度85℃、フラスコ内の圧力2.4kPaで全還流状態とした。その後、還流比1.5で塔頂から溜出液を抜き出した。溜出液は15℃に冷却した冷却管および液体窒素につけたトラップで回収した。反応液の温度を83〜88℃に維持するために、フラスコ内の圧力を0.7kPaまで下げて、溜出液が125g出たところで回収を終了した。この間、精留塔内での重合防止のためフェノチアジン48mgを溶解させたメタクリル酸24gを精留塔の上部に供給した。このときの溜出液(回収MAA)の組成とメタクリル酸の回収率を表1に示した。
Y = D ÷ C × 100
精留塔を長さ20cmのビグリュー管に付け替え、単蒸留を行った。真空ポンプ側の圧力を0.2〜0.6kPaに調整し、内温75〜125℃まで昇温して蒸留を実施した。その結果、表2に示す組成と量の初溜出液、溜出液2及び溜出液3を回収した。
(1)メタクリル酸エステルの製造
オイルバスの温度を80℃とし、また加熱時間を8時間とし、その他の条件は実施例1と同様にして、反応を行った。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表1に示した。その他成分として、フェニルメタクリレートの二重結合に酢酸またはメタクリル酸がマイケル付加した化合物(以下「PMマイケル付加物」という)およびMAマイケル付加物と思われるピークが複数検出されており、それらの面積の合計は総面積の8.2%であった。
マイケル付加物の量が多かったので、反応液の温度を100℃に昇温し、4時間加熱処理した。加熱処理後の反応液の組成はフェニルメタクリレート54.1質量%、メタクリル酸38.4質量%、フェノール0.9質量%、メタクリル酸無水物0質量%であった。その他成分としてのMAマイケル付加物と思われるピーク面積の合計は総面積の0.9%であった。
次いで、実施例1と同様にして、溜出液125gを回収し、表1の結果を得た。
(4)メタクリル酸エステルの精製
更に、実施例1と同様にして、単蒸留を行い、表2の結果を得た。
反応液の加熱処理温度を100℃から120℃に変更した以外は、実施例2と同様に行い、表1および表2の結果を得た。
(1)メタクリル酸エステルの製造
実施例2と同様にして反応を行ったが、反応終了後の反応液の加熱処理は実施しなかった。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表1に示した。その他成分として、PMマイケル付加物及びMAマイケル付加物と思われるピークが複数検出されており、それらの面積の合計は総面積の8.3%であった。
次いで、溜出液を回収する際のフラスコ内の圧力と反応液の温度を下記条件に変更した以外は実施例2と同様にして、精留塔を用いて蒸留した。即ち、実施例2(実施例1)では、「反応液の温度を83〜88℃に維持するために、フラスコ内の圧力を0.7kPaまで下げて、溜出液が125g出たところで回収を終了した。」のに対して、実施例4では「反応液の温度を115℃まで昇温するために、フラスコ内の圧力を2〜3kPaに維持し、溜出液が125g出たところで回収を終了した。」に変更した。溜出液(回収MAA)の組成とメタクリル酸の回収率を表1に示した。
(3)メタクリル酸エステルの精製
更に、実施例2と同様にして、単蒸留を行い、表2の結果を得た。
(1)メタクリル酸エステルの製造
実施例2と同様にしてメタクリル酸エステルを製造した。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表1に示した。その他成分として、FMマイケル付加物及びMAマイケル付加物と思われるピークが複数検出されており、それらの面積の合計は総面積の8.2%であった。
1Lのフラスコにクライゼン管、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続し、単蒸留を行った。真空ポンプ側の圧力を0.2〜0.6kPaに調整し、内温75〜125℃まで昇温して蒸留を実施した。メタクリル酸44.3質量%、フェノール0.8質量%、フェニルメタクリレート53.2質量%を含む初溜出液を274g得た。
実施例4と同様の精留塔のついたフラスコに、前記メタクリル酸エステル回収液274gを供給した。溜出液が117g出たところで回収を終了する以外の条件は実施例4と全く同様にして、蒸留し、表1の結果を得た。
精留塔を長さ20cmのビグリュー管に付け替え、単蒸留を行った。真空ポンプ側の圧力を0.2〜0.6kPaに調整し、内温75〜125℃まで昇温して蒸留を実施した。溜出液について、表2の結果を得た。
(1)メタクリル酸エステルの製造
オイルバスの温度を80℃とし、また加熱時間を8時間とした。その他の条件は実施例1と同様にして、反応を行った。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表1に示した。FMマイケル付加物及びMAマイケル付加物と思われるピークの面積の合計は総面積の8.3%であった。
反応液をフラスコから取り出し、ヘキサン1Lに溶解して、純水1Lで1回洗浄した。17質量%の炭酸ナトリウム水溶液1Lで1回洗浄した後、1質量%の水酸化ナトリウム水溶液1Lで1回洗浄し、純水1Lで2回洗浄した後、エバポレーターで濃縮した。1Lのフラスコに長さ20cmのビグリュー管、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続し、濃縮した液を入れて単蒸留を行った。真空ポンプ側の圧力を0.2〜0.6kPaに調整し、内温75〜125℃まで昇温して蒸留を実施し、表2の結果を得た。
(1)メタクリル酸エステルの製造およびメタクリル酸無水物の処理
製造例1と同じ方法で得た反応液を使用し、メタクリル酸無水物量1.0mol、フェノール量1.0molにした以外は実施例1と同様の方法でメタクリル酸エステルの製造を行った。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表3に示した。反応後、フェノールは消失し、メタクリル酸無水物は0.03mol残っていた(フェノールの一部がメタクリル酸無水物のマイケル付加物と反応したため、メタクリル酸無水物が残っている)。
溜出液が100g出たところで回収を終了した以外は実施例1と同様の方法でメタクリル酸を回収した。溜出液の組成(回収MAA)とメタクリル酸の回収率を表3に示した。
(3)メタクリル酸エステルの精製
実施例1と同様の方法で蒸留を実施した。その結果、表4に示す組成と量の初溜出液、溜出液2及び溜出液3を回収した。
(1)メタクリル酸エステルの製造
製造例1と同じ方法で得た反応液を使用し、メタクリル酸無水物量1.0mol、フェノール量1.0molにした以外は実施例2と同様の方法でメタクリル酸エステルの製造を行った。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表3に示した。反応後、フェノールは消失し、メタクリル酸無水物は0.03mol残っていた。
0.26molの水酸化リチウム・一水和物を添加した以外は実施例2と同様の方法で加熱処理を行った。処理後の反応液の主要成分の組成を表3に示した。水酸化リチウム・一水和物の添加により、全量が増加したため、濃度は変化していないが、フェニルメタクリレートの量は加熱処理前より増加している。
溜出液が100g出たところで回収を終了した以外は実施例2と同様の方法でメタクリル酸を回収した。溜出液(回収MAA)の組成とメタクリル酸の回収率を表3に示した。
(4)メタクリル酸エステルの精製
実施例2と同様の方法で蒸留を実施した。その結果、表4に示す組成と量の初溜出液、溜出液2及び溜出液3を回収した。
(1)メタクリル酸エステルの製造
製造例1と同じ方法で得た反応液を使用し、オイルバスの温度を80℃とし、また加熱時間を8時間とした。そして、メタクリル酸無水物量1.1mol、フェノール量1.0molにした以外の条件は実施例2と同様にして、反応を行った。反応終了時の反応液の主要成分の組成を表3に示した。FMマイケル付加物及びMAマイケル付加物と思われるピークの面積の合計は総面積の8.3%であった。
反応液をフラスコから取り出し、ヘキサン1Lに溶解して、純水1Lで1回洗浄した。17質量%の炭酸ナトリウム水溶液1Lで1回洗浄した後、10質量%の水酸化ナトリウム水溶液0.5Lを加え室温で2時間懸濁させた。メタクリル酸無水物は消失したが、フェニルメタクリレートが12質量%分解していた。加水分解により生成したメタクリル酸とフェノールは水酸化ナトリウム水溶液に溶解したため、ヘキサン相からは検出されなかった。ヘキサン相を回収し、純水1Lで2回洗浄した後、エバポレーターで濃縮した。1Lのフラスコに長さ20cmのビグリュー管、攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を接続し、濃縮した液を入れて単蒸留を行った。真空ポンプ側の圧力を0.2〜0.6kPaに調整し、内温75〜125℃まで昇温して蒸留を実施し、表4の結果を得た。
(1)メタクリル酸エステルの製造
製造例1と同じ方法で得た反応液を使用し、メタクリル酸無水物量1.1mol、フェノール量1.0molにした以外は実施例5と同様にしてメタクリル酸エステルを製造した。
(2)メタクリル酸無水物を含有したメタクリル酸とメタクリル酸エステル混合液の取得
実施例5と同様にして蒸留を実施し、メタクリル酸とメタクリル酸エステルを回収した。メタクリル酸42.1質量%、メタクリル酸無水物7.1質量%、フェニルメタクリレート50.7質量%を含む初溜出液を250g得た。
製造例2で取得した混合液10.9g(メタクリル酸無水物5mmol含有)に水酸化リチウム・一水和物を0.21g(5mmol)添加した。80℃で2時間攪拌しながら加熱処理を行った。
表5に記載した化合物を使用し、表5に記載した量の水を使用した以外は、実施例8と同様に処理を行った。加熱処理後のメタクリル酸無水物の分解率とフェニルメタクリレートの残存率を表5に示す。
無添加または10mmolの水を使用した以外は、実施例8と同様に処理を行った。加熱処理後のメタクリル酸無水物の分解率とフェニルメタクリレートの残存率を表5に示す。
炭酸ナトリウム0.53g(5mmol)とメタノール0.48g(15mmol)を添加した以外は、実施例8と同様に処理を行った。
製造例2で取得した混合液10.9g(メタクリル酸無水物5mmol含有)をヘキサン10gに溶解させた。5質量%水酸化ナトリウム水溶液8g(10mmol)を加えて、40℃で1時間懸濁させた。ヘキサン相を分析した結果、メタクリル酸無水物は98質量%が分解していたが、フェニルメタクリレートは93.5質量%しか残存していなかった。
製造例2で取得した混合液10.9g(メタクリル酸無水物5mmol含有)をヘキサン10gに溶解させた。10質量%炭酸ナトリウム水溶液21.2g(20mmol)を加えて、80℃で2時間懸濁させた。ヘキサン相を分析した結果、メタクリル酸無水物は2質量%が分解していた。フェニルメタクリレートはほとんど分解していなかった。
製造例1と同じ方法で得た反応液を蒸留し、純度99.9質量%のメタクリル酸無水物を得た。攪拌羽根、温度計、エアー吹き込み管を付した0.1Lの5つ口フラスコにメタクリル酸無水物16.3g(0.105mol)、フェノール9.4g(0.1mol)を入れ、フェノチアジン1000ppmを添加し、0.1gの濃硫酸を滴下した。80℃で5時間反応を実施した。反応後、フェノールは消失し、メタクリル酸無水物は0.04mol残っていた。この反応液に水酸化リチウム・一水和物を2.5g(0.06mol)添加し、80℃で2時間攪拌しながら加熱処理を行った。
Claims (6)
- 下記の工程(1)、(2)及び(3)を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、工程(2)の反応を90℃以上、120℃以下の温度で行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
(1)下記一般式(I)で表される脂肪酸無水物と(メタ)アクリル酸とを反応させて、副生する脂肪酸を抜き出しながら(メタ)アクリル酸無水物を製造する工程、
(2)フェノールと前記工程(1)の反応で得られる未精製の(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを得る工程、
(3)(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する工程。 - 下記の工程(1)、(2)及び(3)を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、工程(3)の蒸留を90℃以上、130℃以下の温度で行うことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
(1)下記一般式(I)で表される脂肪酸無水物と(メタ)アクリル酸とを反応させて、副生する脂肪酸を抜き出しながら(メタ)アクリル酸無水物を製造する工程、
(2)フェノールと前記工程(1)の反応で得られる未精製の(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを得る工程、
(3)(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する工程。 - 下記の工程(1)、(2)、(2')及び(3)を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
(1)下記一般式(I)で表される脂肪酸無水物と(メタ)アクリル酸とを反応させて、副生する脂肪酸を抜き出しながら(メタ)アクリル酸無水物を製造する工程、
(2)フェノールと前記工程(1)の反応で得られる未精製の(メタ)アクリル酸無水物とを90℃未満の温度で反応させて(メタ)アクリル酸エステルを得る工程、
(2')前記工程(2)で得られた反応液を90℃以上、130℃以下の温度で加熱する工程、
(3)(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する工程。 - 下記の工程(1)、(2)、(2")及び(3)を含む(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
(1)下記一般式(I)で表される脂肪酸無水物と(メタ)アクリル酸とを反応させて、副生する脂肪酸を抜き出しながら(メタ)アクリル酸無水物を製造する工程、
(2)フェノールと前記工程(1)の反応で得られる未精製の(メタ)アクリル酸無水物とを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを得る工程、
(2")前記工程(2)で得られた反応液を90℃以上、130℃以下の温度で蒸留して(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液を得る工程、
(3)(メタ)アクリル酸を蒸留により回収する工程。 - 前記工程(2)で得られた反応液に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩基性化合物を添加して、該反応液中に残存する(メタ)アクリル酸無水物を加水分解することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
- 前記反応液中に残存する(メタ)アクリル酸無水物1モルに対し、0.1〜10モルの水を該反応液に添加して、該(メタ)アクリル酸無水物を加水分解することを特徴とする請求項5に記載の(メタ)アクリル酸エステルの製造方法。
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