JPS6228436A - 引き裂き性に優れた粘着テ−プ用基布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は粘着テープ用基布に関する。更に詳しくは、引
き裂きが容易で、かつその切口の美麗な粘着テープ用基
布に関するものである。

従来の技術 近年、粘着テープが包装材や組立作業における一時的形
態保持のため等に汎用されているが、該テープの要求特
性の一つとして幅方向に簡単に引き裂けるという事が重
要である。

従来、粘着テープ用基布として、経糸及び緯糸にレーヨ
ンスフよりなる紡績糸又はビニロン繊維が使われている
。両者はいずれも引き裂き性は満足するものの、湿潤時
に強力低下や基布て厚み斑を生じること、接着剤である
樹脂の付着量が過大になり易いこと、高価である等の欠
点を有している。一方、特開昭５８−９１８４５号公報
においてポリエステルフィラメントを使った粘着テープ
用基布が提案されており、粘着テープ製造工程における
熱処理で、繊維の伸度を低下せしめることにより、該基
布の引き裂き性の改良が試みられている゛が、テープ製
造工程における高温熱処理の際のエネルギーコストのア
ップも無視出来ず、更に高温熱処理に起因する生産性の
低下や基布と樹脂層のラミネート処理の際に品位の低下
を生ずる、といった不都合があった。

また、特開昭６０−７１７３５号公報において、特定の
単糸繊度、強度、伸度の交絡処理の施されたポリエステ
ルマルチフィラメントを用い、低イ範囲の経糸織密度で
、かつ実質的に無撚無糊で製織することにより、製織性
を損なうことなく、薄地で、樹脂との接着強力低下のな
い、引き裂き性良好な粘着テープ用基布が提案されてい
る。しかしながら、かかる特定の糸条の物性は糸条に施
される交絡処理と密接に関係しているため、その交絡点
を多数有することが必須条件となり、その為にかかる特
定の物性は、糸長方向にバラツキが生じ易く、糸製造工
程管理も厳しく、該基布の引き裂き性が容易であっても
その切口の美麗さは充分ではない。

発明が解決しようとする問題点 本発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、
平面性に優れ、高品位の引き裂き性に優れた粘着テープ
用基布を均一品質で生産性良く、かつ安価に提供しよう
とするものである。

問題点を解決するための手段 本発明の粘着テープ用基布を提供するための要旨は次の
とおりである。

本発明は、測定周波数１１０Ｈｚにおける力学的損失正
接（ｔａｎδ）が最大を示す温度Ｔ　ｍ　ａ　ｘが１２
０ｃ以下であり、伸度が１０〜２３％、タフネスが１３
〜２０％、沸水収縮率が６％以下であるポリエステル繊
維を少なくとも経糸として用いてなる引き裂き性に優れ
た粘着テープ用基布である。

・本発明でいう粘着テープとは、荷物の梱包や大きめの
缶の防湿などに用いられるガムテープや、傷口をおおっ
たり、が−ゼをとめたりするときに用いられる絆創膏な
どのようＫ、織物等の基布に粘着材により粘着性機能を
持たせたものをいう。

本発明に用いられるポリエステルとは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、炭素数２〜６のアルキレングリコー
ル、即チエチレングリコール、トリメチレングリコール
、テトラメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ペンタメチレングリコール、特に好ましくけエチレ
ングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステ
ルを主たる対象とする。また、テレフタル酸成分の一部
を他の二官能性カルゼン酸成分で置換したポリエステル
であってもよく、及び／又はグリコール成分の一部を上
記グリコール以外のジオール成分で置換えたポリエステ
ルであってもよい。

ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルゼン
酸としては、例えば、イソフタル酸、ナ゛フタレンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルＩン酸、ジフエノキシエタ
ンジカルゼン酸、β−オキシエトキシ安息香酸、ｐ−オ
キシ安息香酸、アジピン酸、セパシン酸、１，４−７ク
ロヘキサンジカルゼン酸の如き芳香族、脂肪族及び脂環
族の二官能性カルゼン酸をあげることができ、更に、か
かる二官能性カルゼン酸の構造単位の中に、例えば５−
ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル等の如くスルホ
ニル基等の官能基が導入されていてもよい。まだ、上記
グリコール以外のジオール化合物としては、例えば、シ
クロヘキサン−１，４−ジメタツール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフェノール人、ビスフェノールＳの如き
脂肪族、指環族及び芳香族のジオール化合物をあげるこ
とができる。また、これらを共重合したものであっても
かまわないが、粘着テープ製造工程、特に樹脂層とのラ
ミネートエ桿での取扱性の観点からは、ポリエチレンテ
レフタレートが好ましい。これらの重合体は必要に応じ
て熱安定剤、艶消剤、帯電防止剤などの常用される添加
剤を含有していてもかまわない。

本発明で少なくとも経糸として用いられるポリエステル
繊維の測定周波数１１０Ｈｚにおける力学的損失正接（
ｔａｎδ）が最大を示す温度Ｔｍａｘは、１２０Ｃ以下
でなければならない。Ｔｍａｘが、１２０Ｃ以上である
とき、粘着テープの製造工程におけ′る種々の厳しい熱
処理工程において、糸切れが多発し７、生産性が低下す
るばかりでなく、かかる基布の品質のパラツギも生じや
すく、ひいては、かかる粘着オーツの表面平滑性が低下
し、まだ該引き裂き切口の美麗さを損なう結果となる。

ＴｍａＸは１１６Ｃ以下がより好ましい。

また、本発明で少なくとも経糸として用いられるポリエ
ステル繊維の伸度は１０〜２３％であることが必要であ
る。伸度が２３％を越えるとかかる基布の引き裂き切口
から切断した糸がはみ出し、その切口の美麗さが損なわ
れる。また、伸度が１０％未満であると、粘着テープの
製造工程における種々の厳しい張力付加工程において、
毛羽や糸切れが多発し、生産性が損なわれる。伸度は１
３〜１８％が更に好ましい。

更に１核タフネスは１３〜２０であることが必要である
。タフネスとは下式で表わす物性である。

タフィ・ス＝強度（グラム／デニール）×（１１堅タフ
ネスが２０より大きいとき、かかる基布の引き裂き性は
低下し、該粘着テープを使っての作業性が低下し、まだ
その切口にほつれを生じ、美しい切口となり得ない。タ
フィ・スが１３未満であると製織時糸切れが増え、織機
停止台が増加する。

タフィ、スけ１３〜１８であることが更に好すしい。

第１図に、本発明でいうタフネスが１３〜２０である領
域と伸度・強度との関係を示す。

本発明において導水収縮率は６％以下であることが必要
である。導水収縮率が６％より大きいと、粘着テープ製
造の種々熱処理工種において、自己収縮が大きくなり、
その際、発生する収縮応力や寸法変化率が大きくなるこ
とにより、かかる工程の管理が難しくなり、生産性を損
なう原因となるばかりでなく、ひいては、粘着テープの
表面の平滑性に斑を生じ、製品の品位低下の原因となる
。

導水収縮率が６％以下においては、かかる問題点は解消
し、４．５％以下では、より好ましい結果を得る。

本発明でいうポリエステル繊維は、例えば、ポリエステ
ルポリマーを溶融紡糸するに際１，１．ｔ？リマーの溶
融紡出条件、紡出されたフィラメントの冷却条件、冷却
固化されたフィラメントの巻取り、条件を適宜コントロ
ールすることにより得られるが、必要に応じて、巻取ら
れたフィラメントを適宜の条件で延伸又は熱処理ｌ−で
も良い。

以下に１本発明に用いられた、繊維の構造特性およびそ
の低特性の測定方法を示す。

〔力学的損失正接（ｔａｎδ）が最大を示す温度Ｔｍａ
ｘ　］東洋ゼールｒクイン社製、レオパイプロン（Ｒｈ
ｅｏ　Ｖｉｂｒｏｎ　）　ＤＤＶ−Ｉｌ１人型動的粘弾
性測定装置を用い、試料的０．１■、測定周波数１１０
Ｈｚ、昇温速度５Ｃ／分において乾燥空気中で各温度に
於けるｔａｎδおよびｐ／　　ｃ動的弾性率）を測定す
る。

その結果、ｔａｎδ一温度曲線が得られる。このグラフ
からｔａｎδが最大を示す温度（Ｔｍａｘ　）　（Ｃ）
とｔａｎδの最大値（ｔａｎδ）　ｍａｘが得られる。

〔強度・伸度・タフネス〕

引張り試験機を用い、糸長２５ｃｒｎ、引張り速度３０
ｔＭ／分の条件で常法により測定した。求められた強度
・伸度よりタフネスは下式によって算出される。

タフネス２強度（グラム／デニール）Ｘ％／伸度（％）
〔導水収縮率〕 ０．１グラム／デニ一ル荷重下での試料長をＬｏとし、
無荷重で洪水中で３０分間処理した後、再度０．１グラ
ム／デニールの荷重をかけて長さＬを測定する。

導水収縮率は下記式で求められる。

導水収縮率（％）＝（（Ｌｏ−Ｌ）／Ｌｏ〕ｘｔｏ。

〔ポリエステルの固有粘度（１）〕 溶剤としてオルト−クロロフェノールを用い、ポリマー
濃度を種々変えて、３５ｃでηｓ　ｐ　／　ｃを測定し
、濃度０へ外挿した値を固有粘度とする。

実施例 以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。

実施例１ 〔η］＝０．６１のポリエチレンテレフタレート（融点
２５５Ｃ）を第２図に示す溶融紡糸装置を用い、加熱箇
の長さおよび内温を第１表に示す如く変化させ、６００
０〜８０００ｍ／分の速度で紡糸し、７５ｄ／２４ｆの
フィラメントを得た。そのとき、用いた紡糸口金はスリ
ット巾０．０８１１ｊ軸長０．３０　ｓｎの三軸等長Ｙ
型紡糸孔で、孔数２４であり、得られたフィラメントは
三角（トライローバル）断面形状を有する。紡糸実験中
の紡糸口金温度は、２９５Ｃであった。又、紡出されだ
ポリマーば（η）＝０．５８であった。第１表に示す細
化完了点は、西独ｚｉｍｍｅｒ社製ＤＩＡＭＥＴＰＲ−
ＭＯＮＩＴＯＲ４６０Ａ／２を用いて紡糸中のモノフィ
ラメントの直径を測定することによって確認し、その位
置を紡糸口金からの長さとして表わした。紡糸されたモ
ノフィラメント群は細化完了点の位置から２５ｃｒ１１
下方の位置で給油用ノズルガイＰ（（て集束され、かつ
、油脂分０．８重僅％に給油された。巻取機は紡糸口金
下３ｃｒｎの位置に設置された。また、紡糸実験中用い
られた冷却風は、温度２０Ｃ１湿度６０％、風速０．１
４ｍ／ｓｅｃの条件で供給された。このときの紡糸の安
定性と巻取フオームおよび得られた繊維の物性を第１表
に示す。

次に、得られた繊維に流体交絡処理を施し、４０〜５０
個／ｍの交絡点を付与し、該繊維を糊をつけずに整経し
、ウォータージェットルームにて製織した。該基布の織
物密度は経糸密度５３本／インチ、緯糸密度６４本／イ
ンチで、緯糸には通常の？リエチレンテレフタレート繊
維ｔｏｏｃ＋／３６ｒを使用した。このときの製織性を
第１表に示す。

更に、該基布を、粘着テープ製造工程にて粘着テープと
したのち、経糸方向に引き裂きテストを実施した。この
とき、得られた粘着テープの引裂強力および手切性を第
１表に示す。引裂強力は一般に粘着テープとして要求さ
れる強力としてＪＩＳＬ１０９６法で４００ｇ以下であ
る。尚、得られた粘着テープは全ての実験遥において該
表面は平滑性に非常に優れ、たわみが無く、厚み斑の無
い製品であった。

第１表及び第２表に示す、紡糸安定性、巻取りフオーム
、製織性、手切性の評価方法は次のとおりである。

■紡糸安定性　◎：非常に良好（切糸、単糸切れほとん
どなし） ○：良好（切糸、単糸切れややあり） ×：不良（切糸多発、紡糸困難） ■巻取りフオーム　◎：非常に良好（ノソツケージ端面
の糸落ち、フオーム崩れ共に無し） ○：良好（・セラケージ端面の糸落ちやや有り、フオー
ム崩れ無し） ×：不良（フオーム崩れ有り） ■製　織　性　◎：非常に良好（織機停台はとんどなし
）Ｏ：良好（織機停台ややあり） ×：不良（織機停台多発） ０手　切　性　◎：極めて簡単に引き裂ける。

○：比較的簡単に引き裂ける。

×：簡単に引き裂けない。および／又は、切口が美麗で
ない。

第１表に示す実験＆２．３．６．７．１１，１２が本発
明例であり、製織性は良好であり、手切性は簡単に引き
裂くことが可能であり、該切口も美麗であった。実験車
１．５は、繊維物質のタフネスが低く、手切性は良好で
あるものの、製織性が不良であった。実験遥４．８．９
．１０は、繊維物性の伸度が高く、製織性は良好である
ものの、手切性は不良であり、簡単に引き裂けなかった
り、簡単に引き裂けても切口は美麗でなかった。

実施例２ 〔η）　＝　０．７４のポリエチレンテレフタレート（
融点２５６　Ｃ）を用い、紡糸口金の孔径を０．２３１
１１１の丸型紡口に変えた以外は、実施例１と同一の条
件で紡糸速度６０００〜８５００　ｍ　／分の速度で紡
糸実験を行ない、得られた繊維を製織し粘着テープとし
て加工した。又、紡出されたポリマーは〔η）　＝　０
．７２であった。各実験車の紡糸条件・状況、繊維物性
、製織性及び粘着テープの手切性を第２表に示す。

同、得られた粘着テープは、第１表の屋１〜１２と同様
に１全ての実験車において該表面は平滑性に非常に優れ
、たわみが無く、厚み斑の無い製品であった。

第２表から明らかな如く、実験Ａ　１５．１６．１７が
本発明例であり、製織性は非常に良好であり、手切性は
簡単に引き裂くことが可能であり、該切口も美麗であっ
た。実験７Ｈｔ３．１４は、繊維物性の伸度が高く、製
織性は良好であるものの、手切性は不良であシ、簡単に
引き裂けず、その切口も美麗でなかった。実験＆１８は
、繊維物性のタフネスが低く、手切性は良好であるもの
の、製織性が不良であった。

実施例３ 第１表に示す実験車７および第２表に示す実験車１５の
繊維を第１０−ラーの表面温度７５Ｃ１第１０−ラと第
２０−ラの間に設置したホットプレートの温度１３０Ｃ
とし、第１０−ラーと第２０−ラーの間での延伸比］、
、　０８７で延伸速度８００　ｍ７分で延伸した。第３
表にそれぞれ実験車を１９および２０として示す。

又、〔η］＝０．６３のポリエチレンテレフタレート（
融点２５５　Ｃ）を用い、紡糸口金の数３６、加熱筒の
長さ３０（７ｎ、該内温２５０Ｃとした以外は実験ｊ５
１５と同一条件で紡糸した繊維を、実験ｊ≦１９および
２０と同一延伸条件で延伸比のみ１．１８２として延伸
した。又、紡出されだポリマーは〔η〕＝０．６０であ
った。該実験煮を２１とする。

更に、紡糸速度４０００　ｍ　７分、延伸比１．４９５
とする以外は実験点２１と同一条件で実施［７、該実験
塵を２２とする。

各実験潟にて得られた繊維を製織１７粘着テープとして
加工した。各実験屋の延伸比、延伸工程糸切率、繊維物
性、製織性及び粘着テープの手切性、表面平滑性を第３
表に示す。実験屋１９および２０が本発明例である。

第３表から明らかな如く、各実験屋共に延伸工程糸切率
、製織性および手切性に優れるが、実験＆２１および２
２は、繊維物性の潜水収縮率が高く、表面平滑性が不良
となり、たわみ、厚み斑が見られるようになる。特に該
傾向は、Ｔｍａｘの高い実験点２２で顕著となる。

第３表に示す、表面平滑性の評価方法は次のとおりであ
る。

Ｏ：良好・・・たわみ、厚み斑、はとんど見られない Δ：やや不良・・・たわみ、厚み斑、やや見られる×：
不良・・・たわみ、厚み斑が見られる実施例４ 第１表に示す実験朧３で得られた繊維を流体交絡処理を
施さずに、該繊維を、糊をつけ整経した以外は全て実験
属３と同一条件で製織し、粘着テープを製造しだが、核
製織性および該手切性は実験点３と同様良好であり、該
粘着テープの表面平滑性も非常に良好であった。

（以下余色） 発明の効果 本発明の粘着テープ用基布は、下記の顕著な効果を発揮
する。

（イ）繊維そのものが、特別な構造・物性を持つため、
得られ九基布の引き裂き性が優れ、更に該品質が極めて
均一となり、それ忙よって得られる粘着テープの切口は
美麗なものとなる。

（ロ）繊維そのものが、特別な構造・物性を持つため、
機械的安定性・熱的安定性が良好であシ、粘着テープの
製造工程における種々張力付加工程・熱処理工程での工
程管理が容易となり、生産性・エネルギーコスト・製品
品位の均一性に優れ、得られた粘着テープも、たわみが
無く、厚み斑の無い、平面性に優れた高品位な製品とな
る。

Ｐｅ　　繊維そのものがポリエステルより構成されてい
る為、安価で経済的であり、湿潤時の張力低下等がない
。

等の効果が得られる。更に、 に）、繊維そのものが、特別な構造・物性を持っため、
常法に従う交絡処理を施すに際し、少ない交絡点でも何
ら得られ九基布の引き裂き性は悪化せず、更に該品質の
均一性を損なうこともない０ （ホ）繊維を形成するポリマーや繊維の断面形態等を適
宜選択することにより、基布の引き裂き性や該基布と粘
着樹脂との接着性の機能をより向上せしめることも可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明でいうタフネスの領域と伸度・強度と
の関係を示す。 第２図は、本発明を構成するポリエチレンテレフタレー
ト繊維を製造する装置の一例を示す図である。 ｌ・・・紡糸ヘッド、２・・・紡糸口金、３・・・加熱
筒（加熱域）　、４・・・モノフィラメント群、５・−
・給油用ノズルガイＰ（集束用ガイド）、６・・・冷却
風、７・・・高速巻取機。 特許出願人　旭化成工業株式会社 第１図 伸＆（％） 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 測定周波数１１０Ｈｚにおける力学的損失正接（ｔａｎ
   δ）が最大を示す温度Ｔ＿ｍ＿ａ＿ｘが１２０℃以下で
   あり、伸度が１０〜２３％、タフネスが１３〜２０、沸
   水収縮率が６％以下であるポリエステル繊維を少なくと
   も経糸として用いてなる引き裂き性に優れた粘着テープ
   用基布