JPH08296146A - 養生用粘着テープ用基布 - Google Patents

養生用粘着テープ用基布

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JPH08296146A
JPH08296146A JP7102145A JP10214595A JPH08296146A JP H08296146 A JPH08296146 A JP H08296146A JP 7102145 A JP7102145 A JP 7102145A JP 10214595 A JP10214595 A JP 10214595A JP H08296146 A JPH08296146 A JP H08296146A
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JP
Japan
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yarn
tape
base fabric
boiling water
warp
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Application number
JP7102145A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Tsukamoto
哲男 塚本
Masaru Hayashi
勝 林
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属スルホネート基を有するイソフタル酸成
分を全ジカルボン酸成分に対して1〜10(モル%)共
重合した改質ポリエステルからなり、強度が2.0〜
4.0(g/d)、伸度が30〜40(%)、沸騰水収
縮率が10(%)以下である125デニール以上のマル
チフィラメントを経糸とし、ポリエステルステープルフ
ァイバーを65(%)以上含み、正量番手(綿番手表
示)が20〜50番手、正量番手変動率が3.0(%)
以下、沸騰水収縮率が4.0(%)以下である紡績糸を
緯糸として用いたことを特徴とする養生用粘着テープ用
基布。 【効果】 経糸原糸の製糸操業性および高次通過性が良
好で、得られる養生用粘着テープの手切れ性が良く、か
つ切れ口が美しく、表面が平坦で外観が良く、コンクリ
ートモルタル板のような凹凸のある面への粘着性がよ
く、かつ湿潤時での粘着性も良好で、テープを剥がす際
の剥がれ性がよく、糊残りのない養生用粘着テープ用基
布を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質ポリエステルマル
チフィラメントを経糸とし、紡績糸を緯糸として構成さ
れた養生用粘着テープ用基布に関する。更に詳しくは、
経糸原糸の製糸性と高次通過性が良好で、得られる養生
用粘着テープの手切れ性が良く、かつ切れ口が美しく、
表面が平坦で外観が良く、凹凸のある面への粘着性能が
良く、かつ剥がれ易く糊残りがない養生用粘着テープ用
基布に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープ用基布素材として、古くから
レーヨンスフの紡績糸やビニロン繊維が用いられてきた
が湿潤時の強力低下に代表される種々の欠点があり、こ
れらの欠点を解消し、更に高性能の粘着テープ用基布と
して、ポリエステル繊維が用いられるようになり多数の
技術が開示されている。
【0003】例えば、特開昭60−71735号公報、
特開昭61−75840号公報には、粘着テープの手切
れ性を向上し、切口を美麗にするために基布の経糸物性
値を規定した技術が開示されているが、いずれも繊維物
性値の伸度が低く、原糸製造時はもとより整経、製織時
に毛羽や糸切れが発生し易い問題点があった。
【0004】また、実開昭57−87079号公報、特
開昭60−245684号公報には、−SO3 M基(た
だし、Mは水素または金属原子を表す)含有化合物など
の第3成分を共重合したポリマからなる特定の物性値を
有する繊維を基布の経糸に用いた技術で前者は前述同様
の問題点があり、後者は、フラットヤ−ンを経糸および
緯糸に配した織構造にしているために基布の目ずれが発
生し易い問題がある。
【0005】紡績糸と長繊維糸の組合わせによる基布か
らなるテープの例として、特開昭56−73137号公
報には、経糸としてポリノジックステープルからなる6
0番手紡績糸を用い、緯糸としてポリエステル(75d
/36f)からなるフィラメント糸を用いた基布からな
る包装用テープの技術が開示されている。本技術では包
装用テープとするために、テープ自体の厚みをより薄
く、重量をより軽くなるように経糸および緯糸をできる
だけ細い糸条を用いたものである。
【0006】養生用粘着テープの技術の例として、実開
昭60−117841号公報には、タテ糸、ヨコ糸とも
にポリエステル系フィラメント糸からなる織布を用い、
粘着樹脂層などを改良した技術が開示されている。本技
術も細い糸条を用いて、粘着樹脂層などを改良すること
で養生用粘着テープの性能を向上させているものであ
る。
【0007】上述のように、粘着テープの技術は多く開
示されてはいるが、養生用粘着テープの性能、特に建築
現場における塗装時のマスキングや目貼りなどの際の粘
着性能即ち粘着面に凹凸が多い部分での粘着性および湿
潤時での粘着性及びその耐久性ならびに剥がれ易さなど
は充分に満足できるものはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経糸
原糸の製糸性と高次通過性が良好で、養生用粘着テープ
の手切れ性が良く、かつ切れ口が美しく、表面が平坦で
外観が良く、凹凸面との粘着性が良好で、かつ剥がれ易
く糊残りがない養生用粘着テープ用基布を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、金属スルホネート基を有するイソフタル酸成分を全
ジカルボン酸成分に対して1〜10(モル%)共重合し
た改質ポリエステルからなり、強度が2.0〜4.0
(g/d)、伸度が30〜40(%)、沸騰水収縮率が
10(%)以下である125デニール以上のマルチフィ
ラメントを経糸とし、ポリエステルステープルファイバ
ーを65(%)以上含み、正量番手(綿番手表示)が2
0〜50番手、正量番手変動率が3.0(%)以下、沸
騰水収縮率が4.0(%)以下である紡績糸を緯糸とし
て用いたことを特徴とする養生用粘着テープ用基布によ
って達成できる。
【0010】本発明における養生用粘着テープ用基布
は、経糸として改質ポリエステルのマルチフィラメント
を配し、緯糸として特定の紡績糸を配した構造としたこ
とに特徴がある。経糸は養生用粘着テープの手切れ性向
上を重視し、緯糸は基布の目ずれを防ぐと同時にテープ
製造工程での基布への樹脂層をラミネートする際の接着
性の向上と基布と粘着剤との接着性を重視し、加えてテ
ープとコンクリートモルタルなどの凹凸のある面との粘
着性を向上させるために肝要である。緯糸として特定の
紡績糸を配した構造としたことによって、上述のように
種々の特性が良好になるが基布と粘着剤との接着性が強
化できることによって、テープを剥がす際に被接着物に
糊が残ることがない。
【0011】本発明における経糸は、以下に述べる特定
の物性値を満足する必要がある。まず、繊度は125デ
ニール以上が必要である。養生用粘着テープは前述した
ように凹凸のある面との粘着性が良くなくてはならな
い。したがって、ある程度の厚みのあるテープとするこ
とが必要であり、またある程度の強力が必要であり、そ
のために経糸も太いものが必要で125デニール以上が
必要である。しかし、あまりにも太いと手切れ性が不良
となるので300デニール未満が好ましい。また、太繊
度ではその強力は必然的に大きくなり、テープの手切れ
性が低下するので、その強度は低いものが好ましい。逆
に細繊度では、強度が小さいとテープの経方向の強力が
小さ過ぎて実用上問題となるので、強度はある程度高い
ものが好ましい。上述のことから繊度と強度の関係が次
式を満足することが好ましい。 430−100×強度(g/d) ≦繊度(デニ-ル)≦530
−100×強度(g/d) また、経糸を構成する単糸の繊度は、1〜10デニール
が好ましい。1デニール未満では、原糸製造の操業性が
悪化し、毛羽や糸切れが発生する。10デニールを超え
ると糸の剛性が強くなり過ぎてテープとした時の手切れ
性が不良となる。単糸の繊度のより好ましい範囲は2〜
6デニールである。
【0012】強度は、2.0〜4.0(g/d)の範囲
が必要である。2.0(g/d)未満では、原糸製造時
に毛羽や糸切れが発生し易く、たとえ発生しなくとも整
経、製織時に毛羽や糸切れが発生するので好ましくな
い。また、テープの経方向の強力が小さくなり過ぎ実用
上問題となる。4.0(g/d)を超えると、テープの
手切れ性が悪化し、引き裂き後の切り口にほつれを生
じ、美しい切り口が得られない。したがって、強度は
2.5〜3.5(g/d)の範囲が好ましい。
【0013】伸度は、30〜40(%)の範囲が必要で
ある。30(%)未満では、改質ポリエステルの製造時
に毛羽や糸切れが生じ易く安定した操業ができなくな
る。また、整経性、製織性も悪化する。40(%)を超
えるとテープの手切れ性が悪化し、引き裂き後の切り口
もきれいにならない。
【0014】沸騰水収縮率は、10(%)以下であるこ
とが必要である。該値が10(%)を超えるとテープ製
造時の種々の熱処理工程において、経方向の収縮が大き
くかつ、経糸間バラツキも大きくなり、テープの寸法安
定性が悪化するため工程管理が難しくなるばかりでな
く、ひいてはテープの表面に斑や皺が生じ平坦性を欠き
製品品位を悪化させる。したがって、沸騰水収縮率は低
い方が好ましく、8(%)以下が好ましく、6(%)以
下がより好ましい。しかし、低沸騰水収縮率の原糸を製
造するためには、製造工程において高温の熱処理を必要
とするがあまりにも高温の熱処理を施すと原糸の熱劣化
によって強度や伸度が低下し過ぎて原糸製造安定性を悪
化させ、高次加工性も悪化させるばかりでなく、テープ
としての実用強力も低下させ過ぎる。したがって沸騰水
収縮率は、2(%)以上が好ましい。 次に本発明にお
ける改質ポリエステルについて説明する。本発明におけ
る改質ポリエステルとは、金属スルホネート基を有する
イソフタル酸成分(以下S成分と略す)を全ジカルボン
酸成分に対して1〜10(モル%)共重合したものであ
る。S成分とは、次式で示される化合物であり、具体的
には、ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレー
ト、ビス−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスル
ホ)イソフタレート、ビス−4−ヒドロキシブチル(5
−ナトリウムスルホ)イソフタレートなどが挙げられ
る。
【0015】
【化1】 (但し、MはNa、Li、Kなどのアルカリ金属を示
し、A、A´は、−CH3または−(CH2 )nOHを
示す。nは2以上の整数を示す) 好ましいS成分としては、ジメチル(5−ナトリウムス
ルホ)イソフタレート、ビス−2−ヒドロキシエチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレートが挙げられ
る。より好ましくはジメチル(5−ナトリウムスルホ)
イソフタレートである。 S成分は前記した通り1〜1
0(モル%)共重合していることが必要である。S成分
を共重合させる作用は、ポリエステル繊維の配向度を低
下させ強度または伸度、もしくは両特性を低下させるこ
と及び特に繊維軸に直角方向の剪断力を低下させること
にあり、テープの手切れ性を大巾に向上させる効果があ
る。S成分が1(モル%)未満では、上記効果が小さ
い。また10(モル%)を超えると、ポリマの溶融粘度
が著しく大きくなり、溶融紡糸が困難になるばかりでな
く、強度や伸度が低下し過ぎて原糸製造の安定性や高次
工程通過性を悪化させる。したがって、S成分の共重合
量は、1.5〜8(モル%)の範囲が好ましく、2.0
〜7(モル%)の範囲がより好ましい。
【0016】本発明における養生用粘着テープ用基布を
構成する緯糸は、ポリエステルステープルファイバーを
65%以上含み、正量番手が20〜50番手、正量番手
変動率が3.0(%)以下、沸騰水収縮率が4.0
(%)以下である紡績糸を用いる必要がある。既存の紡
績糸は、ビスコースレーヨンステープル、銅安レーヨン
ステープル、木綿、セルロースアセテートステープル、
ポリエステルステープル、ポリアミドステープル、ポリ
アクリロニトリルステープルなどからなる100(%)
紡績糸やこれら素材を組合わせた混紡紡績糸があるが、
本発明ではこれらの紡績糸のうち、ポリエステルステー
プルファイバーを65(%)以上含む紡績糸を緯糸に用
いる必要がある。
【0017】養生用粘着テープは、先に述べたように建
築現場での使用が多く、雨や夜露などで濡れる場合が多
い。そのために、該テープは湿潤によって強力が低下し
たり、膨潤や収縮によりテープが剥がれやすくなる。し
たがって、湿潤しないテープやたとえ湿潤してもテープ
特性の変化が少ないあるいは変化がないものが望まれ
る。この点からポリエステルステープルファイバーは吸
湿性が小さいために、これを用いたテープは、湿潤状態
に置かれてもテープ特性の変化がないかあるいは少な
く、湿潤による種々の欠点が解消される。したがって、
本発明ではポリエステルステープルファイバーを65
(%)以上混紡した紡績糸を緯糸に用いる必要があり、
好ましくはポリエステルステープルファイバーが100
(%)の紡績糸を緯糸に用いるものである。ポリエステ
ルステープルファイバーとしては、例えば、ファイバー
の繊度が2デニール、カット長が51mm、強度が約
5.5g/d、伸度が約45%、沸騰水収縮率が約2%
のものが好適に使用できる。
【0018】本発明における紡績糸は、以下に述べる特
定の物性値を満足する必要がある。まず、紡績糸の太さ
を表わす正量番手が20〜50番手の範囲である必要が
ある。養生用粘着テープは、先に述べたように使用する
粘着面が凹凸が多い場合が多く凹凸面との粘着性が良く
なくてはならないし、また剥がす際には糊残りが無いよ
うに剥がさねばならない。したがって、ある程度の厚み
のあるテープとする必要があり正量番手が50番手以下
が必要である。しかし、あまりにも太いとテープの厚み
が大きくなり過ぎ、テープの巻き径が大きくなったり、
テープの単位面積当りの重量が大きくなり好ましくな
い。したがって正量番手が20番手以上とする必要があ
る。また、紡績糸の太さは、経糸に使用する改質ポリエ
ステルのマルチフィラメントの太さよりも大きく、かつ
経糸の太さの3倍以内にすることがテープの手切れ性や
切り口を美しくするために好ましい。
【0019】また、正量番手変動率が3.0(%)以下
のものを使用する必要がある。正量番手変動率が、大き
いとテープ表面に凹凸が現れやすくテープ外観が良くな
い。したがって、該変動率はできるだけ小さい方が良
く、3.0(%)以下のものが必要である。
【0020】紡績糸の沸騰水収縮率は、4.0(%)以
下であることが必要がある。該値が大きいとテープ製造
時の種々の熱処理工程において、テープの緯方向に収縮
する力が働きテープの緯寸法安定性が悪化し、テープ表
面に斑や皺が生じ易くテープの製品品位を悪化させる。
したがって沸騰水収縮率は、低い方が良く4.0(%)
以下が必要である。好ましくは2.5(%)以下であ
り、更に好ましくは2.0(%)以下である。
【0021】本発明における基布の経糸の織密度は、使
用される緯糸の番手によって若干変化させるが、あまり
にも高密度では経方向の強力が高くなり過ぎてテープの
手切れ性が悪化するので、経糸の繊度と織密度の関係を
次式を満足する範囲にすることが好ましい。 (350/(D)0.5 )≦織密度(本/インチ)≦(5
50/(D)0.5 ) (但し、Dは経糸の繊度(デニール)) また、緯糸の織密度は、経糸の織密度よりも低い方が好
ましい。
【0022】本発明における経糸に用いる改質ポリエス
テルのマルチフィラメントは、次の方法によって好適に
製造できる。前記した改質ポリエステルを通常の溶融紡
糸機で紡糸し、冷却、給油しながら巻き取った後、所望
の延伸倍率、温度で延伸しながら熱処理し巻き上げるこ
とによって得ることができる。紡糸工程においては、通
常のポリエステルの紡糸温度よりも10〜20℃高めの
温度とし、紡糸速度は1500〜3000m/分の速度
とすることが好ましい。延伸工程においては、本発明で
規定した糸特性になるよう延伸倍率、延伸温度、熱固定
温度を設定することが重要である。強力と伸度は主に延
伸倍率、延伸温度で、沸騰水収縮率は主に熱固定温度を
調整することで所望の糸特性を得ることができる。
【0023】本発明における緯糸に用いる紡績糸につい
ては、沸騰水収縮率はステープルファイバー製造段階で
低い沸騰水収縮率になるように調整したものを用い、正
量番手変動率は紡績工程で低い変動率になるように調整
し得ることができる。
【0024】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中の各測定値は次の方法に従った。
【0025】A.改質ポリエステルマルチフィラメント
の強度、伸度 東洋ボールドウイン社の“テンシロン”UTM−11を
用いて試長200mm、引張速度200mm/分の条件
下で、荷重一伸長曲線を測定し、この曲線から強力と伸
度を読取り、10回の平均値を算出する。強力を繊度で
除した値を強度とする。
【0026】B.改質ポリエステルマルチフィラメント
の繊度、沸騰水収縮率 JIS L−1090に準じて測定した。
【0027】C.紡績糸の正量番手 JIS L−1095に準じて測定した。
【0028】D.紡績糸の正量番手変動率 JIS L−1095に準じて測定した。
【0029】E.紡績糸の沸騰水収縮率 JIS L−1095に準じて測定した。
【0030】実施例1 酸成分にテレフタル酸と表1に示す量のジメチル(5−
ナトリウムスルホ)イソフタル酸を共重合した改質ポリ
エステルを通常の紡糸口金を用い、紡糸温度295℃に
て溶融紡糸し、2000m/分で巻き取った。得られた
未延伸糸を第1加熱ローラーと第2加熱ローラー方式の
延伸機を用いて、得られる糸条の伸度が35±2%とな
る延伸倍率で、沸騰水収縮率が6±2%となる第2加熱
ローラー温度で延伸熱処理し、150デニール48フィ
ラメントの延伸糸を得た。
【0031】得られた延伸糸を整経して経糸として用
い、緯糸としては30番手のポリエステル75%/レー
ヨン25%の紡績糸(正量番手変動率が1.9%、沸騰
水収縮率が2.3%)を用い、織密度を経糸は38本/
インチ、緯糸は32本/インチとして製織し生機を得
た。この生機を基布として、厚さ60μmのポリエチレ
ンフイルムを溶融押出しして基布と貼り合わせてラミネ
ート加工した。次にラミネートされた基布の表側に離型
剤を、裏側にアクリル酸樹脂系粘着剤を付与し、養生用
粘着テープを得た。原糸特性、原糸操業性、高次加工性
およびテープ特性などをまとめて表1に示す。
【0032】
【表1】 実験No.2〜6(本発明)は、原糸の強度が2.0
(g/d)〜4.0(g/d)であり、原糸操業性、高
次加工性およびテープの手切れ性に特に大きな障害がな
く実用的であり、特に実験No.3、4は、極めて良好
であった。また、テープの表面は、平坦性が良好で外観
が良好であった。
【0033】実験No.1(比較例)は、原糸の強度が
大きくテープの手切れ性において、引き裂きにくく、か
つ切り口にほつれがあり不良であった。また、実験N
o.7は、ポリマ粘度が著しく大きく、紡糸の濾過圧が
大きく、かつ濾過圧上昇率も大きく、紡糸性が不良であ
ると同時に長時間の紡糸が不可能であり、高次加工性も
不良であった。
【0034】実施例2 実施例1の実験No.3のポリマを用い、実施例1と同
様に溶融紡糸し、得られる糸条の繊度および伸度が変化
するように紡糸吐出量および延伸倍率を設定した以外
は、実施例1と同様に延伸し、110〜300デニール
で48フィラメントの糸条を得た。得られた糸条を実施
例1と同様に整経、製織、養生用粘着テープとし評価し
た。なお、粘着性の評価は、垂直に立てたコンクリート
モルタル板に粘着させ、これに霧吹きで一様に濡れるま
で水を吹き付け(24時間毎に吹き付ける)1日毎にテ
ープの皺、カール状態、剥がれ状態を10日間観察し総
合して良否を判定したものである。これらの評価結果を
表2に示す。
【0035】
【表2】 実験No.9、10、12〜14(本発明)は、製糸
性、整経性、製織性、手切れ性および粘着性が良好であ
った。実験No.8(比較例)は、繊度が低いもので糸
条の強力が低く、粘着テープの厚さも小さく粘着性が不
良であった。実験No.11(比較例)は、延伸倍率を
高く設定したもので原糸伸度が低く、原糸製造時に毛羽
が発生し、糸切れもありよくなかった。実験No.15
(比較例)は、延伸倍率を低く設定したもので原糸伸度
が高いとともに糸長手方向の諸特性のバラツキが大き
く、高次工程での安定性に欠けるものであり、手切れ性
も不良であった。
【0036】実施例3 実施例2の未延伸糸を用いて、得られる糸条の沸騰水収
縮率が6水準に変化するように第2ホットローラー(熱
処理ローラー)の温度を種々設定した以外は、実施例1
と同様に延伸し、150デニール48フィラメントの糸
条を得た。得られた糸条を実施例2と同様に整経、製
織、養生用粘着テープとし評価した。これらの評価結果
を表3に示す。
【0037】
【表3】 実験No.16〜20(本発明)は、製糸性、整経性、
製織性、手切れ性、粘着性およびテープ外観が実用上問
題なく良好であった。実験No.21(比較例)は、沸
騰水収縮率を高く設定したもので、テープ製造時に経方
向に斑やしわが発生し、平坦性が悪く外観が不良であっ
た。またコンクリートモルタル板への粘着性も不良であ
った。
【0038】実施例4 実施例1の実験No.3の糸条を経糸として用い、表4
に示す各水準の紡績糸(ポリエステル紡績糸、ポリエス
テル/レーヨン混紡糸)を緯糸として用いた以外は、実
施例2と同様に整経、製織、養生用粘着テープとし評価
した。これらの評価結果を表4に示す。
【0039】
【表4】 実験No.23、24、25、27、28、31(本発
明)は、紡績糸のポリエステルステープルファイバーの
混紡率が65%以上、正量番手が20〜40番手、正量
番手変動率が3.0(%)以下、沸騰水収縮率が4.0
(%)以下であり、テープ外観、手切れ性、切れ口の美
しさ、粘着性が良好であった。特に沸騰水収縮率が、
2.5(%)以下である実験No.24、25、28は
すべての特性が良好であった。また、実験No.24、
25は、紡績糸がポリエステル100%であり、粘着特
性において、実験No.28に比して更に良好なもので
あった。
【0040】実験No.22(比較例)は、ポリエステ
ルステープルファイバーの混紡率が65%未満であり、
粘着性が不良であった。実験No.26(比較例)は、
正量番手が15番手と小さく紡績糸が太いために粘着剤
が多量に必要であり、かつテープ厚さが大き過ぎて良く
なかった。実験No.29(比較例)は、正量番手が5
0番手と大きく紡績糸が細いためにテープの厚さが薄過
ぎてコンクリートモルタル板との粘着性が不良であっ
た。実験No.30(比較例)は、正量番手変動率が
3.5(%)と大きいためにテープ外観が不良であっ
た。実験No.32(比較例)は、沸騰水収縮率が4.
5(%)と高くテープ外観が不良であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の養生用粘着テープ用基布は、特
定の改質ポリエステルマルチフィラメントを経糸とし、
特定の紡績糸を緯糸として構成された基布であり、経糸
原糸の製糸操業性および高次通過性が良好で、得られる
養生用粘着テープの手切れ性が良く、かつ切れ口が美し
く、表面が平坦で外観が良く、コンクリートモルタル板
のような凹凸のある面への粘着性がよく、かつ湿潤時で
の粘着性も良好で、テープを剥がす際の剥がれ性がよ
く、糊残りのない養生用粘着テープ用基布を提供でき
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属スルホネート基を有するイソフタル
    酸成分を全ジカルボン酸成分に対して1〜10(モル
    %)共重合した改質ポリエステルからなり、強度が2.
    0〜4.0(g/d)、伸度が30〜40(%)、沸騰
    水収縮率が10(%)以下である125デニール以上の
    マルチフィラメントを経糸とし、ポリエステルステープ
    ルファイバーを65(%)以上含み、正量番手(綿番手
    表示)が20〜50番手、正量番手変動率が3.0
    (%)以下、沸騰水収縮率が4.0(%)以下である紡
    績糸を緯糸として用いたことを特徴とする養生用粘着テ
    ープ用基布。
  2. 【請求項2】 ポリエステルステープルファイバーが1
    00(%)である紡績糸を緯糸として用いた請求項1記
    載の養生用粘着テープ用基布。
  3. 【請求項3】 紡績糸の沸騰水収縮率が2.5(%)以
    下である請求項1または請求項2記載の養生用粘着テー
    プ用基布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010095821A (ja) * 2008-10-17 2010-04-30 Kb Seiren Ltd 粘着テープ用基布

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