JP2020180698A - ロールの製造方法及びロール - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールの上地溶射層及び肉盛溶接層に用いられる材料を大きく限定されることなく、その完成時において上地溶射層の亀裂生成が抑制されたロールを提供する。【解決手段】シェルに端部肉盛溶接層と、厚みが小さい下地肉盛溶接層を形成することにより、シェルの周面上を肉盛溶接層で覆う肉盛溶接工程と、肉盛溶接層の周面上に溶射層を形成する溶射工程と、溶射層にフュージング処理を施すフュージング工程と、フュージング処理された溶射層を冷却する冷却工程と、冷却工程で冷却された溶射層のうち、突出溶射層を削る機械加工工程と、軸方向に延びるスリット部を形成するスリット部形成工程と、機械加工工程及びスリット部形成工程より後に、抜脱防止リングの軸方向の縁部に、シェルと抜脱防止リングとを接合する接合溶接部を形成する接合溶接工程と、を含むことを特徴とするロールの製造方法。【選択図】図11

Description

本発明は、製鉄分野に用いられる軸部、シェル、カラー及び抜脱防止リングを備えたロールに関するものである。
製鉄分野に用いられるロールを製造する時の課題として、(a)フュージング後の冷却時において溶射層に亀裂が発生すること、及び(b)シャフト溶接時の熱がロール周面表層の軸方向両端部に伝わることで熱応力が発生し、これに起因して表層に亀裂が発生することが知られている。課題(a)に対して、鉄系ロールの胴部表面に、Hs50以上の硬さの硬化肉盛溶接層と、フュージング処理された自溶硬化合金溶射層と、が形成された熱延工場巻取機用ロールが提案されている(特許文献1参照)。また、課題(b)に対して、芯材の周りにNi−Cr−Mo系合金からなる合金層が形成されたロールが提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−121464号公報 特開平10−072695号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び2では、ロールにおける亀裂の発生を抑制するために、ロールの表層や肉盛溶接層に特定の材料を用いる必要があり、材料選択の自由度が低いという課題があった。
そこで、本発明は、上記(a)及び(b)の課題を材料選択の自由度を狭めることなく解決することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明の参考例は(1)軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、及びハブを備えたロールの製造方法であって、前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に端部肉盛溶接層を形成するとともに、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に、前記端部肉盛溶接層より厚みが小さい下地肉盛溶接層を形成することにより、前記シェルの周面上を肉盛溶接層で覆う肉盛溶接工程と、前記肉盛溶接層の周面上に溶射層を形成する溶射工程と、前記溶射層にフュージング処理を施すフュージング工程と、前記フュージング処理された前記溶射層を冷却する冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記溶射層のうち、軸方向視において前記端部肉盛溶接層より前記ロールの径方向外側に突出した突出溶射層を削る機械加工工程と、前記シェルの軸方向端部に前記軸方向に延びるスリット部を形成するスリット部形成工程と、少なくとも前記機械加工工程及び前記スリット部形成工程より後に、前記ハブの前記軸方向の縁部に、前記シェルと前記ハブとを接合する接合溶接部を形成する接合溶接工程と、を含むことを特徴とする、ロールの製造方法。
(2)前記スリット部形成工程において、前記軸部周りに環状に前記スリット部を形成することを特徴とする、上記(1)に記載のロールの製造方法。
(3)前記スリット部形成工程において形成される前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接工程において形成される前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1≧D2を満足することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のロールの製造方法。
(4)軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、及びハブを備えたロールであって、前記シェルの前記軸方向の端部に形成された、前記軸方向に延びるスリット部と、前記ハブにおける前記軸方向の縁部に形成されて前記シェルと前記ハブとを接合する接合溶接部と、
前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に形成された端部肉盛溶接層と、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に形成された下地肉盛溶接層と、を備えた肉盛溶接層と、前記下地肉盛溶接層の周面上に形成された上地溶射層と、を有し、前記端部肉盛溶接層は、前記下地肉盛溶接層より厚く形成されていることを特徴とするロール。
(5)前記スリット部は、前記軸部周りに環状に形成されていることを特徴とする、上記(4)に記載のロール。
(6)前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1≧D2を満足することを特徴とする、上記(4)又は(5)に記載のロール。
(7)軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、及びハブを備えたロールの製造方法であって、前記シェルの周面に溶射層を形成する工程と、前記シェルの軸方向端部に前記軸方向に延びるスリット部を形成するスリット部形成工程と、少なくとも前記スリット部形成工程より後に、前記ハブの前記軸方向の縁部に、前記シェルと前記ハブとを接合する接合溶接部を形成する接合溶接工程と、を含むことを特徴とする、ロールの製造方法。
(8)軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、及びハブを備えたロールであって、前記シェルの周面に形成された溶接層と前記シェルの前記軸方向の端部に形成された、前記軸方向に延びるスリット部と、前記ハブにおける前記軸方向の縁部に形成されて前記シェルと前記ハブとを接合する接合溶接部と、を有することを特徴とするロール。
本発明によれば、ロールの上地溶射層及び肉盛溶接層に用いられる材料を大きく限定することなく、上地溶射層の亀裂生成が抑制されたロールを提供できる。
熱延工場の巻取設備の概略図である。 参考例の上ピンチロールの軸方向縦断面図である。 破線で示す図2の領域Aを拡大した拡大図である。 本発明の実施の一態様である上ピンチロールの製造工程を示す工程図である。 肉盛溶接後におけるシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。 溶射及びフュージング処理後に冷却されたシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。 ロール表面を機械加工した後のシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。 スリット部形成後のシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。 接合溶接後のシェル及びハブの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。 変形例の上ピンチロールの軸方向縦断面図である。 本発明の実施形態であるラッパーロールの軸方向縦断面図である。 図11の一部における拡大図である。
本参考例のロールは、熱延工場の巻取設備において用いられる上ピンチロールである。
以下、図面を参照しながら、本発明の参考例について説明する。図1は、当該参考例の上ピンチロールが適用される熱延工場の巻取設備の概略図である。図2は、当該上ピンチロールの軸方向縦断面図である。図3は、破線で示す図2の領域Aを拡大した拡大図である。
熱延工場巻取り設備は、仕上げ圧延機にて定寸に圧延された400〜900℃の高温鋼板Aを巻き取る複数のコイラー103および各コイラー103の前段に位置する上、下ピンチロール1、102を備える。これら複数のコイラー103および上、下ピンチロール1、102は、同一の圧延ラインに設けられる。
上、下ピンチロール1、102は、仕上げ圧延機から搬送される高温鋼板Aを、斜め下方のコイラー103側に方向転換させて該コイラー103に巻き取らせるか、そのまま水平に搬送して下流側のコイラー103に巻き取らせる。上、下ピンチロール1、102は、コイラー103が高温鋼板Aを安定して巻き取れるように鋼板Aに後方への張力を付与する機能も有する。
コイラー103は、高温鋼板Aを巻き取るマンドレル104、およびマンドレル104の周囲に配置されて高温鋼板Aをマンドレル104に押し付ける複数のラッパーロール105を備える。
上ピンチロール1の構成について、詳細に説明する。上ピンチロール1は、軸部2、シェル3及びハブ4を備える。なお、以下の説明において、「軸方向」とは上ピンチロール1の軸方向を意味するものとする。
軸部2とハブ4とは一体として形成されている。シェル3は上ピンチロール1における円筒状の胴部であり、軸方向に延びている。シェル3の軸方向端部には、軸方向に延びるスリット部31が形成されている。スリット部31は、軸部2周りに環状に形成されている。シェル3に内挿されたハブ4の軸方向縁部は、ハッチングで示す接合溶接部41により溶接されており、この接合溶接部41により、シェル3とハブ4とが接合されている。
シェル3の周面における軸方向端部上には端部肉盛溶接層32aが形成されており、シェル3の周面における軸方向端部を除いた周面上には下地肉盛溶接層32bが形成されている。これらの端部肉盛溶接層32a及び下地肉盛溶接層32bは一体的に形成されている。上地溶射層33は、下地肉盛溶接層32bの周面上に形成されている。上地溶射層33は後述するようにフュージング処理されている。
このため、下地肉盛溶接層32bに接する上地溶射層33の界面には、拡散層が形成されている。以下、端部肉盛溶接層32aと下地肉盛溶接層32bとを特に区別する必要がないときは、これらを一体的に肉盛溶接層32と称するものとする。
軸部2とハブ4とが一体として形成されている構造においては、接合溶接部41は、ハブ4の軸方向縁部のうち一方にのみ形成されていることが好ましい。ハブ4の軸方向における両縁部を接合溶接すると、接合溶接時の熱によって、シェル3が過度に変形し、上ピンチロール1として使用できなくなる可能性がある。
また、上述の参考例では、軸部2とハブ4とが一体的に形成されているが、軸部2とハブ4とを別体で構成してもよい。この場合、ハブ4の軸方向における両縁部が溶接されてシェル3とハブ4とが接合された後、軸部2の軸方向端部のうち一方を締まりバメ又は溶接によってハブ4に固定し、他方をすきまバメでハブ4にはめ込むようなロール構造とすることが好ましい。軸部2の両端部を締まりバメ又は溶接によってハブ4に固定すると、接合溶接時の熱によって、シェル3及びハブ4が過度に変形し、上ピンチロール1として使用できなくなる可能性がある。
ここで、参考例の上ピンチロールの製造工程を、図2乃至8を参照しながら、以下に詳細に説明する。図4は参考例の上ピンチロールの製造工程を示す工程図である。図5は、肉盛溶接後におけるシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。
図6は、溶射及びフュージング処理後に冷却されたシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。図7は、ロール表面を機械加工した後のシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。図8は、スリット部形成後のシェルの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。図9は、接合溶接後のシェル及びハブの軸方向端部の拡大断面図であって、上ピンチロールを軸方向に切断した切断面の一部における断面図である。
工程S1において、シェル3の周面上に肉盛溶接を行い、下地肉盛溶接層32bと、下地肉盛溶接層32bよりも厚みが大きい端部肉盛溶接層32aとからなる肉盛溶接層32を形成する(図5参照)。
ここで、端部肉盛溶接層32aと下地肉盛溶接層32bとで、肉盛溶接の回数を変えることにより、厚みが異なる肉盛溶接層32を形成することができる。これにより、凹み変形や曲げ歪みに対する耐久性をシェル3に付与することができる。肉盛溶接層32には、公知の溶接材料を用いることができる。
肉盛溶接層32を形成する際、端部肉盛溶接層32aの厚みを下地肉盛溶接層32bの厚みより大きく形成することで、以下の効果が得られる。第1に「ハブ4の軸方向縁部から上地溶射層33の軸方向端部までの距離D3(図3参照)を、長くすることができる」。これにより、ハブ4の溶接時(接合溶接部41の形成時)(後述する工程S7)に上地溶射層33に加わる熱応力が緩和されて、上地溶射層33の軸方向端部における亀裂の発生が抑制される。第2に「亀裂が発生していない上地溶射層33を生成(残存)することができる」。これについては、詳細を後述する。
工程S2において、肉盛溶接層32の周面上に溶射を行うことで、頂面の高さが揃った溶射層30を形成する(図6参照)。具体的には、溶射粒子を肉盛溶接層32の周面に衝突させることにより、端部肉盛溶接層32a及び下地肉盛溶接層32bの上に溶射層30を形成する。溶射方法は特に限定しないが、例えば、フレーム溶射法、高速フレーム溶射法を用いることができる。溶射粒子の組成は特に限定しないが、例えば、Ni基、Ni−Cr基又はCo基の合金にBとSiを1%から数%程度添加して構成される合金パウダーを用いることができる。
説明の便宜上、溶射層30のうち、軸方向視において端部肉盛溶接層32aより上ピンチロール1の径方向外側に突出した部分を突出溶射層34と称するものとする。つまり、突出溶射層34は、溶射層30のうち図6の点線より上側の部分を意味する。
工程S3において、燃焼バーナなどを用いて、溶射層30を1000[度]以上でフュージング(加熱再溶融)することで、溶射層30中の酸化物を除去すると共に、溶射層30中の気孔を無くして緻密化し、溶射層30における肉盛溶接層32の界面に拡散層(不図示)を形成する。この拡散層(不図示)によって、溶射層30と肉盛溶接層32とを強固に密着させることができる。
工程S4において、溶射層30を冷却する。溶射層30が冷却されると、突出溶射層34の軸方向端部(以下、端部溶射層と称す)34a(図6に網掛けで示す)に亀裂が生じる。すなわち、端部溶射層34aは軸部2に近接しているため、軸部2からより熱が逃げやすくなっている。放熱量が多くなると、冷却時の温度低下が大きくなるため、端部溶射層34aに亀裂が生成される。
工程S5において、機械加工によって突出溶射層34を削る。これにより、亀裂が生じた端部溶射層34aを除去することができる。この結果、下地肉盛溶接層32bの周面上に、亀裂が発生していない上地溶射層33を残存させることができる。
ここで、高温鋼板Aの幅は、シェル3の軸方向における寸法よりも小さく設定されており、端部溶射層34aに対応した箇所を避けた位置に高温鋼板Aが接触するようになっている。したがって、端部溶射層34aを取り除いても、操業上の問題は生じがたい。
工程S6において、シェル3の軸方向端部に軸方向に向かって延びるスリット部31を形成する。スリット部31は、軸方向視において軸部2周りに環状に形成することができる。
工程S7において、ハブ4の軸方向縁部を溶接して、シェル3とハブ4とを接合溶接部41により接合する。これにより、上ピンチロール1が完成する。スリット部31を形成することで、ハブ4の溶接時(接合溶接部41の形成時)に発生する熱応力に起因した上地溶射層33の歪みが吸収される。その結果、上地溶射層33の軸方向端部における亀裂の発生が抑制される。
すなわち、スリット部31が設けられていない場合、接合溶接部41の溶接時に発生する熱応力(引張応力)によって、上地溶射層33の軸方向端部に割れが発生する。参考例の構成によれば、スリット部31をスペースとして接合溶接部41の溶接時における上ピンチロール1の熱変形が許容されるため、上地溶射層33の軸方向端部に過度な負荷が生じて、亀裂が発生することを防止できる。
上述の参考例において、スリット部31の軸方向における深さをD1、接合溶接部41の軸方向における溶接幅をD2とする。溶接幅Dは、接合溶接部41の軸方向における最大長さである。スリット部の深さD1及び接合溶接部41の溶接幅D2は、以下の式(3)を満足することが好ましい。
上述の式(3)を満たすことで、熱応力に起因した上地溶射層33の軸方向端部における割れを抑制することができる。
以上、参考例によれば、端部肉盛溶接層32aを下地肉盛溶接層32bより厚くすることで、(1)ハブ4の溶接時に上地溶射層33に加わる熱応力が緩和されて、上地溶射層33の軸方向端部における亀裂の発生が抑制されることに加え、(2)冷却工程で生じた端部溶射層34aの亀裂を、機械加工によって除去し、亀裂が発生していない上地溶射層33を残存させることができる。また、スリット部31を形成することで、ハブ4の溶接時(接合溶接部41の形成時)に発生する熱応力に起因した上地溶射層33の軸方向端部における亀裂の発生が抑制される。上地溶射層33の材料を限定することなく、亀裂生成を抑制することができる。
上述の参考例では、熱延工場に設置される上ピンチロールについて説明したが、本参考例はこれに限るものではなく、軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、及びハブを備えた製鉄分野で用いられる他のロールにも適用することができる。当該他のロールとして、熱延工場に設置される下ピンチロール、ラッパーロール、ホットランテーブルロール(ランナウトテーブルロール)、スケールブレーカーロール等を用いることができる。また、熱延精整工場に設置されるピンチロール、レベラーロール、デフレクターロール等を用いることができる。また、酸洗工場に設置されるピンチロール、レベラーロール、デフレクターロール、テンションメーターロール、ブラシバックアップロール等を用いることができる。さらに、冷延工場に設置されるテンションメーターロール等を用いることができる。
(変形例)
図10を参照しながら、上ピンチロールの変形例について説明する。図10は本変形例の上ピンチロールの軸方向縦断面図である。上述の参考例と同一の機能を有する要素には、同一符号を付している。上記参考例で説明した上ピンチロール1では、シェル3の表面処理層を肉盛溶接層32及び上地溶射層33により構成したが、本変形例の上ピンチロール1´では表面処理層を溶射層33´のみによって構成している。シェル3及び軸部4を接合溶接部41によって端部溶接する際に、スリット部31により溶射層33´の歪みが吸収される。その結果、溶射層33´における亀裂の発生を抑制することができる。上記参考例で説明した他の構成は、本変形例にも適用することができる。
(実施形態)
図11及び図12を参照しながら、本願発明の実施形態であるラッパーロール500について説明する。図11は、ラッパーロールを軸方向に切断した概略断面図である。図12は、図11の一部における拡大断面図である。本実施形態のラッパーロール500は、上述の参考例におけるラッパーロール105とは構造が異なる。この構造が異なるラッパーロール500に対して、本願発明を適用することができる。
ラッパーロール500は、軸部200、シェル203、カラー204及び抜脱防止リング205を備える。なお、以下の説明において、「軸方向」とはラッパーロールの軸方向を意味するものとする。
軸部200は、第一軸部221、第二軸部221、軸ネック部223及び第三軸部224から構成されている。第一軸部221と第二軸部221とは軸方向において連設されており、第二軸部221は第一軸部221よりも径寸法が大きく設定されている。第二軸部221と第三軸部224とは、第二軸部221に向かうにしたがって径が小さくなる軸ネック部223を介して軸方向において連設されている。軸部200には、クロムモリブデン鋼(SCM)、炭素鋼を用いることができる。
シェル203はラッパーロール500における胴部であって、軸部200の軸方向に延びている。また、シェル203は円柱状かつ中実であり、軸方向端部には有底筒状の孔部235が形成されている。シェル203には、クロムモリブデン鋼(SCM)、機械構造用炭素鋼を用いることができる。シェル203の軸方向端部における孔部235を避けた位置には、軸方向に延びるスリット部231が設けられている。スリット部231は、軸方向視において軸部200周りに環状に形成されている。
軸部200はシェル203の孔部235に嵌合している。カラー204は、軸部200に嵌合するベアリング(不図示)を位置決めするために、軸方向視において第二軸部221及び軸ネック部223周りに、第二軸部221、軸ネック部223及び第三軸部224にまたがって設けられている。
抜脱防止リング205は、軸方向においてカラー204を挟んでシェル203と向き合う位置に配置されており、カラー204を介して第三軸部224を軸方向に押圧することで、シェル203から軸部200が抜脱することを防止している。抜脱防止リング205の軸方向縁部は、ハッチングで示す接合溶接部251により溶接されており、シェル203と抜脱防止リング205とが接合されている。
シェル203の周面における軸方向端部上には端部肉盛溶接層232aが形成されており、シェル203の周面における軸方向端部を除いた周面上には下地肉盛溶接層232bが形成されている。これらの端部肉盛溶接層232a及び下地肉盛溶接層232bは一体的に形成されている。上地溶射層233は、下地肉盛溶接層232bの周面上に形成されている。上地溶射層233はフュージング処理されている。このため、下地肉盛溶接層232bに接する上地溶射層233の界面には、拡散層が形成されている。
本実施形態においても、上述の参考例に記載した製造工程にしたがって、ラッパーロール500を製造することができる。
以上説明した実施形態は、以下に示す各発明を実施した場合の一例でもあり、下記の各発明は上記実施形態に様々な変更や改良が加えられて実施されるものである。
(発明1):軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、前記軸部に嵌合する軸受部の嵌合位置を決定するためのカラー、及び前記軸方向において前記カラーを挟んで前記シェルと向き合う位置に配置される抜脱防止リングを備えたロールの製造方法であって、前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に端部肉盛溶接層を形成するとともに、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に、前記端部肉盛溶接層より厚みが小さい下地肉盛溶接層を形成することにより、前記シェルの周面上を肉盛溶接層で覆う肉盛溶接工程と、前記肉盛溶接層の周面上に溶射層を形成する溶射工程と、前記溶射層にフュージング処理を施すフュージング工程と、前記フュージング処理された前記溶射層を冷却する冷却工程と、前記冷却工程で冷却された前記溶射層のうち、軸方向視において前記端部肉盛溶接層より前記ロールの径方向外側に突出した突出溶射層を削る機械加工工程と、前記ロールの軸方向端部から前記軸方向に延びるスリット部を形成するスリット部形成工程と、
前記機械加工工程及び前記スリット部形成工程より後に、前記抜脱防止リングの前記軸方向の縁部に、前記シェルと前記抜脱防止リングとを接合する接合溶接部を形成する接合溶接工程と、を含むことを特徴とするロールの製造方法。
(発明2):前記スリット部形成工程において、前記軸部周りに環状に前記スリット部を形成することを特徴とする、上記発明1に記載のロールの製造方法。
(発明3):前記スリット部形成工程において形成される前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接工程において形成される前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1はD2以上であることを特徴とする、発明1又は発明2に記載のロールの製造方法。
(発明4):軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、前記軸部に嵌合する軸受部の嵌合位置を決定するためのカラー、及び前記軸部の軸方向において前記カラーを挟んで前記シェルと向き合う位置に配置される抜脱防止リングを備えたロールであって、前記シェルの前記軸方向の端部に形成された、前記軸方向に延びるスリット部と、前記抜脱防止リングにおける前記軸方向の縁部に形成されて前記シェルと前記抜脱防止リングとを接合する接合溶接部と、前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に形成された端部肉盛溶接層と、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に形成された下地肉盛溶接層と、を備えた肉盛溶接層と、前記下地肉盛溶接層の周面上に形成された上地溶射層と、を有し、前記端部肉盛溶接層は、前記下地肉盛溶接層より厚く形成されていることを特徴とするロール。
(発明5):前記スリット部は、前記軸部周りに環状に形成されていることを特徴とする、発明4に記載のロール。
(発明6):前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1はD2以上であることを特徴とする、発明4又は発明5に記載のロール。
上述の変形例1で説明した形態は、本実施形態にも適用することができる。
1 上ピンチロール 2 軸部 3 シェル 4 ハブ 30 溶射層 31 スリット部 32 肉盛溶接層 32a 端部肉盛溶接層 32b 下地肉盛溶接層 33 上地溶射層 34 突出溶射層 34a 端部溶射層 41 接合溶接部

Claims (6)

  1. 軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、前記軸部に嵌合する軸受部の嵌合位置を決定するためのカラー、及び前記軸方向において前記カラーを挟んで前記シェルと向き合う位置に配置される抜脱防止リングを備えたロールの製造方法であって、
    前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に端部肉盛溶接層を形成するとともに、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に、前記端部肉盛溶接層より厚みが小さい下地肉盛溶接層を形成することにより、前記シェルの周面上を肉盛溶接層で覆う肉盛溶接工程と、
    前記肉盛溶接層の周面上に溶射層を形成する溶射工程と、
    前記溶射層にフュージング処理を施すフュージング工程と、
    前記フュージング処理された前記溶射層を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程で冷却された前記溶射層のうち、軸方向視において前記端部肉盛溶接層より前記ロールの径方向外側に突出した突出溶射層を削る機械加工工程と、
    前記ロールの軸方向端部から前記軸方向に延びるスリット部を形成するスリット部形成工程と、
    前記機械加工工程及び前記スリット部形成工程より後に、前記抜脱防止リングの前記軸方向の縁部に、前記シェルと前記抜脱防止リングとを接合する接合溶接部を形成する接合溶接工程と、
    を含むことを特徴とするロールの製造方法。
  2. 前記スリット部形成工程において、前記軸部周りに環状に前記スリット部を形成することを特徴とする、請求項1に記載のロールの製造方法。
  3. 前記スリット部形成工程において形成される前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接工程において形成される前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1はD2以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロールの製造方法。
  4. 軸部、前記軸部の軸方向に延びるシェル、前記軸部に嵌合する軸受部の嵌合位置を決定するためのカラー、及び前記軸部の軸方向において前記カラーを挟んで前記シェルと向き合う位置に配置される抜脱防止リングを備えたロールであって、
    前記シェルの前記軸方向の端部に形成された、前記軸方向に延びるスリット部と、
    前記抜脱防止リングにおける前記軸方向の縁部に形成されて前記シェルと前記抜脱防止リングとを接合する接合溶接部と、
    前記シェルの周面における前記軸方向の端部上に形成された端部肉盛溶接層と、前記シェルの周面における前記軸方向の端部を除いた周面上に形成された下地肉盛溶接層と、を備えた肉盛溶接層と、
    前記下地肉盛溶接層の周面上に形成された上地溶射層と、を有し、
    前記端部肉盛溶接層は、前記下地肉盛溶接層より厚く形成されていることを特徴とするロール。
  5. 前記スリット部は、前記軸部周りに環状に形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のロール。
  6. 前記スリット部の前記軸方向における深さをD1、前記接合溶接部の前記軸方向における溶接幅をD2としたとき、D1はD2以上であることを特徴とする、請求項4又は5に記載のロール。


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