JP2017074612A - 拡管機 - Google Patents

拡管機 Download PDF

Info

Publication number
JP2017074612A
JP2017074612A JP2015204785A JP2015204785A JP2017074612A JP 2017074612 A JP2017074612 A JP 2017074612A JP 2015204785 A JP2015204785 A JP 2015204785A JP 2015204785 A JP2015204785 A JP 2015204785A JP 2017074612 A JP2017074612 A JP 2017074612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hardness
cone
film
physical vapor
vapor deposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015204785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6580935B2 (ja
Inventor
拓郎 矢▲崎▼
Takuro Yazaki
拓郎 矢▲崎▼
正之 堀江
Masayuki Horie
正之 堀江
舘野 純一
Junichi Tateno
純一 舘野
俊博 三輪
Toshihiro Miwa
俊博 三輪
能成 土屋
Yoshinari Tsuchiya
能成 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Gifu University NUC
Original Assignee
JFE Steel Corp
Gifu University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, Gifu University NUC filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2015204785A priority Critical patent/JP6580935B2/ja
Publication of JP2017074612A publication Critical patent/JP2017074612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6580935B2 publication Critical patent/JP6580935B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mounting, Exchange, And Manufacturing Of Dies (AREA)

Abstract

【課題】メンテナンスの間隔をより長くすることが可能な拡管機を提供する。
【解決手段】拡管機は、軸方向に進退可能なドローバー21に同軸に取り付けられ軸方向の一方向に向かうにつれて径が大きくなるテーパ面17aを有するコーン17と、軸方向に沿ってテーパ面17aと摺動可能な摺接面18aを有するジョー18とを備える。テーパ面17a又は摺接面18aの一方の面に、TiN膜またはTiAlN膜からなる物理気相蒸着膜171が形成され、その物理気相蒸着膜171を形成した面の硬度は150HS以上であり、テーパ面17aの硬度と摺接面18aの硬度との硬度差が50HS以上120HS以下の範囲にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属製の管の内側に挿入して当該管を拡管するための拡管機に関する。
一般的に、UOE鋼管に代表される溶接管は、管の内外面を溶接することで、溶接の熱影響による残留応力に起因して管の真円度や真直度が悪化する。そのため、残留応力を除去して真円度や真直度を矯正するために、拡管処理が施される。
この拡管処理については、例えば非特許文献1に記載されている。図1(a)および図1(b)は、非特許文献1に開示された図に基づくものである。その拡管工程では、内外面よりサブマージアーク溶接を施された鋼管1の内側に、拡管機100の拡管ヘッド13を通す。次に、図1(b)に示すように、拡管ヘッド13のコーン17が軸方向に引かれた際に、コーン17およびジョー18の楔作用によってジョー18が径方向に広がり、ジョー18の外側に取り付けたダイ19が鋼管1を押し広げる。
このような拡管処理では、図1(b)に示すように、コーン17とジョー18との接触面である滑り面において摺動することで、ジョー18が径方向に広がる。
近年では、鋼管1が高強度化するにつれて、コーン17が軸方向に引かれる際に過大な力が掛かり、コーン17およびジョー18の間の滑り面においても面圧が過大となり、使用するにつれて、コーン17およびジョー18の滑り面において焼き付きが発生する。焼き付きが発生すると、拡管が不可能となる。このような焼き付きが鋼管の高強度化によって比較的に短期間で発生し易くなる。焼き付きが生じると、コーン17およびジョー18の滑り面のメンテナンスが必要となる。
これに対し、特許文献1では、コーン17の表層に窒化処理にて0.05〜1.5mm深さの硬化層を形成することが提案されている。また、特許文献2では、ジョー18の硬さがHRC45〜52とし、表面に浸硫窒化処理を施すことが提案されている。また、特許文献3では、コーン17およびジョー18の滑り面における焼き付きを低減させるために、コーン17およびジョー18の滑り面に潤滑油を供給することが提案されている。
特開平01−299723号公報 特開平05−195158号公報 特開2007−284519号公報
鉄鋼便覧第3巻(2)、第4版、12・4・6項
しかしながら、滑り面の焼き付きは、特許文献1のようにコーンだけ硬くして、ジョーとの硬度差が20HS程度では焼き付きを十分に防ぐことはできない。これは、硬度差が20HS以下だと硬い部材と柔らかい部材の間でアブレシブ摩耗が小さいためである。また、特許文献2のように、ジョーを硬くして、コーンとの硬度差が45〜50HS程度では焼き付きを十分に防ぐことはできない。これは、硬度差が45HS以上かつ硬度値の絶対値が低いと、硬い部材と柔らかい部材の間でアブレシブ摩耗が大きすぎるためである。そして、特許文献3のように潤滑油を供給するだけでは、十分に防ぐことができない。これは、摺接面の全面において潤滑油の油膜が生成されているとは限らないからである。
ここで、本明細書において、HSは、JIS Z 2246ショア硬さ試験による硬度HSを指す。
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、メンテナンスの間隔をより長くすることが可能な拡管機を提供することを目的とする。
発明者らは、上記した課題を達成するために、鋭意研究を重ねた。その結果、PVD(物理気相蒸着法)やCVD(化学気相蒸着法)等の方法で硬質皮膜を形成することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、金属製の管の内側に挿入して当該管を拡管するための拡管機であって、軸方向に進退可能な軸体と、上記軸体に同軸に取り付けられ上記軸方向の一方向に向かうにつれて径が大きくなるテーパ面を有するコーンと、上記軸方向に沿って上記テーパ面と摺動可能な摺接面を有する拡径セグメントと、を備え、上記テーパ面又は上記摺接面の一方の面に、TiN膜またはTiAlN膜からなる物理気相蒸着膜が形成されてなり、その物理気相蒸着膜が形成されてなる上記面の硬度は150HS以上であり、上記テーパ面の硬度と上記摺接面の硬度との硬度差が50HS以上120HS以下の範囲にあることを特徴とする。
本発明の一態様である拡管機は、拡管の際に摺動する接触面の一方を、TiN膜またはTiAlN膜からなる硬質皮膜を物理気相蒸着法で形成し、その物理気相蒸着膜が形成された面(テーパ面または摺接面)の硬度が150HS以上であり、他方の接触面との硬度差が50〜120HSであるため、摺動部の焼付きを抑えることが可能となる。
このように、本発明の一態様では、接触面同士の硬度レベルが高いために摩耗の耐久性が高く、メンテナンスの間隔をより長くすることが可能となる。このことはまた、交換頻度も少なくなり、低コストに繋がる。
拡管機の構成を説明する図であり、(a)は拡管機の全体構成を示す図であり、(b)は拡管ヘッドの構成を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る拡管機の拡管ヘッドを説明するための模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るコーンの構成を示す軸直方向に切断した断面図である。 ライナーとジョーの間の接触面での硬度差それぞれの硬度と、それらの硬度差の関係の位置づけを模式的に示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る拡管機の拡管ヘッドを説明するための模式図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るコーンを示す模式図であり、(a)は軸方向に沿って切断した断面図であり、(b)は軸直方向に切断した断面である。 研究実験用の引き抜き試験機を示す模式図である。 研究実験の引き抜き試験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また本実施形態では、金属製の管として鋼管を挙げて説明するが、他の金属からなる管であっても適用可能である。
<第一実施形態>
(構成)
本実施形態の拡管機の基本構成は、図1で代表される従来の拡管機と同様な構成となっている。すなわち、拡管機100は、図1(a)に示すように、拡管機本体14、アキシャルインフィード15、クロスフィード16を有している。
拡管機本体14は、シリンダ11、ホーン12、および拡管ヘッド13を有している。
クロスフィード16は、ウォーキングビーム式により、紙面に直交する方向に鋼管1の搬送を行う。アキシャルインフィード15は、クロスフィード16によって搬送された鋼管1を、拡管機本体14側に押し込む。
拡管ヘッド13は、鋼管1が拡管機本体14側に搬送されることによって、鋼管1の内部に挿入される。シリンダ11は、ホーン12の先端に設けられた拡管ヘッド13を軸方向に牽引する。拡管ヘッド13は、外周が径方向に拡大することで、鋼管1の径を内側から押し広げる。
拡管ヘッド13は、図1(b)に示すように、コーン17、ジョー18、及びダイ19を有している。コーン17は、シリンダ11に連結されたドローバー21の先端側に同軸に取り付けられている。ドローバー21が軸体を構成する。ジョー18、及びダイ19が拡径セグメントを構成する。
コーン17は、軸方向の一方に向かうにつれて大径となるテーパ面17aを有する。本実施形態では、図3に示す断面図のように、コーン17の外周面が、角錐台形状の場合を例示している。図3では、正十角形状の場合を例示しているため、テーパ面17aが10方向に向いている。この各テーパ面17aに後述のジョー18を構成する各セグメントが径方向で対向するようにそれぞれ配置される。コーン17は、シリンダ11が伸縮することで軸方向に移動する。
ジョー18は、周方向に並ぶ複数のセグメントにより構成され、複数のセグメントが組み合わされて管状に配置されている。管状のジョー18の内側に、コーン17が配される。ジョー18の内側は、コーン17の外周に沿った形状に配置されている。そして、ジョー18を構成する各セグメントの内周面はそれぞれ、コーン17の各テーパ面17aと径方向で対向し、相互に軸方向に沿った方向に摺動可能な摺接面18aが形成されている。ここで、テーパ面17a及び摺接面18aを、滑り面と呼ぶ場合もある。
ジョー18を構成する各セグメントの外周面にはダイ19が取り付けられている。このダイ19の外周面が拡径に伴い管の内面に当接する。
潤滑油供給管20は、コーン17とジョー18の滑り面に潤滑油を供給する。
本実施形態のコーン17のテーパ面17aには、TiN膜またはTiAlN膜からなる物理気相蒸着膜171が形成されている。その物理気相蒸着膜171が形成されたテーパ面17aの硬度は150HS以上である。
また、本実施形態では、ジョーの摺接面18aの硬度を、テーパ面17aの硬度よりも50HS以上120HS以下の範囲だけ小さな硬度に設定する。例えばテーパ面17aの硬度が150Hzであれば、摺接面18aの硬度は、30HS以上100HS以下の範囲の硬度となる。
但し、摺接面18aの硬度は、70HS以上となるように調整することが好ましい。すなわち、テーパ面17aの硬度が150Hzであれば、摺接面18aの硬度は、70HS以上100HS以下の範囲の硬度が好ましい。テーパ面17aの硬度が180Hzであれば、摺接面18aの硬度は、70HS以上130HS以下の範囲の硬度が好ましい。
ジョー18の硬度は、公知の炭素合金鋼などの高強度鋼を使用することで、硬度が70HS以上となるように調整すればよい。
(動作その他)
このように構成された拡管機100では、シリンダ11の伸縮によって、コーン17が軸方向に移動することにより、コーン17とジョー18との滑り面(テーパ面17a及び摺接面18a)において互いに乗り上げる(楔作用)。これによって、ジョー18の外周に設けられたダイ19が放射状に同径に広がる。ダイ19の外周面は、鋼管1の内周面に同軸に当接するため、ダイ19が放射状に広がることで、鋼管1が内側から押し広げられ、鋼管1の拡径が行われる。
従来の拡管機では、短期間の使用で、コーン17のテーパ面17aとジョー18の摺接面18aの間で焼き付きが発生する。このとき、コーン17の表面に生じる焼き付きは、コーン17の交換を必要とする。コーン17は高額なため、コーン17の交換は、鋼管の製造コストを大幅に上昇させる。
これに対し、本実施形態では、コーン17のテーパ面17aに対し硬度150HS以上の硬質皮膜である物理気相蒸着膜171を物理気相蒸着法で形成し、物理気相蒸着膜171が形成されたテーパ面17aの硬度を150HS以上とし、テーパ面17aと摺接面18aとの間に50〜120HSの硬度差を設ける。この結果、接触面同士の硬度レベルが高いために摩耗の耐久性が高く、摺動部の焼付きを抑えることが可能となる。このため、メンテナンスの間隔をより長くすることが可能となる。このことはまた、コーン17などの交換頻度も少なくなり、低コストに繋がる。
ここで、硬質皮膜を形成するために、コーン17のテーパ面17aを加熱する必要がある。このような加熱および皮膜形成後の冷却過程での変形を抑止するために、本実施形態では、加熱温度が比較的低い物理気相蒸着法によって、硬質皮膜である物理気相蒸着膜171を形成する。
また、物理気相蒸着膜171は、接触面における面圧に耐えるように1470HV以上の硬度とすることが好ましい。なお、物理気相蒸着膜171の硬度は特に上限を設けるものではないが、皮膜の硬度が高くなりすぎると脆くなるため、物理気相蒸着膜171の硬度は200OHV以下とすることが望ましい。ここでは、JIS Z 2244ビッカース硬さ試験による硬度を指標とした。なお、皮膜の硬度については、皮膜を形成したコーンなどの工具の断面を研磨し、そのようにして得られた皮膜断面について、マイクロビッカース硬度測定を実施して皮膜硬度とすることができる。
次に、摺動するテーパ面17aと摺接面18aの硬度差の範囲を50HS以上120HS以下の範囲に限定した理由を説明する。
硬度差が小さいと、軟質側の面だけでなく硬質皮膜にも損傷が生じる場合あるため、硬度差の下限を50HSとした。また、硬度差が大きい場合、軟質側の面の硬度が低く軟質側の磨耗量が大きいと、ダイ19の外周に段差が生じ、鋼管1にその形状が転写されて製品の寸法形状を損なうこととなる。そのため硬度差の上限を120HSとした。
ここで、上記説明では、コーン17のテーパ面17aに物理気相蒸着膜171を形成する場合で説明した。物理気相蒸着膜171を形成する面を、ジョー側の摺接面18aとしても良い。
ただし、硬質皮膜の形成に物理気相蒸着法を適用しても、わずかに熱変形が生じることがある。この観点からは、コーン17の物理気相蒸着膜171を形成した場合、潤滑油供給管20やドローバー21を取り付けできなくなり、これらの部分の寸法仕上げ工程が必要となる場合がある。一方、ジョー18の摺接面18aに物理気相蒸着膜171を形成した場合には、ダイ19を取り付ける平滑な面のみの寸法仕上げだけでよいので、仕上げ工程が簡単であり部品の製造が容易である。
しかし、軟質側の面が摩耗し製品の寸法形状を損なうようになると、これらの部材を再度製造することになる。この観点からは、大型部材であるコーン17側の摩耗を抑止するためにはコーン17に硬質皮膜処理を施す方が優れている。
次に、軟質側の面の硬度を70HS以上とすることが好ましい理由を説明する。
コーン17とジョー18の接触面には接触圧が作用する。このとき、局部的な接触となるとその部分の接触圧が大きくなり軟質側面に塑性変形が生じる場合がある。このような塑性変形を防止するためには、軟質側の部材に所定の強度が必要である。このような観点から軟質側の滑り面の硬度を、70HS以上とした。
ここで、図4は、硬質側と軟質側の硬度差それぞれの硬度とそれらの硬度差の関係の位置づけを模式的に示す図である。図4の2つの囲い部である硬度差HSは、硬度差レベル低の方は、軟質側の硬度を40〜60HSまで変化させた場合に硬度差20〜50HSの関係で硬質側の硬度が変化した囲い図である。硬度差レベル高の方は、軟質側の硬度を70〜130HSまで変化させた場合に硬度差50〜120HSの関係で硬質側の硬度が変化した囲い図である。
したがって、物理気相蒸着膜171を形成して硬質側の硬度を150HS以上とするのに併せ、軟質側も70HS以上と硬度レベルを高くすると、軟質側も摩耗の耐久性が高くなる。更に、上記の硬度差を50〜120HSの範囲に調整すれば、交換頻度をさらに抑えることができる。なお、物理気相蒸着法で形成した物理気相蒸着膜171は、処理温度が低いため、歪みが少なく、他の硬質皮膜に比べて望ましい。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同様な部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、第一実施形態と同様である。
本実施形態のコーン17は、図5に示すように、コーン本体170と、そのコーン本体170の外周面に着脱可能に取り付けられたライナー172を有する。そして、ライナー172の表面がテーパ面17aを形成する。ライナー172の表面には、物理気相蒸着膜171が形成されている。
各ライナー172は、図6に示すように、コーン本体170に対してボルト30で固定されている。
ここで、図6(b)に示すように、コーン本体170が正十角形状の場合、該正十角形の各辺が1個のセグメント17Aから構成されることで、このコーン本体170は10個のセグメント17Aにより構成される。なお、図3(b)に示すとおり、各セグメント17Aの、コーン17の外周側の各面には、コーン17の軸方向に延びる溝170aが形成されている。溝170aは中央部が最も深くなっており、両端にそれぞれ段差面170bを有する。
図5,6に示すコーン17において、ライナー172は、コーン17の軸方向に延びる板状であり、コーン本体170の各セグメント17Aに2枚ずつ固定される。図5,6に示すコーン17では、各段差面170bに沿って、それぞれライナー172がボルト30で固定される。なお、ボルト30により、ライナー172は着脱可能になっている。
ここで、ボルト30は、コーン本体170上にライナー172を着脱可能に固定できる固定具の一例であり、固定具はボルト30に限定されない。
本実施形態においては、コーン17の外表面のうちジョー18との接触面の全てにライナー172が存在しなくてもよく、コーン17に焼き付きによる問題が生じないのであれば、接触面の一部にライナー172の存在しない領域があってもよい。
このライナー172は単純な板状部材であり、硬質皮膜処理のための加熱、冷却過程における熱変形の抑止が容易であるため、このライナー172に第一実施形態と同様の硬質皮膜を形成する場合、仕上げ工程が不要となる。この場合であっても、硬質皮膜として物理気相蒸着膜171を使用した方が精度が向上する。
なお、ここではコーン本体170にライナー172を取り付ける場合を例としたが、ジョー18側をライナー172としても同様の効果が得られる。しかし、コーン17の方が厚みが大きいため、ボルト30で取り付けるのが容易である。
その他の作用効果は、上記第一実施形態と同様である。
<実施例1>
次に、本発明の実施例について説明する。
本発明例として、図7に示す研究実験用の引き抜き試験機を使用して実験を行った。
この引き抜き試験機による試験は、板試験片51をビード工具50で所定の押し付け力Nで押さえ付けた状態で、引き抜き荷重Fで板試験片51を引き抜く試験である。
試験の押付け圧Nは、面圧20kgf/mmとした。
ここで本試験では、板試験片51を図1における軟質側のジョー18、ビード工具50を図1における硬質側のコーン17とみなすと、本試験は、拡管機と同様のすべり挙動が評価できる。
本実施例では、板試験片51の硬度を80HSとした。またビード工具50の板試験片51と当接する部分の硬度として、100HS、130HS、200HSのものを用意して引き抜き試験を行った。
なお、130HSのビード工具硬度は、物理気相蒸着膜TiN(皮膜硬度1470HV)を表面に皮膜形成して130HSの硬度とした。また、200HSのビード工具硬度は、物理気相蒸着膜TiAlN(皮膜硬度2000HV)を表面に皮膜形成して200HSの硬度とした。皮膜の膜厚は2〜4μmの範囲とした。なお、皮膜の硬度は、皮膜を形成したコーンなどの工具の断面、あるいは、同条件で皮膜を形成したテストピースの断面を研磨し、そのようにして得られた皮膜断面について、マイクロビッカース硬度測定を実施することにより求めた。皮膜のビッカース硬さ試験は、JIS Z 2244(2009) ビッカース硬さ試験−試験方法に準拠して実施した。そして、板試験片と各ビード工具の摺接面18aとの摩擦係数について調査した。
また、物理気相蒸着膜を表面に皮膜形成したビード工具の硬度は、皮膜表面に対してJIS Z 2244(2009) ビッカース硬さ試験−試験方法に準拠して測定したビッカース硬度HVを、公知の硬度換算表から線形近似して求めた下記の式(1)をビッカース硬度が高い方向に外挿して計算した換算ショア硬さVHSをもって、ショア硬さHSとした。
VHS = 0.0919HV + 17.305 ・・・(1)
ここで、VHSは換算ショア硬さ、HVはビッカース硬度である。
そして、板試験片と各ビード工具の摺接面18aとの摩擦係数について調査した。
その試験結果を、図8に示す。
図8から分かるように、硬質側のビードの硬度が100HS(板試験片との硬度差20HS)である場合には、摩擦係数が0.4となり高く、比較的短期間に焼き付きが発生しやすいことが分かる。
一方、ビードの硬度を130HS(板試験片との硬度差50HS)に変化させたところ、摩擦係数は小さくなり、焼き付きは発生しにくくなることが分かった。更に、ビードの硬度を200HS(板試験片との硬度差120HS)に変化させたところ、さらに摩擦係数は小さくなり、更に焼き付きが発生しにくくなることが分かった。スムーズに拡管できるようになった。
このように、コーン17の硬度を150HS以上とし、ジョー18との硬度差を50〜120HSとすることで、焼き付きを抑制できることが確かめられた。
但し、さらに硬度を上げると、コーン17ついては材質が脆くなるので、剥がれて焼き付きを起こす原因となると推定される。
1 鋼管
11 シリンダ
12 ホーン
13 拡管ヘッド
14 拡管機本体
15 アキシャルインフィード
16 クロスフィード
17 コーン
17A セグメント
17a テーパ面
18 ジョー(拡径セグメント)
18a 摺接面
19 ダイ
20 潤滑油供給管
21 ドローバー(軸部)
30 ボルト
50 ビード工具
51 板試験片
100 拡管機
170 コーン本体
171 物理気相蒸着膜
172 ライナー

Claims (5)

  1. 金属製の管の内側に挿入して当該管を拡管するための拡管機であって、
    軸方向に進退可能な軸体と、
    上記軸体に同軸に取り付けられ上記軸方向の一方向に向かうにつれて径が大きくなるテーパ面を有するコーンと、
    上記軸方向に沿って上記テーパ面と摺動可能な摺接面を有する拡径セグメントと、を備え、
    上記テーパ面又は上記摺接面の一方の面に、TiN膜またはTiAlN膜からなる物理気相蒸着膜が形成されてなり、その物理気相蒸着膜が形成されてなる上記面の硬度が150HS以上であり、
    上記テーパ面の硬度と上記摺接面の硬度との硬度差が50HS以上120HS以下の範囲にあることを特徴とする拡管機。
  2. 上記物理気相蒸着膜が上記摺接面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の拡管機。
  3. 上記物理気相蒸着膜が上記テーパ面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の拡管機。
  4. 上記コーンは、着脱可能なライナーを有し、そのライナーの上記摺接面と対向可能な面が上記テーパ面であることを特徴とする請求項3に記載の拡管機。
  5. 上記テーパ及び上記摺接面のうち、上記物理気相蒸着膜が形成されていない面の硬度が70HS以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の拡管機。
JP2015204785A 2015-10-16 2015-10-16 拡管機 Expired - Fee Related JP6580935B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015204785A JP6580935B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 拡管機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015204785A JP6580935B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 拡管機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017074612A true JP2017074612A (ja) 2017-04-20
JP6580935B2 JP6580935B2 (ja) 2019-09-25

Family

ID=58549695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015204785A Expired - Fee Related JP6580935B2 (ja) 2015-10-16 2015-10-16 拡管機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6580935B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110802139A (zh) * 2019-11-15 2020-02-18 西安西电开关电气有限公司 塑性校圆装置
CN114029420A (zh) * 2022-01-11 2022-02-11 南通上成金属科技有限公司 一种气瓶冲压一体成型设备

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247747A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Rothenberger Ag 中空体のための拡張装置
JP2007144497A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Jfe Steel Kk 鋼管の拡管装置および拡管方法
JP2015157319A (ja) * 2014-01-22 2015-09-03 Jfeスチール株式会社 拡管機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247747A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Rothenberger Ag 中空体のための拡張装置
JP2007144497A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Jfe Steel Kk 鋼管の拡管装置および拡管方法
JP2015157319A (ja) * 2014-01-22 2015-09-03 Jfeスチール株式会社 拡管機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110802139A (zh) * 2019-11-15 2020-02-18 西安西电开关电气有限公司 塑性校圆装置
CN110802139B (zh) * 2019-11-15 2022-03-18 西安西电开关电气有限公司 塑性校圆装置
CN114029420A (zh) * 2022-01-11 2022-02-11 南通上成金属科技有限公司 一种气瓶冲压一体成型设备
CN114029420B (zh) * 2022-01-11 2022-03-25 南通上成金属科技有限公司 一种气瓶冲压一体成型设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6580935B2 (ja) 2019-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4983053B2 (ja) メカニカルエキスパンダー及び継目無鋼管の製造方法
US20150165507A1 (en) Forming Tool and Method for Enlarging an Opening by Means of an Enlarging Device
JP6580935B2 (ja) 拡管機
US20170113269A1 (en) Shot sleeve for die casting apparatus and method of fabricating same
KR101892379B1 (ko) 확관기
JP6020604B2 (ja) 拡管機
SE464064B (sv) Pilgerskiva foer roertillverkning
US20130025338A1 (en) Tube-forging method
JP5198366B2 (ja) ネジ付き配管用鋼管の製造方法
US11788597B2 (en) Gas cushion device
JP2008207191A (ja) 熱間押出し加工用ダイおよび熱間押出し加工材の製造方法
JPH08243659A (ja) 鋼管拡管機用拡管ダイス
JP5659530B2 (ja) 圧延ロールおよび圧延ロールの再利用方法
JP6037004B2 (ja) 鋼管の製造方法
MX2023001817A (es) Tubo de acero sin soldadura y metodo de fabricacion del mismo.
JP4452202B2 (ja) ハイドロフォーム加工に用いる軸押しパンチ
JP6767200B2 (ja) 金属管の挿し口突部の形成方法
KR101638101B1 (ko) 피드롤 하우징의 보수 방법 및 보수장치
JP2021010913A (ja) 拡管機および鋼管の製造方法
RU2393039C1 (ru) Устройство для ротационного выглаживания цилиндрических оболочек
RU2717422C1 (ru) Охлаждаемая оправка прошивного стана
JP2021084121A (ja) リングロール用マンドレル及びその製造方法
JP2010247188A (ja) 等速ジョイント用外輪の製造方法
JP2007331020A (ja) 熱間押出用工具ダイス
JP2015217428A (ja) 非磁性保持環の冷間拡環加工方法及び拡環加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6580935

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees