JPH0517329A - 鱗片状顔料組成物、その製造方法および上記鱗片状顔料組成物を配合した化粧料 - Google Patents

鱗片状顔料組成物、その製造方法および上記鱗片状顔料組成物を配合した化粧料

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JPH0517329A
JPH0517329A JP19093591A JP19093591A JPH0517329A JP H0517329 A JPH0517329 A JP H0517329A JP 19093591 A JP19093591 A JP 19093591A JP 19093591 A JP19093591 A JP 19093591A JP H0517329 A JPH0517329 A JP H0517329A
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titanium oxide
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oxide
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Norihiro Tanimoto
憲弘 谷本
Mayumi Bandai
真由美 万代
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Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧料への分散性が良好で、かつ紫外線遮蔽
効果、特にUV−A波の遮蔽効果の優れた化粧料配合用
の顔料を提供する。 【構成】 鱗片状顔料の表面をチタン酸化物で被覆し、
さらに該チタン酸化物上を鱗片状顔料に対してZnO換
算で50〜250重量%の亜鉛酸化物で被覆して、鱗片
状顔料組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鱗片状顔料の表面をチ
タン酸化物で被覆し、さらに該チタン酸化物上を亜鉛酸
化物で被覆してなる鱗片状顔料組成物、その製造方法お
よび上記鱗片状顔料組成物を配合した化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】自然界の紫外線には、320〜400n
mのUV−A波と、波長が320nm以下のUV−B波
とが存在し、UV−A波は色素沈着を起こす原因であ
り、UV−B波は日焼けを起こす原因であるといわれて
いる〔たとえば、「色材」、63〔3〕171〜175
(1990)など〕。
【0003】特に、日焼け止め化粧料に使用される顔料
においては、紫外線を効果的に遮蔽する機能は重要であ
り、そのため、これまでにも種々の検討がなされ、多数
の紫外線遮蔽用顔料が提案されている。
【0004】たとえば、特開昭49−450号公報に
は、微粒子状二酸化チタンを配合して紫外線防止用化粧
料とすることが提案されている。
【0005】また、特開昭62−228006号公報に
は、360nm付近のUV−A波を効果的に遮蔽できる
物質として、微粒子状酸化亜鉛が提案されている。
【0006】さらに、特開昭61−257909号公報
には、紫外線遮蔽用顔料として、亜鉛系物質を被覆した
無機粉体が提案され、また、特開昭62−16408号
公報には、亜鉛などの金属の酸化物を被覆したマイカが
紫外線遮蔽効果を有することが報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で提案されてきた紫外線遮蔽用の顔料は、以下に示すよ
うな問題点を有していて、満足すべきものとはいえな
い。
【0008】まず、微粒子状二酸化チタンは、紫外線の
遮蔽効果を有しているものの、UV−A波の波長領域の
内、350nm以上の波長の遮蔽効果が少ない。
【0009】また、360nm付近のUV−A波を効果
的に遮蔽できると報告されている微粒子状酸化亜鉛は、
化粧料に配合した場合に、分散性が悪く、しかも高価で
ある。
【0010】さらに、特開昭61−257909号公報
に記載の亜鉛系物質を被覆した無機粉体は、乾式混合に
よって亜鉛系物質を無機粉体上に被覆しているため、亜
鉛系物質が無機粉体上に均一に被覆されておらず、UV
−A波に関して充分な遮蔽効果を有しない。
【0011】また、特開昭62−16408号公報に記
載された亜鉛などの金属の酸化物を被覆したマイカの場
合は、マイカの表面改質が目的であるため、金属の酸化
物の被覆量が少なく、UV−A波に関して充分な遮蔽効
果を有していない。
【0012】このように、これまで提案されてきた紫外
線遮蔽用の顔料は、紫外線の遮蔽効果が充分でないか、
あるいは分散性が悪いなど、何らかの問題を有してい
た。
【0013】したがって、紫外線、特にUV−A波の遮
蔽効果が大きく、かつ化粧料への分散性が良好な化粧料
配合用の顔料が望まれている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記要望
に応えるため鋭意研究を重ねた結果、鱗片状顔料の表面
をチタン酸化物で被覆し、さらに該チタン酸化物上に亜
鉛酸化物を、鱗片状顔料に対してZnO換算で50〜2
50重量%被覆させるときは、化粧料への分散性が良好
で、UV−A波を含む紫外線を効果的に遮蔽することが
できる化粧料配合用の鱗片状顔料組成物が得られること
を見出し、本発明を完成するにいたった。
【0015】本発明において、鱗片状顔料の表面を被覆
するチタン酸化物とは酸化チタンまたは含水酸化チタン
を意味し、該チタン酸化物上を被覆する亜鉛酸化物とは
酸化亜鉛または含水酸化亜鉛を意味する。
【0016】本発明の鱗片状顔料組成物は、鱗片状顔料
の表面をチタン酸化物で被覆し、さらに該チタン酸化物
上を特定量の亜鉛酸化物で被覆することによって構成さ
れるが、この鱗片状顔料組成物は鱗片状顔料の表面をチ
タンの加水分解生成物で被覆し、500〜900℃で焼
成してチタンの加水分解生成物をチタン酸化物にした
後、該チタン酸化物上に亜鉛の加水分解生成物を被覆
し、300〜700℃で焼成して亜鉛の加水分解生成物
を亜鉛酸化物にすることによって製造される。
【0017】上記におけるチタンの加水分解生成物と
は、水酸化チタンまたは含水酸化チタンを意味し、この
チタンの加水分解生成物は焼成によってチタン酸化物に
なる。
【0018】そして、焼成時の温度や時間によってチタ
ン酸化物は含水酸化チタンまたは無水の酸化チタンにな
る。
【0019】チタンの加水分解生成物が含水酸化チタン
で、また、それを焼成した後のチタン酸化物が含水酸化
チタンである場合も起こり得るが、表現としては同じ含
水酸化チタンであっても、焼成前の含水量と焼成後の含
水量とは異なっており、当然、焼成後の含水量は焼成前
の含水量に比べて減少している。
【0020】また、亜鉛の加水分解生成物とは、水酸化
亜鉛または含水酸化亜鉛を意味し、この亜鉛の加水分解
生成物は焼成によって亜鉛酸化物になる。
【0021】そして、焼成時の温度や時間によって亜鉛
酸化物は含水酸化亜鉛または無水の酸化亜鉛になる。
【0022】本発明の鱗片状顔料組成物において、その
基材の鱗片状顔料は、たとえば雲母、セリサイト(絹雲
母)、タルク、カオリン、ムライト、合成雲母などであ
るが、本発明において、その基材として鱗片状顔料を用
いるのは、鱗片状顔料の分散性が優れていて、微粒子状
金属酸化物だけで顔料組成物を構成するよりも、分散性
の優れたものになるからである。
【0023】そして、上記鱗片状顔料の表面を被覆する
チタン酸化物は、紫外線を遮蔽する作用をし、また、該
チタン酸化物上を被覆する亜鉛酸化物は、上記チタン酸
化物とは異なる波長領域の紫外線遮蔽効果が優れてい
て、上記チタン酸化物の紫外線遮蔽作用が充分でない部
分の紫外線を遮蔽する作用をするものであり、本発明の
鱗片状顔料組成物は、それぞれ上記のような作用を持つ
鱗片状顔料−チタン酸化物−亜鉛酸化物の3層構造とす
ることによって、化粧料への分散性が良好で、紫外線遮
蔽効果の大きい鱗片状顔料組成物としている。
【0024】本発明において、鱗片状顔料としては、前
記のように、たとえば各種雲母、セリサイト(絹雲
母)、タルク、カオリン、ムライトなどの鱗片状の天然
鉱物、または合成雲母などの鱗片状の合成化合物などが
用いられる。
【0025】そして、上記の鱗片状顔料は平均粒子径1
〜50μmで、アスペクト比5〜100のものが好まし
い。
【0026】鱗片状顔料の平均粒子径が50μmより大
きくなると、化粧料に配合した際にザラツキ感が生じ、
肌触りが悪くなり、また、鱗片状顔料の平均粒子径が1
μmより小さくなると化粧料に配合する際の分散性が悪
くなる。
【0027】鱗片状顔料へのチタン酸化物の被覆方法と
しては、たとえば、上記鱗片状顔料を水に懸濁させ、そ
の中に硫酸チタニル、塩化チタンなどのチタンの水溶性
塩の水溶液を添加し、加水分解することによって、鱗片
状顔料の表面をチタンの加水分解生成物で被覆し、つい
で、これを500〜900℃で焼成して、チタンの加水
分解生成物をチタン酸化物にする方法が採用される。
【0028】この際、鱗片状顔料の表面がAl、Si、
Ti、Zrなどの白色金属酸化物を形成する金属元素の
酸化物で被覆されていても、何らさしつかえない。ま
た、上記と同様の方法で製造されたチタンマイカを、亜
鉛酸化物の被覆にそのまま用いることもできる。
【0029】上記チタンの加水分解生成物の焼成を50
0〜900℃で行うのは、500℃より低い温度では紫
外線遮蔽効果の低いチタン酸化物しか得られず、また、
900℃より高温になると基材の鱗片状顔料が崩壊、融
着して分散性が低下したり、チタン酸化物の粒子成長が
起こり、紫外線遮蔽効果が著しく低下するからである。
【0030】そして、焼成時間は、焼成温度によっても
異なるが、通常、0.5〜5時間である。
【0031】チタン酸化物の被覆量は、基材の鱗片状顔
料に対してTiO2 換算で10〜150重量%が好まし
い。チタン酸化物の被覆量が鱗片状顔料に対してTiO
2 換算で10重量%より少ない場合は、充分な紫外線遮
蔽効果が得られず、また、150重量%より多くなる
と、化粧料に配合した際に使用感が悪くなる。
【0032】鱗片状顔料の表面をチタン酸化物で被覆し
た後の亜鉛酸化物の被覆方法としては、たとえば、上記
表面をチタン酸化物で被覆した鱗片状顔料を水に懸濁さ
せ、60〜90℃に加熱し、アルカリ水溶液でpH7.
5〜10に維持しながら、その中に水溶性亜鉛化合物の
水溶液を滴下し、鱗片状顔料の表面を被覆するチタン酸
化物上に亜鉛の加水分解生成物を被覆し、これを300
〜700℃で焼成して亜鉛の加水分解生成物を亜鉛酸化
物にすることによって、本発明の鱗片状顔料組成物が得
られる。
【0033】上記において、表面をチタン酸化物で被覆
した鱗片状顔料を水に懸濁させる量は、水1リットルに
対して40〜300gが好ましい。
【0034】上記水溶性亜鉛化合物の水溶液の滴下後、
通常の方法で、濾過、洗浄、乾燥すればよく、また、焼
成後、粉砕を行ってもよい。
【0035】また、得られた鱗片状顔料組成物の表面を
必要に応じてシリコーン、高級脂肪酸あるいはその金属
塩などで処理してもよい。
【0036】上記亜鉛酸化物の被覆にあたって使用する
水溶性亜鉛化合物としては、たとえば硫酸亜鉛、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛などが用いられる。
【0037】亜鉛酸化物の被覆量は、基材の鱗片状顔料
に対してZnO換算で50〜250重量%が必要であ
る。これは、亜鉛酸化物の被覆量が鱗片状顔料に対して
ZnO換算で50重量%より少ない場合は、充分な紫外
線遮蔽効果が得られず、また、250重量%より多くな
ると、化粧料に配合した際に使用感が悪くなるからであ
る。
【0038】アルカリ水溶液のアルカリ源としては、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、ア
ンモニア水やアミン類はもとより、尿素類のように加熱
によりアルカリ源となるものも使用することができる。
【0039】水溶性亜鉛化合物を含有する水溶液の滴下
速度は、表面をチタン酸化物で被覆した鱗片状顔料の量
あるいは水溶性亜鉛化合物の水溶液の量によっても異な
るが、上記鱗片状顔料の表面積1m2 当り、ZnOに換
算して0.05〜5g/分の滴下速度が好ましい。
【0040】上記水溶性亜鉛化合物の水溶液の滴下速度
が5g/分より速くなりすぎると、上記鱗片状顔料の表
面に亜鉛の加水分解生成物が均一に被覆されず、上記鱗
片状顔料への亜鉛酸化物による被覆が完全に行われなく
なって、紫外線遮蔽効果が得られにくい。滴下速度が遅
くなっても特性上の問題は生じないが、遅くなり過ぎる
と生産効率が低下し、経済性が悪くなる。
【0041】また、水溶性亜鉛化合物の水溶液を鱗片状
顔料の水懸濁液に滴下する際、Al、Si、Ti、Zr
などの白色金属酸化物を形成する金属元素の水溶性塩を
同時に、または水溶性亜鉛化合物の水溶液の滴下後、滴
下してもよい。
【0042】上記亜鉛の加水分解生成物の焼成を300
〜700℃で行うのは、300℃より低い温度では紫外
線遮蔽効果の低い亜鉛酸化物しか得られず、また、70
0℃より高温になると亜鉛酸化物の粒子成長が起こり、
紫外線遮蔽効果が著しく低下するからである。
【0043】そして、焼成時間は、焼成温度によっても
異なるが、通常、0.5〜5時間である。
【0044】なお、鱗片状顔料の表面を亜鉛酸化物で被
覆し、さらに該亜鉛酸化物上をチタン酸化物で被覆した
鱗片状顔料組成物を作製し、これを化粧料に配合するこ
とも可能であるが、この場合は充分な紫外線遮蔽効果が
得られない。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0046】実施例1 平均粒子径5μmでアスペクト比6のセリサイト90g
を水1リットルに懸濁、攪拌しながら、その中にTiO
2 換算で200g/lの硫酸チタニル水溶液をTiO2
換算で35g添加し、1℃/分の速度で加熱し、4時間
沸騰させて硫酸チタニルを加水分解した後、濾過、水洗
することにより、表面をチタンの加水分解生成物で被覆
したセリサイトを得た。
【0047】このようにして表面をチタンの加水分解生
成物で被覆したセリサイトを再び水に懸濁させ、第1回
目の被覆処理条件と同一条件で被覆処理を繰り返し、合
計3回の被覆処理を行った後、濾過、水洗、乾燥した。
その後、850℃で2時間焼成してチタンの加水分解生
成物をチタン酸化物にし、粉砕することにより、表面を
チタン酸化物で被覆したセリサイト163gを得た。
【0048】この場合におけるチタン酸化物の被覆量は
セリサイトに対してTiO2 換算で100%であった。
【0049】つぎに、上記表面をチタン酸化物で被覆し
たセリサイト100gを1リットルの水に懸濁、攪拌
し、80℃に加熱後、その中に硫酸亜鉛350gを水1
リットルに溶解させた水溶液を90分間で滴下した。こ
の間、0.1Nの苛性ソーダ水溶液を同時に滴下するこ
とにより、懸濁液のpHを9.0に維持して、硫酸亜鉛
を加水分解した。
【0050】上記のようにして、セリサイトの表面を被
覆するチタン酸化物上に亜鉛の加水分解生成物を被覆
し、ついで濾過、水洗、乾燥、粉砕した後、500℃で
2時間焼成して亜鉛の加水分解生成物を亜鉛酸化物に
し、チタン酸化物上に亜鉛酸化物を被覆したセリサイト
120gを得た。
【0051】この場合における亜鉛酸化物の被覆量はセ
リサイトに対してZnO換算で200重量%であった。
【0052】また、電子顕微鏡写真法により測定したと
ころ、亜鉛酸化物の被覆厚みは約100nmであった。
【0053】比較例1 平均粒子径5μmでアスペクト比6のセリサイト90g
を1リットルの水に懸濁、攪拌しながら、その中にTi
2 換算で200g/lの硫酸チタニル水溶液をTiO
2 換算で35g添加し、1℃/分の速度で加熱し、4時
間沸騰させて硫酸チタニルを加水分解した後、濾過、水
洗することにより、表面をチタンの加水分解生成物で被
覆したセリサイトを得た。
【0054】このようにして表面をチタンの加水分解生
成物で被覆したセリサイトを再び水に懸濁させ、第1回
目の被覆処理条件と同一条件で被覆処理を繰り返し、合
計3回の被覆処理を行った後、濾過、水洗、乾燥した。
その後、850℃で2時間焼成してチタンの加水分解生
成物をチタン酸化物にし、粉砕することにより、表面を
チタン酸化物で被覆したセリサイト163gを得た。
【0055】この場合におけるチタン酸化物の被覆量は
セリサイトに対してTiO2 換算で100%であった。
【0056】比較例2 平均粒子径5μmでアスペクト比6のセリサイト100
gを水1リットルに懸濁、攪拌し、80℃に加熱後、そ
の中に硫酸亜鉛350gを水1リットルに溶解させた水
溶液を90分間で滴下した。この間、0.1Nの苛性ソ
ーダ水溶液を同時に滴下することにより、懸濁液のpH
を9.0に維持して、硫酸亜鉛を加水分解した。
【0057】上記のようにして、セリサイトの表面を亜
鉛の加水分解生成物で被覆し、ついで、濾過、水洗、乾
燥、粉砕した後、500℃で2時間焼成して亜鉛の加水
分解生成物を亜鉛酸化物にして、表面を亜鉛酸化物で被
覆したセリサイト120gを得た。
【0058】この場合における亜鉛酸化物の被覆量は、
セリナイトに対してZnO換算で100重量%であり、
電子顕微鏡写真法により測定したところ、その亜鉛酸化
物の被覆厚みは約100nmであった。
【0059】比較例3 実施例1と同様に、セリサイトの表面をチタン酸化物で
被覆し、さらに該チタン酸化物上を亜鉛の加水分解生成
物で被覆した。ただし、実施例1におけるような焼成を
行わなかった。
【0060】試験例1 つぎに、上記実施例1および比較例1〜3で得られた鱗
片状顔料組成物を用いて、それぞれ下記配合の油性タイ
プの日焼け止め化粧料を調製し、透明フィルム上に3ミ
ルアプリケーターで塗布し、分光光度計U−3410
〔(株)日立製作所製〕を用いて、各化粧料の300〜
500nmの波長における紫外線透過率を測定した。そ
の結果を図1に示す。
【0061】日焼け止め化粧料の配合: 鱗片状顔料組成物 0.167g ナイロン12 0.333g スクワラン 45.0g オリーブ油 5.0g ミリスチン酸イソプロピル 49.5g
【0062】図1において、横軸は紫外線の波長で、縦
軸は透過率であるが、透過率が低いほどその波長におけ
る遮蔽効果が大きいことを示している。
【0063】そして、図1においては、各化粧料の波長
と透過率との関係を示す曲線に、各化粧料に用いられた
鱗片状顔料組成物の実施例番号および比較例番号を付記
して、それらの曲線の識別ができるようにした。
【0064】また、上記実施例1および比較例1〜3の
鱗片状顔料組成物に代えて、セリサイトを同量用い、そ
れ以外は同一配合の日焼け止め化粧料を調製し、その化
粧料についても紫外線透過率を測定した。その結果も図
1に示す。
【0065】図1に示すように、実施例1の鱗片状顔料
組成物を用いた化粧料は、比較例1〜3の鱗片状顔料組
成物やセリサイトを用いた化粧料より、透過率が小さ
く、紫外線遮蔽効果が優れていた。
【0066】もとより、実施例1の鱗片状顔料組成物を
用いた化粧料は、320〜400nmのUV−A波に関
しても透過率が小さく、UV−A波の遮蔽効果が優れて
いた。
【0067】また、実施例1の鱗片状顔料組成物は、日
焼け止め化粧料調製時の分散性が良好であり、比較例1
〜3の鱗片状顔料組成物やセリサイトに比べても、分散
性の悪さは認められなかった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鱗片状顔
料組成物は、化粧料への分散性が良好で、かつ紫外線遮
蔽効果、特にUV−A波の遮蔽効果が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1〜3の鱗片状顔料組成
物ならびにセリサイトを用いた日焼け止め化粧料の30
0〜500nmの波長における紫外線透過率を示す図で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鱗片状顔料の表面をチタン酸化物で被覆
    し、さらに該チタン酸化物上を亜鉛酸化物で被覆してな
    り、亜鉛酸化物の被覆量が鱗片状顔料に対してZnO換
    算で50〜250重量%であることを特徴とする鱗片状
    顔料組成物。
  2. 【請求項2】 チタン酸化物の被覆量が鱗片状顔料に対
    してTiO2 換算で10〜150重量%であることを特
    徴とする請求項1記載の鱗片状顔料組成物。
  3. 【請求項3】 鱗片状顔料の表面をチタンの加水分解生
    成物で被覆し、500〜900℃で焼成してチタンの加
    水分解生成物をチタン酸化物にした後、該チタン酸化物
    上を亜鉛の加水分解生成物で被覆し、300〜700℃
    で焼成して亜鉛の加水分解生成物を亜鉛酸化物にするこ
    とを特徴とする請求項1記載の鱗片状顔料組成物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の鱗片状顔料組成物を配合
    したことを特徴とする化粧料。
JP19093591A 1991-07-04 1991-07-04 鱗片状顔料組成物、その製造方法および上記鱗片状顔料組成物を配合した化粧料 Pending JPH0517329A (ja)

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