JP6350153B2 - ダイカスト用スリーブ - Google Patents
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Description
(第1の態様)
図1〜図3は本発明のダイカスト用スリーブの一例を示す。図1及び以下の図において、直線A-Aはスリーブ部材1の中心軸線を示す。ダイカスト用スリーブは、外筒11内に内筒12が焼嵌めされた構造のスリーブ部材1と、外筒11の先端部11aの外面に焼嵌めされた先端リング部材2と、外筒11の後端面11bに複数のボルト31により固定された後端リング部材3と、外筒11の先端部11aに隣接する環状溝部11cに係止され、複数のボルト51により先端リング部材2のフランジ部2aに固定される円環状支持体5とからなる。前記円環状支持体5の固定は、前記円環状支持体5に形成されたボルト挿通孔を通った前記ボルト51を、前記先端リング部材に形成された雌ねじ部に螺合することによって行う。先端リング部材2はダイカストマシンのスプールブッシュ(図示せず)側に固定される。スリーブ部材1はダイカストマシンのプラテン(図示せず)側の保持部材30により支持される。ここで、用語「係止」は、一つの部材が別の部材に接触し、動きを止められる(位置が固定される)ことを意味する。
円環状支持体5を係止する外筒11の環状溝部11cにおいて、先端側の垂直壁面111aの高さHは、円環状支持体5と螺合する先端リング部材2を強固に固定するために、3 mm以上であるのが好ましい。垂直壁面111aの高さHが3 mm未満であると、円環状支持体5と環状溝部11cの垂直壁面111aとの接触面積が不十分であり、先端リング部材2の強固な固定を確保できない。垂直壁面111aの高さHの上限は特に限定されないが、ダイカストマシンに適合し得る程度のスリーブ部材1の外径を維持するために10 mm以下が好ましい。
外筒11の先端部11aに焼嵌めされる先端リング部材2は、ダイカストマシンとスリーブ部材1とを連結し、アルミニウム等の溶湯が通過するので、高強度であるとともに優れた耐熱性及び耐摩耗性を有する金属である必要がある。さらに前記金属としては、焼嵌めで高い締め付け力を確保するため、外筒11を形成する金属より大きな熱膨張係数のものを用いる。具体的には、先端リング部材2はSKD61のような熱間金型用鋼からなるのが好ましい。SKD61の平均熱膨張係数は、20℃〜300℃では11.7×10-6/℃であり、20℃〜600℃では12.8×10-6/℃である。一般に、先端リング部材2の平均熱膨張係数は、20℃〜300℃では11×10-6/℃〜18×10-6/℃であるのが好ましい。
外筒11の環状溝部11cに係止される円環状支持体5は、ドーナツ状金属部材(ドーナツ体)を分割してなる複数のドーナツ片からなるのが好ましい。図5に示す例では、円環状支持体5は2つのドーナツ片5a,5bからなる。環状溝部11cに半径方向に装着可能である限り、ドーナツ片5a,5bは同じ大きさでも異なる大きさでも良い。先端リング部材2との螺着を確実に行うために、各ドーナツ片5a,5bに複数のボルト挿通孔55を有するのが好ましい。ここで、用語「螺着」は「螺合」と同じ意味で、複数の部材をネジにより固定することを意味する。ボルト挿通孔55は、内面に雌ねじが形成されておらず、かつボルト51の軸径より僅かに大きな内径を有するのが好ましい。前記先端リング部材2のフランジ部2aには、ドーナツ片5a,5bに形成された各ボルト挿通孔55に対応する位置に、ボルト51を螺合させるための雌ねじ部26が形成されている。
先端リング部材2と円環状支持体5とを強固に固定するボルト51は、十分に高い引張強度を有するとともに、約300℃までの温度範囲において円環状支持体5との20℃〜300℃における平均熱膨張係数の差が6×10-6/℃以内であることが必要である。そのため、ボルト51をSUS304、SUSXM7又はクロムモリブデン鋼により形成するのが好ましい。クロムモリブデン鋼の平均熱膨張係数は20℃〜300℃では11.9×10-6/℃である。ボルト51と円環状支持体5とに前記熱膨張係数の差がないと、熱膨張によるボルト51の締結力の低下がないので好ましい。円環状支持体5とボルト51との熱膨張係数の差は6×10-6/℃以内であるのが好ましく、3×10-6/℃以内であるのがより好ましく、1×10-6/℃以内であるのがさらに好ましく、同じであるのが最も好ましい。ボルト51は、これらの他にSCM440、S45C等によっても形成することができる。円環状支持体5をSUS304で形成した場合は、ボルト51はSUS304で形成するのが好ましく、円環状支持体5をSKD61で形成した場合は、ボルト51はSUS304、SCM440、SCM435、S45Cで形成するのが好ましい。SCM435の平均熱膨張係数は20℃〜300℃では11.9×10-6/℃であり、S45Cの平均熱膨張係数は20℃〜300℃では13.5×10-6/℃である。
第1の態様は、円環状支持体5と先端リング部材2との固定を、円環状支持体5に形成されたボルト挿通孔を通ったボルト51を、先端リング部材2に形成された雌ねじ部に螺合することによって行う例である。これに対して、第2の態様は、円環状支持体5と先端リング部材2との固定を、先端リング部材2に形成されたボルト挿通孔を通ったボルト51を、円環状支持体5に形成された雌ねじ部に螺合することによって行う以外は第1の態様と同様である。従って、第1の態様と異なる点についてのみ以下に説明する。
第3の態様は、円環状支持体5と先端リング部材2との固定を、円環状支持体5及び先端リング部材2に形成されたボルト挿通孔を通ったボルト61を、ナット62に螺合することによって行う以外は第1の態様と同様である。従って、第1の態様と異なる点についてのみ以下に説明する。
本発明のダイカスト用スリーブの製造方法の一例を以下詳細に説明するが、勿論他の方法でも製造可能である。なおこの例では、本発明のダイカスト用スリーブの第1の態様について述べるが、第2の態様及び第3の態様についても同様にして製造することができる。
11・・・外筒
11a・・・先端部
11b・・・後端面
11c・・・環状溝部
11d・・・開口部
12・・・内筒
12a・・・開口部
2・・・先端リング部材
2a・・・フランジ部
2b・・・冷却路
2c・・・溝部
2d・・・カバー部材
2e・・・流路
21・・・ボルト
25・・・ボルト挿通孔
25a・・・拡径部
26・・・雌ねじ部
3・・・後端リング部材
31・・・ボルト
5・・・円環状支持体
5a,5b・・・ドーナツ片
51・・・ボルト
53a・・・第1の円環状支持体
53b・・・第2の円環状支持体
55・・・ボルト挿通孔
55a・・・拡径部
56・・・雌ねじ部
61・・・ボルト
62・・・ナット
7・・・溶湯の供給口
110・・・外筒
110a・・・フランジ部
Claims (14)
- (a) 金属製の外筒内にセラミックス製の内筒を焼嵌めしてなるとともに、溶湯の供給口を有するスリーブ部材と、(b) 前記スリーブ部材の先端部の外面に焼嵌めされた先端リング部材と、(c) 前記先端リング部材の前記スリーブ部材への固定を強化するために、前記外筒に軸線方向に移動しないように係止された状態で前記先端リング部材に複数のボルトにより螺着された円環状支持体とを具備するダイカスト用スリーブであって、
前記先端リング部材は、前記先端リング部材、前記円環状支持体及び前記ボルトをダイカスティング中に冷却できるような冷却手段を有しており、
(1)前記ボルトが、前記円環状支持体に形成されたボルト挿通孔を通り、前記先端リング部材に形成された雌ねじ部に螺合、
(2)前記ボルトが、前記先端リング部材に形成されたボルト挿通孔を通り、前記円環状支持体に形成された雌ねじ部に螺合、又は
(3)前記ボルトが、前記円環状支持体及び前記先端リング部材に形成されたボルト挿通孔を通り、ナットに螺合し、
ダイカスティング中の前記スリーブの温度範囲において、前記先端リング部材が前記外筒より大きな熱膨張係数を有するとともに、前記ボルト挿通孔が形成された前記円環状支持体及び/又は前記先端リング部材と前記ボルトとの20℃〜300℃における平均熱膨張係数の差が6×10-6/℃以内であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。 - 請求項1に記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記ボルト挿通孔が形成された前記円環状支持体及び/又は前記先端リング部材と前記ボルトとの20℃〜300℃における平均熱膨張係数の差が3×10-6/℃以内であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1又は2に記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記冷却手段は、前記先端リング部材、前記円環状支持体及び前記ボルトをダイカスティング中に100℃以下に冷却できることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記外筒は前記円環状支持体が嵌入する環状溝部を有することを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項4に記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記円環状支持体がドーナツ体を複数に分割した形状の複数のドーナツ片からなり、各ドーナツ片が複数のボルト挿通孔を有することを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項4又は5に記載のダイカスト用スリーブにおいて、少なくとも一つのドーナツ片に、前記先端リング部材を冷却するための冷媒を通すパイプが通る孔又は切欠き部が設けられていることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項4又は5に記載のダイカスト用スリーブにおいて、隣接するドーナツ片の間に前記先端リング部材を冷却するための冷媒を通すパイプが通る隙間が設けられていることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記外筒を形成する金属の平均熱膨張係数が20℃〜300℃において1×10-6/℃〜5×10-6/℃であり、20℃〜600℃において5×10-6/℃以上であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項8に記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記外筒を形成する金属の20℃から500℃までの引張強さが590 MPa以上であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記外筒を形成する金属が、Fe-Ni-Co系合金に一種以上の析出強化元素を添加したものであることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記内筒を形成するセラミックスが窒化珪素質焼結体であることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜11のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記先端リング部材、前記円環状支持体及び前記ボルトの熱膨張係数が前記外筒の熱膨張係数より大きいことを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜12のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記先端リング部材及び前記円環状支持体が20℃〜300℃において11×10-6/℃〜18×10-6/℃の平均熱膨張係数を有する鋼材からなることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のダイカスト用スリーブにおいて、前記ボルトが20℃〜300℃において11×10-6/℃〜18×10-6/℃の平均熱膨張係数を有する鋼材からなることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
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