JP2003253543A - 手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛及び粘着テープ - Google Patents
手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛及び粘着テープInfo
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Abstract
その切口がきれいでかつ鉤裂きが発生しにくい上、良好
な使用感及び外観を有する粘着テープ及び該粘着テープ
製造用の布帛を提供すること。 【解決手段】 経糸及び緯糸にポリエステルマルチフィ
ラメント糸を配してなる布帛であって、該経糸がフラッ
トヤーンであり、且つ該緯糸が経糸よりも繊度の大きい
複合仮撚糸、又は部分融着複合仮撚糸である布帛を得、
該布帛に合成樹脂フィルムを積層し、該積層面とは反対
の表面に粘着剤を積層して粘着テープとする。
Description
着テープを製造するための布帛、及び該布帛からなる粘
着テープに関するものであり、更に詳しくは、一方向の
手切れ性が良く、切口が美しく、鉤裂きが発生しにく
く、且つ表面が滑らかで外観が良好な粘着テープ製造用
布帛、及び粘着テープに関するものである。
ヨンスフの紡績糸が多く用いられてきたが、湿潤時に強
力が低下したり、膨潤よる剥離が起こる等の欠点があ
る。又、紡績糸であるため、製織のみならず、ポリエチ
レンなどの合成樹脂フィルムを積層する工程において風
面が発生したり、合成樹脂フィルムとの接着性を向上す
るためポリエチレンイミンなどの水溶性接着助剤を塗布
した場合、乾燥不良を起こしたり、繊度斑により外観が
不良となるなど、様々な欠点を有している。
ル繊維を用いた粘着テープ製造用布帛が多数知られてい
る。
は、経糸、緯糸共に第3成分を共重合したポリエステル
のフラットヤーンを用いた布帛が開示されているが、該
布帛においては、ヤーン同士のすべりによる目ずれが発
生し易いという問題があった。
は、金属スルフォネート基を有するイソフタル酸成分を
共重合したポリエステル仮撚加工糸を経糸に配した布帛
が開示されているが、該布帛は、フィルムとのラミネー
ト工程等における熱により経糸の強力及び伸度を著しく
低下させるものであるため、テープの引張強力が低くな
り、重梱包には向かないという問題があった。
ンや仮撚加工糸を用いた場合は、フィルムとのラミネー
ト工程で圧着を受けるため糸条が扁平化し、ラミネート
後に得られる布帛は薄く、腰がなく、粘着テープとして
使用したときに使い難いという問題があった。
ため、特開平3−287831号公報には、経糸及び緯
糸に部分融着複合仮撚糸を配し、厚さを保持させた布帛
が開示されているが、該布帛は、融着糸を使用している
ため、その物性が極めて不安定であり、テープを切断し
た際に鉤裂きが発生し易いという問題があった。
従来技術の有する問題点を解消し、粘着テープとして優
れた手切れ性能を有し、その切口がきれいでかつ鉤裂き
が発生しにくい上、良好な使用感及び外観を有する粘着
テープ及び該粘着テープ製造用の布帛を提供することに
ある。
達成するために鋭意検討した結果、粘着テープ製造用の
布帛の緯糸として、経糸よりも繊度の大きい複合仮撚
糸、又は部分融着複合仮撚糸を配するとき、手切れ性能
を損なうことなくテープの引張強力を高いレベルで維持
でき、重梱包に適したテープが得られることを究明し
た。
緯糸にポリエステルマルチフィラメント糸を配してなる
布帛であって、該経糸がフラットヤーンであり、且つ該
緯糸が経糸よりも繊度の大きい複合仮撚糸、又は部分融
着複合仮撚糸であることを特徴とする手切れ性の良好な
粘着テープ製造用布帛、及び(2)(1)の布帛に合成
樹脂フィルムが積層され、該積層面とは反対の表面に粘
着剤が積層されてなることを特徴とする手切れ性の良好
な粘着テープが提供される。
用布帛は、経糸にポリエステルマルチフィラメントのフ
ラットヤーンを使用していることに特徴がある。
性能を得るには、切断が起こる経糸の引張伸度が低いこ
ともさることながら、合成樹脂フィルムとラミネートし
たときの単繊維の拘束による、経糸端裂抵抗伸度の低下
が特に重要であることがわかった。
維の1本1本が樹脂で拘束された状態が最も高いのであ
るが、フラットヤーンを用いた場合、ラミネート時の圧
着により50%以上の単繊維が樹脂により拘束されてい
ることがわかった。
同士がお互いに交絡しているために、丸まった状態で樹
脂と接触しており、特に経糸の中心部分にある単繊維は
全く樹脂の拘束を受けないので、樹脂により拘束されて
いる単繊維の数は少ない。従って、端裂抵抗伸度の低下
が少なく、良好な手切れ性能を得ることは困難である。
また、仮撚加工糸はその顕在捲縮により、そもそも伸度
が高くなる傾向にあり、良好な手切れ性能を得ることは
困難である。
維同士が融着されているため、経糸の中心部分にある単
繊維は全く樹脂の拘束を受けず、樹脂により拘束されて
いる単繊維の数は少ない。従って、この場合も端裂抵抗
伸度の低下が少なく、良好な手切れ性能を得ることは困
難である。
テルマルチフィラメントのフラットヤーンを用いること
により、単繊維の拘束による、経糸端裂抵抗伸度の低下
を促し、手切れ性能を高めている。
用布帛の緯糸に、経糸よりも繊度の大きい、複合仮撚マ
ルチフィラメント又は部分融着複合仮撚マルチフィラメ
ントを使用しており、このことも手切れ性能を高める一
因となっている。
成樹脂フィルムとラミネートしたときの緯糸部分の厚み
が経糸部分よりも厚くなるので、経糸部分に応力が集中
し易くなり、鉤裂きが発生しにくくなる上、経糸端裂抵
抗伸度の低下がさらに促進されるのである。
合仮撚マルチフィラメント又は部分融着複合仮撚マルチ
フィラメントを用いた場合、これらのマルチフィラメン
トは、低伸度フィラメントの周りを高伸度フィラメント
糸が巻きついた構造を有しているため布帛が厚く且つ腰
の強いものとなり、テープの端(切口)がパッケージか
ら取り出し易くなる上、テープを貼り付ける時の作業性
が良くなるという利点もある。この利点は部分融着複合
仮撚マルチフィラメントにおいて特に顕著である。
糸に、マルチフィラメントのフラットヤーンを用いた場
合は、合成樹脂フィルムとラミネートする際に経糸が平
坦化されるため布帛の厚さが小さくなり、テープの端
(切口)がパッケージから取り出し難くなる上、テープ
に腰がなく、テープを貼り付ける時の作業性が悪くな
る。
通常の仮撚糸を用いた場合は、フィルムとラミネートす
る際に経糸が平坦化されるため布帛の厚さが小さくな
り、テープに腰がなく、テープを貼り付ける時の作業性
が悪くなる上、仮撚糸に不可避的に付与される空気交絡
や追油の影響で、布帛の外観が劣ったり、フィルムとの
接着強力が低くなるという問題も発生する。
ルチフィラメントのフラットヤーンは、従来公知の方法
で製造すれば良いが、後述する、布帛の経糸端裂抵抗伸
度を20%以下とするためには、その伸度を20%以
下、好ましくは18%以下、更に好ましくは16%以下
とすれば良い。また、強度は、手切れ性能からは6cN
/dtex以下、好ましくは5.3cN/dtex、更に
好ましくは4.5cN/dtexが良いが、あまり強力
が低すぎると、粘着テープの引張強力が不足するので、
少なくとも2.5cN/dtexとすることが好まし
い。
マルチフィラメント、又は部分融着複合仮撚マルチフィ
ラメントは、通常の延伸仮撚り装置を用い、例えば紡糸
速度1500m/分以下の未延伸糸(UDY)と、紡糸
速度2500〜3500m/分の部分配向糸(POY)
とを、糸供給ローラーの前で交絡処理し、延伸仮撚りゾ
ーンのヒータへ供給した後、仮撚りユニットで仮撚する
ことにより得られる。
接触タイプ、非接触タイプのいずれのヒーターを用いて
もかまわない。ヒーター通過後、必要に応じて冷却プレ
ートに接触させて糸を冷却し、仮撚りユニットを通過さ
せる。この仮撚りユニットは、3軸のフリクションディ
スクタイプ、またはフリクションベルトタイプのいずれ
も使用可能であるが、スピンドルユニットは、糸の撚り
数の変動や加工張力の変動が大きい為に、適用は困難で
ある。
の仮撚加工温度とした場合は、複合仮撚糸に、ヒーター
温度を高温にし、糸が溶融断糸する直前の温度に設定し
た場合は、部分融着複合仮撚糸となる。さらに、フィル
ムをラミネートする際の、糸の収縮による巾縮みを防止
するため、2段目のヒーターで熱処理しても構わない。
ルチフィラメントのフラットヤーンを経糸に、複合仮撚
マルチフィラメント、又は部分融着複合仮撚マルチフィ
ラメントを緯糸に配して常法により製織を行なう。この
際使用する織機は、ウォータージェットルームを採用す
ることが好ましい。その理由は、樹脂フィルムとのラミ
ネートを行うときに原糸油剤の残留量が多いと、ラミネ
ート強力低下を起こす可能性があるが、ウォータージェ
ットルームで製織を行なえば油剤の残留量が可及的に減
少できるからである。
織機を使用しても構わないが、ラミネート前に充分な精
錬を行なっておくことが好ましい。
は、その経糸端裂抵抗伸度が20%以下であることが必
要である。該伸度が20%を越える場合は、テープ自体
の経糸端裂抵抗伸度が高くなり、良好な手切れ性能を得
ることは出来ない。
性能を有することになるが、あまり伸度を小さくしよう
とすると、原糸であるポリエステルマルチフィラメント
糸を安定して生産できなくなることがある。該伸度の好
ましい範囲は10〜18%である。
裂抵抗伸度は、緯糸端裂抵抗伸度よりも小さいことが重
要である。この理由は、粘着テープの鉤裂きを避けるた
めに、経糸は緯糸よりも、先に切断されることが必要で
あるからである。ここで、鉤裂きとは、テープの端を指
で抑えつつ緯方向に引張ってテープを切断する際、テー
プに斜めに力がかかり、本来切断されるべき経糸が切断
されずに緯糸が切断され、テープが縦に裂けてしまう現
象を言う。
5cm)は10kg以上であることが好ましい。該強力
が10kg未満の場合は、テープにしたとき、強力が不
足して重梱包に用いることができないことがある。
合は、溶融ラミネート法等の方法により布帛に合成樹脂
フィルムを積層し、該積層面とは反対の表面に、塗布や
転写等の方法により粘着剤を積層すればよい。
DPE、LLDPE、HDPE、PP等のポリオレフィ
ンやEVAの単独重合体が好ましい例として挙げられ、
更に必要により、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レンとα−オレフィンの共重合体等のエラストマーをこ
れらにブレンドしたものを用いてもよい。
は、必要により接着剤を介して、押し出しラミネート機
による溶融ラミネート法が好ましく採用され、この場
合、通常、布帛と合成樹脂フィルムとの層間強度は4.
0N/50mm以上とされる。
は、合成樹脂フィルムが剥がれ易くなる。すなわち、捲
重体として製品化された本発明の粘着テープを用いる
際、巻き戻し展開時に合成樹脂フィルムが粘着剤面側に
取られて布帛と脱離するといった欠点が生じ易い。
m以上である。
剤やアクリル系粘着剤が用いられる。
の天然ゴムやSIS、SBR、SBS、IRなどの合成
ゴムや再生ゴムなどのエラストマーに、ロジン又はその
変性体、ロジンエステル、テルペン、テルペンフェノー
ル、芳香族炭化水素、変性テルペンといった天然物オリ
ゴマー、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン
系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂といった合
成樹脂、石油系軟化剤、液状ゴム、植物油、二塩基酸エ
ステル系可塑剤、充填剤、老化防止剤等を適宜ブレンド
して用いられる。
の(メタ)アクリル酸エステルに酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル、MMAなどのモノマー、(メタ)アクリル酸
やヒドロキシアクリレートといった官能基含有モノマー
を共重合してなるアクリル系共重合体が用いられる。
溶解した後に、直接合成樹脂フィルムに塗布、積層して
もよく、また、転写方式によって合成樹脂フィルムに積
層してもよい。
上記合成樹脂フィルムと粘着剤層との接着強度より高く
なる様に、粘着剤層の粘着力等が適宜設定される。
離型剤を塗布し、巻き戻しの際の展開を軽くしても良
い。
ではないが、重梱包にも耐え得る様に高糊厚、例えば5
0〜100μm、であることが望ましい。
抗強力は15kg/2.5cm以下、経糸端裂抵抗伸度
は18%以下であることが必要である。前述の布帛にフ
ィルムを積層することにより、単繊維の拘束による、経
糸端裂抵抗伸度の低下が起こるため、経糸端裂抵抗伸度
の好ましい値は15%以下であり、更に好ましくは12
%以下である。
は、テープの鉤裂きを避けるために、緯糸端裂抵抗伸度
よりも小さいことが重要である。
に説明する。尚、実施例中の各物性は次の方法により測
定した。
した。
料幅:25mm、引張速度:200mm/分にて測定し
た。
る際、容易に切断が可能な場合は○、切断し始める時に
粘るような感覚があるが、切断可能である場合は△、切
断が困難な場合は×とした。
○、鉤裂きが発生した場合は×とした。
れが発生した場合は×とした。
布帛の試験片を用意し、端部40mm程度を水に浸漬
し、PEフィルム端部を剥がして、そのまま放置乾燥し
た。
帛、上部にPEフィルム部分をセットし、引っ張り速度
300mm/分にて試験片をT字型に剥離し、そのとき
に示された平均加重を粘着テープの層間強度とした。
し、このときに粘着剤面にPEフィルムが取られて布帛
の一部又は全部が剥き出しになった(PEフィルムが引
き剥がされた)場合を×、布帛が剥き出しにならなかっ
た(PEフィルムが引き剥がされなかった)場合を○、
と表示した。
す糸を用い、ウォータージェットルーム織機を使用し
て、経糸密度50本/インチ、緯糸密度26本/インチ
の平組織に製織し織物を得た。後述の接着助剤を塗布す
る前に、コロナ放電処理機にてコロナ処理を行った。
ルーム織機を使用して製織を行い、また、コロナ処理を
実施しなかった。
着助剤を塗布し、乾燥、熱セットを行った後、Tダイよ
り押し出した厚さ65μmのフィルム状低密度ポリエチ
レンをラミネートし、プレスしつつ冷却した。
ィルム積層面とは反対の表面に、カレンダー塗工機に
て、厚みが80μmとなるようゴム系粘着剤を塗布し、
25m巻きの捲重体とした後、50mm幅に切断して粘
着テープの製品を得た。
部、天然ゴム10重量部、石油樹脂30重量部、ロジン
エステル20重量部、ナフテン系プロセスオイル10重
量部、炭酸カルシウム50重量部及び酸化防止剤1重量
部を添加し分散配合して得たものであり、この粘着剤の
粘着力は8.5N/25mm幅であった。
物及びこれらより得られた粘着テープの物性を表2に示
す。
は、良好な手切れ性を有し、かつ目ずれの発生もなく、
厚みが有り使用感の良い物であった。
ルチフィラメントウーリー加工糸を用いた場合は、布帛
(織物)、PEフィルムラミネート布帛(織物)の厚み
がなく、テープとしたときの厚みがないためテープを取
り出すときに引き出しにくく、また、テープの腰がなく
使用しにくいものであった。
は、フィルムラミネート工程での風面の発生が多く作業
環境が好ましくなかった。また、当然のことながら湿潤
時の膨潤により剥離が起こる等の欠点がある。
り、目ずれのない粘着テープ製造用布帛を提供すること
が出来るので、厚みがあって使用感の良い、更に均一で
品位の良い粘着テープを提供することができる。また、
本発明によれば、経糸方向と緯糸方向の端裂抵抗伸度差
が有る為に、鉤裂きの発生しにくい粘着テープを得る事
が出来る。
Claims (5)
- 【請求項1】 経糸及び緯糸にポリエステルマルチフィ
ラメント糸を配してなる布帛であって、該経糸がフラッ
トヤーンであり、且つ該緯糸が経糸よりも繊度の大きい
複合仮撚糸、又は部分融着複合仮撚糸であることを特徴
とする手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛。 - 【請求項2】 JIS−C 2318法により測定した
布帛の経糸端裂抵抗伸度B(%)及び緯糸端裂抵抗伸度
D(%)が下記(1)及び(2)式を同時に満足する請
求項1記載の手切れ性の良好な粘着テープ製造用布帛。 (1)B≦20 (2)B<D - 【請求項3】 請求項1又は2記載の布帛に合成樹脂フ
ィルムが積層され、該積層面とは反対の表面に粘着剤が
積層されてなることを特徴とする手切れ性の良好な粘着
テープ。 - 【請求項4】 JIS−C 2318法により測定した
粘着テープの経糸端裂抵抗強力A(kg/2.5c
m)、経糸の端裂抵抗伸度B(%)及び緯糸端裂抵抗伸
度D(%)が下記(3)〜(5)式を同時に満足する請
求項3記載の手切れ性の良好な粘着テープ。 (3)A≦15 (4)B≦18 (5)B<D - 【請求項5】 布帛と合成樹脂フィルムとの層間強度が
4.0N/50mm以上である請求項3又は4記載の手
切れ性の良好な粘着テープ。
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- 2002-03-01 JP JP2002055485A patent/JP3840609B2/ja not_active Expired - Lifetime
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