JP4994660B2 - リサイクル用補強材およびリサイクル製品 - Google Patents
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Description
すなわち本発明は、芳香族ビニル系単量体またはそれと共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体を、ジエン系ゴム及び/又はエチレン−プロピレン−(非共役ジエン)系ゴムであるゴム状重合体にグラフト重合して得られたグラフト重合体(A)であって、該グラフト重合体(A)中にシリコン系化合物(B)を0.01重量%以上含有し、かつ(A)を重合した後に、(B)を添加することを特徴とするリサイクル用補強材を提供するものである。
本発明におけるリサイクル用補強材とは、グラフト重合体(A)に特定量のシリコン系化合物(B)を添加して得られるものである。
また、本発明におけるグラフト重合体(A)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル系単量体またはそれと共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体を重合して得られるものである。
グラフト重合体(A)に用いられる芳香族ビニル系単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、p−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの1種あるいは2種以上が用いられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましく、芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリルなどシアン化ビニル系単量体、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、N−フェニルマレイミド等のイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸(無水物)単量体、グリシジルメタアクリレート等のエポキシ基含有エチレン系不飽和単量体等が例示され、目的に応じて各々1種または2種以上混合して用いることができる。
また、グラフト重合体(A)中の芳香族ビニル系単量体の割合に関しても特に制限はないが、リサイクルされた製品の外観あるいは流動性の点から20〜80重量%の範囲であることが好ましい。
なお、シリコン系化合物(B)としては、シリコンゴム、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、フェニルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中に表わす%及び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
グラフト重合体(A−1):公知の乳化重合法にて、ポリブタジエンゴム50部にスチレン50部を重合することによりグラフト重合体(A−1)を得た。
グラフト重合体(A−1)にシリコン系化合物(B)としてジメチルポリシロキサンオイル(KF96−100CS、信越化学(株)製)を0.05重量%となるよう添加し、リサイクル用補強材(1)を得た。
実施例1として、複写機ハウジング(アイボリー着色された変性ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂/ポリスチレン樹脂)製)から回収・粉砕されたリサイクル熱可塑性樹脂90%およびリサイクル用補強材(1)10%の割合で混合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度を270℃に保ちながら溶融混練してペレット化した。得られたペレットにつき、3.5オンス射出成形機により、設定温度260℃にてタッピング用ボス付プレート試験片を作成した。
また比較例1として、グラフト重合体(A−1)を使用した以外は実施例1と同様にしてペレット化し、同様に試験片を作成した。さらに比較例2として、リサイクル熱可塑性樹脂100%とした以外は実施例1と同様にしてにてペレット化し、同様に試験片を作成した。評価方法は以下のとおり。
上記にて作成したタッピング用ボス付プレート試験片は、図1に示すとおり、150mm×200mm×3.0mmtのプレートに外径8mm、内径4mmのタッピング用ボス(ボス1)が3箇所、外径12mm、内径7mmのタッピング用ボス(ボス2)が3箇所、合計6個のタッピング用ボスが均等に配置されている。
ボス1に対してはM5、ボス2にはM8の木ねじを1kg・mのトルクにて締めこんだ時の割れの有無にて評価した。ボス1、ボス2それぞれ3箇所の試験に対し、全数割れがない場合には○、1乃至は2箇所で割れが発生したときには△、全数割れが発生した場合には×との判断基準とした。
タッピング強度ボス1 タッピング強度ボス2
実施例1 ○ ○
比較例1 △ △
比較例2 × ×
実施例2して、プリンターハウジング(グレー着色されたABS樹脂製)から回収・粉砕されたリサイクル熱可塑性樹脂95%およびリサイクル補強材(A−2)5%の割合で混合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度を240℃に保ちながら溶融混練してペレット化した。得られたペレットにつき、3.5オンス射出成形機により、設定温度220℃にてタッピング用ボス付プレート試験片を作成した。
また比較例3として、グラフト重合体(A−2)を使用した以外は実施例2と同様にしてペレット化し、同様に試験片を作成した。さらに比較例4として、リサイクル熱可塑性樹脂100%とした以外は実施例2と同様にしてにてペレット化し、同様に試験片を作成した。評価方法は実施例1に準拠した。
タッピング強度ボス1 タッピング強度ボス2
実施例2 ○ ○
比較例3 × ×
比較例4 × ×
実施例3して、車輌外装品(ブラック着色されたAAS樹脂製)から回収・粉砕されたリサイクル熱可塑性樹脂95%およびリサイクル補強材(A−3)5%の割合で混合し、二軸押出機を用いて、樹脂温度を230℃に保ちながら溶融混練してペレット化した。得られたペレットにつき、150トン射出成形機(日本製鋼製)により、設定温度230℃にてタッピング用ボス付プレート試験片を作成した。
また比較例5として、グラフト重合体(A−3)を使用した以外は実施例3と同様にしてペレット化し、同様に試験片を作成した。さらに比較例6として、リサイクル熱可塑性樹脂100%とした以外は実施例3と同様にしてにてペレット化し、同様に試験片を作成した。評価方法は実施例1に準拠した。
タッピング強度ボス1 タッピング強度ボス2
実施例3 ○ ○
比較例5 × △
比較例6 × ×
2:ボス2
Claims (5)
- 芳香族ビニル系単量体またはそれと共重合可能な他のエチレン系不飽和単量体を、ジエン系ゴム及び/又はエチレン−プロピレン−(非共役ジエン)系ゴムであるゴム状重合体にグラフト重合して得られたグラフト重合体(A)であって、該グラフト重合体(A)中にシリコン系化合物(B)を0.01重量%以上含有し、かつ(A)を重合した後に、(B)を添加することを特徴とするリサイクル用補強材。
- シリコン系化合物(B)が、シリコンゴム、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、フェニルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサンから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のリサイクル用補強材。
- リサイクル熱可塑性樹脂と、請求項1又は2の何れかに記載のリサイクル補強材とからなるリサイクル製品。
- リサイクル熱可塑性樹脂が、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、(変性)ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも1種から選ばれた熱可塑性樹脂である請求項3に記載のリサイクル製品。
- リサイクル熱可塑性樹脂100重量部に対してリサイクル用補強材を1〜100重量部添加して得られた請求項3又は4に記載のリサイクル製品。
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