JP2004052057A - 金属の表面処理方法 - Google Patents

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Masato Yamamoto
山本 真人
Yasuhiko Haruta
春田 泰彦
Hideto Urushima
宇留嶋 秀人
Hideki Matsuda
松田 英樹
Jun Akui
阿久井 潤
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Abstract

【課題】防食性に優れたチタン系防食被膜を金属素材上に形成する方法を供すること。
【解決手段】金属素材上に、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を含有する処理液(A)を塗布、乾燥して第1の保護膜を形成した後、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(d)を含有してなるチタン系表面処理剤(B)を塗布、乾燥して第2の保護膜を形成することを特徴とする金属の表面処理方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来のクロム酸塩処理及びりん酸塩処理に替わる、加工性、耐食性、上塗塗装性等に優れた皮膜を得ることのできる無公害型の表面処理方法及び該金属表面処理方法を用いた防食被覆金属材に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
従来、金属表面の耐食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一般に行われている。しかしながら近年クロムの毒性が社会的問題になっている。クロム酸塩を使用する表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュ−ムの飛散の問題、排水処理設備に多大な費用を要すること、さらには化成処理皮膜からクロム酸の溶出による問題などがある。また6価クロム化合物は、IARC(International Agency for Research on Cancer Review)を初めとして多くの公的機関が人体に対する発癌性物質に指定しており、極めて有害な物質である。
【0003】
またリン酸塩処理では、リン酸亜鉛系、リン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性を付与する目的でリン酸塩処理後、通常クロム酸によるリンス処理を行うためクロム処理の問題とともにリン酸塩処理剤中の反応促進剤、金属イオンなどの排水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理などの問題がある。
【0004】
クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処理方法としては、(1)重燐酸アルミニウムを含有する水溶液で処理した後、150〜550℃の温度で加熱する表面処理方法(特公昭53−28857号公報参照)、(2)タンニン酸を含有する水溶液で処理する方法(特開昭51−71233号公報参照)などが提案され、また、(3)亜硝酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、イミダゾール、芳香族カルボン酸、界面活性剤等による処理方法もしくはこれらを組合せた処理方法が行われている。
【0005】
しかしながら、(1)の方法は、この上に塗料を塗装する場合、塗料の密着性が十分でなく、また、(2)の方法は、耐食性が劣り、(3)の方法は、いずれも高温多湿の雰囲気に暴露された場合の耐食性が劣るという問題がある。
【0006】
また、膜厚数μm以下の薄膜の被膜を有する亜鉛系鋼板として、特開昭58−224174 号公報、特開昭60−50179号公報、特開昭60−50180号公報などには、亜鉛系めっき鋼板を基材とし、これにクロメート被膜を形成し、さらにこの上に最上層として有機複合シリケート被膜を形成した防錆鋼板が知られており、このものは、加工性及び耐食性に優れた性能を有する。しかしながら、この防錆鋼板はクロメート被膜を有するため、前記したと同様にクロメートイオンによる安全衛生面の問題があった。また、この防錆鋼板からクロメート被膜を除いた鋼板では、いまだ耐食性が十分ではない。
【0007】
本発明の目的は、クロム酸塩処理及びリン酸塩処理に匹敵する防錆力を持つ無公害型の表面処理方法及び防食被覆金属剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、有機樹脂及び必要に応じて鉱酸及び/又は特定の金属イオンを含有する処理液で処理を行った後、さらに特定のチタン系表面処理剤により処理を行うことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明は、金属素材上に、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を含有する処理液(A)を塗布、乾燥して第1の保護膜を形成した後、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(d)を含有してなるチタン系表面処理剤(B)を塗布、乾燥して第2の保護膜を形成することを特徴とする金属の表面処理方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記表面処理方法により得られる防食被覆金属材を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属素材の表面処理方法に関するものであり、金属素材を最初に水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を含有する処理液(A)で処理した後、さらにチタン系表面処理剤(B)で処理するものである。
【0012】
まず、処理液(A)について説明する。
【0013】
処理液(A)
処理液(A)は、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を必須成分として含有してなるものである。
【0014】
水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)は従来から公知の樹脂を使用することができ、水溶化又は水分散させる方法も公知のものを使用して行うことができる。具体的には、有機樹脂として単独で水溶化や水分散化できる官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ(イミノ)基、スルフィド基、ホスフィン基などの少なくとも1種)を含有するもの及び必要に応じてそれらの官能基の一部又は全部を、酸性樹脂(カルボキシル基含有樹脂等)であればエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物で中和したもの、また塩基性樹脂(アミノ基含有樹脂等)であれば、酢酸、乳酸等の脂肪酸;リン酸等の鉱酸で中和したものなどを使用することができる。
【0015】
かかる有機樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン−カルボン酸系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、これらの樹脂の変性物などが挙げられる。
【0016】
中でも耐食性の点から、エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基に、分子中に少なくとも1つの活性水素基を有するアミン化合物を反応させて得られるアミン変性アクリル樹脂が特に好ましい。
【0017】
上記アミン変性アクリル樹脂は、エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基と、分子中に少なくとも1つ以上の活性水素を有するアミン化合物とを反応させて得られるものである。該エポキシ基含有アクリル樹脂は1分子中にエポキシ基を1個以上もつものであり、通常、エポキシ基を含有する不飽和単量体(例えばグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなど)とその他の不飽和単量体とを公知の方法により共重合することにより得ることができる。該その他の不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数1〜18のアルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、該ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート1モルに対してε−カプロラクトンを1〜5モル開環付加反応させてなる、水酸基を有するカプロラクトン変性アルキル(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、エチレン、ブタジエンアクリル酸、メタクリル酸等を挙げることができるが、中でもスチレン、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜8のアルキルエステルが耐食性などの点から好ましい。
【0018】
本発明において、各化合物の語尾の「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
【0019】
全不飽和単量体中のエポキシ基含有不飽和単量体の含有量は、得られるアミン変性アクリル樹脂の水溶性及び貯蔵安定性の点から10〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の範囲内が適している。
【0020】
また、上記不飽和単量体を共重合する際に用いるラジカル重合開始剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、過酸化ベンゾイル、ジt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物;α,α′−アゾビスイソブチロニトリル、α,α′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物などが挙げられる。
【0021】
重合方法としては従来公知の方法を使用でき、例えば溶液重合、バルク重合、乳化重合、サスペンジョン重合などを挙げることができる。
【0022】
溶液重合などで用いる溶剤については、エポキシ基と反応しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の水酸基を含有するアルコール類やエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等を例示でき、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0023】
上記重合により得られたエポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基の一部又は全部を分子中に少なくとも1個の活性水素を有するアミン化合物と反応させることにより、アミン変性アクリル樹脂を得ることができる。該分子中に少なくとも1個の活性水素を有するアミン化合物としては、具体的には例えば、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、エチルエタノールアミン、ジエチルアミン、ジn−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジブチルアミン、モルホリンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また、これらは1種で又は2種以上混合して用いることができる。これらアミン化合物の中でもアルカノールアミン類が好適である。また、1級アミノ基をあらかじめケトンと反応させてケチミン化させた後、残りの活性水素とエポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基とを反応させてもよい。
【0024】
エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基とアミン化合物との反応は、一般的には溶液中で行なわれ、反応温度は40〜150℃の範囲内が適当である。
【0025】
また、アミン変性アクリル樹脂の処理液(A)中の含有量は1〜200g/l、好ましくは2〜100g/lの範囲内が硬化性などの点から適している。
【0026】
また、エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂にアミンを付加してなるカチオン系エポキシ樹脂;アクリル変性、ウレタン変性等の変性エポキシ樹脂などが好適に使用できる。カチオン系エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ化合物と、1級モノ−もしくはポリアミン、2級モノ−もしくはポリアミン、1,2級混合ポリアミンなどとの付加物(例えば米国特許第3984299号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−またはポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4017438号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシル化合物とのエーテル化反応生成物(例えば特開昭59−43013号公報参照)などがあげられる。
【0027】
フェノール系樹脂としては、フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して付加、縮合させて得られる高分子化合物を水溶化したものを好適に使用することができる。出発原料である上記フェノール成分としては、2官能性フェノール化合物、3官能性フェノール化合物、4官能性以上のフェノール化合物などを使用することができ、例えば、2官能性フェノール化合物として、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなど、3官能性フェノール化合物として、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールなど、4官能性フェノール化合物として、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどを挙げることができる。これらのフェノール化合物は1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
【0028】
アクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基などの親水性の基を持ったモノマーの単独重合体又は共重合体、親水性の基を持ったモノマーとその他共重合可能なモノマーとの共重合体などが挙げられる。これらは、乳化重合、懸濁重合又は溶液重合し、必要に応じて、中和、水性化した樹脂または該樹脂を変性して得られる樹脂である。
【0029】
ウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとジイソシアネートからなるポリウレタンを必要に応じてジオール、ジアミン等のような2個以上の活性水素を持つ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長し、水中に安定に分散もしくは溶解させたものを好適に使用でき、公知のものを広く使用できる(例えば特公昭42−24192号、特公昭42−24194号、特公昭42−5118号、特公昭49−986号、特公昭49−33104号、特公昭50−15027号、特公昭53−29175号公報参照)。
【0030】
ポリオキシアルキレン鎖を有する樹脂としては、ポリオキシエチレン鎖又はポリオキシプロピレン鎖を有するものが好適に使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、上記ポリオキシエチレン鎖と上記ポリオキシプロピレン鎖とがブロック状に結合したブロック化ポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができる。
【0031】
オレフィン−カルボン酸系樹脂としては、エチレン、プロピレン等のオレフィンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体、及び該共重合体の分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合しさらに粒子内架橋してなる樹脂の2種から選ばれる少なくとも1種の水分散性又は水溶性樹脂を使用できる。
【0032】
化合物(b)
処理液(A)の(b)成分である化合物は、リン酸系化合物、弗化水素酸、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、必要に応じて添加することができるが、厳しい耐食性を要求される場合には添加するのが好ましい。
【0033】
上記リン酸系化合物としては、例えば、亞リン酸、強リン酸、三リン酸、次亞リン酸、次リン酸、トリメタリン酸、二亞リン酸、二リン酸、ピロ亞リン酸、ピロリン酸、メタ亞リン酸、メタリン酸、リン酸(オルトリン酸)、及びリン酸誘導体等のモノリン酸類及びこれらの塩類、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、及び縮合リン酸誘導体等の縮合リン酸及びこれらの塩類等が挙げられる。これらの化合物は1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。また、上記した塩を形成するアルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等の有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。さらに、リン酸系化合物として水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
【0034】
リン酸系化合物としては、特に、リン酸、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが、塗布剤の貯蔵安定性又は塗膜の防錆性等に優れた効果を発揮することから、このものを使用することが好ましい。
【0035】
上記、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩としては、例えば、ジルコニウム弗化水素酸、チタン弗化水素酸、珪弗化水素酸、ジルコニウム弗化塩、チタン弗化塩、珪弗化塩などを挙げることができる。金属弗化水素酸の塩を形成するものとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等が挙げられるが、中でもカリウム、ナトリウムが好ましく、具体例として、ジルコニウム弗化カリウム、チタン弗化カリウム、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウムなどが挙げられる。
【0036】
化合物(b)は1種で又は2種以上混合して用いることができ、処理液(A)中の含有量は1〜200g/l、好ましくは2〜100g/lの範囲内が適している。
【0037】
化合物(c)
処理液(A)の(c)成分である化合物は、モリブデン化合物、タングステン化合物及びバナジウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、上記水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)に必要に応じて添加することができるが、特に化合物(b)と併用して用いることにより、被膜の耐水性、耐アルカリ性及び耐食性を著しく向上させることができる。
【0038】
上記モリブデン化合物としては、例えば、酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸リチウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、ヘプタモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸ストロンチウム、モリブデン酸バリウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸ナトリウム、リンモリブデン酸亜鉛などが挙げられる。
【0039】
タングステン化合物としては、例えば、酸化タングステン、タングステン酸、タングステン酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸ナトリウム、ペンタタングステン酸アンモニウム、ヘプタタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、ホウタングステン酸バリウムなどが挙げられる。
【0040】
バナジウム化合物としては、例えば、酸化バナジウム、バナジン酸、オルソバナジン酸リチウム、オルソバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、ピロバナジン酸ナトリウム、塩化バナジル、硫酸バナジルなどが挙げられる。
【0041】
化合物(c)は1種で又は2種以上混合して用いることができ、処理液(A)中の含有量は1〜200g/l、好ましくは2〜100g/lの範囲内が適している。
【0042】
処理液(A)は、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を必須成分として含有し、必要に応じて化合物(b)及び化合物(c)を含有するものであるが、さらに、例えば、上記した成分以外に、増粘剤、界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類などを含有することができる。
【0043】
また、処理液(A)には、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系、プロピレングリコール系等の親水性溶剤で希釈して使用することができる。
【0044】
本発明の金属の表面処理方法においては、金属材を上記処理液(A)で処理した後、さらにチタン系表面処理剤(B)からなるチタン系表面処理皮膜を形成させる。
【0045】
チタン系表面処理剤(B)
本発明のチタン系表面処理剤(B)は、下記チタンを含む水性液(d)を必須成分として含有してなるものである。
【0046】
チタンを含む水性液(d)
チタンを含む水性液(d)は、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液である。
【0047】
該チタンを含む水性液としては、上記したものであれば特に制限なしに従来から公知のものを適宜選択して使用することができる。上記した加水分解性チタンは、チタンに直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタンにおいて、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であっても、もしくはその1部が加水分解された水酸基であってもどちらでも構わない。
【0048】
上記した加水分解性基としては、上記した様に水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものであれば特に制限されないが、例えば、低級アルコキシル基やチタンと塩を形成する基(例えば、ハロゲン原子(塩素等)、水素原子、硫酸イオン等)が挙げられる。
【0049】
加水分解性基として低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタンとしては、特に一般式Ti(OR)(式中、Rは同一もしくは異なって炭素数1〜5のアルキル基を示す)のテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0050】
加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタンとしては、塩化チタン、硫酸チタン等が代表的なものとして挙げられる。
【0051】
また、加水分解性チタン低縮合物は、上記した加水分解性チタン同士の低縮合物である。該低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であっても、もしくはその1部が加水分解された水酸基であってもどちらでも構わない。
【0052】
チタンと塩を形成する基である塩化チタンや硫酸チタン等は、このものの水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液との反応によるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)も低縮合物として使用できる。
【0053】
上記した加水分解性チタン低縮合物又は水酸化チタン低縮合物における縮合度は、2〜30の化合物が使用可能で、特に縮合度2〜10の範囲内のものを使用することが好ましい。
【0054】
チタンを含む水性液(d)としては、上記したチタン化合物と過酸化水素水とを反応させることにより得られるチタンを含む水性液であれば、従来から公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には下記のものを挙げることができる。
【0055】
▲1▼含水酸化チタンのゲルあるいはゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体あるいはチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液。(特開昭63−35419号及び特開平1−224220号公報参照)
▲2▼塩化チタンや硫酸チタン水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体。(特開平9−71418号及び特開平10−67516号公報参照)
また、上記したチタニア膜形成用液体において、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタン水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。次いで水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液体を得ることができる。
【0056】
沈殿した該オルトチタン酸はOH同志の重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、このままではチタンを含む水性液としては使用できない。このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になりペルオキソチタン酸イオンとして溶解、あるいは、高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む水性液として使用できるようになる。
【0057】
このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩等の熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、従来より低温でも比較的密度の高い結晶性の酸化チタン膜を作成することができる。
【0058】
▲3▼塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてぺルオキソチタン水和物を形成させた後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置もしくは加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を形成した後に、少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去した後に過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液。(特開2000−247638号及び特開2000−247639号公報参照)
本発明で使用するチタンを含む水性液(d)において、過酸化水素水中にチタン化合物を添加して製造されたものを使用することが好ましい。チタン化合物としては、上記した一般式で表される加水分解して水酸基になる基を含有する加水分解性チタンやその加水分解性チタン低縮合物を使用することが好ましい。
【0059】
加水分解性チタン及び/又はその低縮合物(以下、これらのものを単に「加水分解性チタン(k)」と略す)と過酸化水素水との混合割合は、加水分解性チタン(k)10重量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとキレート形成が十分でなく白濁沈殿してしまう。一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
【0060】
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量範囲内であることが取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
【0061】
また、加水分解性チタン(k)を用いてなるチタンを含む水性液(d)は、加水分解性チタン(k)を過酸化水素水と反応温度1〜70℃の範囲内で10分〜20時間反応させることにより製造できる。
【0062】
加水分解性チタン(k)を用いてなるチタンを含む水性液(d)は、加水分解性チタン(k)と過酸化水素水と反応させることにより、加水分解性チタンが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで過酸化水素が生成した水酸基含有チタン化合物に配位するものと推察され、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域で安定性が極めて高く長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルはTi−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させた物とは組成、安定性に関し本質的に異なる。
【0063】
加水分解性チタン(k)を用いてなるチタンを含む水性液(d)を80℃以上で加熱処理あるいはオートクレーブ処理を行うと結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。80℃未満では十分に酸化チタンの結晶化が進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液は、酸化チタン超微粒子の粒子径が10nm以下、好ましくは1nm〜6nmの範囲である。また、該分散液の外観は半透明状のものである。該粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下(1μm以上でワレを生じる)するので好ましくない。この分散液も同様に使用することができる。
【0064】
加水分解性チタン(k)を用いてなるチタンを含む水性液(d)は、鋼鈑材料に塗布乾燥、または低温で加熱処理することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できる。
【0065】
加熱処理温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下の温度で酸化チタン膜を形成することが好ましい。
【0066】
加水分解性チタン(k)を用いてなるチタンを含む水性液(d)は、上記した温度により水酸基を若干含む非晶質(アモルファス)の酸化チタン膜を形成する。
また、80℃以上の加熱処理をした酸化チタン分散液は塗布するだけで結晶性の酸化チタン膜が形成できるため、加熱処理をできない材料のコーティング材として有用である。
【0067】
本発明において、チタンを含む水性液(d)として、酸化チタンゾルの存在下で、上記と同様の加水分解性チタン及び/又は加水分解性チタン低縮合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(d)を使用することが好ましい。加水分解性チタン及び/又は加水分解性チタン低縮合物(加水分解性チタン(k))としては、上記した一般式で表される加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマーやその加水分解性チタン低縮合物を使用することが好ましい。
【0068】
上記した酸化チタンゾルは、無定型チタニア、アナタース型チタニア微粒子が水(必要に応じて、例えば、アルコール系、アルコールエーテル系等の水性有機溶剤を含有しても構わない)に分散したゾルである。
【0069】
上記した酸化チタンゾルとしては従来から公知のものを使用することができる。該酸化チタンゾルとしては、例えば、(1)硫酸チタンや硫酸チタニルなどの含チタン溶液を加水分解して得られるもの、(2)チタンアルコキシド等の有機チタン化合物を加水分解して得られるもの、(3)四塩化チタン等のハロゲン化チタン溶液を加水分解又は中和して得られるもの等の酸化チタン凝集物を水に分散した無定型チタニアゾルや該酸化チタン凝集物を焼成してアナタース型チタン微粒子としこのものを水に分散したものを使用することができる。
【0070】
無定形チタニアの焼成は少なくともアナターゼの結晶化温度以上の温度、例えば、400℃〜500℃以上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型チタニアに変換させることができる。該酸化チタンの水性ゾルとして、例えば、TKS−201(テイカ社製、商品名、アナタース型結晶形、平均粒子径6nm)、TA−15(日産化学社製、商品名、アナタース型結晶形)、STS−11(石原産業社製、商品名、アナタース型結晶形)等が挙げられる。
【0071】
加水分解性チタン(k)と過酸化水素水とを反応させるために使用する際の上記酸化チタンゾルとチタン過酸化水素反応物との重量比率は1/99〜99/1、好ましくは約10/90〜90/10範囲である。重量比率が1/99未満になると安定性、光反応性等酸化チタンゾルを添加した効果が見られず、99/1を越えると造膜性が劣るので好ましくない。
【0072】
加水分解性チタン(k)と過酸化水素水との混合割合は、加水分解性チタン(k)10重量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100重量部、特に1〜20重量部の範囲内が好ましい。過酸化水素換算で0.1重量部未満になるとキレート形成が十分でなく白濁沈殿してしまう。一方、100重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出するので好ましくない。
【0073】
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが3〜30重量範囲内であることが取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
【0074】
また、水性液(d)は、酸化チタンゾルの存在下で加水分解性チタン(k)を過酸化水素水と反応温度1〜70℃の範囲内で10分〜20時間反応させることにより製造できる。
【0075】
水性液(d)は、加水分解性チタン(k)を過酸化水素水と反応させることにより、加水分解性チタン(k)が水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで過酸化水素が生成した水酸基含有チタン化合物に配位するものと推察され、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域で安定性が極めて高く長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルはTi−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させた物とは組成、安定性に関し本質的に異なる。また、酸化チタンゾルを使用することにより、合成時に一部縮合反応が起きて増粘するのを防ぐようになる。その理由は縮合反応物が酸化チタンゾルの表面に吸着され、溶液状態での高分子化を防ぐためと考えられる。
【0076】
また、チタンを含む水性液(d)を80℃以上で加熱処理あるいはオートクレーブ処理を行うと結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。80℃未満では十分に酸化チタンの結晶化が進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液は、酸化チタン超微粒子の粒子径が10nm以下、好ましくは1nm〜6nmの範囲である。また、該分散液の外観は半透明状のものである。該粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下(1μm以上でワレを生じる)するので好ましくない。 この分散液も同様に使用することができる。
【0077】
チタンを含む水性液(d)は、鋼鈑材料に塗布乾燥、または低温で加熱処理することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン膜を形成できる。
【0078】
加熱処理温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下の温度で酸化チタン膜を形成することが好ましい。
【0079】
チタンを含む水性液(d)は、上記した温度により水酸基を若干含むアナタース型の酸化チタン膜を形成する。
【0080】
上記したチタンを含む水性液(d)の中でも、加水分解性チタン(k)を使用した上記水性液や水性液(d)は貯蔵安定性、耐食性などに優れた性能を有するのでこのものを使用することが好ましい。
【0081】
チタンを含む水性液(d)の表面処理組成物中の含有量は固形分で1〜100g/L好ましくは5〜50g/Lの範囲内が、処理液の安定性などの点から適している。
【0082】
チタン系表面処理剤(B)は、上記チタンを含む水性液(d)を必須成分として含有するものであるが、さらに必要に応じてリン酸系化合物、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の化合物(f)を含有することができ、チタン系表面処理剤(B)の貯蔵安定性及び耐食性の観点から、化合物(f)を含有することが好ましい。これらの化合物は1種でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
【0083】
上記リン酸系化合物としては、例えば、亞リン酸、強リン酸、三リン酸、次亞リン酸、次リン酸、トリメタリン酸、二亞リン酸、二リン酸、ピロ亞リン酸、ピロリン酸、メタ亞リン酸、メタリン酸、リン酸(オルトリン酸)、及びリン酸誘導体等のモノリン酸類及びこれらの塩類、トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸、及び縮合リン酸誘導体等の縮合リン酸及びこれらの塩類等が挙げられる。これらの化合物は1種もしくは2種以上組合せて使用することができる。また、上記した塩を形成するアルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等の有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。さらに、リン酸系化合物として水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
【0084】
リン酸系化合物としては、特に、リン酸、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが、塗布剤の貯蔵安定性又は塗膜の防錆性等に優れた効果を発揮することから、このものを使用することが好ましい。
【0085】
上記、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩としては、例えば、ジルコニウム弗化水素酸、チタン弗化水素酸、珪弗化水素酸、ジルコニウム弗化塩、チタン弗化塩、珪弗化塩などを挙げることができる。金属弗化水素酸の塩を形成するものとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等が挙げられるが、中でもカリウム、ナトリウムが好ましく、具体例として、ジルコニウム弗化カリウム、チタン弗化カリウム、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウムなどが挙げられる。
【0086】
上記有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、グリコ−ル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等の有機カルボン酸、有機スルフォン酸、有機スルフィン酸、フェノ−ル、チオフェノ−ル、有機ニトロ化合物、有機リン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、N,N―ビス(2−ホスホエチル)ヒドロキシアミン、N,N―ビス(2−ホスホメチル)ヒドロキシアミン、2−ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチルエーテルの加水分解物、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機亞リン酸が挙げられ、これらの有機酸の塩を使用することもでる。有機酸の塩は有機酸にアルカリ化合物を配合してなるものである。該塩を形成するアルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等の有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。
【0087】
有機酸としては、特に、グリコ−ル酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸等のヒドロキシル基含有有機亞リン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等のカルボキシル基含有有機亜リン酸が、塗布剤の貯蔵安定性又は塗膜の防食性等に優れた効果を発揮することから、このものを使用することが好ましい。
【0088】
リン酸系化合物、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩及び有機酸は1種で又は2種以上混合して用いることができる。
【0089】
化合物(f)の配合割合は、チタンを含む水性液(d)の固形分100重量部に対して、1〜400重量部、特に10〜200重量部の範囲内が好ましい。
【0090】
チタン系表面処理剤(B)には、さらに必要に応じて、水性有機高分子化合物(エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレングリコールなど)、塩基性中和剤、有機溶剤、増粘剤、酸化チタンゾル、界面活性剤、防菌剤、防錆剤(タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾールなど)、着色顔料(酸化チタン粉末等)、体質顔料(マイカ、タルク、シリカ、微粉シリカ、バリタ、クレー等)、防錆顔料などの顔料類などを含有することができる。
【0091】
上記塩基性中和剤としては、アンモニア、有機アミン化合物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属等の塩基性中和剤を挙げることができ、例えば、アンモニア、エタノ−ルアミン、トリエチルアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましいものとして挙げられる。
【0092】
上記有機溶剤としては、例えば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、エチレングリコ−ル系、プロピレングリコ−ル系などの親水性溶剤を好ましいものとして挙げることができる。
【0093】
表面処理皮膜形成方法
本発明の表面処理方法においては、金属材上にまず始めに処理液(A)を塗布、乾燥させた後、さらにチタン系表面処理剤(B)を塗布、乾燥させる。
【0094】
上記金属材としては、例えば鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれらの金属を含む合金、及びこれらの金属によるめっき鋼板もしくは蒸着製品などが挙げられる。
【0095】
本発明の表面処理方法においては、上記金属材上に処理液(A)及びチタン系表面処理剤(B)をそれ自体既知の処理方法、例えば、ロールコーター、カーテンロールコーター、スプレーなどの方法によって塗布するか、またはこれらの塗液中に浸漬した後ロールや空気吹付けによって付着量をコントロールして膜を形成させることにより行うことができる。
【0096】
塗布量は乾燥膜厚として処理液(A)で通常0.05〜5g/m、好ましくは、0.1〜3g/mの範囲、チタン系表面処理剤(B)で通常0.05〜5g/m、好ましくは、0.1〜3g/mの範囲である。
【0097】
塗布液の乾燥は通常、熱風炉や誘導加熱装置などにより行うことができ、処理液(A)は、通常、素材到達最高温度が約60〜250℃となる条件で約2秒〜30秒乾燥させることにより、また、チタン系表面処理剤(B)は、通常、素材到達最高温度が約60〜250℃となる条件で約2秒〜30秒乾燥させることにより行うことができる。
【0098】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0099】
処理液(A)の製造
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0100】
アミン変性アクリル樹脂の合成
合成例1
攪拌機、温度計及び冷却器が取り付けてある反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル100部を投入し、攪拌しながら反応容器内の温度を80℃まで上げた。80℃の温度に保持しながら下記に示す原料の混合物を3時間かけて滴下し、
グリシジルメタクリレート   30部
スチレン           50部
n−ブチルアクリレート    20部
アゾビスイソブチロニトリル 1.5部
さらに同温度で3時間保持し熟成した。この後ジエタノールアミン22部を加え90℃まで昇温し、90℃で4時間熟成した。冷却後プロピレングリコールモノメチルエーテル114部及びギ酸(88%)11部を加え充分に攪拌、混合し、固形分35%のアミン変性アクリル樹脂溶液R1を得た。
【0101】
合成例2〜5
表1に示す配合以外は合成例1と同様にして合成を行ない固形分35%の各アミン変性アクリル樹脂溶液R2〜R5を得た。
【0102】
【表1】
Figure 2004052057
【0103】
処理液(A)の製造
製造例1〜16
上記合成で得られたアミン変性アクリル樹脂溶液を用いて下記表2の配合に従って各金属材料用処理液を作成した。なお、表2における配合は水溶液である処理液1リットル中の固形分重量(g)で表示した。また、処理液A14〜A16は比較例用に作成した。
【0104】
【表2】
Figure 2004052057
【0105】
チタン系水性液の製造
製造例17
四塩化チタン60%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアンモニア水(1:9)を滴下し、水酸化チタンを沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30%溶液を10cc加えかき混ぜ、チタンを含む黄色半透明の粘性のあるチタン系水性液(T1)を得た。
【0106】
製造例18
テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物を30%過酸化水素水10部と脱イオン水100部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン系水性液(T2)を得た。
【0107】
製造例19
チタン系水性液(T2)の製造例のテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラn−ブトキシチタンを使用して同様の製造条件でチタン系水性液(T3)を得た。
【0108】
製造例20
チタン系水性液(T2)の製造例のテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラiso−プロポキシチタンの3量体を使用して同様の製造条件でチタン系水性液(T4)を得た。
【0109】
製造例21
チタン系水性液(T2)の製造例において過酸化水素水を3倍量用い50℃で1時間かけて滴下しさらに60℃で3時間熟成しチタン系水性液(T5)を得た。
【0110】
製造例22
チタン系水溶液(T3)を95℃で6時間加熱処理し、白黄色の半透明なチタン系水性液(T6)を得た。
【0111】
製造例23
テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物を、TKS−203(テイカ社製、酸化チタンゾル)を5部(固形分)、30%過酸化水素水10部、脱イオン水100部の混合物中に10℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後10℃で24時間熟成し黄色透明の少し粘性のあるチタン系水性液(T7)を得た。
【0112】
チタン系表面処理剤(B)の製造
製造例24〜32
後記表3に示す配合に従って各チタン系表面処理剤を製造した。なお、表3における配合は固形分量で示した。また、各組成物は脱イオン水により固形分2%に調整した。なお、チタン系表面処理剤B8及びB9は比較例用に製造した。
【0113】
【表3】
Figure 2004052057
【0114】
表3における(注1)〜(注3)の原料は、各々下記の内容のものである。
(注1)ニカゾールRX−672A:日本カーバイト工業社製、アクリル樹脂エマルション、固形分40%。
(注2)クラレRSポリマーRS−105:クラレ社製、ポリビニルアルコール、固形分10%。
(注3)アデカボンタイターUX−206:旭電化工業社製、ウレタン樹脂エマルション、固形分36%。
【0115】
試験塗板の作成
実施例1〜14及び比較例1〜7
板厚0.6mmの各種めっき鋼板(使用しためっき鋼板の種類およびその略号を後記表5に示す)を用い、後記表4に示す組み合わせにて下記処理工程で処理を行い各処理板を得た。
▲1▼ アルカリ脱脂
▲2▼ 水洗
▲3▼ 処理液(A)処理:前記表2に示す組成の処理液を使用し、浴温30℃の処理液に60秒間浸漬した。
▲4▼ 水洗
▲5▼ 水切り乾燥
▲6▼ チタン系表面処理剤(B)処理:前記表3に示す組成のチタン系表面処理剤を使用し、浴温30℃で30秒間浸漬処理した。
▲7▼ 焼き付け乾燥:雰囲気温度150℃で10分間行った。
【0116】
試験塗板の評価
上記で得られた各処理板について、裸耐食性を評価した。
【0117】
また、各処理板にマジクロン#1000ホワイト(関西ペイント社製、熱硬化型アクリル樹脂塗料、白色)を乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、160℃で20分間焼き付けて上塗塗装板を得た。得られた上塗塗装板について上層塗膜密着性及び耐食性(平面部及びカット部)を評価した。
【0118】
各評価は、下記試験方法に従って行った。結果を後記表4に記す。
【0119】
試験方法
裸耐食性:処理板の端面部及び裏面部をシールした試験塗板にJIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を240時間まで行い、試験時間240、360及び480時間での錆の程度を下記基準により評価した。
a:白錆の発生が認められない、
b:白錆の発生程度が塗膜面積の5%未満、
c:白錆の発生程度が塗膜面積の5%以上で10%未満、
d:白錆の発生程度が塗膜面積の10%以上で50%未満、
e:白錆の発生程度が塗膜面積の50%以上。
【0120】
上層塗膜密着性:上塗塗装板の塗膜面にナイフにて素地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れて1mm角のマス目を100個作成した。この碁盤目部にセロハン粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥がした際の上層塗膜の剥離程度を下記基準により評価した。
a:上層塗膜の剥離が全く認められない、
b:上層塗膜の剥離が1〜2個認められる、
c:上層塗膜の剥離が3〜9個認められる、
d:上層塗膜の剥離が10個以上認められる。
【0121】
耐食性(平面部):上塗塗装板の端面部及び裏面部をシールした試験塗板に、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を480時間まで行い錆の程度を下記基準により評価した。
a:白錆の発生が認められない、
b:白錆の発生程度が塗膜面積の5%未満、
c:白錆の発生程度が塗膜面積の5%以上で10%未満、
d:白錆の発生程度が塗膜面積の10%以上で50%未満、
e:白錆の発生程度が塗膜面積の50%以上。
【0122】
耐食性(カット部):上塗塗装板の端面部及び裏面部をシールした試験塗板の塗膜面にナイフにて素地に達するクロスの傷を入れて、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を120時間まで行い、クロスの傷にセロハン粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥がした際の上層塗膜の剥離幅を下記基準により評価した。
a:剥離幅1mm未満、
b:剥離幅1mm以上、3mm未満、
c:剥離幅3mm以上、5mm未満、
d:剥離幅5mm以上。
【0123】
【表4】
Figure 2004052057
【0124】
【表5】
Figure 2004052057
【0125】
【発明の効果】
本発明の金属の表面処理方法は、クロム系化合物を含有しない表面処理組成物による表面処理でありながら、クロム系表面処理に匹敵する防食性に優れた皮膜を形成することができ、ノンクロム系防錆鋼板には特に有用である。

Claims (9)

  1. 金属素材上に、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)を含有する処理液(A)を塗布、乾燥して第1の保護膜を形成した後、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(d)を含有してなるチタン系表面処理剤(B)を塗布、乾燥して第2の保護膜を形成することを特徴とする金属の表面処理方法。
  2. 水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)が、エポキシ基含有アクリル樹脂のエポキシ基に、分子中に少なくとも1つの活性水素基を有するアミン化合物を反応させて得られるアミン変性アクリル樹脂である請求項1に記載の金属の表面処理方法。
  3. エポキシ基含有アクリル樹脂が、エポキシ基含有不飽和単量体10〜60重量部とその他の不飽和単量体40〜90重量部との共重合体である請求項2に記載の金属の表面処理方法。
  4. アミン化合物がアルカノールアミンである請求項2に記載の金属の表面処理方法。
  5. 処理液(A)が、水溶性及び/又は水分散性有機樹脂(a)、リン酸系化合物、弗化水素酸、金属弗化水素酸及び金属弗化水素酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(b)、ならびにモリブデン化合物、タングステン化合物及びバナジウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)よりなるものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属の表面処理方法。
  6. チタン系表面処理皮膜が、加水分解性チタン、加水分解性チタン低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタン低縮合物から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを反応させて得られるチタンを含む水性液(d)ならびにリン酸系化合物、金属弗化水素酸、金属弗化水素酸塩及び有機酸から選ばれる少なくとも1種の化合物(f)を含有してなるチタン系表面処理剤(B)を塗布、乾燥してなるものである請求項5に記載の金属の表面処理方法。
  7. チタン系表面処理剤(B)が、チタンを含む水性液(d)の固形分100重量部に対して、化合物(f)を1〜400重量部の範囲内で含有するものである請求項6に記載の金属の表面処理方法。
  8. 第1の保護膜の乾燥皮膜重量が0.5〜10,000mg/mであり、第2の保護膜の乾燥皮膜重量が50〜5,000mg/mである請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属の表面処理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の表面処理方法を用いて得られる防食被覆金属材。
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