JP5505558B2 - 発進装置 - Google Patents
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Description
本発明は、入力部材に入力された動力を変速装置の入力軸に伝達すると共に入力部材と入力軸との間の動力の伝達を解除することができるクラッチとを含む発進装置に関する。
従来、この種の発進装置に含まれるクラッチとして、入力部材としてのフロントカバーにダンパ装置を介して連結されると共に複数の摩擦板(フリクションプレート)を支持する摩擦板支持部材と、タービンハブにより支持されると共に複数の摩擦板(セパレータプレート)を支持する第2の摩擦板支持部材と、入力部材に対して軸方向に移動して上記複数の摩擦板を押圧するピストンと、タービンハブに固定されると共にピストンの背後(フロントカバー側)に油室を画成する部材とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、多板式のクラッチを含む発進装置としては、入力部材(フロントカバー)と一体に回転すると共に当該入力部材に向けて軸方向に移動して複数の摩擦板を押圧可能なピストンと、ピストンの背後すなわちピストンよりを介して入力部材の反対側に配置されると共に当該ピストンと共に作動油が供給される係合側油室を画成する環状の油室画成部材と、油室画成部材の背後すなわち油室画成部材を介して入力部材の反対側に配置されるダンパとを備えたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記従来のクラッチ装置では、第2の摩擦板支持部材およびピストンがタービンハブにより支持されると共に、ピストンのフロントカバー側に油室を画成する部材がピストンとフロントカバーとの間に配置されることから軸長が増加してしまう。また、上記従来の発進装置では、ピストンとダンパとの間に油室画成部材が配置されることから軸長が増加してしまう。
そこで、本発明は、多板式のクラッチとダンパとを含む発進装置の軸長を短縮化することを主目的とする。
本発明の発進装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明の発進装置は、
入力部材に入力された動力を変速装置の入力軸に伝達すると共に前記入力部材と前記入力軸との間の動力の伝達を解除することができるクラッチと、外周側スプリングおよび内周側スプリングを有するダンパとを含む発進装置において、
前記クラッチは、
前記入力部材に固定されたクラッチハブに嵌合される第1摩擦板と、
前記変速装置の前記入力軸に連結されるクラッチドラムに嵌合される第2摩擦板と、
前記第1および第2摩擦板を介して前記入力部材の反対側に配置されると共に、前記入力部材に向けて軸方向に移動して前記第1および第2摩擦板を押圧可能なピストンと、
前記ピストンと共に作動油が供給される係合側油室を画成する油室画成部材とを備え、
前記ダンパは、前記ピストンを介して前記第1および第2摩擦板の反対側に配置され、
前記ピストンの押圧部は、前記油室画成部材の外周部よりも外周側に位置し、
前記外周側スプリングと前記内周側スプリングとの径方向における間かつ前記外周側スプリングおよび前記内周側スプリングのうちの一方の前記軸方向における幅の範囲内に該ピストンの押圧部が配置されることを特徴とする。
入力部材に入力された動力を変速装置の入力軸に伝達すると共に前記入力部材と前記入力軸との間の動力の伝達を解除することができるクラッチと、外周側スプリングおよび内周側スプリングを有するダンパとを含む発進装置において、
前記クラッチは、
前記入力部材に固定されたクラッチハブに嵌合される第1摩擦板と、
前記変速装置の前記入力軸に連結されるクラッチドラムに嵌合される第2摩擦板と、
前記第1および第2摩擦板を介して前記入力部材の反対側に配置されると共に、前記入力部材に向けて軸方向に移動して前記第1および第2摩擦板を押圧可能なピストンと、
前記ピストンと共に作動油が供給される係合側油室を画成する油室画成部材とを備え、
前記ダンパは、前記ピストンを介して前記第1および第2摩擦板の反対側に配置され、
前記ピストンの押圧部は、前記油室画成部材の外周部よりも外周側に位置し、
前記外周側スプリングと前記内周側スプリングとの径方向における間かつ前記外周側スプリングおよび前記内周側スプリングのうちの一方の前記軸方向における幅の範囲内に該ピストンの押圧部が配置されることを特徴とする。
この発進装置では、クラッチのピストンが第1および第2摩擦板を介して入力部材の反対側に配置されると共に、ダンパがピストンを介して第1および第2摩擦板の反対側に配置される。また、ピストンの押圧部は、油室画成部材の外周部よりも外周側に位置し、ダンパの外周側スプリングと内周側スプリングとの径方向における間かつ外周側スプリングおよび内周側スプリングのうちの一方の軸方向における幅の範囲内に、ピストンの押圧部(の一部)が配置される。このように、油室画成部材をピストンの径方向内側に配置すると共に、ピストンの一部をダンパの外周側スプリングと内周側スプリングとの径方向における間に入り込ませることで、ピストン、油室画成部材およびダンパを軸方向に近接させることができるので、トルク振動を効果的に吸収可能であると共に、トルク容量を増やすことができ、更には、例えば多板式のクラッチによるスリップ領域を増やすことでより効果的にトルク変動を吸収しつつ、多板式のクラッチとダンパとを含む発進装置の軸長を短縮化することが可能となる。
また、前記入力部材は、前記ピストンの内周部を摺動自在に支持する第1支持部と、該第1支持部よりも内周側に形成されると共に前記油室画成部材の内周部が嵌合されて前記軸方向に固定される第2支持部とを含むものであってもよい。これにより、入力部材、ピストンおよび油室画成部材をより軸方向に近接させて発進装置の軸長をより短縮化することが可能となる。
更に、前記第1支持部と、前記第2支持部に嵌合された前記油室画成部材とは、径方向からみて重なってもよい。これにより、発進装置の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
また、前記入力部材と前記ピストンとは、前記第1および第2摩擦板の内周側に該第1および第2摩擦板に作動油を供給するための潤滑油路を画成してもよい。これにより、クラッチの係合を解除する際に、当該潤滑油路を介して第1および第2摩擦板に充分な量の作動油を供給すれば、速やかに第1および第2摩擦板の圧着を解除することができるので、リターンスプリングを省略して発進装置の軸長を短縮化することが可能となる。
更に、前記油室画成部材は、前記ピストンと当接して該ピストンの前記第1および第2摩擦板から離間する方向への移動を規制するピストン移動規制部を有するものであってもよい。これにより、ピストンの第1および第2摩擦板から離間する方向への移動を規制する部材を別途用いる必要が無くなるので、発進装置の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
また、前記入力部材には、該係合側油室に対して軸方向に開口する油路が形成されてもよい。これにより、係合側油室の軸方向長さを減らすことができるので、発進装置の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
更に、前記入力部材は、前記ピストンに向けて前記軸方向に突出するように形成されると共に前記第1および第2摩擦板の何れか1つと当接する突出部を有するものであってもよい。これにより、いわゆるバッキングプレート(エンドプレート)を省略することができるので、発進装置の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
また、前記発進装置は、ポンプインペラとタービンランナとを含んでもよく、前記入力部材は、前記ポンプインペラのポンプシェルに接合されて該ポンプシェルと共に流体伝動室を構成するフロントカバーであってもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る発進装置としての流体伝動装置1を示す構成図である。同図に示す流体伝動装置1は、原動機としてのエンジン(内燃機関)を備えた車両に発進装置として搭載されるトルクコンバータであり、図示しないエンジンのクランクシャフトに連結されるフロントカバー(入力部材)3と、フロントカバー3に固定されたポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4と、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5と、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6と、図示しない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速装置のインプットシャフトに固定されるタービンハブ(出力部材)7と、ロックアップピストン80や第1および第2摩擦板83,84等を含む多板摩擦式のロックアップクラッチ機構8と、タービンハブ7に接続されると共にロックアップクラッチ機構8に接続されたダンパ装置10とを含む。
フロントカバー3は、センターピース30と、当該センターピース30に溶接により固定されると共に径方向に延びる側壁部34と当該側壁部34の外周から流体伝動装置1の軸方向に延出された外筒部35とを有するカバー本体33とを含む。また、カバー本体33の側壁部34の外周部には、図示しないエンジンのクランクシャフトに接続されたドライブプレート(図示省略)と連結されるセットブロック36が溶接等により固定される。ポンプインペラ4は、フロントカバー3の外筒部35に密に固定されるポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。タービンシェル50は、タービンハブ7に嵌合されると共にリベットを介して当該タービンハブ7に固定される。ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、これらポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成する。
ダンパ装置10は、図1および図2に示すように、ロックアップピストン80を介して第1および第2摩擦板83,84の反対側、すなわちポンプインペラ4やタービンランナ5側に配置され、入力要素としてのドライブ部材11と、複数の第1スプリング(第1弾性体)SP1を介してドライブ部材11と係合する第1中間部材(第1中間要素)12と、複数の第2スプリング(第2弾性体)SP2を介して第1中間部材12と係合する第2中間部材(第2中間要素)14と、複数の第3スプリング(第3弾性体)SP3を介して第2中間部材14と係合するドリブン部材(出力要素)15とを含む。実施例において、外周側スプリングとしての第1および第2スプリングSP1,SP2は、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなるコイルスプリングであり、内周側スプリングとしての第3スプリングSP3は、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように巻かれた金属材からなるアークスプリングである。
ドライブ部材11は、それぞれ対応する第1スプリングSP1の一端と当接する複数のスプリング当接部11aと、複数のスプリング支持部11bとを有する。そして、ドライブ部材11は、リベットを介してロックアップクラッチ機構8のクラッチドラム82に固定され、フロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成される流体伝動室9内部の外周側領域に配置される。第1中間部材12は、ドライブ部材11の複数のスプリング支持部11bと共に第1および第2スプリングSP1,SP2を同一円周上で互いに隣り合わせに(交互に)して摺動自在に支持可能な環状部材として構成されており、実施例では、ロックアップクラッチ機構8のクラッチドラム82により流体伝動装置1の軸周りに回転自在に支持されて流体伝動室9内の外周側領域に配置される。また、第1中間部材12は、図1および図2に示すように、それぞれ対応する第1スプリングSP1の他端と当該第1スプリングSP1と隣り合う第2スプリングSP2の一端との間に配置されて両者と当接する一対のスプリング当接部12aを複数有する。
第2中間部材14は、環状の第1プレート141と、リベットを介して当該第1プレート141に固定される環状の第2プレート142とにより構成され、実施例では、ドリブン部材15により流体伝動装置1の軸周りに回転自在に支持される。第2中間部材14の第1プレート141は、それぞれ対応する第2スプリングSP2の他端と当接する複数のスプリング当接部141aを外周側に有すると共に、第3スプリングSP3を支持するための複数のスプリング支持部を内周側に有する。また、第2中間部材14の第2プレート142は、ロックアップクラッチ機構8のクラッチドラム82を回転自在に支持するクラッチドラム支持部142aを外周側に有すると共に、それぞれ第1プレート141のスプリング支持部と対向して第3スプリングSP3を支持するスプリング支持部を有する。そして、第1および第2プレート141および142には、それぞれ対応する第3スプリングSP3の一端と当接する複数のスプリング当接部(図示省略)が形成されている。
これにより、複数の第1スプリングSP1は、それぞれドライブ部材11のスプリング当接部11aと第1中間部材12のスプリング当接部12aとの間に位置するようにダンパ装置10の外周部に配置され、複数の第2スプリングSP2は、それぞれ第1中間部材12のスプリング当接部12aと第2中間部材14すなわち第1プレート141のスプリング当接部141aとの間に位置するようにダンパ装置10の外周部に配置されることになる。また、複数の第3スプリングSP3は、それぞれ第1および第2スプリングSP1,SP2から流体伝動装置1の径方向に離間して配置され、第1および第2スプリングSP1,SP2よりも内周側に位置することになる。
ドリブン部材15は、第2中間部材14の第1プレート141と第2プレート142との間に配置されると共にタービンハブ7に固定される。また、ドリブン部材15は、それぞれ対応する第3スプリングSP3の他端と当接する複数のスプリング当接部15aを有する。更に、ドリブン部材15は、軸方向に突出して第2中間部材14の第2プレート142の内周を回転自在に支持する複数のプレート支持部15cを有している。これにより、第2中間部材14は、ドリブン部材15により回転自在に支持されて流体伝動装置1の軸周りに配置される。
ロックアップクラッチ機構8は、ダンパ装置10を介して入力部材としてのフロントカバー3とタービンハブ7すなわち変速装置のインプットシャフトとを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除することができるものであり、図1および図2に示すように、ダンパ装置10とフロントカバー3の側壁部34との間に配置される。ロックアップクラッチ機構8は、フロントカバー3により軸方向に摺動自在に支持されるロックアップピストン80と、ロックアップピストン80と対向するようにフロントカバー3(カバー本体33)の側壁部34に固定される環状のクラッチハブ(第1摩擦板支持部材)81と、ドライブ部材11に接続されると共にダンパ装置10を介して変速装置のインプットシャフトに連結される上述のクラッチドラム(摩擦板支持部材あるいは第2摩擦板支持部材)82と、クラッチハブ81の外周に形成されたスプラインに嵌合されて当該クラッチハブ81により軸方向に摺動自在に支持される複数の第1摩擦板(セパレータプレート)83と、クラッチドラム82の内周に形成されたスプラインに嵌合されて当該クラッチドラム82により軸方向に摺動自在に支持される複数の第2摩擦板(摩擦材を有するフリクションプレート)84と、ロックアップピストン80よりもダンパ装置10側に位置するようにフロントカバー3のセンターピース30に固定される環状のフランジ部材(油室画成部材)85とを含む。
ロックアップピストン80は、第1および第2摩擦板83,84を介してフロントカバー3を構成するカバー本体33の側壁部34の反対側(側壁部34とダンパ装置10との間)に配置され、センターピース30に形成された第1円筒部(第1支持部)31に嵌合されると共にフロントカバー3(カバー本体33の側壁部34等)の内面と対向する内周部80aと、内周部80aの外周部からダンパ装置10側かつ軸方向に延出された円筒部80bと、円筒部80bから外方かつフロントカバー3に向けて延出された外周部80cとを有する。そして、図2における破線よりも上側の外周部80cを含む部分は、ロックアップピストン80の押圧部800を構成し、当該破線よりも下側の部分は、ロックアップピストン80の油室画成部801を構成する。ロックアップピストン80の内周部80aは、Oリング等のシール部材を介してセンターピース30の第1円筒部31の外周面と摺接する。また、ロックアップピストン80の円筒部80bは図示するようにフロントカバー3(カバー本体33)に固定されたクラッチハブ81の内周部にスプライン嵌合され、これにより、ロックアップピストン80は、その一部がクラッチハブ81の内周側に配置されると共に、フロントカバー3により流体伝動装置1の軸方向に摺動自在に支持される。更に、ロックアップピストン80の外周部80cは、クラッチハブ81により支持された複数の第1摩擦板83のうちの最もダンパ装置10側に位置する1つの概ね中央部(外周と内周との中央部)と対向する。
クラッチハブ81は、カバー本体33の側壁部34の内面に溶接により固定され、クラッチハブ81とクラッチドラム82とは、図示するように、フロントカバー3内の外周側の領域に配置される。更に、カバー本体33の側壁部34は、ロックアップピストン80に向けて軸方向に突出するようにプレス成形により形成されると共にクラッチハブ81により支持された複数の第1摩擦板83のうちの最もフロントカバー3側に位置する1つの概ね中央部(外周と内周との中央部)と当接する環状の突出部34aを有する。このようにフロントカバー3(側壁部34)に第1および第2摩擦板83,84の何れか1つと当接する突出部を形成することで、いわゆるバッキングプレート(エンドプレート)を省略して部品点数を削減しつつフロントカバー3(側壁部34)に曲げ部を形成することで側壁部34(フロントカバー3)の剛性をより高めることができる。
フランジ部材85は、第1円筒部31の内周側で当該第1円筒部31よりもダンパ装置10側に突出するようにセンターピース30に形成された第2円筒部(第2支持部)32に嵌合される基部(内周部)85aと、Oリング等のシール部材を介してロックアップピストン80の円筒部80bの内周面と摺接してロックアップピストン80の軸方向における移動をガイドする円筒状の外周部85bと、当該外周部85bのロックアップピストン80側の外縁から内方かつ径方向(軸方向と直交する方向)に延びる環状面を有するピストン移動規制部85cとを有する。図2に示すように、センターピース30の第2円筒部32は、径方向からみて第1円筒部31のダンパ装置10側の端部と重なるように形成されており、フランジ部材85の基部85aは、第1円筒部31と第2円筒部32との重なり部分(凹部)まで差し込まれる。従って、第1円筒部31と、第2円筒部32に嵌合されたフランジ部材85とは、径方向からみて重なることになる。そして、フランジ部材85(基部85a)は、スナップリング86を用いてセンターピース30(フロントカバー3)に対して軸方向に固定される。また、センターピース30の第2円筒部32は、図示するように、タービンハブ7に対して回転自在に嵌合され、両者の間にOリング等のシール部材89が配置される。
フランジ部材85は、ロックアップピストン80の軸方向における移動をガイドすると共に、当該ロックアップピストン80のフロントカバー3(側壁部34)とは反対側に当該ロックアップピストン80と共に作動油が供給される係合側油室87を画成する。係合側油室87には、エンジンにより駆動される図示しないオイルポンプに接続された油圧制御装置(図示省略)から変速装置のインプットシャフトに形成された油路やセンターピース30に形成された油路30aを介してロックアップクラッチ機構8を係合させるため(完全係合状態あるいはスリップ状態にするため)の作動油(ロックアップ圧)が供給される。実施例において、センターピース30に形成された油路30aは、図1および図2に示すように、係合側油室87に対して軸方向に開口する。更に、フロントカバー3とロックアップピストン80とは、クラッチハブ81すなわち第1および第2摩擦板83,84の内周側にフロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成される流体伝動室9内、すなわち第1および第2摩擦板83,84やポンプインペラ4、タービンハブ7、ダンパ装置10等に作動油を供給するための潤滑油路(油室)88を画成する。潤滑油路88には、図示しない油圧制御装置から変速装置のインプットシャフトに形成された油路やセンターピース30に形成された油路30b(図1参照)を介して流体伝動室9内に作動油(例えばライン圧を減圧して得られる循環圧)が供給される。なお、図1に示すように、クラッチハブ81には、潤滑油路88と第1および第2摩擦板83,84側すなわち流体伝動室9とを連通させる開口81oが形成されており、クラッチドラム82には、潤滑油路88側と流体伝動室9とを連通させる開口82oが形成されている。
上述のようなロックアップクラッチ機構8やダンパ装置10、フランジ部材85を含む流体伝動装置1では、クラッチドラム82、第1および第2摩擦板83,84、クラッチハブ81、ロックアップピストン80、油室画成部材85がこの順番で外周側から内周側へと適宜重なり合うように配置される。そして、ロックアップピストン80の外周部である外周部80cは、フランジ部材85の外周部85bよりも外周側に位置し、ロックアップピストン80の内周部80aは、フランジ部材85の基部(内周部)85aよりも外周側に位置する。また、ロックアップピストン80の外周側の一部(円筒部80bよりも外周側の一部、実施例では、外周部80cの背部)は、少なくともロックアップクラッチ機構8の非係合時(ロックアップピストン80がフロントカバー3から最も離間しているとき)に、ダンパ装置10の第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3との径方向における間、かつ第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3とのうちのロックアップピストン80寄りの第3スプリングSP3の軸方向における幅Wsp3の範囲内(図2参照)に配置される。すなわち、ロックアップピストン80の外周部80cの背部は、ロックアップピストン80等の軸心と直交すると共にロックアップピストン80側で第3スプリングSP3に接する平面よりもダンパ10側に突出する。このように、ロックアップピストン80とフランジ部材85とを径方向にオフセットして配置すると共に、ロックアップピストン80の一部をダンパ装置10の第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3との径方向における間に入り込ませることで、ロックアップピストン80、フランジ部材85およびダンパ装置10を軸方向に近接させることができるので、多板摩擦式のロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長を短縮化することが可能となる。
次に上述のように構成される発進装置としての流体伝動装置1の動作について説明する。流体伝動装置1を搭載した車両では、発進前にロックアップクラッチ機構8の係合が解除され、エンジンが始動されてアイドル状態にあるときには、流体伝動装置1は、フロントカバー3に接続されたポンプインペラ4がエンジンと同一回転数で回転すると共にタービンランナ5が回転することなく停止するストール状態にある。また、流体伝動装置1の流体伝動室9内には、潤滑油路88を介して図示しない油圧制御装置からの作動油が供給される。そして、ストール状態からエンジンの回転数および出力トルクが高まると、エンジンからの動力がフロントカバー3を介してポンプインペラ4へと伝達され、ポンプインペラ4の回転に応じた作動油の流れによりタービンランナ5が回転する。これにより、エンジンからの動力がポンプインペラ4およびタービンランナ5やタービンハブ7を介して後段の変速装置へと動力が伝達される。なお、流体伝動装置1は、ポンプインペラ4とタービンランナ5との回転速度差が大きいときにはステータ6の作用によりトルク増幅機として機能し、両者の回転速度差が小さくなると流体継手として機能する。また、流体伝動室9内に供給された作動油は、当該流体伝動室9内を流通した後、油路9a等を介して図示しないオイルパンへと戻される。
また、エンジンあるいは変速装置のインプットシャフトの回転数が予め定められた比較的低いクラッチ係合回転数に達すると、ロックアップクラッチ機構8のトルク容量が徐々に増加するように係合側油室87に作動油を供給すると共に係合側油室87へのロックアップ圧を潤滑油路88への循環圧よりも徐々に高めるスリップ制御が実行される。これにより、ロックアップピストン80がフロントカバー3の側壁部34に向けて軸方向に移動して第1および第2摩擦板83,84を側壁部34の突出部34aに押し付けることにより、エンジンからの動力がフロントカバー3、ロックアップクラッチ機構8、ダンパ装置10およびタービンハブ7という伝達経路をも介して後段の変速装置に伝達されるようになる。この際、ロックアップクラッチ機構8は、フロントカバー3とタービンハブ7との間にスリップを生じさせながらフロントカバー3からタービンハブ7へと動力を伝達し、クラッチハブ81を介してフロントカバー3に連結されたダンパ装置10によりトルクの変動(捩り振動)が吸収(減衰)されることになる。
このようなスリップ制御を実行することにより、エンジンの回転数の吹き上がりを抑制して当該エンジンの燃費を向上させつつ、エンジンから変速装置へと動力を伝達することができる。更に、実施例のロックアップクラッチ機構8は、多板摩擦式のクラッチであるから、スリップ制御が実行される際のトルク容量をより適正に設定することができる。また、この際、ロックアップクラッチ機構8の第1および第2摩擦板83,84には、潤滑油路88を介して充分な量の作動油を供給することができるので、第1および第2摩擦板83,84、更にはダンパ装置10や各種軸受等を良好に潤滑・冷却することが可能となる。更に、実施例のロックアップクラッチ機構8では、ロックアップピストン80の外周部80cが最もダンパ装置10側に位置する第1摩擦板83の概ね中央部と当接すると共に、カバー本体33の側壁部34に形成された突出部34aが最もフロントカバー3側に位置する第1摩擦板83の概ね中央部と当接することから、第1および第2摩擦板83,84の傾きを抑制して片磨耗や発熱を良好に抑制することができる。
更に、例えば車速やアクセル開度(アクセル操作量)をパラメータとして予め定められたロックアップ条件が成立すると、ロックアップクラッチ機構8が完全係合するようにロックアップ圧が設定され、ロックアップピストン80がフロントカバー3の側壁部34に向けて更に軸方向に移動して第1および第2摩擦板83,84を圧着させ、それによりロックアップクラッチ機構8によりダンパ装置10を介してフロントカバー3とタービンハブ7(インプットシャフト)とが連結(ロックアップ)される。これにより、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を介すことなく、エンジンからの動力を直接かつ効率よく後段の変速装置へ伝達することができる。このようにロックアップが完了した後にも、フロントカバー3に付与されるトルクの変動は、ダンパ装置10により吸収される。
一方、ロックアップクラッチ機構8によるロックアップを解除する際には、潤滑油路88への作動油(循環圧)の供給を継続しつつ、係合側油室87へのロックアップ圧を徐々に低下させて作動油の供給を停止させる。これにより、ロックアップピストン80は、フロントカバー3から離間するように(ダンパ装置10側に)軸方向に移動し、その背面がフランジ部材85のピストン移動規制部85cと当接した時点で停止する。この際、潤滑油路88を介して第1および第2摩擦板83,84に充分な量の作動油が供給されるので、実施例のロックアップクラッチ機構8では、速やかに第1および第2摩擦板83,84の圧着を解除することができる。
以上説明したように、実施例の流体伝動装置1に含まれるロックアップクラッチ機構8は、フロントカバー3に向けて軸方向に移動して第1および第2摩擦板83,84を押圧可能なロックアップピストン80と、ロックアップピストン80のフロントカバー3とは反対側に当該ロックアップピストン80と共に作動油が供給される係合側油室87を画成するフランジ部材85とを備える。そして、ロックアップピストン80は、フロントカバー3により軸方向に移動自在に支持され、フランジ部材85は、フロントカバー3に嵌合されると共にスナップリング86を用いてフロントカバー3に対して軸方向に固定される。このように、ロックアップピストン80およびフランジ部材85の双方をフロントカバー3により支持することで、これら3つの部材を軸方向に近接させてロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長を短縮化することが可能となる。そして、流体伝動装置1は、外周側スプリングとしての第1および第2スプリングSP1,SP2、内周側スプリングとしての第3スプリングSP3、および多板式のロックアップクラッチ機構8を有することから、トルク振動を効果的に吸収可能であると共に、更には、例えばロックアップクラッチ機構8によるスリップ領域を増やすことでより効果的にトルク変動を吸収しつつ、軸長を短縮化することができる。
更に、上記実施例では、ロックアップクラッチ機構8のロックアップピストン80が第1および第2摩擦板83,84を介してフロントカバー3の側壁部34の反対側(ダンパ装置10側)に配置されると共に、ダンパ装置10がロックアップピストン80を介して第1および第2摩擦板83,84の反対側(ポンプインペラ4やタービンランナ5側)に配置される。また、ロックアップピストン80の外周部となる外周部80cは、フランジ部材85の外周部85bよりも外周側に位置する。そして、ロックアップピストン80の一部は、少なくともロックアップクラッチ機構8の非係合時に、ダンパ装置10の第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3との径方向における間、かつ第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3とのうちのロックアップピストン80寄りの第3スプリングSP3の軸方向における幅Wsp3の範囲内に配置される。このように、ロックアップピストン80とフランジ部材85とを径方向にオフセットして配置すると共に、ロックアップピストン80の一部をダンパ装置10の第1および第2スプリングSP1,SP2と第3スプリングSP3との径方向における間に入り込ませることで、ロックアップピストン80、フランジ部材85およびダンパ装置10を軸方向に近接させることができるので、ロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長を短縮化することが可能となる。
また、上記実施例において、フロントカバー3は、ロックアップピストン80を摺動自在に支持する第1円筒部31と、当該第1円筒部31よりも内周側に形成されると共にフランジ部材85が嵌合される第2円筒部32とを含むものである。これにより、フロントカバー3、ロックアップピストン80およびフランジ部材85をより軸方向に近接させてロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長をより短縮化することが可能となる。そして、上記実施例では、第1円筒部31と、第2円筒部32に嵌合されたフランジ部材85とを径方向からみて重なるように構成すれば、ロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
更に、上記実施例において、フロントカバー3とロックアップピストン80とは、第1および第2摩擦板83,84の内周側に当該第1および第2摩擦板83,84に作動油を供給するための潤滑油路88を画成する。これにより、ロックアップクラッチ機構8の係合を解除する際に潤滑油路88を介して第1および第2摩擦板83,84に充分な量の作動油を供給すれば、速やかに第1および第2摩擦板83,84の圧着を解除することができるので、リターンスプリングを省略してロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長を短縮化することが可能となる。
また、上記実施例において、フランジ部材85は、ロックアップピストン80と当接して当該ロックアップピストン80の第1および第2摩擦板83,84から離間する方向への移動を規制するピストン移動規制部85cを有する。これにより、例えばスナップリングといったロックアップピストン80の第1および第2摩擦板83,84から離間する方向への移動を規制する部材を別途用いる必要が無くなるので、ロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
更に、上記実施例のように、フロントカバー3のセンターピース30に係合側油室87に対して軸方向に開口する油路30aを形成すれば、係合側油室87の軸方向長さを減らすことができるので、ロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長をより一層短縮化することが可能となる。加えて、上記実施例において、フロントカバー3は、ロックアップピストン80に向けて軸方向に突出するように形成されると共に第1および第2摩擦板83,84の何れか1つ(上記実施例では最もフロントカバー3側の第1摩擦板83)と当接する突出部34aを有するものである。これにより、いわゆるバッキングプレート(エンドプレート)を省略することができるので、ロックアップクラッチ機構8ひいては流体伝動装置1の軸長をより一層短縮化することが可能となる。
そして、上記実施例の流体伝動装置1では、ポンプインペラ4とタービンランナ5とによりトルクを伝達する際には、上記潤滑油路88を介して流体伝動室9すなわちポンプインペラ4とタービンランナ5とに充分な量の作動油を供給することが可能となり、ロックアップクラッチ機構8の係合時(スリップ制御時やロックアップ時)には、当該潤滑油路88を介して第1および第2摩擦板83,84に充分な量の作動油を供給して当該第1および第2摩擦板83,84を効率よく冷却することが可能となる。
なお、図3に示す流体伝動装置1Bのように、ロックアップピストン80Bの円筒部80bの内径を小さくして(円筒部80bの内周面を装置軸心側に寄せて)、ロックアップピストン80Bとフランジ部材85Bとにより画成される係合側油室87Bの容積を小さくしてもよい。これにより、ロックアップクラッチ機構8Bのロックアップ圧に対する応答性を向上させることができる。そして、この場合には、図3に示すように、ロックアップピストン80Bとフロントカバー3との間にリターンスプリング80sを配置してもよい。また、ダンパ装置10は、フロントカバーやポンプインペラのポンプシェルにより画成される流体伝動室内の外周側にドリブン部材が配置されると共に、流体伝動室内の内周側にドライブ部材が配置されるものであってもよく、ダンパ装置10は、いわゆる並列式のダンパ装置として構成されてもよい。更に、上述のダンパ装置10は、タービンランナからポンプインペラへの作動流体の流れを整流するステータを含まない流体継手に適用されてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と発明の概要の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、ロックアップクラッチ機構8とダンパ装置10とを含む流体伝動装置1が「発進装置」に相当し、上記実施例では、入力部材としてのフロントカバー3に入力されたトルクを変速装置のインプットシャフトに直接伝達するロックアップと当該ロックアップの解除とを実行するロックアップクラッチ機構8が「クラッチ」に相当し、フロントカバー3に固定されるクラッチハブ81に嵌合される第1摩擦板83が「第1摩擦板」に相当し、ダンパ装置10を介して変速装置のインプットシャフトに連結されるクラッチドラム82に嵌合される第2摩擦板84が「第2摩擦板」に相当し、フロントカバー3に向けて軸方向に移動して第1および第2摩擦板83,84を押圧可能なロックアップピストン80が「ピストン」に相当し、ロックアップピストン80のフロントカバー3とは反対側に当該ロックアップピストン80と共に作動油が供給される係合側油室87を画成するフランジ部材85が「油室画成部材」に相当し、フロントカバー3を構成するセンターピース30の第1円筒部31が「第1支持部」に相当し、フロントカバー3を構成するセンターピース30の第2円筒部32が「第2支持部」に相当し、ロントカバー3とロックアップピストン80とにより第1および第2摩擦板83,84の内周側に画成される当該第1および第2摩擦板83,84に作動油を供給するための潤滑油路88が「潤滑油路」に相当し、フランジ部材85のピストン移動規制部85が「ピストン移動規制部」に相当し、係合側油室87に対して軸方向に開口する油路30aが「油路」に相当し、ロックアップピストン80に向けて軸方向に突出すると共に第1摩擦板83と当接するようにフロントカバー3のカバー本体33の側壁部34に形成された突出部34aが「突出部」に相当する。ただし、実施例の主要な要素と発明の概要の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施例が発明の概要の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、発明の概要の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで発明の概要の欄に記載された発明の具体的な一例に過ぎず、発明の概要の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、発進装置の製造分野等において利用可能である。
Claims (8)
- 入力部材に入力された動力を変速装置の入力軸に伝達すると共に前記入力部材と前記入力軸との間の動力の伝達を解除することができるクラッチと、外周側スプリングおよび内周側スプリングを有するダンパとを含む発進装置において、
前記クラッチは、
前記入力部材に固定されたクラッチハブに嵌合される第1摩擦板と、
前記変速装置の前記入力軸に連結されるクラッチドラムに嵌合される第2摩擦板と、
前記第1および第2摩擦板を介して前記入力部材の反対側に配置されると共に、前記入力部材に向けて軸方向に移動して前記第1および第2摩擦板を押圧可能なピストンと、
前記ピストンと共に作動油が供給される係合側油室を画成する油室画成部材とを備え、
前記ダンパは、前記ピストンを介して前記第1および第2摩擦板の反対側に配置され、
前記ピストンの押圧部は、前記油室画成部材の外周部よりも外周側に位置し、
前記外周側スプリングと前記内周側スプリングとの径方向における間かつ前記外周側スプリングおよび前記内周側スプリングのうちの一方の前記軸方向における幅の範囲内に該ピストンの押圧部が配置されることを特徴とする発進装置。 - 請求項1に記載の発進装置において、
前記入力部材は、前記ピストンの内周部を摺動自在に支持する第1支持部と、該第1支持部よりも内周側に形成されると共に前記油室画成部材の内周部が嵌合されて前記軸方向に固定される第2支持部とを含むことを特徴とする発進装置。 - 請求項2に記載の発進装置において、
前記第1支持部と、前記第2支持部に嵌合された前記油室画成部材とは、径方向からみて重なることを特徴とする発進装置。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の発進装置において、
前記入力部材と前記ピストンとは、前記第1および第2摩擦板の内周側に該第1および第2摩擦板に作動油を供給するための潤滑油路を画成することを特徴とする発進装置。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の発進装置において、
前記油室画成部材は、前記ピストンと当接して該ピストンの前記第1および第2摩擦板から離間する方向への移動を規制するピストン移動規制部を有することを特徴とする発進装置。 - 請求項1から5の何れか一項に記載の発進装置において、
前記入力部材には、該係合側油室に対して軸方向に開口する油路が形成されていることを特徴とする発進装置。 - 請求項1から6の何れか一項に記載の発進装置において、
前記入力部材は、前記ピストンに向けて前記軸方向に突出するように形成されると共に前記第1および第2摩擦板の何れか1つと当接する突出部を有することを特徴とする発進装置。 - 請求項1から7の何れか一項に記載の発進装置において、
ポンプインペラとタービンランナとを更に含み、
前記入力部材は、前記ポンプインペラのポンプシェルに接合されて該ポンプシェルと共に流体伝動室を構成するフロントカバーであることを特徴とする発進装置。
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