JP2008231418A - チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材 - Google Patents

チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材 Download PDF

Info

Publication number
JP2008231418A
JP2008231418A JP2008039569A JP2008039569A JP2008231418A JP 2008231418 A JP2008231418 A JP 2008231418A JP 2008039569 A JP2008039569 A JP 2008039569A JP 2008039569 A JP2008039569 A JP 2008039569A JP 2008231418 A JP2008231418 A JP 2008231418A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
zirconium
compound
coating agent
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008039569A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Nagai
彰典 永井
Osamu Isozaki
理 磯崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2008039569A priority Critical patent/JP2008231418A/ja
Publication of JP2008231418A publication Critical patent/JP2008231418A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、貯蔵安定性が良好で、かつ金属基材との密着性や耐食性が大幅に改善することができる新規なチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材を提供することである。
【解決手段】本発明は、(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、及び(B)加水分解性ジルコニウム化合物、加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物、水酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム化合物を過酸化水素水と反応させて得られるチタン・ジルコニウム含有水性液を含有するチタン・ジルコニウム含有膜形成用塗布剤である。また、本発明は、チタン・ジルコニウム膜形成方法及び該塗布剤による被膜が形成された被覆金属基材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材に関する。
従来、酸化チタン膜を形成する方法としては、(1)酸化チタンゾルを基材に塗布後、焼結する方法、(2)塩化チタンや硫酸チタンの水溶液を基材に塗布後、加熱処理する方法、(3)固体粒子を大気中で発生させたプラズマ中で溶融し、基材表面にたたき付けるプラズマ溶射方法、(4)真空中で酸化物のタ−ゲットをスパッタリングし基材上に成膜するスパッタ法、(5)有機金属化合物等を揮発させ電気炉の中で分解して基材上に膜を形成させるCVD法、(6)金属アルコキシドの加水分解で得たゾルを基材に塗布後、焼結するゾル−ゲル法等が挙げられる。
しかしながら、上記した(1)〜(6)の方法では、次のような問題点があった。(1)は、0.1μm以上の膜厚ではワレ、剥がれが生じるため造膜性が劣り、また数百度以上の温度で焼結する必要がある。(2)は、熱分解物による基材への悪影響があり、また数百度以上の温度で焼結する必要がある。(3)は、緻密な膜が形成できないものであり、基材に対する付着性が劣る。(4)及び(5)は、減圧下でなければ良好な膜が得られず、真空排気できる反応容器が必要である。さらに、一般に成膜速度が遅く、緻密な膜を得るためには数百度以上に基体を加熱する必要がある。(6)は、用いるゾル中に酸やアルカリあるいは有機物が加えられており、被コーティング材が腐蝕するという問題があり、さらに、有機物を除去するために400℃以上にする必要ある。
また、上記した欠点である高温焼結する工程を含まない方法としては、(7)酸化チタンのフッ化物水溶液と硼酸から酸化チタン膜を形成すること、(8)塩化チタンや硫酸チタン水溶液とアンモニアや苛性ソーダ等のアルカリ溶液から水酸化チタンゲルを沈殿させ、次いでデカンテーションによって水酸化チタンゲル分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え製造する方法(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
しかしながら、(7)は膜を形成するのに長時間を必要とすること、フッ化物の取り扱いが面倒であること、(8)は工程が複雑であること、アルカリ塩を除去する必要があること、他金属が混入し易く純度の高いものを得ることは難しいこと、pHのコントロールが難しくその変動によって得られるものが異なってしまうこと等の欠点がある。
これらの問題を解決し、容易に酸化チタン膜を形成することのできる無機膜形成用塗布液として、加水分解して水酸基になる基を含有するチタンモノマー及び/又はその低縮合物を過酸化水素水と反応させて得られることを特徴とする無機膜形成用塗布液が開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
上記無機膜形成用塗布液は簡単に製造することができ、しかも塗布するだけで容易に酸化チタン膜を形成できるため、この種の塗布液の用途が拡大してきている。
用途の拡大とともに塗布される基材として亜鉛、鉄、アルミニウムといった金属素材を用いるものも増加し、金属基材との密着性や、該塗布液の塗布による金属基材の耐食性の向上を要求されるようになってきた。検討の結果、上記塗布液にジルコニウム系化合物を添加することにより、金属基材との密着性や耐食性が大幅に改善できることが確認されている。上記チタン系塗布液が安定な状態で添加するにはジルコニウムフッ化物のようなジルコニウムハロゲン化物(例えば、特許文献4参照)が一般に用いられるが、フッ化水素のような毒性のある物質が存在するため、用途によっては使用が制限される。また、炭酸ジルコニル等も使用することは可能であるが、塗布液の安定性の点から少量の使用に限られる。
特開平9−71418号公報 特開2001−58825号公報 特開2001−89141号公報 特開2002−60975号公報
本発明の目的は、貯蔵安定性が良好で、かつ金属基材との密着性や耐食性が大幅に改善することができる新規なチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材を提供することである。
本発明者は、上記した目的を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のチタン化合物及び特定のジルコニウム化合物を過酸化水素水と反応させて得られるチタン・ジルコニウム含有水性液をチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤に用いることにより、従来からの欠点を全て解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材を提供するものである。
項1.(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、及び
(B)加水分解性ジルコニウム化合物、加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物、水酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム化合物
を過酸化水素水と反応させて得られるチタン・ジルコニウム含有水性液を含有するチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤。
項2.チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との比率が、TiとZrのモル比で(A)/(B)=95/5〜30/70の範囲内である上記項1に記載の塗布剤。
項3.加水分解性チタン化合物が、一般式
Ti(OR) (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)
で表されるテトラアルコキシチタンである上記項1又は2に記載の塗布剤。
項4.加水分解性ジルコニウム化合物が、一般式
Zr(OR’) (2)
(式中、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)
で表されるテトラアルコキシジルコニウムである上記項1〜3のいずれか一項に記載の塗布剤。
項5.加水分解性チタン化合物の低縮合物が、縮合度2〜30の化合物である上記項1〜4のいずれか一項に記載の塗布剤。
項6.加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物が、縮合度2〜30の化合物である上記項1〜5のいずれか一項に記載の塗布剤。
項7.さらに有機酸を含有する上記項1〜6のいずれか一項に記載の塗布剤。
項8.有機酸が、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、ヒドロキシル基含有有機亜リン酸、カルボキシル基含有有機亜リン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である上記項7に記載の塗布剤。
項9.さらにアンモニア、有機塩基性化合物及び無機塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する上記項1〜8のいずれか一項に記載の塗布剤。
項10.さらに光触媒能を有する酸化チタンを含有する上記項1〜9のいずれか一項に記載の塗布剤。
項11.さらに水性有機高分子化合物を含有する上記項1〜10のいずれか一項に記載の塗布剤。
項12.水性有機高分子化合物が、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖含有樹脂、オレフィン−重合性不飽和カルボン酸共重合体系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である上記項11に記載の塗布剤。
項13.水性高分子化合物の含有割合が、チタン・ジルコニウム含有水性液の固形分100重量部に対して、1〜2000重量部である上記項12に記載の塗布剤。
項14.さらに、ジルコニウム化合物(B)以外のジルコニウム化合物及び/又はバナジウム化合物を含有する上記項1〜13のいずれか一項に記載の塗布剤。
項15.上記項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤を基材に塗布あるいは含浸し、乾燥あるいは加熱処理することを特徴とするチタン・ジルコニウム膜形成方法。
項16.上記項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤を基材に塗布あるいは含浸し、乾燥あるいは加熱処理して得られる無機被膜上に、さらに光触媒能を有する被膜を形成することを特徴とする光触媒活性を有する被膜形成方法。
項17.金属基材表面に、上記項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤による被膜が形成された被覆金属基材。
項18.被膜の乾燥重量が、0.001〜10g/mである上記項17に記載の被覆金属基材。
項19.金属基材が、鋼板である上記項17に記載の被覆金属基材。
項20.金属基材が、アルミニウム又はアルミニウム合金である上記項17に記載の被覆金属基材。
本発明の塗布剤は、貯蔵安定性に優れたチタン・ジルコニウム含有水性液であり、金属基材との密着性や耐食性に優れていることから、クロムフリーの金属基材用表面処理剤として極めて有用なものである。また、本塗布剤により形成される被膜は光劣化しにくいことから光触媒作用を有する化合物と組合せることができ、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性、脱色性等の優れた被膜を基材に塗布するだけで容易に形成することができ有用なものである。
本発明の塗布剤は、(A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、及び
(B)加水分解性ジルコニウム化合物、加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物、水酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム化合物
を過酸化水素水と反応させて得られるチタン・ジルコニウム含有水性液を含有するものである。
チタン化合物(A)
本発明で用いるチタン・ジルコニウム含有水性液の製造に用いられるチタン化合物(A)は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物である。
上記加水分解性チタン化合物は、チタン原子に直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物において、チタン原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の一部が加水分解された水酸基になっていてもどちらでも構わない。
上記加水分解性基としては、水分と反応することにより水酸基を生成するものであれば特に制限されないが、例えば、低級アルコキシル基やチタン原子と塩を形成する基等が挙げられる。チタン原子と塩を形成する基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素等)、水素原子、硫酸イオン等が挙げられる。
加水分解性基として、低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタン化合物としては、例えば、テトラアルコキシチタン等が挙げられる。
加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタン等が代表的なものとして挙げられる。
加水分解性チタン化合物の低縮合物は、上記加水分解性チタン化合物同士の低縮合物である。該低縮合物は、チタン原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の一部が加水分解された水酸基となっていてもどちらでも構わない。
水酸化チタンの低縮合物としては、例えば、塩化チタン、硫酸チタン等の水溶液とアンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)等を使用できる。
上記加水分解性チタン化合物の低縮合物又は水酸化チタンの低縮合物における縮合度は、2〜30の範囲内であることが好ましく、特に2〜10の範囲内であることが好ましい。
該チタン化合物としては、特に一般式
Ti(OR) (1)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表されるテトラアルコキシチタンが好ましい。Rで示される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、iso−プロピル基、n−ブチル基が好ましい。
また、上記チタン化合物の低縮合物としては、上記一般式(1)の化合物をお互いに縮合反応させてなる縮合度2〜30の化合物が好ましく、縮合度2〜10の化合物がより好ましい。
ジルコニウム化合物(B)
本発明で用いるチタン・ジルコニウム含有水性液の製造に用いられるジルコニウム化合物(B)は、加水分解性ジルコニウム化合物、加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物、水酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム化合物である。
上記加水分解性ジルコニウム化合物は、ジルコニウム原子に直接結合する加水分解性基を有するジルコニウム化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化ジルコニウムを生成するものである。また、加水分解性ジルコニウム化合物において、ジルコニウム原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の一部が加水分解された水酸基になっていてもどちらでも構わない。
上記加水分解性基としては、水分と反応することにより水酸基を生成するものであれば特に制限されないが、例えば、低級アルコキシル基やジルコニウム原子と塩を形成する基等が挙げられる。ジルコニウム原子と塩を形成する基としては、例えば、ハロゲン原子(塩素等)、水素原子、硫酸イオン等が挙げられる。
加水分解性基として、低級アルコキシル基を含有する加水分解性ジルコニウム化合物としては、例えば、テトラアルコキシジルコニウム等が挙げられる。
加水分解性基として、ジルコニウムと塩を形成する基を有する加水分解性ジルコニウム化合物としては、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等が代表的なものとして挙げられる。
加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物は、上記加水分解性ジルコニウム化合物同士の低縮合物である。該低縮合物は、ジルコニウム原子に結合する基の全てが加水分解性基であっても、又加水分解性基の一部が加水分解された水酸基となっていてもどちらでも構わない。
水酸化ジルコニウムの低縮合物としては、例えば、塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等の水溶液とアンモニア、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液との反応により得られるオルトジルコニウム酸(水酸化ジルコニウムゲル)等を、使用できる。
上記加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物又は水酸化ジルコニウムの低縮合物における縮合度は、2〜30の範囲内であることが好ましく、特に2〜10の範囲内であることが好ましい。
該ジルコニウム化合物としては、特に一般式
Zr(OR’) (2)
(式中、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)で表されるテトラアルコキシジルコニウムが好ましい。R’で示される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、n−プロピル基が好ましい。
また、上記ジルコニウム化合物の低縮合物としては、上記一般式(2)の化合物をお互いに縮合反応させてなる縮合度2〜30の化合物が好ましく、縮合度2〜10の化合物がより好ましい。
チタン・ジルコニウム含有水性液
本発明におけるチタン・ジルコニウム含有水性液は、前記チタン化合物(A)及び上記ジルコニウム化合物(B)を過酸化水素水と反応させることにより得られるものである。
チタン・ジルコニウム含有水性液の製造方法としては、例えば下記のような方法を用いることができる。
(1)過酸化水素水中にチタン化合物(A)及びジルコニウム化合物(B)を全量添加し反応させる方法。
(2)過酸化水素水中にチタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との混合物又は反応物を滴下しながら反応させる方法。
(3)過酸化水素水中にチタン化合物(A)及びジルコニウム化合物(B)をそれぞれ滴下しながら反応させる方法。
(4)過酸化水素水中にチタン化合物(A)又はジルコニウム化合物(B)のどちらか一方を添加し、反応が少し進んだ段階で他方を添加する方法。
組合せる原料によって適宜製造方法を選択することができるものであり、例えば、チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との混合物が不安定な場合は(2)の方法以外の方法を採用することができる。
また、チタン化合物(A)やジルコニウム化合物(B)が固形又は高粘度の場合は適宜溶剤によって希釈して用いることができる。
さらに、水酸化チタンゲル、水酸化ジルコニウムゲル等のゲル状物に過酸化水素水を添加して反応させることもできる。
チタン化合物(A)やジルコニウム化合物(B)と過酸化水素との反応は発熱を伴うため、工業的には例えば、過酸化水素の水溶液をアンモニア等のアルカリでpH調整した中に、該水溶液を攪拌しながらアルコキシチタンの有機溶剤溶液とアルコキシジルコニウムの有機溶剤溶液とを別々に滴下しながら反応させることにより安定に製造できる。該pHとしては、7以上、特に7〜12、さらに特に8〜10の範囲内にすることが、得られる水性液の貯蔵安定性の点から好ましい。
チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との比率は、TiとZrのモル比で(A)/(B)=95/5〜30/70であることが好ましく、(A)/(B)=95/5〜50/50であることがより好ましい。チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)の比率がこの範囲であることにより、チタン・ジルコニウム含有水性液の製造の際に沈殿物の発生がなく、製造安定性に優れる。
チタン化合物(A)及びジルコニウム化合物(B)と過酸化水素水との比率は、チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との合計固形分100重量部に対し過酸化水素水が過酸化水素換算で1〜3,000重量部の範囲内であることが好ましく、10〜3,000重量部の範囲内であることがより好ましい。過酸化水素水の量が、過酸化水素換算で1重量部未満になると白濁沈殿を生じやすくなるので好ましくない。一方、3,000重量部を超えると未反応の過酸化水素が残存し易く貯蔵中に危険な活性酸素を放出する傾向があるため好ましくない。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は、特に限定されないが、3〜40重量%の範囲内であることが取り扱い易さの点から好ましい。
また、上記チタン化合物(A)及びジルコニウム化合物(B)と過酸化水素水との反応は、温度1〜70℃程度の範囲内で10分〜20時間程度であることが好ましい。この混合の際、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の水可溶性溶媒を使用することもできる。
チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤
チタン化合物(A)及びジルコニウム化合物(B)を過酸化水素水と反応させることにより得られるチタン・ジルコニウム含有水性液は、それ自体でも低温保管すれば安定であり、本発明のチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤(以下、単に塗布剤ということもある)として充分な性能を発揮する。しかし、高温での貯蔵安定性を得るには有機酸やアンモニア、有機塩基性化合物、無機塩基性化合物等の塩基性化合物を適宜添加することが好ましい。
ここで、当該塗布剤により形成されるチタン・ジルコニウム膜とは、酸化チタン及び/又は酸化ジルコニウムを含む複合酸化物膜であると推定されるが、これらの酸化物以外の化合物を含んでいてもよい。
上記有機酸としては、例えば、酢酸、シュウ酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等の有機カルボン酸;メタンスルフォン酸、エタンスルフォン酸、p−ベンゼンスルフォン酸等の有機スルフォン酸;2−アミノ−エタンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸等の有機スルフィン酸;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロピオン酸、ニトロカテコール、2−ニトロレゾルシノール、ニトロ安息香酸等の有機ニトロ化合物;フェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、サリチル酸、没食子酸、安息香酸、チオフェノール、2−アミノチオフェノール、4−エチルチオフェノール等のフェノール類;アミノ酢酸、エチレンジアミン4酢酸等のアミノ酸類;1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリメチレンホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリエチレンホスホン酸、ニトリロ(アミノ)トリプロピレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラエチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホン酸、N,N−ビス(2−ホスホエチル)ヒドロキシアミン、N,N−ビス(2−ホスホメチル)ヒドロキシアミン、2−ヒドロキシエチルホスホン酸ジメチルエーテルの加水分解物、2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸等の有機リン酸化合物等が挙げられる。
また、該有機酸の塩としては、上記有機酸に、アルカリ化合物を加えることにより形成される有機酸の塩を使用することができる。該アルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等を含有する有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。
該有機酸としては、水溶解性であるものが好ましい。
該有機酸としては、特に、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸;アミノ酢酸等のアミノ酸類;1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸等のヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、2−ヒドロキシホスホノ酢酸等のカルボキシル基含有有機亜リン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが、塗布剤の貯蔵安定性及び得られる塗膜の耐食性の点から好ましい。
チタン・ジルコニウム含有水性液及び有機酸の含有割合は、前者の固形分100重量部に対して、後者が1〜1000重量部程度の範囲、特に10〜500重量部程度の範囲であるのが好ましい。有機酸が1重量部未満になると、貯蔵安定性、耐食性等が低下する傾向があり、一方、有機酸が1000重量部を超えると、造膜性が劣り、上塗り塗膜の耐水密着性、耐食性等が低下する傾向があり、好ましくない。
なお、本明細書において、チタン・ジルコニウム含有水溶液の固形分100重量部とは、チタン・ジルコニウム含有水溶液中のチタン及びジルコニウム量をTiO及びZrOに換算した量100重量部のことを示すものである。
塩基性化合物としては、アンモニアの他、ジメチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、トリエタノールアミン等の有機塩基性化合物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基性化合物が挙げられる。
チタン・ジルコニウム含有水性液及び塩基性化合物の含有割合は、前者の固形分100重量部に対して、後者が0.001〜10重量部程度の範囲であることが好ましく、特に0.005〜5重量部程度の範囲であることが好ましい。塩基性化合物が0.001重量部未満になると、貯蔵安定性等が低下する傾向があり、一方、塩基性化合物が10重量部を超えると、造膜性が劣り、耐食性等が低下する傾向があり、好ましくない。
本発明の塗布剤は、必要に応じて、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の親水性溶剤を含んでいてもよい。
本発明の塗布剤は、必要に応じて、水及び/又は親水性溶剤を用いて、希釈して使用できる。
本発明の塗布剤には、必要に応じて、得られる塗膜の耐食性を更に向上せしめるために、無機リン酸化合物を含有させることができる。無機リン酸化合物としては、例えば、亜リン酸、強リン酸、三リン酸、次亜リン酸、次リン酸、トリメタリン酸、二亜リン酸、二リン酸、ピロ亜リン酸、ピロリン酸、メタ亜リン酸、メタリン酸、オルトリン酸等のモノリン酸類;モノリン酸類の誘導体及び塩類;トリポリリン酸、テトラリン酸、ヘキサリン酸等の縮合リン酸類;縮合リン酸類の誘導体及び塩類等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。また、これらのリン酸化合物はアルカリ化合物と塩を形成していてもよく、該アルカリ化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等を含有する有機又は無機アルカリ化合物が挙げられる。
無機リン酸化合物としては、水に溶解性のあるものを使用することが好ましい。
無機リン酸化合物としては、特に、オルトリン酸、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウム、メタリン酸、メタリン酸アンモニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を使用することが、塗布剤の貯蔵安定性、得られる塗膜の耐食性等に優れた効果を発揮することから、好ましい。
無機リン酸化合物を使用する場合、チタン・ジルコニウム含有水性液に対する該リン酸化合物の含有割合は、前者の固形分100重量部に対して、後者が1〜400重量部程度の範囲であることが好ましく、特に10〜200重量部程度の範囲であることが好ましい。
本発明の塗布剤には、必要に応じて、得られる塗膜の耐食性を更に向上せしめるために、チタンハロゲン化物、チタンハロゲン化物塩、ジルコニウムハロゲン化物、ジルコニウムハロゲン化物塩、シリコンハロゲン化物及びシリコンハロゲン化物塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化物を含有させることができる。
このハロゲン化物を構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、ヨウ素等が挙げられる。ハロゲンとしては、特にフッ素が塗布剤の貯蔵安定性、塗膜の耐食性、耐湿性等に優れた性能を有する点から、好ましい。また、ハロゲン化物の塩を形成するものとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等が挙げられる。塩を形成するものとしては、カリウム、ナトリウム又はアンモニウムが好ましい。
上記ハロゲン化物としては、例えば、チタンフッ化水素酸等のチタンハロゲン化物、チタンフッ化カリウム、チタンフッ化アンモニウム等のチタンハロゲン化物塩、ジルコニウムフッ化水素酸等のジルコニウムハロゲン化物、ジルコニウムフッ化アンモニウム、ジルコニウムフッ化カリウム等のジルコニウムハロゲン化物塩、珪フッ化水素酸等のシリコンハロゲン化物、珪フッ化ナトリウム、珪フッ化アンモニウム、珪フッ化カリウム等のシリコンハロゲン化物塩等が好ましい。
本発明の塗布剤に、上記ハロゲン化物を含有させる場合の含有割合は、通常、チタン・ジルコニウム含有水性液の固形分100重量部に対して、1〜400重量部程度の範囲であることが好ましく、特に10〜200重量部程度の範囲であることが好ましい。
本発明の塗布剤には、塗膜の造膜性、上塗り塗料の密着性の点から、水性有機高分子化合物を含有することが好ましい。
水性有機高分子化合物としては、水溶液、水分散液又はエマルションの形態を有するものを使用することができる。有機高分子化合物を、水に水溶化、分散化又はエマルション化させる方法としては、公知の方法を使用して行うことができる。
水性有機高分子化合物の具体例としては、例えば、単独で水溶化又は水分散化できる官能基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、スルフィド基、ホスフィン基等の少なくとも1種)を含有するもの等を挙げることができ、必要に応じて該化合物が有する官能基の一部又は全部を中和したものを使用してもよい。この場合の中和は、水性有機高分子化合物がカルボキシル基含有樹脂等の酸性樹脂であれば、エタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物;アンモニア水;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等で中和され、又アミノ基含有樹脂等の塩基性樹脂であれば、酢酸、乳酸等の脂肪酸;リン酸等の鉱酸等で中和される。
かかる水性有機高分子化合物としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖含有樹脂、オレフィン−重合性不飽和カルボン酸共重合体系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。
上記水性有機高分子化合物の内、好ましいものとしては、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖含有樹脂、オレフィン−重合性不飽和カルボン酸共重合体系樹脂等が挙げられる。
また、水性有機高分子化合物として、親水性の高いものを使用した塗布剤によれば、耐食性と親水性を兼ね備えた被膜を形成でき、アルミニウム又はアルミニウム合金製のフィンの親水化処理剤として好適である。
上記エポキシ系樹脂としては、エポキシ樹脂にアミンを付加してなるカチオン系エポキシ樹脂;アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂などを好適に使用できる。カチオン系エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ化合物と、1級モノ−又はポリアミン、2級モノ−又はポリアミン、1,2級混合ポリアミンなどとの付加物(例えば、米国特許第3984299号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2級モノ−又はポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第4017438号明細書参照);エポキシ化合物とケチミン化された1級アミノ基を有するヒドロキシル化合物とのエーテル化反応生成物(例えば、特開昭59−43013号公報参照)などがあげられる。
上記エポキシ化合物としては、数平均分子量が400〜4,000、特に800〜2,000の範囲内にあり、かつエポキシ当量が190〜2,000、特に400〜1,000の範囲内にあるものが適している。そのようなエポキシ化合物は、例えば、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得ることができる。ポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどがあげられる。
上記フェノール系樹脂としては、フェノール成分とホルムアルデヒド類とを反応触媒の存在下で加熱して付加、縮合させて得られる高分子化合物を水溶化したものを好適に使用することができる。出発原料である上記フェノール成分としては、2官能性フェノール化合物、3官能性フェノール化合物、4官能性以上のフェノール化合物などを使用することができる。2官能性フェノール化合物としては、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノールなど、3官能性フェノール化合物としては、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールなど、4官能性フェノール化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールFなど、を例示することができる。これらのフェノール化合物は1種で、又は2種以上混合して使用することができる。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基などの親水性基を持ったモノマーの単独重合体又は共重合体、親水性基を持ったモノマーとその他の共重合可能なモノマーとの共重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、乳化重合、懸濁重合又は溶液重合し、必要に応じて、中和、水性化して得られる。また、得られた樹脂を、必要に応じて、更に変性しても良い。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸などを挙げることができる。
含窒素モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの含窒素アルキル(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の重合性アミド類;2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジンなどの芳香族含窒素モノマー;アリルアミンなどが挙げられる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物;上記多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのモノエステル化物にε−カプロラクトンを開環重合した化合物などが挙げられる。
その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。これらの化合物は、1種で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。
上記ウレタン系樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとジイソシアネートから得られるポリウレタン樹脂を、必要に応じてジオール、ジアミン等のような2個以上の活性水素を持つ低分子量化合物である鎖伸長剤の存在下で鎖伸長し、水中に安定に分散又は溶解させたものを好適に使用できる。かかるウレタン系樹脂としては、例えば、特公昭42−24192号、特公昭42−24194号、特公昭42−5118号、特公昭49−986号、特公昭49−33104号、特公昭50−15027号、特公昭53−29175号公報等に記載された公知のものを、広く使用できる。
ポリウレタン樹脂を水中に安定に分散又は溶解させる方法としては、例えば下記の方法が利用できる。
(1)ポリウレタン樹脂の側鎖又は末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基等のイオン性基を導入することにより親水性を付与し、自己乳化により水中に分散又は溶解する方法。
(2)反応の完結したポリウレタン樹脂、又は末端イソシアネート基をブロック剤でブロックしたポリウレタン樹脂を、乳化剤と機械的剪断力を用いて強制的に水中に分散する方法。このブロック剤としては、オキシム、アルコール、フェノール、メルカプタン、アミン、重亜硫酸ソーダ等を挙げることができる。
(3)末端イソシアネート基を持つポリウレタン樹脂を、水、乳化剤及び鎖伸長剤と混合し、機械的剪断力を用いて分散化と高分子量化を同時に行う方法。
(4)ポリウレタン樹脂の原料ポリオールとして、ポリエチレングリコールのごとき水溶性ポリオールを使用して得られたポリウレタン樹脂を、水中に分散又は溶解する方法。
上記ポリウレタン樹脂の分散又は溶解方法によって得られた水性樹脂は、単独で又は二種以上を混合して、使用できる。
上記ポリウレタン系樹脂の合成に使用できるジイソシアネートとしては、芳香族、脂環族及び脂肪族のジイソシアネートが挙げられる。具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,3−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、1,4−(ジイソシアナトメチル)シクロヘキサノン、4,4’−ジイソシアナトシクロヘキサノン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのうち2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好ましい。
上記ポリウレタン系樹脂の市販品としては、例えば、「ハイドランHW−330」、「ハイドランHW−340」、「ハイドランHW−350」(いずれも大日本インキ化学工業(株)製、商品名)、「スーパーフレックス100」、「スーパーフレックス150」、「スーパーフレックスF−3438D」(いずれも第一工業製薬(株)製、商品名)などを挙げることができる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、ケン化度87%以上のポリビニルアルコールであることが好ましく、ケン化度98%以上の、いわゆる完全ケン化ポリビニルアルコールであることが特に好ましい。また、数平均分子量が3,000〜100,000の範囲内にあることが好適である。
上記ポリオキシアルキレン鎖含有樹脂としては、ポリオキシエチレン鎖又はポリオキシプロピレン鎖を有するものが好適に使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖とがブロック状に結合したブロック化ポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができる。
上記オレフィン−重合性不飽和カルボン酸共重合体系樹脂としては、エチレン、プロピレン等のオレフィンと(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の重合性不飽和カルボン酸との共重合体、及び該共重合体の水分散液に重合性不飽和化合物を加えて乳化重合しさらに粒子内架橋してなる樹脂の2種から選ばれる少なくとも1種の水分散性樹脂又は水溶性樹脂を、好適に使用できる。
上記オレフィンと重合性不飽和カルボン酸との共重合体は、一種以上のオレフィンと一種以上の重合性不飽和カルボン酸との共重合体である。該共重合体においては、モノマー含有量として、該不飽和カルボン酸が3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲内であることが適当である。この共重合体中の酸基を塩基性物質で中和することにより水に分散できる。
上記共重合体の水分散液に、重合性不飽和化合物を加えて乳化重合し、さらに粒子内架橋してなる架橋樹脂における該重合性不飽和化合物としては、例えば前記水分散性又は水溶性のアクリル系樹脂の説明で列挙したビニルモノマー類等が挙げられ、1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。
本発明の塗布剤に、水性高分子化合物を含有させる場合の含有割合は、通常、チタン・ジルコニウム含有水性液の固形分100重量部に対して1〜2,000重量部、特に5〜1,000重量部の範囲内が塗布剤の安定性、得られるチタン・ジルコニウム膜の耐食性などの点から好ましい。
本発明の塗布剤には、必要に応じて、塗膜の耐酸性、耐アルカリ性等を向上せしめるために、Mg、Ca、Sr、Al、Ca、Ti、V、Mn、Co、Fe、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Ta、W等の2価以上の金属イオンを含有させることができる。これらの中でも、Zr、Vの金属イオンを含有させることが好ましい。
Zrの金属イオンを塗布剤に添加せしめるためのジルコニウム化合物としては、ジルコニウム化合物(B)以外のジルコニウム化合物であれば特に限定はされないが、耐食性及び耐アルカリ性、液安定性の点から、特に炭酸ジルコニウムアンモニウムが好ましい。添加量としては、チタン・ジルコニウム含有水溶液の固形分100重量部に対して10〜500重量部程度の範囲であることが好ましく、50〜200重量部程度の範囲であることがより好ましい。添加量が10重量部未満であると、上記効果が充分でない傾向があり、500重量部をこえると造膜性が低下する傾向がある。
Vの金属イオンを塗布剤に添加せしめるためのバナジウム化合物としては、耐食性や造膜性の点から、特にメタバナジン酸アンモニウムや五酸化バナジウムが好ましい。添加量としては、チタン・ジルコニウム含有水溶液の固形分100重量部に対して10〜100重量部程度の範囲であることが好ましく、特に10〜70重量部程度の範囲であることがより好ましい。添加量が10重量部未満であると、上記効果が充分でない傾向があり、100重量部を超えると耐アルカリ性、耐水性が低下する傾向がある。
本発明の塗布剤には、必要に応じて、更に、各種の添加物を含有することもできる。添加物としては、例えば、増粘剤、防菌剤、防錆剤、酸化チタンゾル、酸化チタン粉末、体質顔料、防錆顔料、着色顔料、界面活性剤等を挙げることができる。防錆剤としては、例えば、タンニン酸、フィチン酸、ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。体質顔料としては、例えば、マイカ、タルク、シリカ、微粉シリカ、バリタ、クレー等を挙げることができる。体質顔料を添加することにより、投錨効果により、塗料を塗り重ねる場合の密着性を向上させることができるという利点が得られる。
上記、酸化チタンゾル、酸化チタン粉末等が光触媒能を有するものを使用した場合は、光触媒活性を有する被膜を得ることができる。光触媒性チタンは従来公知のものを使用することができる。本発明の塗布剤は有機樹脂を添加しなければ無機系の水性液であり、従来からある光触媒性チタンを安定に分散できるだけでなく、得られる塗膜も無機膜であるため光触媒による劣化も少なく、耐候性に優れるという利点を有する。
また、同様に、本発明の塗布剤による被膜を形成した後、該被膜上に光触媒能を有する被膜を形成することもできる。本発明の塗布剤による被膜は光触媒による劣化を受けにくく有利である。
本発明の塗布剤は、金属基材や金属以外の基材に塗布あるいは含浸させ、乾燥あるいは加熱処理することにより容易に無機膜を形成することができる。
金属基材としては、少なくとも表面が金属である基材であれば、特に制限されない。例えば、表面が、鉄、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、銅、錫、これらのいずれかの金属を含む合金である基材を挙げることができる。特に、鋼板基材及びアルミニウム又はアルミニウム合金基材を用いるのが、好ましい。
上記鋼板基材としては、例えば、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、鉄−亜鉛合金めっき鋼板、ニッケル−亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板等を挙げることができる。また、アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板としては、例えば、「ガルバリウム」、「ガルファン」という商品名で販売されているものを挙げることができる。また、鋼板基材として、クロム酸塩処理、リン酸亜鉛処理、複合酸化膜処理等の化成処理を施した亜鉛系めっき鋼板も使用することもできる。更に、鋼鈑基材は、鋼板が組み立てられたものであっても構わない。
また、上記アルミニウム又はアルミニウム合金基材としては、特に限定されないが、代表例として、熱交換器用のフィンを挙げることができる。該基材としての熱交換器用フィンとしては、熱交換器に組み立てられる前の部材であっても、又熱交換器に組み立てられた状態のものであっても良く、公知のものをいずれも使用できる。
本発明の塗布剤を、金属基材に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装、電着塗装等の公知の方法によって塗装することができる。塗布剤の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約60〜250℃となる加熱条件で約2秒から約30分間乾燥させることが好適である。
また、塗布剤の塗布量としては、通常、乾燥被膜重量が0.001〜10g/m程度、特に0.1〜5g/mとなる量とするのが好ましい。0.001g/m未満になると、耐食性、耐水性等の性能が劣り、一方10g/mを超えると、被膜が割れたり、耐食性等が低下するので好ましくない。
金属基材以外の基材としては、特に制限されない。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ブチラール樹脂、繊維素樹脂、フェノール樹脂等、これらの2種以上の樹脂が組合わさった樹脂からなるプラスチック基材;ガラス、セメント等の無機基材;木材、紙、繊維等のパルプ基材;これらのプラスチック基材、無機基材、パルプ基材に表面処理やプライマーが施された基材等を挙げることができる。
上記基材に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗装、シャワー塗装、スプレー塗装、ロール塗装等の公知の方法によって塗装することができる。塗布剤の乾燥条件は、通常、素材到達最高温度が約20〜150℃となる加熱条件で約2秒〜約30分間乾燥させることが好適である。
本発明の塗布剤により被膜を形成した基材上には、必要に応じて、上層被膜を形成することもできる。この上層被膜を形成する組成物は、目的に応じて適宜選定すればよく、種々の塗料組成物を使用することができる。この塗料組成物としては、例えば、潤滑被膜形成組成物、高耐食性被膜形成組成物、プライマー塗料、着色上塗塗料等を挙げることができる。潤滑被膜形成組成物、高耐食性被膜形成組成物又はプライマー塗料を塗装、乾燥し、さらにその上に着色上塗塗料を塗装してもよい。
本発明の塗布剤で被覆されたアルミニウム又はアルミニウム合金基材は、耐食性、親水性、密着性、加工性等に優れた被膜を有しているが、これに光照射を行うことにより、更に親水性を向上させることができる。
また、アルミニウム又はアルミニウム合金基材に、本発明の塗布剤を被覆した被覆基材が、熱交換器用フィンとして使用するものである場合には、必要に応じて、該被膜上に、更に親水化処理被膜を形成することができる。
上記親水化処理被膜は、表面が親水性で十分な被膜強度を有し、耐水性、下地処理被膜への密着性が良好なものである。上記親水化処理被膜の形成は、通常、親水化処理組成物を、塗布、乾燥することによって、好適に行うことができる。
親水化処理組成物としては、親水性被膜形成性バインダを含有するものが好ましい。好ましい親水性被膜形成性バインダとしては、例えば、(1)親水性有機樹脂を主成分とし、必要に応じて架橋剤を組合せてなる有機樹脂系バインダ、(2)親水性有機樹脂とコロイダルシリカを主成分とし、必要に応じて架橋剤を組合せてなる有機樹脂・コロイダルシリカ系バインダ、(3)主成分のアルカリ珪酸塩とアニオン系又はノニオン系水性有機樹脂との混合物である水ガラス系バインダ等を挙げることができる。これらのバインダの内、有機樹脂系バインダ(1)、有機樹脂・コロイダルシリカ系バインダ(2)がより好ましい。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の例に限定されるものではない。各例に記載の「部」及び「%」は重量基準である。
チタン・ジルコニウム含有水性液の製造
製造例1
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにテトラiso−プロポキシチタン1.4部とテトラn−プロポキシジルコニウム1.63部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、10%のアンモニア水を0.5部加えてよく攪拌し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P1を調製した。
製造例2
テトラiso−プロポキシチタン13部とテトラn−プロポキシジルコニウム20部を脱イオン水2000部の中に攪拌しながら滴下して加水分解した。析出した沈殿物をろ過、水洗し、チタン−ジルコニウム加水分解物を得た。35%の過酸化水素水100部に25%のアンモニア水を20部添加し、氷浴で10℃まで冷却した。ここに上記チタン−ジルコニウム加水分解物を30分かけて添加した。さらに30分間反応させた後、60%1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を50部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として5%のチタン−ジルコニウム含有水性液P2を調製した。
製造例3
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにテトラiso−プロポキシチタン1.4部とテトラn−プロポキシジルコニウム1.63部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、グリコール酸アンモニウムを3.0部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P3を調製した。
製造例4
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにテトラiso−プロポキシチタン1.4部とテトラn−プロポキシジルコニウム1.63部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、乳酸を1.0部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P4を調製した。
製造例5
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにテトラiso−プロポキシチタン1.4部とテトラn−プロポキシジルコニウム1.63部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを0.5部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P5を調製した。
製造例6
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。テトラn−ブトキシチタン1.68部とテトラn−ブロポキシジルコニウム1.61部を混合して30分間攪拌し、これを前述の過酸化水素中に1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、グリコール酸を1.5部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P6を調製した。
製造例7
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。テトラn−ブトキシチタン2.14部とテトラn−ブロポキシジルコニウム1.05部を混合し、還流冷却器を取り付けたフラスコ中、40℃で30分間攪拌し、これを前述の過酸化水素中に1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、60%1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を3.3部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン−ジルコニウム含有水性液P7を調製した。
製造例8
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。テトラn−ブトキシチタン6.42部とテトラn−ブロポキシジルコニウム3.15部を混合して30分間攪拌し、これを前述の過酸化水素中に1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、クエン酸アンモニウムを5.0部を添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として3%のチタン−ジルコニウム含有水性液P8を調製した。
チタン含有水性液の製造
比較製造例1
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにチタンイソプロポキシド3.6部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン含有水性液R1を調製した。
比較製造例2
35%の過酸化水素水100部をアンモニア水でpH8.4に調整し、氷浴で10℃まで冷却した。ここにチタンイソプロポキシド3.6部を攪拌しながら1時間かけて滴下した。さらに2時間反応させた後、60%1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を3.3部添加し、30分間さらに攪拌した。得られた赤橙色透明の液体をろ過し、脱イオン水を加えて金属酸化物濃度として1%のチタン含有水性液R2を調製した。
水性液の貯蔵安定性
上記製造例及び比較製造例で得られた各水性液をガラス瓶に入れて蓋をし、各々を5℃、20℃及び40℃の恒温室に1週間保管した後、液の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
a:透明性を保ったまま安定である
b:わずかに沈殿物が見られる
c:大量の沈殿物が発生するか、または液が著しく増粘する
Figure 2008231418
塗布剤の作製及び性能試験結果(1)
実施例1〜11及び比較例1〜4
上記製造例及び比較製造例で作製した水性液を用いて下記表2に示す配合に従って各塗布液を作製した。実施例5については、製造例2で調製したチタン−ジルコニウム含有水性液P2中のチタン及びジルコニウム量をTiO及びZrOに換算した量100重量部に対して五酸化バナジウム50部を、水性液P2を攪拌している間に30分かけて添加し、さらに添加後30分攪拌して完全に溶解させて塗布剤を調製した。なお、表2中のTi/Zrモル比率は、TiO/ZrOモル比率で表したものであり、その他の配合量は固形分で表したものである。
表2中の化合物Aは下記*1に示すものである。また、比較のため現行のクロム系表面塗布剤を比較例4として挙げた。該塗布剤は下記*2に示すものである。
*1 化合物A:「ジルコゾールAC−7」、商品名、第一稀元素化学工業(株)製、金属酸化物(ZrO)濃度として13%の炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液。
化合物B:「デンカポバールK−17」、商品名、電気化学工業(株)製、ポリビニルアルコール、分子量約7500、ケン化度 100%。
化合物C:下記製造方法により得られたアクリル樹脂。
アクリル樹脂の製造方法:温度計、攪拌装置、冷却器、滴下ロートを備えた1リットルの四つ口フラスコに、イソプロピルアルコール180部を入れ、窒素置換の後、フラスコ内の温度を85℃に調整し、エチルアクリレート140部、メチルメタクリレート68部、スチレン15部、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド15部、2−ヒドロキシエチルアクリレート38部およびアクリル酸24部からなる単量体混合物を、重合触媒である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部とともに約2時間かけて滴下した。滴下終了後同じ温度で、更に5時間反応を続け固形分約63%、樹脂酸価約67mgKOH/gの無色透明な樹脂溶液が得られた。この樹脂溶液500部に対してジメチルアミノエタノール108部を混合し、脱イオン水を加えて充分に攪拌することにより、水性高分子化合物である固形分30%のアクリル樹脂水分散液(化合物C)を得た。
*2 「コスマー2026C」:商品名、関西ペイント(株)製、クロム系表面処理液(6価クロム含有タイプ)。
得られた各塗布剤の液安定性を評価するとともに、各塗布剤をアルカリ脱脂した0.6mm亜鉛めっき鋼板の上に、乾燥被膜量が0.5g/mとなるようにしてバーコーターで塗装した後、素材最高到達温度(PMT)が100℃となる条件で20秒間乾燥して試験用塗板を作製した。得られた各塗板について塗面外観及び耐食性を下記基準で評価した。その結果を表3に示す。
液安定性:各塗布剤をガラス瓶に入れて蓋をし、各々を40℃の恒温室に入れて1ヶ月保管した後、液の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
a:初期の状態と変化が見られず安定である
b:わずかに沈殿物が見られる
c:大量の沈殿物が発生するか、液が著しく増粘する
塗面外観:塗板の表面を目視で観察し、以下の基準で評価した。
a:外観に異常が認められない
b:膜が濁るか、細かいブツが認められる
c:膜が割れたり剥がれたりして正常な塗面にならない
耐食性:各塗板について、JIS Z2371の塩水噴霧試験法に準じて測定した。試験温度は35℃及び試験時間は120時間とし、以下の基準で評価した。
a:塗面に何ら異常が認められない
b:かすかに白錆びが認められる
c:塗面の一部に白錆びが認められる
d:全面に白錆びが認められる、又は赤錆が認められる
Figure 2008231418
Figure 2008231418
塗布剤の作製及び性能試験結果(2)
実施例12〜15及び比較例5〜6
前記製造例及び比較製造例で作製した水性液を用いて下記表4に示す配合に従って各処理液を作製した。表4中のTi/Zrモル比率は、TiO/ZrOモル比率で表したものであり、その他の配合量は固形分で表したものである。添加物は下記内容のものである。
*3 化合物A:「ジルコゾールAC−7」、商品名、第一稀元素化学工業(株)製、金属酸化物(ZrO)濃度として13%の炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液。
*4 リン酸:オルトリン酸
板厚0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SD)の表面を、アルカリ脱脂剤(日本シービーケミカル社製、商品名「ケミクリーナー561B」)を溶解した濃度2%の水溶液を、液温65℃で20秒間スプレーして脱脂後、60℃の温水を20秒間スプレーして洗浄した。この脱脂した鋼板に、各塗布剤を乾燥被膜重量が1g/mとなるようにスプレー塗装し、雰囲気温度250℃で15秒間(素材到達温度が100℃)乾燥して、下地処理被膜を形成した。
上記各下地処理板上に「アミラック#1000ホワイト」(関西ペイント(株)製、商品名、熱硬化型アルキド樹脂系塗料、白色)を乾燥被膜重量が20g/mとなるようにスプレー塗装し、雰囲気温度130℃で20分間焼き付けて上層塗膜を形成して、試験塗板を得た。
下地処理用の塗布剤の液安定性、並びに得られた各試験塗板について耐食性及び上層塗膜の密着性の試験を下記方法に従って行った。得られた結果を表5に示す。
液安定性:各塗布剤をガラス瓶に入れて蓋をし、各々を40℃の恒温室に入れて1ヶ月保管した後、液の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
a:初期の状態と変化が見られず安定である
b:わずかに沈殿物が見られる
c:大量の沈殿物が発生するか、液が著しく増粘する
耐食性:各試験塗板の端面部及び裏面部をシールした後、試験塗板の塗膜面に、ナイフにより素地に達するクロスカットを入れた後、JIS Z2371に規定する塩水噴霧試験を120時間、および240時間行った。試験後の試験塗板のクロスカット部に粘着テープを貼り付けた後瞬時にテープを剥がした際の上層塗膜の剥離幅を、下記基準により評価した。
a:剥離幅が1mm未満
b:剥離幅が1mm以上で3mm未満
c:剥離幅が3mm以上で5mm未満
d:剥離幅が5mm以上
密着性:各試験塗板の塗膜面に、ナイフにて素地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れて1mm角のマス目を100個作製した。この碁盤目部に粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥がした際の上層塗膜の剥離程度を下記基準により評価した。
a:上層塗膜の剥離が全く認められない
b:上層塗膜の剥離が1〜2個認められる
c:上層塗膜の剥離が3〜10個認められる
d:上層塗膜の剥離が11個以上認められる
Figure 2008231418
Figure 2008231418
塗布剤の作製及び性能試験結果(3)
実施例16〜18及び比較例7〜9
前記製造例及び比較製造例で作製した水性液を用いて下記表6に示す配合に従って各塗布液を作製した。表6中のTi/Zrモル比率は、TiO/ZrOモル比率で表したものであり、その他の配合量は固形分で表したものである。添加物は下記内容のものである。
*5 化合物A:「ジルコゾールAC−7」、商品名、第一稀元素化学工業社製、金属酸化物(ZrO)濃度として13%の炭酸ジルコニールアンモニウム水溶液。
化合物B:「デンカポバールK−17」、商品名、電気化学工業(株)製、ポリビニルアルコール、分子量約7500、ケン化度 100%。
得られた各塗布液をアルカリ脱脂した0.1mmのアルミニウム板(A1050)上に、乾燥被膜量が0.3g/mとなるようにしてバーコーターで塗装した後、素材最高到達温度(PMT)が100℃となる条件で10秒間乾燥した後、「コスマー1310」(商品名、関西ペイント(株)製、コロイダルシリカと親水性有機樹脂を主成分とする親水化処理組成物)を1μmの膜厚で塗装し、素材最高到達温度(PMT)が100℃となる条件で10秒間乾燥して試験用塗板を作製した。得られた各塗板について下記試験を行った。得られた結果を表7に示す。
耐食性:各塗板について、JIS Z2371の塩水噴霧試験法に準じて測定した。試験温度は35℃であり、試験時間240時間及び360時間において塗面を、以下の基準で評価した。
a:塗面に何ら異常が認められない
b:かすかに白錆びが認められる
c:塗面の一部に白錆びが認められる
d:全面に白錆びが認められる、又は黒変が認められる
親水性(接触角):各塗板を脱イオン水中に120時間没水し、没水前後の水接触角を測定し、以下の基準に従って評価した。なお、水接触角は、塗板を80℃で5分間乾燥させた後、塗面上に注射器にて約0.04ccの脱イオン水を滴下し水滴を形成し、水滴の接触角を協和科学(株)製「コンタクタングルメーターDCAA型」にて測定した。
a:10°未満
b:10°以上で20°未満
c:20°以上で40°未満
d:40°以上
Figure 2008231418
Figure 2008231418

Claims (20)

  1. (A)加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン及び水酸化チタンの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物、及び
    (B)加水分解性ジルコニウム化合物、加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物、水酸化ジルコニウム及び水酸化ジルコニウムの低縮合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジルコニウム化合物
    を過酸化水素水と反応させて得られるチタン・ジルコニウム含有水性液を含有するチタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤。
  2. チタン化合物(A)とジルコニウム化合物(B)との比率が、TiとZrのモル比で(A)/(B)=95/5〜30/70の範囲内である請求項1に記載の塗布剤。
  3. 加水分解性チタン化合物が、一般式
    Ti(OR) (1)
    (式中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)
    で表されるテトラアルコキシチタンである請求項1又は2に記載の塗布剤。
  4. 加水分解性ジルコニウム化合物が、一般式
    Zr(OR’) (2)
    (式中、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す)
    で表されるテトラアルコキシジルコニウムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布剤。
  5. 加水分解性チタン化合物の低縮合物が、縮合度2〜30の化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布剤。
  6. 加水分解性ジルコニウム化合物の低縮合物が、縮合度2〜30の化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗布剤。
  7. さらに有機酸を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗布剤。
  8. 有機酸が、ヒドロキシカルボン酸、アミノ酸、ヒドロキシル基含有有機亜リン酸、カルボキシル基含有有機亜リン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項7に記載の塗布剤。
  9. さらにアンモニア、有機塩基性化合物及び無機塩基性化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の塗布剤。
  10. さらに光触媒能を有する酸化チタンを含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の塗布剤。
  11. さらに水性有機高分子化合物を含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の塗布剤。
  12. 水性有機高分子化合物が、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリオキシアルキレン鎖含有樹脂、オレフィン−重合性不飽和カルボン酸共重合体系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリグリセリン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項11に記載の塗布剤。
  13. 水性高分子化合物の含有割合が、チタン・ジルコニウム含有水性液の固形分100重量部に対して、1〜2000重量部である請求項12に記載の塗布剤。
  14. さらに、ジルコニウム化合物(B)以外のジルコニウム化合物及び/又はバナジウム化合物を含有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の塗布剤。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤を基材に塗布あるいは含浸し、乾燥あるいは加熱処理することを特徴とするチタン・ジルコニウム膜形成方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤を基材に塗布あるいは含浸し、乾燥あるいは加熱処理して得られる無機被膜上に、さらに光触媒能を有する被膜を形成することを特徴とする光触媒活性を有する被膜形成方法。
  17. 金属基材表面に、請求項1〜14のいずれか一項に記載の塗布剤による被膜が形成された被覆金属基材。
  18. 被膜の乾燥重量が、0.001〜10g/mである請求項17に記載の被覆金属基材。
  19. 金属基材が、鋼板である請求項17に記載の被覆金属基材。
  20. 金属基材が、アルミニウム又はアルミニウム合金である請求項17に記載の被覆金属基材。
JP2008039569A 2007-02-22 2008-02-21 チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材 Pending JP2008231418A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008039569A JP2008231418A (ja) 2007-02-22 2008-02-21 チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007042237 2007-02-22
JP2008039569A JP2008231418A (ja) 2007-02-22 2008-02-21 チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008231418A true JP2008231418A (ja) 2008-10-02

Family

ID=39904599

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008039569A Pending JP2008231418A (ja) 2007-02-22 2008-02-21 チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2008231418A (ja)
CN (1) CN101265376B (ja)
TW (1) TW200837156A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012206907A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Toto Ltd 衛生陶器
WO2015056355A1 (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 日本パーカライジング株式会社 金属材料用表面処理剤、表面処理金属材料の製造方法
US9739544B2 (en) 2012-03-09 2017-08-22 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Surface treatment method for aluminum heat exchangers
US9757811B2 (en) 2011-09-21 2017-09-12 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Method for treating surface of aluminum heat exchanger
US9896766B2 (en) 2013-04-03 2018-02-20 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Surface processing method for aluminum heat exchanger
JP2022521951A (ja) * 2019-03-01 2022-04-13 ハウメット エアロスペース インコーポレイテッド ホスホネート官能化層を含む金属基板処理方法および物品
CN114438483A (zh) * 2021-12-31 2022-05-06 奎克化学(中国)有限公司 用于热镀铝锌金属材料的多金属复合无铬钝化液

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI482881B (zh) * 2008-12-17 2015-05-01 Zen Material Technologies Inc The surface treatment method of the magnesium-containing substrate and the products thereof, and the polishing liquid and the coating liquid used
JP5806805B2 (ja) * 2010-03-26 2015-11-10 株式会社神戸製鋼所 熱交換器用アルミニウムフィン材
JP5711744B2 (ja) * 2010-07-29 2015-05-07 Toto株式会社 光触媒層を備えた無機材料およびその製造方法、並びに無機材料用光触媒コーティング液
CN102274820B (zh) * 2011-07-04 2013-08-21 西北有色金属研究院 一种烧结用隔离板的制作方法
JP6375043B1 (ja) * 2017-10-31 2018-08-15 日本パーカライジング株式会社 前処理剤、前処理方法、化成皮膜を有する金属材料およびその製造方法、並びに塗装金属材料およびその製造方法
CN111041466A (zh) * 2019-12-25 2020-04-21 重庆新久融科技有限公司 一种表面钝化的铝合金模板及其制备方法
CN113106434B (zh) * 2021-04-12 2022-01-04 南昌大学 一种环保型铝合金化学氧化液及化学氧化方法
CN115260889A (zh) * 2022-07-28 2022-11-01 成都群山环保科技有限公司 一种厚涂型双组份水性聚氨酯防护面漆

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04142372A (ja) * 1990-10-04 1992-05-15 Kawasaki Steel Corp 金属酸化物皮膜形成用コーティング液
JP2001058825A (ja) * 1999-06-08 2001-03-06 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その製造方法及びその無機膜形成方法
JP2001089141A (ja) * 1999-09-16 2001-04-03 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その製造方法及びその無機膜形成方法
JP2002060975A (ja) * 2000-08-09 2002-02-28 Kansai Paint Co Ltd 鋼板用下地処理剤、それを使用した被覆鋼板及びその製造方法
JP2002167553A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その無機膜形成方法、そのものを用いて得られる無機膜被覆アルミニウム材及び無機膜被覆鋼材
WO2003037996A1 (fr) * 2001-10-30 2003-05-08 Kansai Paint Co., Ltd. Matiere de revetement et procede pour former un film d'oxyde de titane et substrat metallique revetu d'un tel film
JP2005139532A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Nippon Steel Corp 耐食性と耐汚染性に優れるクロメートフリー処理めっき鋼材
JP2006182791A (ja) * 2003-02-10 2006-07-13 Kansai Paint Co Ltd 光触媒膜形成用塗布剤
JP2007022844A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Sustainable Titania Technology Inc 酸化物複合膜、該膜形成用塗布液、該塗布液の製造方法及び該膜の造膜方法。

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19923118A1 (de) * 1999-05-19 2000-11-23 Henkel Kgaa Chromfreies Korrosionsschutzmittel und Korrosionsschutzverfahren
JP4393660B2 (ja) * 2000-02-29 2010-01-06 日本ペイント株式会社 Pcm用ノンクロメート金属表面処理剤、pcm表面処理方法および処理されたpcm鋼板

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04142372A (ja) * 1990-10-04 1992-05-15 Kawasaki Steel Corp 金属酸化物皮膜形成用コーティング液
JP2001058825A (ja) * 1999-06-08 2001-03-06 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その製造方法及びその無機膜形成方法
JP2001089141A (ja) * 1999-09-16 2001-04-03 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その製造方法及びその無機膜形成方法
JP2002060975A (ja) * 2000-08-09 2002-02-28 Kansai Paint Co Ltd 鋼板用下地処理剤、それを使用した被覆鋼板及びその製造方法
JP2002167553A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Kansai Paint Co Ltd 無機膜形成用塗布剤、その無機膜形成方法、そのものを用いて得られる無機膜被覆アルミニウム材及び無機膜被覆鋼材
WO2003037996A1 (fr) * 2001-10-30 2003-05-08 Kansai Paint Co., Ltd. Matiere de revetement et procede pour former un film d'oxyde de titane et substrat metallique revetu d'un tel film
JP2006182791A (ja) * 2003-02-10 2006-07-13 Kansai Paint Co Ltd 光触媒膜形成用塗布剤
JP2005139532A (ja) * 2003-11-10 2005-06-02 Nippon Steel Corp 耐食性と耐汚染性に優れるクロメートフリー処理めっき鋼材
JP2007022844A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Sustainable Titania Technology Inc 酸化物複合膜、該膜形成用塗布液、該塗布液の製造方法及び該膜の造膜方法。

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2692713A1 (en) * 2011-03-30 2014-02-05 Toto Ltd. Sanitary ware
EP2692713A4 (en) * 2011-03-30 2014-09-24 Toto Ltd SANITARY DEVICES
JP2012206907A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Toto Ltd 衛生陶器
US9757811B2 (en) 2011-09-21 2017-09-12 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Method for treating surface of aluminum heat exchanger
US9739544B2 (en) 2012-03-09 2017-08-22 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Surface treatment method for aluminum heat exchangers
US9896766B2 (en) 2013-04-03 2018-02-20 Nippon Paint Surf Chemicals Co., Ltd. Surface processing method for aluminum heat exchanger
WO2015056355A1 (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 日本パーカライジング株式会社 金属材料用表面処理剤、表面処理金属材料の製造方法
JPWO2015056355A1 (ja) * 2013-10-18 2017-03-09 日本パーカライジング株式会社 金属材料用表面処理剤、表面処理金属材料の製造方法
US10253416B2 (en) 2013-10-18 2019-04-09 Nihon Parkerizing Co., Ltd. Surface treatment agent for metal material and production method for surface-treated metal material
TWI683033B (zh) * 2013-10-18 2020-01-21 日商日本派克乃成股份有限公司 金屬材料用表面處理劑、表面處理金屬材料之製造方法
JP2022521951A (ja) * 2019-03-01 2022-04-13 ハウメット エアロスペース インコーポレイテッド ホスホネート官能化層を含む金属基板処理方法および物品
AU2019432938B2 (en) * 2019-03-01 2023-01-05 Howmet Aerospace Inc. Metallic substrate treatment methods and articles comprising a phosphonate functionalized layer
US12018380B2 (en) 2019-03-01 2024-06-25 Howmet Aerospace Inc. Metallic substrate treatment methods and articles comprising a phosphonate functionalized layer
CN114438483A (zh) * 2021-12-31 2022-05-06 奎克化学(中国)有限公司 用于热镀铝锌金属材料的多金属复合无铬钝化液

Also Published As

Publication number Publication date
TW200837156A (en) 2008-09-16
TWI357921B (ja) 2012-02-11
CN101265376A (zh) 2008-09-17
CN101265376B (zh) 2012-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008231418A (ja) チタン・ジルコニウム膜形成用塗布剤、チタン・ジルコニウム膜形成方法及びチタン・ジルコニウム膜で被覆された金属基材
JP4154466B2 (ja) 酸化チタン膜形成用塗布剤、酸化チタン膜形成方法及び酸化チタン膜で被覆された金属基材
JP4575047B2 (ja) 金属表面処理組成物および金属表面処理鋼板
JP5431721B2 (ja) 亜鉛系めっき鋼板又はアルミニウム系めっき鋼板用表面処理組成物及び表面処理鋼板
KR101162401B1 (ko) 표면처리강판
JP2004238638A (ja) 表面処理組成物および表面処理金属板
JP5317516B2 (ja) 表面処理溶融Zn−Al系合金めっき鋼板
JPWO2002061005A1 (ja) 酸化チタン膜形成用塗布剤、酸化チタン膜形成方法及び酸化チタン膜で被覆された金属基材
JP2010156020A (ja) 表面処理鋼板
JP2011195942A (ja) 表面処理鋼板
JP2002275650A (ja) 親水化処理された熱交換器アルミニウムフィン材
JP5097311B2 (ja) 表面処理鋼板及び有機樹脂被覆鋼板
JP2002275653A (ja) 金属表面処理鋼板
JP4916913B2 (ja) 表面処理鋼板及び有機樹脂被覆鋼板
JP2004052056A (ja) 亜鉛又は亜鉛系合金メッキ材の表面処理方法
JP2013060646A (ja) スプレー塗布表面処理用組成物、表面処理溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法、および表面処理溶融亜鉛めっき鋼板
JP2004052057A (ja) 金属の表面処理方法
JP2002275642A (ja) 耐食性に優れた塗装鋼板
JP6092591B2 (ja) スプレー塗布表面処理用組成物、表面処理亜鉛めっき鋼板の製造方法、および表面処理亜鉛めっき鋼板
JP5101271B2 (ja) 表面処理鋼板
JP2004190071A (ja) 自動車車体の表面処理方法
JP7099424B2 (ja) 表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法
WO2008136496A1 (ja) 表面処理溶融Zn-Al系合金めっき鋼板
JP2002275644A (ja) 金属表面処理組成物
KR100963734B1 (ko) 표면처리강판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120911

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130129