JP4549590B2 - 均一系固体触媒成分または均一系固体触媒およびその製造方法、並びに付加重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、均一系固体触媒成分または均一系固体触媒の製造方法、該製造方法により得られる均一系固体触媒成分または均一系固体触媒、および付加重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンやポリエチレン等の付加重合体は、機械的性質、耐薬品性等に優れ、またそれらの特性と経済性とのバランスが優れていることにより各種成形分野に広く用いられている。
これらの付加重合体は従来、主として三塩化チタンや四塩化チタンなどの第4族金属化合物を用いて得られた固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物に代表される第13族金属化合物とを組み合わせた従来型固体触媒(マルチサイト触媒)を用いてオレフィン等を重合させることによって製造されてきた。
【0003】
近年、古くから用いられてきた固体触媒成分とは異なる遷移金属化合物(例えばメタロセン錯体や非メタロセン化合物)とアルミノキサン等とを組み合わせた、いわゆるシングルサイト触媒を用いてオレフィン等を重合させる付加重合体の製造方法が提案されている。例えば、特開昭58−19309号公報にはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドとメチルアルミノキサンを用いる方法が報告されている。また、特定のホウ素化合物をかかる遷移金属化合物と組合わせることも報告されている。例えば、特表平1−502036号公報にはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチルとトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いる方法が報告されている。これらシングルサイト触媒を用いて得られる付加重合体は従来型固体触媒(マルチサイト触媒)で得られるものよりも一般に分子量分布が狭く、また共重合体の場合にはコモノマーがより均一に共重合されていることから、従来型固体触媒を用いた場合よりも均質な付加重合体が得られることが知られている。
【0004】
しかしながら、これらのシングルサイト触媒は反応系に可溶性であるため、付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用した場合、生成した付加重合体粒子の形状が不定形で、粗大な付加重合体粒子、塊状付加重合体、微粉状付加重合体等の生成、付加重合体の嵩密度の低下、重合反応器壁への付加重合体の付着等を招きかねない。そして、これらが一因となって、反応器における伝熱不良、除熱不良等が起こり、安定運転が困難な状態、生産性の低下に至るという問題があった。
【0005】
即ち、シングルサイト触媒を付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用するためには、十分な重合活性を発現させるばかりでなく形状、粒子性状に優れた重合体を得ることが必要であり、その解決のため、担体に遷移金属化合物を担持するなどの方法が提案されている。
【0006】
一つの方法として、シリカなどの無機金属酸化物担体にメタロセン錯体、メチルアルミノキサン等の触媒成分の全部あるいは一部を固定化、担持する方法が報告されている。例えば、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報に、可溶性メタロセンを代表的支持体、例えば、シリカ、アルミナ、ポリエチレン等の上に沈積、付着させて、均一系固体触媒成分に変え、アルミノキサンと組み合わせて、スラリー重合や気相重合に用いる方法が開示されている。
【0007】
また、シリカをメチルアルミノキサン、次いでビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドで処理して得られた均一系固体触媒成分を用いてオレフィン重合体を製造する方法が、特開昭63−51407号公報や特開昭63−89505号公報に開示されている。
【0008】
他に、メタロセン系遷移金属化合物、ホウ素化合物、及び担体から得られる固体触媒成分、またはメタロセン系遷移金属化合物、ホウ素化合物、有機アルミニウム化合物、及び担体から得られる均一系固体触媒成分を用いてオレフィン重合体を製造する方法が報告されている(特表平5−502906号公報や特開平6−336502号公報)。
【0009】
また、最近、アルミノキサン、ホウ素化合物の代替物として、粘土鉱物をその層間にカチオンを導入可能な化合物で処理した変性粘土と、メタロセン錯体および有機アルミニウム化合物からなる均一系固体触媒に関する報告がなされている(特開平7−224106号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらいずれの方法においても、得られた均一系固体触媒成分や均一系固体触媒中にいくらかの微粉成分や不定形な成分が存在し、それらを用いて得られる付加重合体粒子についても、微粉状のものや不定形のもの、互着した塊状のものが多く含まれる。
微粉成分を除去する為に篩い分けや噴射法などを行う方法が知られているが、かかる方法を均一系固体触媒成分や均一系固体触媒に適用した場合には、このような分離操作を行う際に固体触媒成分や固体触媒同士が激しく衝突する為、新たに微粉成分や不定形成分が生じてしまい有効な手段とは言えなかった。
【0011】
このような状況に鑑み本発明が解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、シングルサイト触媒を付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用した場合に、形状、粒子性状に優れた付加重合体を与えることができる均一系固体触媒成分または均一系固体触媒およびその製造方法、並びに、シングルサイト触媒を付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用して、形状、粒子性状に優れた付加重合体を製造する付加重合体の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)、下記(b)、下記(c)および無機酸化物または有機ポリマーの粒子(d)を接触させて得られ、下記一般式[4]で表される遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物二量体と接触させてオレフィン重合用触媒を得る改質された粒子である均一系オレフィン重合用固体触媒成分または均一系オレフィン重合用固体触媒を製造する際の洗浄工程において、微粉成分および/または不定形成分が沈降し終える前にスラリー部分を除去することにより、微粉成分および/または不定形成分を取り除く工程を有する均一系オレフィン重合用固体触媒成分または均一系オレフィン重合用固体触媒の製造方法
(a):下記一般式[1]で表される化合物
M1L1 m [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
R1 t-1T1H [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
R2 t-2T2H2 [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M1は周期律表第12族の典型金属原子を表し、mはM1の原子価を表す。L1は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、L1が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。R1はハロゲン化炭化水素基を表し、R1が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R2は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。T1は周期律表の第16族の原子を表し、T2はそれぞれ独立に周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはそれぞれの化合物のT1またはT2の原子価を表す。)
L2 aM2Xb [4]
(式中、M2は周期律表第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。L2はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2は直接または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。Xはハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基である。aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。)
により、前記課題を解決するものである。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、均一系固体触媒成分または均一系固体触媒を製造する際に生じる微粉成分および/または不定形成分を、溶媒に対する沈降速度の差を利用して取り除くものである。粒子は溶媒中を沈降する際に、溶媒より抵抗を受ける。この抵抗は粒子の大きさ、形状により大きく影響を受ける。つまり、粒子が大きいほど、球形なほど、また表面が滑らかなほど沈降速度が速くなる。詳しくは、例えば「紛体 理論と応用 久保輝一郎、水渡英二、中川有三、早川宗八郎共著(1977年第6刷発行)」に記載されている。
本発明においては、この溶媒からの抵抗を利用して微粉成分や不定形成分を分離し、取り除く。つまり微粉成分は粒径小さく、不定形成分はいびつな形状を持っているため沈降速度が遅くなる。よって、粒径の大きな成分や球状の形の揃った成分が沈降した後も、微粉成分や不定形成分は溶媒中に分散している。その状態において、微粉成分や不定形成分が分散しているスラリー部分を除去することにより分離を効果的に行うことが出来る。
【0014】
この分離操作は均一系固体触媒成分または均一系固体触媒を製造する工程のうち任意の工程で行うことが出来る。もちろん、製造後に溶媒に再分散させて分離することも可能である。しかし、一般的には製造後に乾燥工程が入る為、再び溶媒により湿潤させることは製造コスト上不利益を生じる。よって、製造の途中段階で分離操作を行うことが好ましく、洗浄工程に分離操作を入れることがより好ましく、いくつかの洗浄工程がある場合は最終洗浄工程に分離操作を入れることが更に好ましい。即ち本発明の製造方法としてより好ましくは、均一系固体触媒成分または均一系固体触媒を製造する際の洗浄工程(特に好ましくは最終の洗浄工程)において、微粉成分および/または不定形成分が沈降し終える前にスラリー部分を除去することにより、微粉成分および/または不定形成分を取り除く工程を有する均一系固体触媒成分または均一系固体触媒の製造方法である。
【0015】
分離に使用する溶媒は、均一系固体触媒成分または均一系固体触媒に不活性な溶媒であれば脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒などの非極性溶媒やハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物などの極性溶媒のいずれも使用することが可能である。これらの溶媒のうち、処理対象とする均一系固体触媒成分または均一系固体触媒の真比重より比重が小さいものが好ましい。また、複数種の溶媒を混合して用いても構わない。
【0016】
均一系固体触媒成分または均一系固体触媒が上記溶媒中に攪拌により分散している状態から攪拌を停止したのち、微粉成分や不定形成分が分散しているスラリー部分の除去を開始するまでの時間は任意で決めればよく、沈積した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で除去を始めるのが好ましい。この際、球形の粒径の大きな成分も同時に除去されることもあるが、通常その量は少ないことが多く問題は少ない。分離操作の回数にも制限がなく、任意の回数を選ぶことが出来る。回数を増やすほどより効果的に分離を行うことができ、複数回行うことが好ましく、3回以上行うことが好ましい。分離の際の温度も任意に設定することが出来る。温度が高いと不定形成分が溶解する場合もあり好ましい。
【0017】
スラリー部分の除去操作は、スラリー部分が取り除かれればどのような方法を用いても構わないが、容器を動かすと沈積した成分が溶媒中に舞い上がることがあり好ましくない。容器の上部より中空の管を降ろし吸引することにより除去することが好ましい。管を降ろす際には、沈降し沈積した成分の層の上面近くまで降ろすことが好ましい。このとき用いられる中空の管には、ろ過のためのフィルターを付設しない。
【0018】
金属製容器中での操作の際には、沈降の状態が目視により観察できないため、沈降し沈積した成分の層の上面近くまで目視で管を降ろすことは困難であるから、別途、分離したい成分の沈降速度および沈降体積を測定しておくことが好ましい。つまり、沈降速度と沈降距離との関係より沈降時間、管長が決定でき、目視しなくても効果的に分離操作を行うことができる。
【0019】
本発明の製造方法で製造される均一系固体触媒成分とは、シングルサイト触媒を形成し得る固体の触媒成分を意味し、均一系固体触媒とは、固体のシングルサイト触媒を意味する。なお、ここでいうシングルサイト触媒は従来型固体触媒と区別される概念であり、分子量分布が狭く、共重合の場合には組成分布が狭い付加重合体の得られる狭義のシングルサイト触媒のみならず、そのような狭義のシングルサイト触媒と似た調整法で得られる触媒であれば、分子量分布が広い付加重合体や、共重合の場合に組成分布が広い付加重合体の得られる触媒も含まれる。
【0020】
本発明の製造方法で製造される均一系固体触媒成分または均一系固体触媒としては、従来の技術の欄に掲げたような種々のものが挙げられるが、好ましくは、下記(I)、下記(II)または下記(III)の改質された粒子の製造に好適に適用され、特に好ましくは下記(I)の改質された粒子の製造に好適に適用される。
【0021】
(I)下記(a)、下記(b)、下記(c)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
M1L1 m [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
R1 t-1TH [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
R2 t-2TH2 [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M1 は周期律表第1、2、12、14または15族の典型金属原子を表し、mはM1 の原子価を表す。L1 は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、L1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。R1 は電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R2 は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。Tはそれぞれ独立に周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはそれぞれの化合物のTの原子価を表す。)
【0022】
(II)アルミノキサン(e)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
(III)アルミノキサン(e)、粒子(d)および遷移金属成分(f)を接触させて得られる改質された粒子。
以下、これらにつき順次さらに説明する。
【0023】
(I)上記(a)、上記(b)、上記(c)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
上記一般式[1]におけるM1 は、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)第1、2、12、14または15族の典型金属原子を表す。
その具体例としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子、ビスマス原子等が挙げられる。M1 として特に好ましくは第12族の原子であり、最も好ましくは亜鉛原子である。
上記一般式[1]におけるmはM1 の原子価を表し、例えばM1 が亜鉛原子の場合mは2である。
【0024】
上記一般式[1]におけるL1 は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、L1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。L1 におけるハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。L1 における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましい。
【0025】
ここでいうアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0026】
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0027】
アリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0028】
アラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0029】
上記一般式[1]におけるL1 として好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基であり、さらに好ましくは水素原子またはアルキル基であり、特に好ましくはアルキル基である。
【0030】
上記一般式[2]または[3]におけるTはそれぞれ独立に、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第15族または第16族の原子を表す。一般式[2]におけるTと一般式[3]におけるTとは同じであっても異なっていてもよい。第15族原子の具体例としては、窒素原子、リン原子などが、第16族原子の具体例としては、酸素原子、硫黄原子などが挙げられる。Tとして好ましくは、それぞれ独立に窒素原子または酸素原子であり、特に好ましくはTは酸素原子である。
上記一般式[2]または[3]におけるtはそれぞれのTの原子価を表し、Tが第15族原子の場合はtは3であり、Tが第16族原子の場合はtは2である。
【0031】
上記一般式[2]におけるR1 は、電子吸引性基または電子吸引性基を含有する基を表し、R1 が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基として挙げられる。
【0032】
電子吸引性基の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、スルホン基、フェニル基等が挙げられる。電子吸引性基を含有する基としてはハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基、シアノ化アリール基、ニトロ化アリール基、エステル基(アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基)、アシル基等が挙げられる。
【0033】
ハロゲン化アルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基等が挙げられる。
【0034】
ハロゲン化アリール基の具体例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基等が挙げられる。
【0035】
(ハロゲン化アルキル)アリール基の具体例としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
【0036】
シアノ化アリール基の具体例としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基等が挙げられる。
【0037】
ニトロ化アリール基の具体例としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基等が挙げられる。
【0038】
エステル基の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ノルマルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
【0039】
アシル基の具体例としては、ホルミル基、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロエタノイル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンソイル基等が挙げられる。
【0040】
R1 として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、より好ましくはハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基である。さらに好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基 、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、またはペンタクロロフェニル基であり、特に好ましくは、フルオロアルキル基またはフルオロアリール基であり、最も好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。
【0041】
上記一般式[3]におけるR2 は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。R2 における炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基が好ましく、一般式[1]におけるL1 として説明したと同様の炭化水素基が用いられる。R2 におけるハロゲン化炭化水素基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基等が挙げられ、上記一般式[2]のR1 における電子吸引性基の具体例として挙げたものと同様のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基が用いられる。
【0042】
上記一般式[3]におけるR2 として好ましくはハロゲン化炭化水素基であり、さらに好ましくはフッ素化炭化水素基である。
【0043】
化合物(a)を具体的に例示すると、M1 が亜鉛原子の場合の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;ジアリル亜鉛等のジアルケニル亜鉛;ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化ノルマルブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化ノルマルヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化ノルマルブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化ノルマルヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化プロピル亜鉛、よう化ノルマルブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化ノルマルヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
【0044】
化合物(a)として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジノルマルヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0045】
化合物(b)を具体例に例示すると、アミン類としては、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリクロロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリブロモフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン等が挙げられる。また、窒素原子がリン原子に置換されたホスフィン化合物も同様に例示することができる。それらホスフィン化合物は、上述の具体例のアミンをホスフィンに書き換えることによって表される化合物等である。
【0046】
また化合物(b)の具体例としてアルコール類としては、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール化合物も同様に例示することができる。それらチオール化合物は、上述の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに書き換えることによって表される化合物等である。
【0047】
化合物(b)の具体例としてフェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノール、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,4−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、3,4,5−トリクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェノール、パークロロ−1−ナフトール、パークロロ−2−ナフトール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,4−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、3,4,5−トリブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェノール、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェノール、パーブロモ−1−ナフトール、パーブロモ−2−ナフトール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,4−ジヨードフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,4−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、3,4,5−トリヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨードフェノール、ペンタヨードフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェノール、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェノール、パーヨード−1−ナフトール、パーヨード−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール等が挙げられる。また、酸素原子が硫黄原子に置換されたチオフェノール化合物も同様に例示することができる。それらチオフェノール化合物は、上述の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物等である。
【0048】
化合物(b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
【0049】
化合物(b)としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0050】
化合物(c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、または(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
【0051】
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
【0052】
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリクロロアニリン、3,4,5−トリブロモアニリン、3,4,5−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
【0053】
化合物(c)としてより好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−キシリルアミン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0054】
粒子(d)としては一般に担体として用いられているものが好ましく使用され、粒径の整った、多孔性の物質が好ましく、無機物質または有機ポリマーが好適に使用され、無機物質がより好適に使用される。
粒子(d)としては、得られるポリマーの粒径分布の観点から、粒子(d)の粒径の体積基準の幾何標準偏差として好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である。
【0055】
粒子(d)として用いられ得る無機物質の例としては、無機酸化物やマグネシウム化合物等が挙げられ、粘土や粘土鉱物等も支障無ければ使用可能である。これらは混合して用いてもかまわない。
無機酸化物の具体例としては、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、およびこれらの混合物、例えば、SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO2−MgOなどを例示することができる。これらの無機酸化物の中では、SiO2および/またはAl2O3が好ましく、特にシリカが好ましい。なお、上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもかまわない。
【0056】
マグネシウム化合物としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウム、2−エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することができる。
これらの中で好ましくは、ハロゲン化マグネシウムまたはアルコキシマグネシウムであり、さらに好ましくは塩化マグネシウムまたはブトキシマグネシウムである。
【0057】
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイトであり、さらに好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライトである。
【0058】
これらの無機物質のうちでは、無機酸化物が好適に用いられる。
これらの無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
【0059】
無機物質の平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜100μmである。細孔容量として好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m2/g、より好ましくは100〜500m2/gである。
【0060】
粒子(d)として用いられ得る有機ポリマーとしては、どの有機ポリマーを用いても良く、また複数種の有機ポリマーを混合物として用いても構わない。有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0061】
活性水素を有する官能基としては、活性水素を有しておれば特に制限はなく、具体例としては1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0062】
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基としては、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であれば特に制限はなく、具体例としてはピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等が挙げられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0063】
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の量は特に限定されないが、好ましくは、重合体単位グラム当りの官能基のモル量として0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0064】
かかる官能基を有する重合体は、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合することにより、またはこれと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合することにより得ることができる。このときさらに2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーをもいっしょに共重合することが好ましい。
【0065】
かかる活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、上記の活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマー、あるいは、上記の活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。かかる重合性不飽和基の例としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチン基等のアルキニル基等が挙げられる。
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物を挙げることができる。具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール等が挙げられる。
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーの具体例としては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾールを挙げることができる。
【0066】
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物等が例示され、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレンなどが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種以上を用いても良い。
また、2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0067】
有機ポリマーの平均粒子径として好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量として好ましくは、0.1ml/g以上、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積として好ましくは、10〜1000m2/g、より好ましくは50〜500m2/gである。
【0068】
これらの有機ポリマーは、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は通常、目視で水分を確認できない有機ポリマーについて温度30〜400℃で、好ましくは50〜200℃で、さらに好ましくは70〜150℃で実施される。その加熱時間は特に限定されるものではないが、好ましくは30分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。さらに加熱中、例えば、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させる方法、あるいは、減圧する方法等も挙げられるが、その方法に限定されるものではない。
【0069】
(a)、(b)、(c)および(d)を接触させる順序としては特に限定されることはなく,以下の順序等が挙げられる。
<1>(a)と(b)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<2>(a)と(b)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<3>(a)と(c)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<4>(a)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<5>(a)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<6>(a)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<7>(b)と(c)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(d)とを接触させる。
<8>(b)と(c)との接触物と、(d)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<9>(b)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(c)とを接触させる。
<10>(b)と(d)との接触物と、(c)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
<11>(c)と(d)との接触物と、(a)とを接触させて得られる接触物と(b)とを接触させる。
<12>(c)と(d)との接触物と、(b)とを接触させて得られる接触物と(a)とを接触させる。
接触順序として好ましくは上記の<1>、<2>、<11>または<12>である。
【0070】
このような接触処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。処理温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。処理時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
また、このような処理は溶媒を用いてもよく、用いることなくこれらの化合物を直接処理してもよい。
【0071】
溶媒としては、その溶媒を使用するときに接触させる成分のそれぞれや接触させて得られる接触物と反応しない溶媒が通常用いられる。上述のように、段階的に各成分を接触させる場合には、例えば上記(a)と反応するような溶媒であっても、上記(a)と他の成分とが接触して得られた接触物はもはや該溶媒とは反応しないときがあり、そのようなときには、該接触物をひとつの成分とする接触操作の際の溶媒として該溶媒を用いることができる。以下に溶媒を例示するが、このように適宜使い分ければよい。使用され得る溶媒を例示すると、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒などの非極性溶媒、またはハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物などの極性溶媒が挙げられる。具体例としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物が挙げられる。
【0072】
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(e)と、粒子(d)とを接触させる場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、接触物(e)を製造する際の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
【0073】
一方、接触物(e)と粒子(d)とを接触させる際の溶媒(s2)としては極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、ET N値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧ET N≧0.1を満足する溶媒が特に好ましい。かかる極性溶媒を例示するとジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられる。溶媒(s2)としてさらに好ましくはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールまたはトリエチレングリコールであり、特に好ましくはジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノールまたはシクロヘキサノールであり、最も好ましくはテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノールまたは2−プロパノールである。
【0074】
また、前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒を用いることもできる。炭化水素溶媒としては上に例示した脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒が用いられる。極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒を具体的に例示すると、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒等を例示することができる。好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。さらに好ましくはヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒またはトルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。
トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、さらに好ましくは15〜30体積%である。
【0075】
(a)、(b)および(c)を接触させて得られる接触物(e)と、(d)とを接触させる方法、つまり上記の<1>、<3>、<7>の場合において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共に炭化水素溶媒を用いることもできるが、この場合(a)、(b)および(c)を接触させた後、得られた接触物(e)と粒子(d)とを接触させるまでの時間間隔は短い方が好ましい。時間間隔として好ましくは0〜5時間であり、さらに好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(e)と粒子(d)とを接触させる際の温度は、通常−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜200℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
【0076】
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用することができるが、非極性溶媒がより好ましい。というのも、(a)と(c)との接触物や、(a)と(b)との接触物と(c)とが接触した接触物は一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に(d)が存在する場合、生成した接触物が非極性溶媒中に存在するより(d)の表面に析出する方が安定であるため、より固定化されやすくなると考えられるため好ましい。
【0077】
上記(a)、(b)、(c)各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を(a):(b):(c)=1:y:zのモル比率とすると、yおよびzが下記式(1)を実質的に満足することが好ましい。
|m−y−2z|≦1 (1)
(上記式(1)において、mはM1 の原子価を表す。)
上記式(1)におけるyとして好ましくは0.01〜1.99の数であり、より好ましくは0.10〜1.80の数であり、さらに好ましくは0.20〜1.50の数であり、最も好ましくは0.30〜1.00の数であり、また上記式(1)におけるzの同様の好ましい範囲は、m、yおよび上記式(1)によって決定される。
【0078】
実際の各化合物の接触処理においては、仮に完全に上記式(1)を満足するよう各化合物の使用を企図しても、微妙に使用量は変動してしまうことがあり、また未反応で残存してしまう化合物の量等を考慮して適宜使用量を若干増減させることは通常行われることである。ここでいう“式(1)を実質的に満足する”とは、完全に上記式(1)を満足せずとも、上記式(1)を満足するモル比率で各化合物を接触させて得られるような目的物を得ようと企図する場合は含むことを意味する。
【0079】
改質された粒子(I)の調製において、(a)に対して使用する(d)の量としては、(a)と(d)との接触により得られる粒子に含まれる(a)に由来する典型金属原子が、得られる粒子1gに含まれる典型金属原子のモル数にして、0.1mmol以上となる量であることが好ましく、0.5〜20mmolとなる量であることがより好ましいので、該範囲になるように適宜決めればよい。
【0080】
上記のような接触処理の後、反応をより進行させるため、加熱することも好ましく行われる。加熱に際しては、より高温とするためより沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、そのために接触処理に用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置換してもよい。
【0081】
改質された粒子(I)としては、このような接触処理の結果、原料である(a)、(b)、(c)および/または(d)が未反応物として残存していてもよい。しかし、付加重合体粒子の形成を伴う重合に適用する場合、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同一でも異なっていても良い。
【0082】
また、このような接触処理や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後25℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは40℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、さらに好ましくは60℃〜200℃の温度で1時間〜24時間、特に好ましくは60℃〜160℃の温度で2時間〜18時間、最も好ましくは80℃〜160℃の温度で4時間〜18時間乾燥を行うことが好ましい。
【0083】
(II)アルミノキサン(e)および粒子(d)を接触させて得られる改質された粒子。
改質された粒子(II)の調整に用いられるアルミノキサン(e)としては、一般式{−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサンおよび/または一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサンが好ましく用いられる。
(但し、E1、E2、およびE3は、それぞれ炭化水素基であり、全てのE1、全てのE2および全てのE3は同じであっても異なっていても良い。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なっていても良い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
E1、E2、またはE3における炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
【0084】
上記E2、E3の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E2およびE3はメチル基、またはイソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。
【0085】
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶媒(ベンゼン、トルエン、脂肪族炭化水素など)に溶かした溶液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)に結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)を接触させて作る方法が例示できる。このような方法で得られたアルミノキサンは通常、環状のアルミノキサンと線状のアルミノキサンとの混合物となっていると考えられる。
【0086】
アルミノキサン(e)と粒子(d)は任意の方法により接触させ改質された粒子(II)を製造することができる。具体的には粒子(d)を溶媒中に分散させ、そこへアルミノキサン(e)を添加することにより製造される。
この場合の溶媒は、上記記載のいずれの溶媒も用いることができ、アルミノキサン(e)と反応しないものが好ましく、アルミノキサン(e)を溶解させる溶媒がより好ましい。具体的にはベンゼンやトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒またはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンまたはキシレンが更に好ましい。
【0087】
接触させる温度、時間は任意に取ることが出来るが、温度は通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜150℃、更に好ましくは−20℃〜120℃である。特に反応初期は発熱を抑えるために低温で反応させるのが好ましい。接触させる量は、任意に選ぶことが出来るが、粒子(d)の単位グラム当たりアルミノキサン(e)をアルミニウム原子換算で通常0.01〜100mmol、好ましくは0.1〜20mmol、更に好ましくは1〜10mmolである。
【0088】
(III)アルミノキサン(e)、粒子(d)および遷移金属成分(f)を接触させて得られる改質された粒子。
改質された粒子(III)は、改質された粒子(II)の調製時にさらに遷移金属成分(f)を用いて得られるものである。
遷移金属成分(f)としては、後に述べる第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物が用いられる。
【0089】
アルミノキサン(e)、粒子(d)および遷移金属成分(f)の接触は任意の方法により実施され、改質された粒子(III)が製造される。その際、溶媒を使用するのが好ましく、該溶媒としては上記記載のいずれの溶媒も用いることができ、アルミノキサン(e)および遷移金属成分(f)と反応しないものが好ましく、アルミノキサン(e)および遷移金属成分(f)を溶解させる溶媒がより好ましい。具体的にはトルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒またはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、トルエンまたはキシレンが更に好ましい。
【0090】
接触させる温度、時間は任意に取ることが出来るが、温度は通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜150℃、更に好ましくは−20℃〜120℃である。特に反応初期は発熱を抑えるために低温で反応させるのが好ましい。接触させる量は、任意に選ぶことが出来るが、粒子(d)の単位グラム当たりアルミノキサン(e)をアルミニウム原子換算で通常0.01〜100mmol、好ましくは0.1〜20mmol、更に好ましくは1〜10mmolである。また、粒子(d)の単位グラム当たり遷移金属成分(f)を遷移金属原子換算で通常0.1〜1000μmol、好ましくは1〜500μmol、更に好ましくは10〜200μmolである。
【0091】
本発明で製造される均一系固体触媒成分は、必要な他の触媒成分と接触させることにより付加重合用触媒を得ることができる。
均一系固体触媒成分に遷移金属成分が含まれない場合は、必要な他の成分として遷移金属成分が通常挙げられる。また、その場合に、さらに有機金属成分も併用したほうが好ましい。例えば、上記(I)または上記(II)の改質された粒子を用いて得られる付加重合用触媒としては、上記(I)または上記(II)の改質された粒子(A)、および第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)を接触させて得られる付加重合用触媒、並びに、上記(I)または上記(II)の改質された粒子(A)、第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)および下記のアルミニウム化合物(C)を接触させて得られる付加重合用触媒が挙げられる。
(C)下記(C1)〜(C3)から選ばれる1種以上のアルミニウム化合物
(C1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物
(C2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン
(C3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサン
(但し、E1、E2、およびE3は、それぞれ炭化水素基であり、全てのE1、全てのE2および全てのE3は同じであっても異なっていても良い。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なっていても良い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
【0092】
また、均一系固体触媒成分に遷移金属成分が含まれている場合には、必要な他の成分として有機金属成分が通常挙げられる。例えば、上記(III)の改質された粒子(A)、および上記のアルミニウム化合物(C)を接触させて得られる付加重合用触媒が挙げられる。
なお、本発明で製造される均一系固体触媒は、そのままで付加重合用触媒として用いられるが、有機金属成分を併用することにより、より好ましい付加重合用触媒を得ることができる。例えば、上記(III)の改質された粒子はそのままで付加重合用触媒としても用いられるが、上記のアルミニウム化合物(C)を接触させることにより、より好ましい付加重合用触媒が得られる。
以下、上に述べた具体的成分についてさらに説明する。
【0093】
(B)第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物
上記第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物(B)としてはシングルサイト触媒を形成する遷移金属化合物が使用され、上記(I)または(II)の改質された粒子(A)(あるいはさらに有機アルミニウム化合物(C))を活性化用助触媒成分として用いることにより付加重合活性を示す第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属化合物であれば特に制限はない。かかる遷移金属化合物(B)としては、下記一般式[4]で表される遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物二量体が好ましい。
L2 aM2 Xb [4]
(式中、M2 は周期律表第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。L2 はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2 は直接または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。Xはハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基である。aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。)
【0094】
一般式[4]において、M2 は周期律表(IUPAC1989年)第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。その具体例としては、スカンジウム原子、イットリウム原子、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、ニオビウム原子、タンタル原子、クロム原子、鉄原子、ルテニウム原子、コバルト原子、ロジウム原子、ニッケル原子、パラジウム原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子等が挙げられる。一般式[4]におけるM2 として好ましくは、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子、バナジウム原子、クロム原子、鉄原子、コバルト原子またはニッケル原子であり、特に好ましくはチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である。
【0095】
一般式[4]において、L2 はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2 は同じであっても異なっていてもよい。また複数のL2 は直接または炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。
【0096】
L2 におけるシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基としてはη5 −(置換)シクロペンタジエニル基、η5 −(置換)インデニル基、η5 −(置換)フルオレニル基などが挙げられる。具体的に例示すれば、η5 −シクロペンタジエニル基、η5 −メチルシクロペンタジエニル基、η5 −tert−ブチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−tert−ブチル−2−メチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−tert−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−2−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5 −1−メチル−3−イソプロピルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5 −1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基、η5 −テトラメチルシクロペンタジエニル基、η5 −ペンタメチルシクロペンタジエニル基、η5 −インデニル基、η5 −4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、η5 −2−メチルインデニル基、η5 −3−メチルインデニル基、η5 −4−メチルインデニル基、η5 −5−メチルインデニル基、η5 −6−メチルインデニル基、η5 −7−メチルインデニル基、η5 −2−tert−ブチルインデニル基、η5 −3−tert−ブチルインデニル基、η5 −4−tert−ブチルインデニル基、η5 −5−tert−ブチルインデニル基、η5 −6−tert−ブチルインデニル基、η5 −7−tert−ブチルインデニル基、η5 −2,3−ジメチルインデニル基、η5 −4,7−ジメチルインデニル基、η5 −2,4,7−トリメチルインデニル基、η5 −2−メチル−4−イソプロピルインデニル基、η5 −4,5−ベンズインデニル基、η5 −2−メチル−4,5−ベンズインデニル基、η5 −4−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−5−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−4−フェニルインデニル基、η5 −2−メチル−4−ナフチルインデニル基、η5 −フルオレニル基、η5 −2,7−ジメチルフルオレニル基、η5 −2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル基、およびこれらの置換体等が挙げられる。
なお、本明細書においては、遷移金属化合物の名称については「η5 −」を省略することがある。
【0097】
前記ヘテロ原子を含有する基におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられ、かかる基としてはアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアルコキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルホスフィノ基、アリールホスフィノ基、キレート性配位子、あるいは酸素原子、硫黄原子、窒素原子および/またはリン原子を環内に有する芳香族もしくは脂肪族複素環基が好ましい。
【0098】
ヘテロ原子を含有する基を具体的に例示すれば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、2−イソプロピルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、4−sec−ブチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジ−sec−ブチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、3,5−ジメトキシフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、4−ニトロソフェノキシ基、4−ニトロフェノキシ基、2−アミノフェノキシ基、3−アミノフェノキシ基、4−アミノチオフェノキシ基、2,3,6−トリクロロフェノキシ基、2,4,6−トリフルオロフェノキシ基、チオメトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジフェニルアミノ基、イソプロピルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ピロリル基、ジメチルホスフィノ基、2−(2−オキシ−1−プロピル)フェノキシ基、カテコール、レゾルシノール、4−イソプロピルカテコール、3−メトキシカテコール、1,8−ジヒドロキシナフチル基、1,2−ジヒドロキシナフチル基、2,2’−ビフエニルジオール基、1,1’−ビ−2−ナフトール基、2,2’−ジヒドロキシ−6,6’−ジメチルビフェニル基、4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’メチレンジフェノキシ基、4,4’,6,6’−テトラメチル−2,2’−イソブチリデンジフェノキシ基等が例示できる。
【0099】
また、前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[5]で表される基も例示することができる。
R3 P=N− [5]
(式中、Rはそれぞれの場合に水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、それらは互いに同じであっても異なっていても良く、それら2つ以上が互いに結合していても良く、環を形成していても良い。)
【0100】
前記一般式[5]におけるRの具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロへプチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基等が挙げれられるが、これらに限定されるものではない。
【0101】
さらに前記ヘテロ原子を含有する基としては下記一般式[6]で表される基も例示することができる。
(式中、Rはそれぞれの場合に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭化水素オキシ基、シリル基またはアミノ基を表し、それらは互いに同じであっても異なっていても良く、それら2つ以上が互いに結合していても良く、環を形成していても良い。)
【0102】
前記一般式[6]におけるRの具体例としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、tert−ブチル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−フルオレニル基、2−メチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−ピリジル基、シクロヘキシル基、2−イソプロピルフェニル基、ベンジル基、メチル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2−クロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0103】
前記キレート性配位子とは複数の配位部位を有する配位子を指し、具体的に例示すれば、アセチルアセトナート、ジイミン、オキサゾリン、ビスオキサゾリン、テルピリジン、アシルヒドラゾン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポルフィリン、クラウンエーテル、クリプタートなどが挙げられる。
【0104】
前記複素環基の具体例としては、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、好ましくはピリジル基である。
【0105】
シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基同士、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基とヘテロ原子を含有する基、またはヘテロ原子を含有する基同士は、それぞれ、直接連結されていても良く、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。かかる残基として好ましくは、2つのL2 と結合する原子が炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはリン原子である2価の残基であり、さらに好ましくは、2つのL2 と結合する原子が炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはリン原子であり、2つのL2 と結合する原子間の最小原子数が3以下の2価の残基(これには2つのL2 と結合する原子が単一の場合を含む。)である。具体的には、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基などの置換アルキレン基、またはシリレン基、ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、テトラメチルジシリレン基などの置換シリレン基、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子などのヘテロ原子などが挙げられ、特に好ましくはメチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン基(イソプロピリデン基)、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基またはジフェニルシリレン基である。
【0106】
一般式[4]におけるXは、ハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基である。ハロゲン原子の具体例としてフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ここでいう炭化水素基としてはシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を含まない。ここでいう炭化水素基としてはアルキル基、アラルキル基やアリール基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基または炭素原子数6〜20のアリール基が好ましい。
【0107】
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基などが挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、イソブチル基またはアミル基である。
これらのアルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パーブロモプロピル基などが挙げられる。
またこれらのアルキル基はいずれも、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0108】
炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基などが挙げられ、より好ましくはベンジル基である。
これらのアラルキル基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0109】
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、より好ましくはフェニル基である。
これらのアリール基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0110】
またここでいう炭化水素オキシ基としてはアルコキシ基、アラルキルオキシ基やアリールオキシ基等が挙げられ、好ましくは、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜20のアリールオキシ基が好ましい。
【0111】
炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、 n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基、n−ドデソキシ基、n−ペンタデソキシ基、n−イコソキシ基などが挙げられ、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、またはtert−ブトキシ基である。
これらのアルコキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0112】
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えばベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2、3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2、6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などが挙げられ、より好ましくはベンジルオキシ基である。
これらのアラルキルオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0113】
炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2、3−ジメチルフェノキシ基、2、4−ジメチルフェノキシ基、2、5−ジメチルフェノキシ基、2、6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−5−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−メチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3−メチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−4,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、2−tert−ブチル−3,5,6−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチル−3,5−ジメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、 n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、 n−デシルフェノキシ基、 n−テトラデシルフェノキシ基、 ナフトキシ基、アントラセノキシ基などが挙げられる。
これらのアリールオキシ基はいずれも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基などのアリールオキシ基またはベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などで一部が置換されていてもよい。
【0114】
Xとしてより好ましくは塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基またはベンジル基である。
【0115】
一般式[4]におけるaは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表し、Mの価数に応じて適宜選択される。
【0116】
一般式[4]で表される遷移金属化合物の内、遷移金属原子がチタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子である化合物の具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(n−ブチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ビス(インデニル)チタンジクロライド、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、ビス(フルオレニル)チタンジクロライド、ビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ビス[2−(ビス−3,5−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−tert−ブチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−トリフルオロメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(4−メチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(3,5−ジメチルフェニル)インデニル]チタンジクロライド、ビス[2−(ペンタフルオロフェニル)インデニル]チタンジクロライド、
【0117】
シクロペンタジエニル(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、インデニル(フルオレニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(インデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(フルオレニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、
【0118】
エチレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレンビス(インデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、エチレンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0119】
エチレン(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、エチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(テトラメチルペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、エチレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0120】
イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(2−フェニルインデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデンビス(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0121】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)ジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、イソプロピリデン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0122】
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3−n−ブチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(3,5−エチルメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,4−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)チタンジクロライド、
【0123】
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(インデニル)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(フルオレニル)チタンジクロライド、
【0124】
シクロペンタジエニルチタントリクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド、
【0125】
シクロペンタジエニル(ジメチルアミド)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(フェノキシ)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、シクロペンタジエニル(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、ペンタメチルシクロペンタジエニル(2,6−tert−ブチルフェニル)チタンジクロライド、インデニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、フルオレニル(2,6−ジイソプロピルフェニル)チタンジクロライド、
【0126】
メチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0127】
メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0128】
メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0129】
メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0130】
メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0131】
メチレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、メチレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0132】
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−トリメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0133】
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【0144】
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【0145】
ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0146】
ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0147】
ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0148】
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0149】
ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0150】
ジメチルシリレン(インデニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(インデニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、
【0151】
ジメチルシリレン(フルオレニル)(2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジ−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−フェニル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(5−メチル−3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メトキシ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−クロロ−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(フルオレニル)(3,5−ジアミル−2−フェノキシ)チタンジクロライド、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(1−ナフトキシ−2−イル)チタンジクロライド、
【0152】
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジベンジル、(メチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジベンジル、(ベンジルアミド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジクロライド、(フェニルフォスファイド)テトラメチルシクロペンタジエニルジメチルシランチタンジベンジル、
【0153】
(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニル−1,2−エタンジイルチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニル−1,2−エタンジイルチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニル−1,2−エタンジイルチタンジメチル、
(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)インデニルジメチルシランチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)テトラヒドロインデニルジメチルシランチタンジメチル、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジクロライド、(tert−ブチルアミド)フルオレニルジメチルシランチタンジメチル、
【0154】
(ジメチルアミノメチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(ジメチルアミノプロピル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド、(N−ピロリジニルエチル)テトラメチルシクロペンタジエニルチタンジクロライド、
(B−ジメチルアミノボラベンゼン)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロライド、シクロペンタジエニル(9−メシチルボラアントラセニル)ジルコニウムジクロライド、
【0155】
2,2’−チオビス[4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス[4−メチル−6−(1−メチルエチル)フェノキシ]チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4,6−ジメチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−エチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−スルフィニルビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノキシ)チタンジクロライド、2,2’−(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−1,1’ビフェノキシ)チタンジクロライド、
【0156】
(ジ−tert−ブチル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、(ジシクロヘキシル−1,3−プロパンジアミド)チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)−1,3−プロパンジジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−1,3−プロパンジアミド]チタンジクロライド、
[ビス(トリイソプロピルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(トリメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジクロライド、[ビス(tert−ブチルジメチルシリル)ナフタレンジアミド]チタンジブロマイド、
【0157】
[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]チタントリアイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]チタントリアイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]チタントリアイオダイド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリブロマイド、[トリス(3,5−ジメチルピラゾリル)メチル]チタントリアイオダイド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリブロマイド、[トリス(3,5−ジエチルピラゾリル)メチル]チタントリアイオダイド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリクロライド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリブロマイド、[トリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)メチル]チタントリアイオダイドなどや、これらの化合物のチタンをジルコニウムまたはハフニウムに変更した化合物、(2−フェノキシ)を(3−フェニル−2−フェノキシ)、(3−トリメチルシリル−2−フェノキシ)、または(3−tert−ブチルジメチルシリル−2−フェノキシ)に変更した化合物、ジメチルシリレンをジエチルシリレン、ジフェニルシリレン、またはジメトキシシリレンに変更した化合物、ジクロライドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ(n−プロポキシド)、ジ(イソプロポキシド)、ジ(n−ブトキシド)、ジ(トリフルオロメトキシド)、ジフェノキシド、ジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ジ(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ジ(ペンタフルオロフェノキシド)、またはジ(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)に変更した化合物などを例示することができる。
【0158】
一般式[4]で表される遷移金属化合物のうち、遷移金属原子がニッケル原子である化合物の具体例としては、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0159】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメトキシオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジメトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエトキシオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジエトキシオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
【0160】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジクロライド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5’−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[(4R)−4−メチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、メチレンビス[スピロ{(4R)−4−メチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0161】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]、メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジイソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソプロピル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソプロピルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0162】
2,2−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−イソブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、
2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−イソブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0163】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−4−tert−ブチル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−tert−ブチルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0164】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−フェニルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、
【0165】
2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジメチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジエチルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−n−プロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−イソプロピルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジシクロヘキシルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジフェニルオキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メチルフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(2−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(3−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−ベンジル−5,5−ジ−(4−メトキシフェニル)オキサゾリン]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロブタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロペンタン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘキサン}]ニッケルジブロマイド、2,2’−メチレンビス[スピロ{(4R)−4−ベンジルオキサゾリン−5,1’−シクロヘプタン}]ニッケルジブロマイド、および上記各化合物の対掌体などが挙げられる。また、上記ビスオキサゾリン型化合物の一方のオキサゾリン環の不斉炭素の立体配置を逆の配置にした化合物や、これらの化合物のジブロマイドをジクロライド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジフェニル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジ(n−プロポキシド)、ジ(イソプロポキシド)、ジ(n−ブトキシド)、ジ(トリフルオロメトキシド)、ジフェノキシド、ジ(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ジ(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ジ(ペンタフルオロフェノキシド)、またはジ(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)に変更した化合物が挙げられる。
【0166】
さらにニッケル化合物の具体例としては、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメチル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルエチル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアリル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメタリル、
[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメチル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルエチル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアリル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメタリル、
[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルクロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメチル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルエチル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルアリル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]ニッケルメタリルや、
【0167】
下記構造式にて示される化合物などが挙げられる。
(式中、R7 とR8 はそれぞれ2,6−ジイソプロピルフェニル基であり、X、R9 およびR10は下記の表1に表わされる置換基の組み合わせのいずれかである。)
【表1】
また、上記のニッケル化合物において、ニッケルをパラジウム、コバルト、ロジウム、またはルテニウムに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0168】
一般式[4]で表される遷移金属化合物のうち、遷移金属原子が鉄である化合物の具体例としては、2,6−ビス−[1−(2,6−ジメチルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2,6−ジイソプロピルフェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、2,6−ビス−[1−(2−tert−ブチル−フェニルイミノ)エチル]ピリジン鉄ジクロライド、
[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄ブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄アイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄メチル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄エチル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄アリル、[ヒドロトリス(3,5−ジメチルピラゾリル)ボレート]鉄メタリル、
[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄ブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄アイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄メチル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄エチル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄アリル、[ヒドロトリス(3,5−ジエチルピラゾリル)ボレート]鉄メタリル、
[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄クロライド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄ブロマイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄アイオダイド、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄メチル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄エチル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄アリル、[ヒドロトリス(3,5−ジ−tert−ブチルピラゾリル)ボレート]鉄メタリルなどが挙げられる。
また、上記の鉄化合物において、鉄をコバルトまたはニッケルに置き換えた化合物も同様に例示することができる。
【0169】
また一般式[4]で表される遷移金属化合物のμ−オキソタイプの遷移金属化合物の具体例としては、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、
μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタンクロライド]、μ−オキソビス[ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンクロライド]などが挙げられる。また、これらの化合物のクロライドをフルオライド、ブロマイド、アイオダイド、メチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジル、メトキシド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、トリフルオロメトキシド、フェノキシド、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド、3,4,5−トリフルオロフェノキシド、ペンタフルオロフェノキシド、または2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシドに変更した化合物などを例示することができる。
【0170】
以上に例示した一般式[4]で表される遷移金属化合物やそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物の他に、遷移金属化合物(B)として用いられる化合物を例示すると、遷移金属原子がニッケル原子である化合物として塩化ニッケル、臭化ニッケル、よう化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケル、トリフルオロ酢酸ニッケル、シアン化ニッケル、蓚酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、ビス(アリル)ニッケル、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、ジクロロビス(アセトニトリル)ニッケル、ジクロロビス(ベンゾニトリル)ニッケル、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)ニッケル、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、ビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル、テトラアミンニッケルナイトレート、テトラキス(アセトニトリル)ニッケルテトラフルオロボレート、ニッケルフタロシアニンなどが挙げられる。
【0171】
同様に、遷移金属原子がバナジウム原子である化合物の具体例としてはバナジウムアセチルアセトナート、バナジウムテトラクロライド、バナジウムオキシトリクロライドなどが挙げられる。
また、遷移金属原子がサマリウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
遷移金属原子がイッテルビウム原子である化合物の具体例としてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イッテルビウムメチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
【0172】
これらの遷移金属化合物は一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0173】
以上に例示した遷移金属化合物のうち、本発明で用いる遷移金属化合物(B)として好ましくは上記の一般式[4]で表される遷移金属化合物である。中でも、上記一般式[4]におけるM2 が第4族原子である遷移金属化合物が好ましく、特に一般式[4]におけるL2 としてシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を少なくとも一つ持つ遷移金属化合物が好ましい。
【0174】
(C)アルミニウム化合物
前記アルミニウム化合物(C)は、下記(C1)〜(C3)から選ばれる1種以上のアルミニウム化合物である。
(C1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物
(C2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン
(C3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサン
(但し、E1、E2、およびE3は、それぞれ炭化水素基であり、全てのE1、全てのE2および全てのE3は同じであっても異なっていても良い。Zは水素原子またはハロゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なっていても良い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
E1、E2、またはE3における炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
【0175】
一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物(C1)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムまたはトリノルマルオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。
好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、より好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウムまたはトリノルマルオクチルアルミニウムであり、特に好ましくはトリイソブチルアルミニウムまたはトリノルマルオクチルアルミニウムである。
【0176】
一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される構造を有する環状のアルミノキサン(C2)、一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3 2で示される構造を有する線状のアルミノキサン(C3)における、E2、E3の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E2およびE3はメチル基、またはイソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。
【0177】
上記のアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶媒(ベンゼン、トルエン、脂肪族炭化水素など)に溶かした溶液を水と接触させて作る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させて作る方法が例示できる。
このような方法で作られたアルミノキサンは通常、環状のアルミノキサンと線状のアルミノキサンとの混合物になっていると考えられる。
【0178】
成分(B)の使用量は、成分(A)1gに対し通常1×10-6〜1×10-3molであり、好ましくは5×10-6〜5×10-4molである。また成分(C)の使用量は、成分(B)遷移金属化合物の遷移金属原子に対する成分(C)のアルミニウム原子のモル比(C)/(B)として、0.01〜10,000であることが好ましく、0.1〜5,000であることがより好ましく、1〜2,000であることが最も好ましい。
【0179】
触媒成分が複数存在する場合は、その任意の組み合わせを予め接触させて重合反応装置中に投入してもよく、重合反応装置中に別々に投入して用いてもよい。
成分(A)、(B)および(C)を用いる場合には、それらの内の任意の2つの成分を予め接触させて、その後もう一つの成分を接触させてもよい。
【0180】
各触媒成分を反応器に供給する方法としては、特に制限されるものではない。
各成分を固体状態で供給する方法、水分や酸素等の触媒成分を失活させる成分を十分に取り除いた炭化水素溶媒に溶解させた溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する方法等が挙げられる。
【0181】
各触媒成分を溶液状態、または懸濁もしくはスラリー化させた状態で供給する場合、成分(A)の濃度は、通常0.01〜1000g/リットル、好ましくは0.1〜500g/リットルである。成分(C)の濃度は、Al原子換算で通常0.0001〜100モル/リットル、好ましくは0.01〜10モル/リットルである。成分(B)の濃度は、遷移金属原子換算で通常0.0001〜1000ミリモル/リットル、好ましくは0.01〜50ミリモル/リットルである。
【0182】
重合方法も特に限定されるものではなく、ガス状のモノマー中での気相重合、溶媒を使用する溶液重合、スラリー重合等が可能である。溶液重合、またはスラリー重合に用いる溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒、またはメチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素溶媒が挙げられ、あるいはオレフィン自身を溶媒に用いる(バルク重合)ことも可能である。重合方法は、回分式重合、連続式重合のいずれでも可能であり、さらに重合を反応条件の異なる2段階以上に分けて行っても良い。重合時間は、一般に、目的とするオレフィン重合体の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。
【0183】
本発明は、付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に特に好適に適用される。
スラリー重合は、公知のスラリー重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定される事はない。スラリー法における好ましい重合方法として、モノマー(およびコモノマー)、供給物、稀釈剤などを必要に応じて連続的に添加し、かつ、ポリマー生成物を連続的または少なくとも周期的に取出す連続式反応器が含まれる。反応器としては、ループ反応器を使用する方法、反応器が異なったり、反応条件が異なる複数の攪拌反応器を直列または並列またはこれらの組合せなどが挙げられる。
【0184】
稀釈剤としては、例えばパラフィン、シクロパラフィンまたは芳香族炭化水素のような不活性稀釈剤(媒質)を用いることができる。重合反応器または反応帯域の温度は、通常約0℃〜約150℃、好ましくは30℃〜100℃の範囲をとることができる。圧力は通常約0.1MPa〜約10MPaに変化させることができ、好ましくは0.5MPa〜5MPaである。触媒を懸濁状態に保持し、媒質および少なくとも一部のモノマーおよびコモノマーを液相に維持し、モノマーおよびコモノマーを接触させることができる圧力をとることができる。従って、媒質、温度、および圧力は、付加重合体が固体粒子として生成され、その形態で回収されるように選択すればよい。
【0185】
付加重合体の分子量は反応帯域の温度の調節、水素の導入等、公知の各種の手段によって制御することができる。
各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)は、公知の任意の方法によって、任意の順序で反応器、または反応帯域に添加できる。例えば、各触媒成分、モノマー(およびコモノマー)を反応帯域に同時に添加する方法、逐次に添加する方法等を用いることができる。所望ならば、各触媒成分はモノマー(およびコモノマー)と接触させる前に、不活性雰囲気中において予備接触させることができる。
【0186】
気相重合は、公知の気相重合方法、重合条件に従って行えばよいが、それらに限定されることはない。気相重合反応装置としては、流動層型反応槽、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽が用いられる。反応槽内に攪拌翼が設置された反応装置でも何ら問題はない。
各成分を重合槽に供給する方法としては通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する、あるいは溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する等の方法を用いることができる。各触媒成分は個別に供給してもよいし、任意の成分を任意の順序にあらかじめ接触させて供給してもよい。
【0187】
重合条件として、温度は重合体が溶融する温度未満、好ましくは0℃〜150℃、特に好ましくは30℃〜100℃の範囲である。さらに最終製品の溶融流動性を調節する目的で、水素を分子量調節剤として添加しても構わない。また、重合に際して、混合ガス中に不活性ガスを共存させてもよい。
【0188】
本発明においては、このような重合(本重合)の実施前に予備重合を行ってもかまわない。
【0189】
重合に使用するモノマーとしては、炭素原子数2〜20のオレフィン、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、極性モノマー等を挙げることができ、同時に2種以上のモノマーを用いることもできる。
これらの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のオレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族炭化水素;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等の極性モノマーなどが挙げられる。
【0190】
本発明は、これらのモノマーの単独重合または共重合に適用される。共重合体を構成するモノマーの具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテン等が例示されるが、本発明はこれらに限定されるべきものではない。
【0191】
本発明の均一系固体触媒成分および均一系固体触媒はそれぞれオレフィン重合用触媒成分およびオレフィン重合用触媒として特に好適であり、オレフィン重合体の製造方法に好適に用いられる。かかるオレフィン重合体として特に好ましくはエチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、中でもポリエチレン結晶構造を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。ここでいうα−オレフィンとして好ましくは、炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
【0192】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の各項目の測定値は、下記の方法で測定した。
【0193】
(1)共重合体におけるα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量は、赤外分光光度計(日本分光工業社製 FT−IR7300)を用い、エチレンとα−オレフィンの特性吸収より検量線を用いて求め、炭素原子1000個当たりの短鎖分岐数(SCB)として表した。
【0194】
(2)元素分析
Zn:試料を硫酸水溶液(1M)に投じたのち超音波をあてて金属成分を抽出した。得られた液体部分についてICP発光分析法により定量した。
F:酸素を充填させたフラスコ中で試料を燃焼させて生じた燃焼ガスを水酸化ナトリウム水溶液(10%)に吸収させ、得られた当該水溶液についてイオン電極法を用いて定量した。
【0195】
(3)ポリマーの粒度分布測定
振動ふるいによりポリマーの粒度分布測定を行った。測定結果から下記式によりポリマーの粒径の体積基準の幾何標準偏差(σ15.87%およびσ84.13%)を算出した。
σ15.87%=D50%/D15.87%
σ84.13%=D50%/D84.13%
但し、上記式中、D50%は累積体積分率50%のポリマー粒径、D15.87%は累積体積分率15.87%のポリマー粒径、D84.13%は累積体積分率84.13%のポリマー粒径を表す。該幾何標準偏差(σ)が大きい分布が広く、小さいと狭いことを示す。具体的にはσ15.87%値が大きいとポリマー中の相対的な微紛量が多いこと、σ84.13%値が大きいと相対的な塊量が多いことを示す。
【0196】
[実施例1]
(1)
窒素置換した5リットルの四つ口フラスコに、テトラヒドロフラン 1.5リットル、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(2.03M)1.36リットル(2.75mol)を入れ、5℃に冷却した。これに、ペンタフルオロフェノール 203.3g(1.10mol)をテトラヒドロフラン 300mlに溶解させた溶液を1時間で滴下した。滴下終了後、45℃まで温度を上げ、1時間攪拌を行った。その後、水浴で20℃まで温度を下げ、H2O 45.16g(2.51mol)を1.5時間で滴下した。その結果、黄色スラリー状となった。20℃で1時間攪拌を行った後、45℃まで温度をあげ、1時間攪拌を行った。室温で一晩静置した。揮発性成分を留去し、減圧下、120℃で8時間乾燥を行った。その結果、黄色固体生成物 430gを得た。
【0197】
(2)均一系固体触媒成分の合成
窒素置換した50ミリリットルの四つ口フラスコに、上記実施例1(1)で合成した固体生成物 4.03g、テトラヒドロフラン 30ミリリットルを入れ、攪拌を行った。これに窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=59μm;細孔容量=1.61ml/g;比表面積=306m2/g)3.06gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、静置し、固体成分を沈降させ、沈積した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。次いで、フィルターにて残りの溶媒を除去した。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン 30ミリリットルを加え、攪拌しながら40℃まで温度を上げた後、静置し、固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。さらに、テトラヒドロフラン 30ミリリットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にフィルターにてろ過を行った。このときのろ過に要した時間は17秒であった。その後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、改質された粒子 4.43gを得た。元素分析の結果、Zn=2.8mmol/g、F=3.5mmol/gであった。
【0198】
(3)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ブテンを55g、ブタンを695g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて、上記(2)で得られた改質された粒子 8.7mgを均一系固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレンをフィードしながら70℃で、1時間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 96.5gが得られた。均一系固体触媒成分(上記実施例1(2)で得られたもの)当りの重合活性は11100g/g均一系固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=14.5であった。ポリマー粒径の体積基準の幾何標準偏差はσ15.87%=1.32、σ84.13%=1.29であった。
【0199】
[比較例1]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した50ミリリットルの四つ口フラスコに、上記実施例1(1)で合成した固体生成物 4.08g、テトラヒドロフラン 30ミリリットルを入れ、攪拌を行った。これに窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=59μm;細孔容量=1.61ml/g;比表面積=306m2/g)3.04gを入れた。40℃に加熱し、2時間攪拌を行った後、フィルターにてろ過を行った。洗浄操作として、これに、テトラヒドロフラン30ミリリットルを加え、攪拌しながら40℃まで温度を上げた後、フィルターにてろ過を行った。以上の洗浄操作を計5回繰り返した。このとき1回あたりのろ過に要した時間の平均値は41秒であった。その後、減圧下、120℃で8時間乾燥を行うことにより、改質された粒子 4.39gを得た。元素分析の結果、Zn=2.8mmol/g、F=3.5mmol/gであった。
【0200】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ブテンを55g、ブタンを695g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.25mlを投入し、続いて、上記(1)で得られた改質された粒子 7.9mgを均一系固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレンをフィードしながら70℃で、1時間重合を行った。その結果、オレフィン重合体 121gが得られた。均一系固体触媒成分(上記比較例1(1)で得られたもの)当りの重合活性は15300g/g均一系固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.0であった。
ポリマー粒径の体積基準の幾何標準偏差はσ15.87%=1.87、σ84.13%=1.42であった。
【0201】
[実施例2]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した200ミリリットルの四つ口フラスコに、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=58μm;細孔容量=1.65ml/g;比表面積=298m2/g)9.93gを入れた。トルエンを100ミリリットル加え、氷浴にて5℃に冷却した。これにPMAO−sのトルエン溶液(3.15M:東ソー・ファインケム社製)24.0ミリリットルを55分かけて滴下した。5℃にて30分間攪拌した後、90分間かけて95℃まで加熱し、4時間攪拌を行った。40℃へ冷却した後、静置し、固体成分を沈降させ、沈積した固体成分の層と上層のスラリー部分との界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。洗浄操作として、これに、トルエン100ミリリットルを加え、5分間攪拌した後、攪拌を停止して静置し固体成分を沈降させ、同様に界面が見えた時点で上層のスラリー部分を取り除いた。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。さらに、トルエン100ミリリットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にフィルターにてろ過を行った。この操作をもう2回繰り返した。このときの1回あたりのろ過に要した平均時間は25.8秒であった。次いで、ヘキサン100ミリリットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にフィルターにてろ過を行った。この操作を2回繰り返した。その後、減圧下、50℃で乾燥を行うことにより、改質された粒子 12.6gを得た。元素分析の結果、Al=4.4mmol/gであった。
【0202】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ブテンを55g、ブタンを695g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて、上記(1)で得られた改質された粒子 8.9mgを均一系固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレンをフィードしながら70℃で、1時間重合を行った。その結果、粒子性状の良好なオレフィン重合体 137gが得られた。均一系固体触媒成分(上記実施例2(1)で得られたもの)当りの重合活性は15400g/g均一系固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=15.3であった。ポリマー粒径の体積基準の幾何標準偏差はσ15.87%=1.25、σ84.13%=1.29であった。
【0203】
[比較例2]
(1)成分(A)の合成
窒素置換した200ミリリットルの四つ口フラスコに、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;平均粒子径=58μm;細孔容量=1.65ml/g;比表面積=298m2/g)9.91gを入れた。トルエンを99.1ミリリットル加え、氷浴にて5℃に冷却した。これにPMAO−sのトルエン溶液(3.15M:東ソー・ファインケム社製)23.9ミリリットルを55分間かけて滴下した。5℃にて30分間攪拌した後、90分間かけて95℃まで加熱し、4時間攪拌を行った。60℃へ冷却した後、攪拌を止めると同時にフィルターにてろ過を行った。洗浄操作として、これに、トルエン99.1ミリリットルを加え、攪拌した後、攪拌を停止すると同時にフィルターにてろ過を行った。以上の洗浄操作を計3回繰り返した。このときの1回あたりのろ過に要した平均時間は64秒であった。次いで、ヘキサン99.1ミリリットルを加え、攪拌を行った後、攪拌を止めると同時にフィルターにてろ過を行った。この操作を計2回繰り返した。その後、減圧下、50℃で乾燥を行うことにより、改質された粒子 13.3gを得た。元素分析の結果、Al=4.4mmol/gであった。
【0204】
(2)重合
減圧乾燥後、アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、1−ブテンを55g、ブタンを695g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。これに、濃度を1mmol/mlに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液 0.75mlを投入し、続いて、上記(1)で得られた改質された粒子 8.8mgを均一系固体触媒成分として投入した。全圧を一定に保つようにエチレンをフィードしながら70℃で、1時間重合を行った。その結果、オレフィン重合体 112gが得られた。均一系固体触媒成分(上記比較例2(1)で得られたもの)当りの重合活性は12700g/g均一系固体触媒成分/時間であった。また、得られたオレフィン重合体はSCB=13.9であった。
ポリマー粒径の体積基準の幾何標準偏差はσ15.87%=1.31、σ84.13%=1.53であった。
【0205】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、シングルサイト触媒を付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用した場合に、形状、粒子性状に優れた付加重合体を与えることができる均一系固体触媒成分または均一系固体触媒およびその製造方法、並びに、シングルサイト触媒を付加重合体粒子の形成を伴う重合(例えばスラリー重合、気相重合、バルク重合等)に適用して、形状、粒子性状に優れた付加重合体を製造する付加重合体の製造方法が提供される。
また本発明の微粉および/または不定形成分を取り除く工程を実施した後にフィルター等によるろ過の工程がある場合には、ろ過フィルターの目詰まりが改善され、該ろ過の工程を効率よく実施することができる。即ち本発明によれば、均一系固体触媒成分または均一系固体触媒の効率的な製造方法も提供され、本発明の産業上の利用価値は頗る大きい。
Claims (1)
- 下記(a)、下記(b)、下記(c)および無機酸化物または有機ポリマーの粒子(d)を接触させて得られ、下記一般式[4]で表される遷移金属化合物またはそのμ−オキソタイプの遷移金属化合物二量体と接触させてオレフィン重合用触媒を得る改質された粒子である均一系オレフィン重合用固体触媒成分または均一系オレフィン重合用固体触媒を製造する際の洗浄工程において、微粉成分および/または不定形成分が沈降し終える前にスラリー部分を除去することにより、微粉成分および/または不定形成分を取り除く工程を有する均一系オレフィン重合用固体触媒成分または均一系オレフィン重合用固体触媒の製造方法。
(a):下記一般式[1]で表される化合物
M1L1 m [1]
(b):下記一般式[2]で表される化合物
R1 t-1T1H [2]
(c):下記一般式[3]で表される化合物
R2 t-2T2H2 [3]
(上記一般式[1]〜[3]においてそれぞれ、M1は周期律表第12族の典型金属原子を表し、mはM1の原子価を表す。L1は水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表し、L1が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていても良い。R1はハロゲン化炭化水素基を表し、R1が複数存在する場合はそれらは互いに同じであっても異なっていてもよい。R2は炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を表す。T1は周期律表の第16族の原子を表し、T2はそれぞれ独立に周期律表の第15族または第16族の原子を表し、tはそれぞれの化合物のT1またはT2の原子価を表す。)
L2 aM2Xb [4]
(式中、M2は周期律表第3〜11族もしくはランタノイド系列の遷移金属原子である。L2はシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基またはヘテロ原子を含有する基であり、複数のL2は直接または、炭素原子、ケイ素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくはリン原子を含有する残基を介して連結されていてもよい。Xはハロゲン原子、炭化水素基(但し、シクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を除く。)または炭化水素オキシ基である。aは0<a≦8を満足する数を、bは0<b≦8を満足する数を表す。)
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