JP5659530B2 - 圧延ロールおよび圧延ロールの再利用方法 - Google Patents

圧延ロールおよび圧延ロールの再利用方法 Download PDF

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Description

本発明は、外周に圧延部が形成された圧延ロール、およびそのような圧延ロールの再利用方法に関するものである。
圧延機のシャフトに取り付けられて回転させられて、その外周に形成された圧延部(カリバー)により、例えば鉄筋等の異形棒鋼の圧延加工を行うような圧延ロールとしては、高硬度の超硬合金により一体に形成されて、テーパスリーブを介して上記シャフトに圧入される超硬ソリッドロールが従来より知られている。
ところが、このような超硬ソリッドロールは、高硬度である反面、靱性が低く、圧延を行う外周部に一旦クラックが発生すると内周部にまで進展して割損に至るという問題がある。また、圧延に使用されるのは外周の圧延部だけであって、圧延部が摩耗したときには研磨を施して再利用するものの限度があり、圧延部が廃却径に達すると高価な超硬合金を大部分残したまま廃棄せざるを得ないという問題もある。
そこで、例えば特許文献1〜3には、靱性に優れる鋼材よりなる内層材の外周に、超硬合金からなる外層材を、外層表面に円周方向の圧縮残留応力を付与したり、金属層を介したり、外層材の内側に中間層を設けたりして、焼結と同時に拡散接合したものが提案されている。
特開平10−005823号公報 特開2001−047110号公報 特開2001−047111号公報
しかしながら、このように内層材が鋼材、外層材が超硬合金により形成された圧延ロールでは、これら鋼材と超硬合金との熱膨張係数の差により、熱間圧延の場合に外層材に引っ張り応力が作用することが避けられず、たとえ外層表面に圧縮残留応力を付与したり、内外層材間に金属層や中間層を設けたりしても、靱性が乏しい超硬合金製の外層材にクラックが発生するおそれを払拭することはできない。
また、これら特許文献1〜3に記載されているように、外層材となる超硬合金を、その焼結と同時に内層材の外周に拡散接合したものでは、内層材を外層材から取り外すことは困難であり、硬度が低い内層材に摩耗が生じたりすると、たとえ外層材の圧延部が使用可能であっても廃棄せざるを得なくなる。さらに、圧延部が廃却径に達したときには内層材ごと廃棄せざるを得ず、内層材が外層材より低廉であるとはいえ、十分な有効利用が図られているとは言い難い。
本発明は、このような背景の下になされたもので、外層にクラックが生じてもロール全体が割損するのを防ぐことができるのは勿論、熱間圧延の際に熱膨張係数の差による引っ張り応力によって外層にクラックが発生することもなく、また当該圧延ロールを形成する材料を十分有効に利用することが可能な圧延ロールを提供するとともに、そのような圧延ロールについての有効な再利用方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の圧延ロールは、外周に圧延部を有する外層部の内周に内層部が嵌合されて一体に回転可能とされており、上記外層部と内層部とがともに超硬合金により形成されていることを特徴とする。
このように構成された圧延ロールでは、外層部の内周に内層部が嵌合されており、靱性が低い超硬合金よりなる外層部にクラックが生じても嵌合面で止まって内層部に進展することはなく、外層部を交換することで圧延ロールを復元することができる。これは、たとえ内層部に摩耗が生じたりした場合でも同様であり、内外層部は嵌合させられて一体化しているので、内層部を外層部内周から取り外して交換することで、圧延ロールの復元を図ることができる。
そして、この内層部も外層部と同じ超硬合金により形成されているので、内外層部で熱膨張係数の差は無いか、たとえ超硬合金材種の違いによって差があるにしても極僅かである。従って、熱間圧延においても外層部に引っ張り応力が作用するのを防ぐことができ、これにより外層部のクラックの発生を確実に防止することができる。
ここで、上記外層部と内層部とを締まり嵌めによって嵌合させた場合には、この締まり嵌めの締め代は嵌合径に対して0.01%〜0.03%の範囲とされるのが望ましい。締め代の嵌合径に対する割合が、この範囲を下回るほど小さいと、圧延時に内外層部間でスリップが生じるおそれがある一方、この範囲を上回るほど大きいと、締まり嵌めによって外層部に引っ張り応力が作用してクラックの発生を確実に防止することができなくなるおそれが生じる。ただし、上記超硬ソリッドロールのようにテーパスリーブを介して圧延機のシャフトに取り付けられる場合には、このテーパスリーブによって内層部から外層部に内圧が作用するので、締め代は0であってもよい。
一方、このような圧延ロールの内層部は、初めから当該内層部として所定の外径を有するものを超硬合金により形成して使用しても勿論構わないが、本発明の圧延ロールの再利用方法においては、第1に、廃却径に達した上記超硬ソリッドロールのように超硬合金によって一体に形成された圧延ロールの外周部を除去して外径を小さくし、本発明の圧延ロールの上記内層部として再利用することにより、超硬合金材料の有効利用を図ることができて、効率的かつ経済的である。また、本発明の圧延ロールの再利用方法においては、第2に、本発明の圧延ロールの上記外層部から上記内層部を取り外して他の外層部の内周に嵌合することによっても、超硬合金材料の有効利用を図ることができて、やはり効率的かつ経済的である。
以上説明したように、本発明の圧延ロールによれば、靱性が低い外層部にクラックが生じるのを防ぐことができるとともに、たとえ外層部にクラックが生じたり、あるいは内層部に摩耗が生じたりしても、ロール全体を廃棄せざるを得なくなるのを避けることができて、超硬合金材料の有効利用を図ることができる。また、本発明の圧延ロールの再利用方法によれば、超硬合金材料を有効利用してこのような圧延ロールを効率的かつ経済的に得ることができる。
本発明の圧延ロールの一実施形態を示す断面図である。 図1に示す実施形態を、超硬ソリッドロールを再利用して製造する場合の本発明の圧延ロールの再利用方法の一実施形態を説明する図である。 本発明の実施例を説明するための断面図である。 図3における外層部の拡大断面図である。
図1は、本発明の圧延ロールの一実施形態を示すものである。本実施形態の圧延ロール1は、軸線Oを中心とした概略円筒状あるいは円環状をなしており、その外周には凹溝状の圧延部2が、この圧延ロール1の外周面を軸線O回りに周回するように形成されている。このような圧延ロール1は、一対の圧延ロール1が互いの軸線Oを平行にするとともに、これらの軸線Oに沿った断面において互いの圧延部2を対向させるようにして、その内周部が圧延機のシャフトに取り付けられ、上記軸線O回りに反対方向に回転させられつつ、対向した圧延部2間に加工物を通過させて圧延する。
そして、この圧延ロール1は、外周に上記圧延部2が形成された外層部3と、この外層部3の内周に嵌合させられてその内周部が上記シャフトに取り付けられることにより外層部3と一体に回転させられる内層部4とから構成されており、これら外層部3と内層部4とは、ともにWCを主成分としてCo等のバインダーを含有する超硬合金によって形成されている。ここで、これら外層部3と内層部4を形成する超硬合金は、上記バインダーの成分やWC粒子の粒径などが同じのものであってもよく、異なるものであってもよい。
また、互いに密着する嵌合面となる外層部3の内周面と内層部4の外周面とは、軸線Oを中心とした円筒面とされており、本実施形態ではこれら内外層部3、4は締まり嵌めによって嵌合されている。具体的には、外層部3を加熱して熱膨張させ、または内層部4を冷却して収縮させ、あるいはこれら両方を同時に行い、内外層部3、4を嵌合した後に常温に放置して上記嵌合面を密着させる。
なお、本実施形態では、この締まり嵌めの際の締め代が嵌合径に対して0.01%〜0.03%の範囲とされている。すなわち、常温下における内層部4の外径をD、締まり嵌めして嵌合した状態における上記嵌合面の径(嵌合径)をdとしたとき、(D−d)/dが0.01〜0.03の範囲とされている。ただし、圧延ロール1がテーパスリーブを介して上記シャフトに取り付けられる場合は、このテーパスリーブによって内層部4に内圧が付与されて膨張することにより外層部3の内周面と密着させられて嵌合するので、締め代の嵌合径に対する割合は0.01%未満であってもよく、例えば締め代が0であってもよい。
従って、このように構成された圧延ロール1では、圧延部2が形成された外層部3に、圧延時にこの圧延部2などからクラックが発生しても、互いの嵌合面で止まることになり、内層部4にまで進展することはない。このため、外層部3を交換することで圧延ロール1を復元することができ、超硬合金よりなる内層部4を有効利用することができて、効率的であり、また経済的である。また、逆に内層部4に摩耗が生じたりして使用が不可能となった場合でも、この内層部4だけを交換すればよい。
そして、さらに上記構成の圧延ロール1では、こうしてこれら内外層部3、4がともに超硬合金によって形成されているので、内外層部3、4を形成する超硬合金が同種であれば熱膨張係数の差はなく、また異なる材種であってもその差は極僅かである。このため、たとえ熱間圧延において加工物を圧延する場合でも、内層部4の熱膨張による引っ張り応力が外層部3に作用するのを防ぐことができ、このような引っ張り応力によって外層部3にクラックが生じたりするのを防止することが可能となる。また、圧延ロール1全体が超硬合金によって形成されることになるので、超硬ソリッドロールと同様にロール剛性が高く、特許文献1〜3に記載のものと比べて圧延トルクを高めることができるという利点も得られる。
さらに、本実施形態では、これら内外層部3、4が締まり嵌めによって嵌合させられており、その嵌合径に対する締め代の割合が0.01%〜0.03%の範囲とされている。しかるに、この割合が小さすぎると圧延時に外層部3が内層部4に対してスリップを生じるおそれがあり、また逆にこの割合が大きすぎると、この締まり嵌めによって外層部3に引っ張り応力が作用してクラックの発生を招くおそれが生じるが、本実施形態によれば、締め代を上記範囲とすることにより、後述する実施例で実証するようにこれらスリップやクラックの発生を防止することができるとともに、上述のように内外層部3、4の一方を交換するときでもその着脱を容易とすることができる。
ところで、このような構成の圧延ロール1は、上記内外層部3、4を、予め所定の寸法、形状となるように超硬合金原料の粉末から圧粉体を成形して焼結し、こうして得られた焼結体を仕上げ加工した後に上述のように嵌合させて製造しても勿論構わないが、このうち内層部4については、本発明の圧延ロールの再利用方法の第1の実施形態のように、例えば図2(a)に示すような超硬合金一体ものの超硬ソリッドロール11が、圧延に使用されることによりその圧延部12が摩耗する度に研磨を繰り返されるうちに図2(b)に示すように廃却径となったものを、図2(c)に示すようにその外周を研磨して除去することにより、所定の外径の内層部4として再利用するようにしてもよい。
また、本発明の圧延ロールの再利用方法の第2の実施形態としては、上記実施形態の圧延ロール1を圧延に使用することによって圧延部2が摩耗する度に研磨を繰り返すうちに廃却径に達したときに、外径がこの廃却径に達した外層部3から内層部4を取り外して、新たに製造された新品の他の外層部3の内周に嵌合することにより、内層部4は再利用するようにしてもよい。
これら第1、第2の実施形態の圧延ロールの再利用方法によれば、第1の実施形態では従来は全体が廃棄されていた廃却径の超硬ソリッドロール11の内周部を上記実施形態の圧延ロール1における内層部4として再利用することができ、また第2の実施形態では上記実施形態の圧延ロール1における内層部4を繰り返して新たな圧延ロール1の内層部4として再利用することができ、いずれにおいても超硬合金材料の有効利用を図ることができて、効率的であり、しかも経済的である。
そして、特に上記実施形態の圧延ロール1のように嵌合径に対する締め代の割合を上記範囲としておけば、第2の実施形態の再利用方法のように内層部4を新たな圧延ロール1の内層部4として再利用するときに、圧延時のスリップやクラックの発生は防ぎつつも、新旧の外層部3との着脱が容易となって、一層効率的な圧延ロールの再利用を促すことが可能となる。
以下、実施例を挙げて、上記実施形態の圧延ロールにおいて嵌合径に対する締め代の割合を変化させたときの特性の変化について説明する。本実施例では、上記実施形態の圧延ロールにおいて、外層部の外径が4種のものに対して凹溝状の圧延部の深さ(カリバー深さ)がそれぞれ2種類ずつの合計8種の圧延ロールについて、嵌合径に対する締め代の割合を変化させて所定の範囲の圧延トルクで加工物の圧延加工を行い、圧延後にスリップ、割損の有無、および内外層部の着脱性について調べた。その結果を、実施例ごとに締め代と併せて表に示す。
なお、実施例に用いた圧延ロールは内外層部ともに材種が三菱マテリアル株式会社製GA5315(2010年4月からはGX315に名称変更)よりなる超硬合金によって形成されており、また加工物は材種S45Cの棒鋼材で、800〜1100℃の熱間圧延で圧下率20%となるまで圧延を行った。
また、スリップの有無については圧延後に外層部が内層部に対して周方向にずれているか否かを確認し、割損の有無については圧延後の内外層部の割れ、ひび、クラックの有無を確認して、これらが生じていた場合は、その長さが10mm以下のものを表中に三角印で示した(本実施例ではこれより大きなものは無かった。)。さらに、着脱性については、圧延後に外層部を加熱することで外層部から内層部を取り外すことができたものを丸印で、そうでなかったものを×印で表中に示した。
図3に概略を示す圧延ロール1において、外層部3の外径(図3におけるa寸法)を150mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を75mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の90mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が2mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が4mmとして1条のみ形成した。このときの内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は111mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は19.5mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は10.5mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表1に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、それぞれ490〜980N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表1に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、実施例1と同じく外層部3の外径(図3におけるa寸法)を150mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を75mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の90mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、本実施例2では深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が5mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が10mmとして1条のみ形成した。なお、この実施例2では、内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は99mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は25.5mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は4.5mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表2に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、実施例1と同じくそれぞれ490〜980N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表2に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、外層部3の外径(図3におけるa寸法)を200mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を100mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の120mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が5mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が10mmとして1条のみ形成した。このときの内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は144mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は28.0mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は12.0mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表3に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、それぞれ490〜1960N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表3に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、実施例3と同じく外層部3の外径(図3におけるa寸法)を200mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を100mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の120mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、本実施例4では深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が10mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が20mmとして1条のみ形成した。なお、この実施例4では、内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は130mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は35.0mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は5.0mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表4に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、実施例3と同じくそれぞれ490〜1960N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表4に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、外層部3の外径(図3におけるa寸法)を250mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を150mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の150mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が5mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が10mmとして1条のみ形成した。このときの内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は189mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は30.5mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は19.5mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表5に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、それぞれ1960〜3920N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表5に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、実施例5と同じく外層部3の外径(図3におけるa寸法)を250mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を150mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の150mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、本実施例6では深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が10mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が20mmとして1条のみ形成した。なお、この実施例6では、内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は175mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は37.5mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は12.5mmであった。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表6に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、実施例5と同じくそれぞれ1960〜3920N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表6に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、外層部3の外径(図3におけるa寸法)を300mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を150mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の180mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が10mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が20mmとして1条のみ形成した。このときの内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は220mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は40.0mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は20.0mmとした。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表7に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、それぞれ3920〜5880N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表7に併せて示す。
Figure 0005659530
図3に概略を示す圧延ロール1において、実施例7と同じく外層部3の外径(図3におけるa寸法)を300mm、内外層部3、4の軸線O方向の嵌合長さ(図3におけるb寸法)を150mm、内層部4の内径を外層部3の外径の60%の180mmとして、外層部3の外周に図4に示すような断面半楕円形状の凹溝状の圧延部2を、本実施例8では深さ(カリバー深さ。図4におけるc寸法)が20mm、軸線O方向の幅(図4におけるh寸法)が40mmとして1条のみ形成した。なお、この実施例8では、内外層部3、4の嵌合径(図3におけるe寸法)は190mm、また外層部3の径方向の厚み(図3におけるf寸法)は55.0mm、内層部4の径方向の厚み(図3におけるg寸法)は5.0mmであった。
そして、このような圧延ロールにおいて、次表8に示すように締め代を調整して嵌合径に対する締め代の割合を変化させた圧延ロールにより、実施例7と同じくそれぞれ3920〜5880N・mの圧延トルクで上記条件により圧延加工を行った後、上述のようにスリップ、割損の有無、および着脱性について調べた。この結果を表8に併せて示す。
Figure 0005659530
これら表1〜8の結果より、実施例1〜8のいずれにおいても、締め代が小さくて嵌合径に対する割合が0.01%未満の0.005%とされたものでは、割損は認められず、また着脱性も良好であったが、圧延時に外層部3が内層部4に対してスリップしていたことが確認された。一方、逆に締め代が大きくて嵌合径に対する割合が0.03%を上回る0.04%とされていたものでは、スリップは認められなかったものの、上述のような小さな割損(クラックやひび)が認められ、また内外層部3、4の着脱も容易ではなかった。ただし、外層部3が大きく欠けるような割損には至ってはいない。
これらに対して、締め代の嵌合径に対する割合が0.01%〜0.03%の範囲とされたものでは、圧延後においてスリップや割損は認められず、円滑かつ安定した圧延を行うことができた。また、内外層部3、4の着脱も容易であった。
1 圧延ロール
2 圧延部
3 外層部
4 内層部
O 圧延ロール1の軸線

Claims (4)

  1. 外周に圧延部を有する外層部の内周に内層部が嵌合されて一体に回転可能とされており、上記外層部と内層部とがともに超硬合金により形成されていることを特徴とする圧延ロール。
  2. 上記外層部と内層部とが締まり嵌めによって嵌合させられており、この締まり嵌めの締め代が0.01%〜0.03%の範囲とされていることを特徴とする請求項1に記載の圧延ロール。
  3. 超硬合金によって一体に形成された圧延ロールの外周部を除去して外径を小さくし、請求項1または請求項2に記載の圧延ロールの上記内層部として再利用することを特徴とする圧延ロールの再利用方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の圧延ロールの上記外層部から上記内層部を取り外して他の外層部の内周に嵌合することを特徴とする圧延ロールの再利用方法。
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