JP4302969B2 - アルミニウム顔料およびそれを用いた塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、一般家電製品等の塗装に用いられるメタリック系塗料などに含有されるアルミニウム顔料に関するものであり、該アルミニウム顔料を含有してなる塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来、自動車外板用塗料、一般家電用塗料等に用いられるアルミニウム顔料は無処理のものが多く使われてきたが、塗膜の耐薬品性が低下するという問題や、水性塗料に添加するとアルミニウムが黒変したり、水素ガスを発生したりするという問題が生じた。
【0003】
これらの問題を解決するため、アルミニウム顔料を処理する方法が種々検討されてきた。例えば、
(1)アルミニウム顔料をモリブデン酸皮膜で被覆する方法(例えば、特許文献1など参照)、
(2)無機リン酸系化合物などで処理する方法(例えば特許文献2参照)、
(3)樹脂で被覆する方法(例えば特許文献3参照)、
(4)樹脂被覆の上にさらにリン化合物で処理する方法(例えば特許文献4参照)などが開示されている。
【0004】
しかしながら、(1)や(2)の方法は処理方法が複雑であり、廃水処理などにも問題がある。一方、アルミニウム顔料を樹脂で被覆する(3)や(4)の方法では被覆による効果が不十分である。
【0005】
本発明の目的は、水性塗料に使用してもガス発生の問題がなく、塗膜の耐薬品性を低下させることのないアルミニウム顔料を提供することである。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−57171号公報
【特許文献2】
特開平10−130545号公報
【特許文献3】
特開昭62−81460号公報
【特許文献4】
特開2002−121423号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のチタン系処理剤でアルミニウム顔料を処理することにより、水性塗料に添加してもガスの発生がなく、また、該アルミニウム顔料含有塗料より形成される皮膜は、耐薬品性試験において優れた性能を示すことを確認することができ、本発明の完成に至った。
【0008】
かくして本発明は、(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液、並びに
(B)有機酸、有機酸塩、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩、アンモニア、及び有機塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなるチタン系処理剤により処理されてなることを特徴とするアルミニウム顔料に関する。
【0009】
また、本発明は、上記アルミニウム顔料を用いてなるアルミニウム顔料ペ−ストに関する。
【0010】
さらに、本発明は、上記アルミニウム顔料を用いてなる塗料組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミニウム顔料は、チタン系処理剤により被覆されてなることを特徴とするものである。まず、該チタン系処理剤について詳細に説明する。
【0012】
チタン系処理剤
本発明で使用するチタン系処理剤は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液(A)、並びに、有機酸、有機酸塩、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩、アンモニア、及び有機塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)を含有してなるものである。
【0013】
チタン含有水性液(A)
本発明に用いられるチタン系処理剤の(A)成分である、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを混合して得られるチタン含有水性液としては、従来から公知のものを適宜選択して使用することができる。
【0014】
上記加水分解性チタン化合物は、チタン原子に直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物において、チタン原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の1部が加水分解された水酸基になっていてもどちらでも構わない。
【0015】
上記加水分解性基としては、水分と反応することにより水酸基を生成するものであれば特に制限されないが、例えば、低級アルコキシル基やチタン原子と塩を形成する基等が挙げられる。チタン原子と塩を形成する基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素等)、水素原子、硫酸イオン等が挙げられる。
【0016】
加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタン等が代表的なものとして挙げられる。
【0017】
また、加水分解性チタン化合物の低縮合物は、上記した加水分解性チタン化合物同士の低縮合物である。該低縮合物は、チタン原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の一部が加水分解された水酸基となっていてもどちらでも構わない。
【0018】
水酸化チタンの低縮合物としては、例えば、塩化チタン、硫酸チタン等の水溶液とアンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)等を使用できる。
【0019】
上記加水分解性チタン化合物の低縮合物又は水酸化チタンの低縮合物における縮合度は、2〜30の化合物が使用でき、特に縮合度2〜10の範囲内のものを使用することが好ましい。
【0020】
前記水性液(A)としては、上記チタン化合物と過酸化水素水とを反応させることにより得られるチタン含有水性液であれば、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、下記のものを使用できる。
【0021】
▲1▼含水酸化チタンのゲル又はゾルに過酸化水素水を添加して得られるペルオキソチタン酸水溶液(特開昭63-35419号及び特開平1-224220号公報参照)。
【0022】
▲2▼塩化チタン、硫酸チタン等の水溶液とアンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液とを反応させてオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させ、次いでデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離、水洗し、これに過酸化水素水を加えることにより得られる黄色透明粘性液体である酸化チタン膜形成用水性液。
【0023】
▲3▼塩化チタン、硫酸チタン等の無機チタン化合物の水溶液に過酸化水素水を加えてぺルオキソチタン水和物を形成し、これに塩基性物質を添加し、水以外の溶解成分を除去した後に過酸化水素を作用させて得られる酸化チタン膜形成用水性液(特開2000-247638号及び特開2000-247639号公報参照)。
【0024】
チタン含有水性液(A)としては、加水分解性チタン化合物及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と混合して得られるペルオキソチタン酸水溶液(A1)を用いるのが好ましい。
【0025】
該チタン化合物としては、特に一般式
Ti(OR)4 (1)
(式中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表わされるテトラアルコキシチタンが好ましい。Rで示される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0026】
また、上記チタン化合物の低縮合物としては、上記一般式(1)の化合物をお互いに縮合反応させてなる縮合度2〜30のものを使用するのが好ましく、縮合度2〜10のものを使用することがより好ましい。
【0027】
加水分解性チタン化合物及び/又はその低縮合物(以下、これらのものを単に「加水分解性チタン化合物(a)」と略す)と過酸化水素水との混合割合は、加水分解性チタン化合物(a)10重量部に対して過酸化水素水が過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。過酸化水素水が、過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとペルオキソチタン酸の形成が十分でなく白濁沈殿が生じるので好ましくない。一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
【0028】
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量%の範囲内であることが取り扱いやすさ等の点で好ましい。
【0029】
また、上記ペルオキソチタン酸水溶液は、通常、加水分解性チタン化合物(a)を、温度1〜70℃の範囲内で10分〜20時間程度、過酸化水素水と攪拌下に混合することにより調整できる。この混合の際、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水可溶性溶媒を使用することもできる。
【0030】
上記ペルオキソチタン酸水溶液(A1)は、加水分解性チタン化合物(a)を過酸化水素水と混合させることにより、加水分解性チタン化合物が水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いでこの水酸基含有チタン化合物に過酸化水素が直ちに配位してペルオキソチタン酸を形成することにより得られるものと推察される。このペルオキソチタン酸水溶液は、室温域で安定性が高く、長期の保存に耐える。
【0031】
また、酸化チタンゾルの存在化で、加水分解性チタン化合物(a)を過酸化水素水と混合して得られるペルオキソチタン酸水溶液(A2)は、該水溶液の貯蔵安定性、得られる酸化チタン膜の耐薬品性等が向上しているので好ましい。その理由は、該水溶液の調整において、加水分解性チタン化合物(a)が酸化チタンゾル粒子に吸着され、この吸着された加水分解性チタン化合物(a)が該粒子表面に生じた水酸基と縮合反応して化学結合すると共に、該加水分解性チタン化合物自体も縮合反応して高分子化され、次いで過酸化水素水と混合されることにより、得られた該水溶液が安定化され、貯蔵中のゲル化や増粘が顕著に防止されるものと推測される。
【0032】
上記酸化チタンゾルは、無定型酸化チタン微粒子やアナターゼ型酸化チタン微粒子が水に分散したゾルである。酸化チタンゾルとしては、アナターゼ型酸化チタンの水分散液が、耐食性の点から好ましい。酸化チタンゾルは、水以外に、必要に応じて、例えば、アルコール系、アルコールエーテル系等の水性有機溶剤を含有しても構わない。
【0033】
上記酸化チタンゾルとしては、従来から公知のものを使用することができる。該酸化チタンゾルとしては、例えば、酸化チタン凝集物を水に分散した酸化チタン微粒子や、該酸化チタン凝集物を焼成してアナターゼ型酸化チタン微粒子とし、これを水に分散したものを使用することができる。無定型酸化チタンの焼成は、少なくともアナターゼの結晶化温度以上の温度、通常、200℃以上の温度で焼成すれば、無定形酸化チタンをアナターゼ型酸化チタンに変換させることができる。上記酸化チタン凝集物としては、例えば、(1)硫酸チタン、硫酸チタニル等の無機チタン化合物を加水分解して得られるもの、(2)チタンアルコキシド等の有機チタン化合物を加水分解して得られるもの、(3)四塩化チタン等のハロゲン化チタン溶液を加水分解又は中和して得られるもの等を挙げることができる。
【0034】
上記酸化チタンゾルの市販品としては、例えば、「TKS−201」(テイカ(株)製、商品名、平均粒子径6nmのアナターゼ型酸化チタン微粒子の水性ゾル)、「TKS−203」(テイカ(株)製、商品名、平均粒子径6nmのアナターゼ型酸化チタン微粒子の水性ゾル)、「TA−15」(日産化学(株)製、商品名、アナターゼ型酸化チタン微粒子の水性ゾル)、「STS−11」(石原産業(株)製、商品名、アナターゼ型酸化チタン微粒子の水性ゾル)等が挙げられる。
【0035】
加水分解性チタン化合物(a)と過酸化水素水を混合する際に、存在させる酸化チタンゾルの使用量は、通常、加水分解性チタン化合物(a)1重量部に対して、固形分で0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部の範囲である。酸化チタンゾルの使用量が0.01重量部未満になると処理剤の貯蔵安定性、得られる酸化チタン膜の耐薬品性等の向上という酸化チタンゾルを添加した効果が得られず、一方10重量部を超えると塗布剤の造膜性が劣るので好ましくない。
【0036】
チタン含有水性液(A)は、必要に応じて酸化チタンゾルの存在化で、加水分解性チタン化合物(a)を過酸化水素水と混合して得られるペルオキソチタン酸水溶液を、更に80℃以上の温度で加熱処理又はオートクレーブ処理して平均粒子径が10nm以下の酸化チタン微粒子の分散液としてから使用することもできる。この分散液の外観は、通常半透明状である。
【0037】
加熱処理又はオートクレーブ処理の温度が80℃未満では、十分に酸化チタンの結晶化が進まない。上記処理により得られる酸化チタン微粒子は、粒子径が10nm以下、好ましくは1nm〜6nmの範囲である。また、該粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下して、被膜の乾燥重量1g/m2以上でワレを生じるので好ましくない。
【0038】
チタン含有水性液(A)が、前記水性液(A1)である場合は、上記乾燥条件下で、通常、水酸基を若干含むアモルファス酸化チタン膜を形成する。アモルファス酸化チタン膜は、ガスバリヤー性が優れるという利点がある。また、チタン含有水性液(A2)の場合は、上記乾燥条件下で、通常、水酸基を若干含むアナターゼ型酸化チタン膜を形成する。
【0039】
化合物(B)
上記チタンを含む水性液(A)に、有機酸、有機酸塩、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩、アンモニア、及び有機塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)を添加することにより、チタン系処理剤の液安定性が大幅に向上するだけでなく、水性塗料に添加した場合のアルミニウム顔料からのガスの発生がさらに抑制される。
【0040】
上記有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等の有機カルボン酸;メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、p−ベンゼンスルフォン酸等の有機スルフォン酸;2−アミノ−エタンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸等の有機スルフィン酸;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロピオン酸、ニトロカテコール、2−ニトロレソルシノール、ニトロ安息香酸等の有機ニトロ化合物;フェノール、カテコール、レソルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、サリチル酸、没食子酸、安息香酸、チオフェノール、2−アミノチオフェノール、4−エチルチオフェノール等のフェノール類;1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリメチレンホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリエチレンホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリプロピレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸、N,N−ビス(2−ホスホエチル)ヒドロキシアミン、N,N−ビス(2−ホスホメチル)ヒドロキシアミン、2−ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチルエーテルの加水分解物、2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機リン酸化合物が挙げられる。
【0041】
また、有機酸の塩としては、上記有機酸にアルカリ化合物を加えることにより形成される有機酸の塩を使用することができる。該アルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等を含有する有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。
【0042】
有機酸又は有機酸塩としては、水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
【0043】
有機酸又は有機酸塩としては、特に、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸;1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸等のヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等のカルボキシル基含有有機亜リン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが、表面処理剤の貯蔵安定性、アルミニウム顔料からのガスの発生等の効果に優れるため好ましいが、中でも特に、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸が表面処理剤の貯蔵安定性の向上に大きな効果があることから好ましい。
【0044】
上記金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩としては、例えば、ジルコニウム弗化水素酸、チタン弗化水素酸、珪弗化水素酸、ジルコニウム弗化塩、チタン弗化塩、珪弗化塩などを挙げることができる。金属弗化水素酸の塩を形成するものとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等が挙げられるが、中でもアンモニウムが好ましく、具体例として、ジルコニウム弗化アンモニウム、チタン弗化アンモニウム、珪弗化アンモニウムなどが挙げられる。
【0045】
上記有機塩基性化合物は沸点200℃以下の有機塩基性化合物で中和可能なものであれば特に限定されない。望ましいものとしては、特に、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエチルアミン、モルホリン等が挙げられる。
【0046】
上記した化合物(B)の中でもチタン系処理剤の貯蔵安定性の点から、特にヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル基含有有機亜リン酸、及びカルボキシル基含有有機亜リン酸が好ましく、さらに特に1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸が好ましい。
【0047】
チタン含有水性液(A)及び化合物(B)の含有割合は、チタン含有水性液(A)の固形分100重量部に対して、化合物(B)が0.1〜400重量部、特に1〜200重量部の範囲内が好ましい。
【0048】
チタン系処理剤は、中性もしくは酸性領域で安定な液体となるので、特にPH1〜10、特に1〜9の範囲が好ましい。
【0049】
チタン系処理剤には、該処理剤の貯蔵安定性をさらに向上させる目的で、必要に応じて、上記した成分以外に、無機リン酸化合物を含有することができる。無機リン酸化合物としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、亞リン酸、メタ亞リン酸、次リン酸、次亞リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、トリメタリン酸、ピロ亞リン酸、及びリン酸誘導体等が挙げられる。これらの化合物は1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。また、これらのリン酸化合物はアルカリ化合物と塩を形成していてもよく、該アルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等を含有する有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。
【0050】
無機リン酸化合物としては、水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
【0051】
無機リン酸化合物としては、特に、オルトリン酸、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を使用することが、アルミニウム顔料からのガスの発生を抑える上で優れた効果を発揮することから、好ましい。
【0052】
チタン系処理剤には、耐酸性、耐アルカリ性を向上させる目的で、必要に応じて、例えば、上記した成分以外に、Al、Ca、Ti、V、Mn、Co、Fe、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ta、W等2価以上の金属イオンを含有することもできる。
【0053】
チタン系処理剤には、上記した成分以外にさらに必要に応じて、例えば親水性溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系溶剤、プロピレングリコール系溶剤等)、水性有機高分子化合物(エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン等)、増粘剤、消泡剤、界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾール、メタバナジン酸アンモニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム等)、などを含有することができる。
【0054】
アルミニウム顔料の処理
次にアルミニウム顔料の処理方法について説明する。
【0055】
本発明のアルミニウム顔料の処理方法に使用されるアルミニウムフレークは、アルミニウムをボールミルやアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造されたアルミニウムフレークである。色調の点から、平均粒子径(D50)が1〜50μm程度、特に5〜40μm程度のものが好ましい。粉砕助剤としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが使用される。粉砕媒液としてはミネラルスピリットなどの脂肪族系炭化水素が使用される。
【0056】
上記アルミニウムフレークは、親水性の有機溶剤に予め置換しておくことが有効である。有機溶剤としては、例えば、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、グリコールエーテル系(エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)などが望ましい。
【0057】
アルミニウムフレーク表面への処理剤による処理は、例えばリボン型混合機やニーダー型捏和機等の混合機で混合することにより行われる。チタン系処理剤による処理膜厚(固形分換算)は、0.001〜10μm、好ましくは0.005〜5μm、特に好ましくは0.01〜1μmの範囲が適している。処理膜厚が0.001μm未満の場合は耐薬品性を改善するには不充分である。また、10μmを越えた量で処理してもそれ以上の効果が得られない。
【0058】
アルミニウムフレークの表面はチタン系処理剤の吸着により処理剤で被覆され、耐薬品性が向上するとともに、活性なアルミニウム表面に起因する有機顔料の変色が防止できる。
【0059】
チタン系処理剤により処理されたアルミニウムフレークは水でデカンテーションを繰り返して未反応のチタン系処理剤を溶出してから、フィルターを用いてろ過を行った後に乾燥処理することによりチタン系処理剤で処理されたアルミニウム顔料を得ることができる。処理されたアルミニウム顔料はそのまま塗料に添加して用いることもできるが、有機溶剤などに湿潤してペースト状にした方がアルミニウム顔料の保管上安全であり好ましい。本発明のアルミニウム顔料を水性塗料に用いる場合には、湿潤に用いる有機溶剤は親水性であることが好ましく、例えば、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、グリコールエーテル系(エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)などの有機溶剤が適している。有機溶剤の添加量としては、処理されたアルミニウム顔料100重量部に基いて通常10〜100重量部程度である。
【0060】
塗料組成物及び塗膜形成方法
上記チタン系処理剤で処理されたアルミニウム顔料は、塗料タイプに特に限定はなく、常乾型、焼付硬化型、光硬化型などいずれの硬化方式の塗料にも使用でき、また、有機溶剤型塗料、水性塗料、粉体塗料などいずれの形態の塗料にも使用できる。
【0061】
上記塗料に本発明のアルミニウム顔料を使用することにより、耐薬品性が向上する。耐薬品性は単独塗膜の場合に特に本発明のアルミニウム顔料を使用する効果が大きく、耐薬品性試験によってアルミが変色して塗膜が黒変したり、塗膜にフクレや剥れが生じたりする問題の改善に有用であるが、メタリック塗膜の上にクリヤー塗料が塗装される2コート系、3コート系の複層塗膜においても効果が現れる。
【0062】
また、本発明のアルミニウム顔料はチタン系処理膜で被覆されているため、水性塗料に使用した場合には、一般のアルミニウム顔料を使用した場合に問題となるガス発生を抑えることができ、水性塗料には特に有用である。
【0063】
上記水性塗料用樹脂組成物としては、水に溶解又は分散することが可能なそれ自体既知の塗料用樹脂が使用できる。焼付硬化型水性塗料の場合には、例えば、1分子中にカルボキシル基等の親水基と水酸基等の架橋性官能基とを含有する基体樹脂と、これらの架橋性官能基と反応する架橋剤とを組み合わせたものなどが挙げられる。該基体樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、該架橋剤としては、例えば、疎水性又は親水性のアルキルエ−テル化メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。これらの基体樹脂と架橋剤との構成比率は、この両成分の合計量を基準に、前者は50〜90重量%、特に65〜85重量%、後者は50〜10重量%、特に35〜15重量%の範囲内が好ましい。
【0064】
アルミニウム顔料の含有比率は、塗料用樹脂組成物の固形分100重量部に対して、固形分として0.5〜40重量部程度が適している。
【0065】
本発明のアルミニウム顔料を使用した塗料組成物には、アルミニウム顔料と併用して雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄などの光輝性顔料を用いてもよい。さらに必要に応じて、3次元架橋した樹脂粒子、金属ケイ酸塩、微粒子状硫酸バリウム、ソリッドカラー顔料、体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、沈降防止剤、塗面調整剤、有機溶剤、その他塗料用添加剤などを含有せしめることも可能である。
【0066】
上記塗料組成物は、被塗物や用途に特に限定されるものではなく、各種金属、プラスチック、木などに塗装でき、例えば金属製又はプラスチック製の乗用車、トラック、オ−トバイ、バスなどの自動車車体の外板部、家庭電気製品の外板部などに、直接に、又はこれらの被塗物にカチオン電着塗料などの下塗り塗料及び中塗り塗料などをあらかじめ塗装し、これらの塗膜を硬化してなる被塗物に塗装をするなどして用いられる。このうち金属製被塗物は、あらかじめ、りん酸塩、クロム酸塩などで化成処理を行っておくことが好ましい。また、下塗り塗料及び中塗り塗料などはそれ自体既知のものが使用できる。
【0067】
本塗料組成物は、これらの被塗物(下塗り塗料、さらに適宜中塗り塗料を塗装したものも含む)に、静電塗装、エアレススプレ、エアスプレ、ロールコーター、カーテンフローコーターなどにより塗装することができる。その塗装膜厚は、一般に、乾燥塗膜に基づいて、5〜30μm程度、特に10〜25μm程度が適している。塗料が焼付硬化型の場合には100〜250℃で1〜40分間程度加熱することにより硬化することができる。
【0068】
自動車車体の外板部などに使用する場合には、被塗物に本塗料組成物を塗装し、その未硬化塗面にクリヤ塗料を塗装して両塗膜を同時に焼付硬化させる複層塗膜形成方法を使用することが好ましい。該クリヤ塗料としては、無色透明又は有色透明の塗膜を形成する熱硬化性塗料が好ましく、具体的には、例えば熱硬化性樹脂組成物及び有機溶剤を含有し、さらに必要に応じて着色顔料、メタリック顔料、紫外線吸収剤などを配合してなる塗料があげられる。
【0069】
上記熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂などの基体樹脂及びこれらの架橋性官能基と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネ−ト化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂などの架橋剤からなる組成物があげられる。基体樹脂と架橋剤との比率は、この両成分の合計固形分重量に基いて、基体樹脂は50〜90%、特に65〜80%、架橋剤は50〜10%、特に35〜20%の範囲内が好ましい。
【0070】
これらの熱硬化性樹脂組成物のうち、耐酸性及び耐スリキズ性などのすぐれた塗膜を形成する、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性官能基を有するアクリル樹脂(基体樹脂)及びエポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物などから選ばれた架橋剤からなる組成物を使用することが好ましい。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0072】
チタン系処理剤の製造
製造例1
四塩化チタン60%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアンモニア水(1:9)を滴下し、水酸化チタンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30%溶液を10cc加えかき混ぜ、黄色半透明の粘性のあるチタン含有水性液(1)70ccを得た。該チタン含有水性液(1)70ccに更に60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2g及び脱イオン水28gの混合物を配合し、チタン系処理剤(T1)を得た。
【0073】
製造例2
テトラiso-プロポキシチタン10gとiso-プロパノール10gの混合物を30%過酸化水素水10gと脱イオン水100gの混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン含有水性液(2)を得た。該チタン含有水性液(2)50gに60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2g及び脱イオン水48gの混合物を配合し、チタン系処理剤(T2)を得た。
【0074】
製造例3
製造例2において60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2gの代わりに60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸0.1g及び40%チタン弗化水素酸1gを配合する以外は製造例2と同様にして製造し、チタン系処理剤(T3)を得た。
【0075】
製造例4
製造例2において60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2gの代わりにジルコン弗化アンモニウム1gを配合する以外は製造例2と同様にして製造し、チタン系処理剤(T4)を得た。
【0076】
製造例5
製造例2において60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2gの代わりにリンゴ酸0.5gを配合する以外は製造例2と同様にして製造し、チタン系処理剤(T5)を得た。
【0077】
製造例6
製造例2において60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸2gの代わりに10%アンモニア水0.2gを配合する以外は製造例2と同様にして製造し、チタン系処理剤(T6)を得た。
【0078】
製造例7
製造例2において60%1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸の添加量を2gから10gに変更する以外は製造例2と同様にして製造し、チタン系処理剤(T7)を得た。
【0079】
クリヤ塗料の製造
製造例8
水酸基含有化合物(注1)20部(固形分、以下同じ)、「デスモジュールN3300」(住友バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ)50部、「サイメル325」(三井サイテック社製、商品名、イミノ基を含有するメラミン樹脂)30部、「NACURE5543」(米国キングインダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン中和物溶液)1部、3次元に架橋した樹脂粒子(注2)5部を有機溶剤(キシロール/酢酸エチル=1/1重量比)に混合し、塗装時の粘度50秒/フォードカップ#4/20℃、固形分含有率76%に調整された高固形分型クリヤ塗料を得た。
【0080】
(注1)水酸基含有化合物:攪拌器、冷却器、温度制御器、窒素導入管及び滴下ロートを備えた反応装置に、ジメチロールブタン酸296部を仕込み、反応容器内の窒素置換を行ない、120℃に加熱した。そこへ、「カージュラE10」(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、エポキシ基含有化合物)490部を2時間かけて滴下し、120℃を保持して、酸価が9mgKOH/g以下になった時点で反応を終了させた。得られた水酸基含有化合物は、固形分含有率約98%、ガードナー粘度(20℃)Z6Z7、水酸基価428mgKOH/g、数平均分子量600、重量平均分子量610であった。
【0081】
(注2)3次元に架橋した樹脂粒子:12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合してなる樹脂酸価30で、数平均分子量約1,800の自己縮合ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に、ジメチルアミノエタノールを触媒として、グリシジルメタクリレートを付加して重合性二重結合を導入して、マクロモノマー(m1)を得た。このものの固形分含有率は70%であり、1分子あたり数平均分子量に基づき約1個の重合性不飽和二重結合を有していた。
【0082】
一方、フラスコに酢酸ブチル174部を入れ加熱還流し、この中に、70%マクロモノマー(m1)溶液297部、メチルメタクリレート195.9部、グリシジルメタクリレート18.5部、キシレン163.0部及び2,2−アゾビスイソブチロニトリル9.6部からなる混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに2時間熟成した。ついで、p−t−ブチルカテコール0.05部、メタクリル酸3.8部及びジメチルアミノエタノール0.5部からなる混合物をフラスコ中に加えて樹脂酸価が0.5mgKOH/gになるまで140℃で約5時間反応を行ない、固形分含有率50%のマクロモノマー(m2)を得た。得られたマクロモノマー(m2)は、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸による第1のセグメントと、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体による第2のセグメントとを有するグラフトポリマーであって、1分子中に平均4個の重合性不飽和二重結合を有していた。
【0083】
他方、フラスコにキシレン153部を入れ125℃に加熱してから、2−エチルヘキシルアクリレート50部、n−ブチルアクリレート23部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25部、アクリル酸2部及びt−ブチルパーオクトエート4.5部からなる混合物を4時間かけて滴下し、その後、2時間熟成を行なった。得られたアクリル樹脂ワニスは固形分含有率65%、数平均分子量7,000であった。このアクリル樹脂ワニス100部に、グリシジルメタクリレート2部、4−t−ブチルピロカテコール0.01部及びテトラブチルアンモニウムブロミド0.15部を加えて115℃で7時間攪拌し、不飽和二重結合を分子中に導入してマクロモノマー(m3)を得た。マクロモノマー(m3)における導入二重結合の数は1分子あたり数平均分子量に基き約1.0個で、SP値は8.70及び水酸基価は121mgKOH/gであった。
【0084】
フラスコにヘプタン190部、50%マクロモノマー(m2)溶液20部及び65%マクロモノマー(m3)溶液23部を仕込み、還流温度にて、50%マクロモノマー(m2)溶液20部、65%マクロモノマー(m3)溶液23部、メチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート50部、グリシジルメタクリレート1.5部、メタクリル酸0.8部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部からなる混合物を5時間要して滴下し、続いて2時間熟成した。ついで、ジメチルアミノエタノール0.1部を加え、さらに4時間熟成を行なって重合体微粒子の非水分散液を得た。得られた分散液は固形分含有率40%の白色分散液で、粒子の粒径は約160nm(ピーク粒子径)であった。粒子径はコールタール社の「COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置」により測定した。また、この粒子はアセトン、酢酸エチル、キシレンなどの有機溶剤に不溶であった。
【0085】
水性用アルミニウム顔料の製造
実施例1
容量3リットルのビーカーにアルミニウムフレーク(東洋アルミニウム社製、アルペースト7679NS、平均粒径D50=14.1μm)をアルミニウム分が200gとなるように秤量し、これにプロピレングリコールモノメチルエーテルを600g添加して攪拌速度400rpmで攪拌しながらアルミニウムフレ−クを分散させた後、攪拌速度400rpmで攪拌しながら製造例1のチタン系処理剤(T1)500gを徐々に添加し、液温20〜25℃で1時間反応させた。次いで、脱イオン交換水で3回デカンテーションを繰り返し未反応のチタン系処理剤を溶出してから、ガラスフィルターを用いて吸引ろ過を行った後、80℃で乾燥処理しアルミニウム顔料A1を得た。
【0086】
実施例2
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T2)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A2を得た。
【0087】
実施例3
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T3)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A3を得た。
【0088】
実施例4
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T4)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A4を得た。
【0089】
実施例5
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T5)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A5を得た。
【0090】
実施例6
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T6)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A6を得た。
【0091】
実施例7
実施例1においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T7)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A7を得た。
【0092】
実施例8
容量3リットルのビーカーにアルミニウムフレーク(東洋アルミニウム社製、アルペースト7679NS、平均粒径D50=14.1μm)をアルミニウム分が200gとなるように秤量し、これにプロピレングリコールモノメチルエーテル600gを添加して攪拌速度400rpmで攪拌しながらアルミニウムフレークを分散させた後、攪拌速度400rpmで攪拌しながら製造例1のチタン系処理剤(T1)1000gを徐々に添加し、液温20〜25℃で5分間反応させた。次いで、ガラスフィルターを用いて吸引ろ過し、未反応のチタン系処理剤を溶出した後80℃で乾燥処理しアルミニウム顔料A8を得た。
【0093】
水性メタリック塗料の作成
実施例9
水酸基含有アクリル樹脂(注3)75部、「ユーバン28−60」(三井サイテック社製、商品名、ブチルエ−テル化メラミン樹脂)25部、アルミニウム顔料A1(実施例1)10部、「Laponite RD」(Laport Absorbents社製、商品名、金属ケイ酸塩)2部、3次元に架橋した樹脂粒子(注4)10部、「バリファインBF−20」(堺化学工業社製、商品名、微粒子状硫酸バリウム)20部を脱イオン水に混合分散して、粘度13秒/フォードカップ#4/20℃の水性メタリック塗料を得た。
【0094】
(注3)水酸基含有アクリル樹脂:メチルメタクリレート38部、エチルアクリレート17部、n−ブチルアクリレート17部、ヒドロキシエチルメタクリレート7部、ラウリルメタクリレート20部及びアクリル酸1部からなる単量体の共重合体。数平均分子量50,000、水酸基価54mgKOH/g。
【0095】
(注4)3次元に架橋した樹脂粒子:前記製造例8で用いた3次元に架橋した樹脂粒子(注2)と同じもの。
【0096】
実施例10〜16及び比較例1〜2
実施例9においてアルミニウム顔料を後記表1に示す通りとする以外は実施例9と同様にして各水性メタリック塗料を作成した。
【0097】
得られた各水性メタリック塗料について貯蔵時のガス発生量を下記方法で測定した。得られた結果を後記表1に示す。
【0098】
貯蔵時のガス発生量測定方法:塗料を作成後1日放置した後、専用のガラス容器(内容積500ml)に塗料を200g入れ、栓をしないで容器を40℃の恒温槽に浸漬し1時間放置した後、ガラス器具の栓をしてスタート(0時間)とし、7日間の累積ガス発生量を測定した。
【0099】
メタリック塗板の製造
化成処理を行なった冷延ダル鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を乾燥膜厚が25μmとなるようにして電着塗装し、170℃で30分間加熱硬化させた後、該電着塗膜上に中塗り塗料(「ルーガベイクAM」関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系塗料、グレー色)を乾燥膜厚が30μmになるようにしてスプレー塗装し、140℃で30分間加熱して硬化させ、ついで、この塗面上に上記実施例及び比較例で得た各水性メタリック塗料を乾燥膜厚が18μmになるようにしてスプレー塗装し、室温で3分間放置した未硬化塗面上に、製造例8の高固形分型クリヤ塗料(塗装時の粘度50秒/フォードカップ#4/20℃に調整)を乾燥膜厚35μmになるようにしてスプレー塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化させて複層のメタリック塗板を得た。
【0100】
得られた各メタリック塗板について、下記試験方法を用いてハイライトの白さ、鮮映性及び耐酸性を評価した。得られた結果を後記表1に示す。
【0101】
試験方法
ハイライトの白さ:ALCOP LMR100(富士工業社製、商品名)を用い、IV値を測定した。この値が大きいほどハイライト部分の白さが優れていることを示す。
【0102】
鮮映性:PGD−IV(日本色彩研究所社製、鮮明度光沢計)を用いて角度55度における鮮映性を測定した。数値が大きいほど鮮映性は良好である。
【0103】
耐酸性:40%硫酸溶液に試験塗板の下半分を浸漬し、50℃で5時間放置した後、水洗し、塗面を観察した。評価基準は下記の通りである。
A:全く変化がない。
B:塗面に異常はないが、浸漬部と非浸漬部の境界にわずかに段差が認められる。
C:浸漬部に変色が認められる。
【0104】
【表1】
【0105】
溶剤用アルミニウム顔料の製造
実施例17
容量3リットルのビーカーにアルミニウムフレーク(東洋アルミニウム社製、アルペ−スト7679NS、平均粒径D50=14.1μm)をアルミニウム分が200gとなるように秤量し、これにプロピレングリコールモノメチルエーテルを600g添加して攪拌速度400rpmで攪拌しながらアルミニウムフレークを分散させた後、攪拌速度400rpmで攪拌しながら製造例1のチタン系処理剤(T1)500gを徐々に添加し、液温20〜25℃で1時間反応させた。
【0106】
その後、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルで3回デカンテ−ションを繰り返し、未反応のチタン系処理剤を溶出してから、ガラスフィルターを用いて吸引ろ過を行った後、80℃で乾燥処理しアルミニウム顔料A17を得た。
【0107】
実施例18
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T2)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A18を得た。
【0108】
実施例19
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T3)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A19を得た。
【0109】
実施例20
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T4)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A20を得た。
【0110】
実施例21
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T5)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A21を得た。
【0111】
実施例22
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T6)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A22を得た。
【0112】
実施例23
実施例17においてチタン系処理剤(T1)をチタン系処理剤(T7)に替える以外は実施例1と同様にして製造しアルミニウム顔料A23を得た。
【0113】
溶剤型メタリック塗料の作成
実施例24
アクリル樹脂(注5)70部、「ユーバン28−60」(三井サイテック社製、商品名、ブチルエ−テル化メラミン樹脂)30部及びアルミニウム顔料A17(実施例17)10部を有機溶剤(キシレン/トルエン=1/1重量比)に混合分散し、粘度を13秒/フォ−ドカップ#4(室温)に調整した。
(注5)アクリル樹脂:n−ブチルアクリレ−ト17部、メチルメタクリレ−ト38部、エチルアクリレ−ト16部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト13部及びアクリル酸を共重合してなる、数平均分子量約10,000、水酸基価55mgKOH/g及び酸価12mgKOH/gの樹脂である。
【0114】
実施例25〜31及び比較例3
実施例24においてアルミニウム顔料を後記表2とする以外は実施例24と同様にして各メタリック塗料を作成した。
【0115】
メタリック塗板の製造
化成処理を行なった冷延ダル鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着塗料を乾燥膜厚が25μmとなるようにして電着塗装し、170℃で30分間加熱硬化させた後、該電着塗膜上に中塗り塗料(「ルーガベイクAM」関西ペイント社製、商品名、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系塗料、グレー色)を乾燥膜厚30μmになるようにしてスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させ、ついで、この塗面上に上記実施例及び比較例で得た各メタリック塗料を乾燥膜厚18μmになるようにしてスプレー塗装し、室温で3分間放置した未硬化塗面上に、製造例8の高固形分型クリヤ塗料(塗装時の粘度50秒/フォードカップ#4/20℃に調整)を乾燥膜厚35μmになるようにしてスプレー塗装し、140℃で30分間加熱して両塗膜を同時に硬化させて複層の各メタリック塗板を得た。
【0116】
上記で得られた各メタリック塗板について、前記水性メタリック塗料の試験に用いた試験方法を用いて塗膜性能を評価した。結果を下記表2に示す。
【0117】
【表2】
【0118】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム顔料は、上記した密着性のよいチタン系処理剤によって顔料表面を被覆されているため、それを使用した塗膜は耐薬品性に優れており、また、顔料表面を被覆されているため水性塗料に添加してもガス発生の問題がないため、特に水性塗料用アルミニウム顔料として好適に使用できる。
Claims (8)
- (A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有水性液、並びに
(B)ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル基含有有機亜リン酸及びカルボキシル基含有有機亜リン酸よりなる群から選ばれる有機酸、該有機酸の塩、金属弗化水素酸並びに金属弗化水素酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
を含有してなるチタン系処理剤により処理されてなることを特徴とするアルミニウム顔料。 - 化合物(B)がヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル基含有有機亜リン酸、及びカルボキシル基含有有機亜リン酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種の有機酸である請求項1に記載のアルミニウム顔料。
- 化合物(B)が1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸である請求項1又は2に記載のアルミニウム顔料。
- チタン含有水性液(A)及び化合物(B)の含有割合が、チタン含有水性液(A)の固形分100重量部に対して、化合物(B)が0.1〜400重量部の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミニウム顔料。
- チタン系処理剤によりアルミニウム顔料表面に形成される処理膜が、乾燥膜厚で0.001〜10μmの範囲内である請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミニウム顔料。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム顔料及び親水性溶剤を含有することを特徴とするアルミニウム顔料ペースト。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルミニウム顔料を含有することを特徴とする塗料組成物。
- 塗料組成物が水性塗料組成物である請求項7に記載の塗料組成物。
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