JP2845131B2 - 酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラス及びそれを配合した化粧料 - Google Patents

酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラス及びそれを配合した化粧料

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JP2845131B2 JP12502994A JP12502994A JP2845131B2 JP 2845131 B2 JP2845131 B2 JP 2845131B2 JP 12502994 A JP12502994 A JP 12502994A JP 12502994 A JP12502994 A JP 12502994A JP 2845131 B2 JP2845131 B2 JP 2845131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化鉄微粒子分散フレ
ーク状ガラス、特に高い紫外線遮蔽能を有し、かつ可視
光に対する透明性が高い紫外線遮蔽剤または着色剤に適
したフレーク状ガラス及び化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化鉄は、塗料、プラスチックフィル
ム、化粧料基材等に添加・配合され、紫外線遮蔽剤もし
くは着色剤として利用されている。一般に、この用途に
用いられる酸化鉄微粒子は、粉末状であり、媒体に均一
分散させることが難しく、また一度分散させても、経時
的に凝集し、だまになったり、むらになる問題点があっ
た。特に、化粧料として多量配合した場合は、上記問題
が顕著になり、さらに、すべりが悪くなって肌上での伸
展性(のび)が悪くなるといった問題点があった。
【0003】上記問題点を解決するため、有機金属化合
物を含みかつ微粒子を分散させた溶液を、基材上、好ま
しくは表面が平滑な基板上に塗布し、乾燥して基材から
剥離させた後、熱処理することを特徴とするフレーク状
ガラスの製造方法が開示されている(特開昭63−12
6818、特開平1−143821、特開平4−928
32)。この方法に従い製造された、酸化鉄微粒子分散
フレーク状ガラスは、経時的に凝集することもなく、の
びも良いものの、微粒子分散が充分に行われないと、可
視光透明性や紫外線遮蔽効率が低い、等の難点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術に鑑み、従来製造が難しかった、高い紫外線遮蔽能や
均一着色性を有し、かつ可視光に対する透明性が高い、
酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラス及びそれを配合した
高品質な化粧料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本課題を解決するため、
本発明者らは、加水分解および縮重合が可能な有機金属
化合物と水を含む溶液に、鉄分含有コロイドまたは鉄化
合物を添加し、これを基材上、好ましくは表面が平滑な
基板上に塗布し、乾燥して基材から剥離させた後、熱処
理すれば、簡単かつ効率的に、可視光透明性に優れた酸
化鉄微粒子分散フレーク状ガラスが製造できることを見
いだし、本発明に到った。
【0006】すなわち、第1の本発明は、水酸基を有す
るコロイド粒子から由来し、1〜300nmの粒子径を
有する酸化鉄微粒子を、0.1〜85重量% になるよう
に、凝集することなく実質的に単粒子の形で分散して含
有したフレーク状ガラスにおいて、波長700〜800nmの可
視光に対する透過率が全域にわたって80%以上であり、
かつ紫外線遮蔽能を有する、表面が平滑な酸化鉄微粒子
分散フレーク状ガラスであり、また第2の本発明は加水
分解および縮重合が可能な有機金属化合物と鉄化合物を
含む溶液を基材に塗布、乾燥、剥離、および燒結して得
られる、粒子直径が1〜20nmの酸化鉄微粒子を、
0.1〜85重量% になるように、凝集することなく実
質的に単粒子の形で分散して含有したフレーク状シリカ
ガラスであって、波長700〜800nmの可視光に対する透過
率が全域にわたって80%以上であり、かつ紫外線遮蔽能
を有する、表面が平滑な酸化鉄微粒子分散フレーク状シ
リカガラスである。
【0007】本発明の酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラ
ス中の酸化鉄微粒子径は、1nm以上、300nm以下であ
る。1nmより小さいと微粒子による光散乱効果が小さく
なり、紫外線遮蔽効果が低減する、着色の色調が良くな
い等の理由で好ましくない。また、300nmより大きい
と、可視光に対する透明性が損なわれ、やはり好ましく
ない。
【0008】上記酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラス中
の酸化鉄含有量は、0.1重量% 以上、85重量%以下が良
い。含有量が0.1重量% より少ないと、紫外線遮蔽効果
が充分でなく、また色も薄いので好ましくない。含有量
が85重量%より多いとガラス相が不連続になり、フレー
ク状ガラスが脆くなる傾向があり、また可視光透明性も
低くなるので好ましくない。より好ましい含有量が1〜
40重量%である。
【0009】上記フレーク状ガラスの透過率は、屈折率
1.3〜1.6の何れかの媒質中に分散した時、波長700〜800
nmの可視光に対する透過率が全域にわたって80%以上で
ある。ただし、ここで言う透過率はJISK0115の方法に従
い、媒質のみの透過率を 100%として、分光光度計によ
り測定した値である。
【0010】本発明における酸化鉄微粒子は、水酸基を
有するコロイド粒子から由来するものであるか、または
加熱によりガラス中で析出した酸化鉄微粒子である。
【0011】上記酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラスの
製造方法は、特に限定されないが、まず、 1)加水分解
および縮重合が可能な有機金属化合物と水を含む溶液
に、鉄分含有コロイドを添加し、これを基材上、好まし
くは表面が平滑な基板上に塗布し、乾燥して基材から剥
離させた後、熱処理して製造する方法であり、ここで生
じる酸化鉄微粒子は、水酸基を有するコロイド粒子から
由来している。次の方法は、2)加水分解および縮重合
が可能な有機金属化合物と水を含む溶液に、 鉄のアル
コキシド、アセチルアセトン塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化
物等の鉄化合物を添加し、これを基材上、好ましくは表
面が平滑な基板上に塗布し、乾燥して基材から剥離させ
た後、熱処理により酸化鉄微粒子をガラスマトリックス
中に析出させる方法である。これらの方法が特に優れた
特性を有する酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラスを得る
ことができるので好ましい。
【0012】上記方法のうち、鉄分含有コロイドを添加
する上記1)の方法では、上記コロイドが上記有機金属
化合物と水を含む溶液中に、均一に分散するので、最終
的に得られるフレーク状ガラス中の酸化鉄微粒子分散性
が非常に高く、優れた特性を有するものが、簡単に製造
できる。上記鉄分含有コロイドとしては、鉄を含有して
いれば特に限定されないが、酸化鉄コロイド、含水酸化
鉄コロイド、水酸化鉄コロイド等が、上記溶液中での分
散性が高く特に好ましく、1〜300nmの粒子径、特
に30〜300nmの粒子径を有する酸化鉄微粒子がガ
ラス中に分散される。
【0013】また、上記方法のうち、鉄化合物を添加す
る上記2)の方法では、熱処理によってガラスマトリッ
クス中に、酸化鉄微粒子が析出するので、小さい粒径の
酸化鉄分散ガラス、特に粒子直径が1〜20nmの酸化
鉄微粒子の均一分散が得られ、透明性が特に優れてい
る。
【0014】本発明に用いる加水分解および縮重合が可
能な有機金属化合物は、加水分解、脱水縮合を行うもの
であれば基本的にはどんな化合物でも良いが、アルコキ
シル基を有する金属アルコキシドが好ましい。具体的に
は、Si、Ti、Al、Zr等のメトキシド、エトキシド、プロ
ポキシド、ブトキシド等が、単体あるいは混合体として
用いられる。
【0015】上記有機金属化合物を含む溶液の溶媒は、
実質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何で
も良いが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類が最も好ましい。
【0016】上記有機金属化合物の加水分解には水が必
要である。これは、酸性、中性、塩基性の何れでも良い
が、加水分解を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸等
で酸性にした水を用いるのが好ましい。酸の添加量は特
に限定されないが、有機金属化合物に対してモル比で0.
001〜2が良い。添加酸量が、モル比で0.001 より少ない
と、有機金属化合物の加水分解の促進が充分でなく、
またモル比で2より多くても、もはや加水分解促進の効
果が向上せず、酸が過剰となり好ましくない。
【0017】また、この添加する水は、上記鉄含有コロ
イドの分散安定化のためにも必要である。水の添加量
は、溶液の10重量%以上、80重量%以下が良い。ただし
ここで言う水分量は、上記コロイド中に含まれているも
のと、新たに添加する水の総計である。水添加量が、溶
液の10重量%より少ないと、上記コロイドが安定に存在
できなくなる傾向が強く、好ましくない。また、水添加
量が、溶液の80重量%より多いと、溶液中の固形分換算
濃度が低くなりすぎて、フレークの収率が低くなり、好
ましくない。
【0018】その他、上記溶液の特性を変化させるため
に、有機増粘剤等を添加しても良い。しかし、この添加
量が多いと、最終段階の加熱で炭化することがあるの
で、添加量は10重量%以下にとどめるべきである。
【0019】本発明で使用する基板は金属、ガラスある
いはプラスチック等の材質で、表面が平滑なものを用い
る。このような基板に、上記の有機金属化合物を含む液
体を塗布し、0.06〜50ミクロンの薄い膜とする。この膜
が乾燥すると収縮するが、基板は収縮しないので、膜に
亀裂が発生し、フレーク状となる。基板と膜との剥離が
起きるためには、基板と膜との間に強い結合等の相互作
用が少ない状態が好ましい。
【0020】上記基板表面に膜を形成する技術は、公知
の技術を用いればよく、例えば、上記の有機金属化合物
を含む液体に基板を浸漬した後、引き上げる方法や、基
板上に上記液体を滴下し、基板を高速で回転させる方
法、基板上に上記液体を吹き付ける方法等が用いられ
る。
【0021】本発明で製造されるフレーク状ガラスの厚
みは、溶液あるいは製膜条件等によって変化するが、概
ね5ミクロンから0.05ミクロンの間である。5ミクロンよ
り厚いと、製膜後の自由表面と基板付近との乾燥速度の
差が大きくなりすぎ、基板に平行な方向での膜間剥離が
発生するようになる。逆に0.05ミクロンより薄いと、基
板と膜との付着力が大きくなりすぎ、膜が基板から剥離
しなくなる。
【0022】熱処理に関しては、その方法に特に制限は
ない。焼結温度および時間は、マトリックスのゲルから
ガラスへの転移を確実にするような条件及び酸化鉄微粒
子が安定に存在したり、析出したりする条件以上に加熱
することが好ましく、通常は300〜1200℃で10分間〜5時
間加熱する。使用する目的によっては、乾燥後の熱処理
を行わなくてもよい場合がある。
【0023】本発明の酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラ
スを配合したことを特徴とする化粧料は、酸化鉄微粒子
分散フレーク状ガラスの可視光透明性が高く、経時的な
変化もないので、色むらがなく発色性の良い安定な製品
となる。また、酸化鉄微粒子が均一に分散していること
により、紫外線遮蔽効率が良く、少量で高い紫外線遮蔽
が可能である。さらに、酸化鉄微粒子分散フレーク状ガ
ラスが、互いに凝集することもなく、その表面が平滑で
あり、良好なすべり性を示すことから、伸展性(のび)
が良く、使用触感に優れた製品となる。
【0024】本発明で言う化粧料には、上記酸化鉄微粒
子分散フレーク状ガラスの他、必要に応じ、通常用いら
れている顔料等を併用しても、何等差し支えない。例え
ば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色酸
化鉄、黒色酸化鉄、弁柄、群青、紺青、酸化クロム、水
酸化クロム等の無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビス
マス等の真珠光沢顔料、タール色素、天然色素、シリカ
ビーズ、ナイロン、アクリル等のプラスチックビーズ等
の粉体、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、その
他の雲母類、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪酸
アルミニウム、珪酸マグネシウム、クレー類等が例示さ
れる。
【0025】上記酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラスの
配合量としては、その目的とする化粧料の種類により異
なるが、顔料等の固体成分に対して1〜80重量% の範囲
で用いられ、特に2〜50重量% の範囲が好ましい。これ
以下の含有量では、紫外線遮蔽効果が顕著に発揮されな
い、発色が良くない等の問題点があり、逆に上限より多
くのフレーク状ガラスを添加しても、紫外線遮蔽効果は
上がらず、他の顔料成分が減少し、色調を整えたり、皮
膚への付着性を上げることが困難になる。
【0026】また、本発明で用いる酸化鉄微粒子分散フ
レーク状ガラスの化粧料中での分散性を向上させたり、
感触を良くするために、このフレーク状ガラスの表面処
理を施して、改質することは何等差し支えない。例え
ば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、反応性アル
キルポリシロキサン、金属石鹸の他、水素添加レシチ
ン、アシルアミノ酸、アシル化コラーゲンのアルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、チタン、亜鉛、ジルコ
ニウム、鉄より選ばれた金属塩等の、いわゆる疎水化剤
で表面処理を行うと、フレーク状ガラスの表面は親水性
から疎水性に変わるため、化粧料の調合時に添加する油
剤との馴染みが良くなり、感触の良い化粧料となる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示す。 実施例-1 0.35mol/lの硝酸鉄水溶液5000mlを加熱して沸騰させ、2
規定の水酸化カリウム水溶液を滴下して、 pHを7にし
た。室温に戻した後、生じた赤色沈澱物を分離、水洗
し、150℃のオートクレーブ中で10時間養生した。これ
を、pHが9の水と、イオン交換水によって洗浄し、pHが2
の硝酸を含む水で希釈して、約20重量% のヘマタイト
(α-Fe2O3)コロイドを得た。動的光散乱法で、コロイ
ドの粒子径を測定したところ、平均粒子径は約110nmで
あった。
【0028】このヘマタイトコロイド2000ml、シリコン
テトラメトキシド2200ml、エタノール1000ml、2-プロパ
ノール1000mlを混合し、40℃で約60時間養生して塗布液
とした。この液に、表面を研磨して平滑にした厚さ0.5
ミリのステンレス板を浸漬して、30cm/minの速度で引き
上げその表面に液を塗布した。これを150℃ で乾燥し
て、塗布されたゲル膜を剥離し、950℃で1時間焼結し
た。焼結後、 X線回折法で調べたところ、シャープなヘ
マタイトのピークが検出されたのみであり、マトリック
スはガラス状態であった。燒結後のフレークの化学分析
の結果、ヘマタイトの含有量は、約30重量%であった。
透過型電子顕微鏡でフレークを観察したところ、約80〜
140nm大のヘマタイト微粒子が、 シリカガラスマトリッ
クス中に単分散しているのが観察された。また走査型電
子顕微鏡でフレークを観察したところ、表面は非常に平
滑であり、厚みは約0.6ミクロンであった。
【0029】この焼結フレークをジェットミルで粉砕、
分級して、平均粒径約10ミクロンとし、ビニル系樹脂
(硬化後の屈折率が約1.5)中に約5重量%分散して、約
0.15mm厚みのフィルムとして、分光光度計で透過率を測
定したところ、波長700〜800nmの可視光透過率が、全域
にわたって85%以上であり、かつ波長350nm 以下の紫外
線透過率が5%以下であり、可視光に対する透明性が高
く、 紫外線を有効に遮蔽する赤褐色フレーク状ガラス
であることが確認された。
【0030】比較例-1 市販の微粒子酸化鉄(商品名:ナノタイト、昭和電工
(株)製、一次粒子径40〜60nm、ヘマタイト)を、市販の
ペイントシェーカーを用いて、20重量%となるように0.
2規定硝酸水溶液に分散させた。 このこの懸濁液2000m
l 、シリコンテトラメトキシド2200ml、エタノール1000
ml、2-プロパノール1000mlを混合し、40℃で約60時間養
生して塗布液とした。この塗布液中の酸化鉄濃度は、実
施例-1の塗布液中の酸化鉄濃度と、ほぼ同じである。
【0031】この塗布液を用いて、実施例-1と同様な方
法で焼結フレークを得た。化学分析の結果、酸化鉄の含
有量は、約24重量%であった。これは、塗布液中で酸化
鉄微粒子が沈降したためであると見なされる。透過型電
子顕微鏡でフレークを観察したところ、シリカガラスマ
トリックス中に単分散している微粒子は少なく、数ミク
ロン程度の凝集体を形成しているのが観察された。また
走査型電子顕微鏡でフレークを観察したところ、酸化鉄
凝集体がフレーク表面から外側に突出しており、その結
果、フレーク表面には酸化鉄凝集体による凹凸が認めら
れ、平滑性は悪かった。厚みは約0.6ミクロンであっ
た。
【0032】焼結フレークをジェットミルで粉砕、分級
して、平均粒径約10ミクロンとし、ビニル系樹脂(硬化
後の屈折率が約1.5)中に約10重量%分散して、約0.15m
m 厚みのフィルムとして、分光光度計で透過率を測定し
たところ、波長700〜800nmの可視光透過率が、50〜60%
であり、波長350nm以下の紫外線透過率が2%以下であっ
た。すなわち、紫外線遮蔽性能は高いものの、可視光に
対する透明性が高くないフレーク状ガラスであることが
確認された。
【0033】実施例-2及び比較例-2 以下の配合でパウダーファンデーションを作製した。 成分-1 配合量(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例-1で作製した本発明のフレーク状ガラス 1.7 タルク 78.5 マイカ 9.1 酸化チタン 3.8 微粒子酸化チタン 1.9 ステアリン酸マグネシウム 2.9 黄色酸化鉄 0.8 黒色酸化鉄 0.1 シルクパウダー 0.5
【0034】 成分-2 配合量(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スクワラン 0.5 セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
【0035】 成分-3 配合量(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 香料 0.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 成分-1をヘンシェルミキサーを用いて、5分間攪拌し
た。これに、70℃ にて均一に溶融した成分-2を滴下し
ながら、攪拌混合を行った。さらに、成分-3を添加後、
1分間攪拌混合し、アトマイザーにより粉砕して製品-1
(実施例-2) を得た。
【0036】 成分-4 配合量(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 弁柄 0.5 タルク 79.5 マイカ 9.3 酸化チタン 3.8 微粒子酸化チタン 1.9 ステアリン酸マグネシウム 2.9 黄色酸化鉄 0.8 黒色酸化鉄 0.1 シルクパウダー 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0037】成分-4をヘンシェルミキサーを用いて、5
分間攪拌した。これに、70℃ にて均一に溶融した成分-
2を滴下しながら、攪拌混合を行った。さらに、成分-3
を添加後、1分間攪拌混合し、アトマイザーにより粉砕
して製品-2(比較例-2) を得た。
【0038】これらを(女性)パネラー20名に10日間使
用させ、最低点1、 最高点を5点とする5段階法にて、
評価した官能テストの結果を表-1に示す。
【0039】
【表1】 表-1 =================================== 項目 本発明の粉体(製品-1) 比較の粉体(製品-2) (実施例-2) (比較例-2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− のび 4.8 1.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− つき 4.6 3.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 透明感 4.7 3.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 光沢感 4.5 2.3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 色感 4.4 3.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 性能持続性 4.8 3.8 ===================================
【0040】このように、本発明の化粧料は、のびやつ
き(付着性)が良く、透明感、光沢感が良好で、発色に
優れ、色あせしにくいことが、確認された。
【0041】実施例-3 シリコンテトラメトキシド2200ml、エタノール1000ml、
2-プロパノール1000ml、0.05規定塩酸4400ml、鉄のアセ
チルアセトン塩22gを混合し、35℃で 約70時間養生して
塗布液とした。この塗布液を用いて、実施例-1と同様な
方法で、フレーク状ゲルを得た。このゲルを1100℃で3
時間熱処理した。このフレークを、X線回折法で調べた
ところ、ヘマタイトのピークが検出されたのみであり、
マトリックスはガラス状態であった。化学分析の結果、
ヘマタイトの含有量は、約2.5重量%であった。 透過型
電子顕微鏡でフレークを観察したところ、1〜8nm大のヘ
マタイト微粒子が、シリカガラスマトリックス中に単分
散しているのが観察された。また走査型電子顕微鏡でフ
レークを観察したところ、表面は非常に平滑であり、厚
みは約0.6 ミクロンであった。
【0042】焼結フレークをジェットミルで粉砕、分級
して、平均粒径約10ミクロンとし、ビニル系樹脂(硬化
後の屈折率が約1.5)中に約10重量%分散して、約0.15m
m 厚みのフィルムとして、分光光度計で透過率を測定し
たところ、波長700〜800nmの可視光透過率が、全域にわ
たって90%以上であり、かつ波長350nm 以下の紫外線透
過率が5%以下であり、可視光に対する透明性が高く、
紫外線を有効に遮蔽する赤褐色フレーク状ガラスである
ことが確認された。
【0043】実施例-4 シリコンテトラメトキシド2200ml、エタノール1000ml、
2-プロパノール 1000ml、0.05規定硝酸4400ml、鉄のア
セチルアセトン塩3gを混合し、35℃で 約70時間養生し
て塗布液とした。この塗布液を用いて、実施例-1と同様
な方法で、フレーク状ゲルを得た。このゲルを1200℃で
5時間熱処理した。得られたフレークを、X線回折法で調
べたところ、ヘマタイトのピークが検出されたのみであ
り、マトリックスはガラス状態であった。化学分析の結
果、ヘマタイトの含有量は、約0.3重量% であった。透
過型電子顕微鏡でフレークを観察したところ、1〜8nm大
のヘマタイト微粒子が、シリカガラスマトリックス中に
単分散しているのが観察された。また走査型電子顕微鏡
でフレークを観察したところ、表面は非常に平滑であ
り、厚みは約0.6 ミクロンであった。
【0044】焼結フレークをジェットミルで粉砕、分級
して、平均粒径約10ミクロンとし、ビニル系樹脂(硬化
後の屈折率が約1.5)中に約20重量%分散して、約0.3mm
厚みのフィルムとして、分光光度計で透過率を測定した
ところ、波長700〜800nmの可視光透過率が、全域にわた
って90%以上であり、かつ波長350nm 以下の紫外線透過
率が5%以下であり、可視光に対する透明性が高く、 紫
外線を有効に遮蔽する赤褐色フレーク状ガラスであるこ
とが確認された。
【0045】比較例-3 市販の微粒子酸化鉄(商品名:ナノタイト、昭和電工
(株)製、一次粒子径40〜60nm、ヘマタイト)を、市販の
ペイントシェーカーを用いて、ビニル系樹脂(硬化後の
屈折率が約1.5)中に約0.25重量%分散して、約0.15mm
厚みのフィルムとして、分光光度計で透過率を測定した
ところ、波長700〜800nmの可視光透過率が、60〜70%で
あり、波長350nm以下の紫外線透過率が約20〜25% であ
った。ビニル系樹脂中に約2.5重量%分散した同厚みの
フィルムでは、波長700〜800nm の可視光透過率が、45
〜55%であり、かつ波長350nm以下の紫外線透過率が5%
以下であった。
【0046】すなわち、微粒子酸化鉄は、均一に分散す
るのが困難であり、少量添加では、紫外線遮蔽が充分で
ない。多量に添加した場合には、紫外線遮蔽能が向上す
るが、粒子凝集による隠蔽性が現れ、可視光透明性が低
くなる。
【0047】
【発明の効果】以上の本発明の詳細な説明及び実施例、
比較例で明らかなように、本発明によれば、高い紫外線
遮蔽能を有し、かつ可視光に対する透明性が高い、紫外
線遮蔽剤が得られる。
【0048】また、本発明の酸化鉄微粒子分散フレーク
状ガラスを配合したことを特徴とする化粧料は、酸化鉄
微粒子分散フレーク状ガラスの可視光透明性が高く、経
時的な変化もないので、色むらがなく発色性の良い安定
な製品となる。また、酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラ
スが、互いに凝集することもなく、良好なすべり性を示
すことから、伸展性(のび)が良く、使用触感に優れた
製品となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−116520(JP,A) 特開 平7−315859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03B 37/005

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有するコロイド粒子から由来
    し、1〜300nmの粒子径を有する酸化鉄微粒子を、
    0.1〜85重量% になるように、凝集することなく実
    質的に単粒子の形で分散して含有したフレーク状ガラス
    において、波長700〜800nmの可視光に対する透過率が全
    域にわたって80%以上であり、かつ紫外線遮蔽能を有す
    る、表面が平滑な酸化鉄微粒子分散フレーク状ガラス。
  2. 【請求項2】 加水分解および縮重合が可能な有機金属
    化合物と鉄化合物を含む溶液を基材に塗布、乾燥、剥
    離、および燒結して得られる、粒子直径が1〜20nm
    の酸化鉄微粒子を、0.1〜85重量% になるように、
    凝集することなく実質的に単粒子の形で分散して含有し
    たフレーク状シリカガラスであって、波長700〜800nmの
    可視光に対する透過率が全域にわたって80%以上であ
    り、かつ紫外線遮蔽能を有する、表面が平滑な酸化鉄微
    粒子分散フレーク状シリカガラス。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2のいずれかに記載の酸化鉄
    微粒子分散フレーク状ガラスを配合したことを特徴とす
    る化粧料。
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