JP5483856B2 - 粘着テープ用基布 - Google Patents

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本発明は、粘着テープ用基布に関する。
従来、梱包、補修、養生等に使用される粘着テープは、例えば、織物に、ポリエチレンフ
ィルムなどをラミネートし、ラミネート品の表面に離型剤、裏面に粘着剤を塗布したもの
が用いられている。
中でも、ポリエステルフィラメントを用いた織物からなる粘着テープ用基布として、次の
ものが提案されている。
(1)交絡処理されたポリエステルフィラメントからなる糸条の単糸繊度が1〜5デニー
ル、総繊度が30〜125デニール、強度が2.5g/d以上、見掛け伸度が27%以下
である糸を経糸として使用し、経糸織密度40〜70本/インチでかつ実質的に無ヨリ無
ノリで製織してなる粘着テープ用基布(特許文献1参照)。
(2)経糸がスルホン酸基を3.0モル%以上含有する変性ポリエステルフィラメントか
らなり、交絡処理されており、交絡処理後の破断強度が2.45g/d以下、破断伸度が
30%以上、及び1デニール当りの最大熱収縮力が0.2g/d以下であり、緯糸が単糸
繊度1〜6デニール、総繊度70デニール以上である通常のポリエステルフィラメントか
らなることを特徴とする粘着テープ用基布(特許文献2参照)。
(3)金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分を全ジカルボン酸成分に対して1〜
10モル%共重合した改質ポリエステルからなり、下記(a)〜(d)を同時に満足する
仮撚加工糸を経糸として用いたことを特徴とする粘着テープ用基布(特許文献3参照)。
(a) 2.5≦強度(g/d)≦4.0
(b) 30≦伸度(%)≦40
(c) 2.0≦沸水収縮率(%)≦10.0
(d) 70≦混繊度≦250
特公昭64−11736号公報 特開昭62−141148号公報 特許第2903723号公報
しかしながら、上記粘着テープ用基布の経糸に用いられているポリエステル系フィラメン
トは、交絡処理に加えて伸度の上限(特許文献1)や強度の上限(特許文献2)が設けら
れており、また、仮撚加工糸である(特許文献3)ことなど、製造工程上、取り扱いの困
難さやコスト面で不利など、様々な問題を含んでいる。思うにフィルムをラミネートした
後の粘着テープとして使用する際に経糸が容易に切断されるために、すなわち、手切れ性
を良くするために、及び破断した後のフィラメントの破断長が揃っていて切り口がきれい
にみえるようにするために、経糸に使用するフィラメント物性に様々な制約を設けざるを
得ない結果と推察される。
本発明の目的は、準備・製織工程においては何ら問題が生じることなく、容易に工程通過
が可能であり、更に、粘着テープ用としたときには、手切れ性に優れ、切った後の切り口
がきれいである粘着テープ用基布を提供するにある。
上記の目的は、共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントを交絡処理及び仮撚加工を行わずに経糸に用いてなる織物からなる粘着テープ用基布であって、前記共重合ポリエステルが、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールをポリエステル全体に対して1.5重量%以上4.0重量%未満の割合で含有するポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンであり、単糸繊度が5〜25dtex、総繊度が160〜390dtexであるホモポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントを緯糸に用いてなることを特徴とする粘着テープ用基布によって達成される。
更に、本発明の粘着テープ用基布は、共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントの単糸繊度が1〜10dtex、総繊度が30〜120dtex、破断強度が3.5cN/dtex以上、破断伸度が30%以上であることが好ましい。更に、本発明の粘着テープ用基布は、共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントが糊付けされてなることが好ましい。
更に、本発明の粘着テープ用基布は、破断強度が2.0cN/dtex以上、破断伸度が10%以上である、ホモポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメントを緯糸としてなることが好ましい。
また、本発の目的は着テープ用基布は、経糸密度が30〜65本/インチ(2.54c
m)、緯糸密度が25〜60本/インチ(2.54cm)であることが好ましい。
また、本発明の粘着テープ用基布は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであ
り、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有
イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールを
ポリエステル全体に対して1.5重量%以上4.0重量%未満の割合で含有するポリエス
テルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.5モ
ル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンであり、さらに単糸繊度が1
〜10dtex、総繊度が30〜120dtex、破断強度が3.5cN/dtex以上
、破断伸度が30%以上の共重合ポリエステルマルチフィラメントを糊付けして経糸とな
し、他方、単糸繊度が5〜25dtex、総繊度が160〜390dtex、破断強度が
2.0cN/dtex以上、破断伸度が10%以上である、ホモポリエチレンテレフタレ
ートからなるポリエステルマルチフィラメントを緯糸となして、経糸密度を30〜65本
/インチ(2.54cm)、緯糸密度を25〜60本/インチ(2.54cm)で製織す
ることを特徴とする粘着テープ用基布の製造方法によって達成される。
本発明の粘着テープ用基布は、粘着テープとして用いたときのテープの手切れ性に優れ、
切った後の切り口がきれいである。
具体的には、本発明において使用する共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントは
、紡糸した後で交絡処理や仮撚加工を行う必要がないので、コスト的に有利であり、かつ
、整経等の準備・製織工程においては問題が生じることのないレベルの高強伸度を有する
。更に、粘着テープ製造時、フィルムのラミネート加工の際の加熱処理の影響によって、
粘着テープ用基布を構成する経糸、すなわち、共重合ポリエステルからなるマルチフィラ
メントのみ、その強伸度が低下し、その後に接着剤を付与して得られた粘着テープは結果
として良好な手切れ性を有し、その切り口はきれいなものとなる。
本発明の粘着テープ用基布は、経糸として共重合ポリエステルからなるマルチフィラメ
ントを用いた織物からなる。
共重合ポリエステルは、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエス
テル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸
成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールをポリエステル
全体に対して1.5重量%以上4.0重量%未満の割合で含有するポリエステルであって
、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.5モル%であり、
末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンであることを特徴とする。
上記のように、金属スルホネート基含有イソフタル酸成分(以下SIPと称する)の共重
合率はポリマーの酸成分中2.0〜3.0モル%とする必要がある。SIPの含有率がこ
れより少ないと該成分のフィラメントを用いた経糸は後工程でのラミネート加工の際の熱
による強度低下が不十分であり、得られた粘着テープは切れ難くなる。一方、含有比率が
これより多いと溶融紡糸工程でのSIPの電荷による増粘やゲル化が発生してフィラメン
トの溶融紡糸時の操業性が著しく低下し、粘着テープ用基布に供することができない。
ここで、SIP成分は、共重合、混練など、いずれの形態で含有してもよいが、繊維物性
の均一性の点から共重合せしめたものであることが好ましい。
SIP成分は、例えば、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル(以下SIPMと称する)
またはジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物(以下SIPEと称す
る)が挙げられる。SIPMを多量にスラリー槽へ投入するとスラリー物性を悪化させる
ことがあるのでSIPEを採用するのが好ましい。
また、SIP中の金属はナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられるが、最も好ま
しいのはナトリウムである。
上記のように、ポリアルキレングリコールの分子量は、150〜600であることが必要
である。分子量が150未満だと、溶融紡糸時に改質ポリエステルの加水分解反応が起こ
り易く、融点及びガラス転移点が低下し、ポリエステルペレット同士の融着が発生し、他
方、分子量が600を超えると、ポリマーの耐熱性が悪化して、いずれの場合も以後の操
業・品質に悪影響を及ぼす。
また、ポリアルキレングリコールは一般式 HO(CnH2nO)mH(但し、n、mは
正の整数)で表されるもので、n=2のポリエチレングリコール(以下PEGと称す)が
汎用的で最も好ましい。
上記のように、ポリアルキレングリコールの含有量はポリマーに対して1.5重量%以上
4.0重量%未満とする必要がある。共重合量が1.5重量%未満であれば、耐熱性が高
くなってフィラメントの受熱時の強度低下が適正になされず、他方、4.0重量%以上で
あると、ポリマーの耐熱性が低下し、かつ、ガラス転移点が低下することによってポリマ
ーペレット同士の融着が発生するなどの問題が生じてフィラメントの溶融紡糸時の操業性
が著しく低下する。
ここで、上記ポリアルキレングリコールは、共重合、重合時ブレンド、混練時ブレンドな
ど、いずれの形態で加えてもよいが、以後の各工程での安定性の点から、共重合せしめた
ものが好ましい。
また、上記のように、ポリエステル中にはジエチレングリコール(以下DEGと称する)
が4.5〜6.0モル%含まれる。このDEGは重合中の副反応により生成する。4.5
モル%未満であれば、耐熱性が高くなってフィラメントの受熱時の強度低下が適正になさ
れない。また、6.0モル%を超えると、ポリマーの耐熱性や耐酸化性が劣り、溶融紡糸
時の操業性が著しく悪くなる。
また、ポリマーの末端カルボキシル基濃度を20〜30当量/トンにする必要がある。末
端カルボキシル基濃度が20当量/トン未満の場合、重合槽から押し出されるポリマーの
カラーが悪く、また、30当量/トンを超える場合は耐熱性が不十分で紡糸工程やその後
の各工程で糸切れなど、操業問題が生じる。
また、本発明に用いるポリエステルの極限粘度は、極限粘度の最大値[η]maxと最小値
[η]minの比が 1.0≦[η]max/[η]min≦1.02 であることが望ましい。
[η]max/[η]minが上記範囲から外れると、溶融紡糸時の糸切れが多発し、紡糸濾過
性が悪いことによる紡糸口金寿命が短くなる等、操業性が悪化する傾向にある。
また、上記構成の共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントは、後工程のフィルム
ラミネート加工時の熱によって強伸度に低下が生じるが、その後、接着剤を付与して得ら
れた粘着テープは適度な引裂強度となり、また、手切れ性の良い粘着テープとなる。
上記共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントを経糸として用いる場合、その単糸
繊度が1〜10dtex、総繊度が30〜120dtex、好ましくは45〜100dt
ex、破断強度が3.5cN/dtex以上、破断伸度が30%以上であることが好適で
ある。
単糸繊度が1dtex未満であると、フィラメント切れが生じやすく、糊付けや製織時に
問題が生じやすい。一方、単糸繊度が10dtexを超えると、単糸の収束性が低下して
、糊付け時に微小ループが発生しやすく、製織時においても緯糸の打ち込みがスムーズに
なされず、いずれもフィラメント生産時の操業性は悪くなる傾向にある。
また、総繊度が30dtex未満であると、粘着テープとしたとき、引裂強度が低過ぎて
実用的な手切れ性が得られない傾向にある。一方、120dtexを超える場合は引裂強
度が高過ぎて、手切れ性の面となる傾向にある。
また、破断強度が3.5cN/dtex以上で、かつ、破断伸度が30%以上であれば工
程通過性は良く、糊付けや製織工程で問題は生じない。また、基布にした後、ラミネート
加工する際、熱による強伸度低下が生じ、適度な手切れ性の粘着テープが得られる。
本発明に用いる共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントの製造は、上記組成の共
重合ポリエステル樹脂を常法により調製し、直接紡糸延伸方法(スピンドロー法)により
行うことがコスト上好ましい。
経糸の製織前の準備に関しては、経糸に用いられる共重合ポリエステルからなるマルチフ
ィラメントを糊付けすることが好適である。これによって容易に製織を行うことが可能と
なり、操業性も良好となる。糊付け剤としては、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸アミド等が挙げられ、こ
れらのうち、特にポリアクリル酸エステルが好ましい。また、これらに各種の成分を共重
合したもの等を用いてもよい。
経糸に対して糊剤は、固形分で2〜10重量%を付着させるとよい。糊剤の付着方法は、
例えば、引き出された1本ずつの経糸を、糊付けローラー、糊絞りローラー、乾燥チャン
バーの順で構成される糊剤付与装置にて行う。
また、緯糸は、ポリエステルマルチフィラメント、ポリプロピレンフラットヤーンやポリ
エチレンフラットヤーン等を用いる。また、ポリエステル系熱融着糸を用いても良い。特
に、ホモポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメントを用いる
と好適である。
緯糸に用いるフィラメントは、その単糸繊度が5〜25dtex、総繊度が160〜39
0dtex、破断強度が2.0cN/dtex以上、破断伸度が10%以上であることが
好ましい。
単糸繊度が5dtex未満であると、粘着テープとしたときのハリ・コシが不十分となっ
てしまう、くたくたした基布となる傾向にある。一方、単糸繊度が25dtexを超える
と、フィラメントの収束性が不足となって構成フィラメントがばらけやすくなり、糊付け
や製織工程での操業が悪化する傾向にある。
また、総繊度が160dtex未満であると、粘着テープ用基布の厚みが不十分であり、
一方、390dtexを超えると、粘着テープ用基布が厚ぼったくなって、共に商品の厚
みの面で不適正となり、かつ、見栄えが悪くなる傾向にある。また、経糸の総繊度は30
〜120dtexであることが好適であることは既に述べたが、この経糸とのバランスか
らみても総繊度は160〜390dtex以下であることが好ましい。
緯糸の破断強度が2.0cN/dtex以上であると、経方向の糸の切断時においても経
糸に関係なく基布として十分な形態保持が可能であり、また、緯糸の破断伸度が10%以
上であれば、経方向の糸の切断時においても基布の形態が変形することなく、経糸切断が
スムーズになされる、すなわち、手切れ性が良好で、その切り口も糸長が揃っていてきれ
いなものとなる。
さらに総繊度との関連で経糸及び緯糸の織密度も重要である。すなわち経糸の総繊度が3
0〜120dtexに対して、経糸密度は33〜65本/インチであることが好ましい。
経糸密度が33本/インチ未満であると粘着テープの引裂強度が低過ぎ、他方、58本/
インチを超えると粘着テープの引裂強度が強過ぎて、いずれも問題となることがある。ま
た、緯糸の総繊度が160〜390dtexに対して、緯糸密度は25〜58本であるこ
とが好ましい。緯糸密度が25本未満であると粘着テープとしたとき薄過ぎ、他方、58
本を超えると厚過ぎて、いずれも粘着テープの商品としての見栄えが悪くなる傾向にある
また、経糸と緯糸のバランスについては基布のカバーファクターで表わすことができる。
すなわち、基布のカバーファクターは、
√経糸総繊度×経糸密度(本/インチ(2.54cm))+√緯糸総繊度×緯糸密度(本
/インチ(2.54cm))で定義され、700〜1200であることが好ましい。
700未満であると粘着テープ基布としては薄過ぎ、一方、1200を越えると厚過ぎる
傾向にある。
本発明の粘着テープ用基布は、先に述べた共重合ポリエステルマルチフィラメントを経糸
に用い、糊付けを行った後、常法により製織することにより得られる。
本発明の粘着テープ用基布を用いて粘着テープを生産する場合、常法により、基布の一方
の面には、熱可塑性合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
アクリル樹脂等のフィルムをラミネートし、ラミネート品の表面に離型剤、裏面に粘着剤
を塗布することにより粘着テープが得られる。
本発明は、以下に述べる構成とすることが最も好ましい。
(1)準備・製織工程において何ら問題が生じることなく、容易に工程通過が可能な高い
強伸度を有する極めて安価なフィラメント、すなわち単糸繊度が1〜10dtex、総繊
度が30〜120dtex、破断強度が3.5cN/dtex以上、破断伸度が30%以
上のポリエステルマルチフィラメントを用いること。
(2)(1)に記載のポリエステルマルチフィラメントが、主たる繰り返し単位がエチレ
ンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金
属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリア
ルキレングリコールをポリエステル全体に対して1.5重量%以上4.0重量%未満の割
合で含有するポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有
量が4.5〜6.5モル%であり、末端カルボシキル基濃度が20〜30当量トンである
共重合ポリエステルマルチフィラメントであり、更に、これに糊付けして経糸となし、他
方、単糸繊度が5〜25dtex、総繊度が160〜390dtex、破断強度が2.0
cN/dtex以上、破断伸度が10%以上であるホモポリエチレンテレフタレートから
なるポリエステルマルチフィラメントを緯糸となして、経糸密度が33〜65本/インチ
、緯糸密度が25〜58本となるように製織を行って粘着テープ用基布とすること。
そして、このように構成することにより、粘着テープ用基布に熱融着ラミネート工程でポ
リエチレン等のフィルムを貼り合わせるが、その際、持ち込まれる熱によって基布を構成
する経糸のみ、すなわち共重合ポリエステルフィラメントのみ、その強伸度を大きく低下
させることができ、手切れ性に優れ、切った後の切り口がきれいである粘着テープを得る
ことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下に述べる実施例に
限定されるものではない。
尚、破断強度・破断伸度はJIS L 1013に準じて測定した。
(実施例1)
以下の要領で、共重合ポリエステルマルチフィラメントを準備した。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対
して2.5モル%のSIPEを含有し、平均分子量が200のポリエチレングリコールを
ポリエステル全体に対して3.0重量%の割合で含有するポリエステルであって、グリコ
ール成分に対するジエチレングリコール含有量が5.9モル%であり、末端カルボキシル
基濃度が25当量トンである共重合ポリエステル樹脂を用い、直接紡糸延伸法によりマル
チフィラメント56dtex/36f(破断強度:3.97cN/dtex,破断伸度:
42%)を製造した、
上記によって得られた共重合ポリエステルマルチフィラメントを糊付けして経糸に用い、
緯糸に、267dtex/12f(破断強度:4.6cN/dtex、破断伸度:25%
)のホモポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン株式会社製)を
用いて平織組織で製織し、経糸密度が48本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が35
本/インチ(2.54cm)の生機を得た(カバーファクター:882)。
上記準備・製織工程においては、何ら問題が生じることはなかった。
得られた生機を基布として、この基布に厚み40μmのポリエチレンフィルムを溶融押出
して貼り合わせてラミネートした。その際の基布との接触は300℃で2秒間だった。
ラミネートされた基布の表面に離型剤、裏面にアクリル酸油脂系の粘着剤を付与して粘着
テープを製造した。
得られた粘着テープは、手切れ性に優れ、引裂いた後の切り口にほつれが生じず、切れ目
がきれいなものであった。
参考例1
経糸に、実施例1で用いた共重合ポリエステルマルチフィラメントを用い、緯糸に、ポリエチレン製の200dtexのフラットヤーンを用いて平織組織で製織し、経糸密度が58本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が43本/インチ(2.54cm)の生機を得た(カバーファクター:987)。得られた生機を基布のラミネートの暑さを50μmに変更する以外は実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。得られた粘着テープは、手切れ性に優れ、引裂いた後の切り口にほつれが生じず、切れ目がきれいなものであった。
(比較例1)
経糸に78dtex/24f(破断強度:4.6cN/dtex,破断伸度:35%)の
ホモポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを用いる以外は、実施例1と同様に
粘着テープを製造した(カバーファクター:958)。
得られた粘着テープを、切ろうとしても、うまく切れず、手切れ性が悪かった。
本発明の粘着テープ用基布は、梱包、補修、養生等に使用される、ガムテープ等の粘着
テープ用として好適に使用される。

Claims (3)

  1. 共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントを交絡処理及び仮撚加工を行わずに経糸に用いてなる織物からなる粘着テープ用基布であって、前記共重合ポリエステルが、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールをポリエステル全体に対して1.5重量%以上4.0重量%未満の割合で含有するポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンであり、単糸繊度が5〜25dtex、総繊度が160〜390dtexであるホモポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメントを緯糸に用いてなることを特徴とする粘着テープ用基布。
  2. 共重合ポリエステルからなるマルチフィラメントが糊付けされてなることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ用基布。
  3. 経糸密度が30〜65本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が25〜60本/インチ(2.54cm)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着テープ用基布。
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