JP2012037003A - ロックアップクラッチ装置 - Google Patents

ロックアップクラッチ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012037003A
JP2012037003A JP2010178941A JP2010178941A JP2012037003A JP 2012037003 A JP2012037003 A JP 2012037003A JP 2010178941 A JP2010178941 A JP 2010178941A JP 2010178941 A JP2010178941 A JP 2010178941A JP 2012037003 A JP2012037003 A JP 2012037003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side half
engagement
pressing
lock
clutch device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010178941A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Ito
一能 伊藤
Keizo Araki
敬造 荒木
Junji Tanaka
順二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2010178941A priority Critical patent/JP2012037003A/ja
Publication of JP2012037003A publication Critical patent/JP2012037003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】油圧によりロックアップピストンを移動させて流体伝動装置の入力部材と出力部材とを連結可能なロックアップクラッチ装置のトルク容量や摩擦特性を良好に確保する。
【解決手段】ロックアップクラッチ機構10のロックアップピストン11は、フロントカバー2と摩擦係合可能な摩擦材14を有する係合側半部12と、トルクコンバータ1の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部13とに分割して構成されており、ロックアップピストン11を構成する係合側半部12と押圧側半部13とは、一体に回転可能かつ少なくとも軸方向に互いに摺動自在となるように係合しており、押圧側半部13は、摩擦係合部12aがフロントカバー2に当接するように係合側半部12を軸方向に押圧することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、油圧によりロックアップピストンを移動させて流体伝動装置の入力部材と出力部材とを連結するロックアップおよび該ロックアップの解除を実行するロックアップクラッチ装置に関する。
従来、この種のロックアップクラッチ装置として、概ね円環状に形成されると共にトルクコンバータの出力部材であるフランジ部材に対して摺動自在に嵌合されたクラッチ板(ロックアップピストン)と、クラッチの外周前方側にトルクコンバータの入力部材であるフロントカバーの背面と対向するように固着された摩擦材とを含む、いわゆる単板式のロックアップクラッチが知られている(例えば、特許文献1参照)。このロックアップクラッチ装置は、油圧によりクラッチ板をフロントカバーに向けて移動させて摩擦板を当該フロントカバーに圧着させることでフロントカバーに接続されたエンジンの出力軸とフランジ部材に接続された自動変速機の入力軸とを連結(ロックアップ)する(例えば、特許文献1参照)。また、いわゆる多板式のロックアップクラッチ装置としては、トルクコンバータのフロントカバーの摩擦面に近接して配置されると共にトランスミッションにダンパおよびタービンハブを介して接続される第1ピストンと、油圧により第1ピストンをフロントカバー摩擦面に押圧可能な第2ピストンと、第1ピストンのフロントカバーの摩擦面と対向する面と、その反対側の面とのそれぞれに貼着された摩擦材とを含むものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−089053号公報 特開2000−230623号公報
ここで、上述のようなロックアップクラッチ装置では、ロックアップやスリップ制御等の実行に伴ってクラッチ板や第1ピストンに高い油圧を作用させたときや、トルクコンバータの流体伝動要素の回転速度が高い状態でロックアップやスリップ制御等を実行したときに、トルクコンバータのフロントカバーに対して押圧されるクラッチ板や第1ピストンが油圧や遠心油圧により少なからず変形してしまい、こうしてクラッチ板等が変形すると、摩擦材の全面をトルクコンバータのフロントカバーに均一に当接させ得なくなる。そして、このような摩擦材の偏当りが生じると、ロックアップクラッチのトルク容量や摩擦特性を良好に確保し得なくなるおそれがある。
本発明は、油圧によりロックアップピストンを移動させて流体伝動装置の入力部材と出力部材とを連結するロックアップおよびロックアップの解除を実行するロックアップクラッチ装置において、トルク容量や摩擦特性を良好に確保することを主目的とする。
本発明のロックアップクラッチ装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明のロックアップクラッチ装置は、
油圧によりロックアップピストンを移動させて流体伝動装置の入力部材と出力部材とを連結するロックアップおよび該ロックアップの解除を実行するロックアップクラッチ装置において、
前記ロックアップピストンは、前記入力部材と摩擦係合可能な摩擦部を有する係合側半部と、前記流体伝動装置の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部とからなり、前記係合側半部と前記押圧側半部とは、一体に回転可能かつ少なくとも前記軸方向に互いに摺動自在となるように係合しており、前記押圧側半部は、前記摩擦部が前記入力部材に当接するように前記係合側半部を前記軸方向に押圧可能であることを特徴とする。
このロックアップクラッチ装置では、ロックアップピストンが、入力部材と摩擦係合可能な摩擦部を有する係合側半部と、流体伝動装置の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部とに分割して構成されている。そして、ロックアップピストンを構成する係合側半部と押圧側半部とは、一体に回転可能かつ少なくとも軸方向に互いに摺動自在となるように係合しており、押圧側半部は、摩擦部が入力部材に当接するように係合側半部を軸方向に押圧可能である。これにより、ロックアップピストンを構成する係合側半部と押圧側半部とは、両者間の少なくとも軸方向における相対移動が許容された状態でガタをもって一体に回転することから、ロックアップやスリップ制御等の実行に際してロックアップピストンに高い油圧(遠心油圧)が作用して押圧側半部や係合側半部が油圧により変形したとしても、摩擦部と入力部材とが正対する状態を保ちながら押圧側半部により係合側半部を入力部材に対して押圧することができる。従って、このロックアップクラッチ装置では、摩擦部の入力部材に対する偏当りを抑制してトルク容量や摩擦特性を良好に確保することが可能となる。
また、前記係合側半部の油圧を受ける面積を規定する該係合側半部の前記流体伝動装置の径方向における寸法は、前記押圧側半部の油圧を受ける面積を規定する該押圧側半部の前記径方向における寸法よりも小さくてもよい。これにより、係合側半部の油圧による変形量を減らすことができる。従って、かかる構成によれば、摩擦部(摩擦材)と入力部材とが正対する状態を良好に保つことが可能となる。
更に、前記摩擦部は、前記係合側半部の前記入力部材と対向する面に貼着された摩擦材により構成されてもよく、前記押圧側半部は、前記係合側半部の前記摩擦材が貼着されていない背面と対向する押圧部を有してもよく、前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との一方には、前記軸方向における厚みを有すると共に該背面と該押圧部との他方に当接可能な当接部材が固定されていてもよい。このように上記軸方向における厚みをもった当接部材を介して押圧側半部の押圧部により係合側半部を押圧すれば、係合側半部の背面および押圧側半部の該押圧部の他方に対する当接部材の偏当たりを抑制しつつ係合側半部を入力部材に対して押圧することが可能となる。
また、前記摩擦材と前記当接部材とは、それぞれ円環状に形成されてもよく、前記当接部材は、前記摩擦材の内周よりも該当接部材の内周が前記径方向における外側に位置するように前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との一方に固定されてもよい。これにより、押圧側半部や係合側半部が油圧により変形したとしても、係合側半部の背面および押圧側半部の該押圧部の他方に対する当接部材の偏当たりを良好に抑制することが可能となる。
更に、前記当接部材の内径と外径との差は、前記摩擦材の内径と外径との差よりも小さくてもよい。これにより、流体伝動装置の径方向における当接部材の位置を摩擦材の内外径間の中心付近に設定することが可能となり、それにより押圧側半部により当接部材を介して摩擦材の内外径間の中心付近を押圧することができる。従って、かかる構成によれば、摩擦部(摩擦材)と入力部材とが正対する状態を保ちながら押圧側半部により係合側半部を入力部材に対して押圧することができる。
また、前記当接部材は、前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との他方と摩擦係合可能な摩擦材であってもよい。上述のように、ロックアップピストンを構成する係合側半部と押圧側半部とは互いに一体に回転可能であることから、両者間に配置される当接部材には本来摩擦係合機能は要求されないが、当接部材を摩擦材とすることにより、当該当接部材にシール材としての機能をもたせ、それにより係合側半部と押圧側半部との間から作動油が漏洩するのをより良好に抑制することが可能となる。
前記係合側半部は、略円環状に形成されると共に、該係合側半部の内周から前記流体伝動装置の径方向に延びる複数の係合凸部を有するものであってもよく、前記押圧側半部は、それぞれ前記係合側半部の前記係合凸部と係合する複数の係合凹部を有するものであってもよい。
前記係合側半部は、略円環状に形成されると共に、該係合側半部の外周部から前記流体伝動装置の軸方向に延びる複数の係合凸部を有するものであってもよく、前記押圧側半部は、それぞれ前記係合側半部の前記係合凸部と係合する複数の係合凹部を有するものであってもよい。
本発明の一実施例に係るロックアップクラッチ装置としてのロックアップクラッチ機構10を備えたトルクコンバータ1の概略構成図である。 ロックアップピストン11の要部を示す拡大図である。 変形例に係るロックアップクラッチ装置としてのロックアップクラッチ機構10Bを備えたトルクコンバータ1Bの概略構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るロックアップクラッチ装置としてのロックアップクラッチ機構10を備えたトルクコンバータ1の概略構成図である。トルクコンバータ1は、エンジンを備えた車両に搭載される流体伝動装置であり、図1に示すように、フロントカバー(入力部材)2、ポンプインペラ(流体伝動要素)3、タービンランナ(流体伝動要素)4、タービンハブ(出力部材)5、ステータ6、ダンパユニット7およびロックアップクラッチ機構10を含む。トルクコンバータ1のフロントカバー2には、図示しないエンジンのクランクシャフト(出力軸)が固定される。また、タービンハブ5には、図示しない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)のインプットシャフト(図示省略)が固定(スプライン嵌合)される。
ポンプインペラ3は、ポンプシェル30と複数のポンプブレード31とポンプコア32とを有し、ポンプシェル30は、フロントカバー2に密に固定される。タービンランナ4は、タービンシェル40と複数のタービンブレード41とタービンコア42とを有し、タービンシェル40はタービンハブ5に固定される。フロントカバー2側のポンプインペラ3と、タービンハブ5側のタービンランナ4とは互いに対向し合い、両者の間には、フロントカバー2と同軸に回転可能な複数のステータブレード61を有するステータ6が配置される。ステータ6は、その回転方向を一方向のみに設定するワンウェイクラッチ60を有している。これらのポンプインペラ3、タービンランナ4およびステータ6は、フロントカバー2とポンプインペラ3のポンプシェル30とにより画成される流体伝動室20内で作動油(作動流体)を循環させるトーラス(環状流路)を形成する。なお、流体伝動室20内には、図示しない作動油入口を介して油圧制御装置(図示省略)から作動油が供給される。
これにより、実施例のトルクコンバータ1では、図示しないエンジンの作動に伴ってフロントカバー2およびポンプインペラ3が回転すると、ポンプインペラ3の外周側のポンプ出口からタービンランナ4の外周側のタービン入口への作動油の流れによりタービンランナ4が引きずられるようにして回転し始め、エンジンからの動力は、タービンランナ4(作動油)を介してフロントカバー2からタービンハブ5に伝達される。また、ステータ6は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時に、作動油の流れをポンプインペラ3の回転を助ける方向に変換する。これにより、トルクコンバータ1は、ポンプインペラ3とタービンランナ4との回転速度差が大きい時には、トルク増幅機として作動し、両者の回転速度差が小さくなると、ステータ6がワンウェイクラッチ60を介して空転することにより流体継手として作動する。
ダンパユニット7は、フロントカバー2やポンプインペラ3のポンプシェル30により画成される流体伝動室20内の外周側領域に配置されると共にロックアップクラッチ機構10によりフロントカバー2と回転方向に一体化され得るドライブ部材71と、流体伝動室20内の内周側領域に配置されると共にタービンハブ5に固定されるドリブン部材72と、複数の外周側コイルスプリング(第1弾性部材)73を介してドライブ部材71と係合する共に複数の内周側コイルスプリング(第2弾性部材)74を介してドリブン部材72と係合する中間部材75とを含む。
ロックアップクラッチ機構10は、フロントカバー2(ポンプインペラ3)とタービンハブ5(タービンランナ4)とを連結(直結)するロックアップと当該ロックアップの解除とを実行可能に構成されている。実施例のロックアップクラッチ機構10は、いわゆる単板式油圧クラッチとして構成されており、フロントカバー2の内壁面等と共にロックアップ室21を画成すると共にフロントカバー2と摩擦係合可能なロックアップピストン11を含む。ロックアップピストン11は、タービンハブ5に対してトルクコンバータ1の軸方向に摺動自在であると共にダンパユニット7を介してタービンハブ5に連結される。なお、ロックアップクラッチ機構10のロックアップ時(スリップ制御時や係合直前の状態で待機させる時を含む)には、上記油圧制御装置による油圧制御によりロックアップ室21の図示しない作動油口からから作動油が排出される。そして、実施例のロックアップピストン11は、図1に示すように、フロントカバー2に摩擦係合可能な摩擦部としての摩擦材14を有する係合側半部12と、タービンハブ5によりトルクコンバータ1の軸方向に摺動自在かつ回転自在に支持されると共に係合側半部12をフロントカバー2側に押圧可能な押圧側半部13とから構成される。
ロックアップピストン11の係合側半部12は、トルクコンバータ1の径方向に延びると共に流体伝動室20内の外周側領域においてフロントカバー2のエンジン側(図中右側)の内壁面と対向するように配置される略円環状の摩擦係合部12aと、当該摩擦係合部12aから変速機側(図中左側)に向けてトルクコンバータ1の軸方向に延出された概ね筒状の延出部12bとからなる。摩擦係合部12aのフロントカバー2と対向する面には、円環状の摩擦材14が貼着される。また、延出部12bの内周面は、図1に示すように、ダンパユニット7の外周側コイルスプリング73と摺接し、これにより、係合側半部12全体がトルクコンバータ1の軸方向に摺動自在となるように支持される。
ロックアップピストン11の押圧側半部13は、トルクコンバータ1の径方向に延びると共にフロントカバー2のエンジン側(図中右側)の内壁面に概ね平行となるように配置される略円環状の支持部13aと、係合側半部12の摩擦材14が貼着された面の背面と対向するように支持部13aに連結される略円環状の押圧部13bとからなる。これら支持部13aおよび押圧部13bは、リベットを介してダンパユニット7のドライブ部材71に固定される。そして、実施例では、図1に示すように、係合側半部12の油圧を受ける面積を規定する摩擦係合部12aの径方向長さ(内外径の差)L1が、押圧側半部13の油圧を受ける面積を規定する支持部13aおよび押圧部13bの径方向長さ(内外径の差)L2よりも短くなるように定められている。
また、押圧側半部13の押圧部13bに、トルクコンバータ1の軸方向に厚みを有する円環状の当接部材15が係合側半部12の摩擦材14が貼着された面の背面に当接可能となるように固定されている。実施例において、当接部材15は、図2に示すように、係合側半部12の摩擦材14よりも小さい外径を有すると共に摩擦材14よりも大きい内径を有する円環状に形成された摩擦材(摩擦材14と同一材料)であり、内外径間の中心が係合側半部12の摩擦材14の内外径間の中心と概ね一致するように押圧部13bに固定される。すなわち、当接部材15の内径と外径との差は、摩擦材14の内径と外径との差よりも小さい。また、当接部材15は、その内周が摩擦材14の内周よりも径方向における外側に位置すると共に、その外周が摩擦材14の外周よりも径方向における内側に位置するように係合側半部12と押圧側半部13との間に配置される。
そして、上述のように構成される係合側半部12と押圧側半部13とは、係合側半部12の摩擦係合部12aの内周側かつ押圧側半部13の支持部13aの外周側に設けられた係合部16において互いに軸方向に摺動自在かつ一体に回転可能となるように係合する。すなわち、図2に示すように、係合側半部12の摩擦係合部12aの内周には、複数(例えば6〜8個)の係合凸部12cが形成されており、押圧側半部13の支持部13aの外周には、それぞれ係合凸部12cと係合可能な複数(係合凸部12cと同数)の係合凹部13cが形成されている。実施例では、押圧側半部13の支持部13aと係合側半部12の摩擦係合部12aとは、図示するように、周方向(回転方向)および径方向にそれぞれ若干のガタを有するように形成されている。
次に、上述のように構成される実施例のロックアップクラッチ機構10の動作について説明する。
上述のロックアップクラッチ機構10を含むトルクコンバータ1において、フロントカバー2(ポンプインペラ3)とタービンハブ5(タービンランナ4)とを連結するロックアップを解除する場合には、ロックアップ室21に油圧制御装置からロックアップ圧が供給されず、流体伝動室20に供給される作動油はロックアップ室21の作動油口から流出する。これにより、ロックアップの解除時には、ロックアップピストン11の前後における差圧がゼロとなり、ロックアップピストン11は、トルクコンバータ1の軸方向に移動せず、それによりフロントカバー2とタービンハブ5との連結が解除される。これに対して、フロントカバー2とタービンハブ5とを連結するロックアップの実行時(ロックアップクラッチ機構10をスリップ状態にしたり、係合直前の状態で待機させたりする場合を含む)には、上記油圧制御装置によりロックアップ室21内の油圧を流体伝動室20に供給される油圧よりも低下させる油圧制御が実行される。これにより、ロックアップピストン11の前後における差圧によりロックアップピストン11がフロントカバー2に向けてトルクコンバータ1の軸方向に移動し、摩擦材14がフロントカバー2に圧着することで、フロントカバー2とタービンハブ5とがロック(直結)される。なお、ロックアップの実行時に生じるポンプインペラ3側からのトルクの変動は、ダンパユニット7により吸収される。また、ロックアップ室21内の油圧を流体伝動室20に供給される油圧よりも低下させる油圧制御を停止すれば、ロックアップクラッチ機構10のロックアップが解除されることになる。
ここで、実施例のロックアップクラッチ機構10のロックアップピストン11は、上述のように、周方向および径方向に若干のガタをもって互いに係合する係合側半部12と押圧側半部13とからなる。そして、押圧側半部13は、押圧部13bに固定された当接部材15を介して係合側半部12の摩擦材14の内外径の中心付近を押圧し、当該摩擦材14がフロントカバー2に当接するように係合側半部12をトルクコンバータ1の軸方向に移動させることができる。従って、ロックアップピストン11の前後の差圧やポンプインペラ3等の回転速度が高い状態で生じがちな遠心油圧に起因した高い油圧により押圧側半部13(特に、支持部13a)等が変形したとしても、係合側半部12に対する押圧側半部13(支持部13a)の変形による相対移動を当接部材15の存在により摩擦係合部12aと押圧部13bとの間に画成される隙間や係合部16におけるガタにより吸収し、摩擦係合部12aすなわち摩擦材14とフロントカバー2とが正対する状態を保ちながら押圧側半部13により係合側半部12をフロントカバー2に対して押圧することができる。この結果、ロックアップクラッチ機構10では、摩擦材14のフロントカバー2に対する偏当りを抑制してトルク容量や摩擦特性を良好に確保することが可能となる。
以上説明したように、実施例のトルクコンバータ1に含まれるロックアップクラッチ機構10では、ロックアップピストン11が、フロントカバー2と摩擦係合可能な摩擦部としての摩擦材14を有する係合側半部12と、トルクコンバータ1の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部13とに分割して構成されている。そして、ロックアップピストン11を構成する係合側半部12と押圧側半部13とは、一体に回転可能かつ軸方向および径方向に互いに摺動自在となるようにガタをもって係合しており、押圧側半部13は、摩擦材14がフロントカバー2に当接するように係合側半部12を軸方向に押圧可能である。これにより、ロックアップピストン11を構成する係合側半部12と押圧側半部13とは、両者間の軸方向および径方向における相対移動が許容された状態でガタをもって一体に回転することから、ロックアップやスリップ制御等の実行に際してロックアップピストン11に高い油圧(遠心油圧)が作用して押圧側半部13や係合側半部12が油圧により変形したとしても、摩擦材14とフロントカバー2とが正対する状態を保ちながら押圧側半部13により係合側半部12をフロントカバー2に対して押圧することができる。従って、ロックアップクラッチ機構10では、摩擦材14のフロントカバー2に対する偏当りを抑制してトルク容量や摩擦特性を良好に確保することが可能となる。
また、上記実施例では、係合側半部12すなわち摩擦係合部12aのトルクコンバータ1の径方向における長さL1が押圧側半部13すなわち支持部13aおよび押圧部13bの径方向における長さL2よりも短くなるように定められている。これにより、係合側半部12の油圧を受ける面積を減らして係合側半部12が高い油圧により変形することを抑制することができる。従って、係合側半部12の油圧による変形量を減らすことが可能となるので、摩擦材14とフロントカバー2とが正対する状態を良好に保つことができる。
更に、上記実施例では、係合側半部12のフロントカバー2と対向する面に摩擦材14が貼着されており、押圧側半部13は、係合側半部12の摩擦材14が貼着されていない背面と対向する押圧部13bを有する。そして、押圧側半部13の押圧部13bには、トルクコンバータ1の軸方向における厚みを有すると共に係合側半部12の背面に当接可能な当接部材15が固定されている。このようにトルクコンバータ1の軸方向における厚みをもった当接部材15を介して押圧側半部13の押圧部13bにより係合側半部12を押圧すれば、係合側半部12の背面に対する当接部材15の偏当たりを抑制しつつ係合側半部12をフロントカバー2に対して押圧することが可能となる。ただし、当接部材15は、係合側半部12の摩擦材14が貼着された面の背面に固定されると共に押圧部13bに当接可能なものとされてもよい。
また、上記実施例では、摩擦材14と当接部材15とがそれぞれ円環状に形成されており、当接部材15は、摩擦材14の内周よりも当接部材15の内周がトルクコンバータ1の径方向における外側に位置するように押圧側半部13の押圧部13bに固定されている。これにより、押圧側半部13や係合側半部12が油圧により変形したとしても、押圧側半部13の押圧部13bに対する当接部材15の偏当たりを良好に抑制することが可能となる。
更に、上記実施例において、当接部材15の内径と外径との差は、摩擦材14の内径と外径との差よりも小さい。これにより、トルクコンバータ1の径方向における当接部材15の位置を摩擦材14の内外径間の中心付近に設定することが可能となり、それにより押圧側半部13により当接部材15を介して摩擦材14の内外径間の中心付近を押圧することができる。従って、実施例のロックアップクラッチ機構10では、摩擦材14とフロントカバー2とが正対する状態を保ちながら押圧側半部13により係合側半部12をフロントカバー2に対して押圧することができる。
また、上記実施例において、当接部材15は、係合側半部12の背面と摩擦係合可能な摩擦材とされている。上述のように、ロックアップピストン11を構成する係合側半部12と押圧側半部13とは互いに一体に回転可能であることから、両者間に配置される当接部材15には本来摩擦係合機能は要求されないが、当接部材15を摩擦材とすることにより、当接部材15にシール材としての機能をもたせ、それにより係合側半部12と押圧側半部13との間から作動油が漏洩するのをより良好に抑制することが可能となる。ただし、当接部材15は、係合側半部12の背面に当接可能なものであれば必ずしも摩擦材に限られるものではなく、金属板等からなるものであってもよい。
なお、上記実施例において、係合側半部12の摩擦係合部12aは、略円環状に形成されると共に当該摩擦係合部12a(係合側半部12)の内周からトルクコンバータ1の径方向に延びる複数の係合凸部12cを有し、押圧側半部13の支持部13aは、それぞれ係合側半部12の係合凸部12cと係合する複数の係合凹部13cを有するものであるが、係合側半部12と押圧側半部13との係合部16の構成は、これに限られるものではない。すなわち、図3に示すトルクコンバータ1Bに含まれるロックアップクラッチ機構10Bのように、係合側半部12Bの摩擦係合部12aは、略円環状に形成されると共に当該摩擦係合部12aの外周部からトルクコンバータ1の軸方向に延びる複数の係合凸部12cを有してもよく、押圧側半部13Bは、それぞれ係合側半部12Bの係合凸部12cと係合する複数の係合凹部13cを外周部に有するものであってもよい。この場合、図3に示すように、押圧側半部13Bを外周側に拡大することで、図2のロックアップクラッチ機構10に含まれている押圧部13bを省略することができる。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例では、油圧によりロックアップピストン11を移動させてトルクコンバータ1のフロントカバー2とタービンハブ5とを連結するロックアップおよび当該ロックアップの解除を実行するロックアップクラッチ機構10が「ロックアップクラッチ装置」に相当し、フロントカバー2と摩擦係合可能な摩擦部としての摩擦材14を有する係合側半部12が「係合側半部」に相当し、トルクコンバータ1の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部13が「押圧側半部」に相当し、押圧側半部13の押圧部13bに固定されると共にトルクコンバータ1の軸方向における厚みを有し、係合側半部12の背面に当接可能な当接部材15が「当接部材」に相当する。
ただし、これら実施例および変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、ロックアップクラッチ装置やそれを備えた流体伝動装置の製造産業に利用可能である。
1,1B トルクコンバータ、2 フロントカバー、3 ポンプインペラ、4 タービンランナ、5 タービンハブ、6 ステータ、7 ダンパユニット、10,10B ロックアップクラッチ機構、11 ロックアップピストン、12,12B 係合側半部、12a 摩擦係合部、12b 延出部、12c 係合凸部、13,13B 押圧側半部、13a 支持部、13b 押圧部、13c 係合凹部、14 摩擦材、15 当接部材、16 係合部、20 流体伝動室、21 ロックアップ室、30 ポンプシェル、31 ポンプブレード、32 ポンプコア、40 タービンシェル、41 タービンブレード、42 タービンコア、60 ワンウェイクラッチ、61 ステータブレード、71 ドライブ部材、72 ドリブン部材、73 外周側コイルスプリング、74 内周側コイルスプリング、75 中間部材。

Claims (8)

  1. 油圧によりロックアップピストンを移動させて流体伝動装置の入力部材と出力部材とを連結するロックアップおよび該ロックアップの解除を実行するロックアップクラッチ装置において、
    前記ロックアップピストンは、前記入力部材と摩擦係合可能な摩擦部を有する係合側半部と、前記流体伝動装置の軸方向に摺動自在に配置される押圧側半部とからなり、前記係合側半部と前記押圧側半部とは、一体に回転可能かつ少なくとも前記軸方向に互いに摺動自在となるように係合しており、前記押圧側半部は、前記摩擦部が前記入力部材に当接するように前記係合側半部を前記軸方向に押圧可能であることを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  2. 請求項1に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記係合側半部の油圧を受ける面積を規定する該係合側半部の前記流体伝動装置の径方向における寸法は、前記押圧側半部の油圧を受ける面積を規定する該押圧側半部の前記径方向における寸法よりも小さいことを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  3. 請求項1または2に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記摩擦部は、前記係合側半部の前記入力部材と対向する面に貼着された摩擦材により構成され、
    前記押圧側半部は、前記係合側半部の前記摩擦材が貼着されていない背面と対向する押圧部を有し、
    前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との一方には、前記軸方向における厚みを有すると共に該背面と該押圧部との他方に当接可能な当接部材が固定されていることを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  4. 請求項3に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記摩擦材と前記当接部材とは、それぞれ円環状に形成されており、前記当接部材は、前記摩擦材の内周よりも該当接部材の内周が前記流体伝動装置の径方向における外側に位置するように前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との一方に固定されることを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  5. 請求項4に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記当接部材の内径と外径との差は、前記摩擦材の内径と外径との差よりも小さいことを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  6. 請求項3から5の何れか一項に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記当接部材は、前記係合側半部の背面と前記押圧側半部の前記押圧部との他方と摩擦係合可能な摩擦材であることを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記係合側半部は、略円環状に形成されると共に、該係合側半部の内周から前記流体伝動装置の径方向に延びる複数の係合凹部を有し、
    前記押圧側半部は、それぞれ前記係合側半部の前記係合凹部と係合する複数の係合凸部を有することを特徴とするロックアップクラッチ装置。
  8. 請求項1から6の何れか一項に記載のロックアップクラッチ装置において、
    前記係合側半部は、略円環状に形成されると共に、該係合側半部の外周部から前記流体伝動装置の軸方向に延びる複数の係合凸部を有し、
    前記押圧側半部は、それぞれ前記係合側半部の前記係合凸部と係合する複数の係合凹部を有することを特徴とするロックアップクラッチ装置。
JP2010178941A 2010-08-09 2010-08-09 ロックアップクラッチ装置 Pending JP2012037003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178941A JP2012037003A (ja) 2010-08-09 2010-08-09 ロックアップクラッチ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010178941A JP2012037003A (ja) 2010-08-09 2010-08-09 ロックアップクラッチ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012037003A true JP2012037003A (ja) 2012-02-23

Family

ID=45849216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010178941A Pending JP2012037003A (ja) 2010-08-09 2010-08-09 ロックアップクラッチ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012037003A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5835391B2 (ja) 発進装置
JP5667031B2 (ja) 発進装置
JP5505558B2 (ja) 発進装置
US20160327142A1 (en) Starting device
US10260610B2 (en) Torque converter for a vehicle
US20120031722A1 (en) Hydraulic transmission apparatus
JP2012215222A (ja) クラッチ装置およびそれを備えた流体伝動装置
JP2017057884A (ja) 捩り振動低減装置
JP6173814B2 (ja) クラッチ
JP2012207777A (ja) 発進装置
JP5505357B2 (ja) クラッチ装置およびそれを備えた流体伝動装置
JP2022158058A (ja) 流体継手
JP2012037003A (ja) ロックアップクラッチ装置
JP6034641B2 (ja) 発進装置
JP2006090375A (ja) 流体式トルク伝達装置のロックアップ装置
JP5986868B2 (ja) クラッチ
US20200086371A1 (en) Method of manufacturing case for starting device, and case for starting device
JP2012211707A (ja) 流体継手装置のロックアップクラッチ
JP7326046B2 (ja) 流体継手及びトルクコンバータ
JP2007051752A (ja) 流体式トルク伝達装置
WO2018181359A1 (ja) 流体伝動装置
JP2006153029A (ja) 流体式トルク伝達装置のロックアップ装置
JP6328178B2 (ja) 変速ユニット
JP2010216498A (ja) 流体継手装置
JP2000320642A (ja) トルクコンバータのロックアップ装置