JP2549691B2 - 酸化チタン被覆体の製造方法 - Google Patents

酸化チタン被覆体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、無機基材表面が酸化チタンで被覆された新
規な酸化チタン被覆体に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 酸化チタンは、高屈折率を有し、さらに紫外線遮蔽力
などの特性も優れていることから、これらの特性を利用
して各種の顔料、フィラー等として広範囲に使用されて
いる。例えば雲母のような板状鉱物に酸化チタンを被覆
することにより、塗料用の顔料あるいはフィラーなどと
して使用されている。このような顔料あるいはフィラー
は、酸化チタンが高い屈折率を有し、さらに紫外線遮蔽
力にも優れているために、真珠のような光沢を有し、し
かもこのような顔料あるいはフィラーを含む塗料などは
優れた紫外線遮蔽性を示す。
また、球状シリカ粉末に酸化チタンを被覆することに
より分散性のよい白色顔料を得ることができ、このよう
な白色顔料を塗料用の顔料あるいは化粧品用の配合剤と
して使用することができる。
このように種々の用途に利用されている酸化チタン被
覆体は、基本的には、無機基材と、この無機基材の表面
を被覆する酸化チタンとからなり、無機基材を酸化チタ
ンで被覆する方法としては、乾式法と湿式法とがある。
ここで乾式法の代表的な例としては、真空蒸着法を挙
げることができるが、このような乾式法を利用して得ら
れる酸化チタン被覆体は、そのコストが非常に高くなる
ために、特殊な用途を除けば利用されることは少ない。
従って、被覆方法としては、湿式法が一般的であり、
この湿式法としては、硫酸チタニルあるいは塩化チタン
等のチタン塩水溶液を調製し、このチタン塩水溶液中に
被覆基材を投入して懸濁状態にし、この懸濁液を加熱す
ることによりチタン塩を加水分解し、加水分解により生
成する酸化チタンを被覆基材表面に析出させる方法など
が利用されている(例えば、特公昭43−25644号公報、
特公昭56−29708号公報、特開昭50−39738号公報、特開
昭61−195169号公報参照)。
しかしながら、これらの従来の方法は、チタン塩水溶
液が強酸性を呈するため、耐酸性のない被覆基材の被覆
には利用することができない。また、上記の方法などに
より基材表面に析出させた酸化チタンは、基材との密着
性および析出した酸化チタンの緻密性などの点で必ずし
も満足のいくものではなく、さらに基材との密着性が高
く、緻密で強度の高い酸化チタンの被覆層を有する被覆
体が得られるような酸化チタン被覆体の製造方法の開発
が望まれている。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解消
しようとするものであって、基材との密着性に優れ、か
つ緻密な酸化チタンで被覆された新規な酸化チタン被覆
体が得られるような酸化チタン被覆体の製造方法を提供
することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る酸化チタン被覆体の製造方法は、含水酸
化チタンのゲルおよび/またはゾルに過酸化水素を加え
て得られたチタン酸水溶液を、無機基材の共存下に加熱
することにより、該基材の表面に酸化チタンを析出させ
ることを特徴としている。
本発明に係る方法で得られる酸化チタン被覆体は、無
機基材表面の被覆している酸化チタンが特定のチタン酸
水溶液から析出した酸化チタンであるため、酸化チタン
と無機基材との密着性がよく、かつ緻密な構造を有して
いるので、非常に強度が高い。
このような酸化チタン被覆体を化粧品用配合剤として
用いると、非常に良好な使用感を有していると共に、酸
化チタンの紫外線遮蔽作用によって、日焼け止め化粧品
として使用することもできる。
発明の具体的説明 以下本発明について具体的に説明する。
本発明に係る酸化チタン被覆体の製造方法は、特定の
チタン酸水溶液を、無機基材が共存する条件下に加熱す
ることにより、この基材表面に酸化チタンを析出させる
ことを主な特徴としている。
本発明において無機基材表面を被覆するために用いる
チタン酸水溶液は、含水酸化チタンのゲルまたはゾルに
過酸化水素を加えて含水酸化チタンを溶解することによ
り得ることができる。
すなわち、従来公知の方法によって含水酸化チタンの
ゲルまたはゾルを調製する。含水酸化チタンゲルは、た
とえば塩化チタンおよび硫酸チタニルなどのチタン塩の
水溶液にアルカリを加えて中和することによって得られ
る。また含水酸化チタンゾルは、チタン塩の水溶液をイ
オン交換樹脂に通して陰イオンを除去することによって
得られる。なお、含水酸化チタンゾルあるいはゲルを調
製するには、上記のような方法に限らず、従来公知の方
法が広く用いられる。ここでいう含水酸化チタンとは、
上記のような方法で得られる酸化チタン水和物あるいは
チタン水酸化物を含む総称である。
次に上記のようにして得られた含水酸化チタンゾルま
たはゲルあるいはこれらの混合物に、過酸化水素を加え
て含水酸化チタンを溶解して均一な水溶液を調製する。
この際、必要に応じて約50℃以上に加熱することがで
き、さらにこの反応を撹拌しながら行なうことが好まし
い。またこの際、含水酸化チタンの濃度が高くなりすぎ
ると、含水酸化チタンの溶解に長時間を必要とし、さら
に未溶解状態のゲルが沈澱したり、あるいは得られる水
溶液が粘稠になりすぎるため好ましくない。このためTi
O2濃度としては約10重量%以下、好ましくは約5重量%
以下であることが望ましい。
また、加えるべき過酸化水素の量はH2O2/TiO2重量比
で1以上であれば、含水酸化チタンを完全に溶解するこ
とができる。
上記H2O2/TiO2比が1未満であると、含水酸化チタン
が完全に溶解せず、未反応のゲルあるいはゾルが残存す
るため好ましくない。なお、H2O2/TiO2比は大きいほ
ど、含水酸化チタンの溶解速度は大きく、反応は短時間
で終了するが、あまり過剰に過酸化水素を用いると、未
反応の過酸化水素が系内に大量に残存することとなり、
次の工程に悪影響を与えるため好ましくない。したがっ
て、H2O2/TiO2比が1〜6、好ましくは2〜6程度とな
るような量で過酸化水素を用いることが望ましい。この
ような量で過酸化水素を用いると、含水酸化チタンは、
通常は0.5〜20時間程度で完全に溶解し、黄色透明若し
くは半透明のチタン酸水溶液を得ることができる。
このようにして調製したチタン酸水溶液は、一般に3
〜12のpH値を有しており非常に安定している。従って、
このチタン酸水溶液を加熱して加水分解する際に用いる
基材の種類に合わせて、通常3〜12の範囲内でpH値を調
整して用いることができる。
このようにして調製したチタン酸水溶液は、そのまま
使用することができるが、得られる酸化チタン被覆体の
用途、酸化チタンの析出温度および加熱時間などを考慮
して、チタン酸水溶液の濃度調整を行なうこともでき
る。特に本発明においては、チタン酸水溶液中のTiO2
度を約0.1〜10重量%に調整して用いることが好まし
い。
このようにして得られたチタン酸水溶液を、無機基材
の共存下に加熱することにより、無機基材表面に酸化チ
タンを析出させる。
本発明において、無機基材としては、得られる酸化チ
タン被覆体の用途により、種々のものを用いることがで
きる。
本発明で用いられる無機基材としては、周期律表の第
II族、第III族、第IV族、第V族、第VI族および第VII族
に含まれる元素を含む無機酸化物が好ましい。このよう
な元素を含む無機化合物の例としては、雲母、タルク、
カオリン、ガラスフレーク、石膏、炭酸カルシウム、ア
ルミナ、シリカ、アルミナ・シリカ、酸化亜鉛、酸化ジ
ルコニウムおよび酸化鉄を挙げることができる。
これらの無機基材の形状は、用途に合わせて適宜選定
することができ、例えば、薄片状、球状、および繊維状
などの粉末であっても良く、また、これらの形状の無機
物質の集合体あるいは成形体をも用いることができる。
これらの無機基材の大きさにも特に制限はなく、例え
ば板状の無機基材を上述のチタン酸水溶液中に浸漬して
この板状の無機基材の表面に酸化チタンを析出させるこ
ともできる。
特に本発明に係る方法で得られる酸化チタン被覆体
を、透明性を有する分散剤中に配合して透明性を損なわ
ずに紫外線を効率よく遮蔽する目的で使用する場合に
は、被覆体の平均粒子径が80mμ以下、好ましくは10〜5
0mμになるような無機粉末を用いることが好ましい。
また、酸化チタン被覆体を、例えば化粧品のファンデ
ーション基剤あるいは顔料など隠遮力を要求される用途
に用いる場合には、被覆体の平均粒子径が、0.1〜30μ
mとなるような無機粉末を用いることが望ましい。
上述のチタン酸水溶液を上記のような基材の存在下に
加熱することにより、チタン酸水溶液中から酸化チタン
が析出して無機基材あるいは無機粉末の表面を被覆す
る。
無機基材表面を酸化チタンで被覆する具体的な方法と
しては、被覆される酸化チタン量を予め算出し、この量
に対応するチタン酸水溶液と無機基材とを混合した後加
熱する方法、チタン酸水溶液の一部と無機基材全部とを
混合して加熱し、予め基材表面に酸化チタンの薄層を形
成した後、残りのチタン酸水溶液を添加してこの薄層上
にさらに酸化チタンを積層させる方法、および、無機基
材の懸濁液または分散液中にチタン酸水溶液を少量ずつ
添加しながら加熱して基材表面に酸化チタンを徐々に析
出させる方法などを挙げることができる。
チタン酸水溶液の加熱温度は、チタン酸水溶液中に溶
存しているチタン化合物が加水分解して析出する温度以
上であればよく、通常はチタン酸水溶液を60℃以上、好
ましくは80℃以上に加熱することが望ましい。
上記のような操作によって、チタン酸水溶液中に溶存
しているチタン化合物が酸化チタンとして析出し、この
析出した酸化チタンが無機基材表面を被覆する。この析
出する酸化チタンは、非常に微細な粒子であるため、無
機基材表面に対する密着性が良好であると共に、無機基
材表面が均一にかつ緻密に被覆される。
また、酸化チタン被覆体における酸化チタン被覆量
(重量)は、用いる無機基材の種類、粒子径、形状、比
重および表面積などによって異なるので、被覆重量はこ
れらを考慮して適宜設定することができる。
ただし、本発明においては、TiO2/基材(重量比)を
約2以下に設定することが好ましく、さらに0.01〜1.5
の範囲内にすることが特に好ましい。
このようにして酸化チタンを被覆した後、通常は酸化
チタン被覆体を水溶液から濾別し、洗浄した後、乾燥す
ることにより、酸化チタン被覆体を得ることができる。
また、このようにして得られた酸化チタン被覆体を、必
要に応じて焼成して使用することもできる。特にマイカ
表面を上記のようにして酸化チタンで被覆して焼成する
ことにより、真珠光沢を有する酸化チタン被覆体を得る
ことができる。この場合、焼成温度は従来の真珠顔料の
場合と同じ範囲内に設定する。
上記のように焼成することなく、あるいは焼成して得
られた酸化チタン被覆体の表面の酸化チタンは、アナタ
ーゼ型結晶が比較的良く成長し、かつ非常に微細な結晶
として析出するために、無機基材を被覆する酸化チタン
は、非常に緻密な層を形成するものと考えられる。
次に本発明に係る方法で得られた酸化チタン被覆体を
化粧品用配合剤として用いる場合についてさらに詳しく
説明する。
酸化チタン被覆体を化粧品用配合剤として用いる場
合、配合される化粧品の種類によって適宜の粒子径のも
のが選ばれる。例えば、平均粒子径が80mμ以下、好ま
しくは10〜50mμの酸化チタン被覆体を配合した化粧品
は、透明性を損なわずに紫外線を効率よく遮蔽するた
め、日焼け止め作用を有する化粧品として使用すること
ができる。
また、平均粒子径が0.1〜30μmの酸化チタン被覆体
は、隠遮力が非常に良好であるため、例えばファンデー
ションの基剤として用いることができる。
さらに、薄片状の無機粉末に酸化チタンを被覆した長
さ0.1〜50μm、厚さ0.01〜3μmの被覆粉末を配合す
れば、肌への密着性が良く、延び、化粧落ちの少ない化
粧品が得られる。
このような酸化チタン被覆体からなる配合剤は、粉末
状、ケーキ状、スチック状、乳状および液状等の状態の
化粧品に配合して使用することができ、特に固形ファン
デーションおよび乳化ファンデーションなどに配合して
使用することが好ましい。
酸化チタン被覆体を化粧品に配合する場合は、化粧品
全重量に対して、TiO2として通常は、0.05重量%以上、
好ましくは0.1〜70重量%の範囲内で使用することがで
きる。
酸化チタン被覆体と共に化粧品に配合する他の成分に
ついては、化粧品の形態によって異なるが、例えばカオ
リン、炭酸カルシウム、セリサイト、タルク、亜鉛華お
よび金属石鹸などの粉末成分、酸化鉄などの顔料、脂肪
酸、脂肪酸エステル、高級アルコールおよび脂肪族炭化
水素などの油性剤、界面活性剤ならびに香料などを配合
し、プレス成形などの方法を利用して成形することによ
り固形ファンデーションを製造することができる。また
酸化チタン被覆体を上記の成分などと共に水に乳化、あ
るいは分散させることにより乳化ファンデーションを製
造することができる。さらに、酸化チタン被覆体、顔料
および香料などを、蜜蝋あるいはパラフィンワックスな
どの固形油状成分を練りこむことにより例えば口紅など
を製造することができる。
このようにして製造された化粧品は、特定の製法で得
られた酸化チタン被覆体を配合剤として含むために、使
用感に軽さがあり、例えば固形ファンデーションの場
合、ファンデーションの延びがよく、素肌に対するファ
ンデーションのつきもよく、また、化粧後は化粧崩れし
にくい。さらに、このようにファンデーションの「の
り」が良いにも拘らず、例えばクレンジングクリームな
どを用いることにより、このファンデーションを容易に
除去(クレンジング)することができる。
さらに、酸化チタン被覆体が配合された化粧品は、酸
化チタン被覆体中の酸化チタンによって紫外線が遮蔽さ
れるために、日焼け防止効果をも有する。
なお、本発明に係る方法で得られた酸化チタン被覆体
は、上記化粧品用配合剤として使用する他に、隠遮力お
よび紫外線遮蔽作用を利用して、例えばプラスチックの
添加剤として使用することができる。このようなプラス
チックを例えば自動車のダッシュボードメーターなどの
バックライト基板などとして使用することにより、計器
類が非常に見易くなる。
また、本発明に係る方法で得られる酸化チタン被覆体
を食品包装用プラスチックフィルムに配合することによ
り、フィルムの透明性を損なうことなく、紫外線を遮蔽
することができ、食品の鮮度の低下を有効に防止でき
る。
さらに、多孔質無機基材の表面を酸化チタンで被覆し
た酸化チタン被覆体は、これ自体で触媒として使用する
こともでき、さらに他の触媒成分を担持させることによ
り、非常に良好な酸化チタン系触媒となると共に、良好
な触媒担体ともなる。
発明の効果 本発明に係る酸化チタン被覆体の製造方法によれば、
無機基材表面に特定のチタン酸化溶液から酸化チタンを
析出させて該基材を被覆するため、酸化チタンと無機基
材との密着性がよく強度が強いと共に緻密な構造を有し
た酸化チタン被覆体が得られる。
さらにマイカのような薄片状基材表面を本発明の方法
により酸化チタンで被覆すれば、従来の真珠顔料に比較
して優れた真珠光沢を有する顔料を得ることができる。
また、本発明に係る方法により得られた酸化チタン被
覆体を化粧品用配合剤として用いると、非常に良好な使
用感を有していると共に、酸化チタンの紫外線遮蔽作用
によって、日焼け止め効果にも優れた化粧品を得ること
ができる。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 硫酸チタニルを純水に溶解し、TiO2に換算したチタン
含有率が2.0重量%の硫酸チタニル水溶液を得た。この
水溶液に15%アンモニア水を徐々に添加し、pH8.5の白
色スラリー液を得た。このスラリーを濾過した後、洗浄
し、固体分濃度が11重量%である含水酸化チタンゲルの
ケーキを得た。
この含水酸化チタンゲルのケーキ4.55kgに35%過酸化
水素水3.57kgと純水4.4kgとを加えた後、85℃で3時間
加熱して、TiO2に換算したチタン含有率が4.0重量%の
チタン酸水溶液12.5kgを得た。このチタン酸水溶液は、
黄褐色透明でpHは7.6であった。
次に厚さ0.1〜0.2μm、長径2〜10μmの形状を有す
るタルク粉末500gと上記チタン酸水溶液12.5kgを混合し
たのち、95℃で96時間加熱した。懸濁液は最初淡黄白色
であったが、96時間後には白色となった。これを濾過
し、固形分を洗浄した後、110℃で乾燥させた。なお濾
過して得られた濾液は無色透明であった。
このようにして得られた酸化チタン被覆タルクは非常
に隠蔽力のある白色の粉末であった。また、この粉末の
表面状態を走査型電子顕微鏡で観察したところ、凹凸の
少ない平滑な被覆層が形成されていることがわかった。
この酸化チタン被覆タルクのX線回折図を第1図に示
す。第1図から明らかなように、本発明に係る方法で得
られた酸化チタン被覆タルクの表面にある酸化チタン
は、アナターゼの結晶が良く成長した酸化チタンである
ことがわかる。
比較例1 TiO2に換算したチタン濃度が5重量%の硫酸チタニル
水溶液10kgを調製し、この水溶液と実施例1で用いたタ
ルク粉末と同じタルク粉末500gとを混合した。この懸濁
液を加熱沸騰させ、この状態を2.5時間続けた。2.5時間
後、冷却、濾過、洗浄した後、110℃で乾燥させて酸化
チタンで表面が被覆されたタルクを得た。
得られたタルクを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、タルクの表面に粒子状の酸化チタンが存在してお
り、タルク表面には酸化チタンの形状に沿った凹凸がみ
られた。
この酸化チタンで被覆されたタルクのX線回折図を第
2図に示す。第2図から明らかなように、このタルクの
表面にある酸化チタンは、実施例1で得られた酸化チタ
ン被覆タルクにおける酸化チタンと比較すると、アナタ
ーゼの結晶の成長が少ないことがわかる。
実施例2 実施例1において、タルク粉末の代わりに、平均粒径
20mμのアルミナ微粒子(デグサ社製Aluminum Oxide
C)を1.4kg用いた以外は、実施例1と同様に操作して、
酸化チタン被覆アルミナ微粒子を得た。
この酸化チタン被覆アルミナ微粒子10部を、流動パラ
フィン90部に、ホモミキサーで充分分散させて流動物を
得た。
この流動物を透明石英板に塗膜厚が5μmになるよう
に塗布した。
この透明石英板を分光光度計((株)日立製作所製33
0型)に装填し、280〜400nmの波長領域の紫外線の吸光
度および400〜700nmの波長領域の光線の透過率を測定し
た。
結果を第3図および第4図に示す。
第3図および第4図から明らかなように、この酸化チ
タン被覆アルミナ微粒子は、良好な紫外線遮蔽効果を示
すと共に、透明性に優れている。
実施例3 実施例1で得られたチタン酸水溶液を純水で希釈して
TiO2濃度が1重量%のチタン酸水溶液2.2kgを得た。
このチタン酸水溶液にマイカ(山田鉱業所(株)製Y
−1000M)40gを添加し懸濁させた。
この水溶液を130℃で、8時間加熱後、濾過、洗浄
し、110℃で乾燥して、酸化チタン被覆マイカを得た。
この酸化チタン被覆マイカを、400℃で3時間焼成し
て、真珠光沢を有する真珠顔料を得た。
実施例4 実施例1で得られた酸化チタン被覆タルクを配合剤と
して用いて、下記の組成の固型ファンデーションを製造
した。
(1)酸化チタン被覆タルク 15.0重量% (2)セリサイト 45.0重量部 (3)タルク 30.0重量% (4)酸化鉄顔料(赤) 1.4重量% (5)酸化鉄顔料(黒) 0.2重量% (6)酸化鉄顔料(黄) 2.9重量% (7)イソステアリルアルコール 2.0重量% (8)ラノリン 2.0重量% (9)ソルビタン脂肪酸エステル 0.5重量% (10)トリエタノールアミン 1.0重量% (11)香料 適 量 製造方法は次の通りである。
まず、ラノリン、ソルビタン脂肪酸エステル、トリエ
タノールアミンおよび香料を70℃に加熱、混合して液状
混合物を得た。
別に酸化チタン被覆タルク、セリサイト、タルクおよ
び酸化鉄顔料(赤、黒、黄色)を混合して粉末状混合物
を得た。
次いで得られた液状混合物と粉末状混合物とを充分に
混合し、この混合物をプレス成型して、固型ファンデー
ションを得た(試料A)。
比較例2 実施例4において、酸化チタン被覆タルクの代りに市
販の酸化チタン微粒子(デグサ社製P−25)を用いた以
外は、同様にして固型ファンデーションを得た(試料
B)。
実施例4で得られた試料Aと比較例2で得られた試料
Bとを用いてパネル試験を行なった。
結果を表1に示す。
表1より試料Aのファンデーションは、試料Bのファ
ンデーションと比較すると、化粧に軽さがあり、素肌に
対するつきがよく、さらに化粧崩れしにくいことがわか
る。さらに、クレンジングクリームを用いたファンデー
ションの除去性も優れている。また、日焼け防止に関し
てもある程度効果が認められた。
実施例5 実施例2で得られた酸化チタン被覆アルミナ微粒子を
配合剤として用いて、下記の組成を有する乳化ファンデ
ーションを下記の方法によって製造した。
(1)酸化チタン被覆アルミナ粒子 10.0重量% (2)酸化チタン顔料 5.0重量% (3)酸化鉄顔料 3.0重量% (4)ステアリン酸 0.4重量% (5)イソプロピルミリステート 4.0重量% (6)イソステアリン酸 0.3重量% (7)スクワラン 14.0重量% (8)セチルアルコール 0.3重量% (9)プロピレングリコール 5.0重量% (10)トリエタノールアミン 0.4重量% (11)防腐剤 適 量 (12)精製水 57.2重量% (13)香料 適 量 (4)〜(8)の成分を85℃に加熱して溶解した後、
この溶解液中に(1)〜(3)の成分を添加し、均一に
分散させた。
次いでこの分散液に、(9)〜(12)の成分を85℃に
加熱して溶解させた状態で徐々に添加し、乳化させた。
(9)〜(12)の成分を添加後、撹拌冷却して45℃に
温度調整し、これに(13)を加え、35℃まで撹拌冷却し
て乳化ファンデーションを得た。
得られたファンデーションを用いることにより、透明
感ある仕上りとなり、延びも良く、また紫外線遮蔽効
果、耐光性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた本発明に係る方法で得ら
れた酸化チタン被覆タルクのX線回折図の一例である。 第2図は、比較例1で得られた酸化チタンで表面が被覆
されたタルクのX線回折図の一例である。 第3図は、酸化チタン被覆アルミナ微粉末の280〜400nm
の波長領域の紫外線の吸光度の例を示すグラフである。 第4図は、酸化チタン被覆アルミナ微粉末の400〜700nm
の波長領域の光線の透過率の例を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含水酸化チタンのゲルおよび/またはゾル
    に過酸化水素を加えて得られたチタン酸水溶液を、無機
    基材の共存下に加熱することにより、該基材の表面に酸
    化チタンを析出させることを特徴とする酸化チタン被覆
    体の製造方法。
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