JP3960039B2 - 改質された粒子およびその製造方法、担体、付加重合用触媒成分、付加重合用触媒ならびに付加重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、担体および付加重合用触媒成分として有用な改質された粒子、その製造方法、それを用いて得られる付加重合用触媒および付加重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンやポリエチレン等の付加重合体は、機械的性質、耐薬品性等に優れ、またそれらの特性と経済性とのバランスが優れていることにより各種成形分野に広く用いられている。その主な用途の一つであるフィルムの重要な品質項目として、透明性などの外観や機械強度が挙げられる。従って、外観を著しく損なう上に機械強度の低下を招くような例えばゲルなどによるフィッシュアイの発生は、フィルムの品質上忌避される。また、フィルムなどの成形加工時には、低い押出し負荷や高い溶融張力など、優れた加工性が要求される。
これらの付加重合体は、従来は主として三塩化チタンや四塩化チタンなどの第4族金属化合物を用いて得られた固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物に代表される第13族金属化合物とを組み合わせた従来型固体触媒(マルチサイト触媒)を用いてオレフィン等を重合させることによって製造されてきた。
【0003】
近年、古くから用いられてきた固体触媒成分とは異なる遷移金属化合物(例えばメタロセン錯体や非メタロセン化合物)とアルミノキサン等とを組み合わせた、いわゆるシングルサイト触媒を用いてオレフィン等を重合させる付加重合体の製造方法が提案されている。例えば、特開昭58−19309号公報にはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドとメチルアルミノキサンを用いる方法が報告されている。また、特定のホウ素化合物をかかる遷移金属化合物と組合わせることも報告されている。例えば、特表平1−502036号公報にはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルとトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いる方法が報告されている。これらシングルサイト触媒を用いて得られる付加重合体は従来型固体触媒(マルチサイト触媒)で得られるものよりも一般に分子量分布が狭く、また共重合体の場合にはコモノマーがより均一に共重合されていることから、従来型固体触媒を用いた場合よりも均質な付加重合体が得られることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシングルサイト触媒を用いて得られる付加重合体の問題点の一つとして、該付加重合体から成形されるフィルムにフィッシュアイが多数発生しがちであることが挙げられる。
本発明の目的は、シングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物とともに用いて付加重合することにより、外観の良好なフィルムの得られる付加重合体を製造し得る粒子、担体および付加重合用触媒成分、該粒子の製造方法、該粒子を用いてなる予備重合済付加重合用触媒成分、該粒子を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)、下記(b)、下記(c)および無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子よりなるオレフィン重合用触媒成分にかかるものである。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
M1L1 m [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
R1 t-1TH [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
R2 t-2TH2 [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M1 は周期律表第12族の典型金属原子を表し、mはM1 の原子価を表す。L1 は炭化水素基を表し、L1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。R1 はハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基を表し、R1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R2 は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。Tはそれぞれ独立に窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子を表し、tはそれぞれの化合物のTの原子価を表す。)
さらに本発明は、該改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒にかかるものであり、そして、該改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒にかかるものである。
本発明は、該改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済オレフィン重合用触媒成分にかかるものであり、また、該改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済オレフィン重合用触媒成分にかかるものであり、そして、該予備重合済オレフィン重合用触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒にかかるものである。
また本発明は、該改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られるオレフィン重合用触媒にかかるものであり、また、該改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られるオレフィン重合用触媒にかかるものである。
そして本発明は、上記いずれかのオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法にかかるものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
化合物(a)は下記一般式[1]で表される化合物である。
M1L1 m [1]
上記一般式[1]におけるM1 は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)第1、2、12、14または15族の典型金属原子を表す。その具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子、ビスマス原子等が挙げられる。M1 として好ましくはマグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子またはビスマス原子であり、特に好ましくはマグネシウム原子、亜鉛原子、スズ原子またはビスマス原子であり、最も好ましくは亜鉛原子である。
また、上記一般式[1]におけるmはM1 の原子価を表し、例えばM1 が亜鉛原子の場合mは2である。
【0008】
上記一般式[1]におけるL1 は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、L1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。L1 におけるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。L1 における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましい。
【0009】
ここでいうアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0010】
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基、1H,1H−パーフルオロプロピル基、1H,1H−パーフルオロブチル基、1H,1H−パーフルオロペンチル基、1H,1H−パーフルオロヘキシル基、1H,1H−パーフルオロオクチル基、1H,1H−パーフルオロドデシル基、1H,1H−パーフルオロペンタデシル基、1H,1H−パーフルオロエイコシル基、1H,1H−パークロロプロピル基、1H,1H−パークロロブチル基、1H,1H−パークロロペンチル基、1H,1H−パークロロヘキシル基、1H,1H−パークロロクチル基、1H,1H−パークロロドデシル基、1H,1H−パークロロペンタデシル基、1H,1H−パークロロエイコシル基、1H,1H−パーブロモプロピル基、1H,1H−パーブロモブチル基、1H,1H−パーブロモペンチル基、1H,1H−パーブロモヘキシル基、1H,1H−パーブロモオクチル基、1H,1H−パーブロモドデシル基、1H,1H−パーブロモペンタデシル基、1H,1H−パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0011】
アリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0012】
アラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(イソブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0013】
上記一般式[1]におけるL1 として好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくはアルキル基である。
【0014】
化合物(b)は下記一般式[2]で表される化合物である。
R1 t-1TH [2]
また、化合物(c)は下記一般式[3]で表される化合物である。
R2 t-2TH2 [3]
上記一般式[2]または[3]におけるTはそれぞれ独立に、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の非金属原子を表す。一般式[2]におけるTと一般式[3]におけるTとは同じであっても異なっていてもよい。第15族非金属原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが、第16族非金属原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、それぞれ独立に窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくはTは酸素原子である。
上記一般式[2]または[3]におけるtはそれぞれのTの原子価を表し、Tが第15族非金属原子の場合はtは3であり、Tが第16族非金属原子の場合はtは2である。
【0015】
上記一般式[2]におけるR1 は、電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0016】
電子吸引性基の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホン基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を含有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基、シアノ化アリール基、ニトロ化アリール基、エステル基(アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基)、アシル基、ハロゲン化アシル基等が挙げられる。
【0017】
ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基、1H,1H−パーフルオロブチル基、1H,1H−パーフルオロペンチル基、1H,1H−パーフルオロヘキシル基、1H,1H−パーフルオロオクチル基、1H,1H−パーフルオロドデシル基、1H,1H−パーフルオロペンタデシル基、1H,1H−パーフルオロエイコシル基、1H,1H−パークロロブチル基、1H,1H−パークロロペンチル基、1H,1H−パークロロヘキシル基、1H,1H−パークロロクチル基、1H,1H−パークロロドデシル基、1H,1H−パークロロペンタデシル基、1H,1H−パークロロエイコシル基、1H,1H−パーブロモブチル基、1H,1H−パーブロモペンチル基、1H,1H−パーブロモヘキシル基、1H,1H−パーブロモオクチル基、1H,1H−パーブロモドデシル基、1H,1H−パーブロモペンタデシル基、1H,1H−パーブロモエイコシル基等が挙げられる。
【0018】
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基等が挙げられる。
【0019】
(ハロゲン化アルキル)アリール基の具体例としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
【0020】
シアノ化アリール基の具体例としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0021】
ニトロ化アリール基の具体例としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0022】
エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0023】
アシル基の具体例としては、ホルミル基、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロエタノイル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル基、パーフルオロエタノイル基、パーフルオロプロパノイル基、パーフルオロブタノイル基、パーフルオロペンタノイル基、パーフルオロヘキサノイル基、パーフルオロヘプタノイル基、パーフルオロオクタノイル基、パーフルオロノナノイル基、パーフルオロデカノイル基、パーフルオロウンデカノイル基、パーフルオロドデカノイル基等が挙げられる。
【0024】
R1 として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基である。さらに好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基またはペンタクロロフェニル基であり、特に好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,5−ジフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。
【0025】
上記一般式[3]におけるR2 は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。R2 における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましく、一般式[1]におけるL1 として説明したものと同様の炭化水素基が用いられる。R2 におけるハロゲン化炭化水素基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基等が挙げられ、上記一般式[2]のR1 における電子吸引性基の具体例として挙げたものと同様のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基が用いられる。
【0026】
上記一般式[3]におけるR2 として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、さらに好ましくはフッ素化炭化水素基である。
【0027】
化合物(a)を具体的に例示すると、M1 が亜鉛原子の場合の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;ジアリル亜鉛等のジアルケニル亜鉛;ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化−n−ブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化−n−ヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化−n−ブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化−n−ヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化プロピル亜鉛、よう化−n−ブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化−n−ヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
【0028】
化合物(a)として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジ−n−ヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0029】
化合物(b)を具体的に例示すると、アミン類としては、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロエイコシル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロブチル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パークロロエイコシル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモブチル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーブロモエイコシル)アミン等が挙げられる。また、窒素原子がリン原子に置換されたホスフィン化合物も同様に例示することができる。それらホスフィン化合物は、上述の具体例のアミンをホスフィンに書き換えることによって表される化合物等である。
【0030】
アルコール類としては、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール、1H,1H−パーフルオロブタノール、1H,1H−パーフルオロペンタノール、1H,1H−パーフルオロヘキサノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H−パーフルオロドデカノール、1H,1H−パーフルオロペンタノール、1H,1H−パーフルオロエイコサノール、1H,1H−パークロロブタノール、1H,1H−パークロロペンタノール、1H,1H−パークロロヘキサノール、1H,1H−パークロロオクタノール、1H,1H−パークロロドデカノール、1H,1H−パークロロペンタデカノール、1H,1H−パークロロエイコサノール、1H,1H−パーブロモブタノール、1H,1H−パーブロモペンタノール、1H,1H−パーブロモヘキサノール、1H,1H−パーブロモオクタノール、1H,1H−パーブロモドデカノール、1H,1H−パーブロモペンタデカノール、1H,1H−パーブロモエイコサノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール化合物も同様に例示することができる。それらチオール化合物は、上述の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに、ブタノールをブタンチオールに、ペンタノールをペンタンチオールに、ヘキサノールをヘキサンチオールに、オクタノールをオクタンチオールに、ドデカノールをドデカンチオールに、ペンタデカノールをペンタデカンチオールに、エイコサノールをエイコサンチオールに書き換えることによって表される化合物等である。
【0031】
フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノール、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェノール、パークロロ−1−ナフトール、パークロロ−2−ナフトール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,4−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェノール、パーブロモ−1−ナフトール、パーブロモ−2−ナフトール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,4−ジヨードフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,4−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨードフェノール、ペンタヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェノール、パーヨード−1−ナフトール、パーヨード−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオフェノール化合物も同様に例示することができる。それらチオフェノール化合物は、上述の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物(ナフトールの場合は、ナフトールをナフチルチオールに書き換えることによって表される化合物)等である。
【0032】
ハロゲン化カルボン酸としては、ペンタフルオロベンゾイックアシッド、パーフルオロエタノイックアシッド、パーフルオロプロパノイックアシッド、パーフルオロブタノイックアシッド、パーフルオロペンタノイックアシッド、パーフルオロヘキサノイックアシッド、パーフルオロヘプタノイックアシッド、パーフルオロオクタノイックアシッド、パーフルオロノナノイックアシッド、パーフルオロデカノイックアシッド、パーフルオロウンデカノイックアシッド、パーフルオロドデカノイックアシッド等が挙げられる。
【0033】
化合物(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
【0034】
化合物(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0035】
化合物(c)を具体的に例示すると、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、または(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
【0036】
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
【0037】
パーフルオロプロピルアミン、パークロロプロピルアミン、パーブロモプピルアミン、パーヨードプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パークロロブチルアミン、パーブロモブチルアミン、パーヨードブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パークロロペンチルアミン、パーブロモペンチルアミン、パーヨードペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パークロロヘキシルアミン、パーブロモヘキシルアミン、パーヨードヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パークロロオクチルアミン、パーブロモオクチルアミン、パーヨードオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パークロロドデシルアミン、パーブロモドデシルアミン、パーヨードドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パークロロペンタデシルアミン、パーブロモペンタデシルアミン、パーヨードペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、パークロロエイコシルアミン、パーブロモエイコシルアミン、パーヨードエイコシルアミン、
【0038】
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリンが挙げられる。
【0039】
化合物(c)として好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリンまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0040】
粒子(d)としては一般に担体として用いられているものが好ましく使用され、粒径の整った、多孔性の物質が好ましく、無機物質または有機ポリマーが好適に使用され、無機物質がより好適に使用される。
粒子(d)としては、得られるポリマーの粒径分布の観点から、粒子(d)の粒径の体積基準の幾何標準偏差として好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である。
【0041】
粒子(d)として用いられ得る無機物質の例としては、無機酸化物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。
無機酸化物の具体例としては、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、およびこれらの混合物、例えば、SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiO2および/またはAl2O3が好ましく、特にSiO2(即ちシリカ)が好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
【0042】
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライトである。
【0043】
これらの無機物質のうちでは、無機酸化物が好適に用いられる。
これらの無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
【0044】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物としてはその表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用しても良い。この際の置換基はシリル基が好ましい。改質無機酸化物として具体的には、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン、ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシランなどと接触処理した無機酸化物が挙げられる。
【0045】
無機物質の平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜100μmである。細孔容量として好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m2/g、より好ましくは100〜500m2/gである。
【0046】
粒子(d)として用いられ得る有機ポリマーとしては、どの有機ポリマーを用いても良く、また複数種の有機ポリマーを混合物として用いても構わない。有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0047】
活性水素を有する官能基としては、活性水素を有していれば特に制限はなく、具体例としては1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0048】
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基としては、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であれば特に制限はなく、具体例としてはピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0049】
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の量は特に限定されないが、好ましくは、重合体の単位グラム当りの官能基のモル量として0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0050】
かかる官能基を有する重合体は、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合することにより、またはこれと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。このときさらに2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーをもいっしょに共重合することが好ましい。
【0051】
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、上記の活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマー、あるいは、上記の活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。かかる重合性不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチン基等のアルキニル基等が挙げられる。
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物を挙げることができる。具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾールを挙げることができる。
【0052】
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物等が例示され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレンなどが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種以上を用いても良い。
また、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0053】
有機ポリマーの平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量として好ましくは、0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m2/g、より好ましくは50〜500m2/gである。
【0054】
これらの有機ポリマーは、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない有機ポリマーについて温度30〜400℃で、好ましくは50〜200℃で、さらに好ましくは70〜150℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
【0055】
本発明の改質された粒子は、上記の(a)、(b)、(c)および(d)を接触させて得られる改質された粒子である。(a)、(b)、(c)および(d)を接触させる順序としては特に限定されることはなく、以下の順序等が挙げられる。
<1>(a)と(b)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<2>(a)と(b)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<3>(a)と(c)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<4>(a)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<5>(a)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<6>(a)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<7>(b)と(c)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<8>(b)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<9>(b)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<10>(b)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<11>(c)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<12>(c)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
接触順序として好ましくは上記の<1>、<2>、<3>、<11>または<12>である。
【0056】
このような接触処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、このような処理は溶媒を用いてもよく、用いることなくこれらの化合物を直接処理してもよい。
【0057】
溶媒としては、その溶媒を使用するときに接触させる成分のそれぞれや接触させて得られる接触物と反応しない溶媒が通常用いられる。上述のように、段階的に各成分を接触させる場合には、例えば上記(a)と反応するような溶媒であっても、上記(a)と他の成分とが接触して得られた接触物はもはや該溶媒とは反応しないときがあり、そのようなときには、該接触物をひとつの成分とする接触操作の際の溶媒として該溶媒を用いることができる。以下に溶媒を例示するが、このように適宜使い分ければよい。使用され得る溶媒を例示すると、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒などの非極性溶媒、またはハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物などの極性溶媒が挙げられる。具体例としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物が挙げられる。
【0058】
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(e)と、粒子(d)とを接触させる場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、接触物(e)を製造する際の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
【0059】
一方、接触物(e)と粒子(d)とを接触させる際の溶媒(s2)としては極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、ET N値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧ET N≧0.1を満足する溶媒が特に好ましい。かかる極性溶媒を例示するとジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。溶媒(s2)としてさらに好ましくはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールまたはトリエチレングリコールであり、特に好ましくはジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノールまたはシクロヘキサノールであり、最も好ましくはテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールである。
【0060】
また、前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒を用いることもできる。炭化水素溶媒としては上に例示した脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒が用いられる。極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒を具体的に例示すると、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒等を例示することができる。好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。さらに好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒またはトルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。
トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、さらに好ましくは15〜30体積%である。
【0061】
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(e)と、(d)とを接触させる方法、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共に炭化水素溶媒を用いることもできるが、この場合(a)、(b)および(c)を接触させた後、得られた接触物(e)と粒子(d)とを接触させるまでの時間間隔は短い方が好ましい。時間間隔として好ましくは0〜5時間であり、さらに好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(e)と粒子(d)とを接触させる際の温度は、通常−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜20℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
【0062】
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用することができるが、非極性溶媒がより好ましい。というのも、(a)と(c)との接触物や、(a)と(b)との接触物と(c)とが接触した接触物は一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に(d)が存在する場合、生成した接触物が非極性溶媒中に存在するより(d)の表面に析出する方が安定であるため、より固定化されやすくなると考えられるため好ましい。
【0063】
上記(a)、(b)、(c)各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(1)を実質的に満足することが好ましい。
|m−y−2z|≦1 (1)
(上記式(1)において、mはM1 の原子価を表す。)
上記式(1)におけるyとして好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数であり、また上記式(1)におけるzの同様の好ましい範囲は、m、yおよび上記式(1)によって決定される。
【0064】
実際の各化合物の接触処理においては、仮に完全に上記式(1)を満足するよう各化合物の使用を企図しても、微妙に使用量は変動してしまうことがあり、また未反応で残存してしまう化合物の量等を考慮して適宜使用量を若干増減させることは通常行われることである。ここでいう“式(1)を実質的に満足する”とは、完全に上記式(1)を満足せずとも、上記式(1)を満足するモル比率で各化合物を接触させて得られるような目的物を得ようと企図する場合は含むことを意味する。
【0065】
本発明の改質された粒子の調製において、(a)に対して使用する(d)の量としては、(a)と(d)との接触により得られる粒子に含まれる(a)に由来する典型金属原子が、得られる粒子1gに含まれる典型金属原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましいので、該範囲になるように適宜決めればよい。
【0066】
上記のような接触処理の後、反応をより進行させるため、加熱することも好ましく行われる。加熱に際しては、より高温とするためより沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、そのために接触処理に用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置換してもよい。
【0067】
本発明の改質された粒子としては、このような接触処理の結果、原料である(a)、(b)、(c)および/または(d)が未反応物として残存していてもよい。しかし、付加重合体粒子の形成を伴う重合に適用する場合、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同一でも異なっていても良い。このような洗浄処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0068】
また、このような接触処理や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後25℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは40℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、さらに好ましくは60℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、特に好ましくは60℃〜160℃の温度で2時間〜18時間、最も好ましくは80℃〜160℃の温度で4時間〜18時間乾燥を行うことが好ましい。
【0069】
本発明の改質された粒子の製造方法の具体例を、M1 が亜鉛原子であり、化合物(b)がペンタフルオロフェノールであり、化合物(c)が水であり、粒子(d)がシリカである場合についてさらに詳細に以下に示す。テトラヒドロフランを溶媒とし、そこへジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、3℃に冷却し、そこへジエチル亜鉛に対して等モル量のペンタフルオロフェノールを滴下し室温にて10分間〜24時間攪拌を行った後、さらにジエチル亜鉛に対して0.5倍モル量の水を滴下し室温にて10分間〜24時間撹袢する。その後、溶媒を留去し、120℃で減圧下8時間乾燥を行う。以上の操作によって得られた固体成分に、テトラヒドロフラン、シリカを加え、40℃で2時間攪拌する。固体成分をテトラヒドロフランで洗浄した後、120℃で減圧下8時間乾燥を行う。かくして本発明の改質された粒子を製造することができる。
【0070】
本発明の改質された粒子は、シングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物からなる付加重合用触媒成分を担持させる担体として使用でき、付加重合体粒子の形成を伴う重合に好適に使用される。また、本発明の改質された粒子は付加重合用触媒成分(中でもオレフィン重合用触媒成分)として有用である。本発明の付加重合用触媒の具体例としては、上記の改質された粒子(A)、並びに、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる付加重合用触媒が挙げられ、また、上記の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに、有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる付加重合用触媒が挙げられ、後者がより高活性であり好ましい。
以下、該付加重合用触媒についてさらに詳細に説明する。
【0071】
(B)第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物
本発明の付加重合用触媒に用いられる第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)としてはシングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物が使用され、前記改質された粒子(A)(あるいはさらに有機アルミニウム化合物(C))を活性化用助触媒成分として用いることにより付加重合活性を示す第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物であれば特に制限はない。なお、ここでいうシングルサイト触媒は従来型固体触媒と区別される概念であり、分子量分布が狭く、共重合の場合には組成分布が狭い付加重合体の得られる狭義のシングルサイト触媒のみならず、そのような狭義のシングルサイト触媒と似た調整法で得られる触媒であれば、分子量分布が広い付加重合体や、共重合の場合に組成分布が広い付加重合体の得られる触媒も含まれる。
【0072】
かかる遷移金属化合物(B)としては、下記一般式[4]で表される遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物二量体が好ましい。
L2 aM2 X1 b [4]
(式中、M2 は周期律表第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。L2 はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2 は直接または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。X1 はハロゲン原子または炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)である。aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。)
【0073】
一般式[4]において、M2 は周期律表(IUPAC1989年)第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。その具体例としては、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子等が挙げられる。一般式[4]におけるM2 として好ましくは、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、クロム原子、鉄原子、コバルト原子またはニッケル原子であり、特に好ましくはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。
【0074】
一般式[4]において、L2 はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2 は同じであっても異なっていてもよい。また複数のL2 は直接または炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。
【0075】
L2 におけるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としては(置換)シクロペンタジエニル基、η5 −(置換)インデニル基、η5 −(置換)フルオレニル基などが挙げられる。具体的に例示すれば、η5 −シクロペンタジエニル基、η5 −メチルシクロペンタジエニル基、η5 −エチルシクロペンタジエニル基、η5 −n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5 −tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−2−エチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−2−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5 −テトラメチルシクロペンタジエニル基、η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル基、η5 −インデニル基、η5 −4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、η5 −2−メチルインデニル基、η5 −3−メチルインデニル基、η5 −4−メチルインデニル基、η5 −5−メチルインデニル基、η5 −6−メチルインデニル基、η5 −7−メチルインデニル基、η5 −2−tert−ブチルインデニル基、η5 −3−tert−ブチルインデニル基、η5 −4−tert−ブチルインデニル基、η5 −5−tert−ブチルインデニル基、η5 −6−tert−ブチルインデニル基、η5 −7−tert−ブチルインデニル基、η5 −2,3−ジメチルインデニル基、η5 −4,7−ジメチルインデニル基、η5 −2,4,7−トリメチルインデニル基、η5 −2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、η5 −4,5−ベンズインデニル基、η5 −2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、η5 −4−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−5−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−4−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−4−ナフチルインデニル基、η5 −フルオレニル基、η5 −2,7−ジメチルフルオレニル基、η5 −2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等が挙げられる。
なお、本明細書においては、遷移金属化合物の名称については「η5 −」を省略することがある。
【0076】
前記ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられ、かかる基としてはアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルホスフィノ基、アリールホスフィノ基、キレート性配位子、あるいは酸素原子、硫黄原子、窒素原子および/またはリン原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基が好ましい。
【0077】
ヘテロ原子を含有する基を具体的に例示すれば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、4−sec−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−sec−ブチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−ニトロソフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基、2−アミノフェノキシ基、3−アミノフェノキシ基、4−アミノチオフェノキシ基、2,3,6−トリクロロフェノキシ基、2,4,6−トリフルオロフェノキシ基、チオメトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ピロリル基、ジメチルホスフィノ基、2−(2−オキシ−1−プロピル)フェノキシ基、カテコール、レゾルシノール、4−イソプロピルカテコール、3−メトキシカテコール、1,8−ジヒドロキシナフチル基、1,2−ジヒドロキシナフチル基、2,2’−ビフエニルジオール基、1,1’−ビ−2−ナフトール基、2,2’−ジヒドロキシ−6,6’−ジメチルビフェニル基、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’メチレンジフェノキシ基、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−イソブチリデンジフェノキシ基等が例示できる。
【0078】
また、前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[5]で表される基も例示することができる。
R3 3 P=N− [5]
(式中、R3 はそれぞれの場合に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、それらは互いに同じであっても異なっていても良く、それら2つ以上が互いに結合していても良く、環を形成していても良い。)
【0079】
前記一般式[5]におけるR3の具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへプチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基等が挙げれられるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
さらに前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[6]で表される基も例示することができる。
(式中、R4はそれぞれの場合に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素オキシ基、シリル基またはアミノ基を表し、それらは互いに同じであっても異なっていても良く、それら2つ以上が互いに結合していても良く、環を形成していても良い。)
【0081】
前記一般式[6]におけるR4の具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、tert−ブチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−フルオレニル基、2−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ピリジル基、シクロヘキシル基、2−イソプロピルフェニル基、ベンジル基、メチル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−クロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0082】
前記キレート性配位子とは複数の配位部位を有する配位子を指し、具体的に例示すれば、アセチルアセトナート、ジイミン、オキサゾリン、ビスオキサゾリン、テルピリジン、アシルヒドラゾン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポルフィリン、クラウンエーテル、クリプタートなどが挙げられる。
【0083】
前記複素環基の具体例としては、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、好ましくはピリジル基である。
【0084】
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基、またはヘテロ原子を含有する基同士は、それぞれ、直接連結されていても良く、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基として好ましくは、2つのL2 と結合する原子が炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはリン原子である2価の残基であり、さらに好ましくは、2つのL2 と結合する原子が炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはリン原子であり、2つのL2 と結合する原子間の最小原子数が3以下の2価の残基(これには2つのL2 と結合する原子が単一の場合を含む。)である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基、またはシリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基、ジメトキシシリレン基などの置換シリレン基、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられ、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジフェニルメチレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジフェニルシリレン基またはジメトキシシリレン基である。
【0085】
一般式[4]におけるX1 は、ハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ここでいう炭化水素基としてはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。ここでいう炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基または炭素原子数3〜20のアルケニル基が好ましい。
【0086】
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはアミル基である。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0087】
炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0088】
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0089】
炭素原子数3〜20のアルケニル基としては、例えばアリル基、メタリル基、クロチル基、1,3−ジフェニル−2−プロペニル基などが挙げられ、より好ましくはアリル基またはメタリル基である。
【0090】
X1 としてより好ましくは塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、ベンジル基、アリル基またはメタリル基である。
【0091】
一般式[4]におけるaは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表し、M2 の価数に応じて適宜選択される。
【0092】
一般式[4]で表される遷移金属化合物の内、遷移金属原子がチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(tert−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−エチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(インデニル)チタンジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、ビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0093】
ビス[2−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−メチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(3,5−ジメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(ペンタフルオロフェニル)インデニル]チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、インデニル(フルオレニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0094】
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、
【0095】
ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−tert−ブチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4,7−トリメチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−5−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
【0096】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0097】
シクロペンタジエニルチタントリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド、シクロペンタジエニル(ジメチルアミド)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フェノキシ)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、インデニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、フルオレニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、
【0098】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0099】
ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0100】
ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0101】
ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0102】
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0103】
ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0104】
ジメチルシリレン(インデニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0105】
ジメチルシリレン(フルオレニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0106】
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(ベンジルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(フェニルフォスファイド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジクロライド、
【0107】
(ジメチルアミノメチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノプロピル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(N−ピロリジニルエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタンジクロライド、(B−ジメチルアミノボラベンゼン)シクロペンタジエニルチタンジクロライド、シクロペンタジエニル(9−メシチルボラアントラセニル)チタンジクロライド、
【0108】
2,2’−チオビス[4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−スルフィニルビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−1,1’ビフェノキシ)チタンジクロライド、(ジ−tert−ブチル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、(ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、
【0109】
[ビス(トリメチルシリル)−1,3−プロパンジジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリイソプロピルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、などや、これらの化合物のチタンをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物、(2−フェノキシ)を(3−フェニル−2−フェノキシ)、(3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)、または(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ)に変更した化合物、ジメチルシリレンをメチレン、エチレン、ジメチルメチレン(イソプロピリデン)、ジフェニルメチレン、ジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、またはジメトキシシリレンに変更した化合物、ジクロライドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、またはジベンジルに変更した化合物、トリクロライドをトリフルオライド、トリブロマイド、トリアイオダイド、トリメチル、トリエチル、トリイソプロピル、トリフェニル、またはトリベンジルに変更した化合物などを例示することができる。
【0110】
一般式[4]で表される遷移金属化合物のうち、遷移金属原子がニッケル原子である化合物の具体例としては、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0111】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0112】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0113】
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、2,2−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0114】
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−4−tert−ブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0115】
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0116】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0117】
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0118】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0119】
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、および上記各化合物の対掌体などが挙げられる。また、上記ビスオキサゾリン型化合物の一方のオキサゾリン環の不斉炭素の立体配置を逆の配置にした化合物や、これらの化合物のジブロマイドをジフルオライド、ジクロライド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、またはジベンジルに変更した化合物などを例示することができる。
【0120】
さらにニッケル化合物の具体例としては、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライドや、これらの化合物のクロライドを、ブロマイド、アイオダイド、メチル、エチル、アリル、またはメタリルに変更した化合物が挙げられる。
【0121】
そしてニッケル化合物として、下記構造式にて示される化合物などが挙げられる。
(式中、R5 とR6 はそれぞれ2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、R7 およびR8 はそれぞれ水素原子またはメチル基あるいはR7 とR8 とがいっしょになってアセナフテン基であり、X2 はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、フェニル基、またはベンジル基である。)
また、上記のニッケル化合物において、ニッケルをパラジウム、コバルト、ロジウム、またはルテニウムに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0122】
一般式[4]で表される遷移金属化合物のうち、遷移金属原子が鉄である化合物の具体例としては、2,6−ビス−[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2−tert−ブチル−フェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライドなどや、これらの化合物のジクロライドを、ジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、またはジエチルに変更した化合物が挙げられる。
【0123】
さらに鉄化合物の具体例としては、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライドなどや、これらの化合物のクロライドを、フルオライド、ブロマイド、アイオダイド、メチル、エチル、アリル、またはメタリルに変更した化合物が挙げられる。
また、上記の鉄化合物において、鉄をコバルトまたはニッケルに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0124】
また一般式[4]で表される遷移金属化合物のμ−オキソタイプの遷移金属化合物の具体例としては、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]などが挙げられる。また、これらの化合物のクロライドをフルオライド、ブロマイド、アイオダイド、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、またはベンジルに変更した化合物などを例示することができる。
【0125】
以上に例示した一般式[4]で表される遷移金属化合物やそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物の他に、遷移金属化合物(B)として用いられる化合物を例示すると、遷移金属原子がニッケル原子である化合物として塩化ニッケル、臭化ニッケル、よう化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロ酢酸ニッケル、シアン化ニッケル、蓚酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(アリル)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロビス(アセトニトリル)ニッケル、ジクロロビス(ベンゾニトリル)ニッケル、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)ニッケル、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、テトラアミンニッケルナイトレート、テトラキス(アセトニトリル)ニッケルテトラフルオロボレート、ニッケルフタロシアニンなどが挙げられる。
【0126】
同様に、遷移金属原子がバナジウム原子である化合物の具体例としてはバナジウムアセチルアセトナート、バナジウムテトラクロライド、バナジウムオキシトリクロライドなどが挙げられる。
また、遷移金属原子がサマリウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
遷移金属原子がイッテルビウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イッテルビウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0127】
これらの遷移金属化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0128】
以上に例示した遷移金属化合物のうち、本発明で用いる遷移金属化合物(B)として好ましくは上記の一般式[4]で表される遷移金属化合物である。中でも、上記一般式[4]におけるM2 が第4族原子である遷移金属化合物が好ましく、特に一般式[4]におけるL2 としてシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を少なくとも一つ持つ遷移金属化合物が好ましい。
【0129】
(C)有機アルミニウム化合物
本発明の付加重合用触媒に使用される成分(C)有機アルミニウム化合物としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。好ましくは、下記一般式 [7]で示される有機アルミニウム化合物である。
R9 cAlY3-c [7]
(式中、R9 は炭化水素基を表し、全てのR9 は同一であっても異なっていてもよい。Yは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アラルキルオキシ基、またはアリールオキシ基を表し、全てのYは同一であっても異なっていてもよい。cは0<c≦3を満足する数を表す。)
【0130】
有機アルミニウム化合物を表す一般式[7]におけるR9 として好ましくは炭素原子数1〜24の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜24のアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられ、好ましくはエチル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基またはn−オクチル基である。
【0131】
また、Yがハロゲン原子である場合の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
Yにおけるアルコキシ基としては炭素原子数1〜24のアルコキシ基が好ましく、具体例としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、n−イコソキシ基などが挙げられ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基またはtert−ブトキシ基である。
【0132】
Yにおけるアリールオキシ基としては炭素原子数6〜24のアリールオキシ基が好ましく、具体例としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げられる。
【0133】
Yにおけるアラルキルオキシ基としては炭素原子数7〜24のアラルキルオキシ基が好ましく、具体例としては、例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられ、好ましくはベンジルオキシ基である。
【0134】
一般式[7]で表される有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、ジメチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム;ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等を例示することができる。
【0135】
これらの内、好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、さらに好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムであり、特に好ましくはトリイソブチルアルミニウムまたはトリ−n−オクチルアルミニウムである。
これらの有機アルミニウム化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0136】
成分(B)の使用量は、成分(A)1gに対し通常1×10-6〜1×10-3molであり、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また成分(C)の使用量は、成分(B)遷移金属化合物の遷移金属原子に対する成分(C)有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル比(C)/(B)として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、1〜2,000であることが最も好ましい。
【0137】
本発明の付加重合用触媒としては、成分(A)および成分(B)、場合によってはさらに成分(C)を予め接触させて得られた反応物を用いてもよく、重合反応装置中に別々に投入して用いてもよい。成分(A)、(B)および(C)を用いる場合には、それらの内の任意の2つの成分を予め接触させて、その後もう一つの成分を接触させてもよい。
【0138】
各触媒成分を触媒調製用反応器もしくは重合用反応器に供給する方法も、特に制限されるものではない。各成分を固体状態で供給する方法、水分や酸素等の触媒成分を失活させる成分を十分に取り除いた炭化水素溶媒に溶解させた溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する方法等が挙げられる。このときの溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、またはメチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素が挙げられ、脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素が好ましい。
【0139】
各触媒成分を溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する場合、成分(A)の濃度は、通常0.01〜1000g/リットル、好ましくは0.1〜500g/リットルである。成分(C)の濃度は、Al原子換算で通常0.0001〜100モル/リットル、好ましくは0.01〜10モル/リットルである。成分(B)の濃度は、遷移金属原子換算で通常0.0001〜1000ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜50ミリモル/リットルである。
【0140】
重合方法も特に限定されるものではなく、ガス状のモノマー中での気相重合、溶媒を使用する溶液重合、スラリー重合等が可能である。溶液重合、またはスラリー重合に用いる溶媒としては、ブタン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、またはメチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられ、あるいはオレフィン自身を溶媒に用いる(バルク重合)ことも可能である。重合方法は、回分式重合、連続式重合のいずれでも可能であり、さらに重合を反応条件の異なる2段階以上に分けて行っても良い。重合時間は、一般に、目的とするオレフィン重合体の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。
【0141】
本発明は、付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に特に好適に適用される。
スラリー重合は、公知のスラリー重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定される事はない。スラリー法における好ましい重合方法として、モノマー(およびコモノマー)、供給物、稀釈剤などを必要に応じて連続的に添加し、かつ、ポリマー生成物を連続的または少なくとも周期的に取出す連続式反応器が含まれる。反応器としては、ループ反応器を使用する方法や攪拌反応器を使用する方法を挙げることが出来る。また、反応器が異なったり、反応条件が異なる複数の攪拌反応器を直列または並列またはこれらの組合せなどが挙げられる。
【0142】
稀釈剤としては、例えばパラフィン、シクロパラフィンまたは芳香族炭化水素のような不活性稀釈剤(媒質)を用いることができる。重合反応器または反応帯域の温度は、通常約0℃〜約150℃、好ましくは30℃〜100℃の範囲をとることができる。圧力は通常約0.1MPa〜約10MPaに変化させることができ、好ましくは0.5MPa〜5MPaである。触媒を懸濁状態に保持し、媒質および少なくとも一部のモノマーおよびコモノマーを液相に維持し、モノマーおよびコモノマーを接触させることができる圧力をとることができる。従って、媒質、温度、および圧力は、付加重合体が固体粒子として生成され、その形態で回収されるように選択すればよい。
【0143】
付加重合体の分子量は反応帯域の温度の調節、水素の導入等、公知の各種の手段によって制御することができる。
各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)は、公知の任意の方法によって、任意の順序で反応器、または反応帯域に添加できる。例えば、各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)を反応帯域に同時に添加する方法、逐次に添加する方法等を用いることができる。所望ならば、各触媒成分はモノマー(およびコモノマー)と接触させる前に、不活性雰囲気中において予備接触させることができる。
【0144】
気相重合は、公知の気相重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定されることはない。気相重合反応装置としては、流動層型反応槽、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽が用いられる。反応槽内に攪拌翼が設置された反応装置でも何ら問題はない。
各成分を重合槽に供給する方法としては通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する、あるいは溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する等の方法を用いることができる。各触媒成分は個別に供給してもよいし、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
【0145】
重合条件として、温度は重合体が溶融する温度未満、好ましくは0℃〜150℃、特に好ましくは30℃〜100℃の範囲である。さらに最終製品の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加しても構わない。また、重合に際して、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
【0146】
本発明においては、このような重合(本重合)の実施前に以下に述べる予備重合を行ってもかまわない。
【0147】
予備重合は、上記の改質された粒子(A)および遷移金属化合物(B)の存在下、あるいはさらに有機アルミニウム化合物(C)の存在下、少量のオレフィンを供給して実施され、スラリー状態で行うのが好ましい。スラリー化するのに用いる溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンのような不活性炭化水素を挙げることができる。また、スラリー化に際し、不活性炭化水素溶媒の一部または全部に変えて液状のオレフィンを用いることができる。
【0148】
予備重合時の有機アルミニウム化合物(C)の使用量は、遷移金属化合物(B)1モル当たり、0.5〜700モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、0.8〜500モルが好ましく、1〜200モルが特に好ましい。
【0149】
また、予備重合されるオレフィンの量は、上記の改質された粒子1g当たり通常0.01〜1000g、好ましくは0.05〜500g、特に好ましくは0.1〜200gである。
【0150】
予備重合を行う際のスラリー濃度は、0.1〜50g−上記の改質された粒子/リットル−溶媒が好ましく、特に0.5〜20g−上記の改質された粒子/リットル−溶媒が好ましい。予備重合温度は、−20℃〜100℃が好ましく、特に0℃〜80℃が好ましい。また、予備重合中の気相部でのオレフィンの分圧は、0.001MPa〜2MPaが好ましく、特に0.01MPa〜1MPaが好ましいが、予備重合の圧力、温度において液状であるオレフィンについては、この限りではない。さらに、予備重合時間に特に制限はないが、通常2分間から15時間が好適である。
【0151】
予備重合を実施する際、上記の改質された粒子(A)、遷移金属化合物(B)、有機アルミニウム化合物(C)、オレフィンを供給する方法としては、上記の改質された粒子(A)と、遷移金属化合物(B)とを接触させておいた後、あるいは必要に応じて有機アルミニウム化合物(C)をも接触させておいた後オレフィンを供給する方法、上記の改質された粒子(A)と、遷移金属化合物(B)およびオレフィンとを接触させておいた後、有機アルミニウム化合物(C)を供給する方法、オレフィン存在下、有機アルミニウム化合物(C)および遷移金属化合物(B)を接触させた後、上記の改質された粒子(A)を供給する方法などのいずれの方法を用いても良いが、上記の改質された粒子(A)と有機アルミニウム化合物(C)とを接触させる際にはオレフィンが予め存在している方が好ましい。また、オレフィンの供給方法としては、重合槽内が所定の圧力になるように保持しながら順次オレフィンを供給する方法、或いは所定のオレフィン量を最初にすべて供給する方法のいずれの方法を用いても良い。また、得られる重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0152】
本発明においては、このようにして予備重合して得られたものについて、触媒成分として、あるいは触媒として使用する。本発明に係る予備重合済の触媒成分は、上記の改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済付加重合用触媒成分、あるいは、上記の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済付加重合用触媒成分である。また本発明に係る予備重合済の触媒は、上記の改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる付加重合用触媒、あるいは、上記の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる付加重合用触媒である。本発明に係る該予備重合済付加重合用触媒成分を用いる触媒は、該予備重合済付加重合用触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる付加重合用触媒である。
【0153】
本発明の付加重合体の製造方法は、前記の本発明の付加重合用触媒の存在下、付加重合可能なモノマーを付加重合させる付加重合体の製造方法である。
重合に使用するモノマーとしては、炭素原子数2〜20のオレフィン、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、極性モノマー等を挙げることができ、同時に2種以上のモノマーを用いることもできる。
【0154】
これらの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のオレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−エトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族炭化水素;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等の極性モノマーなどが挙げられる。
【0155】
本発明は、これらのモノマーの単独重合または共重合に適用される。共重合体を構成するモノマーの具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテン、エチレンとプロピレンとブテン、エチレンとプロピレンと1−ヘキセン等が例示されるが、本発明はこれらに限定されるべきものではない。
【0156】
本発明の付加重合用触媒はオレフィン重合用触媒として特に好適であり、オレフィン重合体の製造方法に好適に用いられる。かかるオレフィン重合体として特に好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、中でもポリエチレン結晶構造を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ここでいうα−オレフィンとして好ましくは、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0157】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
【0158】
(1)共重合体におけるα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量は、赤外分光光度計(日本分光工業社製 FT−IR7300)を用い、エチレンとα−オレフィンの特性吸収より検量線を用いて求め、炭素原子1000個当たりの短鎖分岐数(SCB)として表した。
【0159】
(2)極限粘度=[η]:ウベローデ型粘度計を用い、135℃でテトラリン溶液中で測定した(単位:dl/g)。
【0160】
(3)メルトフローレート=MFR:JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃にて荷重21.18N(2.16kg)で測定したメルトフローレート値である(単位:g/10分)。
【0161】
(4)スウェル比=SR:MFR測定時に得られたストランド径をダイの内径である2.095mmで除した値である。
【0162】
(5)メルトフローレート比=MFRR:JIS K7210−1995に規定された方法に従い、190℃、荷重211.82N(21.60kg)で測定されたメルトフローレート値を、荷重21.18N(2.16kg)で測定されたメルトフローレート値(MFR)で除した値である。
上記メルトフローレート測定についてはすべて、予め酸化防止剤を1000ppm配合した重合体を用いた。
【0163】
(6)分子量および分子量分布
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。分子量分布は重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種: ミリポアウオーターズ社製 150C型
カラム: TSK−GEL GMH−HT 7.5×600×2本
測定温度:140℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン、
測定濃度:5mg/5ml
ただし、実施例6〜12および17は、
カラムTSK−GEL GMH6−HT 7.5×300×3本
を使用して測定を行った。
【0164】
(7)元素分析:
Zn:試料を硫酸水溶液(1mol/リットル)に投じたのち超音波をあてて金属成分を抽出した。得られた液体部分についてICP発光分析法により定量した。
F:酸素を充填させたフラスコ中で試料を燃焼させて生じた燃焼ガスを水酸化ナトリウム水溶液(10%)に吸収させ、得られた当該水溶液についてイオン電極法を用いて定量した。
【0165】
(8)重合体のフィルム成形
重合で得られた重合体パウダー0.030kgに、酸化防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を1500ppm、中和剤としてステアリン酸カルシウムを500ppmとなるよう配合したものを、下記の成形条件でインフレーションフィルム成形法にて、厚み15μmのフィルムを製造し、フィルム外観としてフィッシュアイの発生度合いを調べた。
押出機:単軸スクリュー20mmφ、スクリュー回転数:16rpm、ダイ:25mmφ、リップ幅:0.7mm、引取り速度:5.5m/分、温度:170℃
【0166】
(9)溶融張力=MT:東洋精機社製メルトテンションテスターを用いて、サンプル量5g、温度190℃、押出速度5.5mm/分のピストンで、直径2.09mmφ、長さ8mmのオリフィスから溶融樹脂ストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて毎分40rpmずつ回転速度を上昇させながら巻き取った際に、該ストランドが切れる直前の張力値を、メルトテンション(MT)として測定した(単位=cN)。
【0167】
[実施例1]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 1.48リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.99mol/リットル)1.47リットル(2.93mol)を入れ、−50℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 269.5g(1.46mol)をテトラヒドロフラン 500mlに溶解させた溶液を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3.2時間攪拌を行った。その後、40℃に加熱し、35分間攪拌した。氷浴で20℃まで温度を下げ、H2O 39.85g(2.21mol)をテトラヒドロフラン 200mlに溶解させた溶液を1.3時間で滴下した。その結果、黄色透明液状物と、黄色ゲル状物に分かれた。52℃で1時間攪拌を行った後、室温で12時間静置した。黄色透明液状物と、黄色ゲル状物を、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で12時間、130℃で8時間、乾燥を行った。その後、黄色透明液状物由来の固形物72重量%と、黄色ゲル状物由来の固形物の全量とを窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに合わせ入れ、テトラヒドロフラン 3リットルを加えて50℃に加熱した。室温まで冷却した後、3日間静置した。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で11時間、減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物 408gを得た。
【0168】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例1(1)で合成した固体生成物 408g、テトラヒドロフラン 3リットルを入れ、攪拌を行った。これに窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=61μm;細孔容量=1.61ml/g;比表面積=296m2/g)288.4gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 3リットルを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。さらに、ヘキサン 3リットルを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)422gを得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.8mmol/gであった。
【0169】
(3)予備重合
内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを真空にした後、室温下で水素を圧力で0.003MPa仕込み、溶媒としてブタンを90g仕込み、オートクレーブを50℃まで昇温した。さらにエチレンを、その分圧が0.2MPaになるように加え系内を安定させた後、トリイソブチルアルミニウム 1.2mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド 45μmol、続いて上記実施例1(2)で得られた成分(A)0.66gを投入して重合を開始した。重合中は、オートクレーブ内のガス相圧力が0.65MPaを保つように調整しながら、エチレンと水素の混合ガス(水素濃度0.27mol%)を連続して供給した。240分後にエチレン、ブタン、水素ガスをパージして、オートクレーブ内に残った固体を室温で30分間真空乾燥することにより、成分(A)1g当り57gのポリエチレンが予備重合された予備重合済付加重合用触媒成分を得た。該ポリエチレンの極限粘度[η]は1.65dl/g、MFRは2.4g/10分であった。
【0170】
(4)本重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積5リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.018MPaになるように加え、ブタンを1066g、1−ヘキセンを200ml仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=1.06mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 1.5mlを投入した。次に、上記(3)で得られた予備重合済付加重合用触媒成分 1.13gを投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.76mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 90gが得られた。固体触媒成分(上記実施例1(2)で得られた成分(A))当りの重合活性は4500g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.5、MFR=1.02、MFRR=86、SR=1.36、MT=3.7であった。
【0171】
(5)フィルム成形
上記(4)で得られたエチレン/1−ヘキセン共重合体を用いてフィルム成形したところ、フィッシュアイが少なく、外観の良好なフィルムが得られた。
【0172】
[実施例2]
(1)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムを濃度3.7mmol/リットルで含んだブタン 68リットルと、常温常圧の水素として25リットルを仕込んだ後、オートクレーブを40℃まで昇温した。さらにエチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.6MPa分だけ仕込み、系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム 89.3mmol、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライド 12.8mmol、続いて上記実施例1(2)で得られた成分(A)170gを投入して重合を開始した。重合中は温度を50℃に保持し、エチレン 3.0kg/時間と、常温常圧の水素として7.5リットル/時間を供給して、2.8時間重合を継続した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスをパージして生成した固体を室温にて窒素下で真空乾燥し、成分(A)1g当り47gのポリエチレンが予備重合された予備重合済付加重合用触媒成分を得た。該ポリエチレンの極限粘度[η]は1.14dl/g、MFRは5.15g/10分であった。
【0173】
(2)本重合
上記実施例2(1)で得た予備重合済付加重合用触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置で、全圧2.0MPa、重合温度70℃でエチレンと1−ヘキセンの共重合を実施した。上記(1)で得た予備重合済付加重合用触媒成分を192g/時間、トリイソブチルアルミニウムを40mmol/時間の割合で連続的に供給し、重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ヘキセン、水素、窒素、ブタンを連続的に供給した。その結果、15.4kg/時間の割合で粒子性状の良好なエチレン/1−ヘキセン共重合体が得られた。得られたエチレン/1−ヘキセン共重合体は、SCB=21.4、MFR=3.00、MFRR=80、SR=1.56、MT=2.7であった。
【0174】
(3)フィルム成形
上記実施例2(2)で得られたエチレン/1−ヘキセン共重合体を用いてフィルム成形したところ、フィッシュアイが少なく、外観の良好なフィルムが得られた。
【0175】
[比較例1]
(1)
窒素置換した5リットルの4つ口フラスコに撹拌機、滴下ロートおよび温度計を取り付けた。そのフラスコへ、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=64μm;細孔容量=1.62ml/g;比表面積=312m2 /g)382gを採取した。そこへトルエン 3.3リットルを加えてスラリーとし、氷浴を用いて5℃に冷却した後、濃度を2.1mmol/mlに調整したトリメチルアルミニウムのトルエン溶液 375mlを徐々に滴下した。その際、ガスの発生が見られた。5℃で30分間、80℃で2時間撹拌した後、上澄み液を除去し、残存の固体生成物をトルエン 3.3リットルで4回洗浄した。その後、再びトルエンを3.3リットル加えてスラリーとした。
【0176】
(2)
上記比較例1(1)にて得られたスラリーを氷浴を用いて5℃に冷却した後、濃度を2mmol/mlに調整したペンタフルオロフェノールのトルエン溶液 420mlをゆっくりと加えた。その際、ガスの発生が見られた。5℃で30分、80℃で2時間撹袢した後、上澄み液を濾過し、残存の固体生成物をトルエン3.3リットルで4回、ヘキサン 3.3リットルで2回洗浄した。その後、固体生成物を減圧乾燥して、流動性のある固体生成物 434gを得た。元素分析の結果、Al=1.2mmol/g、F=4.6mmol/gであった。
【0177】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積5リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.007MPaになるように加え、ブタンを1145g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.37mol%、1−ブテン=1.55mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 1.5mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.5mlを投入し、続いて上記比較例1(2)で得られた固体生成物 36mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.22mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、オレフィン重合体 135gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.4×108 g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3720g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=12.4、MFR=2.55、MFRR=48、SR=1.35であった。
【0178】
(4)フィルム成形
上記(3)で得られたエチレン/1−ヘキセン共重合体を用いてフィルム成形したところ、フィッシュアイが多く、外観の不良なフィルムが得られた。
【0179】
[実施例3]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した300mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.02mol/リットル)20ml(20mmol)、テトラヒドロフラン 100mlを加え−78℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのヘキサン溶液(1.17mol/リットル)4.4ml(5.1mmol)を滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行った。その後、H2 O 321μl(17.8mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で14時間攪拌を行った。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0180】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=55μm;細孔容量=1.66ml/g;比表面積=309m2/g)0.73g、テトラヒドロフラン 40mlを入れ、攪拌を行った。これに、上記実施例3(1)で得られた固体生成物 1.01gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 20mlで4回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。
【0181】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.477mol%、1−ブテン=2.29mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例3(2)で得られた成分(A)15.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.199mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 46.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は9.3×107 g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3040g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.9、Mw=169000、Mw/Mn=10.2、MFR=0.070、MFRR=192、SR=1.05であった。
【0182】
[実施例4]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した300mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.02mol/リットル)20ml(20mmol)、テトラヒドロフラン 100mlを加え−78℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのヘキサン溶液(1.17mol/リットル)8.7ml(10mmol)を滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行った。その後、H2 O 275μl(15.3mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で終夜攪拌を行った。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0183】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 0.93g、テトラヒドロフラン 40mlを入れ、攪拌を行った。これに、上記実施例4(1)で得られた固体生成物 1.34gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 20mlで4回、ヘキサン 20mlで1回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=2.6mmol/g、F=3.9mmol/gであった。
【0184】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例4(2)で得られた成分(A)21.0mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.494mol%、1−ブテン=2.74mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.192mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 70.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.4×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3340g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.8、Mw=143000、Mw/Mn=5.28、MFR=0.158、MFRR=138、SR=1.06であった。
【0185】
[実施例5]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.02mol/リットル)10ml(10mmol)、テトラヒドロフラン 50mlを加え−78℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのヘキサン溶液(1.48mol/リットル)6.9ml(10mmol)を滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行った。その後、H2 O 93.7mg(5.20mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で20時間攪拌を行った。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物 2.34gを得た。
【0186】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 0.38g、テトラヒドロフラン 40mlを入れ、攪拌を行った。これに、上記実施例5(1)で得られた固体生成物 0.877gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 20mlで4回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。
【0187】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例5(2)で得られた成分(A)12.6mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.530mol%、1−ブテン=2.38mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 6.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.2×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は492g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.0、Mw=112000、Mw/Mn=6.93、MFR=0.428、MFRR=84.1、SR=1.30であった。
【0188】
[実施例6]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)8.6ml(20mmol)を17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、125分間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O 1.26ml(69.9mmol)を0.54ml/hの速さで滴下した。滴下終了後、室温で65分間攪拌を行い、その後11.3時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0189】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例6(1)で得られた固体生成物 3.21g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.02gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターにてろ過を行った。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターを用いてろ過を行った。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.16gを得た。元素分析の結果、Zn=2.6mmol/g、F=2.2mmol/gであった。
【0190】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例6(2)で得られた成分(A)16.3mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.466mol%、1−ブテン=2.82mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.187mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 20.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は4.1×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は1260g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=12.7、Mw=123000、Mw/Mn=4.47、MFR=0.167、MFRR=108、SR=1.11であった。
【0191】
[実施例7]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)17.2ml(40mmol)を17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.6時間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O 1.08ml(60.0mmol)を0.54ml/hの速さで滴下した。滴下終了後、室温で3.2時間攪拌を行い、その後11時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0192】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例7(1)で得られた固体生成物 4.34g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.87gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.21gを得た。元素分析の結果、Zn=1.5mmol/g、F=2.5mmol/gであった。
【0193】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例7(2)で得られた成分(A)15.1mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.441mol%、1−ブテン=2.69mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.187mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 25.7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は5.1×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は1700g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.6、Mw=124000、Mw/Mn=4.32、MFR=0.166、MFRR=116、SR=1.12であった。
【0194】
[実施例8]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)34.3ml(80mmol)を17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.7時間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O 0.72ml(40mmol)を0.54ml/hの速さで滴下した。滴下終了後、室温で2.4時間攪拌を行い、その後12時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0195】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例8(1)で得られた固体生成物 6.47g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.05gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターにてろ過を行った。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターを用いてろ過を行った。以上の洗浄操作を計2回繰り返した。その後、液体成分をフィルターを用いて取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで2回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.35gを得た。元素分析の結果、Zn=1.2mmol/g、F=2.4mmol/gであった。
【0196】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例8(2)で得られた成分(A)15.5mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.475mol%、1−ブテン=2.71mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.187mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 36.7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は7.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は2370g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.5、Mw=122000、Mw/Mn=4.06、MFR=0.170、MFRR=106、SR=1.15であった。
【0197】
[実施例9]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.34mol/リットル)51.3ml(120mmol)を17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.4時間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O0.36ml(20mmol)を0.54ml/hの速さで滴下した。滴下終了後、室温で3.4時間攪拌を行い、その後13.5時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物26.2gを得た。
【0198】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例9(1)で得られた固体生成物 9.28g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.97gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.0mmol/g、F=2.8mmol/gであった。
【0199】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例9(2)で得られた成分(A)15.7mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.469mol%、1−ブテン=2.48mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.192mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 12.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は822g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=7.91、Mw=99200、Mw/Mn=2.81、MFR=0.582、MFRR=48.4、SR=1.39であった。
【0200】
[実施例10]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例1(2)で得られた成分(A)20.1mgを用い、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.480mol%、1−ブテン=3.11mol%であったこと、重合時間が15分間であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 20.0gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.6×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は4000g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.7、Mw=150000、Mw/Mn=3.77、MFR=0.06、MFRR=233、SR=1.05であった。
【0201】
[実施例11]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)13.7ml(31.9mmol)を、17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.2時間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O 1.01ml(56.1mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、19.4時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0202】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例11(1)で得られた固体生成物 4.05g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.79gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.5mmol/g、F=2.0mmol/gであった。
【0203】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例11(2)で得られた成分(A)17.3mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.479mol%、1−ブテン=2.83mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.185mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 9.8gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.0×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は566g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=8.64、Mw=90800、Mw/Mn=2.83、MFR=0.302、MFRR=119、SR=1.35であった。
【0204】
[実施例12]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)6.9ml(16.1mmol)を、17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行った。その後、20℃で、H2 O 1.44ml(79.9mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、16.8時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0205】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例12(1)で得られた固体生成物 3.02g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.92gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=3.1mmol/g、F=2.2mmol/gであった。
【0206】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例12(2)で得られた成分(A)12.9mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.450mol%、1−ブテン=2.72mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.185mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 12.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.5×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は980g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=8.46、Mw=106000、Mw/Mn=3.45、MFR=0.346、MFRR=64.0、SR=1.28であった。
【0207】
[実施例13]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにH2 O 1.01ml(56.1mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行い、40℃でさらに1.5時間攪拌を行った。25℃に冷却した後に、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)13.7ml(31.9mmol)を、17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、40℃で、2時間攪拌を行い、60.5時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
(2)成分(A)の合成 減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例13(1)で得られた固体生成物 3.80g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.07gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で10時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.4mmol/g、F=1.9mmol/gであった。
【0208】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例13(2)で得られた成分(A)16.6mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.457mol%、1−ブテン=2.61mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.193mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 8.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は494g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=6.37、Mw=84700、Mw/Mn=2.82、MFR=1.35、MFRR=38.0、SR=1.51であった。
【0209】
[実施例14]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにH2 O 1.15ml(63.8mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行い、40℃でさらに1.8時間攪拌を行った。24℃に冷却した後に、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)6.9ml(16.1mmol)を、17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、40℃で、2時間攪拌を行い、15.3時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0210】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例14(1)で得られた固体生成物 2.92g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.84gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.16gを得た。元素分析の結果、Zn=1.5mmol/g、F=1.2mmol/gであった。
【0211】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例14(2)で得られた成分(A)16.7mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.516mol%、1−ブテン=2.49mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.198mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 5.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.1×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は329g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=4.35、Mw=69600、Mw/Mn=2.30、MFR=2.00、MFRR=30.6、SR=1.64であった。
【0212】
[実施例15]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにH2 O 1.26ml(69.9mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.2時間攪拌を行い、40℃でさらに1.5時間攪拌を行った。25℃に冷却した後に、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)8.6ml(20.0mmol)を、17.2ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、40℃で、2時間攪拌を行い、84時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0213】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例15(1)で得られた固体生成物 3.08g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.90gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8.5時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.1mmol/gであった。
【0214】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例15(2)で得られた成分(A)16.6mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.560mol%、1−ブテン=2.80mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.193mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 12.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.5×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は759g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=12.1、Mw=108000、Mw/Mn=4.76、MFR=0.415、MFRR=74.4、SR=1.22であった。
【0215】
[実施例16]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 40mlを加え3℃に冷却し攪拌を行った。これにH2 O 1.44ml(79.9mmol)を、0.54ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行い、40℃でさらに1.5時間攪拌を行った。26℃に冷却した後に、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)6.9ml(16.1mmol)を、17.9ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、40℃で、2時間攪拌を行い、10時間静置した。減圧下、揮発性物質を留去し、生じた固体を120℃で減圧下8時間乾燥を行うことにより、固体生成物を得た。
【0216】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例16(1)で得られた固体生成物 3.04g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.07gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.15gを得た。元素分析の結果、Zn=3.5mmol/g、F=2.8mmol/gであった。
【0217】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例16(2)で得られた成分(A)18.4mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.473mol%、1−ブテン=2.48mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.198mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 15.7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.1×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は853g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=11.7、Mw=108000、Mw/Mn=4.69、MFR=1.04、MFRR=31.9、SR=1.23であった。
【0218】
[実施例17]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 53.6mlを加え−53℃に冷却し攪拌を行った。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)17.2ml(40.1mmol)を、41.3ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2時間攪拌を行い、40℃でさらに0.5時間攪拌を行った。17℃に冷却した後、H2 O 1.08ml(60.0mmol)を、0.81ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に昇温し、2時間攪拌を行った。さらに、50℃で1時間攪拌を行い、その後室温で、12時間静置した。その結果フラスコの内容物は、黄色透明液状物と、茶色ゲル状物に分かれた。黄色透明液状物の72体積%と、茶色ゲル状物の全量を、窒素置換した別々のフラスコにそれぞれわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で11時間乾燥を行った。その後、黄色透明液状物由来の固形物にテトラヒドロフラン 80mlを加えて溶解させ、これを茶色ゲル状物由来の固形物に加えた。室温で、48時間攪拌を行ったところ、フラスコの内容物は、オレンジ色濁状物と、少量の肌色粉末状物とになった。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果 、固体生成物を得た。
【0219】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例17(1)で得られた固体生成物 4.25g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.89gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターにてろ過を行った。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 30mlを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。その後フィルターを用いてろ過を行った。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.75gを得た。元素分析の結果、Zn=2.1mmol/g、F=2.7mmol/gであった。
【0220】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例17(2)で得られた成分(A)17.6mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.516mol%、1−ブテン=2.89mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.195mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 60.4gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.2×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3430g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=16.0、Mw=112000、Mw/Mn=4.11、MFR=0.463、MFRR=69.7、SR=1.21であった。
【0221】
[実施例18]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 53.6mlを加え−60℃に冷却し攪拌を行った。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.34mol/リットル)17.2ml(40.2mmol)を、41.3ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3.2時間攪拌を行い、40℃でさらに0.5時間攪拌を行った。20℃に冷却した後、H2 O 1.08ml(60.0mmol)を、0.81ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に昇温し、2.3時間攪拌を行った。さらに、50℃で1時間攪拌を行い、その後室温で、終夜静置した。その結果フラスコの内容物は、黄色透明液状物と、茶色ゲル状物に分かれた。黄色透明液状物の全量と、茶色ゲル状物の全量を、窒素置換した別々のフラスコにそれぞれわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その後、黄色透明液状物由来の固形物にテトラヒドロフラン 80mlを加えて溶解させ、これを茶色ゲル状物由来の固形物に加えた。室温で、67時間攪拌を行ったところ、フラスコの内容物は、オレンジ色透明液状物と、少量のクリーム色粉末状物とになった。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果 、固体生成物13.8gを得た。
【0222】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例18(1)で得られた固体生成物 4.44g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.24gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.8mmol/g、F=3.1mmol/gであった。
【0223】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例18(2)で得られた成分(A)16.0mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.533mol%、1−ブテン=2.66mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.184mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 31.3gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は6.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は1960g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=12.9、MFR=0.296、MFRR=76.0、SR=1.23であった。
【0224】
[実施例19]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 53.6mlを加え−65℃に冷却し攪拌を行った。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.34mol/リットル)17.2ml(40.2mmol)を、41.3ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3.2時間攪拌を行い、40℃でさらに0.5時間攪拌を行った。20℃に冷却した後、H2 O 1.08ml(60.0mmol)を、0.81ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に昇温し、2.3時間攪拌を行った。さらに、50℃で1時間攪拌を行い、その後室温で、終夜静置した。その結果フラスコの内容物は、黄色透明液状物と、オレンジ色オイル状物とに分かれた。黄色透明液状物の28体積%をフラスコから抜き去り、黄色透明液状物とオレンジ色オイル状物との混合物から揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その後、テトラヒドロフラン 80mlを加えて溶解させ、室温で、67時間攪拌を行ったところ、フラスコの内容物は、オレンジ色透明液状物と、少量のクリーム色粉末状物とになった。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果 、固体生成物 10.5gを得た。
【0225】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例19(1)で得られた固体生成物 4.30g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.96gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.3mmol/gであった。
【0226】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例19(2)で得られた成分(A)11.4mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.541mol%、1−ブテン=2.73mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.184mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 61.0gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.2×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は5350g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.9、MFR=0.866、MFRR=62.5、SR=1.25であった。
【0227】
[実施例20]
(1)接触物(e)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した200mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)、テトラヒドロフラン 53.6mlを加え−68℃に冷却し攪拌を行った。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.34mol/リットル)17.2ml(40.2mmol)を、41.3ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3.2時間攪拌を行い、40℃でさらに0.5時間攪拌を行った。20℃に冷却した後、H2 O 1.08ml(60.0mmol)を、0.81ml/時間の速さで滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に昇温し、2時間攪拌を行った。さらに、50℃で1時間攪拌を行い、その後室温で、終夜静置した。その結果フラスコの内容物は、黄色透明液状物と、オレンジ色オイル状物とに分かれた。黄色透明液状物の28体積%をフラスコから抜き去り、黄色透明液状物とオレンジ色オイル状物との混合物から揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果 、固体生成物 10.6gを得た。
【0228】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、アルゴンで置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例20(1)で得られた固体生成物 4.40g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。これに、実施例3(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.81gを入れた。40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。
【0229】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例20(2)で得られた成分(A)14.7mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.564mol%、1−ブテン=2.57mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.193mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 53.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.1×108 g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3650g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.7、MFR=0.395、MFRR=86.6、SR=1.21であった。
【0230】
[実施例21]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 1.28リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(1.99mol/リットル)1.28リットル(2.55mol)を入れ、−50℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 233.6g(1.27mol)をテトラヒドロフラン 427mlに溶解させた溶液を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、さらに、テトラヒドロフラン 500mlを加えた。室温で、H2O34.69g(1.93mol)をテトラヒドロフラン 50mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、終夜攪拌を行った。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、130℃で8時間減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物 403gを得た。
【0231】
(2)成分(A)の合成(i)
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例21(1)で合成した固体生成物 201.7g、テトラヒドロフラン 3リットルを入れ、攪拌を行った。これに、実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 136.1gを入れた。40℃に加熱した後、2時間攪拌を行った。
【0232】
(3)成分(A)の合成(ii)
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例21(1)で合成した固体生成物 201.7g、テトラヒドロフラン 3.1リットルを入れ、攪拌を行った。これに実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 140.4gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。上記実施例21(2)で得られたスラリー状態のものの全量をこれに加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 3リットルを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。さらに、ヘキサン 3リットルを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、成分(A)372gを得た。元素分析の結果、Zn=1.8mmol/g、F=2.9mmol/gであった。
【0233】
(4)重合
固体触媒成分として、上記実施例21(3)で得られた成分(A)18.4mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.515mol%、1−ブテン=2.01mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.195mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 54.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.1×108 g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は2960g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.9、Mw=110000、Mw/Mn=4.35、MFR=0.194、MFRR=117、SR=1.18であった。
【0234】
[実施例22]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例21(3)で得られた成分(A)15.3mgを用い、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液の量を1.25mlに変更したこと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.513mol%、1−ブテン=3.03mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.197mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、オレフィン重合体 72.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.9×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は4770g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.4、Mw=120000、Mw/Mn=4.26、MFR=0.326、MFRR=93.8、SR=1.16であった。
【0235】
[実施例23]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例21(3)で得られた成分(A)14.6mgを用い、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液の量を0.05mlに変更したこと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.498mol%、1−ブテン=3.02mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.196mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 8.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は8.2×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は560g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.7、Mw=110000、Mw/Mn=3.62、MFR=0.649、MFRR=58.7、SR=1.26であった。
【0236】
[実施例24]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例21(3)で得られた成分(A)15.0mgを用い、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液の量を4.5mlに変更したこと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.509mol%、1−ブテン=2.84mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.196mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 31.7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は6.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は2110g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.0、Mw=124000、Mw/Mn=3.79、MFR=0.183、MFRR=125、SR=1.13であった。
【0237】
[実施例25]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例21(3)で得られた成分(A)16.0mgを用い、1−ブテンの量を30gに変更したこと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.500mol%、1−ブテン=1.60mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.25mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 40.0gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は8.0×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は2500g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=21.0、Mw=120000、Mw/Mn=3.61、MFR=0.150、MFRR=134、SR=1.20であった。
【0238】
[実施例26]
(1)重合
固体触媒成分として、上記実施例1(2)で得られた成分(A)16.1mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.468mol%、1−ブテン=2.62mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.189mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 83.4gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.7×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は5180g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.6、MFR=0.917、MFRR=50.6、SR=1.32であった。
【0239】
[実施例27]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 2リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液 (2mol/リットル)1.35リットル(2.7mol)を入れ、−50℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 248.7g(1.35mol)をテトラヒドロフラン 390mlに溶解させた溶液を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、2.9時間攪拌を行った。その後、40℃で1時間攪拌を行った。氷浴で21℃まで温度を下げ、H2O 37.3g(2.1mol)を1.4時間で滴下した。滴下終了後、室温で2時間攪拌を行った後、50℃で1時間攪拌を行った。その結果、内容物は、黄色透明液状物と、黄色ゲル状物に分かれた。その後、室温まで冷却し終夜静置した。黄色透明液状物の72重量%と、黄色ゲル状物全量を、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ減圧下、揮発性成分を留去した。120℃で8時間減圧乾燥した後、黄色透明液状物由来の固形物と、黄色ゲル状物由来の固形物とを、窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに合わせ入れ、テトラヒドロフラン 3リットルを加えて3日間静置した。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物 376gを得た。
【0240】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例27(1)で合成した固体生成物 376g、テトラヒドロフラン 3リットルを入れ、攪拌を行った。これに実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 272.3gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 3リットルを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で9時間乾燥を行うことにより、成分(A)419gを得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.6mmol/gであった。
【0241】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例27(2)で得られた成分(A)16.1mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.470mol%、1−ブテン=2.72mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.188mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 78.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.6×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は4880g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.8、MFR=0.783、MFRR=66.1、SR=1.44であった。
【0242】
[実施例28]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 2リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液 (2mol/リットル)1.35リットル(2.7mol)を入れ、−50℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 251.5g(1.37mol)をテトラヒドロフラン 390mlに溶解させた溶液を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3時間攪拌を行った。その後、45℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で20℃まで温度を下げ、H2O 37.72g(2.09mol)を1.4時間で滴下した。その結果、黄色透明液状物と、黄色ゲル状物に分かれた。滴下終了後、2時間攪拌を行い、40℃に加熱をしてから、さらに1時間攪拌を行った。室温で、終夜静置した後、黄色透明液状物のうちの72重量%と、黄色ゲル状物の全量を、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その後、黄色透明液状物由来の固形物を、テトラヒドロフラン 3リットルに溶解させ、これを、黄色ゲル状物由来の固形物が入った5リットルのフラスコに移した。室温で、69時間静置した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物 374gを得た。
【0243】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例28(1)で合成した固体生成物 374g、テトラヒドロフラン 3リットルを入れ、攪拌を行った。これに実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 282gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 3リットルを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)452gを得た。元素分析の結果、Zn=2.8mmol/g、F=3.6mmol/gであった。
【0244】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例28(2)で得られた成分(A)14.0mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.571mol%、1−ブテン=2.69mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 75.8gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.5×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は5410g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=16.1、MFR=0.965、MFRR=66.2、SR=1.38であった。
【0245】
[実施例29]
(1)
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 2リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液 (2mol/リットル)1.35リットル(2.7mol)を入れ、−58℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 251.5g(1.37mol)をテトラヒドロフラン 390mlに溶解させた溶液を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3時間攪拌を行った。その後、38℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で18℃まで温度を下げ、H2O 37.74g(2.09mol)を1.4時間で滴下した。その結果、フラスコ内は、黄白色スラリーとなった。滴下終了後、2時間攪拌を行い、40℃に加熱してから、さらに1時間攪拌を行った。室温で、終夜静置した後、液状物のうちの72重量%と、固体状物の全量を、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その後、液状物由来の固形物を、テトラヒドロフラン3リットルに溶解させ、これを、固体状物由来の固形物が入った5リットルのフラスコに移した。室温で、69時間静置した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物387gを得た。
【0246】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、上記実施例29(1)で合成した固体生成物 387g、テトラヒドロフラン 3リットルを入れ、攪拌を行った。これに実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 281gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 3リットルを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)403gを得た。元素分析の結果、Zn=2.3mmol/g、F=3.2mmol/gであった。
【0247】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例29(2)で得られた成分(A)14.3mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.523mol%、1−ブテン=2.78mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.183mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 51.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.0×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3580g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.8、MFR=0.600、MFRR=92.0、SR=1.26であった。
【0248】
[実施例30]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した1リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 238ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)180.5ml(361mmol)を入れ、−65℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.21mol/リットル)81.7ml(181mmol)を25分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、3.2時間攪拌を行った。その後、40℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で20℃まで温度を下げ、H2O 4.9ml(272mmol)を1.3時間で滴下した。その結果、フラスコ内は、黄白色スラリーとなった。滴下終了後、2時間攪拌を行い、50℃に加熱してから、さらに1時間攪拌を行った。室温で、終夜静置した後、液状物と、固体状物を分離し、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、液状物由来の固体生成物 48.2g、固体状物由来の固体生成物 16.5gを得た。
【0249】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例30(1)で合成した固体状物由来の固体生成物のうちの4.41gと、実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.90g、テトラヒドロフラン 30mlを入れて、40℃で2時間攪拌を行った。固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)5.19gを得た。元素分析の結果、Zn=1.5mmol/g、F=4.4mmol/gであった。
【0250】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例30(2)で得られた成分(A)13.5mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.493mol%、1−ブテン=2.75mol%であったこと、エチレン/水素混合ガスの水素濃度が0.188mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 106.2gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.1×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は7870g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.3、MFR=0.550、MFRR=64.0、SR=1.20であった。
【0251】
[実施例31]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した300mlの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 106ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)を入れ、4℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.21mol/リットル)14.5ml(32mmol)を50分間で滴下した。滴下終了後、5℃でさらに1時間攪拌を行った。氷浴で20℃まで温度を下げ、H2 Oのテトラヒドロフラン溶液(9.9mol/リットル)7.3ml(72.3mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、2時間攪拌を行った後、室温で終夜静置した。その後、還流条件下(63℃)で8時間攪拌を行った。その結果、黄色透明溶液 146mlを得た。
【0252】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 2.93g、上記実施例31(1)で合成した黄色透明溶液のうちの47mlを入れて、40℃で2時間攪拌を行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、テトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.89gを得た。元素分析の結果、Zn=2.0mmol/g、F=2.0mmol/gであった。
【0253】
(3)重合
固体触媒成分として、上記実施例31(2)で得られた成分(A)14.6mgを用いたことと、ガスクロマトグラフィー分析による系内のガス組成が、水素=0.561mol%、1−ブテン=2.70mol%であったこと以外は、実施例3(3)と同様にして重合を行った。
その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 65.1gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.3×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は4460g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.8、MFR=0.14、MFRR=138、SR=1.10であった。
【0254】
[実施例32]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した200mlの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン40ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.0mol/リットル)40ml(80mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、3,5−ジフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)34.3ml(80mmol)を120分間で滴下した。滴下終了後、5℃で90分間、その後40℃で70分間さらに攪拌を行った。その後、氷浴で20℃まで温度を下げ、H2 O 0.72ml(40mmol)を80分で滴下した。滴下終了後、20℃で60分間、その後40℃で120分間さらに攪拌を行った。その結果、白黄色スラリー状物が得られた。室温で、終夜静置した後、揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、黄色固体生成物14.7gを得た。
【0255】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例32(1)で合成した黄色固体生成物のうちの5.33g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.03gを入れて、40℃で2時間攪拌を行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、テトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.00gを得た。元素分析の結果、Zn=1.1mmol/g、F=1.3mmol/gであった。
【0256】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.50mol%、1−ブテン=2.62mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例32(2)で得られた成分(A)19.0mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.25mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.4×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は370g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はMw=8.44×104、Mw/Mn=2.16、[η]=1.35であった。
【0257】
[実施例33]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した200mlの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 40ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.0mol/リットル)40ml(80mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、パーフルオロ−tert−ブタノールのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)34.3ml(80mmol)を120分間で滴下した。滴下終了後、5℃で90分間、その後40℃で70分間さらに攪拌を行った。その後、氷浴で20℃まで温度を下げ、H2 O0.72ml(40mmol)を80分で滴下した。滴下終了後、20℃で60分間、その後40℃で120分間さらに攪拌を行った。その結果、白黄色溶液が得られた。室温で、終夜静置した後、揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、黄色固体生成物26.35gを得た。
【0258】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例33(1)で合成した黄色固体生成物のうちの8.29g、テトラヒドロフラン 30mlおよび実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.09gを入れて、40℃で2時間攪拌を行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、テトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.39gを得た。元素分析の結果、Zn=2.8mmol/g、F=3.4mmol/gであった。
【0259】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.51mol%、1−ブテン=2.47mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例33(2)で得られた成分(A)20.0mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.25mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 13gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は650g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.3、MFR=0.96、MFRR=44.5、SR=1.40、Mw=8.98×104、Mw/Mn=2.65、[η]=1.33であった。
【0260】
[実施例34]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した200mlの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 40ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.0mol/リットル)40ml(80mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ルのテトラヒドロフラン溶液(2.33mol/リットル)34.3ml(80mmol)を120分間で滴下した。滴下終了後、5℃で90分間、その後40℃で70分間さらに攪拌を行った。その後、氷浴で20℃まで温度を下げ、H2 O 0.72ml(40mmol)を80分で滴下した。滴下終了後、20℃で60分間、その後40℃で120分間さらに攪拌を行った。その結果、白黄色溶液が得られた。室温で、終夜静置した後、揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、黄色固体生成物15.47gを得た。
【0261】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例34(1)で合成した黄色固体生成物のうちの6.53g、テトラヒドロフラン 30mlおよび実施例1(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ 3.11gを入れて、40℃で2時間攪拌を行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、テトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.44gを得た。元素分析の結果、Zn=2.9mmol/g、F=3.0mmol/gであった。
【0262】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.51mol%、1−ブテン=2.35mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例34(2)で得られた成分(A)16.0mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.25mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 8gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は500g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はMFR=0.77、MFRR=48.4、SR=1.38、Mw=8.28×104、Mw/Mn=2.46、[η]=1.32であった。
【0263】
[実施例35]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した2リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 535ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)361ml(722mol)を入れ、−53℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 68.13g(370mmol)をテトラヒドロフラン 104mlに溶解させた溶液を20分間で滴下した。滴下終了後、室温まで徐々に温度を上げ、1時間攪拌を行った。その後、47℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で20℃まで温度を下げ、H2O 10.5g(583mmol)を100分間で滴下した。その結果、黄色透明液状物と、白色結晶に分かれた。室温で2時間、50℃で1時間攪拌を行うことにより内容物は、黄色透明液状物と、黄色オイル状物になった。室温で9時間静置した。黄色透明液状物の71体積%と、黄色ゲル状物の全量を、それぞれ窒素置換した別々のフラスコにわけ取り、それぞれ揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その後、黄色透明液状物由来の固形物にテトラヒドロフラン 803mlを入れて溶解させ、これを黄色オイル状物由来の固形物に合わせ入れた。59.5時間静置することにより内容物は、黄色透明液状物と、少量の白色状粉末になった。減圧下、揮発性成分を留去した後、120℃で8時間、減圧乾燥を行った。その結果、固体生成物 124gを得た。元素分析の結果、Zn=6.0mmol/g、F=13mmol/gであった。
【0264】
(2)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例35(1)で得られた固体生成物 4.30g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。窒素流通下で800℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=52.0μm;細孔容量=1.58ml/g;比表面積=302m2 /g)2.95gを加え、40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を4.35g得た。元素分析の結果、Zn=2.6mmol/g、F=3.5mmol/gであった。
【0265】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.481mol%、1−ブテン=2.92mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例35(2)で得られた成分(A)16.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.181mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 54.1gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.1×108 g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3320g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=16.0、Mw=108000、Mw/Mn=4.40、MFR=0.846、MFRR=58.9、SR=1.31であった。
【0266】
[実施例36]
(1) 成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例35(1)で得られた固体生成物 4.41g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製;平均粒子径=45.6μm;細孔容量=1.63ml/g;比表面積=527m2 /g)3.02gを加え、40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を3.98g得た。元素分析の結果、Zn=2.6mmol/g、F=4.2mmol/gであった。
【0267】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.452mol%、1−ブテン=2.82mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例36(1)で得られた成分(A)13.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.194mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 46.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は9.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3500g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.1、Mw=118000、Mw/Mn=7.44、MFR=0.180、MFRR=144、SR=1.13であった。
【0268】
[実施例37]
(1)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例35(1)で得られた固体生成物 4.45g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。アクリロニトリル重合体−アミン架橋体である有機ポリマー担体(住友化学工業社製KA−892;比表面積=34.4m2 /g;アミン官能基量=7mmol/g)3.09gを加え、40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=0.58mmol/g、F=1.1mmol/gであった。
【0269】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.528mol%、1−ブテン=3.00mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例37(1)で得られた成分(A)13.8mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.184mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 11.4gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は826g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=5.39、Mw=80900、Mw/Mn=2.40、MFR=1.41、MFRR=34.7、SR=1.47であった。
【0270】
[実施例38]
(1)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例35(1)で得られた固体生成物 4.34g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。4−ビニルピリジン重合体である有機ポリマー担体(広栄化学社製4VP;比表面積=35.8m2 /g;ピリジン官能基量=3.6mmol/g)3.07gを加え、40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。その後、液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.4mmol/g、F=3.3mmol/gであった。
【0271】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.577mol%、1−ブテン=3.00mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例38(1)で得られた成分(A)11.4mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.184mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 13.8gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.8×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は1210g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=6.17、Mw=87200、Mw/Mn=2.44、MFR=0.679、MFRR=54.8、SR=1.48であった。
【0272】
[実施例39]
(1)成分(A)の合成
減圧乾燥後、窒素で置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例35(1)で得られた固体生成物 4.37g、テトラヒドロフラン 30mlを入れ、攪拌を行った。スチレンとジビニルベンゼンとの共重合体である有機ポリマー担体(住友化学社製CS−1;ジビニルベンゼン単位含量=39.5重量%;平均粒子径=33.0μm;細孔容量=1.05ml/g)3.07gを加え、40℃に昇温し、2時間攪拌を行った。テトラヒドロフランを減圧下留去した後、再びテトラヒドロフランを40ml加え40℃に昇温した。その後、グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、固体成分をテトラヒドロフラン 30mlで5回洗浄を行った。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=0.077mmol/g、F=1.3mmol/gであった。
【0273】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.54mol%、1−ブテン=2.78mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例39(1)で得られた成分(A)15.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.184mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 8.3gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.7×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は542g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=7.20、MFR=2.54、MFRR=28.7、SR=1.61であった。
【0274】
[実施例40]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した300mlの四つ口フラスコに、トルエン 100ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)40ml(80mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.77mol/リットル)11.6ml(32.1mmol)を40分間で滴下した。滴下終了後、20℃まで徐々に温度を上げた。その後、20℃でH2O 1.58ml(87.7mmol)を60分間で滴下した。滴下終了後、還流条件下(91℃)で6時間攪拌を行った。その結果、接触物(e)のスラリー 140mlを得た。仕込んだ試薬の量から計算すると、スラリー濃度は0.57mmol(Zn原子換算)/ml(スラリー)である。
【0275】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例40(1)で合成した接触物(e)のスラリー 45ml(25.7mmol−Zn)を入れた。グラスフィルターで溶媒を除去した後、メチル−tert−ブチルエーテル40ml、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=59μm;細孔容量=1.61ml/g;比表面積=306m2/g)2.99gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、グラスフィルターで液体成分を取り除き、トルエン 30mlで4回、ヘキサン 30mlで1回洗浄した。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)5.98gを得た。元素分析の結果、Zn=3.2mmol/g、F=5.1mmol/gであった。
【0276】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.759mol%、1−ブテン=2.62mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例40(2)で得られた成分(A)8.1mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.203mol%)ををフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 28.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.9×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3530g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.3、MFR=1.90、MFRR=43.4、SR=1.32であった。
【0277】
[実施例41]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例40(1)で合成した接触物(e)のスラリー 45ml(25.7mmol−Zn)を入れた。グラスフィルターで溶媒を除去した後、エタノール40mlを入れた。したがってエタノール分率は100体積%である。実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.10gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、グラスフィルターで液体成分を取り除き、トルエン 30mlで4回、ヘキサン 30mlで1回洗浄した。減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.82gを得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=2.5mmol/gであった。
【0278】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.752mol%、1−ブテン=2.62mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例41(1)で得られた成分(A)8.4mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.203mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 11.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は7.9×106g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は1420g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.6、MFR=2.03、MFRR=48.8、SR=1.53であった。
【0279】
[実施例42]
(1)接触物(e)の合成
窒素置換した1000mlの四つ口フラスコに、トルエン300ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)120ml(240mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.77mol/リットル)34.8ml(96.3mmol)を40分間で滴下した。滴下終了後、20℃まで徐々に温度を上げた。その後、20℃でH2O 4.74ml(263mmol)を60分間で滴下した。滴下終了後、還流条件下(91℃)で6時間攪拌を行った。その結果、接触物(e)のスラリー 420mlを得た。仕込んだ試薬の量から計算すると、スラリー濃度は0.57mmol(Zn原子換算)/ml(スラリー)である。
【0280】
(2)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例42(1)で合成した接触物(e)のスラリー 45ml(25.7mmol−Zn)を入れた。グラスフィルターで溶媒を除去した後、エタノール 2mlおよびトルエン 38mlを入れた。したがってエタノール分率は5体積%である。実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.03gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで2回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)3.51gを得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.8mmol/gであった。
【0281】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.713mol%、1−ブテン=2.55mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例42(2)で得られた成分(A)8.0mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 28.7gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.9×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3590g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.2、MFR=0.780、MFRR=58.6、SR=1.25であった。
【0282】
[実施例43]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例42(1)で合成した接触物(e)のスラリー 45ml(25.7mmol−Zn)を入れた。グラスフィルターで溶媒を除去した後、エタノール 8mlおよびトルエン 32mlを入れた。したがってエタノール分率は20体積%である。実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.65gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで1回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.17gを得た。元素分析の結果、Zn=3.7mmol/g、F=3.8mmol/gであった。
【0283】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.693mol%、1−ブテン=2.79mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例43(1)で得られた成分(A)9.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 60.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は4.0×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は6520g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=17.1、MFR=4.61、MFRR=41.2、SR=1.42であった。
【0284】
[実施例44]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、上記実施例42(1)で合成した接触物(e)のスラリー 45ml(25.7mmol−Zn)を入れた。グラスフィルターで溶媒を除去した後、エタノール 16mlおよびトルエン 24mlを入れた。したがってエタノール分率は40体積%である。実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.15gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで1回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.98gを得た。元素分析の結果、Zn=3.8mmol/g、F=3.7mmol/gであった。
【0285】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.680mol%、1−ブテン=2.87mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例44(1)で得られた成分(A)9.2mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 44.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.0×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は4880g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=12.5、MFR=1.23、MFRR=54.6、SR=1.41であった。
【0286】
[実施例45]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、トルエン 20ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)12.8ml(25.6mmol)を入れ、2℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.77mol/リットル)3.7ml(10.2mmol)を40分間で滴下した。滴下終了後、2℃で20分間攪拌した。2℃でH2O 0.51ml(28.3mmol)を60分間で滴下した。その直後に、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.98gを、2℃で入れた。2℃で1時間攪拌を行った後、60℃に加熱し、2時間攪拌を行った。固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで1回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、室温で乾燥を行うことにより、成分(A)5.88gを得た。元素分析の結果、Zn=3.5mmol/g、F=6.3mmol/gであった。
【0287】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.707mol%、1−ブテン=2.82mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例45(1)で得られた成分(A)8.8mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 94.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は6.3×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は10800g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.8、MFR=3.15、MFRR=41.9、SR=1.38であった。
【0288】
[実施例46]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、トルエン20ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)12.8ml(25.6mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.77mol/リットル)3.7ml(10.2mmol)を40分間で滴下した。滴下終了後、5℃で20分間攪拌した。5℃でH2O 0.51ml(28.3mmol)を60分間で滴下した。滴下終了後5℃で1時間攪拌した。そこへ、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.93gを、2℃で入れた。2℃で1時間攪拌を行った後、40℃に加熱し、2時間攪拌を行った。固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで1回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、室温で乾燥を行うことにより、成分(A)5.84gを得た。元素分析の結果、Zn=3.4mmol/g、F=5.3mmol/gであった。
【0289】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.748mol%、1−ブテン=2.59mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例46(1)で得られた成分(A)8.8mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 57.4gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.8×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は6520g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.4、MFR=0.453、MFRR=40.2、SR=1.16であった。
【0290】
[実施例47]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、トルエン20ml、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)12.8ml(25.6mmol)を入れ、5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.77mol/リットル)3.7ml(10.2mmol)を40分間で滴下した。滴下終了後、5℃で20分間攪拌した。5℃でH2O 0.51ml(28.3mmol)を60分間で滴下した。滴下終了後5℃で3時間攪拌した。そこへ、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.01gを、4℃で入れた。4℃で1時間攪拌を行った後、60℃に加熱し、2時間攪拌を行った。固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン 30mlを加え、攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計4回繰り返した。同様の洗浄操作をヘキサン 30mlで1回行った。グラスフィルターで液体成分を取り除いた後、減圧下、室温で乾燥を行うことにより、成分(A)4.31gを得た。元素分析の結果、Zn=2.4mmol/g、F=3.9mmol/gであった。
【0291】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.624mol%、1−ブテン=2.67mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例47(1)で得られた成分(A)8.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 42.6gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は2.8×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は5130g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.3、MFR=0.135、MFRR=141、SR=1.12であった。
【0292】
[実施例48]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.00g、トルエン 30ml、H2O 0.149g(8.25mmol)を入れ、室温にて30分間攪拌した。この間にトルエン中に液滴状に存在していたH2Oは目視で観察されなくなり(シリカに吸着されたものと思われる)均一なスラリーとなった。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.0mol/リットル)1.8ml(3.6mmol)を加え氷浴にて5℃に冷却した。これにジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)4.5ml(9.0mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌し、40℃に昇温、40℃で1時間攪拌し、更に60℃に昇温、60℃にて1時間攪拌した。フィルターにてろ過を行った後、40℃、トルエン 30mlにて3回、室温、ヘキサン 30mlにて2回、フィルターを用いた洗浄を行った。次いで、残った固体成分を減圧下、40℃で1時間、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。120℃乾燥した成分(A)は元素分析の結果、Zn=2.1mmol/g、F=3.4mmol/gであった。
【0293】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.738mol%、1−ブテン=2.93mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例48(1)で得られた成分(A)7.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.203mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 44.5gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.0×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は6100g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.0、MFR=1.32、MFRR=42.7、SR=1.44であった。
【0294】
[実施例49]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.99g、ヘキサン 30ml、H2O 0.149g(8.29mmol)を入れ、室温にて30分間攪拌した。この間にヘキサン中に液滴状に存在していたH2Oは目視で観察されなくなり(シリカに吸着されたものと思われる)均一なスラリーとなった。これに、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.0mol/リットル)1.8ml(3.6mmol)を加え氷浴にて5℃に冷却した。これにジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)4.5ml(9.0mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌し、40℃に昇温、40℃で2時間攪拌した。フィルターにてろ過を行った後、40℃、ヘキサン 30mlにて3回、フィルターを用いた洗浄を行った。次いで、残った固体成分を減圧下、40℃で1時間、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。120℃乾燥した成分(A)は元素分析の結果、Zn=2.1mmol/g、F=4.0mmol/gであった。
【0295】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.017MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.789mol%、1−ブテン=2.78mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例49(1)で得られた成分(A)7.8mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.200mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 53.9gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は6910g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.0、MFR=3.00、MFRR=42.0、SR=1.48であった。
【0296】
[実施例50]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.98g、テトラヒドロフラン 30ml、ペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液(2.0mol/リットル)5.4ml(10.8mmol)、H2O 0.458g(25.4mmol)を入れ、氷浴にて5℃に冷却した。これにジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2mol/リットル)13.4ml(27mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌し、40℃に昇温、40℃で2時間攪拌した。40℃にて、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除き、さらにガラスフィルターにて液体成分を取り除いた。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン30mlを加え、40℃に昇温するまで攪拌を行った後、固体成分を沈降させ、上層のスラリー部分を取り除き、ガラスフィルターにて残りの液体成分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。次いで、残った固体成分を減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.92gを得た。元素分析の結果、Zn=3.5mmol/g、F=4.4mmol/gであった。
【0297】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.012MPaになるように加え、ブタンを700g、1−ブテンを50g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.574mol%、1−ブテン=2.40mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて上記実施例50(1)で得られた成分(A)13.4mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.193mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 42.1gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は8.4×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は3140g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=17.8、MFR=22.0、SR=1.54であった。
【0298】
[実施例51]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ3.05g、ヘキサン 30ml、H2O 0.081g(4.5mmol)を入れ、室温にて30分間攪拌した。この間にヘキサン中に液滴状に存在していたH2Oは目視で観察されなくなり(シリカに吸着されたものと思われる)均一なスラリーとなった。氷浴にて5℃に冷却した後、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.01mol/リットル)4.48ml(9mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で30分間攪拌し、60℃に昇温、60℃で1時間攪拌した。続いて、氷浴にて5℃に冷却した後、ペンタフルオロフェノールのトルエン溶液(2.00mol/リットル)4.5ml(9.0mmol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で30分間攪拌し、60℃に昇温、60℃で1時間攪拌した。フィルターにてろ過を行った後、60℃、ヘキサン 30mlにて4回、フィルターを用いた洗浄を行った。次いで、残った固体成分を減圧下、40℃で1時間、120℃で8時間乾燥を行うことにより、成分(A)を得た。元素分析の結果、Zn=1.8mmol/g、F=6.4mmol/gであった。
【0299】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.015MPaになるように加え、ブタンを695g、1−ブテンを55g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.802mol%、1−ブテン=2.32mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例51(1)で得られた成分(A)10.3mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.212mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 58gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は3.9×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は5630g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=11.7、MFR=1.54、MFRR=43.6、SR=1.40であった。
【0300】
[実施例52]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、ヘキサン 1.5リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.01mol/リットル)1.49リットル(3.0mol)を入れ5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 198.8g(1.07mol)をヘキサン 342mlとトルエン 194mlとの混合溶媒に溶解させた溶液を85分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌した。その後、40℃に加熱し、1時間攪拌した後、室温にて一晩静置した。氷浴で20℃にした後、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ359gを入れ、次いでヘキサン 0.3リットルを入れてフラスコ壁面に付着したシリカを洗い流した。5分間攪拌後、H2O 44.2g(2.46mol)を1時間で滴下した。滴下終了後、20℃で1時間、40℃で2時間、60℃で2時間攪拌した。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過した。洗浄操作として、これに、ヘキサン 3リットルを加え、攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、残りの液成分をフィルターにてろ過した。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。その後、固体成分を減圧下、60℃で4時間乾燥を行うことにより、成分(A)814gを得た。元素分析の結果、Zn=3.7mmol/g、F=6.3mmol/gであった。
【0301】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.015MPaになるように加え、ブタンを690g、1−ブテンを60g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.76mol%、1−ブテン=2.42mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例52(1)で得られた成分(A)9.4mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.23mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 83gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は5.5×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は8830g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.2、MFR=0.09、MFRR=127、SR=1.05であった。
【0302】
[実施例53]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、トルエン 1.5リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.01mol/リットル)1.49リットル(3.0mol)を入れ5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 277.1g(1.51mol)をトルエン 585mlに溶解させた溶液を100分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌した。その後、40℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で5℃にした後、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ355gを入れ、次いでトルエン 0.3リットルを入れてフラスコ壁面に付着したシリカを洗い流した。5分間攪拌後、H2O41.0g(2.28mol)を1時間で滴下した。滴下終了後、5℃で2.5時間、80℃で2時間攪拌した。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過した後、トルエン 3リットルを加え、室温にて一晩静置した。その後、80℃でトルエン 3リットルにて4回、室温でヘキサン 3リットルにて2回、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過する洗浄を行った。その後、固体成分を減圧下、60℃で2時間乾燥を行うことにより、成分(A)864gを得た。元素分析の結果、Zn=3.5mmol/g、F=6.8mmol/gであった。
【0303】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.015MPaになるように加え、ブタンを690g、1−ブテンを60g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.70mol%、1−ブテン=3.01mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例53(1)で得られた成分(A)8.7mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.26mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 85gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は5.7×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は9770g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=16.8であった。
【0304】
[実施例54]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、トルエン 2.5リットル、テトラヒドロフラン 71mlおよびジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.01mol/リットル)0.871リットル(1.75mol)を入れ5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 164.8g(0.90mol)をトルエン 277mlに溶解させた溶液を80分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌した。その後、40℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で5℃にした後、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ350gを入れ、次いでトルエン 0.1リットルを入れてフラスコ壁面に付着したシリカを洗い流した。5分間攪拌後、H2O 23.8g(1.32mol)を1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で85分間、40℃で2時間攪拌した。その後、室温にて一晩静置した。その後80℃で2時間攪拌した。その後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過した後、トルエン 3.5リットルを加え95℃で2時間攪拌した。その後、95℃でトルエン 3.5リットルにて4回、室温でヘキサン 3.5リットルにて2回、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過する洗浄を行った。その後、固体成分を減圧下、120℃で4時間乾燥を行うことにより、成分(A)571gを得た。元素分析の結果、Zn=2.6mmol/g、F=4.9mmol/gであった。
【0305】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.015MPaになるように加え、ブタンを690g、1−ブテンを60g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.74mol%、1−ブテン=2.75mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例54(1)で得られた成分(A)8.4mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.26mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 116gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は7.7×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は13800g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=16.9、MFR=1.70、MFRR=46.0、SR=1.29であった。
【0306】
[実施例55]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50mlの四つ口フラスコに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.01mol/リットル)12.5ml(25mmol)、テトラヒドロフラン12.5mlを入れ5℃に冷却した。これに、濃度を2mmol/mlに調整したペンタフルオロフェノールのテトラヒドロフラン溶液 6.25mlを21分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間、40℃で1時間攪拌した。その後、氷浴で5℃にした後、実施例40(2)で使用したものと同じロットの加熱処理したシリカ2.98gを入れ、次いでテトラヒドロフラン 8mlを入れてフラスコ壁面に付着したシリカを洗い流した。5分間攪拌後、H2O 0.34g(18.8mmol)を38分間で滴下した。滴下終了後、5℃で2.5時間、60℃で2時間攪拌した。その後、80℃でトルエン 25mlにて4回、室温でヘキサン 25mlにて2回、フィルターを用いた洗浄を行った。その後、固体成分を減圧下、120℃で2時間乾燥を行うことにより、成分(A)4.80gを得た。元素分析の結果、Zn=2.9mmol/g、F=5.3mmol/gであった。
【0307】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.015MPaになるように加え、ブタンを690g、1−ブテンを60g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=0.74mol%、1−ブテン=3.19mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて上記実施例55(1)で得られた成分(A)8.0mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレン/水素混合ガス(水素0.25mol%)をフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 174gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は1.2×108g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は21800g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.7、MFR=0.89、MFRR=63.3、SR=1.29であった。
【0308】
[実施例56]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、トルエン 2.9リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.00mol/リットル)0.525リットル(1.05mol)を入れ5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 101g(0.55mol)をトルエン 120mlに溶解させた溶液を60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌した。その後、40℃に加熱し、1時間攪拌した。氷浴で5℃にした後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(デビソン社製 XPO2403;平均粒子径=41μm;細孔容量=1.38ml/g;比表面積=334m2/g)351gを入れ、次いでトルエン 0.1リットルを入れてフラスコ壁面に付着したシリカを洗い流した。5分間攪拌後、H2O 14.7g(0.82mol)を1.5時間で滴下した。滴下終了後、5℃で1.5時間、40℃で2時間攪拌した。その後、室温にて一晩静置した。その後80℃で2時間攪拌した後、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過した後、トルエン 3.7リットルを加え95℃で2時間攪拌した。その後、95℃でトルエン 3.7リットルにて4回、室温でヘキサン 3.7リットルにて2回、静置し、固体成分を沈降させ、沈降した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除き、次いで残りの液成分をフェルターにてろ過する洗浄を行った。その後、固体成分を減圧下、120℃で4時間乾燥を行うことにより、成分(A)487gを得た。
【0309】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.019MPaになるように加え、ブタンを690g、1−ブテンを60g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=1.00mol%、1−ブテン=2.79mol%であった。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.50mlを投入し、続いて上記実施例56(1)で得られた成分(A)5.1mgを固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つように水素を0.35mol%含有したエチレンと水素の混合ガスをフィードしながら70℃で、60分間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 46gが得られた。ジルコニウム原子当たりの重合活性は4.6×107g/molZr/時間で、固体触媒成分当りの重合活性は9020g/g固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.8、MFR=0.14、MFRR=121、SR=1.07であった。
【0310】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、シングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物とともに用いて付加重合することにより、外観の良好なフィルムの得られる付加重合体を製造し得る粒子、担体および付加重合用触媒成分、該粒子の製造方法、該粒子を用いてなる予備重合済付加重合用触媒成分、該粒子を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体の製造方法が提供される。また本発明によれば、付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用した場合に、形状、粒子性状に優れた付加重合体を与える付加重合用触媒の調整に有用な粒子、担体および付加重合用触媒成分、該粒子の製造方法、該粒子を用いてなる予備重合済付加重合用触媒成分、該粒子を用いてなる付加重合用触媒、ならびに該付加重合用触媒を用いる付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用した場合に、粒子性状に優れた付加重合体の製造方法も提供される。さらにいえば、本発明においては高活性な付加重合用触媒、および効率的な付加重合体の製造方法も提供される。
Claims (11)
- 下記(a)、下記(b)、下記(c)および無機酸化物粒子または有機ポリマー粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子よりなるオレフィン重合用触媒成分。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
M1L1 m [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
R1 t-1TH [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
R2 t-2TH2 [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M1 は周期律表第12族の典型金属原子を表し、mはM1 の原子価を表す。L1 は炭化水素基を表し、L1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。R1 はハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基を表し、R1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R2 は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。Tはそれぞれ独立に窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子を表し、tはそれぞれの化合物のTの原子価を表す。) - 請求項1に記載の改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒。
- 請求項1に記載の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒。
- 第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)が、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を少なくとも一つ持つ遷移金属化合物である請求項2または3記載のオレフィン重合用触媒。
- 請求項1に記載の改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済オレフィン重合用触媒成分。
- 請求項1に記載の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られる予備重合済オレフィン重合用触媒成分。
- 請求項5または6記載の予備重合済オレフィン重合用触媒成分、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られるオレフィン重合用触媒。
- 請求項1に記載の改質された粒子(A)、並びに第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られるオレフィン重合用触媒。
- 請求項1に記載の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)、並びに有機アルミニウム化合物(C)を接触させて得られる一次触媒の存在下に、オレフィンを予備重合して得られるオレフィン重合用触媒。
- 請求項2〜4、7〜9のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒を用いるオレフィン重合体の製造方法。
- オレフィン重合体が、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である請求項10記載のオレフィン重合体の製造方法。
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