JPH0691358A - ダイカストマシン用スリーブ - Google Patents
ダイカストマシン用スリーブInfo
- Publication number
- JPH0691358A JPH0691358A JP6764892A JP6764892A JPH0691358A JP H0691358 A JPH0691358 A JP H0691358A JP 6764892 A JP6764892 A JP 6764892A JP 6764892 A JP6764892 A JP 6764892A JP H0691358 A JPH0691358 A JP H0691358A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sleeve
- cylinder
- outer cylinder
- casting machine
- die casting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐溶損性、耐衝撃性、溶湯保温性及び耐熱変
形性が優れたダイカストマシン用スリーブを提供する。 【構成】 ダイカストマシン用スリーブは、鋼製の外筒
１及び中間筒２並びにチタン又はチタン合金とセラミッ
クスとの複合材料からなる内筒３により構成され、外筒
１の内面には凹部を設けてあり、この凹部と中間筒２と
の間に連続した空間５ａを形成する。更に、この空間５
ａは外筒１に穿設した孔４ａ，４ｂにより外部に通じて
いる。
形性が優れたダイカストマシン用スリーブを提供する。 【構成】 ダイカストマシン用スリーブは、鋼製の外筒
１及び中間筒２並びにチタン又はチタン合金とセラミッ
クスとの複合材料からなる内筒３により構成され、外筒
１の内面には凹部を設けてあり、この凹部と中間筒２と
の間に連続した空間５ａを形成する。更に、この空間５
ａは外筒１に穿設した孔４ａ，４ｂにより外部に通じて
いる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は銅、アルミニウム、亜
鉛、錫及び鉛等の非鉄金属（その合金も含む）の鋳造に
好適のダイカストマシン用スリーブに関する。
鉛、錫及び鉛等の非鉄金属（その合金も含む）の鋳造に
好適のダイカストマシン用スリーブに関する。
【０００２】
【従来の技術】近時、銅、アルミニウム、亜鉛、錫及び
鉛等の非鉄金属を高精度且つ高速度で鋳造できるダイカ
スト技術は、自動車、産業機械及び家電機器等の分野に
おいて各種部品の重要な生産手段となっている。
鉛等の非鉄金属を高精度且つ高速度で鋳造できるダイカ
スト技術は、自動車、産業機械及び家電機器等の分野に
おいて各種部品の重要な生産手段となっている。
【０００３】従来、ダイカストマシン用スリーブ（以
下、スリーブという）には、主にJISSKD61 合金等のダ
イス鋼が使用されている。また、スリーブの長寿命化及
び製造歩留りの向上を図ると共に、鋳造品の大型化に対
応するために、鋼製の外筒の内側にセラミックスからな
る内筒又はチタン若しくはチタン合金とセラミックスと
の複合材料からなる内筒を焼きばめ又は鋳ぐるみにより
設けたスリーブを使用することもある。
下、スリーブという）には、主にJISSKD61 合金等のダ
イス鋼が使用されている。また、スリーブの長寿命化及
び製造歩留りの向上を図ると共に、鋳造品の大型化に対
応するために、鋼製の外筒の内側にセラミックスからな
る内筒又はチタン若しくはチタン合金とセラミックスと
の複合材料からなる内筒を焼きばめ又は鋳ぐるみにより
設けたスリーブを使用することもある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスリーブには以下に示す問題点がある。JIS SK
D61 合金等のダイス鋼からなるスリーブにおいては、一
般的に非鉄金属合金と鉄とは反応しやすいという性質が
あるため、非鉄金属の溶湯がスリーブへ注入される際に
溶湯が最初に当たる部分（以下、湯当たり部という）が
著しく溶損すると共に、スリーブの内壁も溶損及び磨耗
により減少してしまう。従って、スリーブを比較的頻繁
に交換する必要があり、スリーブの寿命が短い。また、
鋼は熱伝導が良好なため、スリーブ内に溶湯が注入され
るときに、溶湯温度が著しく低下してしまう。このとき
の溶湯温度の低下が鋳造品の製造歩留りの低下を招来す
る。
た従来のスリーブには以下に示す問題点がある。JIS SK
D61 合金等のダイス鋼からなるスリーブにおいては、一
般的に非鉄金属合金と鉄とは反応しやすいという性質が
あるため、非鉄金属の溶湯がスリーブへ注入される際に
溶湯が最初に当たる部分（以下、湯当たり部という）が
著しく溶損すると共に、スリーブの内壁も溶損及び磨耗
により減少してしまう。従って、スリーブを比較的頻繁
に交換する必要があり、スリーブの寿命が短い。また、
鋼は熱伝導が良好なため、スリーブ内に溶湯が注入され
るときに、溶湯温度が著しく低下してしまう。このとき
の溶湯温度の低下が鋳造品の製造歩留りの低下を招来す
る。
【０００５】一方、セラミックスからなる内筒を鋼製の
外筒に焼きばめたスリーブは、耐溶損性は優れているも
のの、ダイカストマシンが溶湯を射出する瞬間はスリー
ブに極めて大きな衝撃が加えられるため、本来脆い性質
を有するセラミックスからなる内筒が破壊されてしまう
ことがある。そうすると、作業を中断せざるを得なくな
り、作業性が悪い。
外筒に焼きばめたスリーブは、耐溶損性は優れているも
のの、ダイカストマシンが溶湯を射出する瞬間はスリー
ブに極めて大きな衝撃が加えられるため、本来脆い性質
を有するセラミックスからなる内筒が破壊されてしまう
ことがある。そうすると、作業を中断せざるを得なくな
り、作業性が悪い。
【０００６】また、チタン又はチタン合金とセラミック
スとの複合材料からなる内筒を鋼製の外筒に焼きばめた
スリーブは、耐溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性には優
れており、かなりの長寿命を可能にしているが、複合材
料の熱伝導率が低いために局所的に湯当たり部には溶湯
からの熱が蓄積される。そのまま使用を続けると、湯当
たり部がしだいに熱変形を起こしてスリーブ内径におけ
る湯当たり方向とその垂直方向との直径寸法が異なって
くる。そうすると、スリーブとチップとのクリアランス
が一定でなくなり、その差が大きくなってくると、この
クリアランスが大きくなった部位から鋳造加圧時に溶湯
が逆に吹き出す現象（以下、バックフラッシュという）
が起きてしまう。この場合は、作業を中断せざるを得な
いという問題点がある。
スとの複合材料からなる内筒を鋼製の外筒に焼きばめた
スリーブは、耐溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性には優
れており、かなりの長寿命を可能にしているが、複合材
料の熱伝導率が低いために局所的に湯当たり部には溶湯
からの熱が蓄積される。そのまま使用を続けると、湯当
たり部がしだいに熱変形を起こしてスリーブ内径におけ
る湯当たり方向とその垂直方向との直径寸法が異なって
くる。そうすると、スリーブとチップとのクリアランス
が一定でなくなり、その差が大きくなってくると、この
クリアランスが大きくなった部位から鋳造加圧時に溶湯
が逆に吹き出す現象（以下、バックフラッシュという）
が起きてしまう。この場合は、作業を中断せざるを得な
いという問題点がある。
【０００７】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、耐溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性が優れ
ていると共に、湯当たり部の耐熱変形性も優れており、
長寿命であって作業性が良好なダイカストマシン用スリ
ーブを提供することを目的とする。
のであって、耐溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性が優れ
ていると共に、湯当たり部の耐熱変形性も優れており、
長寿命であって作業性が良好なダイカストマシン用スリ
ーブを提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイカスト
マシン用スリーブは、鋼製の外筒と、この外筒に嵌入さ
れた鋼製の中間筒と、この中間筒に嵌入されチタン又は
チタン合金とセラミックスとの複合材料からなる内筒と
を有し、前記外筒と前記中間筒との間には連続した空間
を有し、且つこの空間は前記外筒に穿設された複数個の
孔により外部に通じていることを特徴とする。
マシン用スリーブは、鋼製の外筒と、この外筒に嵌入さ
れた鋼製の中間筒と、この中間筒に嵌入されチタン又は
チタン合金とセラミックスとの複合材料からなる内筒と
を有し、前記外筒と前記中間筒との間には連続した空間
を有し、且つこの空間は前記外筒に穿設された複数個の
孔により外部に通じていることを特徴とする。
【０００９】
【作用】本発明においては、鋼製の中間筒に嵌入された
内筒がチタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材
料により形成されているため、溶湯に対する耐溶損性、
耐衝撃性及び溶湯保温性が優れている。また、前記外筒
と前記中間筒との間には連続した空間が設けられ、且つ
この空間は前記外筒に穿設された複数個の孔により外部
に通じているため、この孔の一方より、例えば水又はエ
アー等の冷却媒体を前記空間内に導入し、この冷却媒体
を前記空間内で通流させた後、他方の孔から排出させ
て、冷却媒体を供給することができる。これにより、ス
リーブに畜熱される熱を外部に放出することができ、ス
リーブにおける畜熱が緩和されて、スリーブ断面の熱変
形を抑制することができる。従って、本発明に係るダイ
カストマシン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び
耐衝撃性を有すると共に、耐熱変形性も優れている。ま
た、スリーブの交換頻度も低減できて、作業性が向上す
る。
内筒がチタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材
料により形成されているため、溶湯に対する耐溶損性、
耐衝撃性及び溶湯保温性が優れている。また、前記外筒
と前記中間筒との間には連続した空間が設けられ、且つ
この空間は前記外筒に穿設された複数個の孔により外部
に通じているため、この孔の一方より、例えば水又はエ
アー等の冷却媒体を前記空間内に導入し、この冷却媒体
を前記空間内で通流させた後、他方の孔から排出させ
て、冷却媒体を供給することができる。これにより、ス
リーブに畜熱される熱を外部に放出することができ、ス
リーブにおける畜熱が緩和されて、スリーブ断面の熱変
形を抑制することができる。従って、本発明に係るダイ
カストマシン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び
耐衝撃性を有すると共に、耐熱変形性も優れている。ま
た、スリーブの交換頻度も低減できて、作業性が向上す
る。
【００１０】
【実施例】次に本発明の実施例について添付の図面を参
照して説明する。
照して説明する。
【００１１】図１は本発明の第１の実施例に係るダイカ
ストマシン用スリーブを示す断面図である。外筒１は一
方の端部につばが付いた円筒形をなし、この外筒１の内
面に凹部が形成され、この凹部と中間筒２との間には連
続した空間５ａが形成されている。また、外筒１のつば
が付いた端部近傍には外面から内面の空間５ａまで貫通
する孔４ｂが穿設され、他方の端部近傍には同様の孔４
ａが穿設されている。中間筒２は外筒１に挿入できるよ
うな外径を持つ円筒形であり、焼きばめにより外筒１に
嵌入されている。また、内筒３は中間筒２に挿入できる
ような外径を持つ円筒形であり、焼きばめにより中間筒
２に嵌入されている。なお、外筒１及び中間筒２は鋼か
らなり、内筒３はチタン又はチタン合金とセラミックス
との複合材料からなる。
ストマシン用スリーブを示す断面図である。外筒１は一
方の端部につばが付いた円筒形をなし、この外筒１の内
面に凹部が形成され、この凹部と中間筒２との間には連
続した空間５ａが形成されている。また、外筒１のつば
が付いた端部近傍には外面から内面の空間５ａまで貫通
する孔４ｂが穿設され、他方の端部近傍には同様の孔４
ａが穿設されている。中間筒２は外筒１に挿入できるよ
うな外径を持つ円筒形であり、焼きばめにより外筒１に
嵌入されている。また、内筒３は中間筒２に挿入できる
ような外径を持つ円筒形であり、焼きばめにより中間筒
２に嵌入されている。なお、外筒１及び中間筒２は鋼か
らなり、内筒３はチタン又はチタン合金とセラミックス
との複合材料からなる。
【００１２】このように構成されたダイカストマシン用
スリーブにおいては、鋼製の中間筒２に嵌入された内筒
３がチタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料
により形成されているため、非鉄金属の溶湯に対する耐
溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性が優れている。また、
外筒１の内面に形成した凹部と中間筒２との間に連続し
た空間５ａを形成し、この空間５ａは孔４ａ，４ｂによ
り外部に通じているため、このスリーブを金型ブロック
の入子に挿入した後、溶湯を鋳造する際、外筒１の孔４
ａ又は孔４ｂの一方から例えば水又はエアー等の冷却媒
体を流し、他方の孔４ａ又は４ｂから冷却媒体を排出す
るというように空間５ａ内に冷却媒体を通流させること
ができる。これにより、スリーブに畜熱される熱を外部
に放出することができ、湯当たり部における畜熱を緩和
してスリーブ断面の熱変形を抑制することができる。こ
のため、本実施例は、バックフラッシュの発生を防止す
ることができる。従って、本実施例に係るダイカストマ
シン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び耐衝撃性
を有すると共に、耐熱変形性も優れている。また、スリ
ーブの交換頻度も低減でき、作業性が向上する。
スリーブにおいては、鋼製の中間筒２に嵌入された内筒
３がチタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料
により形成されているため、非鉄金属の溶湯に対する耐
溶損性、耐衝撃性及び溶湯保温性が優れている。また、
外筒１の内面に形成した凹部と中間筒２との間に連続し
た空間５ａを形成し、この空間５ａは孔４ａ，４ｂによ
り外部に通じているため、このスリーブを金型ブロック
の入子に挿入した後、溶湯を鋳造する際、外筒１の孔４
ａ又は孔４ｂの一方から例えば水又はエアー等の冷却媒
体を流し、他方の孔４ａ又は４ｂから冷却媒体を排出す
るというように空間５ａ内に冷却媒体を通流させること
ができる。これにより、スリーブに畜熱される熱を外部
に放出することができ、湯当たり部における畜熱を緩和
してスリーブ断面の熱変形を抑制することができる。こ
のため、本実施例は、バックフラッシュの発生を防止す
ることができる。従って、本実施例に係るダイカストマ
シン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び耐衝撃性
を有すると共に、耐熱変形性も優れている。また、スリ
ーブの交換頻度も低減でき、作業性が向上する。
【００１３】次に本実施例のスリーブを実際に製造し、
その性能を調べた結果について説明する。
その性能を調べた結果について説明する。
【００１４】先ず、平均粒径20μｍのチタン粉末を80重
量％とし、平均粒径 5μｍの炭化珪素を15重量％とし、
平均粒径15μｍのニッケル粉末を 5重量％として、これ
らを均一に混合して複合材料の原料とした。この原料を
ゴム型に密封し、加圧力が 3トン／cm2 の条件で冷間静
水圧プレス（ＣＩＰ）加工を実施し、筒状の圧粉体を得
た。次に、この圧粉体を真空度が10-5 Torr 、温度が13
50℃の真空炉中で焼結させた後に、この焼結体を旋盤加
工して、上述の組成の複合材料からなる内筒３を得た。
次いで、この内筒３の外径と略同一の内径を有する鋼製
の中間筒２を製作し、この中間筒２の外径と略同一の内
径を有する鋼製の外筒１の内面に凹部を形成した。ま
た、外筒１のつばが付いた端部近傍には外面から内面の
空間５ａまで貫通する孔４ｂを穿設し、他方の端部近傍
には同様の孔４ａを穿設した。そして、内筒３を中間筒
２に、中間筒２を外筒１に焼きばめすることにより本実
施例に係るスリーブを製作した。また、内面に凹部を形
成していない鋼製の外筒に前述した実施例と同様の組成
の複合材料からなる内筒を焼きばめしたスリーブを比較
例とした。
量％とし、平均粒径 5μｍの炭化珪素を15重量％とし、
平均粒径15μｍのニッケル粉末を 5重量％として、これ
らを均一に混合して複合材料の原料とした。この原料を
ゴム型に密封し、加圧力が 3トン／cm2 の条件で冷間静
水圧プレス（ＣＩＰ）加工を実施し、筒状の圧粉体を得
た。次に、この圧粉体を真空度が10-5 Torr 、温度が13
50℃の真空炉中で焼結させた後に、この焼結体を旋盤加
工して、上述の組成の複合材料からなる内筒３を得た。
次いで、この内筒３の外径と略同一の内径を有する鋼製
の中間筒２を製作し、この中間筒２の外径と略同一の内
径を有する鋼製の外筒１の内面に凹部を形成した。ま
た、外筒１のつばが付いた端部近傍には外面から内面の
空間５ａまで貫通する孔４ｂを穿設し、他方の端部近傍
には同様の孔４ａを穿設した。そして、内筒３を中間筒
２に、中間筒２を外筒１に焼きばめすることにより本実
施例に係るスリーブを製作した。また、内面に凹部を形
成していない鋼製の外筒に前述した実施例と同様の組成
の複合材料からなる内筒を焼きばめしたスリーブを比較
例とした。
【００１５】上述した実施例及び比較例の各スリーブに
対して実用試験を実施して、その特性を調べた。この実
用試験は縦型スクイズキャスティングマシン（能力250
トン）にスリーブを取り付けて実際にアルミニウム合金
（JIS ADC10 ）の溶湯から自動車用エンジンのロッカー
アームを鋳造した。そして、2500回ショット毎にスリー
ブ内径における湯当たり方向とその垂直方向との直径の
差を測定して、10000回ショットまで鋳造を繰り返し、
測定を実施した。
対して実用試験を実施して、その特性を調べた。この実
用試験は縦型スクイズキャスティングマシン（能力250
トン）にスリーブを取り付けて実際にアルミニウム合金
（JIS ADC10 ）の溶湯から自動車用エンジンのロッカー
アームを鋳造した。そして、2500回ショット毎にスリー
ブ内径における湯当たり方向とその垂直方向との直径の
差を測定して、10000回ショットまで鋳造を繰り返し、
測定を実施した。
【００１６】これらの試験結果を下記表１に示す。この
表１から明らかなように本発明の実施例に係るスリーブ
は、10000 回ショットした後にもスリーブの熱変形は極
めて少なくバックフラッシュも発生しなかった。また、
比較例のスリーブは2500回のショットで熱変形が大きく
なりバックフラッシュが発生し、作業が中断した。
表１から明らかなように本発明の実施例に係るスリーブ
は、10000 回ショットした後にもスリーブの熱変形は極
めて少なくバックフラッシュも発生しなかった。また、
比較例のスリーブは2500回のショットで熱変形が大きく
なりバックフラッシュが発生し、作業が中断した。
【００１７】
【表１】
【００１８】図２は本発明の第２の実施例に係るダイカ
ストマシン用スリーブを示す断面図である。外筒１は一
方の端部につばが付いた円筒形をなし、この外筒１のつ
ばが付いた端部近傍には外面から内面まで貫通する孔４
ｂが穿設され、他方の端部近傍には同様の孔４ａが穿設
されている。中間筒２は外筒１に挿入できるような外径
を持つ円筒形であり、焼きばめにより外筒１に嵌入され
ている。また、中間筒２の外面にらせん状の凹部が形成
され、この凹部と外筒１との間には連続した空間５ｂが
形成されている。このらせん状の空間５ｂの一方の端部
に前記孔４ａが配置され、他方の端部に前記孔４ｂが配
置され、空間５ｂは前記孔４ａ，４ｂにより外部に通じ
ている。内筒３は中間筒２に挿入できるような外径を持
つ円筒形であり、焼きばめにより中間筒２に嵌入されて
いる。なお、第１の実施例と同様に外筒１及び中間筒２
は鋼からなり、内筒３はチタン又はチタン合金とセラミ
ックスとの複合材料からなる。
ストマシン用スリーブを示す断面図である。外筒１は一
方の端部につばが付いた円筒形をなし、この外筒１のつ
ばが付いた端部近傍には外面から内面まで貫通する孔４
ｂが穿設され、他方の端部近傍には同様の孔４ａが穿設
されている。中間筒２は外筒１に挿入できるような外径
を持つ円筒形であり、焼きばめにより外筒１に嵌入され
ている。また、中間筒２の外面にらせん状の凹部が形成
され、この凹部と外筒１との間には連続した空間５ｂが
形成されている。このらせん状の空間５ｂの一方の端部
に前記孔４ａが配置され、他方の端部に前記孔４ｂが配
置され、空間５ｂは前記孔４ａ，４ｂにより外部に通じ
ている。内筒３は中間筒２に挿入できるような外径を持
つ円筒形であり、焼きばめにより中間筒２に嵌入されて
いる。なお、第１の実施例と同様に外筒１及び中間筒２
は鋼からなり、内筒３はチタン又はチタン合金とセラミ
ックスとの複合材料からなる。
【００１９】このように構成されたダイカストマシン用
スリーブにおいても、外筒１の孔４ａから例えば水又は
エアー等の冷却媒体を流し、孔４ｂから冷却媒体を排出
するというように空間５ｂ内に冷却媒体を通流させるこ
とができるため、第１の実施例と同様の効果を得ること
ができる。更に、その効果に加えてらせん状に連続した
空間５ｂが形成されているために、円周方向に均一に冷
却することができる。なお、上述の実施例において使用
可能なセラミックスは前述の炭化珪素（ＳｉＣ）に限定
されるものではなく、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ
2 、ＭｇＯ及びＹ2 Ｏ3 等の酸化物、Ｓｉ3 Ｎ4 、Ｔｉ
Ｎ、ＢＮ及びＡｌＮ等の窒化物、ＴｉＣ、Ｂ4 Ｃ及びＣ
ｒＣ2 等の炭化物、ＺｒＢ2 及びＴｉＢ2 等のホウ化物
並びにサイアロン等のセラミックスのうちから選択され
た１種又は２種以上の混合物を使用しても良い。
スリーブにおいても、外筒１の孔４ａから例えば水又は
エアー等の冷却媒体を流し、孔４ｂから冷却媒体を排出
するというように空間５ｂ内に冷却媒体を通流させるこ
とができるため、第１の実施例と同様の効果を得ること
ができる。更に、その効果に加えてらせん状に連続した
空間５ｂが形成されているために、円周方向に均一に冷
却することができる。なお、上述の実施例において使用
可能なセラミックスは前述の炭化珪素（ＳｉＣ）に限定
されるものではなく、Ｃｒ2 Ｏ3 、ＴｉＯ2 、ＺｒＯ
2 、ＭｇＯ及びＹ2 Ｏ3 等の酸化物、Ｓｉ3 Ｎ4 、Ｔｉ
Ｎ、ＢＮ及びＡｌＮ等の窒化物、ＴｉＣ、Ｂ4 Ｃ及びＣ
ｒＣ2 等の炭化物、ＺｒＢ2 及びＴｉＢ2 等のホウ化物
並びにサイアロン等のセラミックスのうちから選択され
た１種又は２種以上の混合物を使用しても良い。
【００２０】また、本実施例は縦型スリーブについて説
明したが、横型スリーブについても本発明を適用するこ
とができ、同様の効果が得られる。
明したが、横型スリーブについても本発明を適用するこ
とができ、同様の効果が得られる。
【００２１】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋼
からなる外筒及び中間筒並びにチタン又はチタン合金と
セラミックスとの複合材料からなる内筒により構成さ
れ、前記外筒と前記中間筒との間には連続した空間を設
け、且つこの空間は前記外筒に穿設された複数個の孔に
より外部に通じているから、この孔の一方から冷却媒体
を供給して前記空間内に通流させることにより、スリー
ブに蓄熱される熱を外部に放出し、スリーブにおける蓄
熱を緩和することができ、スリーブ断面の熱変形を抑制
することができる。従って、本発明に係るダイカストマ
シン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び耐衝撃性
が優れていると共に、耐熱変形性が優れており、長寿命
であって作業性が良好なスリーブを得ることができる。
からなる外筒及び中間筒並びにチタン又はチタン合金と
セラミックスとの複合材料からなる内筒により構成さ
れ、前記外筒と前記中間筒との間には連続した空間を設
け、且つこの空間は前記外筒に穿設された複数個の孔に
より外部に通じているから、この孔の一方から冷却媒体
を供給して前記空間内に通流させることにより、スリー
ブに蓄熱される熱を外部に放出し、スリーブにおける蓄
熱を緩和することができ、スリーブ断面の熱変形を抑制
することができる。従って、本発明に係るダイカストマ
シン用スリーブは、耐溶損性、溶湯保温性及び耐衝撃性
が優れていると共に、耐熱変形性が優れており、長寿命
であって作業性が良好なスリーブを得ることができる。
【図１】本発明の第１の実施例に係るダイカストマシン
用スリーブを示す断面図である。
用スリーブを示す断面図である。
【図２】本発明の第２の実施例に係るダイカストマシン
用スリーブを示す断面図である。
用スリーブを示す断面図である。
１；外筒 ２；中間筒 ３；内筒 ４ａ，４ｂ；孔 ５ａ，５ｂ；連続した空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 保 愛知県西尾市中畑町浜田下10番地 小田井 鉄工株式会社内
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼製の外筒と、この外筒に嵌入された鋼
製の中間筒と、この中間筒に嵌入されチタン又はチタン
合金とセラミックスとの複合材料からなる内筒とを有
し、前記外筒と前記中間筒との間には連続した空間を有
し、且つこの空間は前記外筒に穿設された複数個の孔に
より外部に通じていることを特徴とするダイカストマシ
ン用スリーブ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6764892A JPH0691358A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | ダイカストマシン用スリーブ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6764892A JPH0691358A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | ダイカストマシン用スリーブ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0691358A true JPH0691358A (ja) | 1994-04-05 |
Family
ID=13351057
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6764892A Pending JPH0691358A (ja) | 1992-03-25 | 1992-03-25 | ダイカストマシン用スリーブ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0691358A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5983977A (en) * | 1994-06-14 | 1999-11-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Sleeve for die casting machines and die casting machine using the same |
| CN108097920A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-06-01 | 宁波海天金属成型设备有限公司 | 钛合金料筒结构 |
-
1992
- 1992-03-25 JP JP6764892A patent/JPH0691358A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5983977A (en) * | 1994-06-14 | 1999-11-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Sleeve for die casting machines and die casting machine using the same |
| CN108097920A (zh) * | 2018-01-31 | 2018-06-01 | 宁波海天金属成型设备有限公司 | 钛合金料筒结构 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6281672B2 (ja) | ダイカスト用スリーブ及びその製造方法 | |
| JP3126471B2 (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| CA2060028C (en) | Injection part for die-casting machines | |
| JPH0691358A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| WO2021176849A1 (ja) | ダイカスト用スリーブの設置構造及びダイカスト用スリーブ | |
| JP3093558B2 (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JPH0691357A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JP2002283029A (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JP2004034055A (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JPH03142053A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JPH0957417A (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JP2859967B2 (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JP4140025B2 (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JPH0671406A (ja) | ダイカスト用射出スリーブとアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の鋳造方法 | |
| JPH04247801A (ja) | ダイカストマシン用射出部品 | |
| JPH04224068A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JPH04224067A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JPH04247804A (ja) | ダイカストマシン用射出部品 | |
| JPH04224066A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JPH04224069A (ja) | ダイカストマシン用スリーブ | |
| JP2002283031A (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JPH04247806A (ja) | ダイカストマシン用射出部品 | |
| JP2005088017A (ja) | ダイカストマシン用複合スリーブ | |
| JP2000317602A (ja) | ダイカスト用スリーブ | |
| JPH04247805A (ja) | ダイカストマシン用射出部品 |