JP6493789B2 - ダイカスト用スリーブ - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム合金等の非鉄金属の溶湯をダイカスト金型に射出するためのダイカスト用スリーブに関する。
ダイカストマシンでは、合金鋼製のスリーブに溶融金属(溶湯)を溶湯の供給口から供給し、スリーブ内を摺動するプランジャチップによりスリーブと連通する金型キャビティに溶湯を射出し、溶湯を冷却固化させて製品を製造する。このため、スリーブの内面には、溶湯により溶損が生じたり、プランジャチップの摺動により摩耗が生じたりする。スリーブの内面が溶損や摩耗により損傷すると、スリーブとプランジャチップとの間に溶湯が侵入してスリーブの摺動抵抗が増大し、射出速度が低下するため製品品質が低下する。スリーブとプランジャチップとの摺動抵抗を低減したり焼付きを防止したりするために多量の潤滑剤を使用すると、溶湯へのガス巻込み等の不純物混入が起こり易くなり、製品品質の低下を招く。このような問題に対応するため、金属材料からなるスリーブ外筒内にセラミックス材料からなるスリーブ内筒を焼嵌めしたダイカスト用スリーブが提案されている。
本出願人は、特許文献1(特開2002-192320号公報)において、外筒の内面に内筒を嵌着したダイカスト用スリーブにおいて、溶融金属と接触する内筒を射出口側にある先端部材と該先端部材の後方にある後方部材とに分けて構成し、先端部材を金属材料、後方部材をセラミックス材料で形成したことを特徴とするダイカスト用スリーブを開示している。このスリーブは、内筒の先端部材は使用中の機械的衝撃に対して耐久性に優れる金属あるいは金属とセラミックスの複合材料で形成し、後方部材は溶融金属が供給される給湯口の直下の領域に配置されるため耐溶損性に優れるセラミックス材料で形成したものである。本発明によれば、先端部材もしくは後方部材が損傷した場合、損傷した部材のみを新しい部材に交換できるので製作コストが低減できる。また従来のように内筒をセラミックス一体で構成するより製作費用が削減できる。
しかしながら、特許文献1に係るダイカスト用スリーブは、ダイカスティング中にスリーブ全体の温度が冷却能力を超えて上昇すると、先端部材と後方部材との間に隙間が生じるおそれがある。先端部材と後方部材との間の隙間に侵入した溶融金属(たとえばアルミニウム)はプランジャチップに付着し、スリーブの内周面を荒らすため、射出が不安定になるという問題があった。
特開2002-192320号公報
従って、本発明の目的は、スリーブの内周部分の先端側を金属で形成し、溶融金属が供給される給湯口の直下の領域をセラミックスで形成したダイカスト用スリーブであって、ダイカスティングを繰り返しても両者の間に隙間が生じることを抑制したダイカスト用スリーブを提供することである。
本発明のダイカスト用スリーブは、
金属製の外筒内にセラミックス製の内筒を設けてなる後部スリーブと、前記後部スリーブの一方の端部に固定された金属製の前部スリーブとを備えるダイカスト用スリーブであって、
前記外筒の一方の端部の内周面に内周嵌合面とメネジ部とを有し、
前記前部スリーブの一方の端部の外周面に、前記内周嵌合面と嵌合する外周嵌合面と前記メネジ部に螺合するオネジ部とを有し、
前記前部スリーブは、前記外筒の前記内周嵌合面と前記前部スリーブの前記外周嵌合面とが嵌合されるとともに、前記外筒の前記メネジ部と前記前部スリーブの前記オネジ部とが螺合されることによって前記後部スリーブに固定されていることを特徴とする。
本発明のダイカスト用スリーブの態様は、
前記外筒には、前記一方の端部先端から順にメネジ部及び内周嵌合面を有し、
前記前部スリーブには、前記メネジ部及び前記内周嵌合面に対応する位置に、それぞれオネジ部及び外周嵌合面を有する。
ダイカスティング中の前記ダイカスト用スリーブの温度範囲において、前記前部スリーブは前記外筒より大きな平均熱膨張係数を有するのが好ましい。
本発明のダイカスト用スリーブは、スリーブの内周部分の先端側を金属で形成し、溶融金属が供給される給湯口の直下の領域をセラミックスで形成したダイカスト用スリーブであって、ダイカスティング中に高温(例えば、200℃程度)となった場合であっても、両者の間に隙間が生じることが抑制され、もって隙間に溶湯が入ることによる不具合を回避することができる。
本発明のダイカスト用スリーブの態様を示す断面図である。 図1に係るダイカスト用スリーブのA-A断面を示す断面図である。 図1に係るダイカスト用スリーブの後部スリーブ近傍を示す一部上面図である。
本発明の実施形態を添付図面を参照して以下詳細に説明するが、本発明は勿論それに限定されるものではない。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ダイカスト用スリーブにおいて、後部スリーブと前部スリーブとを嵌め合わせるとともに、後部スリーブに設けられたメネジ部と前部スリーブに設けられたオネジ部とによって螺合させると、ダイカスティング中にダイカスト用スリーブが昇温しても前部スリーブの後部スリーブへの固定が緩まず、もって後部スリーブと前部スリーブとの間に隙間が生じるのを抑制できることを発見し、本発明に想到した。
[1] ダイカスト用スリーブの構造
図1〜図3は本発明のダイカスト用スリーブの一例を示す。ダイカスト用スリーブは、外筒11内に内筒12が嵌合された構造の後部スリーブ1と、外筒11の一方の端部11aに固定された金属製の前部スリーブ2と、外筒11の後端面に複数のボルト31により固定された後端リング部材3とからなる。前記外筒11の一方の端部11aの内周面には内周嵌合面11cとメネジ部11dとが設けられており、前記前部スリーブ2の一方の端部2a(後端側の端部に相当)の外周面には前記内周嵌合面11cと嵌合する外周嵌合面2cと前記メネジ部11dに螺合するオネジ部2dとを有し、前記前部スリーブ2は、前記外筒11の前記内周嵌合面11cと前記前部スリーブ2の前記外周嵌合面2cとが嵌合されるとともに、前記外筒11の前記メネジ部11dと前記前部スリーブ2の前記オネジ部2dとが螺合されることによって前記後部スリーブ1に固定されている。
さらに、図1に示すように、外筒11の外周面において 外筒11の一方の端部11a(先端側の端部に相当)から前部スリーブ2の一方の端部2aに達するようにボルト用孔11iを形成し、ボルト用孔11iにボルトを螺合してもよい。
前記外筒11の前記内周嵌合面11cと前記前部スリーブ2の前記外周嵌合面2cとの嵌合は、隙間嵌め又は焼嵌めで行うが、隙間嵌めが好ましい。本発明のダイカスト用スリーブによれば、ダイカスティング中に高温(例えば、200℃程度)となり隙間嵌め又は焼嵌めによる締結力が変化したとしても、前部スリーブと後部スリーブが螺合及び嵌合により固定されているため、後部スリーブと前部スリーブとの間に隙間が生じることが抑制され、もって隙間に溶湯が入ることによる不具合を回避することができる。
金属製の前部スリーブ2の外周面の中央には鍔状凸部11jを有する。前記鍔状凸部11jより前の部分はダイカストマシンのスプールブッシュ(図示せず)側に固定される。前部スリーブ2のうち鍔状凸部11jより後ろの部分及び後部スリーブ1はダイカストマシンのプラテン(図示せず)側の保持部材により支持される。鍔状凸部11jの外周には溝11kを設けてもよい。
金属製の前部スリーブ2は、後部スリーブ1に比べると、軸方向の寸法が大きく、溶融金属を保持或いは射出する為の内周の空間が確保されている。溶融金属が供給される給湯口の直下の領域のみをセラミックスで形成しているため、従来のように内筒をセラミックス一体で構成するより製作費用を削減できる。また、従来の合金鋼で一体的に形成されたスリーブに比べて、いわゆるバナナ曲り(スリーブの下部が上部より加熱され、下部と上部との間で温度が生じ、この温度差に起因してスリーブが下方に凸状に反る現象)を抑制する効果がある。後部スリーブ1中のセラミックス製の内筒12が、溶湯の供給口7から注がれた溶湯を受けるので、金属を主体としてダイカスト用スリーブを構成しながら、耐溶損性に優れ、合金鋼で一体的に形成されたスリーブに比べて保温性に優れる。
図2は、図1に係るダイカスト用スリーブのA-A断面を示す。図1及び図2に示すように、冷却手段として冷媒(水など)を流すための冷却路21を設ける方法が好ましい。前記冷却路21は、前部スリーブ2の外周面に形成した環状の溝部22をリング状のカバー部材23で覆うことによって形成することができる。前記冷却路21に、カバー部材23に設けられた流路24から冷媒を供給し、前部スリーブ2を冷却する。前記流路24には、冷媒の供給排出用パイプが接続される(図示せず。)。
図3は、一部上面図であり、図1に係るダイカスト用スリーブの後部スリーブ近傍を示す。外筒11の上面に開口する溶湯の供給口7内には、内筒12の内周面が見える。後端リング部材3の上面には潤滑剤供給孔32が形成されており、内筒12の内周面12n、前部スリーブ2の最内周面2n及びプランジャーチップ(図示を省略)に潤滑剤を供給する際に用いる。
図1について更に説明する。後部スリーブ1の外筒11には、その一方の端部11aの内周面に端面11g側から順にメネジ部11d及び内周嵌合面11cが隣接して設けられており、一方で前部スリーブ2には、前記メネジ部11d及び内周嵌合面11cに対応する位置に、それぞれオネジ部2d及び外周嵌合面2cが設けられている。後部スリーブ1の外筒11に前部スリーブ2を固定した状態では、前部スリーブ2は、外筒11の内周嵌合面11cと前部スリーブ2の外周嵌合面2cとが嵌合部で嵌合されるとともに、外筒11のメネジ部11dと前部スリーブ2のオネジ部2dとが螺合部で螺合されることによって後部スリーブ1に強固に固定されている。
外筒11の内周嵌合面11cが前部スリーブ2の外周嵌合面2cに隙間嵌めで嵌合する場合には、外筒11と前部スリーブ2の熱膨張差を考慮して、ダイカスティング中に内周嵌合面11c、外周嵌合面2cが、略密着するように設計するのが好ましい。例えば、前部スリーブ2の外周嵌合面2cの外径D2cは、外筒11の内周嵌合面11cの内径d11cよりも小さく設計する(ダイカスティング中には温度が高くなり、前記外周嵌合面2cと前記内周嵌合面11cが強く嵌め合う)。隙間嵌めの隙間寸法は、孔の内径と、JIS B 0401-2(軸はf7、孔はF7)に規定された数値表とによって決定される。前部スリーブ2の外周嵌合面2cの外径D2cは、前記軸(f7)の外径に相当する。後部スリーブ1で外筒11の内周嵌合面11cの内径d11cは、前記孔(F7)の内径に相当する。
外筒11の内周嵌合面11cが前部スリーブ2の外周嵌合面2cに焼嵌めで嵌合される場合には前部スリーブ2の外周嵌合面2cの外径D2cは、外筒11の内周嵌合面11cの内径d11cよりも大きく設計する。外周嵌合面2cの外径D2cは、内周嵌合面11cの内径d11cよりも大きく設計して、焼嵌め率を0.1/1000〜0.2/1000とするのが好ましい。焼嵌め率は(D2c−d11c)/d11cで表わされる。
外筒11のメネジ部11dの内径(メネジ部11dの山部の直径)d11dは、外筒11の内周嵌合面11cを前部スリーブ2の外周嵌合面2cに嵌合させるときに、前部スリーブ2の外周嵌合面2cが前記メネジ部11dのねじ山に干渉しないようにするため、前記外周嵌合面2cの外径D2cよりも大きく設計する。前記メネジ部11dの内径d11dは、前記外周嵌合面2cの内径D2cよりも1〜3 mm大きく設計するのが好ましい。
前部スリーブ2のオネジ部2d及び外筒11のメネジ部11dの形状、寸法及びピッチは、メートルネジの規格に準じたもの(特に細目)であるのが好ましい。具体的には、M80〜M195、ピッチ2〜6 mmとすることができる。
前記メネジ部11dと前記オネジ部2dとの螺合部の軸方向長さL1と、前記内周嵌合面11cと前記外周嵌合面2cとの嵌合部の軸方向長さL2とは、例えば、式:50 mm≦L1+L2≦250 mmを満たす長さにすることができる。さらに、50 mm≦L1+L2≦250 mm 及び、L1>L2を満たす条件で、例えばL1は40〜200 mmの範囲内の数値、L2は10〜120 mmの範囲内の数値を組み合わせることができる。
後部スリーブ1の外筒11に前部スリーブ2を固定したとき、内筒12の端面12eは、外筒11のオネジ部11dと前部スリーブ2のメネジ部2dとが螺合部で螺合されることによって、前部スリーブ2の内側の当接面2eに当接する。前部スリーブ2の軸方向メネジ部2d側の端面2gと、外筒11のメネジ部11d側の端面11gとの間にはギャップGが形成される。例えば、前記ギャップGは0.5〜5 mmであるのが好ましく、1 mm程度であるのが最も好ましい。
(1) 後部スリーブ
後部スリーブは、金属製の外筒11内にセラミックス製の内筒12を焼嵌めしてなるのが好ましい。外筒11を形成する金属は、20℃から300℃までの平均熱膨張係数が1×10-6/℃〜5×10-6/℃であり、20℃から600℃までの平均熱膨張係数が5×10-6/℃以上である、いわゆる高強度低熱膨張性金属であるのが好ましい。このような金属の一例は、Fe-Ni-Co系合金に1種以上の析出強化元素を添加したものであり、析出強化元素としてはAl、Ti、Nb等が挙げられる。このような金属の好ましい組成例は、Ni:30〜35質量%、Co:12〜17質量%、Al:0.5〜1.5質量%、Ti:1.5〜3質量%、残部Feである。Al及びTiは析出強化元素として作用する。
内筒12を形成するセラミックスとしては、耐溶損性、耐摩耗性、耐熱性、溶湯保温性及び耐焼付き性に優れた窒化珪素又はサイアロン等の窒化珪素質焼結体が好ましい。前記窒化珪素質焼結体の組織は、窒化珪素粒子又はサイアロン粒子と、希土類元素を含む粒界相により構成されている。例えば20℃から600℃までの窒化珪素の平均熱膨張係数は、約3×10-6/℃である。
550〜600℃の焼嵌め温度において、金属からなる外筒11と窒化珪素からなる内筒12の平均熱膨張係数の差が大きいので、焼嵌め作業を容易に行うことができる。また、後部スリーブ1内にアルミニウム溶湯を注入した場合、外筒11は通常約300℃(最高でも約350℃)まで加熱されるが、その温度範囲では金属と窒化珪素との平均熱膨張係数の差が小さいので、外筒11と内筒12との間に円周方向及び径方向のずれが発生しない。
外筒11を形成する金属は、20℃から500℃までの引張強さが590 MPa以上であるのが好ましく、690 MPa以上であるのがより好ましい。これにより、後部スリーブ1内に注入された溶湯を射出する際の内部応力に対してセラミックス製の内筒12を十分に保護することができる。また、外筒11は室温で、15%以上(特に20%以上)の伸び、20 W/m・K以下の熱伝導率、及び130 GPa以上のヤング率を有するのが好ましい。
後部スリーブ1は、外筒11が外周に開口部を有し、内筒12が外筒11の開口部と整合する位置に開口部を有する。連通する両開口部は溶湯の供給口7を構成する。外筒11の寸法は、例えば内径65〜150 mm、外径95〜300 mm、軸方向の全長60〜450 mmとすることができる。内筒12の寸法は、例えば内径45〜120 mm、外径65〜150 mm、軸方向の全長60〜450mmとすることができる。前部スリーブ2は、例えば内径45〜120mm、外径95〜300mm、全長170〜850mmとすることができる。
(2) 前部スリーブ
外筒11の一方の端部11aに隙間嵌め又は焼嵌めされる金属製の前部スリーブ2(前部金属筒に相当する)は、高強度及び低熱膨張性の金属からなる後部スリーブ1(外筒11)と連結する。外筒11よりも大きな熱膨張係数を有する金属で前部スリーブ2を形成することができる。例えば、前部スリーブを20℃〜300℃において11×10-6/℃〜18×10-6/℃の平均熱膨張係数を有する鋼材で構成してもよい。そのような鋼材としては、高強度の熱間金型用鋼のSKD61(平均熱膨張係数が、20℃〜300℃では11.7×10-6/℃であり、20℃〜600℃では12.8×10-6/℃である)が挙げられる。必ずしも必要ではないが、ダイカスティング中に前部スリーブ2を冷却することができる冷却手段を有しているのが好ましい。このような冷却手段により、前部スリーブ2と外筒11との嵌合部分の締結力の低下が抑制される。冷却温度は、例えば100℃以下であるのが好ましい。
(実施形態1)
図1〜図3に示す構造のダイカスト用スリーブは、例えば、Ni:32.6質量%、Co:14.9質量%、Al:0.8質量%、及びTi:2.3質量%、残部Fe及び不可避的不純物からなる高強度低熱膨張性金属(20℃から300℃までの平均熱膨張係数:3.6×10-6/℃、20℃から600℃までの平均熱膨張係数:9.5×10-6/℃、20℃の引張強さ1205 MPa及び300℃の引張り強さ940 MPa)製の外筒11(外径135 mm、内径95 mm、長さ345 mm)と、Si3N4:87質量%、Y2O3:6質量%、Al2O3:4質量%、及びAlN:3質量%の組成の原料粉末を焼結してなるサイアロン製の内筒12(外径95 mm、内径75 mm、長さ345 mm)と、SKD61(熱間金型用鋼)製の前部スリーブ2と、SKD61(熱間金型用鋼)製の後端リング部材3で構成する。
外筒11の一方の端部11aの内周には、例えば、メートルネジ規格でM115、ピッチ3 mmのメネジ部11dと内径d11c=110mmの内周嵌合面11cを形成する。前部スリーブ2の一方の端部2aの外周には、メートルネジ規格でM115、ピッチ3 mmのオネジ部2dと、ダイカスティング中に熱膨張してd11cに対して密着する外径D2c’の外周嵌合面2cを形成する。
オネジ部2d及びメネジ部11dからなる螺合部の長さL1=55 mm、外周嵌合面2c及び内周嵌合面11cからなる嵌合部の長さL2=10 mm、端面2g及び端面11g間のギャップG=4 mmとする。なお、前部スリーブの最内周の面2nには、溶湯による侵食を抑制するために、保護膜を被覆することもできる(例えば最内周の面2nを覆う保護膜の表面が、内筒12の内周面12nと一致するようにする)。
部材の組立手順としては、例えば、メネジ部11d及び内周嵌合面11cを加工で形成した外筒11を加熱して(例えば600℃)、常温(例えば20℃)の内筒12を前記外筒12内に挿入する。自然冷却させると、内筒12が外筒12に焼嵌めされて後部スリーブ1となる。ついで常温で、外筒11のオネジ部2dに対して、前部スリーブ2のメネジ部11dを廻しながら螺着させ、外筒11の内周嵌合面11cに前部スリーブ2の外周嵌合面2cが対向するように隙間嵌めする。ついで、外筒11の一方の端部11a(先端側の端部に相当)から前部スリーブ2の一方の端部2aに達するようにメネジのボルト用孔11iを形成し、前記ボルト用孔11iに廻り止めのボルトを締め、ダイカスト用スリーブを得る。ダイカスティングに使用すると、加熱された前部スリーブ2の外周嵌合面2cが外筒11の内周嵌合面11cに密着して嵌め合わされる。
(実施形態2)
図1〜図3に示す構造のダイカスト用スリーブは、実施形態1と同様にして、例えば、外筒11(外径135 mm、内径95 mm、長さ345 mm)と、サイアロン製の内筒12(外径95 mm、内径75 mm、長さ345 mm)と、SKD61(熱間金型用鋼)製の前部スリーブ2と、SKD61(熱間金型用鋼)製の後端リング部材3で構成する。
外筒11の一方の端部11aの内周には、例えば、メートルネジ規格でM115、ピッチ3 mmのメネジ部11dと内径d11c=110mmの内周嵌合面11cを形成する。前部スリーブ2の一方の端部2aの外周には、メートルネジ規格でM115、ピッチ3 mmのオネジ部2dと、d11cに対して焼嵌率=0.1/1000となる外径D2cの外周嵌合面2cを形成する。なお、他の要件は実施形態1と同様にする。
部材の組立手順としては、例えば、メネジ部11d及び内周嵌合面11cを加工で形成した外筒11を加熱して(例えば600℃)、常温(例えば20℃)の内筒12を前記外筒11内に挿入する。温度の低下に伴って内筒12が外筒12に焼嵌めされて後部スリーブ1とする。ついで、外筒11を再加熱して(例えば550℃)、外筒11のオネジ部2dに対して、前部スリーブ2のメネジ部11dを廻しながら螺着させ、外筒11の内周嵌合面11cに前部スリーブ2の外周嵌合面2cが対向するようにする。ついで、外筒12を自然冷却させると、前部スリーブ2の外周嵌合面2cが外筒11の内周嵌合面11cに焼嵌めされ、ダイカスト用スリーブを得る。
これらのダイカスト用スリーブは、例えば、型締力1650トンの横型のダイカストマシンの射出装置に装着しアルミニウム合金のダイカスト成形(成形重量20 kgの自動車用部品の成型)に使用する。
1:後部スリーブ
11:外筒
11a:一方の端部
11c:外周嵌合面
11d:オネジ部
11g:端面
11i:ボルト用孔
11j:鍔状凸部
11k:溝
12:内筒
12e:端面
12n:内周面
2:前部スリーブ
2a:一方の端部
2c:内周嵌合面
2d:メネジ部
2e:当接面
2g:端面
2n:最内周の面
21:冷却路
22:環状の溝部
23:リング状のカバー部材
24:流路
3:後端リング部材
31:ボルト
32:潤滑剤供給孔
7:溶湯の供給口

Claims (3)

  1. 20℃から300℃までの平均熱膨張係数が1×10 -6 /℃〜5×10 -6 /℃である低熱膨張性金属製の外筒内に窒化珪素質セラミックス製の内筒を設けてなる後部スリーブと、前記後部スリーブの一方の端部に固定された20℃〜300℃において11×10 -6 /℃〜18×10 -6 /℃の平均熱膨張係数を有する金属製の前部スリーブとを備えるダイカスト用スリーブであって、
    前記外筒の一方の端部の内周面に内周嵌合面とメネジ部とを有し、
    前記前部スリーブの一方の端部の外周面に、前記内周嵌合面と嵌合する外周嵌合面と前記メネジ部に螺合するオネジ部とを有し、
    前記前部スリーブは、前記外筒の前記内周嵌合面と前記前部スリーブの前記外周嵌合面とが前記外筒の前記内周嵌合面の内径及び前記前部スリーブの前記外周嵌合面の外径がそれぞれJIS B-0401-2のF7、f7に規定された隙間寸法で隙間嵌め嵌合されるとともに、前記外筒の前記メネジ部と前記前部スリーブの前記オネジ部とが螺合されることによって前記後部スリーブに固定されていることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
  2. 20℃から300℃までの平均熱膨張係数が1×10 -6 /℃〜5×10 -6 /℃である低熱膨張性金属製の外筒内に窒化珪素質セラミックス製の内筒を設けてなる後部スリーブと、前記後部スリーブの一方の端部に固定された20℃〜300℃において11×10 -6 /℃〜18×10 -6 /℃の平均熱膨張係数を有する金属製の前部スリーブとを備えるダイカスト用スリーブであって、
    前記外筒の一方の端部の内周面に内周嵌合面とメネジ部とを有し、
    前記前部スリーブの一方の端部の外周面に、前記内周嵌合面と嵌合する外周嵌合面と前記メネジ部に螺合するオネジ部とを有し、
    前記前部スリーブは、前記外筒の前記内周嵌合面と前記前部スリーブの前記外周嵌合面とが焼嵌め率が0.1/1000〜0.2/1000の焼嵌めにより嵌合されるとともに、前記外筒の前記メネジ部と前記前部スリーブの前記オネジ部とが螺合されることによって前記後部スリーブに固定されていることを特徴とするダイカスト用スリーブ。
  3. 請求項1又は2に記載のダイカスト用スリーブにおいて、
    前記外筒には、前記一方の端部先端から順にメネジ部及び内周嵌合面を有し、
    前記前部スリーブには、前記メネジ部及び前記内周嵌合面に対応する位置に、それぞれオネジ部及び外周嵌合面を有し前記メネジ部と前記オネジ部との螺合部の軸方向長さL1と、前記内周嵌合面と前記外周嵌合面との嵌合部の軸方向長さL2とが、
    式1:50 mm≦L1+L2≦250 mm
    式2:L1>L2
    を満たすことを特徴とするダイカスト用スリーブ。
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