JP5521431B2 - 水素添加触媒及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、水素の存在下でのオレフィン重合体の製造方法において、反応器に水素添加触媒を添加して、水素濃度を低減させて、製造されるオレフィン重合体の分子量分布などを制御する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、上記特許文献2に記載されているように、反応器に水素添加触媒を添加する方法では、十分に水素濃度を低減するためには、多量の水素添加触媒が必要であるという問題があった。
かかる現状に鑑み本発明の目的は、重合反応系内の水素濃度を効率的に制御し、より高分子量のオレフィン重合体を製造し得る水素添加触媒、及びより高分子量のオレフィン重合体を製造するためのオレフィン重合体の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を接触させてなる水素添加触媒にかかるものである。
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(C):アルキル金属化合物
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(D):オレフィン重合用触媒
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(D):オレフィン重合用触媒
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(D):オレフィン重合用触媒
1)水素添加触媒
水素添加触媒とは、オレフィン性不飽和二重結合を選択的に水素化する能力を持つ触媒であり、重合反応器内に存在する水素は、プロピレンやエチレンなどのオレフィンと反応し、プロパンやエタンとなって除去される。
本発明の水素添加触媒は、下記成分(A)、下記成分(B)、及び下記成分(C)を接触させてなる。
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(C):アルキル金属化合物
CpnTiX1 4-n [3]
(式中、Cpは、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基から選ばれる基を表し、X1は、水素、ハロゲン、アルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜10個のアルキル基又はアリーロキシ基から選ばれる基を表し、nは1〜3の整数を表す。それぞれの配位子は架橋基を介して結合していてもよい。)
これらの中でも二つのシクロペンタジエニル基を有するビスシクロペンタジエニル化合物が好ましい。
具体的には、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジヨージド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフルオリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムクロルブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェノキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメトキシド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェノキシド等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
アルキルアルミニウムハライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等が挙げられる。
アルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等が挙げられる。
アルモキサンとしては、例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、水素、上記成分(A)、上記成分(B)、及び下記成分(D)の存在下に、オレフィンを重合させる。
成分(D):オレフィン重合用触媒
成分(a):チタン、マグネシウム、及びハロゲンを含有する固体成分
成分(b):アルキルアルミニウム化合物
成分(c):電子供与性化合物
(1)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを接触させる方法。
(2)ハロゲン化マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを接触させる方法。
(3)ハロゲン化マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与性溶媒に溶解させて溶液を得、次いで、該溶液を担体物質に含浸させる方法。
(4)ジアルコキシマグネシウム化合物と、ハロゲン化チタン化合物と、電子供与体とを接触させる方法。
(5)マグネシウム原子、チタン原子および炭化水素オキシ基を含有する固体成分と、ハロゲン化化合物と、電子供与体および/または有機酸ハライドとを接触させる方法。
なかでも(5)の方法により得られる固体成分が好ましく、電子供与体としてフタル酸エステル化合物を含有する固体成分であることがより好ましい。
アルキルアルミニウムハライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド等が挙げられる。
アルキルアルミニウムハイドライドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等が挙げられる。
アルモキサンとしては、例えば、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルイソブチルアルモキサン等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
R2 rSi(OR3)4-r [2]
(式中、R2は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、又はヘテロ原子を含有する基を表し、R3は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表し、rは、1〜3の整数を表す。R2が複数ある場合は、複数のR2はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。R3が複数ある場合は、複数のR3はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
炭素原子数1〜20の分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
炭素原子数1〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素原子数1〜20のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンテニル基等が挙げられる。
炭素原子数1〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用して用いても良い。
CpnMX2 4-n [4]
(式中、Cpは置換若しくは非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基から選ばれる基、Mはジルコニウム、ハフニウムから選ばれる元素、X2は、水素、ハロゲン、アルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜10個のアルキル基、又はアリーロキシ基から選ばれる基、複数のCpおよびXは互いに架橋基を介して結合してもよい。nは、1〜3の整数を表す。)
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、バッチ重合プロセスにも連続重合プロセスにも適用できる。また、例えばメタロセン系触媒をオレフィン重合用触媒とする場合、生成オレフィン重合体は末端に不飽和結合を持つものとして得られることが多いが、そのような不飽和結合は一旦生成した飽和末端が脱水素されて形成されるもののようであって、従って循環オレフィン中にはそのような水素が徐々に濃縮される可能性がある。よって、このような場合、単段の重合工程でその水素濃度を制御する技術として本発明が適用できる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法において、反応器で製造されるオレフィン重合体としては、単独重合体であっても、共重合体であってもよい。本発明において、重合されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が例示できるが、所望重合体製品の種類によって決定される。即ち、単独重合体製品として、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等を、また共重合体製品として、EPR(エチレン−プロピレン共重合体)、PBR(プロピレン−ブテン共重合体)、EPBR(エチレン−プロピレン−ブテン共重合体)等を製造する場合には、重合工程に使用されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテンであり、それ以外の極少量のオレフィンを使用する場合がある。
多段重合の場合は、各段で同じ重合体を製造しても良いし、組成の異なる重合体を製造しても良い。各段で同じ重合体を製造する場合は、後段の重合反応系内に前記成分(A)及び前記成分(B)を添加することで、後段の反応器内の水素濃度を低減し、前段で製造する重合体に比して、後段で製造する重合体の方が分子量が高くなり、その結果、広い分子量分布を有するオレフィン重合体を製造することができる。また、各段で組成の異なる重合体を製造する場合は、前段で製造する組成の重合体の分子量を低くし、後段で製造する前段と異なる組成の重合体の分子量を高くしたオレフィン重合体を製造する際に本発明を用いることができる。
前記エチレン−プロピレンブロック共重合体の製造方法においては、前記第1重合工程で得られるプロピレン単独重合体の極限粘度に対する前記第2重合工程で得られるエチレンとプロピレンとの共重合体の極限粘度の比が、好ましくは、2〜20であり、より好ましくは、2.5〜15であり、更に好ましくは、3.5〜10である。
また、前記第1重合工程及び/又は前記第2重合工程は、単段の重合工程であっても、多段の重合工程であってもよい。
電子供与性化合物としては、アルコキシシラン類、エステル類、エーテル類等が挙げられる。
活性水素含有化合物としては、アルコール類、水等が挙げられる。
常温、常圧下で気体である酸素含有化合物としては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられる。
アルコキシシラン類としては、テトラブトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。
重合活性抑制物質は1種単独で又は2種以上を併用して用いてもよい。
重合工程の前に少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)し、予備重合触媒成分としてもよい。予備重合されるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が例示できる。予備重合されるオレフィンの量は、触媒成分1g当たり、通常、0.1〜200gであり、該予備重合の方法としては、公知の方法があげられ、例えば、触媒成分及び有機アルミニウム化合物の存在下、少量のオレフィンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で予備重合を実施する方法があげられる。予備重合に用いられる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの不活性炭化水素及び液状のオレフィンがあげられ、これらは2種類以上混合して用いてもよい。また、予備重合におけるスラリー濃度は、溶媒1L当たりに含まれる触媒成分の重量として、通常1〜500gであり、好ましくは3〜150gである。
(1)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ粘度計を用いて、テトラリン溶媒及び温度135℃の条件で、濃度0.1、0.2、及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。次に「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版会社刊)第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
(2)共重合部含有量(単位:重量%)
第1段共重合工程で生成した共重合部含有量X(重量%)は、下記式により算出した。
X=(Pb−Pa)/Pb×100
Pa:第3段プロピレン重合工程から排出された時間当りのポリマー重量
Pb:第1段共重合工程から排出された時間当りのポリマー重量
(3)共重合部で生成した重合体の極限粘度(単位:dl/g)
第3段プロピレン重合工程で生成した重合体成分の極限粘度[η]a(dl/g)、および第1段共重合工程で生成した重合体成分の極限粘度[η]b(dl/g)は、下記式により算出した。
[η]a=[η]1
[η]b=([η]2−[η]a×(1−X/100))/(X/100)
[η]1:第3段プロピレン重合工程後の重合体の極限粘度(dl/g)
[η]2:第1段共重合工程後の重合体の極限粘度(dl/g)
[チタノセン化合物溶液の調製]
内容積1Lのフラスコ内を窒素で置換した。この容器内にジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド(関東化学製)4.5g、ヘキサン928mLを投入すると共に室温で攪拌し、トリエチルアルミニウム72ミリモルを投入して溶液を得た。この溶液を、更にヘキサンで希釈した。
内容積3Lの撹拌機付きSUS製オートクレーブに、充分に脱水及び脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム30ミリモル、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン3.0ミリモルを収容させた。その中に特願2008−277945号の実施例1と同様の方法で製造した上記固体触媒成分16gを添加し、オートクレーブ内の温度を約3〜10℃に保ちながらプロピレン32gを約40分かけて連続的に供給して予備重合を行った。その後、予備重合スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン132Lを加えて、予備重合触媒成分のスラリーとした。
上記のようにして調製した予備重合触媒成分のスラリーを用いて3段階のプロピレン単
独重合をそれぞれ異なるリアクターで行ってポリプロピレン粒子を製造した。その後、このポリプロピレン粒子の存在下、1段階のプロピレンとエチレンとの共重合を行ってプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造した。以下、各重合ステージについて説明する。
内容積163Lの攪拌機付きベッセルタイプのリアクターを用いて、プロピレンの単独重合を行った。すなわち、プロピレン、水素、トリエチルアルミニウム、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン及び予備重合触媒成分のスラリーをリアクターに連続的に供給した。反応条件は、重合温度:73℃、攪拌速度:150rpm、リアクターの液レベル:44L、プロピレンの供給量:25kg/時間、水素の供給量:160NL/時間、トリエチルアルミニウムの供給量:40.9ミリモル/時間、シクロヘキシルエチルジメトキシシランの供給量:6.13ミリモル/時間、予備重合触媒成分のスラリーの供給量(重合触媒成分換算):0.481g/時間とした。当該リアクターにおいては、スラリーの平均滞留時間は0.74時間であり、排出されたポリプロピレン粒子量は5.4kg/時間であった。
上記第1段のプロピレン重合を経たスラリーを、別のリアクター(ベッセルタイプ)に連続的に移送し、プロピレンの単独重合を更に行った。なお、当該リアクターに対しては、プロピレン及び水素の供給は行わなかった。反応条件は、重合温度:69℃、攪拌速度:150rpm、リアクターの液レベル:44Lとした。当該リアクターにおいては、スラリーの平均滞留時間は0.85時間であり、排出されたポリプロピレン粒子量は10.1kg/時間であった。
上記第2段のプロピレン重合を経て得られたポリプロピレン粒子を、内容積1.4m3の攪拌機付き流動層反応器に連続的に移送し、このリアクターにプロピレン、水素を連続的に供給し、圧力を一定に保つように過剰ガスをパージしながら、プロピレンの単独重合を更に行った。反応条件は、重合温度:80℃、重合圧力:1.8MPa、循環ガス風量:100m3/時間、プロピレンの供給量:10kg/時間、水素の供給量:900NL/時間、流動層の重合体粒子ホールド量:50kgとした。当該反応器においては、ポリマー粒子の平均滞留時間は3.2時間であり、反応器内ガスの濃度比(モル%):水素/(水素+プロピレン)=9.1、排出されたポリマー粒子量は15.6kg/時間、その極限粘度は0.99dl/gであった。
上記第3段のプロピレン重合を経て得られたポリプロピレン粒子を、別の内容積1m3のガス分散板、攪拌機付き流動層反応器に連続的に移送し、この反応器にプロピレン、エチレン及び水素を連続的に供給し、圧力を一定に保つように過剰ガスをパージしながら、プロピレンとエチレンとの共重合を行った。反応条件は、重合温度:70℃、重合圧力:1.4MPa、循環ガス風量:140m3/時間、プロピレンの供給量:22.5kg/時間、エチレンの供給量:6.8kg/時間、水素の供給量:200NL/時間、流動層の重合体粒子ホールド量:85kgとした。また、第1段プロピレン重合反応器に供給したトリエチルアルミニウム1モルに対し、チタノセン分子量に換算して2.32ミリモルに相当する量の上記チタノセン化合物溶液、およびテトラエトキシシラン分子量に換算して0.50モルのテトラエトキシシランを、ベッド部に添加した。ベッド部のベッド密度は、305g/ccであった。また、第1段プロピレン重合反応器に供給したトリエチルアルミニウム1モルに対し、酸素分子量に換算して1.4ミリモルに相当する酸素を、重合活性抑制物質として当該反応器に添加した。当該反応器においては、ポリマー粒子の平均滞留時間は4.2時間であり、反応器内ガスの濃度比(モル%):エチレン/(プロピレン+エチレン)=23、水素/(水素+プロピレン+エチレン)=0.26、排出されたポリマー粒子量は20.3kg/時間、共重合部の極限粘度は5.6dl/g、共重合部含有量は23重量%であった。
テトラアルコキシシランを添加しないこと以外は、実施例1と同じ共重合部含有量となるように重合体ホールド量を調整した。当該反応器においては、ポリマー粒子の平均滞留時間は2.9時間、反応器内ガスの濃度比(モル%):エチレン/(プロピレン+エチレン)=27、水素/(水素+プロピレン+エチレン)=0.59、共重合部の極限粘度は4.9dl/gであり、水素濃度が高く、共重合部の分子量が低いものであった。
テトラアルコキシシラン、チタノセン化合物溶液を投入せずに、実施例1と同じ共重合部含有量になるように重合体ホールド量を調整して重合した。当該反応器においては、ポリマー粒子の滞留時間は3.9時間、反応器内ガスの濃度比(モル%):エチレン/(プロピレン+エチレン)=27、水素/(水素+プロピレン+エチレン)=1.5、その極限粘度は3.5dl/gであり、水素濃度が高く、共重合部の分子量が低いものであった。
Claims (3)
- オレフィン重合条件の異なる2段以上のオレフィン重合工程を有し、水素、及び下記成分(D)の存在下に、オレフィンを重合させるオレフィン重合体の製造方法であって、
2段目以降のオレフィン重合工程における重合反応系内に、下記成分(A)を添加する工程、及び下記成分(B)を添加する工程を有するオレフィン重合体の製造方法。
成分(A):チタノセン化合物
成分(B):下記一般式[1]で表されるケイ素化合物
Si(OR1)4 [1]
(式中、R1は、炭素原子数1〜20の炭化水素基を表す。4つのR1は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。)
成分(D):オレフィン重合用触媒(但し、成分(A)を除く) - 前記成分(A)を添加する工程における成分(A)の投入量は、反応器内のオレフィン重合体1kgに対し、前記成分(A)中のチタン原子のモル量が0.001mmol/kg以上0.1mmol/kg以下である請求項1に記載のオレフィン重合体の製造方法。
- 前記成分(A)及び前記成分(B)は、気相反応器内のベッド部に添加される請求項1又は2に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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