JP5532472B2 - 金属顔料、その製造方法、およびそれを含む水性メタリック樹脂組成物 - Google Patents

金属顔料、その製造方法、およびそれを含む水性メタリック樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、メタリック感を呈するのに用いられる金属顔料に関するものであり、特に水性メタリック塗料や水性メタリックインキ等に適した新規な金属顔料に関する。
一般的にメタリック塗料やメタリックインキには、メタリック感を呈するアルミニウムや銅などの金属粒子からなる金属顔料を配合することが通常である。近年、環境問題等の対応により、従来の塗料やインキの配合に用いられていた有機溶媒に替えて、主に水を用いた水性の溶媒が塗料やインキの配合に使用されるようになってきている。何らの処理も施されていない金属顔料を水性の溶媒に配合した場合には、金属顔料の腐食等の問題が発生する。特に、金属顔料を構成する金属粒子としてアルミニウム粒子(アルミニウム顔料)を水性の溶媒に配合すると、水分とアルミニウムが反応し水素ガスが発生する。このため、アルミニウム顔料を配合した水性塗料等の水性組成物を保存した場合、貯蔵容器が爆発する可能性がある。この問題を解決するために多くの技術が開発されている。
たとえば、特表平01−501631号公報(特許文献1)では、アルミニウム顔料をクロム酸で処理する方法が提案されている。しかしながら、6価クロム化合物を使用するため、環境面および労働面で使用が難しい。
また、特開平04-318181号公報(特許文献2)では、モリブデン酸などの酸化剤と燐酸イオンおよびアルカリ土類金属イオン含有処理液でアルミニウム顔料を処理する方法が提案されている。また、特開平09−328629号公報(特許文献3)には、過酸化ポリ酸により処理されたアルミニウム顔料が開示されている。過酸化ポリ酸から誘導される皮膜は緻密で耐食性に優れているため、これをアルミニウム顔料表面に形成することにより水性塗料や水性インキ用ワニスに対し化学的に安定なアルミニウム顔料を得ることができる。このように、このアルミニウム顔料は優れた化学安定性を備えてはいるが、アルミニウム顔料の分散性があまり良くないため、塗膜化した場合にブツを生じたり、外観が悪くなってしまうという問題がある。
上記のような状況のもと、過酸化ポリモリブデン酸から誘導される皮膜が形成され、かつアミンを含有したアルミニウム顔料、および該皮膜の上にさらに有機燐化合物の吸着層を付与したアルミニウム顔料が、優れた耐水性を示すことが見出され、提案されている(国際公開第2002/031061号パンフレット(特許文献4))。
上記の耐水性に優れたアルミニウム顔料は、有機溶剤を含有するアルミニウム顔料組成物に、アミンと、過酸化水素水に金属モリブデンを溶解した溶液と、親水性溶剤とを添加し、加熱状態で混合攪拌することによりアルミニウム表面に無機皮膜を形成し、必要に応じて有機燐化合物を加えてペースト状のアルミニウム顔料とするものである。このペースト状のアルミニウム顔料は耐水性に特に優れ、凝集も生じにくく、またこれを配合使用した塗膜の特性も優れていることから広く使用され得るものである。しかしながら、この方法では、反応性の強い過酸化水素水に金属モリブデンを溶解した溶液(過酸化ポリモリブデン酸)から誘導される皮膜をアルミニウム表面に形成するための攪拌混合に加熱が必要であること、また過酸化ポリモリブデン酸とアルミニウムとの激しい反応による凝集を抑制するためアミンが必要なこと等から、工程制御が難しく、労働面にて危険性があるものであった。
また、上記問題点を解決する方法として、特開2003−301131号公報(特許文献5)では、過酸化ポリモリブデン酸から誘導される皮膜をアルミニウム表面に加熱によってあらかじめ形成したアルミニウムペーストを使用しなくとも、過酸化ポリモリブデン酸とアルミニウム顔料と水と分散剤とを単に攪拌混合しただけのアルミニウム顔料分散体を、塗料化の際に配合するだけで同様の耐水性が得られることが開示されている。しかしながら、この方法では過酸化ポリモリブデン酸が強酸性溶液であるため、塗料樹脂の種類および組成によっては樹脂を不安定化させ、塗料中でアルミニウム顔料が凝集するという問題があった。
特表平01−501631号公報 特開平04−318181号公報 特開平09−328629号公報 国際公開第2002/031061号パンフレット 特開2003−301131号公報
本発明は上記の課題を解決し、化学的安定性が良好で(すなわち良好なガス発生抑止効果を有し)、かつ調製時および貯蔵時の凝集が防止された金属顔料およびその製造方法、ならびに該金属顔料を配合してなる水性メタリック樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記問題点を種々検討した結果、従来のように、工程制御が難しく、労働面にて危険性がある方法によって金属顔料の処理を行なわなくても、有機カルボン酸金属塩を金属顔料と攪拌混合するだけで金属顔料に十分なガス発生抑止効果を付与できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、金属粒子上に有機カルボン酸金属塩を付着させた金属顔料に係る。また、このような金属顔料は、金属粒子上に第1化合物を付着させ、該第1化合物上に有機カルボン酸金属塩を付着させたものであって、該第1化合物は、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
ここで、上記金属粒子は、アルミニウム粒子であることが好ましく、上記有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素は、銅であることが好ましい。
また、上記有機カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸は、下記の一般式(1)で表わされるカルボン酸から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
Figure 0005532472
(式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、nは1〜4の数を表わす。)
また、上記有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素は、上記金属粒子100質量部に対し、0.01〜30質量部の量で含有されることが好ましく、上記有機カルボン酸金属塩は、上記金属粒子100質量部に対し、0.5〜100質量部の量で含有されることが好ましい。
また、本発明は上記の金属顔料を含む水性メタリック樹脂組成物にも係る。
さらに、本発明は、上記の金属顔料の製造方法であって、上記金属粒子に対して第1化合物を付着させる工程と、該第1化合物が付着した金属粒子と上記有機カルボン酸金属塩とを混合する工程と、を含み、該第1化合物は、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、金属顔料の製造方法にも係る。
本発明の金属顔料は、化学的安定性が良好で(すなわち良好なガス発生抑止効果を有し)、かつ調製時および貯蔵時の凝集が防止されたという優れた効果を有する。また、本発明の金属顔料の製造方法は、工程が非常に単純で製造コストを削減できるという効果を有する。
以下、実施の形態を示して本発明をより詳細に説明する。
<金属顔料>
本発明の金属顔料は、金属粒子上に有機カルボン酸金属塩を付着させた構造を有する。ここで、「金属粒子上に」とは、有機カルボン酸金属塩が金属粒子と直接接するようにして付着している態様であってもよいし、後述の第1化合物のような他の物質を介して付着している態様(すなわち金属粒子上に第1化合物を付着させ、該第1化合物上に有機カルボン酸金属塩を付着させたような態様)であってもよい。また、このような有機カルボン酸金属塩は、該金属粒子を完全に覆うようにして層状に付着していてもよいし、該金属粒子上に点在して付着していてもよい。
また、本発明において、有機カルボン酸金属塩が「付着」するとは、有機カルボン酸金属塩が金属粒子または第1化合物に対してファンデルワールス力等の作用により結合していることが推測されるが、その詳細なメカニズムは解明されておらず、結合の態様を限定するものではない。
本発明は、このように有機カルボン酸金属塩が金属粒子上に付着したことにより、金属粒子が水等の溶媒と反応して水素ガス等を発生したり、腐食したりすることを極めて有効に防止することに成功したものである。しかも、このような有機カルボン酸金属塩は後述の通り簡単な操作で金属粒子上に付着するため、その生産性にも極めて優れている。
<金属粒子>
本発明に用いる金属粒子としては、メタリック感を呈するものであれば従来公知の金属粒子をいずれも用いることができ、特に限定されるものではない。たとえば、このような金属粒子としては、アルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレスなどの金属粒子およびこれらの金属を含む合金粒子が挙げられる。これらの金属粒子の中でもアルミニウム粒子は金属光沢に優れ、安価な上に比重が小さいため扱いやすく、特に好適である。なお、このような金属粒子には、無機化合物粒子(ガラス、マイカ、アルミナまたはチタニアなどのセラミックス粒子)の表面にめっき等により金属による被膜を形成することによりメタリック感を呈するようにした粒子も含まれる。
以下、このような金属粒子として特に好適なアルミニウム粒子について説明する。
ここで、本発明に用いるアルミニウム粒子としては、アルミニウムのみから構成されていてもよいし、またアルミニウム基合金から構成されていてもよく、アルミニウムの純度は特に限定されない。
また、本発明に用いるアルミニウム粒子の形状は、粒状、板状、塊状、フレーク状(鱗片状)などの種々の形状のものを用いることができるが、塗膜に優れたメタリック感および輝度を与えるためにはフレーク状であることが好ましい。
そして、本発明に用いるアルミニウム粒子の平均粒径は、特に限定されるものではないが、1μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であればより好ましい。また、この平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、30μm以下であればより好ましい。
平均粒径が1μm以上である場合、製造工程での取り扱いが容易であり、粒子は凝集しにくい傾向を示し、平均粒径が100μm以下である場合、塗料として使用した場合に塗膜表面が荒れるのを防止でき、好ましい意匠を実現できる。さらに、本発明に用いるアルミニウム粒子の平均粒径を20μm以下とした場合にも本発明の効果である十分な耐水性を得ることが可能である。一般に平均粒径が20μm以上の場合は塗料組成中で水素ガスの発生を抑止する技術もあるが、20μm以下の場合は塗料添加剤ではアルミニウム粒子の表面に十分かつ均一な皮膜を形成することが困難となり、十分な効果が期待できない。これに対し本発明では、比較的粒径の小さいアルミニウム粒子を用いた場合であっても十分かつ均一な処理を施すことができる。よって、本発明は、特に平均粒径が20μm以下という平均粒径の小さいアルミニウム粒子を使用する場合において有効である。
さらに、本発明に用いるアルミニウム粒子は、平均粒径を平均厚みで除した形状係数(本発明においては「アスペクト比」と記す)が5以上のものが好ましく、特に15以上であればより好ましい。また、このアスペクト比は1000以下であることが好ましく、特に500以下であればより好ましい。アスペクト比が5以上の場合には光輝感が特に良好であり、アスペクト比が1000以下の場合にはフレークの機械的強度が高く、色調が特に安定となる。ここで、本発明に用いるアルミニウム粒子の平均粒径は、レーザー回折法、マイクロメッシュシーブ法、コールターカウンター法、などの公知の粒度分布測定法により測定された粒度分布に基づき、その体積平均を算出して求められる。また、平均厚みについては、アルミニウム粒子の隠ぺい力と密度より算出される。このようにしてアスペクト比は、測定した平均粒径を平均厚みで除することにより算出される。
また、本発明に用いるアルミニウム粒子の表面には、粉砕助剤が付着していてもよい。このような粉砕助剤としては、従来公知のものを特に限定することなく挙げることができる。
また、本発明に用いるアルミニウム粒子を得る方法としては、特に限定されず、たとえばボールミルやアトライターミルの中で粉砕媒体の存在下、原料となるアルミニウム粉末を上記のような粉砕助剤を用いて粉砕もしくは磨砕することにより作られるものでもよいし、フィルム上にアルミニウムを蒸着させたアルミニウム蒸着箔を破砕することにより得られるものでもよい。上記粉砕媒体としては、ミネラルスピリット、ソルベントナフサなどの高引火点の鉱物油を使用することができる。
なお、以上の説明は、アルミニウム粒子以外の金属粒子についても同様である。
<第1化合物>
本発明の第1化合物は、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることが好ましい。このような第1化合物は、有機カルボン酸金属塩が金属粒子上に付着するのを促進する作用を奏するものと考えられる。
ここで、このような第1化合物は、金属粒子に接するようにして付着するものであるが、金属粒子の全面を覆うようにして付着していてもよいし、金属粒子上に点在して付着していてもよい。また、第1化合物が金属粒子に対して「付着」するとは、該第1化合物が金属粒子に対してファンデルワールス力等の作用または水素結合やイオン結合により結合していることが推測されるが、その詳細なメカニズムは解明されておらず、結合の態様を限定するものではない。
上記カルボン酸としては、特に限定されるものではないが、飽和脂肪族カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、脂式ジカルボン酸、芳香族カルボン酸、オキソカルボン酸等を挙げることができる。中でも、高級飽和脂肪族カルボン酸、高級不飽和脂肪族カルボン酸等を特に好適なものとして挙げることができる。たとえば、高級飽和脂肪族カルボン酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等を挙げることができ、高級不飽和脂肪族カルボン酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、エライジン酸、ゾーマリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸等が挙げることができる。
上記エステルとしては、特に限定されるものではないが、カルボン酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステル等を挙げることができる。中でも、カルボン酸エステル、リン酸エステル等を特に好適なものとして挙げることができる。より具体的には、ステアリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ステアリルホスフェート、ラウリルホスフェート、トリブチルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。
上記アミンとしては、特に限定されるものではないが、アルキルアミン(脂肪族アミン)、芳香族アミン、ポリアミン、シリルアミン等を挙げることができる。中でも、アルキルアミン(脂肪族アミン)、芳香族アミン、ポリアミン等を特に好適なものとして挙げることができる。より具体的には、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、4−エトキシアニリン、4−n−オクチルアニリン等を挙げることができる。
上記アミドとしては、特に限定されるものではないが、カルボン酸アミド、スルホン酸アミド、リン酸アミド等を挙げることができる。中でも、カルボン酸アミド等を特に好適なものとして挙げることができる。より具体的には、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド等を挙げることができる。
上記アルコールとしては、特に限定されるものではないが、低級アルコール、高級アルコール、芳香族アルコール等を挙げることができる。中でも、炭素数8以上の高級アルコール、ベンジルアルコール等を特に好適なものとして挙げることができる。より具体的には、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノリルアルコール、フェニルメタノール、2−ヒドロキシフェニルメタノール、(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタノール、ベンゼン−1,2−ジメタノール等を挙げることができる。
なお、このような第1化合物は、金属粒子とともに混合攪拌することにより、金属粒子上に付着させることができる。また、このような第1化合物は、前述のアルミニウム粒子を得る場合のように原料となる金属粉をボールミル等の中で粉砕もしくは磨砕して金属粒子を得る際に用いられる粉砕助剤として用いられることにより、金属粒子上に付着させることもできる。このように、第1化合物は、後述の有機カルボン酸金属塩が金属粒子に付着する前に金属粒子に付着させることが好ましく、この点、製造時において金属粒子と第1化合物と有機カルボン酸金属塩とを共存させて金属粒子上にそれらを付着させることは好ましくない。なぜなら、第1化合物は、前述の通り、有機カルボン酸金属塩を金属粒子上に付着させるのを促進させる効果があると考えられ、よって有機カルボン酸金属塩に優先して先に金属粒子上に存在することが有利となるためである。
<有機カルボン酸金属塩>
本発明の有機カルボン酸金属塩は、金属粒子上に付着している。上記で既に説明したようにこのような有機カルボン酸金属塩は、金属粒子の表面全体を層状に覆うようにして付着していてもよいし、本発明の効果が奏する範囲内であれば層状ではなく点在する態様で付着していてもよい。以下に本発明で用いられる有機カルボン酸金属塩について説明する。
<有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素>
有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素としては、特に限定されず、たとえば周期率表1〜15族、2〜6周期に属する金属を挙げることができる。より具体的には、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を例示することができる。また、これらの金属元素に加えて、Li、Be、Na、Mg、Al、Si等を例示することができる。これらの金属元素の中でも、各種有機カルボン酸金属塩の合成方法が広く知られ、かつ金属粒子上への付着に優れる点で特にCu(銅)が好ましい。
なお、本発明の有機カルボン酸金属塩において、上記のような金属元素の一原子あたりに結合するカルボキシル基の数は特に限定されるものではなく、1つのカルボキシル基が結合していてもよいし、2以上のカルボキシル基が結合していてもよい。
<有機カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸>
有機カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸(有機カルボン酸とも記す)としては、従来公知のカルボン酸であればいずれのものでもよく、特に限定されるものではないが、たとえば下記の一般式(1)で表わされるカルボン酸から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なお、一般式(1)においては、カルボキシル基(−COOH)を含んでいるが、有機カルボン酸金属塩においてはこのカルボキシル基の水素元素が上記のような金属元素に置き換わっていることは言うまでもない。
Figure 0005532472
(式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、nは1〜4の数を表わす。)
ここで、上記置換基としては、たとえばヒドロキシル基、アルコキシル基、アシル基、ニトロ基、メルカプト基、アミノ基、スルホン基、チオール基等を挙げることができる。
このような上記一般式(1)で表わされるカルボン酸としては、たとえば飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸、およびその他の特殊脂肪酸等を挙げることができる。
より具体的には、1価(上記一般式(1)においてn=1の場合)の飽和脂肪酸(飽和脂肪族カルボン酸)としては、たとえば、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)、ペンタン酸(吉草酸)、イソペンタン酸(イソ吉草酸)、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ノナン酸(ペラルゴン酸)、イソノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、イソデカン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、イソドデカン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、イソテトラデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、イソへキサデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イソステアリン酸、イコサン酸(アラキン酸)、イソイコサン酸、ドコサン酸(ベヘン酸)、イソドコサン酸、テトラコサン酸(リグノセリン酸)、イソテトラコサン酸、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、イソヘキサコサン酸、オクタコサン酸(モンタン酸)、イソオクタコサン酸、トリアコンタン酸(メリシン酸)、イソトリコンタン酸等を挙げることができる。
1価の不飽和脂肪酸(不飽和脂肪族カルボン酸)としては、たとえば、プロペン酸、ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ヘキサデセン酸(パルミトイル酸)、オクタデセン酸(オレイン酸、バクセン酸)、オクタデカンジエン酸(リノール酸)、オクタデカントリエン酸(リノレン酸、エレオステアリン酸)、イコセン酸、イコサンジエン酸、イコサントリエン酸、イコサンテトラエン酸(アラキドン酸)、ドコセン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、オクタコセン酸、トリアコンテン酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等を挙げることができる。
1価の芳香族カルボン酸としては、たとえば、安息香酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、フェニル酢酸、フェニルプロパン酸、フェニルアクリル酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、メトキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシメトキシ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、ジヒドロキシメチル安息香酸、トリヒドロキシ安息香酸、トリメトキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、メトキシフェニル酢酸、ジヒドロキシフェニル酢酸、ヒドロキシメトキシフェニル酢酸、ジメトキシフェニル酢酸、カルボキシメチル酢酸、ヒドロキシフェニルプロパン酸、ジヒドロキシフェニルプロパン酸、ヒドロキシメトキシフェニルプロパン酸、ジフェニル酢酸、ヒドロキシジフェニル酢酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸等を挙げることができる。
1価のその他の特殊脂肪酸(特殊脂肪族カルボン酸)としては、たとえば、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等の3重結合を有する脂肪酸;マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸、ゴルリン酸等の脂環式脂肪酸;サビニン酸、イプロール酸、ヤラビノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、リシノール酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン酸等のヒドロキシ脂肪酸等を挙げることができる。
また、天然油脂を加水分解して得られる混合カルボン酸、石油等から生産されるナフテン酸等の混合カルボン酸あるいはそれらの混合カルボン酸を精製したカルボン酸であってもよい。天然油脂としては、たとえば、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ脂、カポック油、白カラシ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、シアナット油、シナキリ油、大豆油、茶実油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまし油、ひまわり油、綿実油、ヤシ油、木ロウ、落花生油等の植物性油脂;馬脂、牛脂、牛脚脂、牛酪脂、豚脂、山羊脂、羊脂、乳脂、魚油、鯨油等の動物性油脂等を挙げることができる。
2価(上記一般式(1)においてn=2の場合)の脂肪酸(脂肪族カルボン酸)としては、たとえば、メタンジカルボン酸、エタンジカルボン酸、プロパンジカルボン酸、ブタンジカルボン酸、ペンタンジカルボン酸、ヘキサンジカルボン酸、ヘプタンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ベンゼンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシコハク酸等を挙げることができる。
3価(上記一般式(1)においてn=3の場合)のカルボン酸としては、たとえば、ベンゼントリカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等を挙げることができる。
4価(上記一般式(1)においてn=4の場合)のカルボン酸としては、たとえば、ベンゼンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
これらのカルボン酸の中でも、1価または2価の脂肪族カルボン酸が好ましく、1価の脂肪族カルボン酸がより好ましい。また、1価の脂肪族カルボン酸の中でも、炭素数6〜20の脂肪族カルボン酸が好ましく、炭素数6〜20の飽和脂肪族カルボン酸および不飽和脂肪族カルボン酸がより好ましく、炭素数6〜20の飽和脂肪族カルボン酸が特に好ましい。
<有機カルボン酸金属塩の合成方法>
本発明の有機カルボン酸金属塩は、有機カルボン酸に対して金属酸化物、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩および金属炭酸塩等の金属元素含有化合物(酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化ジルコニウム、硫酸亜鉛、塩化カルシウム等)を反応させることにより得ることができる。たとえば、金属元素が銅の場合であれば、有機カルボン酸に含有されるカルボキシル基1モルに対して、銅元素含有化合物を銅原子に換算して0.1〜1モル、好ましくは0.1〜0.5モルになるように、有機カルボン酸と銅元素含有化合物とを混合し、20〜200℃で1〜24時間反応させればよい。未反応の有機カルボン酸が残留した場合は再結晶等で精製すればよく、未反応の銅元素含有化合物が残留した場合はろ過等で除去すればよい。さらに、その他の副生物が生成する場合は、溶媒等で希釈した後に水洗等で精製すればよい。なお、有機カルボン酸金属塩の製造方法は、これらの製造方法および精製方法に限定されるものではない。
<有機カルボン酸金属塩の形態(外観形状)>
本発明の有機カルボン酸金属塩は、粉末状(固体)の形態で用いてもよいし、溶剤等で希釈された溶液状または分散液状の形態で用いてもよい。いずれの形態であっても市販されており、その市販品をそのまま使用することができる。上記溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;植物油、動物油等の天然油脂類;ナフテン油、パラフィン油、ミネラルスピリット等の鉱物油類;ベンゼン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ポリ−α−オレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリブテン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、アルキル置換ジフェニルエーテル、ポリオールエステル、二塩基酸エステル、炭酸エステル、GTL(Gas to Liquids)等の合成油類等を挙げることができる。
<有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量>
本発明の金属顔料において、有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量は、金属粒子100質量部に対し、0.01〜30質量部の範囲内の量で含有されることが好ましく、特に0.5〜20質量部の範囲内であることがより好ましい。金属元素の含有量が0.01質量部以上である場合には、金属顔料の化学的安定性が特に良好であり、たとえば金属粒子としてアルミニウム粒子が水性塗料に配合された場合に該水性塗料中で水とアルミニウムとが反応して水素ガスが発生するという問題を低減できる。金属元素の含有量が30質量部以下である場合には、有機カルボン酸金属塩が該水性塗料中に溶出することによる金属顔料の凝集が防止され、塗膜に特に良好な意匠性および隠蔽性を与える金属顔料を得ることができる。
なお、上記の金属元素の含有量は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製の「iCAP6000」を用いて、アルカリ溶解抽出法により抽出した液に対し、金属元素を含有する標準液を用いた検量線を使用して、プラズマ発光分析により定量することができる。
<金属顔料中における有機カルボン酸金属塩の含有量>
本発明の金属顔料において有機カルボン酸金属塩は、金属粒子100質量部に対し、0.5〜100質量部の範囲内の量で含有されることが好ましく、特に1〜50質量部の範囲内の量で含有されることがより好ましい。該含有量が0.5質量部以上である場合、金属粒子としてアルミニウム粒子を用いて得られる金属顔料(アルミニウム顔料)が水性塗料に配合される場合に、該水性塗料の貯蔵中に水とアルミニウムとが反応して水素ガスを発生するという問題を低減でき、該含有量が100質量部以下である場合、有機カルボン酸金属塩が該水性塗料中に溶出することによって経時安定性が低下するという問題を低減することができる。
<その他の構成>
本発明において、有機カルボン酸金属塩が付着した金属粒子の表面には、さらに種々の皮膜を形成することができる。たとえば、本発明の金属顔料を含む塗膜における耐酸性、耐アルカリ性、密着性等を向上させる目的で有機燐化合物(ポリマーを含む)による皮膜を形成してもよいし、樹脂による皮膜を形成してもよい。これらの皮膜は、2以上のものを積層させて形成してもよい。
一方、金属粒子上に有機カルボン酸金属塩を付着させる前後において、本発明の効果を損なわない範囲で、金属粒子と有機カルボン酸金属塩との間、または有機カルボン酸金属塩上に、たとえば、珪素および/またはチタンを含むカップリング剤等の層を、1層または2層以上さらに形成してもよい。
<有機燐化合物による皮膜>
このような皮膜を構成する有機燐化合物としては、たとえば酸性燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール燐酸、エポキシ化合物またはアクリル化合物と燐酸との反応による燐酸エステル、アクリル系またはメタクリル系の燐酸エステル等を挙げることができる。このような有機燐化合物には、ポリマーが含まれる。
特に好ましい有機燐化合物としては、炭素数4〜18の脂肪族1価アルコールもしくは脂肪族多価アルコールから誘導される酸性燐酸エステルで、下記のような構造を有するものの混合物を挙げることができる。
脂肪族アルコールの正燐酸モノエステル:R−O−PO(OH)2
脂肪族アルコールの正燐酸ジエステル:(R−O)2PO(OH)
上記式中、Rは各独立して、置換基を含んでいてもよい炭素数4〜18のアルキル部位(アルキル部位を構成する炭素鎖は分岐していてもよい)を示す。
また、ポリマーである有機燐化合物としては、特に数平均分子量が400〜10000の範囲内であるものが好ましい。該数平均分子量が400以上である場合、本発明の金属顔料と塗料樹脂とを配合した樹脂組成物を用いて塗膜を形成する際に、金属顔料と塗料樹脂との密着性が向上し、塗膜物性が良好になるという利点が得られ、10000以下である場合、金属顔料の貯蔵安定性を低下させない点で好適である。特に好適な数平均分子量は、500〜700である。
なお、このような有機燐化合物は、金属粒子100質量部に対して、50〜100質量部の範囲の量で金属粒子を被覆することができる。
<樹脂による皮膜>
樹脂による皮膜(以下「樹脂皮膜」とも記す)を構成する樹脂としては、たとえばカルボキシル基および/またはリン酸基を有する反応性モノマー、3官能以上の多官能性アクリルエステルモノマー、ベンゼン核を有する重合性モノマー、の少なくともいずれかを含む1種または2種以上のモノマーから合成された単独重合体または共重合体を例示することができる。樹脂皮膜を形成する場合、本発明の金属顔料と塗料樹脂とを配合した樹脂組成物を用いて塗膜を形成する際に、金属顔料と塗料樹脂との密着性が向上し、塗膜物性が良好になるという効果が付与される。また、このような樹脂皮膜の形成により塗膜の耐薬品性が向上するという効果も付与される。
このような樹脂皮膜は、金属粒子100質量部に対して、50〜100質量部の範囲の量で金属粒子を被覆することができる。
<金属顔料の製造方法>
本発明の金属顔料の製造方法は、特に限定されないが、たとえば上記金属粒子に対して上記第1化合物を付着させる工程と、該第1化合物が付着した金属粒子と上記有機カルボン酸金属塩とを混合する工程とを含むという簡単な操作で製造することができる。このような好適な本発明の金属顔料の製造方法は、上記の2つの工程を含む限り後述するような他の任意の工程を含むことができる。
以下では、金属粒子としてフレーク状のアルミニウム粒子を用いる場合の製造方法について説明する。まず、このようなアルミニウム粒子の原料となるアルミニウム粉末を、粉砕メディアを有するボールミル等の粉砕装置を使用して有機溶媒中でフレーク化することによりフレーク状のアルミニウム粒子を準備する(アルミニウム粒子準備工程)。なお、このアルミニウム粒子準備工程は、独立の工程として行なうことも可能であるが、上記の第1化合物を付着させる工程(第1化合物付着工程とも記す)を兼ねるものとすることが好ましい。
すなわち、上記のような粉砕装置を使用して原料となるアルミニウム粉末を有機溶媒中でフレーク化する際に、粉砕助剤として前述の第1化合物を粉砕メディアとともに共存させることにより、金属粒子であるフレーク状のアルミニウム粒子に対して第1化合物を付着させることができる(第1化合物付着工程)。これによりアルミニウム粒子上に第1化合物を付着させることができるとともに原料アルミニウム粉末を効率よくフレーク化でき、さらに得られたアルミニウム粒子の不必要な酸化を抑制することにより光沢を改善するという効果を得ることができる。
ここで、上記第1化合物付着工程における第1化合物の添加量は、原料アルミニウム粉末(すなわち金属粒子)100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲が好ましく、0.5〜10質量部の範囲とすることがより好ましい。第1化合物の添加量が0.1質量部未満では、アルミニウム粒子の凝集が生じて、アルミニウム粒子の表面光沢が低下する恐れがあり、一方第1化合物の添加量が20質量部を超えると塗料として用いた場合の物性が低下する恐れがある。
また、上記第1化合物付着工程に用いられる有機溶媒としては、特に限定されるものではなく従来公知のものを使用することができる。たとえば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサなどの炭化水素系溶剤や、アルコール系、エーテル系、エステル系などの溶剤等を使用することができる。一般的には、粉砕時の溶媒への引火性などの安全上の問題を考慮して、高沸点の炭化水素系溶剤を好適に使用することができる。
次いで、上記のようにして得られた第1化合物が付着したアルミニウム粒子に対して溶剤を多量に加えることにより、溶剤中に該アルミニウム粒子が分散したスラリーを得た。そして、このスラリーに対して有機カルボン酸金属塩を滴下することにより、第1化合物が付着したアルミニウム粒子(金属粒子)と有機カルボン酸金属塩とを混合する工程(有機カルボン酸金属塩付着工程とも記す)を実行した。なお、上記においてはスラリーとする場合を例示したが、添加する溶剤の量を減少させることによりペースト状態として上記の工程を実行してもよいし、あるいは粉末状態にある第1化合物が付着したアルミニウム粒子に対して有機カルボン酸金属塩を滴下してニーダーミキサー等によって混練してもよい。この有機カルボン酸金属塩付着工程により、金属粒子上に有機カルボン酸金属塩が付着することになり、本発明の金属顔料を得ることができる。
ここで、上記有機カルボン酸金属塩は、アルミニウム粒子に対してそのままの状態(すなわち粉末状態)で添加してもよいし、溶剤または鉱物油により希釈した状態で添加してもよい。アルミニウム粒子と有機カルボン酸金属塩とを均一な混合状態とするためには、有機カルボン酸金属塩を溶剤または鉱物油であらかじめ希釈した状態で添加することがより好ましい。この場合、希釈に用いる溶剤または鉱物油としては、たとえばメタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ類、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶剤、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の工業用ガソリン、鉱物油等を挙げることができる。
一方、上記有機カルボン酸金属塩付着工程においてアルミニウム粒子をスラリー状態またはペースト状態とするための溶剤としては、親水性溶剤でも疎水性溶剤でもよい。親水性溶剤としては、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のセロソルブ類、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコール等のグリコール類などを挙げることができる。また、疎水性溶剤としては、たとえばミネラルスピリット、ソルベントナフサ、トルエン、キシレン等を挙げることができる。これらの溶剤は、各単独でまたは2種以上のものを混合して使用することができる。
なお、上記有機カルボン酸金属塩付着工程においては、10℃から150℃、好ましくは20℃から140℃の温度で10分から72時間、好ましくは20分から48時間の範囲で第1化合物が付着したアルミニウム粒子と有機カルボン酸金属塩とを混合攪拌することが好ましい。また、該工程において多量の溶剤を含む場合は適宜溶剤を所望の量までろ過工程等により除去することにより前述の通りアルミニウム粒子をペースト状態または粉末状態としてもよい。
さらに、上記のようにして得られた有機カルボン酸金属塩がアルミニウム粒子上に付着した本発明の金属顔料(アルミニウム顔料)を、30℃から120℃、好ましくは40℃から110℃で3時間から3ヶ月間、好ましくは6時間から2ヶ月間の間エージングさせてもよい。これによりアルミニウム粒子表面への有機カルボン酸金属塩の付着を強固なものとすることができる。
一方、上記のようにしてアルミニウム粒子に有機カルボン酸金属塩を付着させた後、有機燐化合物(特に数平均分子量400〜10000までのポリマー)を添加してもよく、これにより有機燐化合物で構成される皮膜を最表面に形成することができる。あるいは、前述したように樹脂皮膜を最表面に形成することもできる。これらの層を各単独で、あるいは両者を積層することにより、塗膜における耐酸性、耐アルカリ性、密着性等の諸特性を向上させることができる。なお、両者を積層させる場合は、いずれの層を最表面に形成してもよいが、樹脂皮膜を最表面に形成する方がより好ましい。前記樹脂皮膜は、塗膜中の樹脂分と相性がよく、樹脂同士が直接接触する方が諸性能の向上が期待されるためである。
なお、金属顔料の塗料に対する分散性や樹脂との親和性を向上させることを目的として、あるいは耐食性をさらに向上させることを目的として、本発明の金属顔料の最表面に対してさらに界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルベンゼンスルフォン酸塩等)や他の腐食抑制剤(ダイマー酸等)を付着させてもよい。
以上、金属粒子としてアルミニウム粒子を用いる場合の製造方法を詳述したが、他の金属粒子を用いる場合であっても同様の製造方法により製造することができる。
<水性メタリック樹脂組成物>
本発明は、上述したような金属顔料を含む水性メタリック樹脂組成物にも係る。
本発明の金属顔料は、塗料またはインキなどの樹脂組成物に配合されて使用されることを主な目的とするものである。このような樹脂組成物としては、塗料およびその塗膜、ならびにインキおよびその印刷物が包含される。
本発明の金属顔料が用いられる塗料およびインキとしては、有機溶剤型および水性の両者が含まれるが、本発明の金属顔料は上記のような特性を有していることから、水性メタリック塗料あるいは水性メタリックインキに特に好適に使用される。したがって、上記樹脂組成物としては、特に好適なものとして水性メタリック樹脂組成物(塗膜および印刷物を含む)を挙げることができる。このような水性メタリック樹脂組成物に用いる場合の金属顔料の配合量は、このような樹脂組成物の全体の質量に対して0.1〜30質量%が好適である。
ここで、当該樹脂組成物である塗料またはインキは、たとえば次のような成分から構成される。
1)樹脂:アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ニトロセルロース樹脂、フッ素樹脂
2)顔料:本発明による金属顔料の他に下記のような着色顔料、体質顔料、染料等を併用しても良い;
フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、ペリレン、アゾレーキ、酸化鉄、黄鉛、カーボンブラック、酸化チタン、パールマイカ等
3)添加剤:水、有機溶剤、界面活性剤、硬化剤、紫外線吸収剤、静電気除去剤、増粘剤等
本発明の水性メタリック樹脂組成物である塗膜については、電着塗装等による下塗り層や中塗り層の上に形成されていてもよく、また本発明の塗膜の上にトップコート層が形成されていてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例において、各物性の測定方法は次のとおりである。
<金属粒子の平均厚み>
次式より金属粒子の平均厚みを算出した。
平均厚み(μm)=(1/金属粒子の密度)×(1/金属粒子の水面拡散面積)
なお、金属粒子の水面拡散面積はJIS K5906の8.6項により測定することができる。
<金属粒子の平均粒径>
日機装社製「マイクロトラックHRA9320−X100」を用いて、レーザー回折法により測定された粒度分布から求めた。
<有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量測定方法>
(1)有機カルボン酸金属塩希釈溶液中の金属元素の含有量の測定は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「iCAP6000」にて該溶液中の金属元素含有量を求めた。
(2)有機カルボン酸金属塩を付着後にパウダー化させた本発明の金属顔料中の該金属元素の含有量の測定は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製「iCAP6000」にて該金属顔料中の金属元素含有量を求めた。
<実施例1>
本実施例では、金属粒子としてアルミニウム粒子を用いた。まず、このアルミニウム粒子のペーストを次のようにして準備した。すなわち、粉砕メディアを有するボールミルに、アルミニウム粒子の原料であるアルミニウム粉末を1000g、第1化合物であるオレイン酸を100g、および有機溶媒(ミネラルスピリット)を5L添加する。そして、該ボールミルを温度20℃、処理時間15時間の条件で作動させることにより、アルミニウム粉末をフレーク化するとともに、フレーク化されたアルミニウム粒子上に第1化合物を付着させた(第1化合物付着工程)。その後、固液分離することにより固形分の調整を行なうことによって、第1化合物が付着したアルミニウム粒子のペースト(固形分:70質量%、アルミニウム粒子の平均粒子径:10μm、平均厚み:0.19μm、アスペクト比:10.5、水面拡散面積:2.0m2/g)1100gを得た(このペーストを以下「ペーストA」と記す)。
次に、このアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、有機カルボン酸金属塩であるナフテン酸銅を、商品名「シェルゾールA100」(シェルケミカルズジャパン社製、トリメチルベンゼンの異性体混合物)で希釈することにより希釈溶液(銅含有量6.4質量%)4.0gを得、この希釈溶液をさらにミネラルスピリット6.0gに溶解し、これも上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子と有機カルボン酸金属塩とを混合(混練)することによって、本発明の金属顔料であるアルミニウム顔料をペースト状で得た(有機カルボン酸金属塩付着工程)。
このペースト状態で得られたアルミニウム顔料をアセトンで洗浄した後、乾燥することによりパウダー化したアルミニウム顔料を得た。該アルミニウム顔料の銅含有量(すなわち有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量)をプラズマ発光分析装置(前出の「iCAP6000」)により定量した結果、アルミニウム粒子100質量部に対し0.24質量部であった。
<実施例2>
実施例1で使用したアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、有機カルボン酸金属塩であるイソステアリン酸銅を、商品名「シェルゾールA100」(前出)で希釈することにより希釈溶液(銅含有量4.8質量%)5.0gを得、この希釈溶液をさらにミネラルスピリット5.0gに溶解し、これも上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子と有機カルボン酸金属塩とを混合(混練)することによって、本発明の金属顔料であるアルミニウム顔料をペースト状で得た。
このペースト状態で得られたアルミニウム顔料をアセトンで洗浄した後、乾燥することによりパウダー化したアルミニウム顔料を得た。該アルミニウム顔料の銅含有量(すなわち有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量)をプラズマ発光分析装置(前出の「iCAP6000」)により定量した結果、アルミニウム粒子100質量部に対し0.20質量部であった。
<実施例3>
実施例1で使用したアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、有機カルボン酸金属塩であるナフテン酸ジルコニウムを、商品名「シェルゾールA100」(前出)で希釈することにより希釈溶液(ジルコニウム含有量11.7質量%)2.0gを得、この希釈溶液をさらにミネラルスピリット8.0gに溶解し、これも上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子と有機カルボン酸金属塩とを混合(混練)することによって、本発明の金属顔料であるアルミニウム顔料をペースト状で得た。
このペースト状態で得られたアルミニウム顔料をアセトンで洗浄した後、乾燥することによりパウダー化したアルミニウム顔料を得た。該アルミニウム顔料のジルコニウム含有量(すなわち有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素の含有量)をプラズマ発光分析装置(前出の「iCAP6000」)により定量した結果、アルミニウム粒子100質量部に対し0.30質量部であった。
<比較例1>
実施例1で使用したアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、ナフテン酸0.4gをミネラルスピリット12.0gに溶解し、これも上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子とナフテン酸とを混合(混練)することによって、ナフテン酸がアルミニウム粒子表面に付着したアルミニウム顔料をペースト状で得た(本発明の有機カルボン酸金属塩に代えてナフテン酸を使用したものに相当する)。
<比較例2>
実施例1で使用したアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、イソステアリン酸0.4gをミネラルスピリット12.0gに溶解し、これも上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子とイソステアリン酸とを混合(混練)することによって、イソステアリン酸がアルミニウム粒子表面に付着したアルミニウム顔料をペースト状で得た(本発明の有機カルボン酸金属塩に代えてイソステアリン酸を使用したものに相当する)。
<比較例3>
実施例1で使用したアルミニウム粒子の「ペーストA」100gを秤量しニーダーミキサーに加えた。また、過酸化水素30%を含む過酸化水素水0.5gに、金属モリブデン粉末0.08gを少しずつ加え、さらにこれをイソプロピルアルコール17.5gで希釈した希釈液も上記のニーダーミキサーに添加した。
そして、該ニーダーミキサーを回転数30rpmの条件で作動させることにより、室温(25℃)で30分間、該第1化合物が付着したアルミニウム粒子と上記希釈液とを混合(混練)することによって、金属モリブデンがアルミニウム粒子表面に付着したアルミニウム顔料をペースト状で得た(特許文献3記載のアルミニウム顔料に相当する)。
<水性メタリック樹脂組成物の作製>
実施例1〜3で得られた本発明の金属顔料であるアルミニウム顔料、および比較例1〜3で得られた比較用のアルミニウム顔料をそれぞれ使用し、下記の組成および方法で塗料である水性メタリック樹脂組成物を作製した。
すなわち、アルミニウム顔料(固形分)3.1g、エチレングリコールモノエチルエーテル4.2g、分散剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロンAQ330」)0.3gを混合したものを塗料Aとする。
共重合アクリル樹脂(nuplex社製、商品名「SETAQUA6802」)59.6g、ウレタン樹脂A(Bayer Material Science社製、商品名「Bayhydrol PT241」)8.61g、ウレタン樹脂B(Bayer Material Science社製、商品名「Bayhydrol XP2621」)35.2g、メラミン樹脂(三井サイテック社製、商品名「Cymel327」)4.0g、レベリング剤(楠本化成社製ディスパロン、商品名「AQ7120」)0.6g、エチレングリコールモノエチルエーテル11.1g、脱イオン水26.0gを混合したものを塗料Bとする。
粘度調整剤(楠本化成社製、商品名「ディスパロンAQ600」)2.1g、エチレングリコールモノエチルエーテル0.8g、脱イオン水14.9gを混合したものを塗料Cとする。
そして、上記塗料A、塗料B、塗料Cを混合し、10%ジメチルエタノールアミン水溶液にてpHを8.0から8.5に調整し、水性メタリック樹脂組成物を作製した。
<ガス発生の評価>
上記水性メタリック樹脂組成物100gをそれぞれ採取し、これらを40℃に保った保温水槽で72時間保持し、その間の水素ガス累積発生量を測定した。この水素ガス累積発生量が少ないもの程、貯蔵安定性が良好であると評価した。その結果を表1に示す。
<金属顔料の凝集についての評価>
上記のガス発生の評価を行なった後の水性メタリック樹脂組成物を、バーコーター(標準番手50)によりPETフィルム上に塗布することによって塗膜を作製した。そして、この塗膜の塗膜外観の目視評価を行なった。塗膜中の凝集物の有無を観察することにより、金属顔料の塗料中での凝集防止性を評価した。該評価方法は次の基準に従って評価し、その結果を表1の「凝集」の欄に示す。
「A」:凝集物が観察されない。
「B」:多数の凝集物が観察される。
Figure 0005532472
表1より明らかなように、本発明の金属顔料は、比較例の金属顔料に比し、化学的安定性が良好で(すなわち良好なガス発生抑止効果を有し)、かつ調製時および貯蔵時の凝集が防止されたという優れた効果が示されることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (7)

  1. 水性メタリック樹脂組成物に用いられる金属顔料であって、
    金属粒子上に第1化合物を付着させ、該第1化合物上に有機カルボン酸金属塩を付着させてなり、
    前記金属粒子は、アルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズ、ニッケル、チタン、またはステンレスの金属粒子、または該金属を含む合金粒子であり、
    前記第1化合物は、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であり、
    前記カルボン酸は、高級飽和脂肪族カルボン酸または高級不飽和脂肪族カルボン酸であり、
    前記エステルは、ステアリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ステアリルホスフェートまたはラウリルホスフェートであり、
    前記アミンは、ステアリルアミンまたはオレイルアミンであり、
    前記アミドは、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドまたはラウリン酸アミドであり、
    前記アルコールは、炭素数8以上の高級アルコールであり、
    前記有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素は、銅であり、
    前記有機カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸は、下記の一般式(1)で表わされるカルボン酸から選ばれる少なくとも一種である、金属顔料。
    Figure 0005532472
    (式中、Aは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表わし、nは1〜4の数を表わす。)
  2. 前記第1化合物において、
    前記高級飽和脂肪族カルボン酸は、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸またはミリスチン酸であり、
    前記高級不飽和脂肪カルボン酸は、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、エライジン酸、ゾーマリン酸、ガドレイン酸またはエルカ酸であり、
    前記炭素数8以上の高級アルコールは、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールまたはリノリルアルコールであり、
    前記有機カルボン酸金属塩において、
    前記有機カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸は、ナフテン酸またはイソステアリン酸である、請求項1に記載の金属顔料。
  3. 前記金属粒子は、アルミニウム粒子である請求項1または2に記載の金属顔料。
  4. 前記有機カルボン酸金属塩を構成する金属元素は、前記金属粒子100質量部に対し、0.01〜30質量部の量で含有される、請求項1〜3のいずれかに記載の金属顔料。
  5. 前記有機カルボン酸金属塩は、前記金属粒子100質量部に対し、0.5〜100質量部の量で含有される、請求項1〜4のいずれかに記載の金属顔料。
  6. 請求項1に記載の金属顔料を含む、水性メタリック樹脂組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の金属顔料の製造方法であって、
    前記金属粒子に対して前記第1化合物を付着させる工程と、
    前記第1化合物が付着した金属粒子と前記有機カルボン酸金属塩とを混合する工程と、を含み、
    前記第1化合物は、カルボン酸、エステル、アミン、アミド、およびアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、金属顔料の製造方法。
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