JP4079780B2 - 無機膜形成用塗布剤及び該塗布剤を使用する無機膜形成方法 - Google Patents

無機膜形成用塗布剤及び該塗布剤を使用する無機膜形成方法 Download PDF

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Description

技術分野;
【0001】
本発明は、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性、脱色性、耐熱性、防食性、ガスバリヤー性等の優れた酸化チタン膜を提供する無機膜形成用塗布剤及び該塗布剤を使用する無機膜形成方法に関する。
背景技術
【0002】
従来、酸化チタン膜を形成する方法としては、(1)酸化チタンゾルを基材に塗布後、焼結する方法、(2)塩化チタンや硫酸チタンの水溶液を基材に塗布後、加熱処理する方法、(3)固体粒子を大気中で発生させたプラズマ中で溶融し基材表面にたたき付けるプラズマ溶射方法、(4)真空中で酸化物のターゲットをスパッタリングし基材上に成膜するスパッタ法、(5)有機金属化合物等を揮発させ電気炉の中で分解して基材上に膜を形成させるCVD法、(6)金属アルコキシドの加水分解で得たゾルを基材に塗布後、焼結するゾル−ゲル法等が挙げられる。
【0003】
しかしながら、上記した方法においては、(1)は0.1μm以上の膜厚ではワレ、剥がれを生じるため造膜性が劣り、また数百度以上の温度で焼結する必要があり手間が掛かること、(2)は熱分解物による基材への悪影響や数百度以上の温度で焼結する必要があり手間が掛かること、(3)は緻密な膜が形成できないこと、基材に対する付着性が劣ること、(4)及び(5)は減圧下でなければ良好な膜が得られず、真空排気できる反応容器が必要であり、一般に成膜速度が遅く、緻密な膜を得るためには数百度以上に基体を加熱しなければならないこと、(6)のゾル中には酸やアルカリあるいは有機物が加えられており、被コーティング材の腐蝕の問題があり、有機物除去のための温度(400℃以上)が必要であった。
【0004】
また、上記した欠点である高温焼結する工程を含まない方法として、(7)酸化チタンの弗化物水溶液と硼酸から酸化チタン膜を形成すること、(8)塩化チタンや硫酸チタン水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液から水酸化チタンゲルを沈殿させ、次いでデカンテーションによって水酸化チタンゲル分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え製造する方法(特開平9-71418号公報参照)等が知られている。
【0005】
しかしながら、(7)は膜を形成するのに長時間必要とすること、弗化物の取り扱いが面倒であること、(8)は工程が複雑であること、アルカリ塩の除去が面倒であること、他金属が混入し易く純度の高いものを得ることは難しい、pHのコントロールが難しくその変動によって得られるものが異なってしまう等の欠点がある。
発明の開示
【0006】
本発明は、アルカリ塩、弗化物などの副生物といった従来技術における問題がなく、貯蔵安定性にすぐれ、すぐれた塗膜性能を有する無機膜の形成に好適な塗布剤を提供することを目的としている。
本発明は、塗膜性能にすぐれた無機膜、特に光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性、脱色性、耐熱性、防食性、ガスバリヤー性等の優れた酸化チタン膜を形成しうる無機膜形成用塗布剤及び該塗布剤を使用する無機膜形成方法を提供することを目的としている。
【0007】
すなわち、本発明は、第1に、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(A)に、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を配合してなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤を提供する。
【0008】
本発明は、第2に、加水分解性チタン化合物及び/又は加水分解性チタン化合物低縮合物よりなるチタン化合物と過酸化水素水を酸化チタンゾルの存在下に反応させて得られるチタンを含む水性液(A1)に、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を配合してなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤を提供する。
【0009】
本発明は、第3に、上記無機膜形成用塗布剤を、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して無機膜を形成させることを特徴とする無機膜形成方法を提供する。
【0010】
発明を実施するための最良の形態
まず、本発明の無機膜形成用塗布剤について説明する。
本発明の無機膜形成用塗布剤で使用される水性液(A)は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液である。該水性液としては、上記したものであれば特に制限なしに従来から公知のものを適宜選択して使用することができる。
【0011】
上記した加水分解性チタン化合物は、チタンに直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物において、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であっても、もしくはその1部が加水分解された水酸基であってもどちらでも構わない。
【0012】
上記した加水分解性基としては、上記した様に水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものであれば特に制限されないが、例えば、低級アルコキシル基やチタンと塩を形成する基(例えば、ハロゲン原子(塩素等)、水素原子、硫酸イオン等)が挙げられる。
【0013】
加水分解性基として低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタン化合物としては、特に一般式 Ti(OR)(式中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す)のテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0014】
加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタン等が代表的なものとして挙げられる。
【0015】
また、加水分解性チタン化合物低縮合物は、上記した加水分解性チタン化合物同士の低縮合物である。該低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であっても、もしくはその1部が加水分解された水酸基であってもどちらでも構わない。塩素原子、硫酸根などの加水分解性基を有する加水分解性チタン化合物、例えば塩化チタン、硫酸チタンの水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液との加水分解反応により得られるオルトチタン酸または水酸化チタンゲルも低縮合物として使用できる。
【0016】
上記した加水分解性チタン化合物低縮合物又は水酸化チタン低縮合物における縮合度は、2〜30の化合物が使用可能で、特に縮合度2〜10の範囲内のものを使用することが好ましい。
【0017】
水性液(A)としては、上記したチタン化合物と過酸化水素水とを反応させることにより得られるチタンを含む水性液であれば、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には下記のものを挙げることができる。
【0018】
(1) 含水酸化チタンのゲルあるいはゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体あるいはチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液。(特開昭63-35419号及び特開平1-224220号公報参照)
(2) 塩化チタンや硫酸チタン水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体。(特開平9-71418号及び特開平10-67516号公報参照)
また、上記したチタニア膜形成用液体において、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタン水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。次いで水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲル分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液体を得ることができる。
【0019】
沈殿した該オルトチタン酸はOH同志の重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、このままではチタンを含む水性液としては使用できない。このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になりペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは、高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む水性液として使用できるようになる。
【0020】
このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩等の熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、従来より低温でも比較的密度の高い結晶性の酸化チタン膜を作成することができる。
【0021】
(3) 塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてぺルオキソチタン水和物を形成した後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置もしくは加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を形成し、次いで少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去し、次いで過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液。(特開2000-247638号及び特開2000-247639号公報参照)
【0022】
本発明で使用する水性液(A)において、過酸化水素水中にチタン化合物を添加して製造されたものを使用することが好ましい。チタン化合物としては、上記した一般式で表される加水分解して水酸基になる基を含有する加水分解性チタン化合物やその加水分解性チタン化合物低縮合物を使用することが好ましい。
【0023】
加水分解性チタン化合物及び/又はその低縮合物(以下、これらのものを単に「加水分解性チタン化合物a」と略す)と過酸化水素水との混合割合は、加水分解性チタン化合物a10重量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとキレート形成が十分でなく白濁沈殿してしまう。一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
【0024】
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量%範囲内であることが取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
【0025】
また、加水分解性チタン化合物aを用いてなる水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃の範囲内で10分〜20時間反応させることにより製造できる。
【0026】
加水分解性チタン化合物aを用いてなる水性液(A)は、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水と反応させることにより、加水分解性チタン化合物aが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで過酸化水素が生成した水酸基含有チタン化合物に配位するものと推察され、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域で安定性が極めて高く長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルはTi-O-Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させた物とは組成、安定性に関し本質的に異なる。
【0027】
加水分解性チタン化合物aを用いてなる水性液(A)を80℃以上で加熱処理あるいはオートクレーブ処理を行うと結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。80℃未満では十分に酸化チタンの結晶化が進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液は、酸化チタン超微粒子の粒子径が10nm以下、好ましくは1nm〜6nmの範囲である。また、該分散液の外観は半透明状のものである。該粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下(1μm以上でワレを生じる)するので好ましくない。 この分散液も同様に使用することができる。
【0028】
加水分解性チタン化合物aを用いてなる水性液(A)は、鋼鈑材料に塗布乾燥、または低温で加熱処理することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できる。
加熱処理温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下の温度で酸化チタン膜を形成することが好ましい。
【0029】
加水分解性チタン化合物aを用いてなる水性液(A)は、上記した温度により水酸基を若干含む非晶質(アモルファス)の酸化チタン膜を形成する。
また、80℃以上の加熱処理をした酸化チタン分散液は塗布するだけで結晶性の酸化チタン膜が形成できるため、加熱処理をできない材料のコーティング材として有用である。
【0030】
本発明において、水性液(A)に代えて、酸化チタンゾルの存在下で、上記と同様の加水分解性チタン化合物及び/又は加水分解性チタン化合物低縮合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(A1)を使用することが好ましい。加水分解性チタン化合物及び/又は加水分解性チタン化合物低縮合物(加水分解性チタン化合物a)としては、上記した一般式で表される加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマーやその加水分解性チタン化合物低縮合物を使用することが好ましい。
上記した酸化チタンゾルは、無定型チタニア、アナタース型チタニア微粒子が水(必要に応じて、例えば、アルコール系、アルコールエーテル系等の水性有機溶剤を含有しても構わない)に分散したゾルである。
【0031】
上記した酸化チタンゾルとしては従来から公知のものを使用することができる。該酸化チタンゾルとしては、例えば、(1)硫酸チタンや硫酸チタニルなどの含チタン溶液を加水分解して得られるもの、(2)チタンアルコキシド等の有機チタン化合物を加水分解して得られるもの、(3)四塩化チタン等のハロゲン化チタン溶液を加水分解又は中和して得られるもの等の酸化チタン凝集物を水に分散した無定型チタニアゾルや該酸化チタン凝集物を焼成してアナタース型チタン微粒子としこのものを水に分散したものを使用することができる。無定形チタニアの焼成は少なくともアナターゼの結晶化温度以上の温度、例えば、400℃〜500℃以上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型チタニアに変換させることができる。該酸化チタンの水性ゾルとして、例えば、TKS−201(テイカ(株)社製、商品名、アナタース型結晶形、平均粒子径6nm)、TA−15(日産化学(株)社製、商品名、アナタース型結晶形)、STS−11(石原産業(株)社製、商品名、アナタース型結晶形)等が挙げられる。
【0032】
加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させるために使用する際の上記酸化チタンゾルと反応生成物との重量比率は1/99〜99/1、好ましくは約10/90〜90/10範囲である。重量比率が1/99未満になると安定性、光反応性等酸化チタンゾルを添加した効果が見られず、99/1を超えると造膜性が劣るので好ましくない。
【0033】
加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水との混合割合は、加水分解性チタン化合物a10重量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとキレート形成が十分でなく白濁沈殿してしまう。一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
【0034】
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量%範囲内であることが取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
【0035】
また、水性液(A1)は、酸化チタンゾルの存在下で加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜 70℃の範囲内で10分〜20時間反応させることにより製造できる。
【0036】
水性液(A1)は、加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応させることにより、加水分解性チタン化合物aが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで過酸化水素が生成した水酸基含有チタン化合物に配位するものと推察され、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域で安定性が極めて高く長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルはTi−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させた物とは組成、安定性に関し本質的に異なる。また、酸化チタンゾルを使用することにより、合成時に一部縮合反応が起きて増粘するのを防ぐようになる。その理由は縮合反応物が酸化チタンゾルの表面に吸着され、溶液状態での高分子化を防ぐためと考えられる。
【0037】
また、チタンを含む水性液(A1)を80℃以上で加熱処理あるいはオートクレーブ処理を行うと結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。80℃未満では十分に酸化チタンの結晶化が進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液は、酸化チタン超微粒子の粒子径が10nm以下、好ましくは1nm〜6nmの範囲である。また、該分散液の外観は半透明状のものである。該粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下し、特に1μm以上ではワレを生じるので好ましくない。この分散液も同様に使用することができる。
【0038】
チタンを含む水性液(A1)は、鋼鈑材料に塗布乾燥、または低温で加熱処理することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できる。
加熱処理温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下の温度で酸化チタン膜を形成することが好ましい。
チタンを含む水性液(A1)は、上記した温度により水酸基を若干含むアナタース型の酸化チタン膜を形成する。
【0039】
上記したチタンを含む水性液(A)の中でも、加水分解性チタン化合物aを使用した上記水性液や水性液(A1)は貯蔵安定性、耐食性などに優れた性能を有するのでこのものを使用することが好ましい。
【0040】
上記チタンを含む水性液(A)または(A1)には、他の顔料やゾルを必要に応じて添加分散する事も出来る。添加物としては、市販されている酸化チタンゾル、酸化チタン粉末等、マイカ、タルク、シリカ、バリタ、クレー等が一例として挙げることができる。
【0041】
本発明において、チタンを含む水性液(A)または(A1)に添加するアンモニア又は有機塩基性化合物(B)はアンモニア又は沸点300℃以下の有機塩基性化合物で中和可能な有機塩基性化合物であれば限定しない。望ましいものとしては、アンモニア又は特に、水可溶性の有機塩基性化合物、例えば、ジメチルエタノ−ルアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノ−ル、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0042】
アンモニア又は有機塩基性化合物(B)の配合割合は、チタンを含む水性液(A)または(A1)100重量部(固形分)に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.005〜5重量部の範囲である。アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を0.001重量部未満で配合した場合には、液の貯蔵安定性が低下する。また、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を10重量部を超えて、配合した場合には、形成した膜中に有機塩基性化合物(B)の残存する比率が大きくなり、造膜性が低下し、ガスバリヤー性、防食性等の性能が低下する。
【0043】
また、無機膜形成用塗布剤のpHが2以下の場合は液の貯蔵安定性が低下する。また、pHが7以上の場合は、沈殿物を生成し、造膜性が低下する。
【0044】
本発明において、上記した成分以外に水性有機高分子化合物(C)を必要に応じて配合することができる。
水性有機高分子化合物(C)はpH7以下で水に溶解もしくは分散した有機樹脂成分が凝集して沈降したり、また増粘やゲル化の異常を生じる恐れのない有機高分子化合物(C)自体の水性液の安定に優れたものであれば従来から公知のものを使用することができる。
【0045】
水性有機高分子化合物(C)は、水溶性、水分散性またはエマルション性の形態を有するものを使用することができる。有機高分子化合物を水に水溶化、分散化、エマルション化させる方法としては、従来から公知の方法を使用して行うことができる。具体的には、有機高分子化合物として、単独で水溶化や水分散化できる官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ(イミノ)基、スルフィド基、ホスフィン基などの少なくとも1種)を含有するもの及び必要に応じてそれらの官能基の一部又は全部を、酸性樹脂(カルボキシル基含有樹脂等)であればエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物で中和したもの、また塩基性樹脂(アミノ基含有樹脂等)であれば、酢酸、乳酸等の脂肪酸;リン酸等の鉱酸で中和したものなどを使用することができる。
かかる水性有機高分子化合物(C)としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
【0046】
上記エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂にアミンを付加してなるカチオン系エポキシ樹脂;アクリル変性、ウレタン変性等の変性エポキシ樹脂などが好適に使用できる。カチオン系エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ化合物と、1級モノ−もしくはポリアミン、2級モノ−もしくはポリアミン、1,2級混合ポリアミンなどとの付加物(例えば米国特許第3984299号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−またはポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4017438号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシル化合物とのエーテル化反応生成物(例えば特開昭59−43013号公報参照)などが挙げられる。
【0047】
上記エポキシ化合物は、数平均分子量が400〜4,000、特に800〜2,000の範囲内にあり、かつエポキシ当量が190〜2,000、特に400〜1,000の範囲内にあるものが適している。そのようなエポキシ化合物は、例えば、ポリフェノール化合物とエピルロルヒドリンとの反応によって得ることができ、ポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
【0048】
上記フェノール系樹脂としては、フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して付加、縮合させて得られる高分子化合物を水溶化したものを好適に使用することができる。出発原料である上記フェノール成分としては、2官能性フェノール化合物、3官能性フェノール化合物、4官能性以上のフェノール化合物などを使用することができ、例えば、2官能性フェノール化合物として、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなど、3官能性フェノール化合物として、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールなど、4官能性フェノール化合物として、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどを挙げることができる。これらのフェノール化合物は1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
【0049】
上記アクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基などの親水性の基を持ったアクリルモノマーの単独重合体又は共重合体、親水性の基を持ったアクリルモノマーとその他共重合可能なモノマーとの共重合体などが挙げられる。これらは、乳化重合、懸濁重合又は溶液重合し、必要に応じて、中和、水性化した樹脂または該樹脂を変性して得られる樹脂である。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などを挙げることができる。
【0050】
含窒素モノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー、;アリルアミンなどが挙げられる。
【0051】
水酸基含有モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε-カプロラクトンを開環重合した化合物などが挙げられる。
【0052】
その他モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
【0053】
上記ウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとジイソシアネートからなるポリウレタンを必要に応じてジオール、ジアミン等のような2個以上の活性水素を持つ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長し、水中に安定に分散もしくは溶解させたものを好適に使用でき、公知のものを広く使用できる(例えば特公昭42−24192号、特公昭42−24194号、特公昭42−5118号、特公昭49−986号、特公昭49−33104号、特公昭50−15027号、特公昭53−29175号公報参照)。ポリウレタン樹脂を水中に安定に分散もしくは溶解させる方法としては、例えば下記の方法が利用できる。
【0054】
(1)ポリウレタンポリマーの側鎖又は末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のイオン性基を導入することにより親水性を付与し、自己乳化により水中に分散又は溶解する方法。
(2)反応の完結したポリウレタンポリマー又は末端イソシアネート基をオキシム、アルコール、フェノール、メルカプタン、アミン、重亜硫酸ソーダ等のブロック剤でブロックしたポリウレタンポリマーを乳化剤と機械的剪断力を用いて強制的に水中に分散する方法。さらに末端イソシアネート基を持つウレタンポリマーを水/乳化剤/鎖伸長剤と混合し機械的剪断力を用いて分散化と高分子量化を同時に行う方法。
(3)ポリウレタン主原料のポリオールとしてポリエチレングリコールのごとき水溶性ポリオールを使用し、水に可溶なポリウレタンとして水中に分散又は溶解する方法。
上記ポリウレタン系樹脂には、前述の分散又は溶解方法については単一方法に限定されるものでなく、各々の方法によって得られた混合物も使用できる。
【0055】
上記ポリウレタン系樹脂の合成に使用できるジイソシアネートとしては、芳香族、脂環族及び脂肪族のジイソシアネートが挙げられ、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,4−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、4,4′−ジイソシアナトシクロヘキサノン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂の市販品としては、ハイドランHW−330、同HW−340、同HW−350(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)、スーパーフレックス100、同150、同F−3438D(いずれも第一工業製薬(株)製)などを挙げることができる。
【0056】
上記ポリビニルアルコールとしては、ケン化度87%以上のポリビニルアルコールであることが好ましく、なかでもケン化度98%以上の、いわゆる完全ケン化ポリビニルアルコールであることが特に好ましく、また数平均分子量が3,000〜100,000の範囲内にあることが好適である。
上記ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂としては、ポリオキシエチレン鎖又はポリオキシプロピレン鎖を有するものが好適に使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、上記ポリオキシエチレン鎖と上記ポリオキシプロピレン鎖とがブロック状に結合したブロック化ポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができる。
【0057】
上記オレフィン−カルボン酸系樹脂としては、エチレン、プロピレン等のオレフィンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体(1)、及び該共重合体の分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合しさらに粒子内架橋してなる樹脂(2)の2種から選ばれる少なくとも1種の水分散性又は水溶性樹脂を使用できる。
【0058】
上記共重合体(1)は、オレフィンと(メタ)アクリル酸やマレイン酸等の不飽和カルボン酸との1種又は2種以上との共重合体である。該共重合体(1)においては、該不飽和カルボン酸の含有量が3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲内であることが適当であり、共重合体中の酸基を塩基性物質で中和することにより水に分散できる。
上記樹脂(2)は、共重合体(1)の水分散液に、重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる架橋樹脂である。該重合性不飽和化合物としては、例えば前記水分散性又は水溶性のアクリル系樹脂の説明で列挙したビニルモノマー類等が挙げられ、1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。
【0059】
水性有機高分子化合物(C)の配合割合は、チタンを含む水性液(A)または(A1)の固形分100重量部に対して10〜2,000重量部、特に100〜1,000重量部の範囲内が液の安定性、防食性などの点から好ましい。
本発明のチタン系塗布剤は、中性もしくは酸性領域で安定な液体となるので、特にpH1〜10、特に1〜7の範囲が好ましい。
【0060】
該チタン系塗布剤には、必要に応じて、例えば、上記した成分以外に、増粘剤、界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類などを含有することができる。
また、該チタン系塗布剤には、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系、プロピレングリコール系等の親水性溶剤で希釈して使用することができる。
【0061】
本発明のチタン系塗布剤は、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して形成させることによりチタン系防食被膜を形成させることができる。
本発明の無機膜形成用塗布剤を基材上に塗布乾燥、または低温で加熱処理することにより付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できる。低い温度でも酸化チタン膜を形成できるが、密着性を良くするためには200℃以上の処理温度が好ましい。また、1回の塗布で1μm以上の酸化チタン膜を剥離することなく付着性に優れた膜が形成できるが、膜厚としては通常、0.001〜20μm、特に0.1〜15μmの範囲が好ましい。
【0062】
本発明の無機膜形成用塗布剤は、200℃未満では水酸基を若干含む非晶質の酸化チタン膜を、200℃以上では結晶性の緻密な酸化チタン膜を形成する。
また、80℃以上の加熱処理をした酸化チタン分散液は塗布するだけで結晶性の酸化チタン膜が形成できるため、加熱処理をできない材料のコーティング材として有用である。このような方法において、上記した種々の用途に利用可能であり、しかも比較的密度が高く密着性の良いものを低温で得ることができる。
乾燥しただけの膜は耐水性があるが含浸性もあり、他の化合物溶液を含浸させその後加熱処理させることにより、酸化チタン膜の中に他の物質を担持あるいは分散した複合体を形成することも可能である。他の物質としては、例えば、他の金属化合物が使用可能である。
上記無機膜形成用塗布剤に他の顔料やゾルを添加分散する事も出来る。添加物としては、市販されている酸化チタンゾル、酸化チタン粉末等が一例として挙げることができる。
【0063】
本発明で使用できる基材としては、例えば、金属、陶磁器、プラスチックス、繊維、ガラス(板状、球状等)コンクリート等、用途に応じた加熱処理に耐え得る素材であればあらゆるものに塗布が可能であり、多孔体の内部や粉体の表面処理を行なうことも可能である。
【0064】
本発明によって得られた酸化チタン膜の中には、光照射によって活性になる物が多い。例えば、窒素酸化物等を酸化して硝酸に変化させることができる。
本発明において、酸化チタン膜をエネルギー変換材料に利用する場合、酸化チタン膜表面に増感色素を塗布することが好ましい。増感色素は可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つものであり、種々の金属錯体や有機色素の一種又は二種以上を用いることができる。増感色素として、分子中にカルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、スルホン基、カルボキシアルキル基の官能基を有するものが半導体への吸着が早いため、好ましい。また、分光増感の効果や耐久性に優れているため金属錯体が好ましい。金属錯体としては、銅フタロシアニン、チタニルフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、クロロフイル、ヘミン、特開平1-220380号や特許出願公表平5-504023号に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体を用いることができる。有機色素としては、メタルフリーフタロシアニン、シアニン朱色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン色素を用いることができる。シアニン系色素としては、具体的には、NK1194、NK3422(いずれも日本感光色素研究所製)が挙げられる。
メロシアニン系色素としては、具体的には、NK2426、NK2501(いずれも日本感光色素研
究所製〉が挙げられる。キサンテン系色素としては、具体的には、ウラニン、エオシン、ローズベンガル、ロ一ダミンB、ジブロムフルオレセインが挙げられる。トリフェニルメタン色素としては、具体的には、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレットが挙げられる。
【0065】
また、本発明によって得られた酸化チタン膜は光活性の性質以外に耐熱性、防食性、ガスバリヤー性に優れた被膜を形成することができるので耐熱、防食塗膜として利用することもできる。
上記のようなチタンの光活性の性質を利用して、例えば、大気や水の環境汚染物質を分解除去、親水化処理、抗菌処理、消臭、防曇性、水処理、エネルギー変換性等の分野で利用できる。
【0066】
実施例
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明は下記した実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に記載の「部」及び「%」は重量基準である。
【0067】
製造例1
(無機膜形成用塗布剤(1)製造例)
四塩化チタン60%溶液5部を蒸留水で500部とした溶液にアンモニア水(1:9)を滴下し、水酸化チタンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30%溶液を10部加えかき混ぜ、チタンを含む黄色半透明の粘性のある水性液(70部)を得た。さらに、25%アンモニア水を 0.02部添加、撹拌し、無機膜形成用塗布剤(1)を得た。
【0068】
製造例2
(無機膜形成用塗布剤(2)製造例)
テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物を30%過酸化水素水10部と脱イオン水100部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン系水性液を得た。さらに、25%アンモニア水を0.2部添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(2)を得た。
【0069】
製造例3
(無機膜形成用塗布剤(3)製造例)
製造例(2)に記載のチタン系水性液に、ジメチルエタノ−ルアミン0.4部を添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(3)を得た。
【0070】
製造例4
(無機膜形成用塗布剤(4)製造例)
製造例(2)に記載のチタン系水性液に、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノ−ル0.2部を添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(4)を得た。
【0071】
製造例5
(無機膜形成用塗布剤(5)製造例)
製造例(2)に記載のチタン系水性液に、トリエチルアミン0.4部を添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(5)を得た。
【0072】
製造例6
(無機膜形成用塗布剤(6)製造例)
製造例(2)に記載のチタン系水性液を95℃で6時間加熱処理し、白黄色の半透明なチタン系水性液を得た。さらに、25%アンモニア水を0.2部添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(6)を得た。
【0073】
製造例7
(無機膜形成用塗布剤(7)製造例)
テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物をTKS−201(テイカ(株)製、酸化チタンゾル)を5部(固形分)、30%過酸化水素水10部、脱イオン水100部の混合物中に10℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後10℃で24時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン系水性液を得た。
さらに、25%アンモニア水を0.2部添加、撹拌し無機膜形成用塗布剤(7)を得た。
【0074】
製造例8
(無機膜形成用塗布剤(8))(比較例用)
テトラisoープロポキシチタン10部とisoープロパノール10部の混合物を30%過酸化水素水10部と脱イオン水100部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン系水性液(無機膜形成用塗布剤)を得た。
【0075】
製造例9
(無機膜形成用塗布剤(9))(比較例用)
水酸化チタンを水に0.2mol/L分散させた液体を作成した。
【0076】
実施例1〜7及び比較例1〜2(下記試験結果)
塗膜形成方法は次の方法で塗膜を形成した。
製造例1〜7(実施例)の無機膜形成用塗布剤及び製造例8〜9(比較例)の無機膜形成用塗布剤をバーコーターでガラス板に乾燥膜厚が1.0μmになるように塗装し、200℃で30分間焼付けた。
製造例1〜7(実施例)の無機膜形成用塗布剤及び製造例8〜9(比較例)の無機膜形成用塗布剤の貯蔵安定性(1)及び上記条件で形成した塗板を使用して塗膜状態(2)、付着性(3)、鉛筆硬度(4)、耐水性(5)、水濡れ性(水接触角)(6)の試験を行ない、その結果をまとめて表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
(1)貯蔵安定性:50℃で200時間貯蔵後の粘度変化や沈降性等を調べた(初期のものと比較)。
(2)塗膜状態:塗膜の平滑性、透明性、造膜性(ワレ等)などの塗膜異常の有無を観察した。
(3)付着性:JIS K−5400 8.5.2(1990)碁盤目セロファンテープ法に準じて、1mm×1mmのマス目を100個作成し、その表面にテープを密着させ剥離した際のマス目の残った数を調べた。
(4)鉛筆硬度:JIS K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を行ない、すり傷による評価を行なった。
(5)耐水性:20℃の水に7日間浸漬した後、塗膜外観を目視で観察した。
(6)水濡れ性:塗膜表面の水接触角を測定した。4kW高圧水銀灯を塗膜表面らの距離30cmで5分照射後、水接触角を測定した。水接触角は20℃にて試験塗板上に0.03ccの脱イオン水の水滴を形成し、水滴の接触角を協和化学(株)製、コンタクタングルメーターDCCA型にて測定した。
【0079】
実施例8及び比較例3(ガス分解性結果)
上記製造例1(実施例)及び製造例9(比較例)の無機膜形成用塗布剤をバーコーターでガラス板に乾燥膜厚が1.0μmになるように塗装し、200℃で30分間焼付けた。4kW高圧水銀を設置した密閉試験室にアセトアルデヒドを充満させ、次いで該水銀灯から約30cm離れた場所に上記した塗板を置き、室内のアセトアルデヒド(初期0.1g)を1時間後、3時間後ごとにアセトアルデヒド減少量を測定した。結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
実施例9及び比較例4(耐汚染性)
上記製造例2(実施例)及び製造例9(比較例)の無機膜形成用塗布剤をバーコーターでガラス板に乾燥膜厚が1μmになるように塗装し、200℃で30分間焼付けた。得られた塗板を屋外に6ヶ月バクロした後、塗膜表面の汚れを観察した。結果を表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】
実施例10及び比較例5(エネルギー変換性1)
上記製造例6(実施例)及び製造例9(比較例)の無機膜形成用塗布剤をアプリケータでフッ素ドープした酸化スズ導電ガラスに乾燥膜厚が8μmになるように塗装し、500℃で30分間焼付けた。得られた酸化チタン膜電極に、増感色素としてRu(II)(ビピリジンジカルボン酸)2(イソチオシアン酸)2で表されるルテニウム錯体を吸着されて、色素で増感された酸化チタン膜電極を得た。電極と対極用透明導電性ガラスとを重ね合わせ、その間にヨウ素イオンを酸化環元対とする電解液を入れ、これらの側面を樹脂で封入した後、リードを取り付けて、光電変換素子を得た。前記光電変換素子に、ソラックス社製人工太陽灯(100W)を用い、照射強度100mW/cm2の短絡電流を評価した。結果を表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
実施例11及び比較例6(エネルギー変換性2)
実施例10及び比較例5の酸化チタン膜電極に、増感色素としてエオシンYを吸着されて、色素で増感された酸化チタン膜電極を得た。実施例10及び比較例5と同様な方法で短絡電流を評価した。結果を表5に示す。
【0086】
【表5】
【0087】
実施例12及び比較例7(防食性結果)
上記製造例3(実施例)及び製造例8(比較例)の無機膜形成用塗布剤をバーコーターで軟鋼板に乾燥膜厚が0.5μmになるように塗装し、250℃で20秒間焼付けた。該塗板を、SSTJIS、1%食塩水溶液に常温で100時間浸漬し耐蝕性試験を行った。付着性は上記(3)と同様の試験方法で行なった。その結果を表6に示す。
【0088】
【表6】
【0089】
発明の効果
本発明の無機膜形成用塗布剤は上記した構成を持つことから従来のものと比較して、アルカリ塩、弗化物等の副生成物を含まない純度が高いチタンキレート液であることから貯蔵安定性、被膜性能等が優れること、また、その製造方法においては副生成物の処理工程など複雑な工程を含まないといった利点がある。この様なチタン系水性液に有機塩基性化合物(B)を添加した無機膜形成用塗布剤より形成されたチタン膜は、該チタン膜の光触媒活性、エネルギー変換性、防食性、耐熱性、ガスバリヤー性等を利用した分野など、産業上においても与える効果は大きい。
【0090】
産業上の利用可能性
本発明の塗布剤より形成される酸化チタン膜は、光活性の性質を利用して、例えば、大気や水の環境汚染物質を分解除去、親水化処理、抗菌処理、消臭、防曇、水処理、エネルギー変換等の分野で利用できる。
また、本発明の塗布剤を使用して形成される酸化チタン膜は光活性の性質以外に耐熱性、防食性、ガスバリヤー性に優れるので耐熱、防食塗膜として利用することもできる。

Claims (15)

  1. 加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(A)に、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を配合してなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤。
  2. 加水分解性チタン化合物及び/又は加水分解性チタン化合物低縮合物よりなるチタン化合物と過酸化水素水とを酸化チタンゾルの存在下に反応させて得られるチタンを含む水性液(A1)に、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)を配合してなることを特徴とする無機膜形成用塗布剤。
  3. 水性液(A)が、過酸化水素水中にチタン化合物を添加して製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載の無機膜形成用塗布剤。
  4. 水性液(A1)が、過酸化水素水中にチタン化合物を添加して製造されたものであることを特徴とする請求項2に記載の無機膜形成用塗布剤。
  5. 加水分解性チタン化合物が、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤。
  6. 加水分解性チタン化合物低縮合物が、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマーの低縮合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤。
  7. 加水分解性チタン化合物が、一般式 Ti(OR)(式中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す)であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤。
  8. 該低縮合物が、縮合度2〜30であることを特徴とする請求項1、2又は6に記載の無機膜形成用塗布剤。
  9. チタン化合物と過酸化水素水との混合割合が、チタン化合物10重量部に対して過酸化水素が0.1〜100重量部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤。
  10. アンモニア又は有機塩基性化合物(B)が、沸点300℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機膜形成用塗布剤。
  11. アンモニア又は有機塩基性化合物(B)が、水性液(A)または(A1)100重量部に対し、アンモニア又は有機塩基性化合物(B)が0.001〜10重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機膜形成用塗布剤。
  12. 無機膜形成用塗布剤が、pH2〜10の水性液であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤。
  13. 該塗布剤が、さらに水性有機高分子化合物(C)を含有する請求項1または2記載の無機膜形成用塗布剤。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の無機膜形成用塗布剤を、基材に塗布し、必要に応じて加熱処理して無機膜を形成させることを特徴とする無機膜形成方法。
  15. 該無機膜の表面に増感色素を塗布することを特徴とする請求項14記載の無機膜形成方法。
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