JP5525178B2 - 茶抽出液の製造方法 - Google Patents

茶抽出液の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5525178B2
JP5525178B2 JP2009106708A JP2009106708A JP5525178B2 JP 5525178 B2 JP5525178 B2 JP 5525178B2 JP 2009106708 A JP2009106708 A JP 2009106708A JP 2009106708 A JP2009106708 A JP 2009106708A JP 5525178 B2 JP5525178 B2 JP 5525178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tea
extraction
tea extract
water
extract
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009106708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010252697A (ja
Inventor
倫子 平田
慎司 荒川
竜馬 米谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Soft Drinks Co Ltd filed Critical Asahi Soft Drinks Co Ltd
Priority to JP2009106708A priority Critical patent/JP5525178B2/ja
Priority to AU2010201649A priority patent/AU2010201649C1/en
Publication of JP2010252697A publication Critical patent/JP2010252697A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5525178B2 publication Critical patent/JP5525178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Tea And Coffee (AREA)

Description

本発明は、茶抽出液の製造方法に関し、特に、香味の優れた茶抽出液の製造方法に関する。
従来より、緑茶や紅茶等の茶を急須で淹れる際に、急須から注がれる最後の一滴はベストドロップ又はゴールデンドロップと呼ばれ、お茶をおいしく淹れるうえで重要な一滴であることが知られている。しかしながら、時間的な制約により、工業的に最後の一滴まで注ぎきることは容易ではない。また、工業レベルでは、茶葉の使用量が多量であることから、最後の一滴まで注ぎきること自体、技術的に容易ではない。
このため、工業的には、例えば抽出後の茶殻を圧搾する方法や、スクリューデカンタで搾取する方法が採用されている。しかしながら、これらの方法では余分な渋味成分まで回収されてしまい、香味の優れた茶抽出液を得ることができないのが現状である。
例えば、茶葉を55℃〜80℃の温水で抽出して抽出液Aと茶殻Bとを得る第1抽出工程と、茶殻Bを、第1抽出工程で用いた温水の温度以上の温水で、且つ第1抽出工程での抽出時間以下の抽出時間で抽出して抽出液Cと茶殻Dを得る第2抽出工程と、抽出液Aと抽出液Cを混合する工程と、を有する茶抽出液の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。この発明によれば、抽出が2段階で行われる結果、茶葉に含まれる成分を十分に抽出することができるとされている。
特開2008−131932号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法は、カテキン類の熱異性化を抑制することにより薬理効果を高めることができることを見出した点を特徴としており、香味に関しては一切考慮されていない。このため、特許文献1の製造方法により得られる茶抽出液は、渋味成分の主体であるカテキン類を多量に含み、およそ香味に優れたものとは言えない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、茶葉に含まれる余分な渋味やえぐ味を出さずに茶抽出液の製造を行い、特に香味に優れた茶抽出液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、抽出後の茶抽出液を茶殻と分離して回収する第1回収工程に加えて、茶殻に所定量の水を添加し、添加した水を第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液とともに回収する第2回収工程を新たに設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のような発明を提供する。
請求項1記載の茶抽出液の製造方法は、茶葉を温水で抽出する抽出工程と、前記抽出工程で得られた茶抽出液と茶殻とを分離する固液分離処理を施し、前記茶抽出液を回収する第1回収工程と、前記固液分離処理が施された茶殻に対して、前記抽出工程で用いる温水よりも低い温度の水を前記茶葉の質量の0.5〜10倍量添加した後、添加した水を前記第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液とともに回収する第2回収工程と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の茶抽出液の製造方法は、請求項1記載の茶抽出液の製造方法において、前記第2回収工程で添加する水の量を、前記茶葉の質量の1〜4倍量とすることを特徴とする。
請求項3記載の茶抽出液の製造方法は、請求項1又は2記載の茶抽出液の製造方法において、前記第2回収工程で添加する水の温度を、10℃〜40℃とすることを特徴とする。
請求項4記載の茶抽出液の製造方法は、請求項1から3いずれか記載の茶抽出液の製造方法において、前記第1回収工程で回収された茶抽出液と、前記第2回収工程で回収された茶抽出液とを混合する混合工程をさらに有することを特徴とする。
本発明によれば、茶葉に含まれる余分な渋味やえぐ味を出さずに茶抽出液を製造することができ、特に香味に優れた茶抽出液を提供できる。
香気成分の分析結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る茶抽出液の製造方法は、抽出工程と、第1回収工程と、第2回収工程と、を有することを特徴とする。以下、各工程を詳細に説明する。
[抽出工程]
本実施形態の抽出工程では、従来より一般的に行われている抽出条件下で、茶葉の抽出が行われる。
茶葉としては、その品種、産地、摘採時期、摘採方法、栽培方法は限定されない。茶葉の種類も特に限定されず、緑茶、烏龍茶、紅茶、穀物茶の他、本発明では、広く一般に煎じて飲まれるものを用いることができる。例えば、ハトムギ、大麦、玄米、ハブ茶、黒豆、びわの葉、昆布、熊笹、ごま、柿の葉、アマチャヅル、桑の葉、霊芝、みかんの皮、杜仲葉、シソの葉からなるブレンド茶を用いることができる。これらの茶葉に対して本実施形態の製造方法を適用することにより、特に香味の優れた茶抽出液を得ることができる。
抽出倍率は、茶葉の種類に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、茶葉(乾燥茶葉)の質量の3〜50倍量の温水を添加して抽出を行うことが好ましく、より好ましい抽出倍率は5〜40倍である。抽出倍率が3〜50倍の範囲内であれば、出がらし感が生じることなく、茶葉中に含まれる成分を十分に抽出することができる。
抽出に用いる温水の温度は、茶葉の種類に応じて適宜調整することが好ましいが、例えば、35〜100℃とすることが好ましい。温水の温度が35℃以上であれば、茶葉中に含まれる成分を十分に抽出することができ、温水の温度が100℃以下であれば、渋味やえぐ味の強い茶抽出液となるのを回避できる。
抽出時間は特に限定されず、茶葉の種類や抽出方法に応じて適宜設定される。また、抽出に用いる温水のpHも特に限定されず、抽出の際に用いられる抽出助剤の種類や目的とする抽出成分の種類、量に応じて適宜調整される。
なお、抽出の際には、ドリップ抽出の場合を除いて、茶葉をニーダーや多機能抽出機で撹拌しながら抽出を行うことが好ましい。これにより、抽出効率が向上し、より香味の優れた茶抽出液を得ることができる。
また、抽出の際には、抽出助剤を添加してもよい。抽出助剤としては特に限定されず、従来公知の抽出助剤を用いることができる。例えば、抗酸化剤として、L−アスコルビン酸ナトリウムやL−アスコルビン酸を用いることができ、pH調整剤として、重炭酸ナトリウムや炭酸カリウムを用いることができる。また、これらの抽出助剤を、茶葉の質量に対して0.1〜10%量を添加して用いることができる。
[第1回収工程]
本実施形態の第1回収工程では、抽出工程で得られた茶抽出液と茶殻とを分離する固液分離処理が施され、茶抽出液の回収が行われる。固液分離処理としては、例えば、抽出が行われる釜を静かに傾け、フィルタを介して茶抽出液のみを静かに流出させて回収する方法が好ましい。これにより、渋味やえぐ味を出さずに茶抽出液を回収することができる。また、抽出が行われる釜の底部からフィルタ等を介して茶抽出液を静かに流出させて回収してもよい。なお、本実施形態の第1回収工程では、固液分離処理完了後に茶抽出液の回収を行ってもよく、固液分離処理の途中で回収を行ってもよい。
固液分離処理の際には、固液分離が効率良く進行するように、フィルタを振動させる等してもよい。ただし、抽出後の茶殻を圧搾したり、スクリューデカンタで搾取した場合には、余分な渋味成分まで回収されてしまい、香味の優れた茶抽出液を得ることができなくなるので好ましくない。
また、固液分離処理に要する時間は特に限定されず、余分な渋味成分を抽出することなく、茶殻と茶抽出液とを十分に分離できる範囲内で適宜設定される。
[第2回収工程]
本実施形態の第2回収工程では、固液分離処理が施された茶殻に対して、抽出工程で用いる温水よりも低い温度の水を茶葉(乾燥茶葉)の質量の0.5〜10倍量添加した後、添加した水を、第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液とともに回収する処理が行われる。これにより、渋味やえぐ味を出さずに、第1回収工程で回収しきれなかったタンニン、アミノ酸、香気成分等の有効成分を十分な量、回収することができ、可溶性固形分濃度が高く、味わい深い茶抽出液を得ることができる。
第2回収工程は、第1回収工程後、可及的すみやかに実行されることが好ましい。これにより、第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液によって渋味成分やえぐ味成分の抽出が進行してしまうのを抑制できる。
固液分離処理が施された茶殻に対する水の添加方法は、特に限定されない。ただし、茶殻に大きな圧がかかった場合には、渋味成分やえぐ味成分も回収されてしまうため、茶殻に大きな圧がかからない程度の水圧で添加するのが好ましい。
また、茶殻に水を添加した後は、ニーダー等を用いた撹拌処理は行わないのが好ましい。これにより、茶殻に大きな圧がかかる等して渋味成分やえぐ味成分が回収されてしまうのを抑制することができる。ただし、渋味成分やえぐ味成分が抽出されない範囲内で、例えば、回収の際に茶殻を排出するための撹拌処理を行ってもよい。
添加された水は、第1回収工程で回収しきれず、茶殻に付着する等して残存していた茶抽出液とともに、上記第1回収工程で行われる固液分離処理と同様の処理により回収される。
第2回収工程で添加される水の量は、抽出工程で用いられる乾燥茶葉の質量の0.5〜10倍量である。第2回収工程で添加される水の量を、抽出工程で用いる茶葉の質量の0.5倍量以上とすることにより、第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液を十分に回収することができる。また、10倍量以下とすることにより、出がらし感が生じることもない。より好ましい水量は、抽出工程で用いる茶葉の質量の1〜4倍量である。
第2回収工程で添加される水の温度は、抽出工程で用いられる温水の温度よりも低く設定されており、具体的には、10℃〜40℃であることが好ましい。添加される水の温度が10℃以上であれば、茶殻に付着して回収しきれなかった抽出成分を回収でき、水の温度が40℃以下であれば、渋味やえぐ味を出さずに香味の優れた茶抽出液を得ることができる。より好ましい水の温度は、15〜40℃である。
なお、本実施形態の製造方法では、上記第2回収工程で回収された茶抽出液と、上記第1回収工程で回収された茶抽出液と、を混合する混合工程をさらに有していてもよい。この混合工程において両者を混合して得られた茶抽出液は、可溶性固形分濃度が高いうえ、タンニン、アミノ酸、香気成分等の有効成分を多量に含み、香味の優れたものであることから、茶飲料の製造原料として好適に利用される。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[紅茶:実施例1〜3、比較例1]
(実施例1)
紅茶葉として、セイロンブレンドを使用した。所定の容器中に収容した紅茶葉(乾燥茶葉)75gに対して温水2250gを添加し、紅茶葉(乾燥茶葉)の質量に対して4%量に相当するL−アスコルビン酸ナトリウム存在下で抽出処理を実施した(抽出工程)。抽出処理は、温水の温度を60℃とし、撹拌しながら抽出時間を6分に設定して実施した。抽出処理完了後、容器を傾けて、静かに紅茶抽出液をフィルタを介して流出させ、固液分離処理を実施した(第1回収工程)。フィルタは80メッシュを用い、第1回収工程の固液分離時間を0分とした。
次いで、固液分離処理後の茶殻に対して、抽出に用いた茶葉の質量の1倍量に相当する75gの水(水温25℃)をすみやかに添加した。水を添加後、再び容器を傾けて、静かに紅茶抽出液をフィルタを介して流出させ、固液分離処理を実施した(第2回収工程)。フィルタは80メッシュを用い、第2回収工程の固液分離処理時間を2分とした。
第1回収工程で得られた紅茶抽出液と、第2回収工程で得られた紅茶抽出液と、を混合して得られた紅茶抽出液を、濾紙No2に通して濾過したものを実施例1とした。実施例1の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(実施例2)
実施例1の固液分離処理後の茶殻に対して、抽出に用いた茶葉の質量の2.5倍量に相当する187.5gの水(水温25℃)をすみやかに添加した以外は、実施例1と同様の操作を行って得られた紅茶抽出液を実施例2とした。実施例2の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(実施例3)
実施例1の固液分離処理後の茶殻に対して、抽出に用いた茶葉の質量の4倍量に相当する300gの水(水温25℃)をすみやかに添加した以外は、実施例1と同様の操作を行って得られた紅茶抽出液を実施例3とした。実施例3の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(比較例1)
実施例1の第2回収工程を実施せず、実施例1の抽出工程、第1回収工程で得られた紅茶抽出液を比較例1とした。ただし、第1回収工程の固液分離時間は2分とした。比較例1の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
[緑茶:実施例4、比較例2]
(実施例4)
緑茶葉として、鹿児島県産3茶を使用した。抽出助剤のL−アスコルビン酸ナトリウムを使用せず、温水の温度を75℃、抽出時間を5分とするとともに、第2回収工程における水の添加量を、抽出に用いた緑茶葉の質量の3倍量に相当する225gとした以外は実施例1と同様の操作を行って得られた緑茶抽出液を実施例4とした。実施例4の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(比較例2)
実施例4の第2回収工程を実施せず、実施例4の抽出工程、第1回収工程で得られた緑茶抽出液を比較例2とした。ただし、第1回収工程の固液分離時間は2分とした。比較例2の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
[烏龍茶:実施例5、比較例3]
(実施例5)
烏龍茶葉として、台湾産凍頂烏龍茶を使用した。抽出助剤のL−アスコルビン酸ナトリウムを使用せず、温水の温度を85℃、抽出時間を10分とするとともに、第2回収工程における水の添加量を、抽出に用いた烏龍茶葉の質量の3倍量に相当する225gとした以外は実施例1と同様の操作を行って得られた烏龍茶抽出液を実施例5とした。実施例5の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(比較例3)
実施例5の第2回収工程を実施せず、実施例5の抽出工程、第1回収工程で得られた烏龍茶抽出液を比較例3とした。ただし、第1回収工程の固液分離時間は2分とした。比較例3の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
[ブレンド茶:実施例6、比較例4]
(実施例6)
ブレンド茶の原料として、ハトムギ、大麦、玄米、ハブ茶、黒豆、びわの葉、昆布、熊笹、ごま、柿の葉、アマチャヅル、桑の葉、霊芝、みかんの皮、杜仲葉、及びシソの葉をブレンドしたもの(以下、ブレンド茶葉)を使用した。所定の容器中に収容したブレンド茶葉(乾燥ブレンド茶葉)200gに対して温水4700gを添加し、抽出処理を実施した(抽出工程)。抽出は、ガラスカラムを用いた浸漬ドリップ抽出を利用したため、抽出処理が抽出工程と第1回収工程を兼ねる。抽出に用いた温水4700gの内訳は、張り湯500g、保持時間10分の1次シャワー温水600g、2次シャワー温水3600gであった。抽出処理は、温水の温度を90℃とし、抽出時間は31.35分とした。抽出処理完了後、第2回収工程における水の添加量を、抽出に用いたブレンド茶葉の質量の4倍量に相当する800gとした以外は実施例1と同様の操作を行って得られたブレンド茶抽出液を実施例6とした。実施例6の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
(比較例4)
実施例6の第2回収工程を実施せず、実施例6の抽出工程、第1回収工程で得られたブレンド茶抽出液を比較例4とした。比較例4の抽出液の回収量及び回収率は表1に示す通りであった。
[評価]
実施例及び比較例で得られた各茶抽出液について、専門パネリスト6名による香味評価を実施した。香味評価は、最も優れるものを「5」、最も劣るものを「1」として、5段階評価の平均値で行った。なお、評価はn=2で行った。結果を表1に示す。
実施例1〜3、及び比較例1で得られた紅茶抽出液について、GC/MS法による香気成分測定を実施した。GC/MS測定は、以下の測定条件に従って実施した。また、以下の解析方法に従って測定結果をまとめたものを図1に示す。
(GC/MS測定条件)
機器:Agilent社製GC/MSシステム6890/5973
カラム:DB−FFAP 30m(長さ)×0.25mm(内径)×0.25μm(膜厚)
カラム昇温条件:40℃→250℃
抽出溶媒:ジクロロメタン
濃縮倍率:10倍
定量方法:内部標準法
(測定結果解析方法)
紅茶抽出液中に含まれる主要な香気成分である15成分を香気の特徴から以下の5つに分類し、各成分の含有量を閾値で除した数値(香気強度指数)の合計を分類ごとに算出した。次いで、分類ごとに、比較例1を1としたときの各実施例の相対値を求めた。
grren,minty:(E)-2-Hexenal(trans-2-),1-Hexanol,(Z)-3-Hexen-1-ol(cis-3-),Methyl Salicylate
sweet,floral,leafy:Linalool oxide I,II,III,IV,Linalool
floral:Benzaldehyde,Geraniol,Benzyl Alcohol,β-Phenylethyl Alcohol(Penethyl Alcohol)
sweet,honey−like:Phenylacetaldehyde
woody:β-Ionone
実施例及び比較例で得られた各茶抽出液を、純水で3000gに調製後(実施例6及び比較例4のみ純水で6000gに調製)、アタゴ社製デジタル示差濃度計DD−7によるBrix(可溶性固形分)測定を実施した。結果を表1に示す。
実施例及び比較例で得られた各茶抽出液を、純水で3000gに調製したものをさらに純水で3.33倍(w/v)に希釈した後、pH測定を行った。また、波長420nm及び720nmにおける吸光度を、日立ハイテク社製分光光度計U−1500を用いて測定を実施し、各茶抽出液の液色、濁り具合を調査した。さらに、タンニン、カフェイン、カテキン類、及びアミノ酸類の含有量測定を実施した。結果を表1に示す。ただし、ブレンド茶については、これらの成分がほとんど含まれていないため測定は実施しなかった。なお、各成分の測定は以下のようにして実施した。
(タンニン)
酒石酸鉄法による測定を実施した。具体的には、没食子酸エチルを標準物質として、所定の条件で調製した各測定試料の吸光度(540nm)を測定することにより、タンニン含有量を算出した。
(カフェイン及びカテキン類)
UPLC法による測定を実施した。具体的には、以下の条件に従って測定を実施することにより、カフェイン及びカテキン類の含有量を算出した。
機器:Waters社製Acquity UPLC SYSTEM
検出波長:280nm
カラム:Acquity UPLC BEHC 1.7μm 2.1×100mm
移動相:Aバッファー0.5%ギ酸、Bバッファー0.5%ギ酸/メタノール、グラジエント
(アミノ酸類)
HPLC法による測定を実施した。具体的には、以下の条件に従って測定を実施することにより、アミノ酸類の含有量を算出した。
機器:日本電子社製全自動アミノ酸分析機JLC−500/V
検出波長:440nm、570nm、690nm
検出方法:ニンヒドリン比色法
Figure 0005525178
[評価結果]
表1に示されるように、紅茶(実施例1〜3、比較例1)、緑茶(実施例4、比較例2)、烏龍茶(実施例5、比較例3)、及びブレンド茶(実施例6、比較例4)いずれにおいても、実施例の方が比較例に比して、固形分や有効成分(タンニン、カテキン、カフェイン、及びアミノ酸類(ただし、ブレンド茶は除く))の回収率が向上しており、また、香味についても向上していることが分かった。具体的には、官能評価の結果、比較例に比して味わいが増しており、香り高い、味に厚みがある等の意見が得られた。
また、茶飲料の品質で問題となる濁りの指標であるA720(波長720nmの吸光度)はほとんど変化しておらず、本実施例で得られた茶抽出液はいずれも、茶飲料の原料として好適に利用できることが分かった。
以上の結果から、本発明の製造方法により得られた茶抽出液は、従来の製造方法により得られた茶抽出液に比して、可溶性固形分及び有効成分(タンニン、総カテキン類、カフェイン、アミノ酸類)の回収率が向上しており、香味に優れたものであることが確認された。

Claims (3)

  1. 茶葉を温水で抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で得られた茶抽出液と茶殻とを分離する固液分離処理を施し、前記茶抽出液を回収する第1回収工程と、
    前記固液分離処理が施された茶殻に対して、前記抽出工程で用いた温水よりも低い温度の水を前記茶葉の質量の1〜4倍量添加した後、添加した水を前記第1回収工程で回収しきれなかった茶抽出液とともに回収する第2回収工程と、を有することを特徴とする茶抽出液の製造方法。
  2. 前記第2回収工程で添加する水の温度を、10℃〜40℃とすることを特徴とする請求項1に記載の茶抽出液の製造方法。
  3. 前記第1回収工程で回収された茶抽出液と、前記第2回収工程で回収された茶抽出液とを混合する混合工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の茶抽出液の製造方法。
JP2009106708A 2009-04-24 2009-04-24 茶抽出液の製造方法 Active JP5525178B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009106708A JP5525178B2 (ja) 2009-04-24 2009-04-24 茶抽出液の製造方法
AU2010201649A AU2010201649C1 (en) 2009-04-24 2010-04-23 Method for producing a tea extract

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009106708A JP5525178B2 (ja) 2009-04-24 2009-04-24 茶抽出液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010252697A JP2010252697A (ja) 2010-11-11
JP5525178B2 true JP5525178B2 (ja) 2014-06-18

Family

ID=43064888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009106708A Active JP5525178B2 (ja) 2009-04-24 2009-04-24 茶抽出液の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5525178B2 (ja)
AU (1) AU2010201649C1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013183723A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Setsuko Komatsubara ヨシ・アシュワガンダ飲料
JP6599109B2 (ja) * 2015-02-27 2019-10-30 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 容器詰烏龍茶飲料
JP6568756B2 (ja) * 2015-09-24 2019-08-28 花王株式会社 茶抽出物の製造方法
JP6735084B2 (ja) * 2015-11-11 2020-08-05 アサヒ飲料株式会社 茶飲料、難消化性デキストリンの紙臭又は糊味の抑制剤、及び難消化性デキストリンの紙臭又は糊味の抑制方法
JP6722998B2 (ja) * 2015-11-11 2020-07-15 アサヒ飲料株式会社 茶飲料
JP6804236B2 (ja) * 2016-08-26 2020-12-23 サントリーホールディングス株式会社 茶殻によるガレート型カテキン類の低減方法
CN112741170B (zh) * 2021-01-18 2023-06-30 贵州省茶叶研究所 一种毛峰茶及其制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB559758A (en) * 1942-08-31 1944-03-03 Arndt Werner Improvements in the production of extracts of tea
GB8627290D0 (en) * 1986-11-14 1986-12-17 Unilever Plc Concentrated tea extract
JPH03216151A (ja) * 1990-01-18 1991-09-24 Mitsui Petrochem Ind Ltd 飲料の製造方法
JP3435188B2 (ja) * 1993-04-22 2003-08-11 アサヒ飲料株式会社 茶飲料の製造方法
ES2153834T3 (es) * 1993-11-18 2001-03-16 Nestle Sa Procedimiento para la preparacion de te negro instantaneo.
ES2163234T3 (es) * 1997-07-15 2002-01-16 Unilever Nv Mejoras relacionadas con la teoflavina o con la produccion de la misma.
US6669979B1 (en) * 2000-01-11 2003-12-30 Jifu Zhao Method for promoting extraction of beneficial compounds into beverages naturally containing same, and for extending the duration of freshness of coffee
CA2335420A1 (en) * 2001-02-12 2002-08-12 Pierre Mercier Method and apparatus for the preparation of hot beverages
WO2002091845A1 (en) * 2001-05-17 2002-11-21 Korea Confidence Co., Ltd Lingering intoxication aquaous tea comprising puerh extract as an effective component and process for preparation thereof
DE60320527T2 (de) * 2002-02-05 2009-06-10 Kao Corp. Verfahren zur herstellung von grünteepolyphenol
GB0421832D0 (en) * 2004-10-01 2004-11-03 Unilever Plc Process for making tea extracts
JP4700035B2 (ja) * 2006-10-24 2011-06-15 株式会社 伊藤園 茶抽出液の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
AU2010201649C1 (en) 2013-05-09
AU2010201649A1 (en) 2010-11-11
JP2010252697A (ja) 2010-11-11
AU2010201649B2 (en) 2012-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5525178B2 (ja) 茶抽出液の製造方法
TWI646899B (zh) Tea beverage and manufacturing method thereof
JP4679362B2 (ja) 茶抽出物の調製方法
TWI524852B (zh) 降低麥芽飲料之穀物氣味之方法
EA016902B1 (ru) Способ получения чайного продукта
CN107197981A (zh) 一种紫芽速溶绿茶及其制备方法
CN102010814A (zh) 一种绿茶酒的制作方法
CN106551037A (zh) 一种制备速溶茶的工艺方法
JP4312820B1 (ja) インスタント緑茶
CN108850311A (zh) 一种茶叶萃取液及其制备方法以及一种茶饮料
JP5657600B2 (ja) 茶加工品の製造方法
CN112063464A (zh) 一种高抗氧化活性的茶啤酒及其制备方法
JP4418846B2 (ja) インスタント緑茶
CN107208011B (zh) 含糖液的制造方法
JP5857437B2 (ja) 甘藷を原料とした醸造酒の製造方法
CN107811079A (zh) 一种高香速溶茯砖茶茶粉的制备方法
JP5786169B2 (ja) 発酵茶、発酵茶からの抽出物およびこれを含有する薬効性組成物
JP2008263942A (ja) 混合茶
JPH1175808A (ja) コーヒー風味発泡酒の製造方法
JP2006280292A (ja) 高品質果汁及び果実酒の製造法
WO2021205747A1 (ja) 焙じ茶エキスの製造方法
JP5755876B2 (ja) 抽出ホップエキスを用いた高香味発酵アルコール飲料及びその製造方法
CN104946498A (zh) 一种阿胶香草果醋
CN106551024A (zh) 一种橘皮调味红茶的制备方法
TWI633844B (zh) Tea processed product and its manufacturing method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140401

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5525178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250