JP5478014B2 - 再生ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、再生ポリスチレン系樹脂組成物に関するものであり、特に使用済みのポリスチレン系混合樹脂組成物の再生に好適である。
現在、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの家電製品や、複写機などのOA機器や、コンピュータの筐体や部品として、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂などの熱可塑性樹脂が一般的に用いられている。上記家電製品などがその役目を終えて捨てられる段になると、上記熱可塑性樹脂は廃棄物として取り扱われ、その多くは焼却や埋め立てや燃料として処理されてきた。
しかしながら、近年、焼却、埋め立てによる環境汚染や埋め立ての処分場の不足が社会的問題となっている状況を受けて、2001年4月に施行された特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)により、テレビ、冷蔵庫(冷凍庫を備えたものを含む)、洗濯機、エアコンの家庭用電気機器4品目にリサイクル(再商品化)が義務付けられた。これら家庭用電気機器(以下、家電製品という)に用いられる樹脂のリサイクル方法には、燃焼させて熱エネルギーを回収するサーマルリサイクル、燃焼または熱分解させて無機充填剤、オイル成分、プラスチック原料などの有価物を回収するケミカルリサイクル、そのまま粉砕して再溶融して各種成形品に加工するマテリアルリサイクルなどがある。これらのリサイクル方法のうち、環境負荷低減や資源の有効活用の観点から、そのまま粉砕して再溶融して各種成形品に加工するマテリアルリサイクルが推進されていることから、よりマテリアルリサイクルしやすい樹脂への転換が望まれている。
使用済み家電製品やOA機器から回収される使用済み混合プラスチックは、手解体により回収できないプラスチック残さ(シュレッダーダスト)を含み、該残さは異種樹脂の混合物からなり、物性やゴミなどの異物の問題によりそのまま使用することはできない。これらのプラスチック残さは、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリスチレン系樹脂(ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、汎用ポリスチレン(GPPS)など)、アクリロニトリル系樹脂(ABS:Acrylonitrile−Butadiene−Styrene、AS:Acrylonitrile−Styreneなど)が約70%を占めているので、プラスチック残さを有効に利用するためには、この3種類の樹脂、すなわち、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびアクリロニトリル系樹脂を純度よく効率的に選別回収する必要がある。
これらの樹脂の中で、水に浮くポリオレフィン系樹脂は、比重差による選別(分別)回収が進められており、他の樹脂に比べて分別して回収しやすい。一方、ポリスチレン系およびアクリロニトリル系樹脂の選別回収については、比重がほぼ同じため、比重選別による選別は難しいとされている。その他の選別方法として、たとえば特許文献1のように、静電力を利用した選別による分離方法も研究されており、純度の高いポリスチレン系およびアクリロニトリル系樹脂の選別が行われている。
しかし、使用済み混合プラスチックは、使用済み製品由来のプラスチック残さ所以の非相溶系樹脂であるオレフィン系樹脂やその他の異物のため、新材プラスチックに比べて衝撃特性(たとえば、シャルピー衝撃値)や伸び特性(たとえば、引張破断伸び率)などの靭性面の物性低下が著しいことがわかっている。これは、非相溶系樹脂であるオレフィン系樹脂やその他の異物が破壊の起点となり衝撃特性を低下させており、特に、異物が固体の場合は靭性低下が著しい。
これら異物の除去方法としては、たとえば水等の湿式方式により洗浄することが最も有効であるが、製品破砕時にこびり付いた異物を、洗浄で完全に取り除くことは困難である。そこで、樹脂を溶融状態にして異物を除去するために、押出機のスクリーンメッシュによる異物を除去する方法がある。この方法では、スクリーンメッシュの網目を細かくすることにより異物除去効果を高めることができ、衝撃特性や伸び特性などの靭性面の物性を大幅に改善することができる。しかし、異物がメッシュに目詰まりして押出機がベンドアップし、生産性が大きく低下することがある。また、目詰まりしたメッシュの交換時間が長くなると、押出機内の樹脂が熱劣化して物性低下を引き起こすという問題がある。
このような問題に対して、非相溶系樹脂であるオレフィン系樹脂やその他の異物を含んだまま靭性が改善できる添加剤が検討されている。特許文献2では、熱可塑性樹脂に該熱可塑性樹脂を構成する単量体と同一または類似する単量体をグラフト重合させて、熱可塑性樹脂との相溶性を付与したオレフィン系ゴムおよびアクリル系ゴムを等価再生改良剤として添加して新材樹脂による成形品の廃棄物から再生された樹脂が、その成形品と等しい価値のある成形品とすること、すなわち等価再生させる方法が提案されている。特許文献2においては、ポリスチレン系(PS)樹脂に該当する等価再生改良剤(相溶化剤)として、PS−g−オレフィン系ゴムやPS−g−アクリル系ゴムを用いている。しかしながら、これらの相溶化剤を単独で添加した場合、非相溶系であるその他の異物の影響により、靭性の著しい改善効果が望めず、靭性を改善するためには該相溶化剤を相当量添加する必要があると考えられる。
また、特許文献3では、使用済み樹脂を再利用するために、回収した樹脂(A)に、該樹脂(A)と異なる種類の樹脂を添加して再利用方法が提案されており、たとえば樹脂(A)がポリスチレン系樹脂の場合には、HIPS、AS、スチレン−ブタジエン共重合体(SBC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、アイオノマーなどの樹脂(B)を少なくとも1種類以上添加する方法が提案されている。しかしながら、樹脂(B)の選定基準は、回収した樹脂(A)と相溶性であるため、ポリスチレン系樹脂と非相溶である異物除去による物性の改善が十分に検討されたものではない。
特開2007−111600号公報 特開2002−105332号公報 特開2002−292628号公報
本発明は、使用済み家電製品等に由来するプラスチック残さに含まれる異物の影響を除去し、新材のポリスチレン系樹脂相当の物性、特に靭性において新材ポリスチレン系樹脂相当の物性を有する再生ポリスチレン系樹脂組成物を得ることを目的とし、残存異物に関係なく、物性改善剤および耐熱安定剤からなる補助剤を添加することにより再生ポリスチレン系樹脂組成物を効率よく得ることを目的とする。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、使用済み電化製品等に含まれる基材スチレン系樹脂との相溶化だけでなく、異物種を特定し、異物種や異物量を考慮して、異物と基材スチレン系樹脂とを相溶化させる物性を改善させる添加剤を選択・調合することにより、靭性が改善された再生ポリスチレン系樹脂を得ることができる。特に、固体である異物と基材スチレン系樹脂の界面をできるだけ相溶化させることにより、靭性の向上した再生ポリエチレン系樹脂組成物が得られることを見出してなされたものである。
すなわち本発明は、使用済みポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、樹脂改質剤5〜400質量部と、熱可塑性樹脂1〜10質量部とからなる補助剤を含有してなる再生ポリスチレン系樹脂組成物であって、上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物は、少なくともポリスチレン系樹脂と異物とを含み、樹脂改質剤は、スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーと、スチレン系−オレフィン系グラフト共重合体とからなり、熱可塑性樹脂は、上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物と同種であり、かつ上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物と非相溶である再生ポリスチレン系樹脂組成物に関するものであり、該再生ポリスチレン系樹脂組成物により上記課題を解決するものである。
上記熱可塑性樹脂は、その融点が260℃以下であることが好ましく、また、上記熱可塑性樹脂が、熱可塑性ウレタンおよびシリコーン系ゴムの少なくともいずれか一方であることが好ましい。
また、本発明は、上記のような再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、さらに新材ポリスチレン系樹脂1〜400質量部を含有した再生ポリスチレン系樹脂組成物に関する。
本発明は、使用済みポリスチレン系樹脂に、残存異物種に応じた物性改善を特定の補助剤を添加することにより、新材のポリスチレン系樹脂組成物相当の物性もしくはそれ以上になるような物性改善効果が得られる。
本発明によれば、使用済みプラスチックから選別回収されたポリスチレン系樹脂(使用済みポリスチレン系樹脂)に対して、スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーとスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(PS−g−PO)とからなる樹脂改質剤のように、特定のゴムおよび相溶化剤の組み合わせを添加することにより、少ない添加量で、靭性を改善できる。次に、該ポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物と同種でかつ該ポリスチレン系樹脂組成物と非相溶である熱可塑性樹脂を添加することにより、固体異物と基材スチレン系樹脂との界面の相溶性を改善する効果が得られる。この結果、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れて、特に、衝撃特性が新材のポリスチレン系樹脂相当にまで物性改善された再生ポリスチレン系樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<再生ポリスチレン系樹脂組成物>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、使用済みポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、樹脂改質剤5〜400質量部と、補助剤1〜10質量部とを含有してなる。上記再生ポリスチレン系樹脂組成物は、その衝撃特性を対応する新材のポリスチレン系樹脂と同等のものとすることができる。
<使用済みポリスチレン系樹脂組成物>
本発明において使用済みポリスチレン系樹脂組成物は、使用済みのテレビ、冷蔵庫(冷凍庫を備えたものを含む)、洗濯機、エアコンなどの家庭用電気機器(以下、これらの機器を家電製品という)や、使用済みのOA機器などから回収される混合プラスチックに含まれるものであって、手解体により回収することができないプラスチック残さから選別回収したポリスチレン系樹脂をいう。なお、手解体および選別回収の方法は、従来公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物を構成する上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物に含まれるスチレン系樹脂は、上記のように使用済みの家電製品やOA機器に使用されているものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのモノビニル系芳香族単量体(スチレン系単量体)を重合して得られる重合体が挙げられる。また、該重合体は、たとえば、代表的な汎用ポリスチレン(GPPS)やゴム状物質を上記スチレン系単量体に溶解し、塊状重合法や塊状懸濁重合法などにより製造したゴム変性スチレン系重合体である。上記スチレン系単量体は単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。なお、2種以上のスチレン系単量体を用いる場合、その混合比は特に限定されるものではない。上記ゴム状物質としては、ポリブタジエン(PBD)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などが用いられる。このようなゴム変性スチレン系重合体の代表例としては、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ミドルインパクトポリスチレン(MIPS)などが挙げられる。本発明における上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物には、これらのスチレン系樹脂に、スチレン系エラストマーなどの公知の樹脂やタルク、マイカ、ワラストナイト、ガラス繊維などのフィラーが適宜含有されたものも含まれる。
<異物>
上記使用済みポリスチレン系樹脂に含まれる異物、すなわち使用済み家電製品由来のプラスチック残さに含まれる異物は、特定されないが、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーンゴム、ナイロン、ポリアセタールなどが挙げられる。
<補助剤>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物には、樹脂改質剤および熱可塑性樹脂を補助剤として添加する。また、補助剤としてさらに新材ポリスチレンを添加することができる。
<樹脂改質剤>
本発明における樹脂改質剤は、スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーとスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(PS−g−PO)とから構成される。スチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(PS−g−PO)とは、主鎖がポリスチレン系重合体であり、側鎖がオレフィン系重合体で構成される共重合体に限られず、主鎖がオレフィン系重合体であり、側鎖がポリスチレン系重合体で構成される共重合体も含む。樹脂改質剤における上記スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーと重合体との構成比率は、特に制限されるものではないが、スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーとスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(PS−g−PO)との比が、9:1〜1:9が好ましく、上記構成率比が1:1であることが特に好ましい。
上記樹脂改質剤は、使用済みポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して5〜400質量部添加される。上記樹脂改質剤の添加量は、10〜100質量部であることがより好ましい。樹脂改質剤の添加量が使用済みポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、5質量部未満の場合は、靭性改善が十分でなく、新材のポリスチレン系樹脂組成物相当の物性を得ることが難しく、400質量部を超える場合は、靭性改善効果は大きいが、剛性(たとえば、曲げ弾性率)・強度(たとえば、曲げ強度や引張強度)の低下が大きく、ポリスチレン系樹脂組成物として使用が難しくなる場合がある。
本発明おいて上記スチレン系ゴムとは、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などのスチレン骨格を有するゴム弾性体であり、スチレン系エラストマー(TPE−S)は、分子中の主成分であるハードセグメントとしてポリスチレンを、副成分であるソフトセグメントとしてポリブタジエンまたはポリイソプレンなどを含むものである。これらのスチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーとしては、具体的には、たとえば、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添化スチレン−ブタジエンゴム(HSBR)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体(SEBC)などが挙げられる。また、本発明におけるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体などを含むことができる。
また、本発明のスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(PS−g−PO)は、スチレン系樹脂およびオレフィン系樹脂をグラフト化した重合体であり、それを構成するスチレン系樹脂は、上記再生ポリスチレン系樹脂組成物を構成するスチレン系樹脂として例示したものを用いることができる。また、オレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、エチレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィングラフト共重合体などが挙げられる。
<熱可塑性樹脂>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物と同種でかつ該再生ポリスチレン系樹脂組成物と非相溶である熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく、熱可塑性ウレタン、ポリウレタン樹脂、ウレタンゴム、シリコーン系ゴム、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどが挙げられる。なお、異物とは、上記使用済みポリスチレン系樹脂組成物に含まれる固体であって、その融点が対象とするポリスチレン系樹脂の押出機の設定温度以上(分解温度以上)の熱可塑性樹脂である。また、異物と同種とは、たとえば、フーリエ変換赤外分光装置(FT−IR)等を用いた分析方法により分析した場合に異物とほぼ同定できる物質であることをいう。たとえばFT−IR法によれば、異物と同種とは、異物がウレタンである場合、ウレタン結合(−NHCO−)に帰属される吸収ピーク(3300cm-1、1730cm-1、1530cm-1)を有し、異物がシリコーン系ゴムである場合、鎖状シロキサン(−Si−O−Si−)の吸収ピーク(1090〜1020cm-1)を有する等、物質由来の特徴的な吸収ピークを有し、異物とほぼ同定できるものであることをいう。なお、上記のように特定の分析方法に限られず、その他の方法によっても異物とほぼ同定できる物質を異物と同種という。上記熱可塑性樹脂として、好ましくは、該ポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物と同種のものであり、ポリウレタン樹脂、ウレタンゴム、シリコーン系ゴム、シリコーン系樹脂、ポリアミドが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂として、具体的には、熱可塑性ウレタン、ウレタン、シリコーン系ゴム、6−ナイロン、6,6−ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどを例示することができる。なかでも、得られる再生ポリスチレン系樹脂組成物の物性をより向上させることができる点から、熱可塑性ウレタン、シリコーン系ゴム、6−ナイロン、6,6−ナイロン、ポリカーボネートが好ましく用いられる。
上記熱可塑性樹脂は、その融点が260℃以下であることが好ましい。上記使用済み家電製品等から得られるポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物は、新材のポリスチレン系樹脂の押出時の最高温度260℃で融解しない樹脂であるので、異物と同種で融点が260℃以下の熱可塑性樹脂を添加することにより、押出機内の溶融混練時に、固体の異物と使用済み家電製品等を構成するスチレン系樹脂との界面の相溶性を改善できる効果が得られる。つまり、スチレン系樹脂のペレット作成する時に設定される押出機の設定温度(200〜260℃)以下で融解する樹脂は、機械的に均一に混練されるため、靭性低下効果の影響を低減することができる。その結果、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れた再生ポリスチレン系樹脂組成物を得ることができる。また、特に、衝撃特性は新材のポリスチレン系樹脂組成物相当にまで改善されたものとすることができる。
また、上記再生ポリスチレン系樹脂組成物に含まれる異物がポリウレタン系樹脂やシリコーンゴムの場合は、融点260℃以下の熱可塑性ウレタン(TPU)やシリコーン系ゴムを添加することにより、ポリウレタン系樹脂やシリコーンゴムの固体の異物と使用済み家電製品等を構成するスチレン系樹脂との界面の相溶性を改善できる効果が得られる。その結果、上記と同様に、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れ、特に、衝撃特性が新材のポリスチレン系樹脂相当にまで改善された再生ポリスチレン系樹脂組成物を得ることができる。
上記熱可塑性樹脂は、再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、1〜10質量部含有する。熱可塑性樹脂はその含有量が、再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、1〜5質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂を上記範囲で含有することによって、異物と使用済みポリスチレン系樹脂組成物を構成するスチレン系樹脂との界面の相溶性を改善する効果が得られる。この結果、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れて、特に、衝撃特性が新材のポリスチレン系樹脂相当にまで物性改善された再生ポリスチレン系樹脂組成物を提供することができる。
<新材ポリスチレン系樹脂>
本発明における新材ポリスチレン系樹脂組成物は、上記スチレン系樹脂として挙げた樹脂と不可避不純物からなる。この新材ポリスチレン系樹脂組成物は、再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対する含有量が1〜400質量部であることが好ましい。新材ポリスチレン系樹脂組成物の含有量は5〜100質量部であることがより好ましく、このような範囲内であれば、再生ポリスチレン系樹脂組成物の物性を効率よく改善することができ、再生ポリスチレン系樹脂組成物の衝撃特性のみならず強度も新材ポリスチレン樹脂相当もしくはそれ以上になるように改善される効果が得られる。
<耐熱安定剤>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、使用済み家電製品等由来のプラスチック残さから選別回収されたものであることより、新材ポリスチレン系樹脂組成物に添加された耐熱安定剤は著しく消費されている。したがって、本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物には耐熱安定剤を添加することが望ましい。ここで、耐熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、イオウ系などの酸化防止剤および金属不活性剤を少なくとも1個以上含むことが好ましい。また、耐熱安定剤の配合比率は、必要となる物性によりその都度調整することが望ましく、特に制限されるものではない。たとえば、耐熱安定剤の添加量は、再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して0.05〜10質量部添加することが好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物に添加する上記耐熱安定剤を構成する上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ステアリルβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリアリルホスファイト、トリ(モノノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどのイオウ系など、従来公知のものを用いることができる。これらの中でも、耐熱安定性が優れる点で、フェノール系はテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましく、リン系としてはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましく、イオウ系としてはジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネートが好ましい。
<金属不活性剤>
本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物に添加する上記耐熱安定剤を構成する上記金属不活性剤としては、2’,3−ビス[[3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N−フォーミイルサリチロイルヒドラジン、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールカリウム塩、N,N−ジベンザール(オキザリルヒドラジド)、N,N−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシハイドロシンナメート)など、従来公知ものを用いることができる。これらの中でも、耐熱安定性が特に優れる点から、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジドが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明においては、本発明の目的を阻害しない限り、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、染料、顔料、帯電防止剤などの添加剤を配合することができる。なお、これらのそれぞれについてはその一種のみを単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
<可塑剤>
上記可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、ミネラルオイルなどの公知のものから任意に選択して用いることができる。
<離型剤>
上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩など公知のものから任意に選択して用いることができる。
<難燃剤>
上記難燃剤としては、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス−3−クロロプロピルホスフェートなどのリン系難燃剤、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモプロポキシル)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ジブロモプロピルオキシフェニル)スルホン、エチレンビスペンタブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカンなどの臭素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの水酸化物系難燃剤など、公知のものから任意に選択して用いることができる。
<難燃助剤>
上記難燃助剤としては、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、その他従来公知のものから任意に選択して用いることができる。
<製造方法>
本発明は、再生ポリスチレン系樹脂組成物に上記補助剤を添加し、所望の上記添加剤を適宜添加して、混練し成形材料を得る。混練の方法としては、溶融混練、溶媒キャストブレンド、ラテックスブレンド、ポリマーコンプレックスなどの物理的ブレンドを用いて、混練するが、特に溶融混練法が好ましい。上記材料を混練する装置としてはタンブラー、ヘンシェルミキサー、ロータリーミキサー、スパーミキサー、リボンタンブラー、Vブレンダーなどが用いられ、上記混練装置によって上記各材料を均一に分散させ、次いで、溶融混練した上で、ペレット化する。溶融混練ペレット化には単軸、または多軸押出機を用いるのが一般的であるが、上記押出機以外にはバンバリーミキサー、ローラー、コ・ニーダー、ブラストミル、プラベンダーブラウトグラフなどを用いることもでき、これらを回分的、または連続的に運転する。また、溶融混練はせずに、樹脂ペレット、補助剤、その他添加剤それぞれを混ぜ合わせ、上記混合材を成形用樹脂として使用し成形機加熱筒内で溶融混練する、いわゆるモールドブレンドでの実施も可能である。
上記溶融混練における混練温度および時間等は、用いる使用済みポリエチレン系樹脂の量などにより適宜調整すればよい。
本発明にかかる成形品の製造方法について、射出成形で行なう場合、特に制限はなく、公知の成形方法により成形することができる。
次に、本発明を実施例および比較例により詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例および比較例の本発明における物性評価は、剛性および靭性を評価するために、射出成形機を用いて、JIS−K7139に準拠した多目的試験片A形を作製し、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、曲げ弾性率、曲げ強度、引張破断伸び、シャルピー衝撃値を求めた。
<曲げ試験>
曲げ試験は、JIS−K7171に準ずる方法で行った。試験は、万能試験機を用いて、試験速度2mm/minで行ない、曲げ弾性率および曲げ強度を求めた。
<引張試験>
引張試験は、JIS−K7161に準ずる方法で行った。試験は、万能試験機を用いて、試験速度50mm/minで行ない、引張強度および引張破断伸び率を求めた。
<シャルピー衝撃試験>
シャルピー衝撃試験は、JIS−K7111に準ずる方法で行った。試験は、衝撃試験機を用いて、ノッチを設けない場合について行った。
<異物残存率>
異物残存率は、平板試験片(200mm×200mm)を作製し、独立行政法人国立印刷局より発行されている「きょう雑物測定図表」により、異物の面積を定量化して算出した。
(実施例1)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤としてスチレン系ゴム(JSR製、TR2003)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(三菱化学製、VMX Z−120F)からなる樹脂改質剤10質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D、軟化温度:160〜220℃)1質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(実施例2)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤としてスチレン系エラストマー(旭化成製、タフプレン125)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(三菱化学製、VMX Z−120F)からなる樹脂改質剤15質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D)1質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(実施例3)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤としてスチレン系エラストマー(三菱化学製、ラバロンSJ4400)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(日本油脂製、モディパーA3100)からなる樹脂改質剤20質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D)5質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(実施例4)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤としてスチレン系ゴム(JSR製、TR2003)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(日本油脂製、モディパーA3100)からなる樹脂改質剤100質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D)10質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(実施例5)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤としてスチレン系エラストマー(旭化成製、タフプレン125)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(日本油脂製、モディパーA3101)からなる樹脂改質剤400質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D)10質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(実施例6)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率5.0%)100質量部に、補助剤とスチレン系エラストマー(旭化成製、タフプレン125)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(日本油脂製、モディパーA3101)からなる樹脂改質剤10質量部と、熱可塑性樹脂である熱可塑性ウレタン(BASF製、エラストラン1174D)1質量部と、新材HIPS樹脂(新材ポリスチレン樹脂A、PSジャパン製、403R)100質量部とを添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(参考例1)
代表的な汎用射出グレードのポリスチレン樹脂(新材ポリスチレン樹脂B、PSジャパン製、H8672)を射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(比較例1)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率4.0%)に、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(比較例2)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率4.0%)100質量部に、スチレン系ゴム(JSR製、TR2003)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(三菱化学製、VMX Z−120F)からなる添加剤1質量部を添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(比較例3)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率4.0%)100質量部に、スチレン系エラストマー(三菱化学製、ラバロンSJ4400)およびスチレン系−オレフィン系グラフト共重合体(三菱化学製、VMX Z−120F)からなる添加剤10質量部を添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(比較例4)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率4.0%)100質量部に、スチレン系ゴム(JSR製、TR2003)からなる添加剤20質量部を添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
(比較例5)
使用済み家電製品より選別回収したポリスチレン系樹脂組成物(異物残存率4.0%)100質量部に、SEBS(旭化成製、タフテックH1043)からなる添加剤20質量部を添加して混合した後、220℃で、加熱溶融しながら押出機の中で混練して、3〜5mmのペレットを作製した。次いで、射出成形機により、樹脂温度(成形温度)220℃、金型温度60℃の条件で、多目的試験片A形を成形した。得られた試験片を用いて、曲げ試験、引張試験、シャルピー衝撃試験を行ない、それらの結果を表1に示す。
Figure 0005478014
表1の結果からわかるように、実施例1で得られた本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約1.9倍以上、引張破断伸びが約2.5倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂相当まで物性改善できることがわかる。
実施例2で得られた本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約3倍以上、引張破断伸びが約3.8倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂以上まで物性改善できることがわかる。
実施例3で得られた本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約3.3倍以上、引張破断伸びが約4.5倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂以上まで物性改善できることがわかる。
実施例4で得られた本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約5.2倍以上、引張破断伸びが約8.5倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂以上まで物性改善できることがわかる。
実施例5で得られた本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約10倍以上、引張破断伸びが約20倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂以上まで物性改善できることがわかる。
この結果、本発明の再生ポリスチレン系樹脂組成物は、外観が良好で、耐衝撃性、強度、寸法精度、成形性、リサイクル性などに優れている。特に、補助剤を添加する前(比較例1に該当)に比べて、シャルピー衝撃値が約2.5倍以上、引張破断伸びが約2倍になっており、靭性面では参考例1における新材ポリスチレン樹脂以上まで物性改善できることがわかる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (2)

  1. 使用済みポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、樹脂改質剤5〜400質量部と、熱可塑性樹脂1〜10質量部とを含有してなる再生ポリスチレン系樹脂組成物であって、
    前記使用済みポリスチレン系樹脂組成物は、260℃で融解しない熱可塑性樹脂からなる異物を含み、
    前記樹脂改質剤は、スチレン系ゴムまたはスチレン系エラストマーと、スチレン系−オレフィン系グラフト共重合体とからなり、
    前記熱可塑性樹脂は、その融点が260℃以下であり、前記異物と同種であり、かつ、前記使用済みポリスチレン系樹脂組成物と非相溶であるシリコーン系ゴムおよび熱可塑性ウレタンの少なくともいずれか一方である、再生ポリスチレン系樹脂組成物。
  2. 再生ポリスチレン系樹脂組成物100質量部に対して、さらに新材ポリスチレン系樹脂1〜400質量部を含有してなる請求項に記載の再生ポリスチレン系樹脂組成物。
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