JP2003191039A - シリンダライナの外側周囲面の造形方法 - Google Patents
シリンダライナの外側周囲面の造形方法Info
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Abstract
イナをクランクケース内に固定することができるシリン
ダライナの外側周囲面の造形方法を提供する。 【解決手段】 クランクケース内に鋳込みするシリンダ
ライナの外側周囲面にアンダカットされた輪郭を金属成
形によって形成する方法であり:シリンダライナの空洞
部内に内心棒を挿入し;支承している内心棒を備えたシ
リンダライナを切り溝輪郭を作用面に備えた第1の金属
成形工具内に装着し、金属成形工具の切り溝輪郭によっ
てシリンダライナの外周面をプレス加工し、これによっ
てシリンダライナの外周面内に逆向きの輪郭を形成し、
さらに平滑な表面を備える第2の金属成形工具内に装入
し、第2の金属成形工具を逆向き輪郭が形成されたシリ
ンダライナの外周面に対してプレスし、これによってシ
リンダライナの逆向き輪郭が低没してアンダカットされ
た輪郭に変形される各ステップからなる。
Description
側周囲面の造形方法に係り、特にアンダカットされた輪
郭を金属成形することによってシリンダライナの外側周
囲面を造形する方法に関する。
量化のために一般的にアルミニウム合金から製造されて
いる。しかしながら、低価格で鋳造し易くかつ加工し易
いアルミニウム合金は比較的低い耐熱性ならびにシリン
ダボアのピストン摺動面に対する低い耐摩耗性を伴って
いる。この種の摺動面はピストンリングを有するピスト
ンとの直接的な被摺動部材としては不適切である。
に、シリンダライナを一般的に耐摩耗性の高い主に鉄を
含んでいるねずみ鋳鉄等の鋳造材、あるいは超共昌アル
ミニウム珪素合金から製造することが知られている。し
かしながら、この際シリンダライナをクランクケース内
にずれまたは回転が生じないように固定することが問題
となる。このため、完全に加工されたクランクケース内
に後から特に圧入あるいは熱接合によって装着するか、
またはクランクケースの鋳造に際してアルミニウム合金
によって周りから鋳造する。
イナは収容される鋳造ボア部に対して一定の超過外径を
有している。しかしながら、この圧入方式は、特に圧入
に際してシリンダ壁またはライナが損傷するあるいは影
響を受け、特に歪みが生じる危険性があるという大きな
問題点を伴っている。さらに、形状の許容誤差が小さい
場合はシリンダライナと鋳造ボア部に対して精密に整合
する形成寸法が必要となるが、これは温度変化または不
純物によって影響を受け易いものである。
ンダライナの外径を鋳造ボア部より大きくすることによ
って必要な固定圧力が達成される。接合を行うためにこ
の寸法超過分が機械的な圧力ではなく熱変形によって克
服され、このためにシリンダブロックを加熱するととも
にライナが冷却される。しかしながら、この熱接合にお
いても圧入の際と同様な加工不良が生じる可能性があ
り、これにおいては部品を加熱および冷却することによ
ってより高い負荷が発生する。
確実な加工方法と見られている。この場合、例えばねず
み鋳鉄からなるシリンダライナをクランクケースの鋳型
内に挿入し、その後アルミニウム合金によって鋳込みを
行う。しかしながら、この方式においても何も予防措置
を取らないと、特にライナ外周面とクランクケース材料
との間の不充分な接合により技術的な問題が生じる可能
性がある。
アルミニウム合金から製造し、シリンダライナを特に吹
付け圧縮したアルミニウムシリコン合金によって鋳込む
場合、鋳型に渦流充填を行うことによって極めて持続的
な少なくとも部分的に金属的な結合がシリンダライナと
周囲の鋳物との間に生じる。しかしながら、ねずみ鋳鉄
製のシリンダライナを使用する場合、基本的にはアルミ
ニウムとねずみ鋳鉄との間に金属結合は発生しない。従
って、この種のシリンダライナにおいて周囲の鋳物との
間におけるインタロックのために充分な予防措置を施す
必要がある。
鋳造ライナ”を鋳込むことができ、すなわち外側周囲部
分に粗鋳造構造を有するねずみ鋳鉄製のシリンダライナ
を鋳込むことが知られている。クランクケースのアルミ
ニウム材料によって周囲から鋳込む際に、粗鋳造ライナ
を取り囲んだアルミニウム材料とライナの粗表面部との
間に機械的な噛合が生じる。しかしながら、粗鋳造ライ
ナの使用は圧力付加された鋳造方式に限定され、これは
鋳型の充填および硬化に際して外からの圧力を付加する
ことによってのみ大きく拡大された粗表面の微細な空洞
内に溶融材料を完全に圧入させそれによってこの表面と
の間における完全なインタロックが達成されるからであ
る。
充填する鋳造方式においては、溶融物を被覆している酸
化膜がクランクケースのアルミニウム合金とシリンダラ
イナのアルミニウムシリコン合金との間の金属結合を妨
害する。このことを防止するためには溶融材料の温度を
増加させる必要があるが、これによって一般的に少なく
とも部分的なシリンダライナの溶解破損が生じる。少な
くとも部分的なシリンダライナの溶解破損を伴うことな
く両方の材料の間の充分な結合を形成する方式は、既製
生産用としては達成されていない。従って、ゆっくり充
填する鋳造方式において、基本的に金属結合が形成され
ない例えばねずみ鋳鉄製のシリンダライナ等の場合と同
様に、アルミニウムシリコン合金製のシリンダライナを
使用する場合、周囲の鋳物との間に充分なインタロック
が生じるように留意する必要がある。従って、粗表面の
微細な空洞内に溶融材料が充分に浸透しないため、粗鋳
造ライナの使用は不可能である。
ダライナとクランクケースとの間に良好な金属結合が形
成される少ないケースのみ依存しないために、クランク
ケースのアルミニウム合金とシリンダライナの材料との
間に充分なインタロックが生じるように留意する必要が
あり、これによってシリンダライナを回転およびずれの
生じないようにクランクケース内に固定することが保証
される。一般的にこのことは形状要素を使用するか、あ
るいはシリンダライナの外側周囲面を適宜に造形するこ
とによって達成される。
って形成されるが、これは大きな難点を伴っており、特
に極めて有用なアンダカットの形成がこの場合不可能に
なることである。加えて、この種の造形は裂け目および
割れ目の形成を伴うことがあり、これによって熱伝導が
妨害されるか、最悪の場合シリンダライナがクランクケ
ース内において緩む危険性もある。さらに、ねずみ鋳鉄
または鋳造アルミニウムシリコン合金からシリンダライ
ナを製造する際にはいずれにしても切削加工が必要とな
るため比較的に低コストに実施することができるが、こ
れは吹付け成形されたアルミニウムシリコン合金製のシ
リンダライナには該当せず、これにおいては通常の加工
ステップは吹付け形成、熱チューブ押出成形、熱圧伸成
形、仕上げ加工からなり、切削加工は含まれていない。
経済的に競争力のあるものとするためには、吹付け加工
によって製造された極めて高価な材料を極めて高い材料
効率によって最終製品に加工する必要がある。
は、従来の技術の問題点を克服することができる請求項
1前段に記載の方法を提供することである。
記載されている特徴によって解決される。下位請求項に
は好適な追加構成が示されている。
みするシリンダライナの外側周囲面にアンダカットされ
た輪郭を以下に記述する特徴を有する金属成形によって
形成する方法が提供される。
てはシリンダライナの空洞部内に内心棒が挿入される。
この内心棒はシリンダライナの内周面に対してこれを支
承するように着合する。この内心棒の目的は、その後の
シリンダライナの外周面の造形に際して付加された力に
よるライナの変形を防止することである。同時に、この
内心棒によってシリンダライナの内腔部の較正を行いこ
れによって許容度の改善を達成することである。
いる内心棒を備えたシリンダライナが第1の切り溝形状
の作用面を備えた金属成形工具内に装着される。
状を備えた複数のナックルから構成され、この複数のナ
ックルはシリンダライナに対して共通の軸に従った半径
方向に調節することができる。これらのナックルは特に
部分シリンダ形状の被覆部材として形成することができ
る。その放射方向の位置関係は、各被覆部材が小さな間
隔をおいて互いに近接し実質的に閉鎖されたシリンダ形
状を形成するようなものであることが好適である。この
場合2つより多いナックルを備えることが好適である。
ナックルはシリンダライナに対して軸方向に延在してい
るリブの形状の輪郭を有する。この際リブ間の空間はリ
ブの横幅よりも小さいことが好適である。さらに、リブ
およびリブ間の空間は丸み付けられていることが好適で
ある。しかしながら、原則的にリブおよびリブ間の空間
は任意の断面を有することができる。
状を有する金属成形工具によってシリンダライナの外周
面がプレス加工され、これによってシリンダライナの外
周面内に逆向きの輪郭が形成される。
するリブ形状であるため、シリンダライナの外周面内に
はこれと対になった輪郭として軸方向に延在する溝部が
形成される。プレス加工されたシリンダライナの輪郭内
において溝部を互いに離間させているブリッジ部分は第
1の金属成形工具のリブ間の空間部分に相応する。第1
の金属成形工具においてリブ間の空間をリブの横幅より
も小さくなるように選定すると、プレス加工されたシリ
ンダライナ内においてブリッジ部の横幅が溝部の横幅よ
りも小さくなる。
において、支承している内心棒を備えその外周面には逆
向き輪郭が形成されたシリンダライナが平滑な作用面を
備える第2の金属成形工具内に装入される。
面を備える第2の金属成形工具が逆向き輪郭が形成され
たシリンダライナの外周面に対してプレスされ、これに
よってシリンダライナの逆向き輪郭が沈められてアンダ
カットされた輪郭に変形される。これに続いてアンダカ
ットして造形されたシリンダライナが第2の金属成形工
具から取り出され、別の処理をすることなくクランクケ
ース内に鋳込まれる。第2の工具も半径方向に調節可能
な特に部分シリンダ被覆部材の形状の複数のナックルか
らなる。第1の金属成形工具と同様に、ナックルは半径
方向内側の位置において小さな間隔をおいて互いに近接
し実質的に閉鎖されたシリンダ形状を形成することが好
適である。第2の金属成形工具は2つより多いナックル
を備えることが好適である。
金属成形工具ならびに必要に応じて第2の金属成形工具
は周囲温度よりも高い温度下において使用され、シリン
ダライナならびに必要に応じて金属成形工具はこのため
に過熱することができる。これによって造形が容易にな
り、すなわち造形のために付加されるプレス圧力を低減
することが可能になる。この作業時におけるシリンダラ
イナまたは金属成形工具の温度は200ないし420℃
とすることが好適である。
れたアンダカットされたシリンダ外周面の輪郭は、既知
の全ての鋳造方法において軸方向ならびに放射方向にお
いてシリンダライナとクランクケースがインタロックし
て隙間が無く確実な固定が達成される。本発明に係る方
法によれば、吹付け成形されたアルミニウムシリコン合
金製シリンダライナにおいてもダイカスト工程における
接合が改善され、これは金属結合が形成されない問題の
領域においてもインタロック式の隙間の無い固定が達成
されるためである。他方、永久鋳型鋳造および砂型鋳造
等のゆっくり充填する鋳造方式においても鋳造パラメー
タがシリンダライナの溶解破損が生じかねない危険な領
域に移行することなく、インタロック式の隙間の無い固
定が有効に達成される。リブ間の空間がリブの横幅より
も小さくなるように第1の金属成形工具の輪郭を選定す
ると、比較的薄いアンダカットが形成され、これによっ
て軸方向および半径方向のインタロックに加えて追加的
な金属結合を達成することができる。その理由は、シリ
ンダライナの輪郭の細いブリッジ部は鋳造に際して溶融
し、これによって溶解破損する危険を伴うことなく周囲
の鋳物との間に金属結合が形成されることが可能になる
ためである。シリンダライナの外周面を金属成形のみに
よって造形することにより、大幅に材料を節約し従って
低コストなシリンダライナとクランクケースとの間のア
ンダカットによるインタロックが達成される。
点は、添付図面を参照しながら以下に記す実施例の説明
によって理解される。
ライナ1は本発明に係る方法の第1のステップによって
その空洞部内に挿入された内心棒2と共に示されてい
る。内心棒2によってシリンダライナ1の内周面が支承
されている。内心棒2を備えたシリンダライナ1は半径
方向に調節可能なナックル3の形式の第1の金属成形工
具内に設置されており、このナックルはその作用面に切
り溝輪郭を備えている。
が詳細に示されている。ナックル3の切り溝輪郭はシリ
ンダ軸に沿って配置された多数のリブ4を備えている。
リブ4はその上端が丸み付けられている。リブ4は中間
の空間5によって互いに離間しており、これも同様に丸
み付けられている。隣接するリブ4の間の距離aはリブ
4の横幅bよりも小さくなるように選定されている。
ナ1が第1の工具内に設置され、切り溝輪郭を有するナ
ックル3が共通の軸に関してシリンダライナ1の外周面
に対して半径方向にプレスされた状態が示されている。
ナックル3はその半径方向内側位置において互いに接合
しており、実質的に閉鎖されたシリンダ形状を形成して
いる。
ンダライナ1がその外周面にプレス加工された逆向き輪
郭の拡大部について示されている。シリンダライナ1の
逆向き輪郭はシリンダ軸に沿った溝部6を備えており、
これはブリッジ部7によって互いに離間している。第1
の金属成形工具のナックル3の輪郭の特殊な構造従って
シリンダライナ1の外周面上の逆向き輪郭が形成され、
これにおいてブリッジ部7の横幅cはこのブリッジ部7
に隣接している溝部6の横幅dより小さくなる。
形成されたシリンダライナ1が、平滑な作用面を有する
とともに共通の軸に関して半径方向に調節可能なナック
ル8の形式の第2の金属成形工具内に設置された状態が
示されている。
面上に逆向き輪郭が形成されたシリンダライナ1が第2
の金属成形工具内においてプレスされた状態が示されて
いる。ナックル8はその半径方向内側位置において互い
に接合しており、実質的に閉鎖されたシリンダ形状を形
成している。
リンダライナ1がその外周面にプレス加工された逆向き
輪郭の拡大部について示されている。シリンダライナ1
の外周面の低没した逆向き輪郭はシリンダ軸に沿って配
置されたアンダカットを有する溝部6を備えており、こ
れはアンダカット状のブリッジ部7によって互いに離間
している。この低没した逆向き輪郭を備えたシリンダラ
イナ1は、金属成形工具内から取り出して内燃エンジン
のクランクケース内に鋳込むことができる。
えたシリンダライナを示す断面図である。
面図である。
プレス状態を示す断面図である。
するシリンダライナの部分拡大を示す断面図である。
設置された、内心棒を備え逆向き輪郭を形成されたシリ
ンダライナを示す断面図である。
属成形工具のプレス状態を示す断面図である。
イナの部分拡大を示す断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 クランクケース内に鋳込みするシリンダ
ライナ(1)の外側周囲面にアンダカットされた輪郭を
金属成形によって形成する方法であり:シリンダライナ
(1)の空洞部内に内心棒(2)を挿入し;支承してい
る内心棒(2)を備えたシリンダライナ(1)を切り溝
輪郭を作用面に備えた第1の金属成形工具内に装着し、
この金属成形工具は複数のナックル(3;8)から構成
され、この複数のナックルはシリンダライナに対して共
通の軸に従って半径方向に調節され、ここでナックル
(3)は軸方向に延在するリブの形状からなり;金属成
形工具の切り溝輪郭によってシリンダライナ(1)の外
周面をプレス加工し、これによってシリンダライナ
(1)の外周面内に逆向きの輪郭を形成し;支承してい
る内心棒(2)を備えその外周面には逆向き輪郭が形成
されたシリンダライナ(1)を作用面に平滑な表面を備
える第2の金属成形工具内に装入し、この金属成形工具
は複数のナックル(3;8)から構成され、この複数の
ナックルは共通の軸に従って半径方向に調節され;第2
の金属成形工具を逆向き輪郭が形成されたシリンダライ
ナ(1)の外周面に対してプレスし、これによってシリ
ンダライナ(1)の逆向き輪郭が低没してアンダカット
された輪郭に変形される、 ステップからなることを特徴とする方法。 - 【請求項2】 第1の金属成形工具は周囲温度よりも高
い温度下において使用することを特徴とする請求項1記
載の方法。 - 【請求項3】 シリンダライナ(1)の温度は200な
いし420℃とすることを特徴とする請求項2記載の方
法。 - 【請求項4】 シリンダライナ(1)はねずみ鋳鉄から
製造することを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 シリンダライナ(1)はアルミニウムま
たはアルミニウム合金から製造することを特徴とする請
求項1記載の方法。 - 【請求項6】 アルミニウム合金として鋳造または吹付
け成形された、特に超共昌アルミニウムシリコン合金を
使用することを特徴とする請求項5記載の方法。 - 【請求項7】 シリンダライナ(1)の空洞部を内心棒
(2)によって較正することを特徴とする請求項1記載
の方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の方
法によって造形された外周面を有する1つまたは複数の
シリンダライナを有するクランクケース。
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