JP5277077B2 - 織物の製造方法 - Google Patents
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Description
ィルムなどをラミネートし、ラミネート品の表面に離型剤、裏面に粘着剤を塗布したもの
が用いられている。
中でも、ポリエステルフィラメントを用いた織物からなる粘着テープ用基布として、次の
ものが提案されている。
(1)交絡処理されたポリエステルフィラメントからなる糸条の単糸繊度が1〜5デニー
ル、総繊度が30〜125デニール、強度が2.5g/d以上、見掛け伸度が27%以下
である糸を経糸として使用し、経糸織密度40〜70本/インチでかつ実質的に無ヨリ無
ノリで製織してなる粘着テープ用基布(特許文献1参照)。
らなり、交絡処理されており、交絡処理後の破断強度が2.45g/d以下、破断伸度が
30%以上、及び1デニール当りの最大熱収縮力が0.2g/d以下であり、緯糸が単糸
繊度1〜6デニール、総繊度70デニール以上である通常のポリエステルフィラメントか
らなることを特徴とする粘着テープ用基布(特許文献2参照)。
10モル%共重合した改質ポリエステルからなり、下記(a)〜(d)を同時に満足する
仮撚加工糸を経糸として用いたことを特徴とする粘着テープ用基布(特許文献3参照)。
(a) 2.5≦強度(g/d)≦4.0
(b) 30≦伸度(%)≦40
(c) 2.0≦沸水収縮率(%)≦10.0
(d) 70≦混繊度≦250
に加えて伸度の上限(特許文献1)や強度の上限(特許文献2)が設けられており、また
、仮撚加工糸である(特許文献3)ことなど、様々な制約を設けることにより、フィルム
をラミネートした後の粘着テープとして使用する際に経糸が容易に切断される、すなわち
、手切れ性が良好であり、また、破断した後のフィラメントの破断長が揃っていて切り口
がきれいにみえるものである。
しかしながら、上記各ポリエステル系フィラメントを用いた基布は、基布のままでは手切
れ性は殆どない。すなわち、フィルムをラミネートする加工を施し、粘着テープとして初
めて、良好な手切れ性が得られるものである。
本発明の目的は、準備・製織工程において何ら問題が生じることなく、容易に工程通過が
可能であり、かつ、得られた織物緯方向の手切れ性に優れ、切った後の切り口がきれいで
ある織物を提供するにある。更に、粘着テープとしたときには、より手切れ性に優れる織
物を提供するにある。
、一方、下記(2)に示す熱融着性フィラメントを緯糸の少なくとも一部に用いてなる織
物であって、上記共重合ポリエステルマルチフィラメントと熱融着性フィラメントとがそ
の交差部において融着固定してなることを特徴とする織物によって達成される。
(1)共重合ポリエステルが、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポ
リエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフ
タル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールを含有す
るポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5
〜6.5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンである共重合ポリ
エステルマルチフィラメント。
(2)軟化点が120〜220℃である熱融着成分を繊維表面に含む熱融着性フィラメン
ト。
dtex、総繊度が30〜120dtex、破断強度が3.5cN/dtex以上、破断
伸度が30%以上であることが好ましい。
中でも、本発明の織物は、熱融着性フィラメントが、ポリエチレンテレフタレートを主成
分とする共重合ポリエステルを鞘成分とし、ホモポリエステルを芯成分とする芯鞘型ポリ
エステルマルチフィラメントであることが好ましい。
中でも、本発明の織物は、経糸密度が30〜85本/インチ(2.54cm)、緯糸密度
が25〜90本/インチ(2.54cm)であることが好ましい。
テル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸
成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールを含有するポリ
エステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.
5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンである共重合ポリエステ
ルマルチフィラメントを経糸に用い、一方、軟化点が120〜220℃である熱融着成分
を繊維表面に含む熱融着性フィラメントを緯糸の少なくとも1部に用いて製織し、次いで
、得られた織物を熱処理し、経糸と緯糸との交差部を融着固定させることを特徴とする織
物の製造方法によって達成される。
中でも、経糸密度を30〜85本/インチ(2.54cm)、緯糸密度を25〜90本/
インチ(2.54cm)となるように製織することが好ましい。
可能であり、経糸が容易に切れる為に織物緯方向の手切れ性に優れ、また、切った後の切
り口がきれいな織物である。
また、織物なのでフィルムラミネートしたテープなどと比較して通気性に優れる。
更に、本発明の織物にフィルムをラミネート加工し、粘着剤を塗布した粘着テープとした
ときには、手切れ性が更に良くなる。
を用い、また、緯糸として、所定の熱融着性フィラメントを用いてなる。
経糸に用いるマルチフィラメントの共重合ポリエステルは、主たる繰り返し単位がエチレ
ンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金
属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリア
ルキレングリコールをポリエステル全体に対して1.5質量%以上4.0質量%未満の割
合で含有するポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有
量が4.5〜6.5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンである
ことを特徴とする。
合率はポリマーの酸成分中2.0〜3.0モル%とする必要がある。SIPの含有率がこ
れより少ないと該成分のフィラメントを経糸に用いた場合、熱処理の際の強度低下が小さ
く、得られる織物は緯方向に切れ易くならない。
一方、含有比率がこれより多いと溶融紡糸工程でのSIPの電荷による増粘やゲル化が発
生してフィラメントの溶融紡糸時の操業性が著しく低下し、織物に供することができない
。
ここで、SIP成分は、共重合、混練など、いずれの形態で含有してもよいが、繊維物性
の均一性の点から共重合せしめたものであることが好ましい。
SIP成分は、例えば、5−金属スルホイソフタル酸ジメチル(以下SIPMと称する)
またはジメチル基をエチレングリコールでエステル化させた化合物(以下SIPEと称す
る)が挙げられる。SIPMを多量にスラリー槽へ投入するとスラリー物性を悪化させる
ことがあるのでSIPEを採用するのが好ましい。
また、SIP中の金属はナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられるが、最も好ま
しいのはナトリウムである。
である。分子量が150未満だと、溶融紡糸時に改質ポリエステルの加水分解反応が起こ
り易く、融点及びガラス転移点が低下し、ポリエステルペレット同士の融着が発生し、他
方、分子量が600を超えると、ポリマーの耐熱性が悪化して、いずれの場合も以後の操
業・品質に悪影響を及ぼす。
また、ポリアルキレングリコールは一般式 HO(CnH2nO)mH(但し、n、mは
正の整数)で表されるもので、n=2のポリエチレングリコール(以下PEGと称す)が
汎用的で最も好ましい。
4.0質量%未満とする必要がある。共重合量が1.5質量%未満であれば、耐熱性が高
くなってフィラメントの受熱時の強度低下が適正になされず、他方、4.0質量%以上で
あると、ポリマーの耐熱性が低下し、かつ、ガラス転移点が低下することによってポリマ
ーペレット同士の融着が発生するなどの問題が生じてフィラメントの溶融紡糸時の操業性
が著しく低下する。
ここで、上記ポリアルキレングリコールは、共重合、重合時ブレンド、混練時ブレンドな
ど、いずれの形態で加えてもよいが、以後の各工程での安定性の点から、共重合せしめた
ものが好ましい。
する)が4.5〜6.0モル%含まれる。このDEGは重合中の副反応により生成する。
4.5モル%未満であれば、耐熱性が高くなってフィラメントの受熱時の強度低下が適正
になされない。また、6.0モル%を超えると、ポリマーの耐熱性や耐酸化性が劣り、溶
融紡糸時の操業性が著しく悪くなる。
また、ポリマーの末端カルボキシル基濃度を20〜30当量/トンにする必要がある。末
端カルボキシル基濃度が20当量/トン未満の場合、重合槽から押し出されるポリマーの
カラーが悪く、また、30当量/トンを超える場合は耐熱性が不十分で紡糸工程やその後
の各工程で糸切れなど、操業問題が生じる。
最小値[η]minの比が 1.0≦[η]max/[η]min≦1.02 であることが望ま
しい。[η]max/[η]minが上記範囲から外れると、溶融紡糸時の糸切れが多発し、紡
糸濾過性が悪いことによる紡糸口金寿命が短くなる等、操業性が悪化する傾向にある。
工程のフィルムラミネート加工前の段階でも適度な引裂き強度があり手切れ性は良好であ
る。また、フィルムラミネート加工後は、加工時の熱によって強伸度に低下が生じ、その
後、接着剤を付与して得られた粘着テープはフィルムラミネート前よりも更に適度な引裂
強度となり、手切れ性の良い粘着テープとなる。
繊度が1〜10dtex、総繊度が30〜120dtex、好ましくは45〜100dt
ex、破断強度が3.5cN/dtex以上、破断伸度が30%以上であることが好適で
ある。
じやすい。一方、単糸繊度が10dtexを超えると、単糸の収束性が低下して、製織時
においても緯糸の打ち込みがスムーズになされず、いずれもフィラメント生産時の操業性
は悪くなる傾向にある。
また、総繊度が30dtex未満であると、織物としたとき、引裂強度が低過ぎて実用的
な手切れ性が得られない傾向にある。一方、120dtexを超える場合は引裂強度が高
過ぎて、手切れ性の面で問題となる傾向にある。
また、破断強度が3.5cN/dtex以上で、かつ、破断伸度が30%以上であれば工
程通過性は良く、製織工程で問題は生じない。また、織物にした後、熱処理加工する際、
熱による強伸度低下が生じ、適度な手切れ性の織物が得られる。
重合ポリエステル樹脂を常法により調製し、直接紡糸延伸方法(スピンドロー法)により
行うことがコスト上好ましい。
フィラメントを用いる。
ここで、「軟化点」とは、合成繊維を構成する樹脂が軟化し始める温度をいい、具体的
には、JIS K7196法の「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析
による軟化温度試験方法」に従って測定される軟化点をいう。
性フィラメントの熱融着成分の軟化点と差を有する。両者を用いて製織した織物を、熱融
着成分の軟化点に応じて熱処理することにより、上記熱融着性フィラメント同士もしくは
熱融着性フィラメントと共重合ポリエステルマルチフィラメントとが互いに融着固定され
て、互いの交差点、接触点で繊維がずれにくくなる。このように、経糸が緯糸と融着固定
していることにより、緯方向の引き裂きが可能となり、手切れ性が良好となる。
に相手を固着する必要はなく、その表面の軟化によって、相手繊維との接触面積が増加し
、互いの交差点や接触点においてお互いがずれないよう固定された状態になれば足りる。
中でも、150〜200℃であることが好適である。そして、さらに好ましくは、160
〜190℃である。すなわち、軟化点が120℃未満では、熱融着性フィラメントを紡糸
・製造することが困難になるとともに、この熱融着性フィラメントの樹脂成分が摩耗して
経時的に緯方向の剛性が低下するからである。また、軟化点が220℃を超えると、製織
後の熱処理に必要な温度が上記共重合ポリエステルマルチフィラメントの融点に近づくた
め、経糸として用いる共重合ポリエステルマルチフィラメントが熱的ダメージを受けてし
まい、また熱処理温度を適正温度よりも低く設定すると、繊維間に充分な融着固定がなさ
れなくなるからである。
好ましい共重合ポリエステルとしては、テレフタル酸とエチレングリコールとを主成分と
し、共重合成分として、酸成分であるシュウ酸、マロン酸、アゼライン酸、アジピン酸、
セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボ
ン酸と、ジエチルグリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサ
ンジオール、パラキシレングリコール、ビスヒドロキシエトキシフェニルプロパン等の脂
肪族、脂環族または芳香族系ジオール類等のグリコールとを、1種、もしくは2種以上組
み合わせたものを所望割合で含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸
類を50モル%以下の割合で添加した共重合エステルが好適である。
よびヘキサンジオールを添加して共重合させたポリエステルが好適である。そして、この
ようなイソフタル酸共重合ポリエステルでは、イソフタル酸成分を10〜30モル%共重
合させたものが、融着固定のしやすさおよび製織性の点から好ましい。なお、上記成分モ
ノマーの共重合比率を変えることにより、所望の軟化点となるよう調整することができる
。
もよいが、繊維表面からの露出割合は、15%以上であることが好適である。すなわち、
熱融着成分が繊維表面に15%以上露出していれば、織物構造体の熱処理時に、上記熱融
着成分が軟化して、繊維同士の交差点・接触点が融着固定される割合が多くなり、より充
分な捩れ防止効果が得られるからである。
は、例えば、(a)繊維全体が上記熱融着成分で構成された合成繊維、(b)熱融着成分
のみからなる合成繊維もしくは熱融着成分を含む合成繊維を、非熱融着性合成繊維と引き
揃えた合成繊維、(c)熱融着成分と、非熱融着成分(例えば、上記熱融着成分より軟化
点が30℃以上高いもの)とを複合した複合繊維等があげられる。なお、これらは、いず
れもマルチフィラメントの形態で用いることが、製織性、柔軟性等の点で好適である。
開2004−232159号公報に記載されている高収縮ポリエステル繊維等が好適であ
る。より具体的には、イソフタル酸と2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル〕プロパンを共重合してなるポリエチレンテレフタレートを、SPD法によって紡
糸した熱収縮性のポリエステル繊維等があげられる。
な第3成分を共重合した共重合ポリエステルマルチフィラメントからなり、軟化点が20
0℃以下、熱水収縮率(BWS)が10〜40%のポリエステルマルチフィラメントが好
適である(以下、高収縮ポリエステルマルチフィラメントという)。この場合、製織後に
熱処理を施すと、熱融着成分の収縮応力により、それぞれの単糸フィラメント間の空隙が
埋まり、帯状にモノフィラメント化し易い。このような形でモノフィラメント化すると、
融着性剛性繊維と非融着性合成繊維との融着固定が充分となり、織物の緯糸に用いた際、
柔軟性を保ちながら適度な剛性が得られる。上記高収縮ポリエステルマルチフィラメント
の熱水収縮率(BWS)は、20〜40%のものが特に好適であり、より優れた捩れ防止
効果と着用感が得られる。高収縮ポリエステルマルチフィラメントは、夏場のトラックな
ど、高温での過酷な条件の輸送中にはボビン巻の場合にはボビンが変形しやすい場合があ
り、このような場合の取扱いが容易な点からは、BWSは、20%以下のものが好適に用
いられる。
、適度に収縮して織物に剛性を得やすい点から、0.1〜1.0cN/dtexが好まし
い。この範囲であれば、さらに優れた柔軟性が得られる。
以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
また180℃における乾熱収縮率は、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい
。この範囲であると、緯方向の剛性が得られやすい。なお、緯糸の折り返し部である耳部
端面が突出を防止して良好な品質を保つ点から、上限は、通常50%程度であることが好
適である。
やすい点から、0.6〜0.8が好ましく、なかでも、0.65〜0.75が好ましい。
上記高収縮ポリエステルマルチフィラメントにおいて、繊度は100〜1,000dte
x程度が好適であり、単糸繊度は3〜25dtex程度が好適であり、そのフィラメント
数は8〜200程度のものが好適である。すなわち、これらの範囲内であれば、優れた生
産性で帯状織物構造体を得ることができるからである。
性合成繊維と引き揃えた合成繊維は、引き揃えた後に、交絡処理によって混繊したり、合
糸したり、追撚やカバリングを行って収束させたものが好適である。
上記熱融着成分のみ/もしくは熱融着成分を含む合成繊維としては、上記(a)のもの
や上記(c)のものが好適に用いられる。
部が熱融着成分からなる芯鞘型複合繊維としては、完全な芯鞘構造になっているものの他
、少なくとも熱融着成分の一部が表面に露出した構成になっている各種の複合形態のもの
があげられる。例えば図1(a)〜(l)に示すような断面形状の複合繊維があげられる
。なお、これらの図において、斜線部分が熱融着成分で形成されている部分を示し、白色
部分が非熱融着成分で形成されている部分を示している。また、断面の輪郭形状も、必ず
しも円形である必要はなく、楕円形、中空、三角形、四角形、星形等、各種の異形断面形
状のものを用いることができる。
露出しているものが好適である。中でも、捩れ防止効果の安定性の点から、図1(a)に
示すような、鞘に熱融着成分を配し、芯に非熱融着成分を配した芯鞘型複合繊維を用いる
ことが好適である。
スルを用い、芯の非熱融着成分としてホモポリエステルを用いた芯鞘型複合ポリエステル
マルチフィラメントが最適である。この場合、芯/鞘の比率は、容積基準で5/1〜1/
5に設定することが好ましく、特に3/1〜1/2に設定することが好ましい。
〜390dtex、破断強度が2.0cN/dtex以上、破断伸度が10%以上である
ことが好ましい。
単糸繊度が2dtex未満であると、織物としたときのハリ・コシが不十分となってしま
う傾向にある。一方、単糸繊度が25dtexを超えると、フィラメントの収束性が不足
となって構成フィラメントがばらけやすくなり、製織工程での操業が悪化する傾向にある
。
texを超えると、織物が厚ぼったくなって、共に商品の厚みの面で不適正となり、かつ
、見栄えが悪くなる傾向にある。また、経糸の総繊度は30〜120dtexであること
が好適であることは既に述べたが、この経糸とのバランスからみても総繊度は22〜39
0dtex以下であることが好ましい。
ある。すなわち、これらの範囲内であれば、優れた生産性で織物を得ることができる。
糸に関係なく基布として十分な形態保持が可能であり、また、緯糸の破断伸度が10%以
上であれば、経方向の糸の切断時においても基布の形態が変形することなく、経糸切断が
スムーズになされる、すなわち、手切れ性が良好で、その切り口も糸長が揃っていてきれ
いなものとなる。
る共重合ポリエステルを鞘成分としたホモポリエステルを芯成分とする芯鞘型ポリエステ
ルマルチフィラメントとすることが好ましい。
製し、直接紡糸延伸方法(スピンドロー法)により行うことがコスト上好ましい。
経糸の総繊度が30〜120dtexに対して、経糸密度は33〜65本/インチである
ことが好ましい。経糸密度が33本/インチ未満であると織物の引裂強度が低過ぎ、他方
、58本/インチを超えると織物の引裂強度が強過ぎて、いずれも問題となることがある
。また、緯糸の総繊度が160〜390dtexに対して、緯糸密度は25〜58本であ
ることが好ましい。緯糸密度が25本未満であると織物としたとき薄過ぎ、他方、58本
を超えると厚過ぎて、いずれも織物の商品としての見栄えが悪くなる傾向にある。
すなわち、基布のカバーファクターは、
√経糸総繊度×経糸密度(本/インチ(2.54cm))+√緯糸総繊度×緯糸密度(本
/インチ(2.54cm))で定義され、700〜1500であることが好ましい。
700未満であると織物としては薄過ぎ、一方、1500を越えると厚過ぎる傾向にある
。
ントを用いて製織することにより得ることができる。このとき、上記熱融着性フィラメン
トは、少なくとも緯糸の一部として用いる。
以上含有されていることが好ましい。すなわち、熱融着成分が5質量%より少ないと、融
着固定に用いられる熱融着成分が少なすぎて目的とする緯方向の耐摩耗性が不充分となる
おそれがあるからである。また、熱融着成分が多すぎると、経方向の剛性が強くなりすぎ
て取り扱い性が悪くなったりするおそれがあるが、その好ましい含有割合は、熱融着性フ
ィラメントの形態に左右される。
例えば、前記芯鞘型複合繊維を用いる場合、その好適な含有割合は、緯糸全量に対し、好
ましくは25〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%である。また、非熱融
着性合成繊維と熱融着性合成繊維とを引き揃えた糸を用いる場合は、緯糸に対し好ましく
は25〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%の引き揃え糸が含有されるよ
うにしたものが好適である。
の交差部分が均等な組織であれば手切れ性は良好である。
得られた織物は経糸と緯糸が交差部分を熱融着固定させているので織物のあそびが無くな
り紙に近い状態になる為に手切れ性が向上する。また、熱融着固定時の熱処理による強度
低下など、経糸の強度もその性能に寄与する。
。織物の形態で用いてもよいし、適当な幅にカットし、テープ状としてもよい。
また、得られた織物は必要に応じて染色を施してもよいし、糸の段階で染色してもよい
。
基布の一方の面には、熱可塑性合成樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、アクリル樹脂等のフィルムを250〜350℃でラミネートし、ラミネート品
の表面に離型剤、裏面に粘着剤を塗布することにより粘着テープが得られる。
限定されるものではない。
以下の要領で、経糸に用いる共重合ポリエステルマルチフィラメントを準備した。
すなわち、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の
酸成分に対して2.5モル%のSIPEを含有し、平均分子量が200のPEGをポリエ
ステル全体に対して3.0質量%の割合で含有するポリエステルであって、グリコール成
分に対するDEG含有量が5.9モル%であり、末端カルボキシル基濃度が25当量トン
である共重合ポリエステル樹脂を用い、直接紡糸延伸法によりマルチフィラメント56d
tex/36f(破断強度:3.97cN/dtex,破断伸度:42%、融点241℃
)を製造した。
上記によって得られた共重合ポリエステルマルチフィラメントを経糸に用い、
緯糸に、84dtex/24fの鞘成分にイソフタル酸を25モル%共重合させたポリエ
チレンテレフタレート(軟化点185℃)、芯成分には極限粘度0.68のポリエチレン
テレフタレート(融点240℃)からなる芯鞘型熱融着ポリエステルフィラメント(KB
セーレン社製、ベルカップル〔登録商標〕、芯/鞘比率=2/1)を用いて平織組織で製
織し、経糸密度が75本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が80本/インチ(2.5
4cm)の生機を得た(カバーファクター:1294)。
上記準備・製織工程においては、何ら問題が生じることはなかった。
させることにより、上記緯糸の熱融着成分を軟化させ、経糸と緯糸の交差部を融着固定さ
せた。
得られた織物を3cm幅に経カット機台にてスリットし得られたテープは、手切れ性に優
れ、引裂いた後の切り口にほつれが生じず、切れ目がきれいなものであった。また、スリ
ットしなくても、織物は良好な手切れ性を有していた。
実施例1で熱処理し得られた織物を基布として、この基布に厚み40μmのポリエチレン
フィルムを溶融押出して貼り合わせてラミネートした。その際の基布との接触は300℃
で2秒間だった。
ラミネートされた基布の表面に離型剤、裏面にアクリル酸油脂系の粘着剤を付与して粘着
テープを製造した。
得られた粘着テープは、実施例1のものより更に手切れ性に優れ、引裂いた後の切り口に
ほつれが生じず、切れ目がきれいなものであった。
実施例1によって得られた共重合ポリエステルマルチフィラメントを経糸に用い、緯糸に
、267dtex/12f(破断強度:4.6cN/dtex、破断伸度:25%)のホ
モポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン株式会社製)を用いて
平織組織で製織し、経糸密度が48本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が35本/イ
ンチ(2.54cm)の生機を得た(カバーファクター:882)。
上記準備・製織工程においては、何ら問題が生じることはなかった。
得られた織物を熱処理・スリットし、得られたテープは、切ろうとしても、うまく切れず
、手切れ性が悪かった。
また、梱包、補修、養生等に使用される、ガムテープ等の粘着テープ用基布としても好適
に使用される。
Claims (5)
- 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0〜3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150〜600のポリアルキレングリコールを含有するポリエステルであって、グリコール成分に対するジエチレングリコール含有量が4.5〜6.5モル%であり、末端カルボキシル基濃度が20〜30当量トンである共重合ポリエステルマルチフィラメントを経糸に用い、一方、軟化点が120〜220℃である共重合ポリエステルからなる熱融着成分を繊維表面に含む熱融着性フィラメントを緯糸の少なくとも1部に用いて製織し、次いで、得られた織物をヒートセットにより熱処理し、経糸と緯糸との交差部を融着固定させることを特徴とする織物の製造方法。
- 経糸密度が30〜85本/インチ(2.54cm)、緯糸密度が25〜90本/インチ(2.54cm)となるように製織してなることを特徴とする請求項1に記載の織物の製造方法。
- 共重合ポリエステルマルチフィラメントの単糸繊度が1〜10dtex、総繊度が30〜120dtexであることを特徴とする請求項1又は2に記載の織物の製造方法。
- 熱融着性フィラメントが、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエステルを鞘成分とし、ホモポリエステルを芯成分とする芯鞘型ポリエステルマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の織物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の織物の製造方法により得られた織物からなるテープ用基布。
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