JP5497557B2 - 押出ダイス - Google Patents
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Description
前記マンドレルリングは、心棒よりも熱膨張係数の小さい材料で構成され、
前記心棒の外周面およびマンドレルリングの内周面が、マンドレルリングを心棒に外嵌めした状態において、常温時に両者間に隙間があり、押出時のダイス温度時に、マンドレルの軸線方向の少なくとも一部においてその隙間が無くなって両者が接触するように設定され、
前記心棒に、心棒の下流側端面から上流側に向かって切り込まれ、軸線に垂直な面において該心棒を分割する少なくとも1本のスリットが設けられていることを特徴とする押出ダイス。
本発明のマンドレルは、マンドレルリングを心棒に外嵌めした状態において、常温時に両者間に隙間があり、押出時のダイス温度において、マンドレルの軸線方向の少なくとも一部においてその隙間が無くなって両者が接触するように設定されている限り、前記心棒の外周面およびマンドレルリングの内周面の形状は任意に設定することができる。即ち、本発明におけるマンドレルの形状に関する条件は下記(1)(2)である。
(1)常温時にマンドレルリングを心棒に外嵌めすることができる隙間があること
(2)押出時のダイス温度において、軸線方向の少なくとも一部においてその隙間が無くなって心棒とマンドレルリングとが接触すること
本発明における「押出時のダイス温度」とは、心棒(32)およびマンドレルリング(35)が高温押出時に所定の温度となり、そのときの温度をいう。
前記マンドレルリング(35)を構成する材料は耐摩耗性に優れ、かつその熱膨張係数(α2)と心棒(32)を構成する材料の熱膨張係数(α1)とがα1>α2の関係を満足するものであれば特に限定されない。本実施形態においては、心棒(32)を含む部分(以下、単に「心棒」と略する)が工具鋼で形成されているのに対し、マンドレルリング(35)は前記工具鋼よりも耐摩耗性の高い超硬材料で構成されている。超硬材料としては、WC−Co等の超硬合金、高速度工具鋼、粉末高速度工具鋼、セラミックス等を例示できる。表1に、これらの超硬材料および工具鋼の一例およびそれらの熱膨張係数を示す。なお、心棒(32)およびマンドレルリング(35)の基材の熱膨張係数がα1>α2の関係を満足すれば良いので、例示した材料は表1に記載した用途に限定されない。例えば、粉末高速度工具鋼の心棒に超硬合金やセラミックスのマンドレルリングを組み合わせる場合も本発明に含まれる。
図5は、温度(T)に対する心棒(32)の外径(A)およびマンドレルリング(35)の内径(B)の変化を示したものである。
BT2=BT1×(T2−T1)×α2+BT1 …(II)
ただし、α1:心棒を構成する材料の熱膨張係数
α2:マンドレルリングの基材を構成する材料の熱膨張係数
T1:常温
T2:高温(>T1)
AT1:常温(T1)時の心棒の外径
BT1:常温(T1)時のマンドレルリングの内径(>AT1)
押出時、ダイスは所定温度に加熱されて常温(T1)よりも高温となる。従って、図5および図6Bに示すように、押出時のダイス温度(T2)において、心棒(32)の外径(AT2)がマンドレルリング(35)の内径(BT2)と等しくなるか、心棒(32)の外径(AT2)がマンドレルリング(35)の内径(BT2)を上回るように、常温(T1)時の心棒(32)の外径(AT1)およびマンドレルリング(35)の内径(BT1)を設定すれば、マンドレルリング(35)を心棒(32)に固定した状態で押出を行うことができる。そして、マンドレルリング(35)が心棒(32)に固定された状態で押出を行うと、押出材(1)の偏肉が抑制されて高品質の押出材(1)を製造することができる。ただし、心棒(32)の膨張力が過剰になってマンドレルリング(35)の引張力の限界を超えるとマンドレルリング(35)が破損するので、材料の熱膨張係数(α1、α2)と押出時のダイス温度(T2)を勘案して、高温時に適度な引張力を生じさせるように、常温(T1)時の心棒(32)の外径(AT1)およびマンドレルリング(35)の内径(BT1)を設定する。
XT(%)=(AT/BT−1)×100 …(III)
XT1(%)=(AT1/BT1−1)×100 …(IV)
XT2(%)=(AT2/BT2−1)×100
={〔AT1×(T2−T1)×α1+AT1〕/〔BT1×(T2−T1)×α2+BT1〕−1}×100 …(V)
上記実施形態のマンドレル(30)においては、心棒(32)の先端に、マンドレルリング(35)の内径よりも径の大きいナット(37)が着脱自在に取り付けられている。高温(T2)時のマンドレルリング(35)は心棒(32)によって径方向に締め付けられて固定されるが、押出中は材料の流れにより下流側への力が加わる。そこで、前記マンドレル(30)においては、ナット(37)を取り付けることでマンドレルリング(35)の抜け落ちを確実に防ぎ、固定安定性を高めている。また、ナット(37)を取り付けて押出軸方向の拘束力を加えることで、心棒(32)の膨張力による締め付けのみで固定する場合よりも、締め代(XT2)を小さくすることができるので、締め代(XT2)の増大によるマンドレルリング(35)の破損の危険性を回避できる。
本発明において、押出時の締め代(XT2)がXT2≧0となるように心棒(32)の外周面(32a)とマンドレルリング(35)の内周面(35a)が設定されていることは必須条件である。また、径方向において所定の締め代(XT2)を得る場合、心棒(32)の熱膨張係数(α1)とマンドレルリング(35)の熱膨張係数(α2)の差(α1−α2)が大きくなるほど、常温(T1)時の両者の隙間(S1)は大きくなる。従って、常温(T1)で行うマンドレル(30)の組み立てにおいては、両者間の隙間(S1)が大きくなるほどマンドレルリング(35)のがたつきが大きくなって心棒(32)とマンドレルリング(35)の軸線合わせが難しくなる。常温(T1)時の軸線のずれはダイス温度が上昇しても継承されることがあり、押出時のマンドレルリング(35)の径方向の位置精度を低下させて押出材の偏肉の原因の一つとなる。常温(T1)時の隙間(S1)が小さくなるように心棒(32)の外径およびマンドレルリング(35)の内径を設定すれば組み立て時に両者の軸線を合わせ易くなり、押出時のマンドレルリング(35)の位置精度も高くなるが、その反面締め代(XT2)が大きくなってマンドレルリング(35)に対する締め付け力が大きくなるので破損の危険性も増すことになる。
図4は、図3に示したマンドレル(30)に用いられている心棒(32)を含む部分の斜視図である。また、図8Aは図6Aの8A−8A線断面図、図8Bは図6Bの8B−8B線断面図である。また、図8Aにおいて(CT1)は常温(T1)時のスリット(40)(41)の幅であり、図8Bにおいて(CT2)は押出時のダイス温度(T2)におけるスリット(40)(41)の幅である。
本発明のマンドレルはマンドレルリングの軸線方向の拘束手段を限定するものではない。
10…ポートホールダイス
11…雌型
20…雄型(押出ダイス)
21…ダイス基盤
30、50…マンドレル
32…心棒
34…ボルト部
35…マンドレルリング
37…ナット
40、41スリット
51…ボルト
52…雄ねじ部
55…ボルト挿通孔
56…雌ねじ部
S1…隙間
CT1、CT2…スリット幅
AT1、AT2…心棒外径
MT1…スリットの軸線方向の長さ
mT1…マンドレルリングの軸線方向の長さ
Claims (7)
- 押出材の内面を成形するマンドレルが、心棒と、該心棒に外嵌めされるマンドレルリングとを有し、
前記マンドレルリングは、心棒よりも熱膨張係数の小さい材料で構成され、
前記心棒の外周面およびマンドレルリングの内周面が、マンドレルリングを心棒に外嵌めした状態において、常温時に両者間に隙間があり、押出時のダイス温度時に、マンドレルの軸線方向の少なくとも一部においてその隙間が無くなって両者が接触するように設定され、
前記心棒に、心棒の下流側端面から上流側に向かって切り込まれ、軸線に垂直な面において該心棒を分割する少なくとも1本のスリットが設けられていることを特徴とする押出ダイス。 - 前記心棒の先端に心棒よりも径小のボルト部が心棒と一体に形成され、このボルト部にナットを螺合させることによってマンドレルリングが軸線方向に拘束されるものとなされ、前記ボルト部に心棒のスリットが延長して設けられている請求項1に記載の押出ダイス。
- 前記心棒にボルト挿通孔が設けられるとともに、孔底に雌ねじ部が設けられ、前記ボルト挿通孔に挿入したボルトを雌ねじ部に螺合させることによってマンドレルリングが軸線方向に拘束されるものとなされている請求項1に記載の押出ダイス。
- 常温時において、前記スリットの幅が心棒外径の50%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の押出ダイス。
- 押出時のダイス温度において、前記スリットの幅が0を超えかつ心棒外径の30%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の押出ダイス。
- 常温時において、前記スリットの軸線方向の長さ(MT1)とマンドレルリングの軸線方向の長さ(mT1)とがMT1≧mT1の関係を満たす請求項1〜5のいずれかに記載の押出ダイス。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の押出ダイスを用い、心棒とマンドレルリングとの間の軸線方向の少なくとも一部において隙間が無くなる温度で押出を行うことを特徴とする押出方法。
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