JP3132364B2 - フレーク状ガラス、その製造方法、及びそれを配合した化粧料 - Google Patents
フレーク状ガラス、その製造方法、及びそれを配合した化粧料Info
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Description
かで、可視光に対する透明性が高く、厚みが非常に薄い
フレーク状ガラス、有機金属化合物を含む溶液を出発原
料とし前記フレーク状ガラスを製造する方法、およびそ
れを用いた化粧料に関する。
フレーク状ガラスや雲母は、プラスチック充填材、耐蝕
ライニングあるいは塗料に使用されている。また、一部
の天然雲母や合成雲母は、化粧品の原料としても用いら
れている。耐食性、延展性、装飾性、無毒性等の観点か
ら、厚みが薄く、表面が非常に平滑であり、透明性が高
く、アルカリなどを含まないフレーク状物質が望まれて
いる。
ダ石灰珪酸塩ガラス系が主で、約4μmの厚さのもので
あり、溶融したガラスを風船の如く膨らませ、急冷、粉
砕して製造されている。この溶融法で製造されたガラス
フレークは、溶融ガラスの自由表面を冷却固化している
ため非常に滑らかな表面を持っているが、薄いフレーク
を製造しようとした場合、前記溶融ガラスの風船の安定
性が悪く、1μm以下の厚みのフレークを製造するのは
困難である。
みが1μm以下の薄いものも存在する。しかしながら、
雲母は劈開性を有し、完全に劈開し剥離すればよいが、
一部分のみが剥離して表面が段々の状態になる場合が多
く、平滑性という意味では十分でない。また、雲母は、
ナトリウムやカリウムなどのアルカリを含み、それが溶
出することにより、製品や、化粧料の場合肌にも悪影響
を及ぼすことがある。さらに可視光透過率は80%未満
のものもあり、透明性が十分であるとはいえない。
ク充填剤としてのフレーク状シリカの記載があるが、こ
れは溶融シリカをスリット板を通して薄板とし、その後
ダイヤモンド刃で格子状に傷をつけ、それをローラーで
押圧することによりフレーク状のシリカとするものであ
る。シリカガラスのフレークであるので可視光透過率は
良いと考えられるが、この方法では、シリカを溶融する
のに非常に高い温度が必要である、非常に薄いフレーク
を作るのは困難である、ダイヤモンド刃で傷をつけて割
るため切り粉でシリカガラス表面に傷が付き表面平滑性
が失われる等の問題点が考えられる。
溶液を出発原料とし、これを基材に塗布し、乾燥して固
化収縮させて基材から剥離させた後、焼結するフレーク
状ガラスの製造方法を提案している(例えば特開平4−
42828)。これにより非常に薄い1μm以下のフレ
ーク状ガラスを製造することができるようになった。
れるため、必ずしも表面粗さが非常に良好とは言い難い
面があった。また、基材からフレーク状に剥離させる場
合、剥離しないで基材に部分的に固着した状態で残り、
その上にさらに塗布液が塗布されるため、表面が粗いフ
レークが発生することもあった。また、表面が貴金属の
基板(特開平4−37622)または予め熱処理した金
属基板(特開平5−319847)を使用することによ
り、基板からの剥離性が良好になることを述べている。
この場合においても、連続的に塗布乾燥剥離を行う工程
では、柔らかいロールブラシで掃き取るぐらいでは取れ
ないことがたびたび発生し、そのままでは塗布液が何重
にも重ね塗りされるのでフレークの表面は粗くなるし、
その付着フレークを例えばスクレイバーで強制的に掻き
取るとその剥ぎ取られたフレークの面は非常に粗くなる
という問題点があった。
び、上記製法で得られたフレーク状物質は、厚みが厚
い、その表面粗さが非常に滑らかとは言い難い等の形態
であり、例えば、化粧料に使用した場合、わずかではあ
るがざらつきや延びが悪い等の感触難がある。また、可
視光透過率が低い雲母等の場合、肌に塗ったときにくす
みを生じるという問題点がある。
術に鑑み、従来製造が困難であった、表面が非常に滑ら
かで、可視光に対する透明性が高く、厚みが非常に薄い
フレーク状ガラス、及び、該フレーク状ガラスを製造す
る方法を提供することにある。
0.1から1.0μm、アスペクト比が5から150の
大きさで、かつ、表面粗さRaが50nm以下で、55
0nmの波長の光の透過率が80%以上であることを特
徴とするフレーク状ガラスである。
を有する、表面が平滑で可視光透過率の高いフレーク状
ガラスの製造方法は、有機金属化合物から由来し、かつ
3000〜1000000の分子量を有する高分子を含
有するゾル溶液を、50nm以下の表面粗さRaを有し
かつ高温度で酸素を含む雰囲気中で加熱処理された少な
くともその最表面が金属の基板に塗布してゾル膜を形成
し、その後そのゾル膜を乾燥させ収縮させて基板から剥
離させることにより、フレーク状ゲルを得、そのフレー
ク状ゲルを高温で加熱することを特徴とする。
下の方法で行った。厚みは、干渉縞法でカールツァイス
社製インターファコを用いて測定し、n=50の平均値
を採った。粒度測定は、レーザー回折法で島津製作所製
SALD−2000を用いた。粒度と厚みの比をとりア
スペクト比とした。表面粗さRaは、触針式表面粗さ計
テンコール社製アルファステップ200を用い、スキャ
ン長は80μmとして測定した。光透過率は、ビニル樹
脂中にフレーク状ガラスを30重量%混合し、200μ
m厚みのフィルム状としてから硬化させ、分光光度計
(日立製作所製U−3210)で測定した。また、ゾル
中の高分子の分子量測定には、トーソー製高速液体クロ
マトグラフHLC8120GPC(ゲル浸透クロマトグ
ラフィー法)を用い、ポリスチレン換算の分子量で表示
した。
が0.1から1.0μm、アスペクト比が5から150
で、かつ、表面粗さが50nm以下であれば、ざらつき
を感じることなく、また、延びや肌への付着感が非常に
良好である。厚みが1.0μmより厚く、またはアスペ
クト比が150より大きければ、化粧料として使用した
場合、ざらつきを感じたり、延びや付着感が悪くなる。
フレーク状ガラスの厚みは薄い方がざらつきや伸び、付
着感などの感触は良くなるが、製造からの制限で0.1
μmが下限である。アスペクト比は5未満ではフレーク
粉体のかたまり、いわゆる”だま”になり、伸び、感触
が悪くなる。表面粗さRaが50nmより大きいと、ざ
らつき感が感じられるようになる。表面粗さRaをあま
り小さくしてもざらつき感が感じられない程度は変わら
ないので、表面粗さRaの下限は2nmである。
(550nm)が80%以上であると、化粧料に透明感
があり自然な仕上がりになる、くすみがない等の利点を
有する。可視光透過率が80%未満の場合、化粧料にく
すみがでる等の欠点がでる。またこの可視光透過率があ
まり高すぎても化粧料としての透明感は変わらないの
で、可視光透過率の上限は98.0%である。
りである。加水分解および重縮合が可能である有機金属
化合物と水、溶媒を含む溶液を十分に養生を行い、重縮
合で生成した高分子の分子量が3000以上100万以
下の塗布液を作製する。その塗布液を表面粗さRaが5
0nm以下の基板に塗布する。塗布膜は後述の乾燥、焼
結で収縮した際、0.1から1.0μmの厚みになるよ
うに、厚みを制御して塗布する。その後加熱等により塗
布膜を乾燥させる。乾燥中に塗布膜は収縮し、フレーク
状ゲルとなって剥離する。塗布される基板は、金属基板
で、後述のように熱処理しておく。剥離されたフレーク
状ゲルは、300℃から1200℃で30秒〜5時間加
熱して焼結することにより、フレーク状ガラスとなる。
得られたフレーク状ガラスは、粉砕・分級を行い、5〜
150の範囲内の所定のアスペクト比のフレークとす
る。
ルミナ、ジルコニア、またはチタニアからなる非晶質部
分を60重量%以上含有することが好ましい。更に本発
明のフレーク状ガラスは、少なくとも60重量%の非晶
質シリカと、チタニア、ジルコニア、アルミナから選ば
れる少なくとも1種の合計0〜40重量%からなること
が好ましい。
解、脱水縮合を行うものであれば基本的にはどんな化合
物でも良いが、アルコキシル基を有する金属アルコキシ
ドが好ましい。具体的には、Si、Al、Zr、Ti等
のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド
等のアルコキシドが、単体あるいは混合体として用いら
れる。これらの成分は最終的に酸化物の非晶質状(ガラ
ス)となり、可視光を非常に良く透過する。この加水分
解、脱水縮合を行う有機金属化合物からガラスを合成す
ることにより、アルカリ等を含まず、また不純物も少な
い、ピュアなガラスを製造することができる。このガラ
ス化する成分以外に、フレークに機能を持たせるために
種々の物質、例えば紫外線吸収効果を持たせるためにア
ナターゼ結晶やルチル結晶をもつチタニア微粒子を添加
しても良い。しかし、例えば前記チタニア微粒子等が内
包されたガラスは、散乱のため可視光透過率が低くなる
ので、高い透過率を維持するためにその添加量は40%
以下、すなわち、非晶質のガラス部分が60%以上とな
るようにすべきである。上記のようにチタニア微粒子を
含有する非晶質シリカからなるフレーク状ガラスは、S
iのアルコキシドとチタニア微粒子とを原料として製造
することができ、非晶質のシリカ−チタニアからなるフ
レーク状ガラスはSiのアルコキシドとTiのアルコキ
シドとを原料として製造することができる。
実質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何で
も良いが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール等のアルコール類が最も好ましく、上記有機金
属化合物を1〜30重量%の濃度で含有させる。
要である。これは、酸性、中性、塩基性の何れでも良い
が、加水分解を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸等
で酸性にした水を用いるのが好ましい。酸の添加量は特
に限定されないが、有機金属化合物に対してモル比で
0.001から2が良い。添加酸量が、モル比で0.0
01より少ないと、有機金属化合物の加水分解の促進が
充分でなく、またモル比で2より多くても、もはや加水
分解促進の効果が向上せず、酸が過剰となり好ましくな
い。
ル比で5から30が良い。水添加量が、モル比で5より
少ないと、加水分解が十分に進まず好ましくない。ま
た、水添加量が、モル比で30より多いと、溶液中の固
形分換算濃度が低くなりすぎて、フレークの収率が低く
なり、好ましくない。
に、有機増粘剤等を添加しても良い。しかし、この添加
量が多いと、最終段階の加熱で炭化することがあるの
で、添加量は10重量%以下にとどめるべきである。
で生成する高分子の分子量を3000から100000
0にする。この分子量が基板から塗布膜の剥離性に大き
な影響を及ぼす。加水分解・縮重合が十分に進んだ高分
子は、反応基が少なくなっており、基板との反応性が少
なく、付着を起こさずに良く剥離する。その高分子化の
ための養生条件は、調合組成によって最適な温度、時間
が存在するが、通常は、室温から80℃の温度で、5分
から48時間の範囲が適当である。また、養生の際に
は、攪拌せず静置状態でも十分だが、加水分解反応、重
縮合反応を均一に進ませるために攪拌しても良い。養生
が十分でないと生成する高分子の分子量が小さく300
0以上とはならず、剥離性が悪い。養生を過度に行うと
高分子の分子量が大きくなりすぎ1000000以上と
なり、ゲル化して塗布液として使用できなくなくなった
り、ゲル化しないまでも高粘度となり、塗布困難や、縮
重合に粘度上昇が起こりポットライフが極めて短くなっ
たりし、適当でない。好ましくは、5000から100
000の範囲である。
表面が金属材質で、その表面粗さRaが50nm以下の
非常に平滑なものを用いる。もともとの金属基板が50
nm以下の表面粗さRaを有するものであればそのまま
使用できるが、通常は、研磨材、砥石研削、バフ研磨、
研磨ディスク等により、表面をRaが50nm以下の平
滑に仕上げる。またRaを小さくすれば製造されるフレ
ーク状ガラスの表面粗さも小さくなるが、Raをあまり
小さくしても化粧品としてのフレーク状ガラスのざらつ
き感が感じられない程度は変わらず経済的ではないの
で、金属基板の表面粗さRaの下限は2nmである。金
属基板は、予め200から600℃の温度で酸素を含む
気体中において熱処理を施しておく。この熱処理が、ゲ
ル膜の剥離性に大きな影響を及ぼすが、それはこの熱処
理により、基板最表面の酸素原子数が増大し、表面に露
出している金属数が減少して、ゲル膜と金属の相互作用
が弱くなり、剥離が効率的に起こるものと考えられる。
この熱処理温度は、金属の種類により最適範囲が存在す
るが、一般に、200℃未満では十分な剥離性の向上が
認められない。また、600℃より高いと基材表面に形
成される金属化合物がゲル膜に付着し、フレークの純度
が低下するので好ましくない。熱処理時間は、処理温度
にもよるが、2分から5時間でよい。この時間が短いと
ゲルの剥離に効果は見られない。熱処理時間が長ければ
それだけ剥離性が向上するが、数時間以上処理した後は
大きな剥離性向上は見られなくなるので、経済的ではな
い。
由来の塗布溶液を塗布し、薄い塗布膜とする。この塗布
膜が乾燥するとその固形分濃度、収縮の方向に応じて薄
く収縮し、さらに後述の焼結によって若干収縮するが、
乾燥・焼結後の後のフレーク状ガラスの厚みが0.1〜
1.0μmになるように、塗布膜の厚みを調整して塗布
する。この塗布膜は50〜400℃で1秒〜10分間乾
燥される間に水、有機溶剤の蒸発、及び、縮重合の進展
により収縮してゲル膜となるが、基板は収縮しないの
で、膜に亀裂が発生し、塗布膜と基板の反応性、相互作
用が小さいため、フレーク状のゲルとなって、簡単に剥
離する。この時、基板を傷つけないような柔らかいブラ
シ、布、ロールブラシ等で、補助的にフレークを掃き払
っても良い。塗布時に、塗布膜の基板側と反対側の表面
は自由表面のため平滑な面となるが、基板側の表面は基
板の表面状態がほぼそのまま塗布膜に転写される。ここ
において、基板の表面粗さRaが50nm以下と小さい
ため、フレークの表面粗さRaも50nm以下の非常に
表面の平滑なものとなる。
公知の技術を用いればよく、例えば、ディッピング法、
ロールコーター法、スプレー法、カーテンコーター法等
が用いられる。
い。焼結温度および時間は、ゲルからガラスへの転移を
確実にするような条件以上で、剥離後のフレーク状ゲル
を加熱することが好ましく、通常は300から1200
℃で30秒〜5時間加熱する。使用する目的によって
は、乾燥後の焼結を行わなくてもよい場合がある。
ーク状ガラスを用いた化粧料には、必要に応じ通常用い
られている顔料等を併用しても、何等差し支えない。例
えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色
酸化鉄、黒色酸化鉄、弁柄、群青、紺青、酸化クロム、
水酸化クロム等の無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビ
スマス等の真珠光沢顔料、タール色素、天然色素、シリ
カビーズ、ナイロン、アクリル等のプラスチックビーズ
等の粉体、タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、そ
の他の雲母類、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪
酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、クレー類等が例示
される。
ーク状ガラスの配合量としては、その目的とする化粧料
の種類により異なるが、顔料等の固体成分に対して1か
ら80重量% の範囲で用いられ、特に2から50重量
% の範囲が好ましい。これ以下の含有量では、その滑
らかな感触や透明感を出すことはできないし、これ以上
の配合量では、フレーク同士が重なり合い感触が悪くな
る。
化粧料中での分散性を向上させたり、感触を良くするた
めに、このフレーク状ガラスの表面処理を施して、改質
することは何等差し支えない。例えば、メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン、反応性アルキルポリシロキサ
ン、金属石鹸の他、水素添加レシチン、アシルアミノ
酸、アシル化コラーゲンのアルミニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、チタン、亜鉛、ジルコニウム、鉄より
選ばれた金属塩等の、いわゆる疎水化剤で表面処理を行
うと、フレーク状ガラスの表面は親水性から疎水性に変
わるため、化粧料の調合時に添加する油剤との馴染みが
良くなり、感触の良い化粧料となる。
ール3380ml、2−プロパノール3380ml、
0.1規定の硝酸9900mlを混合し、種々の温度、
時間で養生し、5200から96000の種々の分子量
の高分子を含むゾル溶液を作製した。また、厚さ0.5
mm、10cm角のステンレス板を種々の番手のバフで
研磨を行ない、3nm,13nm、および45nmの表
面粗さRaを持つステンレ板を用意した。このステンレ
ス板を200から600℃の種々の温度、時間で熱処理
を施した。前記ゾル液をステンレス板に条件を変えてロ
ールコーターを用いて塗布し、その後200℃で乾燥し
て、フレーク状に剥離させ、種々の厚みのゲルフレーク
を得た。その際ゲルフレークの剥離性を観察した。剥離
性が悪く強く付着しているゲル膜については、ステンレ
ス製のスクレイパーで掻きとり、ゲルフレークを得た。
その剥離したゲルフレークを1000℃で3時間焼結
し、平均粒径が100から200μmのシリカフレーク
を得た。ここで、該焼結フレークの表面粗さを測定後、
該焼結フレークをジェットミルで粉砕・分級して、種々
の平均粒径のフレークを作製した。そしてそのフレーク
の感触、表面粗さ、可視光透過率の測定を測定を行っ
た。また、X線回折装置を用いて結晶状態を調べた。
中の高分子の分子量が1200のもの、研磨してないあ
るいは研磨しても50nmより大きい表面粗さを持つ基
板を使用したもの、熱処理を施していないステンレス基
板を使用したもの、についても前述と同様に塗布・乾燥
・剥離を行い、その剥離性やフレーク性状、表面粗さ、
可視光透過率、結晶状態を調べた。
て示した。なお、表中、「剥離性」および「フレークの
感触」の項目は次の基準で判断した。 「剥離性」 ◎:ほぼ自然に剥離するか、ナイロンブラシで軽く掃き
取るぐらいで剥離回収できた状態。 ○:少し強くナイロンブラシで擦ればすべて剥離回収で
きた状態。 △:ナイロンブラシでは強く擦っても全部は剥離せず、
スクレイパーで掻き取らないと剥離回収できなかった状
態。 ×:膜として基板に付着しており、全量をスクレイパー
で掻き取らないとフレークとして回収できなかった状
態。 「フレークの感触」 ◎:非常に滑らか。 ○:滑らか。 △:滑らかではあるが、少しごつごつした感じ。 ×:ごつごつ感を感じる。
ール3380ml、2−プロパノール3380ml、チ
タニアコロイド(商品名:チタニアゾルCS−N、石原
産業(株)製、二酸化チタン換算含有量約30重量%)2
400ml、0.2規定の硝酸7900mlを混合し、
50℃で約15時間養生して分子量約12000の塗布
液とした。この液に、表面を研磨してRaが13nmと
平滑にし、300℃で20分間熱処理した厚さ0.5m
m、10cm角のステンレス板を浸漬し、約30cm/
分の速度で引き上げて塗布し、それを150℃で乾燥し
たところ、ゲルがフレーク状に自然剥離しナイロンブラ
シで掃き取るだけで回収できた。得られたゲルフレーク
を1000℃で2時間焼結し、平均粒径が約100μm
の焼結フレークを得た。このフレークの表面粗さを測定
したところ、Raが約15nmであった。透過型電子顕
微鏡でフレークを観察したところ、30〜60nmの大
きさの二酸化チタン微粒子が、シリカガラスマトリック
ス中に単分散しているのが観察された。このフレーク
を、X線回折法で調べたところ、アナターゼ型二酸化チ
タンが検出されたのみであり、したがって、マトリック
スのシリカは非晶質であった。化学分析の結果、焼結フ
レーク中の二酸化チタンの含有量は、約28重量%であ
り、非晶質シリカ分は約72重量%であった。該フレー
クを粉砕分級し、平均粒径10μmのフレークとした。
厚みは約0.6μmでアスペクト比は17である。この
フレークの感触は非常に滑らかであった。また可視光透
過率は約90%であった。
製した。
5分間撹拌した。これに、70℃にて均一に溶融した成
分−2を滴下しながら、撹拌混合を行った。さらに、成
分−3を添加後、1分間撹拌混合し、アトマイザーによ
り粉砕して製品−1(実施例−11)を得た。
例−1を実施例−5に変更した以外は、上記と全く同じ
方法で製品−2(実施例−12)を得た。また成分−1
中の本発明フレーク状ガラス実施例−1を比較例−2に
変更した以外は、上記と全く同じ方法で製品−3(比較
例−5)を得た。更に成分−1中の本発明フレーク状ガ
ラス実施例−1を雲母に変更した以外は、上記と全く同
じ方法で製品−4(比較例−6)を得た。
7日間使用させ、最高点を5点、最低点を1点とする5
段階法にて、評価した官能テストの平均点の結果を表−
5に示す。
き(付着性)や感触が非常に良く、透明感が良好なこと
が、確認された。
で、可視光に対する透明性が高く、厚みが非常に薄いフ
レーク状ガラスが、容易に製造できるようになる。
ークの表面平滑性及びその極薄の薄片状の形態により、
伸展性(のび)やつきが良く、使用触感に優れた製品と
なる。また、該フレークは可視光に対する透明性が高
く、化粧料としての透明感が良く、また、くすみのない
自然な仕上がりになる。
Claims (7)
- 【請求項1】 平均厚みが0.1から1.0μm、アス
ペクト比が5から150の大きさで、かつ、表面粗さR
aが50nm以下で、550nmの波長の光の透過率が
80%以上であることを特徴とするフレーク状ガラス。 - 【請求項2】 前記フレーク状ガラスが、シリカ、アル
ミナ、ジルコニア、またはチタニアからなる非晶質部分
を60重量%以上含有する請求項1記載のフレーク状ガ
ラス。 - 【請求項3】 前記フレーク状ガラスが少なくとも60
重量%の非晶質シリカと、チタニア、ジルコニア、およ
びアルミナから選ばれる少なくとも1種の合計0〜40
重量%からなる請求項2記載のフレーク状ガラス。 - 【請求項4】 有機金属化合物から由来し、かつ300
0〜1000000の分子量を有する高分子を含有する
ゾル溶液を、50nm以下の表面粗さRaを有しかつ高
温度で酸素を含む雰囲気中で加熱処理された少なくとも
その最表面が金属の基板に塗布してゾル膜を形成し、そ
の後そのゾル膜を乾燥させ収縮させて基板から剥離させ
ることにより、フレーク状ゲルを得、そのフレーク状ゲ
ルを高温で加熱することを特徴とする、50nm以下の
表面粗さRaを有する、表面が平滑で可視光透過率の高
いフレーク状ガラスの製造方法。 - 【請求項5】 前記有機金属化合物が、Si、Al、Z
r、またはTiのメトキシド、エトキシド、プロポキシ
ド、またはブトキシドである請求項4記載のフレーク状
ガラスの製造方法。 - 【請求項6】 前記金属基板がステンレス鋼である請求
項4記載のフレーク状ガラスの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載のフレー
ク状ガラスを配合してある化粧料。
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- 1995-10-17 JP JP07268139A patent/JP3132364B2/ja not_active Expired - Fee Related
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堂下和宏ら、「有機色素ドープシリカフレークの作製とその特性」、色材研究発表会講演要旨集、vol.1995、p.44−45、(1995年10月30日) |
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JPH09110452A (ja) | 1997-04-28 |
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