JP5058400B2 - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法及びプロピレン系ブロック共重合体 - Google Patents
プロピレン系ブロック共重合体の製造方法及びプロピレン系ブロック共重合体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン系ブロック共重合体の製造方法及び該製造法により得られるプロピレン系ブロック共重合体に関し、詳しくは、少量の水素により容易に高立体規則性のポリプロピレン成分の分子量およびメルトフローレート(MFR)を調節することができると共に高分子量のエチレン/プロピレン共重合体成分(ゴム成分)を形成することができるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法及び該製造法により得られるプロピレン系ブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロピレン系重合体としては、剛性、耐熱性に優れるホモポリプロピレン及びポリプロピレン成分とゴム成分の特徴を併せ持ち、剛性、耐熱性に優れるとともに耐衝撃性にも優れるプロピレン系ブロック共重合体がよく知られている。さらにプロピレン系重合体は、比重が小さく軽いという利点の他に、リサイクルしやすい特徴があり、環境保護の面においても注目されており、より広範囲な用途への利用が望まれている。このようなプロピレン系重合体は、従来より周期律表のIV〜VI族の遷移金属化合物と、I〜III族金属を含む有機金属化合物とからなる、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されている。しかしながら従来技術により得られるプロピレン系ブロック共重合体は、用途によっては剛性、耐熱性が必ずしも充分とはいえず、利用が制限されることがあった。このようなプロピレン系ブロック共重合体の剛性、耐熱性をより高めるには、該共重合体のポリプロピレン成分の立体規則性をさらに高めればよく、立体規則性の高いホモポリプロピレンを製造することができるような触媒(立体特異性の高い触媒)を用いてプロピレン系ブロック共重合体を製造すれば良いことが知られている。
【0003】
しかしながら、立体特異性の高い触媒を用いてプロピレン等のオレフィンを重合させると、得られる重合体の分子量も高くなる傾向があり、重合体の分子量およびメルトフローレート(MFR)を調節するために、一般に連鎖移動剤としての水素を重合系に多量に添加する必要があるなどの問題点があった。特にプロピレン自体を溶媒とする重合においては、重合系に水素が多量に共存することになり、重合圧力の上昇を招くため、重合器の耐圧の問題も起こることがある。
【0004】
更に、プロピレン系ブロック共重合体は、通常、プロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成し、次いでエチレンとα−オレフィンとを共重合させてゴム成分を形成する多段重合いわゆるブロック共重合を行う事により製造されるが、この多段重合を連続重合法で行う場合にはポリプロピレン成分を製造する際に多量の水素を添加するため、次のゴム成分を製造する際にも未反応の水素が多量に残存してしまい、ゴム成分の分子量を高めにくく、得られる共重合体の耐衝撃性等が充分ではないという問題もあった。このため、プロピレン系ブロック共重合体を製造する際に、水素によって容易に分子量およびメルトフローレート(MFR)を調節することができ、高立体規則性のポリプロピレン成分を形成することが出来ると共に高分子量のゴム成分を形成することができるようなプロピレン系ブロック共重合体の製造方法の出現が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたものであり、少量の水素により容易に高立体規則性のポリプロピレン成分の分子量およびメルトフローレート(MFR)を調節することができると共に高分子量のエチレン/プロピレン共重合体成分(ゴム成分)を形成することができるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法及び該製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のオレフィン重合触媒を用いることにより本目的を達成できることを見出した。すなわち、(A)チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と有機金属化合物とSi−O−C結合を持つ有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類を予備重合させて得られる触媒成分と(B)有機アルミニウム化合物及び(C)特定の有機ケイ素化合物からなるオレフィン重合触媒を用いプロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成する工程と、エチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分を形成する工程からなる製造法により本目的を達成できることを見出し、これに基づき本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法及び該製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体を提供するものでる。
1.(A)(a)チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と(b)有機金属化合物と(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類を接触させて得られる予備重合触媒成分、(B)有機金属化合物及び(C)下記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下での、プロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成する工程と、エチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分を形成する工程からなるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
2. R1がシクロヘキシル基またはシクロペンチル基である上記1記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
3. 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物がシクロヘキシルイソブチルジメトキシシランである上記1または2記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
4. 一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物がシクロペンチルイソブチルジメトキシシランである上記1または2記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
5. 上記1〜4のいずれかに記載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体。
6. 昇温分別法における結晶成分の溶出曲線のピーク温度Y(℃)とポリプロピレン成分についてテトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η](デシリットル/グラム)が下記の関係を満たす上記5記載のプロピレン系ブロック共重合体。
Y≧1.505×[η]+116.0
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法及び該製造方法により得られるプロピレン系ブロック共重合体について詳しく説明する。
〔I〕プロピレン系ブロック共重合体の製造方法
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、(A)(a)チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を含有する固体触媒成分と(b)有機金属化合物と(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類を接触させて得られる予備重合触媒成分、(B)有機金属化合物及び(C)下記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物からなるオレフィン重合触媒の存在下、プロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成する工程と、エチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分を形成する工程からなる製造方法である。
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、R3は炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
以下、各触媒成分について説明する。
(A)成分
(A)成分は、後に詳しく述べる(a)固体触媒成分と(b)有機金属化合物(c)Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物の存在下、オレフィン類を接触させて得られる予備重合触媒成分である。
(a)固体触媒成分
固体触媒成分は、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び電子供与性化合物を含有する触媒成分である。具体的には、以下のチタン化合物、マグネシウム化合物、電子供与性化合物を接触させて得られる固体触媒成分が挙げられる。
(1)チタン化合物
チタン化合物としては、特に制限はないが、一般式(2)
TiX1 P(OR4)4-P ……(2)
で表されるチタン化合物を好ましく用いることができる。
【0012】
上記の一般式(2)において、X1はハロゲン原子を示し、これらの中で塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R4は炭化水素基であって、飽和基や不飽和基であってもよく、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リンなどのヘテロ原子を有するものであってもよい。好ましくは炭素数1〜10個の炭化水素基、特にアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基およびアラルキル基などが好ましく、直鎖または分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。−OR4が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。R4の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。pは0〜4の整数を示す。
【0013】
上記の一般式(2)で示されるチタン化合物の具体例としては、テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキシチタン等のテトラアルコキシチタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタン等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリクロリド,n−プロポキシチタントリクロリド,n−ブトキシチタントリクロリド,エトキシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコキシチタン;ジメトキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジクロリド,ジイソプロポキシチタンジクロリド,ジ−n−プロポキシチタンジクロリド,ジエトキシチタンジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン;トリメトキシチタンクロリド,トリエトキシチタンクロリド,トリイソプロポキシチタンクロリド,トリ−n−プロポキシチタンクロリド,トリ−n−ブトキシチタンクロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどを挙げることができる。これらの中で、高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(2)マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては特に制限はないが、一般式(3)
MgR5R6 ……(3)
で表されるマグネシウム化合物を好ましく用いることができる。
上記の一般式(3)においてR5およびR6は、炭化水素基、OR7(R7は炭化水素基)またはハロゲン原子を示す。ここでR5、R6及びR7の炭化水素基としては、炭素数1〜12個のアルキル基、炭素数3〜12個のシクロアルキル基、炭素数6〜20個のアリール基、炭素数7〜20個のアラルキル基等を、R5およびR6のハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素を挙げることができる。
また、R5、R6及びR7は同一でも異なってもよい。
【0014】
上記の一般式(3)で示されるマグネシウム化合物の具体例としてはジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、ジシクロへキシルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のアルキルマグネシウムやアリールマグネシウム;ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、ジヘキシロキシマグネシウム、ジオクトキシマグネシウム、ジフェノキシマグネシウム、ジシクロヘキシロキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウムやアリロキシマグネシウム;エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリド、ヘキシルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、イソブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、ベンジルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムイオダイド等のアルキルマグネシウムハライドやアリールマグネシウムハライド;ブトキシマグネシウムクロリド、シクロヘキシロキシマグネシウムクロリド、フェノキシマグネシウムクロリド、エトキシマグネシウムブロミド、ブトキシマグネシウムブロミド、エトキシマグネシウムイオダイド等のアルコキシマグネシウムハライドやアリロキシマグネシウムハライド;塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム等を挙げることができる。
【0015】
これらのマグネシウム化合物の中ではマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウムハライドが好適に使用できる。特に好ましくは、アルコキシマグネシウムである。
【0016】
上記のマグネシウム化合物は金属マグネシウム、またはマグネシウムを含有する化合物から調製することができる。
【0017】
一例としては、金属マグネシウムにハロゲンおよびアルコール類を接触させる方法が挙げられる。ここで、ハロゲンとしては、ヨウ素、塩素、臭素、フッ素が挙げられる。これらの中ではヨウ素が好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等が挙げられる。
【0018】
また、他の一例として、Mg(OR8)2で表されるマグネシウムアルコキシ化合物(式中、R8は炭素数1〜20個の炭化水素基を示す。)にハロゲン化物を接触させる方法が挙げられる。
【0019】
上記のハロゲン化物としては、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四塩化スズ、四臭化スズ、塩化水素等が挙げられる。これらの中では四塩化ケイ素が好ましい。
【0020】
上記のR8としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中では特に炭素数1〜10個のアルキル基が好ましい。
【0021】
さらに、マグネシウム化合物は、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等の担体に担持されても良い。以上のマグネシウム化合物は単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。また、ヨウ素などのハロゲン、珪素、アルミニウム等の他の元素を含有しても良く、アルコール、エーテル、エステル類などの電子供与体を含有しても良い。
(3)電子供与性化合物
電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、マロン酸、有機酸もしくは無機酸のエステル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテル等のエーテル類等の含酸素電子供与性化合物や、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与性化合物を挙げることができる。これらの中では、多価カルボン酸のエステル類が好ましく、さらに好ましくは、芳香族多価カルボン酸のエステル類である。特に芳香族ジカルボン酸のエステル類が好ましい。また、エステル部の有機基が直鎖、分岐または環状の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0022】
具体的には、フタル酸、ナフタレン−1, 2−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,3−ジカルボン酸、インダン−4,5−ジカルボン酸、インダン−5,6−ジカルボン酸等のジカルボン酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル等のジアルキルエステルが挙げられる。これらの中では、フタル酸ジエステル類が好ましく、また、エステル部の有機基の炭素数が4個以上の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0023】
これらの具体例としては、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。なかでも、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。また、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記の各成分を接触させる方法としては特に制限はなく公知の方法で接触させればよい。例えば、特開昭53−43094号公報、特開昭55−135102号公報、特開昭55−135103号公報、特開昭56−18606号公報等に記載の方法が挙げられる。具体的には、(1)マグネシウム化合物またはマグネシウム化合物と電子供与性化合物との錯化合物を、電子供与性化合物および所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在下に粉砕して、チタン化合物と反応させる方法、(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物と液状チタン化合物とを、電子供与性化合物の存在下において反応させて、固体状のチタン複合体を析出させる方法、(3)前記(1)または(2)で得られたものにチタン化合物を反応させる方法、(4)前記(1)または(2)で得られたものに、さらに、電子供与性化合物およびチタン化合物を反応させる方法、(5)マグネシウム化合物またはマグネシウム化合物と電子供与性化合物との錯化合物を、電子供与性化合物、チタン化合物および所望に応じて用いられる粉砕助剤などの存在下で粉砕したのち、必要に応じてハロゲンまたはハロゲン化合物で処理する方法などが挙げられる。
【0025】
さらには、これらの方法以外に、特開昭56−166205号公報、特開昭57−63309号公報、特開昭57−190004号公報、特開昭57−300407号公報、特開昭58−47003号公報等に記載の方法よっても、前記(A)の固体触媒成分を調製することができる。
【0026】
また、固体触媒成分は担体に担持したものであってもよい。具体的には、周期律表II〜IV族に属する元素の酸化物、例えば酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどの酸化物または周期律表II〜IV族に属する元素の酸化物が少なくとも1種含まれる複合酸化物、例えばシリカアルミナなどに前記マグネシウム化合物を担持させて得られる固形物と電子供与体とチタン化合物とを、溶媒中で、0〜200℃、好ましくは10〜150℃の範囲の温度にて2分〜24時間接触させることにより、担体に担持された固体触媒成分を調製することができる。
【0027】
上記のチタン化合物の使用量は、上記のマグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.5〜100モル、好ましくは、1〜50モルの範囲にするとよい。また、上記の電子供与体の使用量は、上記のマグネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.01〜10モル、好ましくは、0.05〜0.15モルの範囲にするとよい。さらに、ハロゲン化物として四塩化ケイ素を添加してもよい。
【0028】
この接触温度は、通常、−20〜200℃、好ましくは、20〜150℃の範囲にするとよく、接触時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間の範囲にするとよい。
【0029】
この接触手順については特に問わない。例えば、各成分を炭化水素などの不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、予め炭化水素などの不活性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよい。この不活性溶媒としては、例えば、n−ペンタン,イソペンタン,n−ヘキサン,n−ヘプタン,n−オクタン,イソオクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0030】
また、チタン化合物の接触を2回以上行い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に十分担持させるとよい。
【0031】
以上の接触により得られる固体触媒成分は、炭化水素などの不活性溶媒で洗浄してもよい。この不活性溶媒としては、上記のものが挙げられる。また、この固体触媒成分は、乾燥状態で保存することもできるし、また炭化水素などの不活性溶媒中でも保存するができる。
(b)有機金属化合物
有機金属化合物としては特に制限はなく、例えば有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が挙げられる。なかでも、有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としてはアルキル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基を含有するもの、アルミノキサンおよびそれらの混合物を好ましく用いることができる。具体的には、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド等のジアルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等を挙げることができる。これらの有機アルミニウム化合物の中では、炭素数1〜5個の低級アルキル基を有するトリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムが好ましい。また、これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(c)成分は、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物である。Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物としては、特に制限はないが、以下の化合物が好ましい。後に述べる一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物群に加えて、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、シクロペンチルターシャリブチルジメトキシシラン、テキシルシクロペンチルジメトキシシラン、テキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジターシャリブチルジメトキシシランが挙げられる。好ましくは一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物群およびジシクロペンチルジメトキシシランである。特に好ましくはシクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラ、およびジシクロペンチルジメトキシシランである。
【0032】
以上の(a)、(b)、(c)の存在下、オレフィン類を接触させることにより(A)成分が得られる。オレフィン類としては、特に制限はないが、一般式(4)
R9−CH=CH2 ……(4)
で表されるα−オレフインが好ましい。
【0033】
上記の一般式(4)において、R9は水素原子または炭化水素基であって、炭化水素基は飽和基や不飽和基であってもよいし、直鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよい。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができる。これらのオレフィンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。予備重合は、前記(a)、(b)、(c)の存在下、オレフィン類を通常1〜100℃の範囲の温度において、常圧〜5MPa(Gauge)の圧力で重合させればよい。重合時間は1分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。予備重合量は、固体触媒成分に対して通常、0.1〜1000重量%、好ましくは1.0〜500重量%重合させればよい。
(B)成分
(B)成分の有機金属化合物は、前記の(b)で述べた有機金属化合物である。
(C)成分
(C)成分は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物である。
【0034】
【化4】
【0035】
(式中、R1は炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、R2は炭素数3〜20の分岐状炭化水素基、R3は炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基を示す。)
具体的には、R1としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等の炭素数3〜12脂環式炭化水素が挙げられ、特にシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。R2としてはイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基等の炭素数3〜20の分岐状炭化水素基が挙げられ、特にイソプロピル基が好ましい。R3としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、アリル基、プロぺニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらの中では特に炭素数1〜10個のアルキル基が好ましい。
【0036】
前記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物としては具体的に、シクロプロピルイソブチルジメトキシシラン、シクロプロピルイソペンチルジメトキシシラン、シクロプロピル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロプロピルネオペンチルジメトキシシラン、シクロプロピル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロブチルイソブチルジメトキシシラン、シクロブチルイソペンチルジメトキシシラン、シクロブチル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロブチルネオペンチルジメトキシシラン、シクロブチル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソペンチルジメトキシシラン、シクロペンチル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロペンチルネオペンチルジメトキシシラン、シクロペンチル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルネオペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロへプチルイソブチルジメトキシシラン、シクロへプチルイソペンチルジメトキシシラン、シクロへプチル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロへプチルネオペンチルジメトキシシラン、シクロへプチル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、シクロオクチルイソブチルジメトキシシラン、シクロオクチルイソペンチルジメトキシシラン、シクロオクチル−2−メチルブチルジメトキシシラン、シクロオクチルネオペンチルジメトキシシラン、シクロオクチル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、1−ノルボルニルイソブチルジメトキシシラン、1−ノルボルニルイソペンチルジメトキシシラン、1−ノルボルニル−2−メチルブチルジメトキシシラン、1−ノルボルニルネオペンチルジメトキシシラン、1−ノルボルニル−2−メチルへキシルジメトキシシラン、2−ノルボルニルイソブチルジメトキシシラン、2−ノルボルニルイソペンチルジメトキシシラン、2−ノルボルニル−2−メチルブチルジメトキシシラン、2−ノルボルニルネオペンチルジメトキシシラン、2−ノルボルニル−2−メチルへキシルジメトキシシラン等が挙げられる。好ましくは、シクロペンチルイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランが挙げられる。
【0037】
(C)成分の有機ケイ素化合物は、任意の方法によって合成することができる。代表的な合成経路は、下記のとおりである。
【0038】
【化5】
【0039】
この合成経路において、原料化合物R1Si(OMe)3 は有機ケイ素化合物から公知のアルキル化、アルコキシ化反応等により得ることができる。更に、R1Si(OMe)3に対して、公知のグリニャール反応により、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を得ることができる。
【0040】
これらの有機ケイ素化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
本発明のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法は、前記のオレフィン重合触媒の存在下、プロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成する工程と、エチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分を形成する工程からなる製造方法である。
触媒の成分の使用量については、特に制限はないが、(A)成分の固体触媒成分は、チタン原子に換算して、反応容積1リットル当たり、通常0.0005〜1ミリモルの範囲になるような量が用いられ、(C)成分の有機金属化合物は、金属/チタン原子比が通常1〜1000、好ましくは10〜500の範囲になるような量が用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。また、(C)成分の有機ケイ素化合物は、(C)有機ケイ素化合物/(B)有機金属化合物モル比が、通常0.02〜2.0、好ましくは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられる。このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性が得られないことがある。
本発明の製造方法における重合形式については特に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バルク重合等のいずれにも適用可能であり、さらに、重合方式としては回分式重合や連続式重合のどちらであってもよい。回分式重合や連続式重合のいずれも一般的にはまずポリプロピレン成分、即ちプロピレン単独重合部を作り、次いでエチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分、即ち共重合部を作る。例えば連続式で製造する場合は、前段の重合槽に原料プロピレンガスに分子量調整剤の水素ガス、触媒を供給し、重合時間で重合量をコントロールしてプロピレン単独重合部を製造し、次いで後段の重合槽に移動して更に原料プロピレンガスにエチレンガス、水素ガス、および必要に応じて触媒を加え共重合部を製造し、ブロック共重合体を得ることが出来る。本発明における共重合部の製造に際しては、エチレンは単独で用いてもよいが、必要に応じて前記一般式(3)で表わされるα−オレフィンの中でエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンと組み合わせて用いてもよい。さらに、ブタジエンなどのジエン類、その他各種のオレフィン類も必要に応じて用いることができる。
【0042】
プロピレン単独重合における重合条件としては、その重合圧は、特に制限はなく、通常、大気圧〜8MPa(Gauge)、好ましくは0.2〜5MPa(Gauge)、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは、30〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は、通常、5分〜20時間、好ましくは、10分〜10時間程度である。
【0043】
共重合部の重合条件としては、その重合圧は、特に制限はなく、通常、大気圧〜8MPa(Gauge)、好ましくは0.2〜5MPa(Gauge)、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは、20〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は、通常、1分〜20時間、好ましくは、1分〜10時間程度である。供給するエチレンとプロピレンの比率はエチレン/プロピレンのモル比で、0.01〜9好ましくは0.05〜2.3である。
【0044】
プロピレン単独重合部及び共重合部における重合体の分子量は、連鎖移動剤の添加、好ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。また、窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。前記の触媒を用いると、従来のマグネシウム、チタン、ハロゲン及び電子供与性化合物からなる触媒系に比べ、少量の水素量で容易に高溶融流動性のオレフィン重合体が得られる。例えば、プロピレン単独重合体で示せば、プロピレン単独重合体のテトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η](デシリットル/グラム)と重合時の水素分圧(MPa)と全圧(MPa)の関係が好ましくは
[η]≦−2.7975×([水素分圧]/[全圧])+1.80
より好ましくは
[η]≦−2.7975×([水素分圧]/[全圧])+1.68
を満たす。このため、共重合部の分子量を高め易く、得られるブロック共重合体の剛性や耐衝撃性が高められ好ましい。
【0045】
また、本発明における触媒成分としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを所定の割合で混合し、接触させたのち、ただちにプロピレンを導入して重合をおこなってもよいし、接触後、0.2〜3時間程度熟成させたのち、プロピレンを導入して重合を行ってもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸濁して供給することができる。
【0046】
本発明においては、重合後の後処理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオレフィンなどを除くために、窒素気流などを通過させてもよいし、また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加することもできる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペレット化することができる。
〔II〕プロピレン系ブロック共重合体
本発明のプロピレン系ブロック共重合体は前記のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法により得られる重合体である。プロピレン系ブロック共重合体としては、通常JIS−K7210に準拠し、230℃、2.16kgにて測定したメルトフローレート(MFR)が0.01〜1000(g/10min)、好ましくは0.1〜500である。また、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーにより測定したMw/Mnが通常3.5〜5.0、好ましくは3.5〜4.5である。なかでも、昇温分別法における結晶成分の溶出曲線のピーク温度Y(℃)とポリプロピレン成分についてテトラリン溶媒中135℃にて測定した極限粘度[η](デシリットル/グラム)が下記の関係を満たすプロピレン系ブロック共重合体が好ましい。
Y≧1.505×[η]+116.0
前記のポリプロピレン成分とは、プロピレンを重合させて得られるプロピレン単独重合体を言う。前記の[η]としては、0.7〜3.0(デシリットル/グラム)が好ましい。また、Yとしては、117.1℃以上が好ましい。なお、Yと[η]の測定方法については実施例にて述べる。
【0047】
さらに本発明のプロピレン系ブロック共重合体としては、常温25℃におけるキシレン可溶成分(非晶部とも言う)量が5〜50重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。また、非晶部のエチレン含有量が15〜50重量%、さらに好ましくは25〜45重量%である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら制限されるものではない。最初に、本発明における物性の評価方法について説明する。
(1)メルトフローレート(MFR)の測定
JIS−K7210に準拠し、230℃、2.16kgにて測定した。
(2)[η] の測定
(株) 離合社のVMR−053型自動粘度計を用い、テトラリン溶媒中135℃において測定した。
(3)昇温分別法におけるけ結晶成分の溶出曲線のピーク温度
重合により得られたポリマーについて、昇温遊離分離法により求める。試料調製は、常温でo−ジクロロベンゼン10ml中にポリマー75mgを秤量し、135〜150℃でlhr攪拌し溶解させる。カラム内に試料溶液を135℃の条件下で0.5ml注入後、10℃/hrで0℃まで徐冷してポリマーを充填剤表面に結晶化させる。その際結晶化せずに残ったポリマーの量を0℃可溶分量とした。結晶成分の溶出曲線は冷却後、o−ジクロロベンゼンを2m1/minにて流通させながらカラム温度を40℃/hrで昇温させ、随時溶出されるポリマー濃度を赤外検出器にて連続的に測定することによって求める。得られた溶出曲線において、ピーク位置の温度をピーク温度(Y:℃)とした。なお、カラムは4.6mmφ×150mm、充填剤はクロモソルブPを使用し、溶出曲線の調整は標準試料として直鎖状PE(SRM1475)を用い、上記条件で溶出させた際にピーク温度が100℃(±0.5)となるように調整した。検出には波長3.41μmを用いた。
(4)常温キシレン可溶成分量の測定
常温(25℃)キシレシ可溶成分及び不溶成分は、次のようにして求める。
▲1▼試料を5土0.05g精秤してl000ミリリットルナス型フラスコに入れ、さらにBHT(駿化防止剤) 1±0.05gを添加したのち、回転子及びパラキシレン700±10ミリリットルを投入する。
▲2▼次いでナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を作動させながら、140土5℃のオイルバスでフラスコを120土30分間加熱して、試料をパラキンレンに溶解させる。▲3▼次に、1000ミリリットルビーカーにフラスコの内容物を注いだのち、ビーカー内の溶液をスターラーで攪拌しながら、室温(25℃)になるまで放冷(8時間以上)後、析出物を金網でろ取する。
▲4▼ろ液は、さらにろ紙にてろ過したのち、このろ液を3000ミリリットルビーカーに収容されたメタノール2000土100ミリリットル中に注ぎ、この液を室温(25℃)にてスターラーで攪拌しながら、2時間以上放置する。
▲5▼次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾後、真空乾燥機にて100土5℃で240〜270分間乾燥して、25℃キシレン可溶成分を回収する。
▲6▼一方、上記▲3▼において金網でろ取した析出物を、再度上記▲1▼及び▲2▼の方法に準じてパラキシレンに溶解したのち、3000ミリリットルビーカーに収容されたメタノール2000土100ミリリットル中に素早く熱いまま移し、2時間以上スターラーで攪拌後、一晩室温(25℃)にて放置する。
▲7▼次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾後、真空乾燥機にて100土5℃で240〜270分間乾燥して、25℃キシレン不溶成分を回収する。
【0049】
一方、25℃キンレンに対する可溶成分の含有量(w)は、試料重量をAg、前記▲5▼で回収した可溶成分の重量をCgとすれば、
w(重量%)=100×C/A
で表され、また不溶成分の合有量は(100−w)重量%で表される。
(5)常温(25℃)キンレン可溶成分の13C−NMRによるエチレン合有量の測定
常温(25℃)キシレン可溶成分のエチレン単位含有量は、下記の方法により求める。すなわち、試料について下記に示す13C−NMRの測定を行い、そのスペクトルにおける35〜21ppm〔テトラメチルシラン(TMS)化学シフト基準〕領域の7本のピーク強度から、エチレン(E)、プロピレン(P)のtriad連鎖分率(モル%)を次式により計算する。
【0050】
fEPE=〔K(Tδδ)/T〕×100
fPPE=〔K(Tβδ)/T〕×100
fEEE=〔K(Sγδ)/4T+K(Sδδ)/2T〕×100
fPPP=〔K(Tββ)/T〕×100
fPEE=〔K(Sβγ)/T〕×100
fPEP=〔K(Sββ)/T〕×100
ただし、T=K(Tδδ)+K(Tβδ)+K(Sγδ)/4+K(Sδδ)/2+K(Tββ)+K(Sβδ)+K(Sββ)を示す。又、ここで例えば、fEPEはEPEtriad連鎖分率(モル%)を、K(Tδδ)はTδδ炭素に帰属されるピークの積分強度を示す。
【0051】
次に、エチレン単位含有量(重量%)は上記triad連鎖分率を用いて次式により計算する。
エチレン単位含有量(重量%)=28〔3fEEE +2(fPEE+fEPE)+fPPE+fPEP〕×100/ [28〔3fEEE +2(fPEE +fEPE)+fPPE+fPEP〕+42〔3fPPP+2(fPPE+fPEP)+fEPE+fPEE 〕]
<13C−NMR測定>
NMR試料管に試料220mgを採取し、これに1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン混合溶媒(容量比90/10) 3ミリリットルを加えたのち、キヤップをして130℃で均―に溶解後、13C−NMRの測定を次に示す測定条件にて行う。
装置: 日本電子(株)製JNM−EX400
パルス幅: 9μs (45°)
パルス繰り返し時間:4秒
スペクトル幅: 20000Hz
測定温度: 130℃
積算回数: 1000〜10000回
(6)耐衝撃強度の測定
JIS K7110に準拠して、射出成形品23℃、−30℃でのノッチつきアイゾット衝撃強度を測定する。
(7)曲げ弾性率の測定
JIS K7203に準拠して、曲げ弾性率を測定した。
〔実施例1〕
(固体触媒成分の調製)
窒素で置換した内容積5リットルの攪拌機付三つロフラスコにジエトシマグネシウム16gを投入する。更に脱水処理したオクタンを80ミリリットル加えた。40℃に加熱し、四塩化珪素2.4ミリリットルを加え、20分間攪拌し、フタル酸−ジ―n−ブチル(DNBP)を3.4ミリリットル加えた。溶液を80℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを摘下ロートを用いて77ミリリットル滴下した。内温を125℃として2時間接触させた。その後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。100ミリリットルの脱水オクタンを加え、攪拌しながら125℃まで昇温し、1分間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄みを抜き出した。この洗浄操作を7回繰り返した。更に四塩化チタンを122ミリリットル加え、内温を125℃とし、2時間接触させた。その後、125℃の脱水オクタンによる洗浄を6回繰り返し固体触媒成分を得た。
(予備重合)
窒素で置換した内容積0.5リットルの攪拌機付き三つ口フラスコに固体触媒成分を6.0g投入する。更に脱水処理したヘプタンを47ミリリットル加えた。トリエチルアルミニウム1.8ミリリットルとシクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン(CyiBuSi)0.9ミリリットル加えた。内温を50℃とし、これにプロピレンガスを常圧で流通させ2時間反応させた。その後、固体成分は脱水ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒Aを得た。
(重合方法)
窒素ガスで充分乾燥し、次いでプロピレンガスで置換された内容積5リットルの攪拌装置付きステンレス製オートクーブを70℃に保ち、プロピレンガスで0.05MPa(Gauge)に昇圧した。この状態で水素ガスを0.48MPa(Gauge)張り込み、更にプロピレンガスで2.8MPa(Gauge)まで徐々に昇圧した。次いで、窒素ガスで置換された60ミリリットルの触媒投入管にヘプタン20ミリリットル、トリエチルアルミニウム4.0ミリモル、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン(CyiBuSi)1ミリモル、触媒AをTi原子当たり0.02ミリモルそれぞれ採取後、オートクーブに投入して60分間重合した。その後、外気圧まで脱圧して、窒素雰囲気にて、極限粘度[η]測定用にサンプリングを行い、一旦真空脱気し、次いでエチレンガス/プロピレンガスを4.7:5.3のモル比の割合で1MPa張り込み、70℃、1MPaに保ち20分間プロピレン/エチレン共重合を行った。その後、外気圧まで脱圧し、常温まで降温した後、オートクレーブを開放じ生成ポリマーパウダーを回収した。得られたプロックポリプロピレンパウダーに中和剤として、ステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製)を1000ppm、DHT−4A(協和化学(株)製)を1500ppm、酸化防止剤としてP−EPQ(クラリアント(株)製)を750ppm、イルガノックス1010(チバ・スペシヤルティケミカルズ(株)製)を1500ppm、結晶核剤としてPTBBA−Al(大日本インキ化学工業(株)製)を2000ppm加え、よく混合させた後、20mm単軸混練押出機にて溶融混練造粒し、ペレットを作成した。ペレットの一部用いて所定の構造解析を行い、残りのペレットを用い射出成形して試験片を作成し物性測定を行った。得られた結果を表1に示す。
〔実施例2〕
二段目の共重合時間を40分としたこと以外は実施例1と同様に行った。
〔実施例3〕
一段目の重合時間を30分としたこと以外は実施例1と同様に行った。
〔実施例4〕
二段目のエチレン:プロピレンのモル比を2.7:7.3にし更に二段目の重合時間を60分としたこと以外は実施例1と同様に行った。
〔比較例1〕
予備重合時及び本重合時の有機ケイ素化合物をシクロヘキシルイソブチルジメトキシシランからシクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CyMe)に変えたこと及び一段目のプロピレン単独重合体製造時の水素圧を0.55MPa(Gauge)とし、二段目の共重合時間を40分としたこと以外は実施例1と同様に行った。
〔比較例2〕
二段目の共重合時間を70分としたこと以外は比較例1と同様に行った。
〔比較例3〕
予備重合時及び本重合時の有機ケイ素化合物をシクロヘキシルイソブチルジメトキシシランからジシクロペンチルジメトキシシラン(Cyp2)に変えたこと以外は実施例2と同様に行った。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、少量の水素により容易に高立体規則性のポリプロピレン成分の分子量およびメルトフローレート(MFR)を調節することができると共に高分子量のエチレン/プロピレン共重合体成分を形成することができ、成形性及び耐衝撃性、剛性に優れるプロピレン系ブロック共重合体を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明のプロピレン系ブロック共重合における一態様を示す図である。
Claims (1)
- (A)(a)チタン、マグネシウム、ハロゲン及びフタル酸ジエステル類を含有する固体触媒成分と(b)有機アルミニウム化合物と(c)シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランの存在下、オレフィン類を接触させて得られる予備重合触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物及び(C)シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランからなるオレフィン重合触媒の存在下での、プロピレンを重合させてポリプロピレン成分を形成する工程と、エチレンとプロピレンとを共重合させてエチレン/プロピレン共重合体成分を形成する工程からなる気相重合形式によるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法。
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