JP5501358B2 - 電荷感知セルおよび画素の幾何形状が改良された、cmosフォトゲート3dカメラシステム - Google Patents

電荷感知セルおよび画素の幾何形状が改良された、cmosフォトゲート3dカメラシステム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により全内容が本明細書に組み込まれる2008年7月17日に出願された米国仮出願第61/081,400号の利益を米国特許法119条(e)に従って主張する。
本発明は、CMOSフォトゲートタイプの3Dカメラにおける改善に関し、より詳細には、飛行時間(TOF)ベースの測距のための電荷感知セル幾何形状および活性化タイミングが改善された、このようなカメラに関する。
3D画像データを得て3D画像を生成するために、様々な技法が開発されてきた。このような技法の1つは、被変調光信号またはパルスで被写体を照射するための電磁放射線源を備えるカメラシステムを使用して、得られた反射放射線の戻り時間および/または信号強度を決定することによる、直接撮像を伴う。この技法は一般に飛行時間(TOF)撮像と呼ばれ、赤外線(IR)または可視光を典型的には使用する様々な既知の方式で実施することができる。任意選択で光以外の電磁放射線を採用することもできるが、簡単にするために、以下の記述では、照射エネルギーはIRであると仮定する。
TOF撮像用のカメラシステムは一般に、光学ユニットと、個々の検出器画素で形成されたセンサアレイと、適切な制御電子機構とからなる。センサアレイは従来、電荷結合素子、フォトダイオードで形成され、あるいは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)製造技術を使用して構築されたフォトゲートアレイとして形成される。このタイプのカメラシステムは、例として、米国特許第7,342,454号に示されている。
図1Aおよび1Bは、当技術分野で知られているCMOSフォトゲートタイプの3Dカメラに関する基本的な画素構造(以下では「撮像セル」と呼ぶこともある)の平面図および垂直断面図である。画素10は、その最も単純な形では、P+(強くドープされた)シリコン基板12と、P−(弱くドープされた)エピタキシャル層14と、N−(弱くドープされた)埋込チャネルインプラント16と、インプラント16内に形成された第1および第2のN+浮遊拡散部18aおよび18bとからなるものとすることができる。チャネルインプラント16の上部には、酸化物層24が形成される。酸化物層24上には、多結晶シリコンフォトゲート20、ならびに多結晶シリコン転送ゲート22aおよび22bが形成される。図示のように、転送ゲート22aは、フォトゲート20と浮遊拡散部18aとの間に位置し、転送ゲート22bは、フォトゲート20と浮遊拡散部18bとの間に位置する。ドレインおよびソースメタライゼーションや配線など、他の従来のCMOS構造は、記述を明確かつ簡単にするために省略する。従来、浮遊拡散部18aおよび18b、フォトゲート20、ならびに転送ゲート22aおよび22bは、相対的に細長い、概して長方形の構造である。
動作時、フォトゲート20は、送出される照射に対する既知の時点で適切な電圧を印加することによって付勢され、設定された電荷収集期間にわたって付勢され続ける。フォトゲート20に印加された電圧の結果として生じる電界は、チャネルインプラント16中に電荷蓄積領域を生み出し、撮像されている被写体(図示せず)から反射された光子が、フォトゲート20の中を通過してチャネルインプラント16中に入り、電子をそこで放出させる。
次いで、転送ゲート22aおよび22bが、それぞれの所定の積分期間にわたって付勢される。積分期間中に収集された電荷は、チャネル16を通してそれぞれの浮遊拡散部18aおよび18bに転送される。この電荷は電圧を誘導するが、この電圧を測定して、画素10によって撮像された被写体部分までの距離を決定するのに使用することができる。次いで、浮遊拡散部18aおよび18b上の電荷誘導電圧と、ゲート20、22a、および22bの既知の活性化タイミングと、光の速度とから、TOFが決定される。したがって、浮遊拡散部は、CMOSフォトゲート感知画素の感知ノードである。
図2Aおよび2Bは、図1Aおよび1Bに示した原理の既知の変形の上面図および断面図である。ここで、撮像セル30には、前述の構造要素に加えて、ストップチャネル構造32(当技術分野では「チャネルストップ」と呼ばれることもある)が備わる。ストップチャネル32は、フォトゲート20の側面に沿って転送ゲート22aと22bとの間に形成され、下方に埋込チャネル16を通りP−エピタキシャル層14中に延びる、P−ウェル32からなる。ストップチャネル32はまた、酸化物層24の下に形成されP−ウェル32およびチャネル16の上部に重なるP+拡散部34も含む。従来の外側シリコントレンチ分離構造36を設けることもできる。活性化された転送ゲートに向かい合うチャネル16の両端から転送される電荷は、チャネルがくっきりと終端されない場合には、制御されず雑音を含む傾向がある。ストップチャネル32は、チャネル16の両端において明確な終端を提供して、浮遊拡散部18aおよび18bへの制御された電荷転送の促進を助ける。
図3Aおよび3Bに、前述のフォトゲートセルに関する、40に全体が示される従来のセル制御および読出構成を示す。図3Aおよび3Bにはセル10(図1Aおよび1B)が例として示されているが、同じセル制御および読出構成が、セル30(図2Aおよび2B)にも適用可能である。
信号経路42および44a、44bが、フォトゲート20ならびに転送ゲート22aおよび22bをそれぞれ付勢する。出力回路46aおよび46bが、それぞれ浮遊拡散部18aおよび18b上の電荷誘導電圧の読出しを提供する。出力回路46aおよび46bに対するセレクト信号およびリセット信号が、信号経路48および50上にそれぞれ提供される。
図4に、A CMOS Time−of−Flight Range Image Sensor(CMOS TOF距離画像センサ)、IEEE Sensors Journal、2007年12月、1578頁で川人他によって述べられている、TOF画素セルに対する背景照明キャンセレーションの使用を示す。パルス照射を採用するシステムでは、背景照明の結果、照射パルス間の期間中に電荷がセンサセル中に蓄積される場合がある。このような状況下では、各照射サイクルの開始前にこのような電荷蓄積を排出するのが有利であろう。
したがって、図4を参照すると、簡単にするために図1Aおよび1Bのセル10と同じ基本構造を有するものとして示される画素セル60が、背景電荷排出電極62を備えるように修正され、背景電荷排出電極62は、信号経路64および66によってVdd線68に結合される。活性化信号線70が、排出電極のための放電経路を完成する。出力回路46aおよび46b(図3Aおよび3B参照)は、前述のとおりである。
従来の慣行によれば、上の図1〜4に関して述べたフォトゲートセルが、3Dカメラ画素アレイに含まれる画素を形成する。単一の画素中で採用される基本セルの数は、所与の適用例で必要とされる感度(すなわち電荷収集能力)によって決まる。例えば、携帯電話機カメラまたは他の接写適用例では、1画素につき単一のセルで十分な場合があるが、高い照射レベルが眼の安全または他の問題を呈するかもしれない自動車測距などの長距離適用例では、1画素につき複数のセルが必要な場合がある。
図5は、例として前述のようなセルを4つ含んで形成された画素アレイ80の一部の、大きく拡大されたフォトイラストレーションである。図6Aおよび6Bに、図5のセルに対する2つの代替レイアウトを示す。図6Aでは、転送ゲート84aおよび84bは、フォトゲート86とほぼ同じ長さである。図6Bでは、フォトゲート86’は、転送ゲート84a’および84b’よりも短く、またチャネル88よりも短い。図6Cおよび6Dの断面図に、アレイ80の基礎をなす構造を示す。
図7A〜7Cに、やはり図5の構造に適合する、代替の既知のセル幾何形状を示す。図7Aの幾何形状は、図6Aの幾何形状に類似するが、例外として、転送ゲート90aおよび90bはフォトゲート92よりもかなり短く、浮遊拡散部94aおよび94bはより一層短い。図7Bの幾何形状は、図6Bの幾何形状に似ており、フォトゲート92’は、転送ゲート90a’および90b’よりも短く、またチャネル88よりも短い。図7Cの構成は、図7Bの構成に似ているが、図4に関して上に論じたような背景照明電荷排出電極を含む。
図6Aおよび6Bならびに図7A〜7Cに示すセル幾何形状オプションは、いくつかの不都合を被る。1つには、図5に示す82aおよび82b、ならびに図7A〜7Cに示す94aおよび94bなどの拡散部のキャパシタンスは、周囲の長さと表面積との両方の関数である。図6Aおよび6Bに示す構成では、拡散部82aおよび82bは、フォトゲート86の広い必要面積に対応するように長くされ、したがって、結果的なキャパシタンスは非常に高い。所与のレベルの電荷によって浮遊拡散部において誘導される電圧はキャパシタンスに反比例するので、図6Aおよび6Bの構成は、小さい電荷変動に対して、低い感度を示す。
図7A〜7Cの浮遊拡散部94Aおよび94bのキャパシタンスは、図6Aおよび6Bの構成の場合よりも小さく、その結果、小さい電荷変動に対する感度はよりよい。しかし、フォトゲート92に対する、浮遊拡散部94aおよび94bのより小さいサイズおよび位置決めの結果、浮遊拡散部とフォトゲートの下の電荷蓄積領域の種々の領域との間の距離にかなりのばらつきがある。したがって、浮遊拡散部とフォトゲートとの間の電界に、方向的な不均一性が存在する。これにより、転送特性の劣化、すなわち、電子がチャネル88を通って浮遊拡散部に移動するのに必要とされる時間のばらつきが引き起こされる。
さらに、両方のレイアウトにおいて、電子の収集(すなわち浮遊拡散部による)に利用可能な面積を総画素面積で割った値として定義されるフィルファクタは相対的に低く(典型的には25〜40%の範囲)、これは、所与の収光能力に対して、望ましくないほど広い画素面積およびアレイサイズを必要とする。
したがって、改良されたセル幾何形状および画素アーキテクチャが必要とされている。本発明は、この必要性ならびに他の必要性を満たそうとするものである。
本発明のいくつかの実施形態によれば、CMOSフォトゲート基本ユニットセルは、第1および第2の浮遊拡散部ならびにそれらに関連する転送ゲートと、従来の基板およびエピタキシャル層および埋込チャネルインプラント上に任意選択で形成された、フォトゲートとからなり、浮遊拡散部はチャネルインプラント内に形成される。しかし、転送ゲートがフォトゲートとそれぞれの浮遊拡散部との間に直線的に間隔を空けた関係で位置するのではなく、転送ゲートは、それぞれの浮遊拡散部を囲むリング状構造として形成される。明確にするために、以下ではこれらの構造を「転送ゲートリング」と呼ぶことがあり、浮遊拡散部とそれに関連する転送ゲートリングとの合成物を「電荷感知素子」と呼ぶことがある。
浮遊拡散部が埋込チャネルインプラント内に位置し、したがって酸化物層の上の「囲む」転送ゲートが、はっきり画定する境界ではなく「ハロー(halo)」と見なすことのできるものを形成することも理解されたい。しかし、簡単にするために、用語「囲む」は、構成に関してそれが実際に存在するように使用する。
任意選択で、本発明のいくつかの実施形態によれば、特定の適用例に必要とされる集光能力に応じて、複数の基本ユニットセルを結合して画素を形成することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、感知素子は、延長されたフォトゲート体の中の穴を通して配線のためにアクセス可能である。任意選択で、本発明のいくつかの実施形態によれば、単一のフォトゲートを、画素全体に対して、または画素アレイ全体に対して採用することができる。
これらのセルで形成された画素は、低いキャパシタンスを特徴とし、したがって、従来技術と比較して、電荷蓄積の小さい変化に対する感度の改善をもたらすことができる。同時に、フォトゲートに印加される電圧によって生み出される電界は、感知素子の周りでほぼ方位対称であり、発明者らは、帯電したフォトゲート体によって画定される電荷蓄積領域からチャネルを通って浮遊拡散部に移動する電子が、移動方向に応じてほぼ何の妨害も受けないことを見出した。この結果、転送特性の改善を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態による電荷感知素子で形成された画素および画素アレイはまた、従来技術に勝るかなり改善されたフィルファクタを示す。60%以上のフィルファクタが達成可能である。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述の基本ユニットセルは、背景照明キャンセレーションを含むように構築することができる。これは、照射パルスの放射と放射との間の期間中に付勢される、電荷排出素子および関連する転送ゲートを含めることによって達成することができる。任意選択で、浮遊拡散部および関連する転送ゲートを背景キャンセレーションのために使用することもできる。任意選択で、フォトゲートを背景キャンセレーションのために使用することもできる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、背景電荷排出素子は、前述の電荷感知素子と同様に構築されるが、ドレイン電位に接続された中央のN+浮遊拡散部と、電荷感知素子に設けられるような転送ゲートリングとを有する。ドレイン素子の転送ゲートリングが付勢されると、印加された電圧の結果として生じる電界は、次の照射パルスに備えて、背景光の光子がフォトゲートに衝突することによって放出された電子を転送する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、画素は基本的な画素構成単位で形成することができ、各構成単位は、背景キャンセレーションありまたはなしの、2つ以上の基本ユニットセルからなる。このような構成単位を採用する本発明のいくつかの実施形態では、基本ユニットセルのうちの1つを修正して、第2の種類の構成単位を形成することができる。このようないくつかの実施形態では、画素は、単一の第2の(修正済み)構成単位と、1つまたは複数の第1の(未修正)構成単位とで形成することができる。
背景キャンセレーションを可能にする本発明のいくつかの実施形態では、修正済み構成単位は、感知ユニット上で誘導される電圧を画素出力信号として結合するための能動出力ドライバユニットで背景電荷排出素子を置き換えることによって形成することができる。感知ユニットが別個の背景電荷排出素子を含まない本発明の実施形態では、修正済み構成単位は、電荷感知素子のうちの1つを出力ドライバユニットで置き換えることによって形成することができる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前述のような基本ユニットセルおよび構成単位で形成された画素は、P−ウェル、P+拡散部、およびシリコントレンチ分離構造を備えて、均一なチャネル終端を促進するためのストップチャネルを形成することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、接地された分離領域を提供するアレイ境界構成を採用することによって、チャネル終端の均一性を改善することができる。これは、画素アレイを囲むP−ウェル中に位置するシャロートレンチ分離(STI)領域からなるものとすることができる。N+拡散部が、STI領域の内側の境界を形成する。ストップゲートチャネルが、フォトゲートを囲み、N+拡散部に沿って位置するとともに任意選択でN+拡散部にわずかに重なる。ストップゲートチャネル、N+拡散部、およびSTIウェルは、基板電圧でバイアスされる。
添付の図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態を説明する例について以下に述べる。
図1Aは、フォトゲートタイプの3Dカメラに関する従来のCMOSセルの平面図である。図1Bは、図1Aの線B−Bに沿って描かれた垂直断面図である。 図2Aは、ランダムに誘導される外部の電荷からの感知セルの分離を改善するためのP+ストップチャネルを備えた、図1Aおよび1Bに示すセルの平面図である。図2Bは、図2Aの線B−Bに沿って描かれた垂直断面図である。 ゲート制御および読出回路を示す従来のセルの平面図の概略図である。 図3Aの線B−Bに沿って描かれた垂直断面図である。 背景光キャンセレーションの実現を含む図3Aおよび3Bのセルの平面図の概略図である。 図1A〜3Bに示すようなセルで構築された従来のCMOS画素の、拡大されたフォト表現である。 図5に示すフォトゲート構造に対する代替構造の概略平面図である。 図5に示すフォトゲート構造に対する代替構造の概略平面図である。 図5の線C−Cに沿って描かれた垂直断面図である。 図5の線D−Dに沿って描かれた垂直断面図である。 図7Aは、図5A、6A、および6Bに示すフォトゲート構造に対する変形の概略平面図である。図7Bは、図5A、6A、および6Bに示すフォトゲート構造に対する変形の概略平面図である。図7Cは、図5A、6A、および6Bに示すフォトゲート構造に対する変形の概略平面図である。 本発明の一実施形態による基本ユニットフォトゲートセルの概略平面図である。 図8Aの線C−Cに沿って描かれた垂直断面図である。 図8Aの線B−Bに沿って描かれた垂直断面図である。 いくつかの例におけるCMOS製造技術の必要性に適合された、本発明の一実施形態による図8Aおよび8Bの基本セルの変形を示す平面図である。 本発明の一実施形態による図8A〜9の基本ユニットセルに関するゲート制御および読出回路の例を示す平面図の概略図である。 図10に示す読出回路を表すブロック図要素である。 ゲート制御および読出回路を備え、明確にするために他の従来の特徴が省略された、図8A〜9に示すような2つの基本ユニットセルからなる本発明の一実施形態による第1の基本的な画素構成単位の概略図である。 図12に示す構成単位で形成された3×3画素アレイを示す、本発明の一実施形態による概略平面図である。 図11の読出回路を組み込み、それにより第2の基本的な画素構成単位を形成する、本発明の一実施形態による図12の基本的な構成単位の修正を示す図である。 図12に示す第1のタイプの画素構成単位3つと、図14に示す第2の基本的な画素構成単位1つとからなる画素を含む、本発明の一実施形態による画素アレイの概略平面図である。 図16Aは、背景電荷キャンセレーション素子を組み込まない、本発明の一実施形態による修正された基本的な画素構成単位の概略平面図である。図16Bは、背景電荷キャンセレーション素子を組み込まない、本発明の一実施形態による修正された基本的な画素構成単位の概略平面図である。 図16Aに示す種類の構成単位3つと、図16Bに示す種類の構成単位1つとで構築された、本発明の一実施形態による画素の平面図である。 図16Bに示す種類の構成単位4つで構築された、本発明の一実施形態による代替の画素幾何形状の平面図である。 被写体照射サイクルと、浮遊拡散部の電荷感知積分期間と、背景キャンセレーションとの間の関係を示す、本発明の一実施形態によるタイミング図である。 本発明の一実施形態による能動ストップチャネル構成を示す図である。 図20Aの線B−Bに沿って描かれた垂直断面図である。
図面において、複数の図に現れる同一の構造、要素、または部分は、それらが現れる全ての図中で同じ参照符号によって一般に示す。図に示す構成要素および特徴の寸法は、提示を好都合かつ明確にするために一般に選択したものであり、必ずしも一定の縮尺拡大比率で描いたものではない。
平面図の図8A、ならびに断面図8Bおよび8Cに、本発明の一実施形態によるフォトゲート画素が形成される元になる、120で全体が示される基本ユニットセルのアーキテクチャを示す。ユニットセル120は、N埋込チャネルインプラント124内に形成された3つのほぼ円形のN+浮遊拡散部122a、122b、および122cからなる。多結晶シリコン転送ゲート126a、126b、および126cが、チャネルインプラント124上に形成された酸化物層128上に位置する(図8B、8C)。転送ゲート126a〜126cは、それぞれ拡散部122a〜122cを囲むリングの形である。浮遊拡散部122aおよび転送ゲート126a、ならびに浮遊拡散部122bおよび転送ゲート126bは、第1および第2の電荷感知素子132aおよび132bをそれぞれ形成する。浮遊拡散部122cおよび転送ゲート126cは、背景照明キャンセレーションを提供する背景電荷排出素子132cを形成する。
多結晶シリコンフォトゲート134もまた、セル120の上表面のほぼ全域をカバーする概して平面の連続的な層として、酸化物層128上に形成される。概して円形のアパーチャ136a〜136cが、電荷感知素子132aおよび132bならびに背景電荷排出素子132cに整合する。アパーチャ136a〜136cは、好都合な配線アクセスのためにこれらの素子を露出させるように、かつ、チャネル124を通した電荷転送のためにほぼ均一な360度の電界分布を提供するように、適切な隙間をもたらす。
図8Bおよび8Cで最もよくわかるように、電荷感知素子132aおよび132b、背景電荷排出素子132c、ならびにフォトゲート134以外の、ユニットセル120の各部分の基本構造は、従来のCMOS構造のものとすることができる。例えば、必要とされる金属ドレインおよびソース平面および配線(図示せず)と共に、前に言及したNインプラント124、Pエピタキシャル層138、およびP+シリコン基板140からなるものとすることができる。あるいは、任意の他の適切な望ましいアーキテクチャを採用してもよい。
図8Bおよび8Cに関して、電荷感知素子132aおよびフォトゲート134の幾何形状のみが図示されているが、電荷感知素子132bおよび電荷排出素子132cもほぼ同じであることは理解されるであろう。また、図4と同様に、浮遊拡散部122aおよび122bは適切な出力回路(図示せず)に接続され、浮遊拡散部122cはドレインバイアス電位Vddに接続されることも理解されるであろう(各図において、排出素子には「D」の符号も付し、電荷感知素子には「A」および「B」の符号も付す)。
図9に、120’で全体が示される、ユニットセル120の変形を示す。製造設備によっては、ほぼ円形のマスキング構造の形成は実際的でなく、多辺アパーチャが好まれる。そのような状況下では、電荷感知素子132a’および132b’ならびに電荷排出素子132c’は、フォトゲート134’中のアパーチャ136a’〜136c’と共に、例えば八角形とすることができる。しかし、辺数がより少ないかまたは多い他の形状をうまく採用することもできる。他の条件が同じなら、より辺数の多い、すなわちより円形に近い構成は、より均一な電界分布およびより速い電荷転送をもたらす傾向がある。
図10に、図8A〜8Cに関して図示および記述した基本ユニットセル120に関する例示的な配線および出力構成を概略的に示す。電荷感知素子132aに対する出力回路144a、および電荷感知素子132bに対する出力回路144bは、図3A、3B、および4に関して論じたような従来のCMOS設計のものとすることができ、基本ユニットセル120と共にICチップ上に形成されてよい。図11に、後続の考察に関連した例示の便宜上、単一ブロック素子146に合体させた、出力回路144aおよび144bを示す。
本発明の一実施形態によれば、ユニットセル120(または120’)は、必要に応じて結合されて、特定の適用例のための集光能力を提供する。図12に、2つの基本セル152および154で構成される基本マルチセル構成単位150を示す。セル152は、感知素子156aおよび156b、ならびに背景電荷排出素子156cを備える。セル155は、感知素子158aおよび158b、ならびに背景電荷排出素子158cを備える。わかるように、構成単位150は、単一の連続的なフォトゲート160で形成され、アパーチャ162が、電荷感知素子および背景電荷排出素子を露出させる。
1つの画素が単一の構成単位150で形成されてもよく、あるいは、複数の構成単位150が、後述するように結合されて、1つの画素を形成してもよい。各画素は、146(図11)などの出力ドライバ回路に関連付けられることになる。ドライバは、画素アレイと共にオンチップで形成されてもよく、あるいは別個に、例えば別のチップ上に形成されてもよい。
カリフォルニア州マウンテンビューのSynopsys Inc.から入手可能であり、Synopsysのウェブサイトhttp://www.synopsys.com/contactus.htmlに詳細に記載されている、Technology Computer Aided Design(TCAD)モデリングソフトウェアを使用して、シミュレーション研究が実施された。これらの研究は、電荷転送可能性の劣化なしに低い浮遊拡散部キャパシタンスを提供することにおいて、従来の慣行に勝る本発明の改善を示す。結果的な幾何形状を考察することによっても同様に、フィルファクタの改善が裏付けられる。
さらに、これらのシミュレーション研究に基づき、また3.3vの最大ゲート励起、0.18ミクロンのCMOS製造技術、および70Åのゲート酸化物厚さを仮定すると、適切なおおよそのセルコンポーネント寸法は以下の範囲とすることができることが決定された。
フォトゲート穴間隔(チャネル長さ)1.0〜6.0μ(例えば3.0μ)
転送ゲート環状幅:0.3〜1.0μm(例えば0.6μm)
フォトゲート穴と転送ゲートとの隙間:0.25〜0.4μ(例えば0.25μ)
浮遊拡散部の直径:0.6〜1.5μ(例えば0.6μ)
しかし、適切な寸法は、当業者にはすぐに明らかとなるように、適用例、製造技術の進歩、および他の要因に依存し、前述のパラメータは限定とするものではないことを理解されたい。
図12に示すような複数の2ユニットセル150からなる構成単位を結合して、図13に示すような個々の画素を形成することができる。ここでは、単一の画素170が3×3アレイの構成単位で形成され、これらの構成単位のうちの1つを150aに示す。単一の連続的なフォトゲート172を画素全体に採用できることに留意されたい。前述のように、アパーチャ174がフォトゲート172中に設けられて、176aおよび176bなどの個々の電荷感知素子ならびに176cなどの背景電荷排出素子を露出させる。前述のように、単一の出力ドライバ(図示せず)をオンチップでまたは別個のユニットの一部として提供することができる。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、図12に関して述べた2つの基本ユニットセルからなる構成単位150を修正して、図14に示す第2のタイプの構成単位180を形成することができる。第2の構成単位180は、前述のような第1のユニットセル182と、第2のユニットセル184とからなり、第2のユニットセル184中では、背景電荷排出素子が、図11に示したような出力ドライバ回路146で置き換わる。
1つまたは複数の第1のタイプの構成単位を、1つの第2の構成単位と結合して、個々の画素を形成することができる。例として、図15に、3つの構成単位150と1つの構成単位180とからなる単一の画素188を含む画素アレイの一部186を示す。構成単位150の第1のインスタンスは、素子190a〜190fを含む。構成単位150の第2のインスタンスは、素子192a〜192fを含み、構成単位150の第3のインスタンスは、素子196a〜196fを含む。構成単位180は、素子194a〜194fからなる。
前述の構成と同様、単一の連続的なフォトゲート198が、この場合は画素アレイ全体に対して設けられる。
任意選択で、場合によっては、別個の背景電荷キャンセレーション素子は、例えばこの機能が必要とされない場合には、必要ないことがある。しかし、図16Aおよび16Bに示すように、上に論じた構成単位原理をなお適用することができる。図16Aの200に示す構成単位は、4つの基本ユニットセル202a〜202d、および連続的な穴あきフォトゲート204からなる。同様に、図16Bの206に全体を示す構成単位は、3つの基本ユニットセル208a〜208c、出力ドライバ208d、および連続的な穴あきフォトゲート210からなる。
理解されるであろうが、適用例の集光要件に従って、1つまたは複数の構成単位200を1つの構成単位206と結合することができる。このような構造の例を図17に示す。ここでは、画素アレイ212が画素214で構成され、画素214は、構成単位200の3つのインスタンス、および構成単位206の1つのインスタンスからなる。任意選択で、実際には、図18の216に示すように、画素は構成単位206のみで構成されてもよい。これに関連して、4つの出力ドライバ218のうちの1つのみが必要とされることは理解されるであろう。
図19は、別個の背景電荷排出素子を使用して背景キャンセレーションを提供する、本明細書に述べる本発明のいくつかの実施形態による基本ユニットセルに関する例示的なタイミング図である。線(a)は、照射サイクルを示す。線(b)および(c)は、「A」および「B」浮遊拡散部の積分時間を示し、それぞれの「A」および「B」転送ゲートの活性化時間によって定義される。線(d)は、電荷排出素子転送ゲートの活性化時間によって定義される背景キャンセレーション期間を示す。理解されるであろうが、図19に示すタイミングは、背景キャンセレーションなしの動作にも適用可能であり、あるいは、電荷感知素子転送ゲートおよび/またはフォトゲートを使用して背景電荷排出が活性化される実施形態でも適用可能である。
また、例えばその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「3D CAMERA AND METHODS OF GATING THEREOF(3Dカメラおよびそのゲーティング方法)」という名称の2007年12月19日に出願された同時係属の国際特許出願PCT/IL2007/001571に示されるような、他のタイミング構成を採用してもよいことも理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態では、画素のアレイは、画素アレイを囲むP−ウェル中に位置するシャロートレンチ分離(STI)領域を含む、図20Aおよび20Bに示す接地された分離領域によって囲まれる。N+拡散部が、STI領域の内側の境界をなし、ストップゲートチャネルが、フォトゲートを囲み、N+拡散部に沿って位置するとともに任意選択でN+拡散部にわずかに重なる。ストップゲートチャネル、N+拡散部、およびSTIウェルは、基板電圧でバイアスされる。
本発明をその実施形態に関して述べたが、これらの実施形態は、例として提供するものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。述べた実施形態は種々の特徴を含むが、これらの特徴の全てが本発明の全ての実施形態で必要とされるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、これらの特徴のいくつか、またはこれらの特徴の可能な組合せのみを利用する。述べた以外の目標を伴う実施形態もまた可能であり、そのような目標に対する本発明の適用も、本発明の範囲内にあるものとする。同様に、述べた実施形態で言及した以外の特徴の種々の組合せを含む本発明の実施形態も、当業者なら思いつくであろう。したがって、後続の特許請求の範囲によって許可される完全な範囲が、本発明に与えられるものとする。

Claims (20)

  1. 場面(scene)からの光を受け取って(receiving)記録する(registering)ための感光面(photosurface)であって、
    前記感光面に入射する(incident on)光に応答して電子−正孔の対が生成される第1の半導体領域(124)と、
    前記第1の半導体領域の全てをほぼ(substantially)覆う(overlaying)単一の(single)第1の導電領域(conductive region)(134)と、
    前記第1の半導体領域によって囲まれる複数の第2の半導体領域(122a-c,122a'-c')と、
    複数の第2の導電領域(126a-c,126a'-c')であって、各第2の導電領域が、対応する、第2の半導体領域の1つを囲み、前記第1の導電領域から電気的に分離され、各第2の導電領域が、開口(136a-c,136a'-c')を有し、前記対応する第2の半導体領域が、完全に、前記開口を埋める(fills)ものと、
    を備え、
    前記第2の導電領域の、それぞれの1つが、前記第1の導電領域に対して正に荷電されたときに、前記第1の半導体領域への入射光によって生成された電子が、それぞれの、第2の半導体領域に収集され、
    前記第1の半導体領域への入射光によって生成された電子が、前記第2の半導体領域に対する、ほぼ全ての方位方向から、それぞれの、第2の半導体領域に移動する、
    感光面。
  2. 前記第2の半導体領域が約0.6ミクロンの特性半径範囲(characteristic radial extent)を有する、請求項に記載の感光面。
  3. 前記第2の半導体領域が約0.4ミクロンの特性半径範囲を有する、請求項に記載の感光面。
  4. 前記第2の半導体領域が約0.3ミクロンの特性半径範囲を有する、請求項に記載の感光面。
  5. 最も近い2つの第2の半導体領域間の距離が約9ミクロン以下である、請求項に記載の感光面。
  6. 最も近い2つの第2の半導体領域間の距離が約6ミクロン以下である、請求項に記載の感光面。
  7. 最も近い2つの第2の半導体領域間の距離が約4ミクロン以下である、請求項に記載の感光面。
  8. 前記複数の第2の半導体領域のうちの少なくとも2つが導体によって電気的に接続された、請求項に記載の感光面。
  9. 前記複数の第2の半導体領域に移動する電子の総数に応じた信号を生成するように構成された、前記複数半導体領域に電気的に接続された回路を備える、請求項に記載の感光面。
  10. 約40%以上のフィルファクタ(fill factor)を有する、請求項に記載の感光面。
  11. 約50%以上のフィルファクタを有する、請求項に記載の感光面。
  12. 約60%以上のフィルファクタを有する、請求項に記載の感光面。
  13. 約75%以上のフィルファクタを有する、請求項に記載の感光面。
  14. 前記複数の第2の半導体領域が浮遊拡散部(floating diffusion)を備える、請求項に記載の感光面。
  15. 場面を撮像するためのフォトゲートタイプの感光面であって、
    前記感光面に入射する光に応答して電子−正孔の対が生成される感光領域と、
    前記感光領域の上に配置される単一のフォトゲートと、
    複数の電荷収集領域であって、各電荷収集領域が前記感光領域によって囲まれ、その中に、前記感光領域で生成された電荷が、蓄積されるものと、
    前記電荷収集領域の各々に対しての、転送ゲートであって、当該転送ゲートが前記電荷収集領域を完全に囲み、各転送ゲートが開口を有し、それぞれの、電荷収集領域が、前記開口を完全に埋め(fills)、各転送ゲートが、前記感光領域から前記電荷収集領域であって、前記それぞれの転送ゲートの前記開口内の電荷収集領域に電荷を転送するものと、
    を備える感光面。
  16. 約40%以上のフィルファクタを有する、請求項15に記載の感光面。
  17. フォトゲートと、
    前記フォトゲートの基礎をなす構造中のチャネルインプラント(channel implant)と、
    前記チャネルインプラント内に形成された、複数の浮遊拡散部と、
    複数の転送ゲートであって、当該転送ゲートの各々が、完全に、前記浮遊拡散部の、対応する1つを囲み、前記フォトゲートの下(under)に蓄積された電子が、前記チャネルインプラントを通じて、対応する浮遊拡散部に移動することを許容するように動作可能であり、前記フォトゲートが、実質的に連続体であり、前記チャネルインプラントの上(over)に亘って延在し、複数の別個の開口を含み、当該開口の各々が、前記浮遊拡散部の1つ、及び、それに対応する転送ゲートを囲み、前記転送ゲートの各々と、それに対応する開口が、同心円リングとして、又は、多角形状として、整列され(aligned)、各転送ゲートが、内側開口を有し、また、それに伴った、その下(below)に配置され、前記内側開口を完全に埋める(filling)、対応する浮遊拡散部を有するものと、
    を備える、CMOSタイプの光検出器セル。
  18. 請求項17に記載のCMOSタイプの光検出器セルであって、各転送ゲート及び対応する開口が、同心円状リングとして整列され、前記光検出器セルが、複数の別個の同心円状のリングを含む、CMOSタイプの光検出器セル。
  19. 請求項17に記載のCMOSタイプの光検出器セルであって、各転送ゲート及び対応する開口が、8角形リングとして整列され、前記光検出器セルが、複数の別個の同心状の8角形リングを含む、CMOSタイプの光検出器セル。
  20. 請求項17に記載のCMOSタイプの光検出器セルであって、前記転送ゲートの第1のものと、それに対応する浮遊拡散部が、電荷検出要素を形成し、前記転送ゲートの第2のものと、それに対応する浮遊拡散部が、電荷排出要素を形成する、CMOSタイプの光検出器セル。
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