JP5456954B2 - 双極型二次電池のモジュール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、正極、集電体および負極がこの順序で積層された電極を有する双極型二次電池に関する。本発明の双極型二次電池は、例えば、電気自動車、燃料電池車及びハイブリッド電気自動車等のモータ等の駆動用電源として用いられる。
双極型二次電池は電池内部で複数個単セルが直列に配置された電池である。特許文献1には双極型リチウムイオン二次電池として、集電箔上の片面に負極を設け、他の片面に正極を設けたものを電解質・セパレータを介して積層する双極型構造の電池が開示されている。通常、双極型二次電池要素を外装材(アルミケース、アルミラミネート材など)に密封し、外部から侵入する水分の防止し、双極型二次電池要素をケーシングすることで双極二次電池モジュールを構成する。
実開平4−54148号公報
しかしながら、引用文献1に記載のような双極型二次電池モジュールは、高電圧、高出力がゆえに電池の長期信頼性、端部の絶縁性の課題がある。
そこで、本発明の目的は、端部における絶縁性の確保がなされてなる双極型二次電池モジュールを提供することにある。
本発明では、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成された双極型電極を、電解質層を挟んで少なくとも2層以上直列に積層した双極型二次電池要素を、外装材に密封してなる双極型二次電池モジュールにおいて、双極型二次電池要素と外装材の間に前記外装材よりも引張応力が高い部材を挿入することを特徴としている。
本発明の双極型二次電池モジュールでは、双極型二次電池要素と外装材との間に前記外装材よりも引張応力が高い部材を挿入することにより、双極型二次電池モジュールは剛性が高まり、繰り返し用いる環境において、外部からの衝撃などがあっても信頼性が高い電池を提供することが可能になる。また、双極型二次電池モジュールで問題となっている端部における絶縁性の確保が可能になり、初期歩留まり、長期信頼性が向上する。
本発明の双極型二次電池モジュールは、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成された双極型電極を、電解質層を挟んで少なくとも2層以上直列に積層した双極型二次電池要素を、外装材に密封してなる双極型二次電池モジュールにおいて、双極型二次電池要素と外装材との間に前記外装材よりも引張応力が高い部材を挿入することを特徴とするものである。このような剛性の高い部材を入れることで双極型二次電池モジュールの剛性が上がり耐久信頼性が向上する。また、このような部材が入ることで双極型二次電池の端部にかかる圧力を防止することが可能になる。その結果、双極型二次電池の耐久信頼性が向上する。また、電池端部への力が減り、モジュールの製造歩留りが向上する。
ここで挙げられた引張応力とは部材自体を引張試験を行い(同じ距離)、応力の最大値の単純な絶対値である。したがって、一般的に材料固有でもつ引張り強さ(断面積を規定)ではなく挿入部材、あるいは外装材そのものの最大引張応力(単位はN)である。引っ張る方向は電池要素に対して平行な方向で引張試験を行うものとする。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの代表的な一実施形態として、高引張応力部材(構造部材)を厚さ(積層)方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型リチウムイオン二次電池(以下、単に「双極型二次電池」とも称する)モジュールの概略断面図である。図1Bは、図1Aに用いた高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を適用した双極型二次電池モジュールの概略平面図である。図1Cは、図1Bに変えて図1Aに用いることのできる高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を適用した双極型二次電池モジュールの概略平面図である。図1Dは、図1Aに用いた高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。図1E〜図1Lは、図1Dに変えて図1Aに用いることのできる高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を模式的に表した概略斜視図である。なお、本明細書においては、双極型のリチウムイオン二次電池を例に挙げて詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかような形態のみに制限されない。
図1に示す本実施形態の双極型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の双極型二次電池要素21が、外装材29であるラミネートシートの外周部(封止部)33がシール(封止)されてなる当該外装材29のラミネートシートの内部に密封された構造を有する。
図1に示すように、本実施形態の双極型二次電池モジュール10の電池要素21は、集電体11の一方の面に正極(正極活物質層)13が形成され他方の面に負極(負極活物質層)15が形成された複数の双極型電極16を有する。各双極型電極16は、電解質層17を介して積層されて電池要素21を形成する。この際、一の双極型電極16の正極(正極活物質層)13と前記一の双極型電極16に隣接する他の双極型電極16の負極(負極活物質層)15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極16および電解質層17が積層されている。即ち、一の双極型電極16の正極13と前記一の双極型電極16に隣接する他の双極型電極16の負極15の間に電解質層17が挟まれている。
隣接する正極13、電解質層17、および負極15は、一つの単電池層(=電池単位ないし単セル)19を構成する。従って、双極型二次電池モジュール10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17の漏れを防止するために単電池層19の周辺部にはシール部20が配置されている。該シール部20を設けることで隣接する集電体11間を絶縁することもできる。なお、双極型二次電池要素(電池構造体)21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、電池要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図1に示す双極型二次電池モジュール10では、正極側最外層集電体11aに正極タブ25が接続され、外装材29であるラミネートシートから導出している。一方、負極側最外層集電体11bに負極タブ27が接続され、同様に外装材29であるラミネートシートから導出している。
かかる双極型二次電池モジュール10において、本発明ではさらに、双極型二次電池要素21と外装材29との間に前記外装材29よりも引張応力が高い部材(以下、単に高引張応力部材ともいう)31を挿入するものである。
ここで、高引張応力部材31は、双極型二次電池要素21と外装材29との間に、外装材29よりも引張応力が高いものであればよい。好ましくは高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも2倍以上あればよい。より好ましくは高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも5倍以上、より好ましくは高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも10倍以上あればよい。外装材29よりも引張応力が2倍未満だけ高い場合でも、電池の剛性や端部にかかる圧力防止効果が得られるが、上記に規定するがあれば、十分な作用効果を安定して発現することができる点で、長期信頼性の観点などからより一層優れている。具体的には、外装材29の材料にもよるが、外装材29が後述するように、容易に変形するフレキシブルなものとして、金属箔と合成樹脂膜からなるラミネートフィルムでつくられている場合には、ラミネートフィルムは極めて薄いため引っ張り応力が小さい。そのため、高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも5倍以上あればよい。より好ましくは高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも10倍以上、より好ましくは高引張応力部材の引っ張り応力(N)が外装材29の引張応力(N)よりも15倍以上あればよい。
高引張応力部材31は、双極型二次電池モジュール10の剛性が上がり耐久信頼性が向上し、このような高引張応力部材31が入ることで双極型二次電池モジュール10の端部にかかる圧力を防止することが可能になるように、適当な形状及び位置に配置されていればよい。
具体的には、図1に示す実施形態では、高引張応力部材31は、正極タブ25取り出し側の双極型二次電池要素21と外装材29との間と、負極タブ27取り出し側の双極型二次電池要素21と外装材29との間の2箇所に、双極型二次電池要素21の厚さ方向に並行に双極型二次電池要素21を挟み込むように挿入、配置されているものである(高引張応力部材31a、b参照)。なお、図1B、1Dに示すように、高引張応力部材31は、電極タブ25、27の取り出し側(辺)でない他の2辺に双極型二次電池要素21の厚さ方向に並行に双極型二次電池要素21を挟み込むように挿入、配置してもよいし(高引張応力部材31c、d参照)、さらにこれらを組み合わせてもよい(高引張応力部材31a、b、c、d参照)。
なお、図1Bの高引張応力部材31a、b、c、dでは、双極型二次電池要素21の各辺全体(全面)をはさみこむことができるような角柱形状のもの(図1D参照)を用いているのが好ましい。軽量化の観点からは、高引張応力部材31は、図1Dに示す角柱形状の中央部をくりぬいた形の額縁形状のもの(図1E参照)、網目ないし格子形状のもの(図1F、1G、1H参照)、菱形形状のもの(図1I参照)、ハニカム(六角柱ないし蜂の巣模様)形状のもの(図1J参照)(いずれも枠部分を残し中をくりぬいた形状)を用いてもよい。なお、こうした枠部分を残し中をくりぬいた形状は、高引張応力部材が双極型二次電池モジュールの剛性を高め耐久信頼性を向上させ、このような高引張応力部材31が入ることで双極型二次電池要素21の端部にかかる圧力を防止することができるものであれば特に制限されるものではなく、図1E〜図1Kに示すように、三角柱形状、四角柱形状、六角柱形状に何ら制限されるものではなく、円柱形状、楕円柱形状、半円柱形状のほか、不定形柱形状、さらにはこれらの組み合わせであってもよい。額縁形状の剛性を高めるには、額縁形状の2つの対角線上にも部材を設けた形状のもの(図1K参照)としてもよいなど、特に制限されるものではない。また、図1C、1Lに示すように、双極型二次電池要素21の各辺に用いられる高引張応力部材31a、b、c、dをそれぞれ、双極型二次電池要素21の厚さ方向に並行に双極型二次電池要素21を挟み込むことができるような角柱形状からなる複数個の部材で構成し、これらを適当な間隔をあけて挿入、配置するようにしてもよい。
次に、図2Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの他の実施形態として、高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。図2Bは、図2Aの双極型二次電池モジュールの概略平面図である。
また、本発明の高引張応力部材31は、図2に示すような実施形態で挿入、配置してもよい。即ち、図2に示す実施形態では、高引張応力部材31は、双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込んでいることを特徴とするものである(高引張応力部材31e、f参照)。このような高引張応力部材31e、fを入れることでも、双極型二次電池モジュール10の剛性が上がり耐久信頼性が向上する。また、このような高引張応力部材31e、fが入ることで双極型二次電池モジュール10(なかでも双極型二次電池要素21)の端部にかかる圧力を防止することが可能になる。その結果、双極型二次電池モジュール10の耐久信頼性が向上する。また電池端部への力が減り、双極型二次電池モジュール10の製造歩留りが向上する。かかる観点から、高引張応力部材31は、図1に示す実施形態と図2に示す実施形態を組み合わせて用いてもよい。
図2の実施形態では、高引張応力部材(構造部材)31の形状はどのようなものでもよいが、図2Bに示すように、正極側最外層集電体11a及び負極側最外層集電体11bすべてを覆って構成される板状(四角柱形状)のものが好ましい。但し、上記した作用効果を有効に発現できるものであれば、かかる形状に何ら制限されるものではなく、図1D〜図1Lで説明したと同様の形状のものを用いてもよい。こうした場合でも、双極型二次電池モジュール10の剛性が上がり、双極型二次電池モジュール10(なかでも双極型二次電池要素21)の端部にかかる圧力を防止することが可能となるためである。
次に、図3は、本発明の双極型二次電池モジュールの他の実施形態として、導電性の材料の高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。
即ち、本発明の高引張応力部材(構造部材)31は、図3に示すような実施形態で挿入、配置してもよい。図3に示す実施形態では、高引張応力部材31が、図2の実施形態と同様に双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込んでおり、更に高引張応力部材31が導電性材料であり、電気的に双極型二次電池要素21の正極末端(正極側最外層集電体11a)、負極末端(負極側最外層集電体11b)に接続されており、前記外装材29外部に取り出されていることを特徴とするものである。挟み込んだ高引張応力部材(構造部材)31g、31hが導電性の材料であることで双極型二次電池要素21の出力電流を面で受けることが可能になり、モジュールの出力密度が向上する。また、図2の実施形態に比して、電極タブ25、27に変えて高引張応力部材31を利用できることから、部品点数の低減が可能であり、電池厚さを抑えることもできる点で優れている。
上記導電性材料としては、一般的に電気抵抗値が10−4Ω・cm以下の材料をいい、本明細書でも同様であればよいが、好ましくは電気抵抗値が10−5Ω・cm以下、より好ましくは電気抵抗値が10−6Ω・cm以下の材料である。具体的には、金属材料、導電性高分子材料などが挙げられるが、好ましくは金属材料であり、さらに好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からAl、Cuなどが好ましく、さらに好ましくはAlである。
上記金属材料には、上記したようなAl、Cu、Ag、Niなどの金属メタル、ステンレスなどの金属合金、更にスズ系酸化物(酸化錫など)、酸化インジウム、酸化亜鉛、スズ−アンチモン系酸化物、インジウム−スズ系酸化物、メタルコート繊維などの金属化合物も含まれるものである。
また、上記導電性高分子材料には、(i)高分子材料に導電性付与剤を混合した組成物(導電性付与剤分散型導電性高分子)、(ii)高分子材料自身が導電性を有するもの(導電性ポリマー)のいずれを用いてもよい。これらは1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記(ii)の高分子材料自身が導電性を有する導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレンなどが挙げられるが、これらに何ら制限されるものではない。
上記(i)の高分子材料(導電性付与剤分散型導電性高分子)としては、非導電性プラスチック(一般的に電気抵抗値が1014Ω・cm程度)および導電性プラスチック(上記(ii)の導電性ポリマー)のいずれを用いてもよい。
上記(i)の導電性付与剤としては、カーボン系粉末や金属粉末(いずれもフィラーを含む)などが挙げられる。カーボン系粉末としては、例えば、フレーク状、粉末状、繊維状のカーボンブラック、炭素繊維、黒鉛などが挙げられる。フィラー金属粉末としては、例えば、インジュウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、酸化錫、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、BaTiO系誘電体、金・銀などの貴金属メタル、銅などの金属メタルなどのナノ粒子などが例示できるが、これらに何ら制限されるものではない。
なお、上記(i)の混合物(導電性付与剤分散型導電性高分子)には、インジュウムスズ酸化物(ITO)、酸化インジウム、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、BaTiO系誘電体、金・銀などの貴金属メタルなどのナノ粒子と、可溶性のポリピロールなどの導電性ポリマーをナノコンポジット化した導電性材料なども含まれるものである。
また、外装材29の外部への取り出しは、(a)そのまま導電性の材料の高引張応力部材(構造部材)31g、31hを取り出しても構わないし、あるいは(b)当該高引張応力部材(構造部材)31g、31hへ電極タブ25、27を接続し外部に取り出しても良い。上記(a)の場合には、図3に示すように、高引張応力部材(構造部材)31g、31hの取り出し部が電極タブ25、27として用いられる。上記(b)の場合には、図2の正極タブ25と高引張応力部材(構造部材)31eの位置関係、及び負極タブ27と高引張応力部材(構造部材)31fの位置関係がそれぞれ上下逆になった形態である。
次に、図4Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定の部位に切り欠きを設けてなる高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図であり、図4Bは、図4Aに用いた高引張応力部材(構造部材)の一実施形態を模式的に表した概略斜視図である。
即ち、本発明の高引張応力部材(構造部材)31は、図4A、Bに示すような実施形態で挿入、配置してもよい。図4A、Bに示す実施形態では、高引張応力部材31が、図2の実施形態と同様に双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込んでおり、更に双極型二次電池要素21のエッジ32に並行かつ対向する部位に切り欠き(ないし溝)32’を有することを特徴とするものである。双極型二次電池要素21のエッジ部32に並行かつ対向する部分に切り欠き(ないし溝)32’が入ることでエッジ部32に圧力がかからない構造とすることができる。その結果、双極型二次電池モジュール10の製造歩留りが向上する点で優れている。
当該実施形態でも、図3と同様に、高引張応力部材31に導電性材料を用い、電気的に双極型二次電池要素21の正極末端(正極側最外層集電体11a)、負極末端(負極側最外層集電体11b)に接続されており、前記外装材29外部に取り出されていてもよい。その際、外装材29外部への取り出しは、(a)そのまま導電性の材料の高引張応力部材(構造部材)31g、31hを取り出しても構わないし、あるいは(b)当該高引張応力部材(構造部材)31g、31hへ電極タブ25、27を接続し外部に取り出しても良い。
また、図4Aに示す双極型二次電池要素21のエッジ32と直行するエッジ(図示せず)に並行かつ対向する部位に切り欠き(ないし溝)を設けてもよいし、図4Aの切り欠き32’と組み合わせてもよい(図4B参照のこと)。また、図4Aでは、高引張応力部材31g、hにそれぞれ切り欠き32’を形成した例を示しているが、いずれか一方の高引張応力部材31にのみ切り欠き32’を形成してもよい。この点は、上記した他の実施形態にもいえるものであり、上下の高引張応力部材31ないし両側面(左右)の高引張応力部材31が共に同じ高引張応力部材31で構成されている必要はなく、本発明の作用効果を損なわない範囲であれば、上下、左右がそれぞれ異なる高引張応力部材31で構成されていてもよいことはいうまでもない。
次に、図5Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、柱形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。図5Bは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。図5Cは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。図5Dは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の更に他の実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。
即ち、本発明の高引張応力部材(構造部材)31は、図5A〜Dに示すような実施形態で挿入、配置してもよい。図5A〜Dに示す実施形態では、高引張応力部材31が、双極型二次電池要素21の周辺部に、(図1の実施形態と同様に双極型二次電池要素21を厚さ方向に並行に挟み込むことができるように)柱形状として配置されていることを特徴とするものである。このような高引張応力部材31を入れることで双極型二次電池モジュール10の剛性が上がり耐久信頼性が向上する。また、このような高引張応力部材31が入ることで双極型二次電池要素21の端部にかかる圧力を防止することが可能になる。その結果、双極型二次電池モジュール10の耐久信頼性が向上する。双極型二次電池要素21端部への力が減り、双極型二次電池モジュール10の製造歩留りが向上する。
柱形状の高引張応力部材31は、図5Bに示す円柱形状(更に好ましくは軽量化のために中心部がくり抜かれた円筒形状)や楕円形状、あるいは図5Cに示すように、四角柱状の柱(断面正方形の柱、断面長方形の柱など)でもよいし、図5Dに示すように、双極型二次電池要素21の外周部に連続的に形成されていてもよい。図5Dの形態の場合には、額縁形状に一体成形されたものであってもよいし、各辺ごとに4つの柱形状の高引張応力部材31の各端部同士を貼り合わされたものであってもよい。好ましくは、図5Aに示すように、各辺で電極タブ25、27との位置関係で柱形状の高引張応力部材31の高さHは、異なることがあるため、後者のように各辺ごとに4つの柱形状の高引張応力部材31の各端部同士を貼り合わせて連続的に形成するのが望ましい。
なお、図5B、Cに示すように、複数の柱形状の高引張応力部材31を適当な間隔をあけて配置する場合には、本発明の作用効果を発現し得るように、各高引張応力部材31の断面直径、高引張応力部材31同士の間隔を決定すればよい。
具体的には、高引張応力部材31の断面直径(断面円形の場合;なお断面楕円形状の場合には配置した双極型二次電池要素の辺に平行な軸径)ないし一辺の長さL(断面正方形の四角柱状の柱の場合;なお断面長方形の柱の場合には配置した双極型二次電池要素の辺に平行な一辺)は、1〜20mm、好ましくは3〜20mm、より好ましくは5〜10mmである。断面直径ないし一辺の長さLが1mm未満の場合には、引っ張り応力が小さくなってしまうほか、間隔にもよるが配置する高引張応力部材31の数が多くなり、また個々の高引張応力部材31の剛性や端部にかかる圧力防止効果が十分に得られない虞れがある。断面直径ないし一辺の長さLが20mm(更には、より好適な範囲である10mm)を超える場合には、モジュール内に含まれる高引張応力部材31の体積が大きくなりモジュールの出力密度が低下するおそれがある。
高引張応力部材31同士の間隔Dは、好ましくは5〜20mm、より好ましくは10〜15mmである。なお、当該間隔Dは、すべて同じでなくてもよい。間隔Dが5mm未満の場合には、設置工程に工数をかけてしまう。20mmを超える場合には、配置する高引張応力部材31の数が減少し、また高引張応力部材31で厚さ方向(ないし面方向)に並行に挟み込みにくくなり、十分な剛性や端部にかかる圧力防止効果が十分に得られない虞れがある。
また、図5B、Cに示すように、複数の柱形状の高引張応力部材31を適当な間隔をあけて配置する場合には、対向する辺に配置する高引張応力部材31同士は、互いに対峙する位置に配置するのが望ましいが、互いに対峙しないように位置がずれるように配置してもよい。
また、双極型二次電池要素21の四隅には図5B〜Dに示すように、少なくとも高引張応力部材31を配置するのが、剛性向上や端部にかかる圧力防止の観点から望ましい。
本発明では、図5A〜Dに示すような柱形状の高引張応力部材31、さらには図1A〜1Kに示すような各種形状の高引張応力部材31に、ゴム、樹脂などの高分子材料、好ましくは絶縁性高分子材料を用いることを特徴とするものである。ゴム、樹脂などの高分子材料は適度な弾性を持つため圧力に対して柔軟に変形可能である。また、絶縁性を持つ高分子材料を用いることで、双極型二次電池要素21の絶縁を保つことが容易である。その結果、双極型二次電池モジュール10の耐久信頼性が向上する。また、双極型二次電池要素21端部への力が減り、双極型二次電池モジュール10の製造歩留りが向上する。また絶縁性高分子材料を用いることで絶縁性が上がり信頼性がより一層向上することにもなる。
ここで、上記ゴム、樹脂のような高分子材料としては、外装材よりも引張応力が高い部材を構成し得るものであればよく、例えば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ジエン系特殊ゴム、オレフィン系ゴム、エーテル系ゴム、ポリスルフィド系ゴム、ウレタン系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴムなどのゴム(エラストマーを含む);フェノール樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、石炭酸樹脂)、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂;ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(テフロン;デュポン社の登録商標)など)、ポリアセタール、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートなど)、アクリル樹脂(ポリアクリロニトリルなど)、メタアクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、フェノキシ樹脂などの熱可塑性樹脂;ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンフタレート、ポリエチレンテレフタレート・ガラス樹脂入り、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィンなどの汎用エンジニアリングプラスチック;ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、非晶ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチック;ゴム/プラスチックブレンド、ゴム/ゴムブレンド、ポリマーアロイ、複合樹脂(合成樹脂に他種類の素材を併用したもの;ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックなど)などを用いることができる。これらの中でも、引張応力が比較的高く、さらに電気抵抗値が1012Ω・cm以上、好ましくは1014Ω・cm以上の絶縁性を持ち、適度なヤング率を有する高分子材料であるゴム系材料などが好適に利用することができる。また、これらの高分子材料は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、双極型二次電池モジュール10内部に配置する高引張応力部材31ごとに、用いる高分子材料を変えてもよいし、共通化してもよい。
また、本発明では柱状部材が、電流取りだし用の高導電性タブあるいは各層接続リード線を固定していることを特徴とするものである。
次に、図6Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、柱形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に並行に挟み込み、更に電流取りだし用の高導電性タブあるいは各層接続リード線を固定して、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。図6Bは、図6Aの柱形状の高引張応力部材(構造部材)に電流取りだし用の負極タブを固定する形態の1例を模式的に表した概略斜視図である。図6Cは、図6Aの柱形状の高引張応力部材(構造部材)に電流取りだし用の負極タブを固定する形態の他の1例を模式的に表した概略斜視図である。
即ち、本発明の高引張応力部材(構造部材)31は、図6A〜6Cに示すような実施形態で挿入、配置してもよい。図6A〜Cに示す実施形態では、高引張応力部材31が、双極型二次電池要素21を厚さ方向に並行に挟み込み、更に電流取りだし用の電極タブ(好ましくは高導電性タブ)タブ25、27あるいは各層接続リード線37(図8〜10参照)を固定して、挿入、配置していることを特徴とするものである。高引張応力部材31により電流取り出しタブ25、27あるいは各層接続リード線37(図8〜10参照)を固定することで信頼性が向上する。その結果、双極型二次電池モジュール10の耐久信頼性が向上する。
上記高引張応力部材31により、電流取りだし用の高導電性タブ25、27あるいは各層接続リード線37(図8〜10参照)を固定するには、(i)図6Bに示すように、高引張応力部材31にこれら電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)が通せる大きさの貫通孔35を設けておき、ここに電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)を通すことで、固定するようにしてもよい。なお、電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)の幅や形状などによっては、図6Bに示す高引張応力部材31に変えて、先に説明した図1E〜1Kに示す各種形状の高引張応力部材31を用いてもよい。これらの高引張応力部材31も、いわば貫通孔35を持つ構造となっているためである。あるいは(ii)図6C(更には図8〜10)に示すように、高引張応力部材31を上部高引張応力部材31−1と下部高引張応力部材31−2で構成し、これらの間に電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)を通すことで、固定するようにしてもよい。あるいは、上記(i)および(ii)を適当に組み合わせて用いてもよい。例えば、上記(i)で電流取りだし用のタブ25、27と接続リード線37(図8〜10参照)のいずれか一方を固定し、残る一方を上記(ii)により固定するなどが例示できるが、これらに何ら制限されるものではない。
上記(i)において、電流取りだし用のタブ25、27と、接続リード線37(図8〜10参照)とを双極型二次電池要素21の同じ辺(外周部)から外装材29外部に取り出す場合には、こうした貫通孔35を、電流取りだし用のタブ25、27と、接続リード線37(図8〜10参照)とで別々に形成しておいてもよいし(図1G、1H、1K参照のこと)、1つにまとめて形成してもよい(図6B、図1E参照のこと)。図6Aに示すように、電流取りだし用のタブ25、27及び接続リード線37(図8〜10参照)は、高引張応力部材31から直ぐに外装材29の封止部33を介して外部に取り出されることから、1つにまとめにして形成しておくのがよい。同様のことが上記(ii)の固定でも言える。即ち、電流取りだし用のタブ25、27と、接続リード線37(図8〜10参照)とを双極型二次電池要素21の同じ辺(外周部)から外装材29外部に取り出す場合には、電流取りだし用のタブ25、27と、接続リード線37(図8〜10参照)とを別々に固定することができるように、高引張応力部材31を上部高引張応力部材31−1と中央部高引張応力部材31−3と下部高引張応力部材31−2で構成し、例えば、上部高引張応力部材31−1と中央部高引張応力部31−3との間に電流取りだし用のタブ25または27を、中央部高引張応力部材31−3と下部高引張応力部材31−2との間に接続リード線37(図8〜10参照)を通して固定するようにしてもよい。
また、上記(i)において、電流取りだし用のタブ25、27と、接続リード線37(図8〜10参照)とを双極型二次電池要素21の異なる辺(外周部)から外装材29外部に取り出す場合には、双極型二次電池要素21の異なる辺(外周部)に配置される高引張応力部材31ごとに、電流取りだし用のタブ25、27または接続リード線37(図8〜10参照)の固定に必要な大きさの貫通孔35を設ければよい。同様のことが上記(ii)の固定でも言える。
また、上記(ii)において、上部高引張応力部材31’と下部高引張応力部31”の高さと電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)の厚さの合計の高さHが、双極型二次電池モジュール10の剛性を高め、繰り返し用いる環境において、外部からの衝撃などがあっても信頼性が高い電池を提供できるのに必要な高さになるように、上部高引張応力部材31’と下部高引張応力部31”の高さを決定すればよい。
また、上記(ii)の場合には、(a)上部高引張応力部材31’と下部高引張応力部31”と電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)の接触部分あるいはその外周囲部分を適当な接着剤などを用いて接着固定しておくか、(b)電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)を上部高引張応力部材31’と下部高引張応力部31”で挟み込み、上部高引張応力部材31’と下部高引張応力部31”を熱融着させて、電流取りだし用のタブ25、27や接続リード線37(図8〜10参照)との接触部分を固定しておくのが望ましい。同様のことが上記(i)の固定でも言える。
上記電流取りだし用の電極タブ25、27の電気抵抗は、好ましくは10-5Ω・cm以下、より好ましくは10-6Ω・cm以下の材料を用いるのが望ましい。電流取りだし用のタブの電気導電性が10-5Ω・cmを超える場合には、電気抵抗が大きくなり、タブでの発熱やエネルギー損失が大きくなり好ましくない。一方、10-6Ω・cm以下であれば、高導電性タブとして利用可能であり、電気抵抗が非常に小さく、タブでの発熱やエネルギー損失を格段に抑えることができる点で優れている。こうした電極タブ25、27の材料に関しては後述する。
次に、図7Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向にそれぞれ並行に挟み込んで、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの1例を表した概略断面図である。図7Bは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向にそれぞれ並行に挟み込んで、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの他の1例を表した概略断面図である。かかる図7A,Bの実施態様(更には図6A,6Cの実施態様として各層接続リード線も配置した態様)を、より詳しく具体的に表した図面が図8〜図10である。
図8Aは、図7Aを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向に配置し、特に面方向の高引張応力部材を上下ともに2枚ずつ重ね、このうち内側は電極部位に相当大きさとし、外側は内側よりも大きくし、はみでた外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であり、図8Bは、図8AのB−B線断面の概略断面図であり、図8Cは、8AのB−B線に直行するC−C線断面の概略断面図である。
図9Aは、図7Aを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向に配置し、面方向の高引張応力部材の外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であり、図9Bは、図9AのB−B線断面の概略断面図であり、図9Cは図9AのB−B線に直行するC−C線断面の概略断面図である。
図10Aは、図7Bを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に、導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を面方向に配置し、面方向の高引張応力部材の外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であり、図10Bは、図10AのB−B線断面の概略断面図であり、図10Cは、図10AのB−B線に直行するC−C線断面の概略断面図である。なお、図8〜図10Cでは、各単電池層の構成は省略しており、そのため、接続リード線と各層の集電体との接続部分及びその近傍も便宜的に図示せず省略(簡略)しているため、接続リード線と各単電池層とが離れたように表されているだけで、決してそのような構造となっているものではない。
即ち、本発明の高引張応力部材(構造部材)31は、図7〜図10に示すような実施形態で挿入、配置してもよい。図7〜図10に示す実施形態では、高引張応力部材31’として、まず双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込み、更に面方向に並行に挟み込んだ高引張応力部材31’の外周部を、双極型二次電池要素21を厚さ方向に並行に挟み込んだ柱形状の高引張応力部材31”で支えるように挿入、配置していることを特徴とするものである。このような高引張応力部材31’31”を挿入,配置することで双極型二次電池モジュール10の剛性がより一層上がり耐久信頼性が向上する。また、このような高引張応力部材31’31”を挿入,配置することで双極型二次電池要素21の端部にかかる圧力を防止することが可能になる。特に、高引張応力部材31’と高引張応力部材31”を組み合わせることでさらに双極型二次電池モジュール10の耐久信頼性が向上する。また、双極型二次電池要素21端部への力が減り、双極型二次電池モジュール10の製造歩留りが向上する。また絶縁性が上がり信頼性が更に向上する。
図7A、図8、図9の実施形態では、双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込んだ高引張応力部材31’として、先に説明した図2A〜2Bに示すような板状(更には図1D〜1Lのような各種形状)の高引張応力部材31を用い、面方向に並行に挟み込んだ当該高引張応力部材31’の外周部を、双極型二次電池要素21を厚さ方向に並行に挟み込んだ柱形状の高引張応力部材31”として、先に説明した図1A〜1Kや図5A〜5Cに示すような高引張応力部材31を用い、これらを組み合わせたものといえる。なお、図8、図9に示す高引張応力部材31”としては、先に説明した図6A〜6Cに示すような高引張応力部材31を用いてもよい。図8〜9では、いずれも図6A、6Cに示す高引張応力部材31−1及び31−2の間にタブ25、27や各層接続リード線37を挟み込む構成を用いた例を示している。これら高引張応力部材31’、31”には、先に説明したゴム、樹脂などの高分子材料、特に絶縁性の高分子材料(例えば、ベークライト板など)を用いるのが望ましい。
図7B、図10の実施形態では、双極型二次電池要素21を面方向に並行に挟み込んだ高引張応力部材31’として、先に説明した図3や図4A〜4Bに示すような板状(更には図1D〜1Lのような各種形状)の高引張応力部材31を用い、面方向に並行に挟み込んだ当該高引張応力部材31’の外周部を、双極型二次電池要素21を厚さ方向に並行に挟み込んだ柱形状の高引張応力部材31”として、先に説明した図1A〜1Kや図5A〜5Cに示すような高引張応力部材31を用い、これらを組み合わせたものといえる。なお、高引張応力部材31”としては、先に説明した図6A〜6Cに示すような高引張応力部材31を用いてもよい。図10では、いずれも図6A、6Cに示す高引張応力部材31−1及び31−2の間にタブ25、27や各層接続リード線37を挟み込む構成を用いた例を示している。これらのうち高引張応力部材31’には、先に説明した導電性の材料(例えば、アルミニウム板)を用いるのが望ましい。これらのうち高引張応力部材31”には、先に説明したゴム、樹脂などの高分子材料、特に絶縁性の高分子材料(例えば、ベークライト板など)を用いるのが望ましい。
次に、本発明の双極型二次電池モジュール10は、外装材(モジュールケース)29の外部より気体、液体または固体粉末の少なくても1種類もしくはそれらの混合物質により生じる静水圧を用いて双極型二次電池モジュール10(特に双極型二次電池要素21に相当する部位)の上下を加圧してなることを特徴とするものである。静水圧を用いることにより電池間(単電池層19が複数積層されている双極型二次電池要素21の隣接する単電池層19−単電池層19間(単セル−単セル間))の接触圧力の増大と均等化がなされ、外装材29内で複数接合されてなる双極型二次電池要素21の電池−電池間(単セル−単セル間)あるいは双極型二次電池要素21を挟み込む板(電子伝導体;電極タブ25、27や面方向に設けられた高引張応力部材31)−電池(単電池層19ないし双極型二次電池要素21)間の全面から均等に電流を受けることにより電流密度分布のばらつきを抑えることができ、さらに低抵抗化が可能になる。その結果、双極型二次電池モジュール10内部における電流密度のばらつき解消、接続抵抗の低減が可能になる。
ここで、上記気体としては、特に制限されるものではなく、水素、二酸化炭素、窒素、アルゴン、酸素などを用いることができる。上記液体としては、特に制限されるものではなく、水、エタノール、オイルなどを用いることができる。上記固体粉末としては、特に制限されるものではなく、無機酸化物などを用いることができる。
双極型二次電池モジュール10(特に双極型二次電池要素21に相当する部位)の上下を加圧するのに用いる気体、液体または固体粉末等により発生させる静水圧(外部からの圧力)としては、50kPa以上、好ましくは50kPa〜1MPa、より好ましくは100kPa以上、特に好ましくは100kPa〜300kPaの範囲とするのが望ましい。外部圧力が50kPa未満では、上記したような作用効果を十分に発現させることが困難となる虞れがある。一方、1MPaを超える外部圧力を加える場合には、その圧力を維持し続けるのが困難であるほか、高引張応力部材31により双極型二次電池モジュール10の剛性を高め、双極型二次電池要素21端部にかかる圧力を防止する構造を有していても、双極型二次電池要素21の上下から加わる外圧が双極型二次電池要素21の耐圧強度を超える虞れがある。
また、本発明の双極型二次電池モジュール10では、外装材(モジュールケース)29として、容易に変形するフレキシブルなもの(例えば、後述する金属箔と合成樹脂膜からなるラミネートフィルムなど)を用い、当該外装材29内部の内圧を大気圧よりも低い圧力とすることによって得られる大気圧を用いた静水圧により双極型二次電池モジュール10(特に、双極型二次電池要素21に相当する部位)の上下を加圧してなることを特徴とするものである。大気圧を用いた静水圧を用いることにより、電池間(単電池層19が複数積層されている双極型二次電池要素21の隣接する単電池層19−単電池層19間(単セル−単セル間))の接触圧力の増大(1kg/cm)と均等化(大気圧の均等さ)がなされ、外装材29内で複数接合されてなる双極型二次電池要素21の電池−電池間(単セル−単セル間)あるいは双極型二次電池要素21を挟み込む板(電子伝導体;電極タブ25、27や面方向に設けられた高引張応力部材31)−電池(単電池層19ないし双極型二次電池要素21)間の全面から均等に電流を受けることにより電流密度分布のばらつきを抑えることができ、さらに低抵抗化が可能になる。当該実施形態では、外装材29内部を真空に近づけることで、外装材29内の接続部分に1kg/cmという圧力をかけることが可能になる。その結果、双極型二次電池モジュール10内部における電流密度のばらつき解消、接続抵抗の低減が可能になる。
ここで、外装材29内部の内圧を大気圧よりも低い圧力としては、好ましくは10kPa以下、より好ましくは100Pa以下の圧力とするのが望ましい。外装材29内部の内圧を10kPa以下、更には好適な範囲である100Pa以下とすることで、外装材29内の接続部分に1kg/cmという圧力をかけることが可能になる。
また、本発明では、外装材29が、金属箔と合成樹脂膜からなるラミネートフィルムでつくられている事を特徴とするものである。外装材29として、容易に変形するフレキシブルなものであるラミネートフィルムを用いれば、外装材29は容易に変形し静水圧をかけることが可能になり、さらにラミネートフィルムの金属箔層が存在するため気体透過性が低下し長時間内部と外部の圧力差を維持できる。また、外装材29内部の内圧を大気圧よりも低い圧力、好ましくは真空状態近くまで減圧することで、双極型二次電池モジュール10内部に気体が存在しないことで温度変化などで体積変化がおこる可能性もない点で優れている。その結果、電流密度のばらつき解消、接続抵抗の低減が可能になる。また体積変化などがおこらないためモジュール内の気密性が高い等の利点が得られる点でも優れている。
なお、ラミネートフィルムを構成する金属箔および合成樹脂膜の材質に関しては、後述する。
以上が、本発明の双極型二次電池モジュールの特徴的な構成要件(主に、双極型二次電池要素21と外装材29との間に挿入されてなる前記外装材29よりも引張応力が高い高引張応力部材31)に関する説明であり、他の構成要件に関しては特に制限されるものではない。よって、以下では、上述した本発明の双極型二次電池の特徴的な構成要件以外の他の構成要件に関し、双極型リチウムイオン二次電池モジュールを例に取り説明するが、本発明がこれらに制限されるものではない。
[集電体]
本発明の双極型二次電池モジュール10で用いることのできる集電体11としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウム箔を集電体として用いることが好ましい。
また、本発明では、上記集電体11として、Feを主成分とし、Cr、Niを合金化したステンレスを用いることが好ましい。より好ましくは、さらにMo成分を有するSUS316Lを用いることである。これらの集電体11を用いることで正極13、負極15両電位に耐えうる集電体11にできるからである。また、このような集電体11とすることで0Vに電圧をおとすことが可能になる点でも優れている。
また、本発明では、上記集電体11として、高分子材料を主成分とする導電性高分子膜であるものを使用してもよい。これらの集電体11を用いることで軽量化が可能になり、また正極13、負極15両電位に耐えうる集電体11にできるからである。また、このような集電体11とすることで0Vに電圧をおとすことが可能になる。
ここでいう導電性高分子とは、高分子材料と導電性を付加する為の導電性付与剤(例えば、カーボン系粉末や金属粉末(いずれも導電性フィラーを含む)とで構成されているフィラー等の導電性付与剤分散型導電性高分子、高分子材料自体が導電性を有する導電性ポリマー両方を含む。これらに関しては、先に説明した高引張応力部材31に用いることのできる導電性高分子材料と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
さらに、本発明で用いることのできる集電体11としては、双極型二次電池モジュールの製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、所望の形状に製膜して形成したものを利用することもできる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダ(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものである。これら金属粉末は1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいし、さらに、こうした製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。好ましくは、正極と負極とを電子伝導性により結合する主成分としてケイ素材料(例えば、平均粒子径10nm〜100μm程度のシリコン粒子のほか、平均繊維径10nm〜100μm程度、繊維長さ0.1〜1000μm程度のシリコンナノチューブ、シリコンマイクロチューブ、シリコンナノファイバ、シリコンマイクロファイバ、シリコンナノコイル、シリコンマイクロコイルなどの繊維状のものなど)を用い、さらに樹脂(バインダ)として、先に説明した柱形状の高引張応力部材31に用いることのできるゴム、樹脂のような高分子材料と同様なものを用いることができるものであり、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(ベークライト)などのいずれか、もしくはこれらの複数からなるものを適当な配合比率で配合したものを用いて形成したものであってもよい。安価で耐酸化性を有する集電体11とすることができる。その結果、長期の信頼性を有する双極型二次電池モジュールを安価に作ることができるためである。
上記バインダとしては、特に制限されるべきものではなく、例えば、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム(増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを併用してもよい)など、従来公知の樹脂バインダ材料を用いることができるほか、先に説明したような各種の導電性高分子材料を用いても良い。
集電体11の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
集電体11は、通常の金属箔などをもちいることができるほか、真空プロセスを用いて形成することができる。具体的にはスパッタ、蒸着、イオンプレーティングおよび溶射などに代表されるPVD(Physical Vapor Deposition;物理気相成長法ないし物理的蒸着法)、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長法ないし化学的蒸着法)、のいずれかの方法により形成することもできる。スパッタ法としては、例えば、集電体11、更には後述する電極の形成に適した電子サイクロトロン共鳴スパッタ法、あるいは後述する電解質層17(セパレータを用いなくともよく、固体電解質を用いる場合に適している)やシール部20等の形成に適した高周波(RF)スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法、ミラートロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。蒸着法としては、CVD(化学的蒸着法)とPVD(物理的蒸着法)が挙げられる。CVDとしては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVDなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。PVDとしては、スパッタ法、パルスレーザ蒸着法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシー法、電子ビーム蒸着法、溶射法などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
[電極(正極及び負極)]
正極(正極活物質層ともいう)13および負極(負極活物質層ともいう)15の構成については、特に限定されず、公知の正極および負極が適用可能である。電極には、電極が正極13であれば正極活物質、電極が負極15であれば負極活物質が含まれる。正極活物質および負極活物質は、双極型二次電池モジュール10の種類に応じて適宜選択すればよい。
例えば、双極型二次電池モジュール10が双極型リチウムイオン二次電池モジュールである場合には、正極活物質としては、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。容量、出力特性に優れた電池を構成できることから、正極活物質として遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を用いるのが望ましい。
正極活物質の粒径は、双極型二次電池モジュール10の電極抵抗を低減するために、双極型でない溶液(電解液)系のリチウムイオン二次電池モジュールで用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。
正極13の厚さは、双極型二次電池モジュール10の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して適宜決定すればよく、通常1〜500μm程度である。
正極13は、通常のスラリーを塗布(コーティング)する方法のほか、真空プロセスを用いて形成することができる。具体的には上記集電体11の項で説明したようなスパッタ、蒸着、イオンプレーティングおよび溶射などに代表されるPVD、CVD、のいずれかの方法により形成することもできる。スパッタ法としては、例えば、電極、更には上記集電体11の形成に適した電子サイクロトロン共鳴スパッタ法、電解質層17や周辺絶縁層のシール部20の形成に適した高周波(RF)スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、対向ターゲットスパッタ法、ミラートロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。蒸着法としては、CVDとPVDが挙げられる。CVDとしては、熱CVD、プラズマCVD、光CVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVDなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。PVDとしては、スパッタ法、パルスレーザ蒸着法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシー法、電子ビーム蒸着法、溶射法などが挙げられるが、これらに制限されるものではない。
こうした形成法に適した正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、コバルトニッケル酸リチウム、ニッケルマンガン酸リチウム、コバルトニッケルマンガン酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウムなどが好適に利用可能である。こうした形成法を用いた場合には、正極13の厚さは、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲まで薄膜化を図ることができる。
また、双極型二次電池モジュール10が双極型リチウムイオン二次電池モジュールである場合の負極活物質としては、特に制限されるものではなく、チタン酸リチウム、リチウム金属、リチウムアルミ合金、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金等の金属材料、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンファイバ、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどの結晶性炭素材や非結晶性炭素材等のカーボン(炭素材料)といった従来公知の負極材料を用いることができるが、容量、出力特性に優れた電池を構成できることから、これらカーボンもしくはリチウム−遷移金属複合酸化物を用いるのが望ましい。具体的には、結晶性炭素材や非結晶性炭素材などのカーボン(炭素材料)や、LiTi12、チタン酸化物などの金属材料(リチウム−移金属複合酸化物や遷移金属酸化物など)が挙げられる。カーボン(炭素材料)としてより詳しくは、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンファイバ、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン(難黒鉛化炭素材料)などが挙げられる。リチウム−移金属複合酸化物としては、リチウム−チタン複合酸化物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。以上のことから、容量、出力特性に優れた電池を構成するには、正極活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質としてカーボンもしくはリチウム−遷移金属複合酸化物を用いる組合せが望ましいといえる。
負極活物質の粒径は、双極型二次電池モジュール10の電極抵抗を低減するために、双極型でない溶液(電解液)系のリチウムイオン二次電池モジュールで用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、負極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。
負極15の厚さは、双極型二次電池モジュール10の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して適宜決定すればよく、通常1〜500μm程度である。
負極15は、通常のスラリーを塗布(コーティング)する方法のほか、スパッタ、蒸着、CVD、PVD、イオンプレーティングおよび溶射のいずれかの方法によっても形成することもできる。こうした形成法に適した負極活物質としては、チタン酸リチウムのほか、カーボン、リチウム金属、リチウムアルミ合金、リチウムスズ合金、リチウムケイ素合金などが好適に利用可能である。こうした形成法を用いた場合には、負極15の厚さは、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜1μmの範囲まで薄膜化を図ることができる。
電極13、15は、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性高分子、電解液など)、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)などが含まれ得る。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維などが挙げられる。導電助剤を含ませることによって、電極で発生した電子の伝導性を高めて、電池性能を向上させることができる。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム、ポリイミドなどが挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
電解質としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、それらの共重合体などのイオン伝導性高分子(固体高分子電解質)などが挙げられる。
イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)は、電池の種類に応じて選択すればよい。双極型二次電池モジュール10が、双極型リチウムイオン二次電池モジュールである場合には、電解質支持塩(リチウム塩)としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
活物質、導電助剤、バインダ、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性高分子、電解液など)、電解質支持塩(リチウム塩)などの電極の構成材料の配合量は、双極型二次電池モジュール10の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定することが好ましい。
本発明では、後述する製造方法や実施例に示すように、活物質、導電助剤、バインダ等の電極の構成材料の粒子間に形成される空隙部分に、さらに固体電解質(ゲル電解質を含む)を含浸させてなるのが望ましい。
[電解質層]
電解質層17は、液体、ゲル、固体のいずれの相であってもよい。双極型二次電池モジュール10が破損した際の安全性や液絡の防止を考慮すると、電解質層17は、ゲルポリマー電解質層、全固体電解質層のような固体電解質を用いることが好ましい。電解質層17として固体電解質(詳しくは、後述するが、高分子ゲル電解質、固体高分子型電解質、無機固体型電解質すべてを含めるものとする)を用いることにより漏液を防止することが可能となり、液絡を防ぎ信頼性の高い双極型二次電池モジュール10を構成でき、双極型二次電池モジュール10の信頼性を高めることができる。
電解質層17として、固体電解質のうちゲルポリマー電解質層(高分子ゲル電解質)を用いる場合には、電解質の流動性がなくなり、集電体11への電解質の流出をおさえ、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。
ゲル電解質のホストポリマーとしては、PEO、PPO、PVdF、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVdF−HFP)、PAN、PMA、PMMAなどがあげられる。また、可塑剤としては通常リチウムイオン電池に用いられる電解液を用いることが可能である。
電解質層17として、固体電解質のうち全固体電解質層(固体高分子型電解質、無機固体型電解質)を用いる場合にも、電解質の流動性がなくなるため、集電体11への電解質の流出がなくなり、各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる。特に全固体電解質層を用いた場合、電解質層17からの電解液の浸透のおそれがないため、集電体11の空孔率が高くてもよい。特に全固体電解質層を用いてなる(さらに上記電極(正極13及び負極15)中の電解質成分にも全固体電解質を用いてなる)全固体電池モジュールであるのが望ましい。これは、本発明においては双極型二次電池モジュールに用いる電解質は、液体であってもよいし、ゲルや固体であってもよいが、特に固体である場合は、酸化反応が起こりにくく、より耐久性が向上するためである。
上記ゲルポリマー電解質(高分子ゲル電解質)は、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含ませることにより作製される。PVdF、PAN、PMMAなど、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものもゲルポリマー電解質(高分子ゲル電解質)にあたる。ゲルポリマー電解質(高分子ゲル電解質)を構成するポリマーと電解液との比率は、特に限定されず、ポリマー100%を全固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲルポリマー電解質(高分子ゲル電解質)の概念に含まれる。また、セラミックなどの無機固体などイオン伝導性を持つ無機固体型電解質も全固体型電解質にあたる。よって、上記高分子ゲル電解質、固体高分子型電解質、無機固体型電解質すべてを含めて固体電解質とする。
電解質層17中には、イオン伝導性を確保するために支持塩が含まれることが好ましい。双極型二次電池モジュール10が双極型リチウム二次電池モジュールである場合には、支持塩としては、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、前述の通り、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
電解質層17としては、具体的には、従来公知の材料として、(a)高分子ゲル電解質(ゲルポリマー電解質)、(b)全固体高分子電解質(高分子固体電解質、無機固体型電解質)、(c)液体電解質(電解液)または(d)これら電解質を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)を用いることができる。好ましくは、出力特性、容量、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である、ゲル電解質材料を好適に使用できる。
(a)高分子ゲル電解質
高分子ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。高分子ゲル電解質として用いるポリマーマトリックス(高分子)は、たとえば、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PEO)、ポリプロピレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリル酸エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVdF−HFP)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、中でもPEO、PPOおよびそれらの共重合体、あるいは、PVdF−HFPを用いることが望ましい。電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものであり、電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)およびそれらの混合物が望ましい。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。本発明では、電解液の割合が70質量%以上の、電解液が多いゲル電解質について、特に効果がある。
(b)全固体高分子電解質(高分子固体電解質、無機固体型電解質)
全固体高分子電解質としては、例えば、PEO、PPO、これらの共重合体などの公知の固体高分子電解質、セラミックなどのイオン伝導性を持つ無機固体型電解質が挙げられる。固体高分子電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、またはこれらの混合物などが使用できる。
(c)液体電解質(電解液)
電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものが挙げられる。ここで、電解質としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種が、溶媒としては、EC、PC、GBL、DMC、DECおよびそれらの混合物が望ましい。
電解質のなかでは、ゲル電解質を含浸させたセパレータが好ましい。容量、出力特性に優れた電池を構成できるからである。
(d)上記電解質を含浸させたセパレータ(不織布セパレータを含む)
セパレータに含浸させることのできる電解質としては、既に説明した(a)〜(c)と同様のものを用いることができる。
上記セパレータとしては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーからなる多孔性シートおよび不織布を挙げることができる。
多孔性シートとしては、例えば、微多孔質セパレータを用いることができる。該ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミド、アラミドが挙げられる。上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4〜60μmであることが望ましい。上記セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)、その空孔率は20〜80%であることが望ましい。
不織布としては、綿、レーヨン、アセテート、ポリアミド(ナイロン(デュポン社の登録商標))、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5〜200μmであり、特に好ましくは10〜100μmである。厚さが5μm未満では電解質の保持性が悪化し、200μmを超える場合には抵抗が増大することになる。
さらに、本発明では、スパッタ、蒸着、CVD、PVD、イオンプレーティングおよび溶射のいずれかの方法により電解質層17を形成することもできる。こうした形成法に適した電解質層17としては、リン酸リチウムオキシナイトライドガラス、リン酸リチウム、チオリシコン化合物、LiPO−LiS−SiSガラス、LiS−Pガラスなどが好適に利用可能である。
[シール部]
シール部(シーラントないし周辺絶縁層とも称されている)20は、電解質層17の漏れを防止するために単電池層19の周辺部に配置されている。この他にも双極型二次電池モジュール10内で隣り合う集電体11同士が接触したり、積層された双極型電極16の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止することもできる。該シール部20としては、例えば、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム、ポリイミドなどが使用でき、耐蝕性、耐薬品性、製膜性、経済性などの観点からは、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ただし、これらに何ら制限されるものではない。
シール部20も、スパッタ、蒸着、CVD、PVD、イオンプレーティングおよび溶射のいずれかの方法により形成することもできる。こうした形成法に適したシール部20としては、アルミナ、シリカ、マグネシア、イットリアなどが好適に利用可能である。
[ガス吸着材料(ガス吸着層)]
上記シール部20内には、必要に応じて、ガス吸着材料、詳しくはガス吸着材料を用いてなるガス吸着層を配置してもよい。ガス吸着層が存在することで発生したガスを吸着させることが可能になるからである。
上記ガス吸着材料としては、特に制限されるものではなく、例えば、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンシート、炭素材料を主体とする負極材料、シリカゲル、活性アルミナ、ゼオライト、各種粘土、酸化鉄、過塩素酸マグネシウム、イオン交換樹脂、各種金属塩等の従来公知のものが挙げられる。好ましくは炭素材料を主体とする負極材料である。こうした炭素材料を主体とする負極材料からなるガス吸着層が存在することで発生したガスを吸着させることが可能になるからである。加えて負極材料がガス吸着材料となることで製造工程の簡略化を図ることが可能になるからである。これにより、電解質の漏れ出しによる液絡(短絡)を防ぎつつ、同時に内部で発生したガスを吸着させることで、電池の出力低下を防ぐことが可能になり、双極型二次電池モジュールの出力密度が向上することができる点で優れている。
[正極および負極タブ]
双極型二次電池モジュール10においては、電池外部に電流を取り出す目的で、最外層集電体(11a、11b)に電気的に接続された電流取り出し用の高導電性タブ(正極タブ25および負極タブ27)が外装材29であるラミネートシートの外部に取り出されている。具体的には、正極用最外層集電体11aに直接または導電性の高引張応力部材31を介して電気的に接続(例えば、図10A〜図10Cに示す超音波溶接などの溶接またはアルミペーストなどの導電性ペースト(接着剤)で接続された接続部位41参照のこと。)された正極タブ25と、負極用最外層集電体11bに直接または導電性の高引張応力部材31を介して電気的に接続された負極タブ27とが、外装材29の外部に取り出される。また、本発明では、先に説明したように高引張応力部材31の一部をそのままタブ(正極タブ25および負極タブ27)として利用してもよい。
タブ(正極タブ25および負極タブ27)を構成する材料は、特に制限されず、双極型二次電池モジュール10用の電流取り出し用のタブとして従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。当該タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極タブ25と負極タブ27とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。また、最外層集電体(11a、11b)を延長することによりタブ(25、27)としてもよいし、別途準備したタブを最外層集電体に直接または高引張応力部材31等の高導電性材料を介して接続してもよい。
さらに、電流取り出し用の高導電性タブ25、27により、少なくても正極13および負極15末端極の電極、詳しくは正極および負極末端極の電極の集電体である最外層集電体11a、11bのうち特に電池反応部位である電極形成部位に相当する部分、好ましくはこれら集電体(の接続面)すべてを直接または導電性の高引張応力部材31を介して覆って構成されるのが望ましい(図1A、図2A、図3、図4A参照等のこと)。このような構成とすることで双極型二次電池モジュール10、特に電池反応部位である電極形成部位に相当する部分の電流を面で受けることが可能になるためである。その結果、電池の出力が向上する点で優れている。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板(図示せず)は、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体11a、11bから正極タブ25及び負極タブ27を直接取り出す場合には、正極および負極端子板は用いなくてもよい。
正極および負極端子板の材料は、従来公知のリチウムイオン電池で用いられる材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、これらの合金を利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常、0.1〜2mm程度が望ましい。これらも電極タブ25、27と同様に、超音波溶接などの溶接またはアルミペーストなどの導電性ペースト(接着剤)で接続することができる。
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しても、必要に応じて使用する。例えば、最外部の集電体11a、11bから出力電極端子(正極タブ25及び負極タブ27)を直接取り出す場合(図7参照のこと)には、正極および負極リードは用いなくてもよい。
正極および負極リードの材料は、公知のリチウムイオン電池で用いられるリードを用いることができる。なお、電池外装材から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。これらも電極タブ25、27と同様に、超音波溶接などの溶接またはアルミペーストなどの導電性ペースト(接着剤)で接続することができる。
[各層接続リード線]
双極型二次電池モジュール10においては、各層(=各単電池層19)の電位(特に異常電圧になった単電池層)をモニタする目的で、各層(=各単電池層19)の正極側または負極側の集電体11表面(電極形成部位の外周表面部位)に電気的に接続された各層接続リード線37(図8〜10参照のこと)が外装材29であるラミネートシートの外部に取り出されている。これらも電極タブ25、27と同様に、超音波溶接などの溶接またはアルミペーストなどの導電性ペースト(接着剤)で接続することができる。
各層接続リード線37(図8〜10参照のこと)を構成する材料は、特に制限されず、双極型二次電池モジュール10の各層接続リード線37(図8〜10参照のこと)として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。なお、集電体との接続部分以外は、外装材29内の配線部分及び外装材29から取り出された部分は、他の集電体等との接触や、外部周辺機器や配線などに接触して漏電したりして、双極型二次電池モジュール10のほか、製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。また、各層接続リード線には、フレキシルプリント配線板(フィルム)を用いるのが、外装材29からの取り出しなどの点で優れている。また、ここでは、常時、各単電池層の電圧検知を行う必要上、消費電力を極力抑えることができるような材料、大きさ(幅、厚さなど)などを決定するのが望ましい。
[外装材]
外装材29としては、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、双極型二次電池要素21全体を外装材29に収容するとよい。外装材29としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができほか、アルミニウムなど金属箔と合成樹脂膜からなるラミネートフィルムを用いた双極型二次電池要素21を覆うことができる袋状のケースを用いることができる。軽量化の観点から、金属箔を合成樹脂膜(高分子絶縁体フィルム)で被覆したラミネートパックなどの高分子−金属複合ラミネートフィルム(単に、ラミネートフィルムとも称する)が好ましい。
上記ラミネートフィルムとしては、特に制限されるべきものではなく、合成樹脂膜(高分子絶縁体フィルム)間に金属箔を配置し全体を積層一体化してなる従来公知のものを使用することができる。具体例としては、例えば、合成樹脂膜(高分子フィルム)からなる外装保護層(ラミネート最外層)、金属箔層、合成樹脂膜(高分子フィルム)からなる熱融着層(ラミネート最内層)のように配置し全体を積層一体化してなるものが挙げられる。詳しくは、外装材に用いられるラミネートフィルムは、上記金属箔の両面に、合成樹脂膜(高分子フィルム)として、まず耐熱絶縁樹脂フィルムを形成し、少なくとも片面側の耐熱絶縁樹脂フィルム上に熱融着絶縁性フィルムが積層されたものである。かかるラミネートフィルムは、適当な方法にて熱融着させることにより、熱融着絶縁性フィルム部分が融着して接合し熱融着部が形成される。上記金属箔としては、アルミニウム箔等が例示できる。また、上記絶縁性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が例示できる。ただし、本発明の外装材は、これらに制限されるべきものではない。
こうしたラミネートフィルムでは、超音波溶着等により熱融着絶縁性フィルムを利用して1対ないし1枚(袋状)のラミネートフィルムの熱融着による接合を、容易かつ確実に行うことができる。よって、本発明では、こうしたラミネートフィルムを用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、双極型二次電池要素21を収納し密封した構成とするのが好ましい。なお、双極型二次電池モジュール10の長期信頼性を最大限高めるためには、上下2枚のラミネートシート外周部分を熱融着させる際に、上下2枚のラミネートシートの金属箔同士を直接接合してもよい。上下2枚のラミネートシートの金属箔間にある熱融着性樹脂フィルムを除去もしくは破壊して金属箔同士を接合するには超音波溶着を用いることができる。
外装材29にラミネートフィルムを用いる場合、上記正極タブ25および負極タブ27、更には各層接続リード線などは、上記熱融着部(封止部33)に挟まれて該外装材29の外部に取り出される構造とすればよい。また、熱伝導性に優れたラミネートフィルムを用いることが、自動車の熱源(モータやエンジンなど)から効率よく熱を伝え、双極型二次電池モジュール10内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
[双極型二次電池モジュールの外観構成]
先に説明した図1〜7に示すように、積層型の扁平な双極型二次電池モジュール10では、その平面図において、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ25、負極タブ27が引き出されている。双極型二次電池要素(電池構造体)21は、双極型二次電池モジュール10の外装材29によって包まれ、その周囲は熱融着されて封止部33となっており、双極型二次電池要素(電池構造体)21は正極タブ25及び負極タブ27を引き出した状態で密封されている。ここで、双極型二次電池要素(電池構造体)21は、先に説明した図1に示す双極型二次電池要素(電池構造体)21に相当するものであり、集電体11、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15、集電体11(それぞれの集電体11は、双極型であるため隣接する単電池層の集電体と、いわば共有化されているともいえる。)で構成されるまでの単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、本発明の双極型二次電池10は、図1〜10に示すような積層型の扁平な形状のものに制限されるものではなく、巻回型の双極型二次電池モジュールでは、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
また、図1〜7に示すタブ25、27の取り出しに関しても、特に制限されるものではなく、正極タブ25と負極タブ27とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ25と負極タブ27をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、特に制限されるものではない。また、巻回型の双極型二次電池モジュールでは、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。また、図8〜10に示す各層接続リード線37の取り出しに関しても、特に制限されるものではなく、全ての単電池層19の接続リード線37を同じ辺から引き出すようにしてもよいし、各層接続リード線37を複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、特に制限されるものではない。
本発明の双極型二次電池モジュール10は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
[双極型二次電池モジュール]
本発明の双極型二次電池モジュール10は、双極型二次電池要素21を少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されることを特徴とするものであってもよい。直列化および/または並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。この場合には、1つの外装材29内部に、複数の双極型二次電池要素21が直列化および/または並列化されている構成である。
上記したように内部構成を直列化および/または並列化した双極型二次電池モジュール10における双極型二次電池要素21の数および接続の仕方は、双極型二次電池モジュール10に求める出力および容量に応じて決定されるとよい。こうした内部構成を直列化および/または並列化した双極型二次電池モジュール10を用いた場合、1つの双極型二次電池要素21単独の双極型二次電池モジュール10と比較して、双極型二次電池モジュールとしての安定性が増す。また、内部構成を直列化および/または並列化した双極型二次電池モジュールを構成することにより、双極型二次電池モジュールのなかの1つの単電池層(単セル)の劣化によるモジュール全体への影響を低減することもできる。
また、以下に説明する組電池の場合には、これらを構成する双極型二次電池モジュール10同士、更には装脱着可能な小型の組電池同士を接続する接続部材が大型化し、当該接続部での電気抵抗の増加及びそれに伴う発熱やエネルギー損失が避けにくいが、上記したように内部構成を直列化および/または並列化した双極型二次電池モジュールでは、双極型二次電池要素21同士を接続するのに非常に小さくて短い接続部材で足りるため、当該接続部材での電気抵抗を非常に小さく抑えることができ、それに伴う発熱やエネルギー損失も小さく、最小限にとどめることができる点で優れている。
[組電池]
また、本発明の組電池では、双極型二次電池モジュール10を少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるようにしてもよい。本発明の組電池では、双極型二次電池モジュールでは、本発明の双極型二次電池モジュールのほか、他の二次電池モジュール(例えば、双極型でない通常のリチウムイオン二次電池モジュールなど)を用いて、これらを直列に、並列に、または直列と並列とに、複数個組み合わせて、組電池を構成することもできる。
双極型二次電池モジュールを直列化および/または並列化した組電池における双極型二次電池モジュール10の数および接続の仕方は、組電池に求める出力および容量に応じて決定されるとよい。組電池を構成した場合、双極型二次電池モジュール単独と比較して、電池としての安定性が増す。また、双極型二次電池モジュールを直列化および/または並列化して組電池を構成することにより、組電池のなかの1つ双極型二次電池モジュールの更にその中の1つの単電池層(単セル)の劣化による組電池全体への影響を低減することもできる。
また、図11は、本発明に係る双極型二次電池モジュールを直列化および/または並列化した組電池の代表的な実施形態の外観図であって、図11Aは組電池の平面図であり、図11Bは組電池の正面図であり、図11Cは組電池の側面図である。
図11に示すように、本発明に係る組電池300は、本発明の双極型二次電池モジュール10が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池250を形成し、この装脱着可能な小型の組電池250をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池300を形成することもできる。図11Aは、組電池300の平面図、図11Aは正面図、図11Cは側面図を示しているが、作成した装脱着可能な小型の組電池250は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続し、この装脱着可能な小型の組電池250は接続治具310を用いて複数段積層される。何個の双極型二次電池モジュール10を接続して組電池250を作成するか、また、何段の装脱着可能な小型の組電池250を積層して組電池300を作成するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本発明の双極型二次電池モジュール(特に内部構造を直列化および/または並列化した双極型二次電池モジュールが望ましい)10またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池250、300は、好ましくは、車両の駆動用電源として用いられうる。本発明の双極型二次電池モジュール10または組電池250、300を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両であれば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
以上の双極型二次電池モジュール10またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池250、300を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。他の車両、例えば、電車であっても適用は可能である。
図12は、本発明の組電池を搭載した車両の概念図である。
図12に示したように、組電池300を電気自動車400のような車両に搭載するには、電気自動車400の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池300を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池300を用いた電気自動車400は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。本発明の双極型二次電池モジュールまたは組電池を搭載した車両としては、図12に示すような電気自動車のほか、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などに幅広く適用できるものである。
[双極型二次電池モジュールの製造方法]
次に、本発明の双極型二次電池モジュールの製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適用して作製することができる。ただし、本発明の特徴部である、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21と外装材29との間に挿入してなる双極型二次電池モジュール10を完成するには、後述する実施例に示すように、双極型二次電池要素21を作製したのち、外装材29に収納し密封する前に、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21と外装材29との間に挿入すればよい。そのため、かかる高引張応力部材31の挿入工程も含めて、本発明の双極型二次電池モジュールの製造方法を以下に簡単に説明する。
本発明の双極型二次電池モジュール10の製造方法は、双極型電極16と、正極13と負極15の間に挟まれた電解質層17と、前記電解質層17からの電解質の漏れを防止するために周辺部に配置されたシール部20と、を複数枚直列に積層することにより双極型二次電池要素21を作製する工程(双極型二次電池要素の作製工程ともいう)と、
双極型二次電池要素21を作製したのち、外装材29に収納し密封する前に、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21と外装材29との間に挿入する工程(高引張応力部材の挿入工程ともいう)と、
双極型二次電池要素21を高引張応力部材で挟み込んで外装材29に封入し、密封する工程(密封工程ともいう)と、を行うことを特徴とするものである。以下、各工程ごとに、詳しく説明する。
(I)双極型二次電池要素21の作製工程
双極型二次電池要素21の作製工程としては、特に制限されるものではなく、従来公知の製造方法を利用して作製することができる。
(i)正極用組成物の塗布
まず、適当な集電体11を準備する。正極用組成物は、通常はスラリー(正極用スラリー)として得られ、集電体11の一方の面に塗布される。塗布方法には、バーコーティング、スプレーコーティングのほか、スクリーン印刷、インクジェット方式で印刷する塗布方法なども含まれる。さらに、上記したように真空プロセスを用いて形成することができる。具体的には蒸着、イオンプレーティングおよび溶射などに代表されるPVD(Physical Vapor Deposition;物理気相成長法ないし物理的蒸着法)、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長法ないし化学的蒸着法)、のいずれかの方法により形成することもできる。これら真空プロセスを用いて形成する方法に関しては、既に説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。以下の、電極13、15、電解質層17、シール部20などに関しても、これら真空プロセスを用いて形成する方法が適用できるが、既に説明した通りであるの、以下の電極13、15、電解質層17、シール部20での説明も省略する。
正極用スラリーは、正極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、高分子ゲル電解質の原料(高分子原料、電解液など)、リチウム塩などが任意で含まれる。高分子電解質層に高分子ゲル電解質を用いることから、正極活物質微粒子同士を結びつける従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのスラリー粘度調整溶媒などが含まれていればよく、高分子ゲル電解質の原料やリチウム塩などは含まれていなくても良い。
高分子ゲル電解質の高分子原料は、PEO、PPO、これらの共重合体などが挙げられ、分子内に架橋性の官能基(炭素−炭素二重結合など)を有することが好ましい。この架橋性の官能基を用いて高分子原料を架橋することによって、機械的強度が向上する。
正極活物質、導電助剤、バインダ、リチウム塩、電解液に関しては、前述した化合物を用いることができる。
重合開始剤は、重合させる化合物に応じて選択する必要がある。例えば、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。
NMPなどの溶媒は、正極用スラリーの種類に応じて選択する。
正極活物質、リチウム塩、導電助剤等の添加量は、バイポーラ電池の目的等に応じて調節すればよく、通常用いられる量を添加すればよい。重合開始剤の添加量は、高分子原料に含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は高分子原料に対して0.01〜1質量%程度である。
(ii)正極13の形成
正極用スラリーが塗布された集電体11を乾燥して、含まれる溶媒を除去し、正極(正極活物質層)13を形成する。それと同時に、正極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子固体電解質の機械的強度を高めてもよい。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された正極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
作製した正極13は、表面の平滑性および厚さの均一性を向上させるためにプレス操作を行うのがよい。プレス操作は冷間でプレスロールする方法または熱間でプレスロールする方法のいずれの方法でも良い。熱間でプレスロールする方法の場合は、電解質支持塩や重合性ポリマーが分解する温度以下で行うのが望ましい。プレス圧力は線圧で200〜1000kg/cmで行うことが望ましい。
(iii)負極用組成物の塗布
正極13が形成された面と反対側の集電体11の表面に、負極活物質を含む負極用組成物(負極用スラリー)を塗布する。
負極用スラリーは、負極活物質を含む溶液である。他成分として、導電助剤、バインダ、重合開始剤、高分子ゲル電解質の原料(高分子原料、電解液など)およびリチウム塩などが任意で含まれる。使用される原料や添加量については、「(i)正極用組成物の塗布」の項での説明と同様であるため、ここでは説明を省略する。
(iv)負極15の形成
負極用スラリーが塗布された集電体11を乾燥して、含まれる溶媒を除去し、負極(負極活物質層)15を形成する。これにより、双極型電極16を形成することができる。それと同時に、負極用スラリーによっては、架橋反応を進行させて、高分子ゲル電解質の機械的強度を高めてもよい。この作業により、バイポーラ電極が完成する。乾燥は真空乾燥機などを用いることができる。乾燥の条件は塗布された負極用スラリーに応じて決定され、一義的に規定できないが、通常は40〜150℃で5分〜20時間である。
また、上記「(ii)正極13の形成」の項で説明したプレス操作は、例えば、集電体11の片面に正極活物質層を形成した後に、双極型二次電池モジュール10に用いる複数の正極(正極活物質層)13につき、全体をまとめて行っても良い。負極(負極活物質層)15についても同様である。更には集電体11の片面に正極活物質層13を形成し、他面に負極活物質層15を形成した後に、正極活物質層13および負極活物質層15をまとめてプレス操作を行っても良い。プレス操作に要する工数を大幅に低減することができるためである。一方、正極活物質層13および負極活物質層15を構成する各層ごとに所定の膜厚を確保する観点からは、正極活物質層13および負極活物質層15を構成する各層ごとに行うのが望ましい。このようにプレス操作の対象や時期については、必要に応じて適宜選択すればよい。また、プレス条件については、正極活物質層13または負極活物質層15の各層ごとの場合でも、双極型二次電池モジュール10に用いる複数の正極活物質層13および/または負極活物質層15につき、全体をまとめて行う場合であっても、上記「(ii)正極13の形成」の項で説明した範囲内において調製することができる。
(v)双極型電極16および電解質層17の作製(電解質の作製)
上述の通りに作製した双極型電極16の両面の正極13及び負極15全面、並びにセパレータの所定の位置(中央部;電極面積またはそれより広い面積部分)に、ゲル原料溶液(プレゲル溶液)や固体電解質の前駆体溶液を含浸させ、重合させ、双極型電極16および電解質層17を作製する。これにより、電極13、15のイオン伝導性を高めることができると共に所望の電解質層17を形成することができるものである。
双極型電極16やセパレータに含浸させるゲル原料溶液(プレゲル溶液)は、高分子ゲル電解質の原料高分子(ホストポリマー)、リチウム塩、重合開始剤等を溶媒に溶解させて調製した溶液を意味する。ホストポリマー、リチウム塩などは、双極型二次電池モジュール10の正極13において記載した説明と同様であるため、ここではその説明を省略する。
双極型電極16やセパレータに含浸させる固体電解質の前駆体溶液は、高分子固体電解質の原料高分子(ホストポリマー)、リチウム塩、重合開始剤等を混合して調製した溶液を意味する。ホストポリマー、リチウム塩などは、双極型二次電池モジュール10の正極13において記載した説明と同様であるため、ここではその説明を省略する。
重合開始剤は、重合方法(熱重合法、紫外線重合法、放射線重合法、電子線重合法など)や重合させる化合物に応じて適宜選択する必要がある。例えば、紫外線重合開始剤としてベンジルジメチルケタール、熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられるが、これらに制限されるべきものではない。また、溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、n−ピロリドンなどのスラリー粘度調整用溶媒などが挙げられる。重合開始剤の添加量は、ホストポリマーに含まれる架橋性官能基の数に応じて決定される。通常は上記ホストポリマーに対して0.01〜1質量%程度である。
ゲル原料溶液や固体電解質の前駆体溶液の含浸は、双極型電極16両面の正極13及び負極15の全面、並びにセパレータ上の中央部に塗布し、真空乾燥により乾燥(ゲル原料溶では、溶媒を除去)させることで、正極13及び負極15の空隙部にゲル電解質ないし全固体電解質を含有してなる双極型電極、並びにセパレータの多孔質部分にゲル電解質ないし全固体電解質を含有してなる電解質層を得ることができる。ゲル原料溶液ないし固体電解質の前駆体溶液は、まだゲル状や固体状になっていないため、電極およびセパレータに浸透していく。また、前記含浸には、アプリケーターやコーターなどを用いれば微量の供給も可能である。
その後、ゲル原料溶液ないし固体電解質の前駆体溶液を含浸させた双極型電極16およびセパレータに含まれるホストポリマーを、熱、紫外線、放射線、電子線等により重合(架橋)する。重合には、簡便かつ確実に重合を行うことができることから、熱重合を行うことが望ましい。乾燥ないし熱重合は、真空乾燥機など従来公知の装置を用いることができる。乾燥ないし熱重合の条件はゲル原料溶液や固体電解質の前駆体溶液に応じて適宜決定すればよい。得られるセパレータの電解質塗布部分のサイズ(面積)は、単電池層(単セル)19の集電体11の電極形成部のサイズ(面積)よりも若干小さくしても良いし、同じにしても良いし、若干大きくしても良いなど、特に制限されるものではない。
本発明において、電解質層17は、好ましくはゲル原料溶液や固体電解質の前駆体溶液(ポリマー電解質原料溶液)をセパレータに含浸させて重合(架橋)されてなる。セパレータを用いることにより、電解液の充填量を高めることができるとともに、熱伝導性を確保することができるため、好適に用いられる。しかし、本発明の電解質層17は、かような構成に限定されず、セパレータを含まない従来公知の電解質層を用いてもよい。
以上のように作製した双極型電極16、電解質層17を高真空下で十分加熱乾燥してから、双極型電極16と電解質層17をそれぞれを適当なサイズに複数個切りだす。電解質層17は、双極型電極16の集電体11のサイズよりも若干大きくすることが望ましい。
(vi)シール部前駆体の形成
上記(v)で得られた双極型電極16の正極13周辺部の電極未塗布部分にディスペンサ等を用いて、双極電極16の正極側の集電体外周部(4辺全て)にシール部前駆体(例えば、1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布する。
次に上記(v)で得られた電解質層17を正極側に集電体11を覆うように設置する。
その後、電解質層17のうち、外周部近傍のゲル電解質未塗布部分のセパレータの上から電極未塗布部分(=ゲル電解質未塗布部分;前記シール部前駆体を塗布した部分と同じ部分)にディスペンサ等を用いて、電解質層17外周部のセパレータにシール部前駆体(例えば、1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布し、含浸させる。セパレータ内部(含浸)とその上部(負極周辺部の電極未塗布部分に相当する位置)にシール前駆体が位置するように、必要に応じて数回に分けて塗布してもよい。
なお、上記(i)〜(vi)の工程を行う際には、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、アルゴン、窒素などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
(vii)双極型二次電池要素(電池構造体)21の作製
上記で得られた双極型電極16と電解質層17を、真空(減圧)密封しつつ、正極(活物質層)13と負極(活物質層)15が電解質層17を挟んで対向するように、それぞれ交互に順次積層し、熱プレス機により面圧0.5〜2.0kg/cm、好ましくは1.0〜1.5kg/cm、40〜150℃、好ましくは80〜100℃で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜1時間、熱プレスすることにより、未硬化のシール部前駆体を硬化する。この工程は使用する接着剤により決められる値であり、たとえばエポキシ樹脂の硬化温度、あるいはオレフィン系のホットメルトの融点により決定される。本工程(vii)によりシール部20を所定の厚みまでプレス、さらに硬化を行うことで単電池層(単セル)19が所望のセル数積層された双極型二次電池要素(電池構造体)21を作製することができる。積層数は、双極型二次電池モジュール10に求められる電池特性を考慮して決定される。電解質層17が一面または両面に形成された双極型電極16を、直接貼り合わせてもよい。最外層の電解質層17上には、それぞれ電流取り出し用の電極25、27を配置する。正極側の最外層には、集電体11a上に正極13のみを形成した電流取り出し用の電極(正極)を配置する。負極側の最外層には、集電体11b上に負極15のみを形成した電流取り出し用の電極(負極)を配置する。双極型電極16(更には最外層の電極)と電解質層17とを積層させて双極型二次電池要素21を得る段階は、従来と同様に、不活性雰囲気下(例えば、アルゴン雰囲気下や窒素雰囲気下)で行ってもよいが、本発明では、当該作製工程では、双極型電極16(更には最外層の電極)と電解質層17を順次積層後、真空(減圧)にしてシール部20の内側全体の雰囲気ガス(不活性ガスないし空気)を排気しながら、熱プレス機により熱プレスすることにより、未硬化のシール部前駆体を硬化すると共に真空密封するのが望ましい。これにより、シール部20で真空密封された内部が真空(減圧)状態になった極型二次電池要素(電池構造体)21を形成することができる。ここでの真空(減圧)条件としては、10.0kPa以下、好ましくは1kPa以下、より好ましくは0.1kPa以下とするのが望ましい。また、こうした真空環境は、双極型電極16及び電解質層17の積層作業から熱プレス機までの全体工程が真空になるようにするのが望ましい。こうした真空環境は、例えば、高性能真空ポンプを用いた真空チャンバー内部に積層機構追加した真空積層装置などを用いて行うことができる。
(viii)電極タブ25、27(更には各層接続リード線)の取り付け
得られた電池要素(電池構造体)21の両電池最外部の単電池層19の集電体11a、11bに正極タブ25及び負極タブ27を配設(電気的に接続)する。電池最外部の単電池層19の集電体11a,11bに取り付けるタブ25、27は、カーボン系導電性接着剤等で接着してもよい。
必要に応じて、正極タブ25及び負極タブ27に、さらに正極リード及び負極リードをそれぞれ接合(電気的に接続)してもよい。正極リードおよび負極リードの接合方法としては特に制限されるべきものではないが、接合温度の低い超音波溶接等が好適に利用し得るものであるが、これに限定されるべきものではなく、従来公知の接合方法を適宜利用することができ、タブと同じように、カーボン系導電性接着剤等で接着してもよい。
更に、必要に応じて、得られた電池要素(電池構造体)21の各単電池層19の集電体(正極側または負極側)に各層接続リード線を配設(電気的に接続)する。各単電池層19の集電体(正極側または負極側)に取り付ける各層接続リード線は、カーボン系導電性接着剤等で接着してもよいし、先の熱プレス前に差し込んでおき、熱プレスにより未硬化のシール部前駆体が広がり各層接続リード線を固定して硬化させることで、集電体と電気的に接続するようにしてもよいなど、特に制限されるものではなく、適当な時期に配設しておけばよい。
(II)高引張応力部材の挿入工程
次に、双極型二次電池要素21を作製したのち、外装材29に収納し密封する前に、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21と外装材29との間に挿入する。具体的には、図1〜図10に示すように、使用目的にあわせて用いる高引張応力部材31を決定する。
次に、図1に示すように双極型二次電池要素21の厚さ方向に挟み込んで挿入、配置する場合には、図1にあるように、正極タブ25及び負極タブ27の間に高引張応力部材31を挿入し、外装材29内部の正極タブ25及び負極タブ27に適当な接着剤を用いて、あるいは高引張応力部材31を熱融着させて、固定するようにすればよい。
図2に示すように双極型二次電池要素21の面方向に挟み込んで挿入、配置する場合には、電極タブを電気的に接続する前後に、当該高引張応力部材31を挿入し、当該高引張応力部材31が導電性材料で構成されている場合には電気的に接続すればよく、あるいは当該高引張応力部材31が非導電性材料で構成されている場合には、適当な接着剤を用いて、あるいは高引張応力部材31を熱融着させて、固定するようにすればよい。
また、図7〜図10に示すように、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21の面方向及び厚さ方向に挟み込んで挿入、配置する場合には、上記した挿入、配置方法を適当に組み合わせえて行えばよいなど特に制限されるものではない。また、図6、図8〜10に示すような場合にも、高引張応力部材31の貫通孔に正極タブ25、負極タブ27、更には各層接続リード線37などを通した後に、上記接着固定を行うのが望ましい。また、外装材29に封入後、密封することで、先に説明したように、清水圧が加わることから、上記した接着を行うことなく、簡単に差し込み(挿入)しておくだけでもよい。ただし、自動車用駆動電源のように車両に搭載するような場合には、車両走行時の振動や衝撃が双極型二次電池モジュール10にも伝わるため、長期間、安定に高引張応力部材31を所定の位置に保持しておくには、上記したように接着固定しておくのが望ましいといえる。また、図7〜図10に示すように、高引張応力部材31を双極型二次電池要素21の面方向及び厚さ方向に挟み込んで挿入、配置する場合であって、図8A、図9A、図10Aに示すように、双極型二次電池要素21を囲い込むように、板状の高引張応力部材31’31”を組み合わせる場合には、高引張応力部材31’31”の内部が密封され、その後に外装材29内を減圧(真空)密封する際などに、これら高引張応力部材31’31”で囲まれた内部まで減圧(真空)密封することができるように、高引張応力部材31’31”の一部(好ましくは2箇所)に隙間39を設けておくのが望ましいといえる。
(III)密封工程(双極型二次電池モジュールの完成)
次いで、高引張応力部材31が挿入、配置された双極型二次電池要素21(電池構造体)21を、外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、ラミネートフィルムなどの外装材29を用い真空密封し、外周を熱融着によってシールし、双極型二次電池モジュール10を製造する。以上が、本発明の双極型二次電池モジュール10の製造方法の全工程にあたるものである。
ただし、高引張応力部材31は、図1に示すように双極型二次電池要素21の厚さ方向に挟み込んで挿入、配置する場合と、図2に示すように双極型二次電池要素21の面方向に挟み込んで挿入、配置する場合とで、配置する手順を、タブの接続前後で適当に入れ替えるなどしてもよいことは言うまでもない。
なお、上記工程(I)〜(III)を行う際にも、電池内部に水分等が混入するのを防止する観点から、アルゴン、窒素などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
更に、上記工程(I)でシール部20を設けることなく双極型二次電池要素21を作製し、その後、初回充放電を行って、主に初回充電で発生するガスを双極型二次電池要素21外部に排出した後に、シール部20を形成し、その後、上記したように高引張応力部材31を挿入、配置し、外装材29に収納し密封するようにしてもよい。こうすることで、初回充放電で発生するガス(気泡)による電池反応時のイオン伝導の阻害を低減し、電池性能を向上させることができる点で優れている。かかる初回充放電につき、以下、簡単に説明する。
(ix)初回充電
初回充電は、上記工程(I)でシール部20を設けることなく双極型二次電池要素21を作製したものにつき、初回充電を行うものであればよく、特に制限されるものではなく、従来公知の製造方法、特に充放電技術を利用して作製することができる。
ここで、対象となる双極型二次電池要素21は、充放電可能なように正極タブ25と負極タブ27が取り付けられた状態のものであればよい。
初回充電条件としては、特に制限されるものではなく、電池の理論容量になるまで(=満充電状態になるまで;例えば、双極型リチウム二次電池モジュールなどでは、電池電圧が単電池層数×4.2Vになるまで)、一般的な条件にて充電を行えばよい。ここでは、ガス発生が起こりにくい条件で充電するよりも、積極的にガス発生を起こしやすい条件で満充電するのが望ましいといえる。具体的には、定電流1C相当充電の後、定電圧充電を長時間(1時間〜10時間)かける条件で初回充電を行えばよい。
なお、双極型二次電池モジュール、例えば、双極型リチウム二次電池モジュールなどでは、充放電サイクルを通じて最も多くのガスが発生するのが初回充電時であり、以降の充放電時には、正常な状態で充放電されている限り、殆どガス発生はない。そのため、当該初回充電のみを実施すればよいが、これに何ら制限されるものではなく、適当に数サイクル充放電を行ってもよい。即ち、初回充電さえ実施していればよく、その後の充放電の有無は特に問題ではない。ただし、電池寿命及び製造工数及び製造コスト(経済性)の観点からは、製造段階で余分な充放電を実施することは望ましくなく、初回充電だけを行うのが望ましい。一方、双極型二次電池が満充電状態(=大量のエネルギーを蓄えた状態)よりも、放電状態(エネルギーを放出した状態)で取り扱う方が、以後の作業の安全性を確保しやすい点で優れている。かかる観点からは、初回充放電のみを行うのが望ましい。
ここで、初回放電条件としては、特に制限されるものではなく、例えば、双極型リチウム二次電池モジュールなどでは、電池電圧が単電池層数×2.5Vになるまで(=初回充電で蓄えたエネルギーを放出した状態になるまで)、一般的な条件にて放電を行えばよい。ここでは、ガス発生は殆どないためである。具体的には、定電流放電1C相当の電流の条件で初回放電を行えばよい。
なお、2回目以降の充放電を行う場合にも、特に制限されるものではなく、一般的な条件にて、例えば、上記初回充放電条件と同じ条件にて充放電を行えばよい。2回目以降の充放電は電池の使用用途により決定されるものである。
(x)ガス排出
ガス排出では、双極型二次電池要素21からガスを排出するものである。
例えば、適当な基盤61上に双極型二次電池要素21を載置し、該双極型二次電池要素21に適当なローラプレス機等を用いて、ロールプレスをかけることで、初回充電(更にはその後の充放電)で発生したガス(気泡)を排出することができる。
ここで、ロールプレス機としては、特に制限されるものではなく、従来公知にロールプレス機を適宜利用することができる。但し、従来公知の他のプレス装置やプレス技術を適宜利用してよいことはいうまでもない。
ロールプレスの加圧力としては、発生したガスを排出できるものであればよく、単電池層の積層数(セル数)、電極−電解質層対向部の面積などによっても異なることから、事前に予備実験などを行って、最適な加圧力を決定するのが望ましい。具体的には、ロールプレスの加圧力は、0.5〜20kg/cm、好ましくは2〜5kg/cmの範囲である。ロールプレスは必要に応じて加熱を行いながらのヒートロールプレスを行うべきであり、使用される電解質層の材料に応じて条件を決定する。
また、ロールプレスの加工速度としては、発生したガスを排できるものであればよく、単電池層の積層数(セル数)、電極−電解質層対向部の面積などによっても異なることから、事前に予備実験などを行って、最適な加工速度を決定するのが望ましい。具体的には、加工速度が、1〜20m/分、好ましくは10〜15m/分の範囲である。
また、本発明では、プレスがけ以外のガス排出処理を行って発生ガスを排出してもよい。例えば、シール部20を形成する際に、真空減圧状態で熱プレスすることで、初回充電で発生したガスも併せて、外部に排出してもよいなど、特に制限されるものではない。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
実施例1〜10及び比較例1〜2に用いる双極型二次電池要素を以下に示す手順で作製した。その後、各実施例1〜10及び比較例1〜2ごとに、高引張応力部材や外装材を変えて、所望の双極型二次電池モジュールを作製した。
(I)双極型二次電池要素の作製
<電極の形成>
1.正極の形成
以下の材料を所定の比で混合して正極スラリーを作製した。詳しくは、正極活物質としてLiMn、導電助剤としてアセチレンブラック、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を使用し、正極活物質、導電助剤、バインダをそれぞれ85wt%、5wt%、10wt%の比率に混合し、これらの混合組成物40質量部に対して60質量部のNMPをスラリー粘度調整溶媒として添加し(塗布工程に最適な粘度になるまでNMPを添加したものである)、混合して正極スラリーを調製した。
厚さ20μmのステンレス(SUS)箔の集電体の片面に、該正極スラリーを塗布し、乾燥させて厚さ30μmの電極層の正極を形成した。
2.負極の形成
以下の材料を所定の比で混合して負極スラリーを作製した。詳しくは、負極活物質としてハードカーボン、バインダとしてPVdFを使用し、負極活物質、バインダをそれぞれ90wt%、10wt%の比率に混合し、これらの混合組成物40質量部に対して60質量部のNMPをスラリー粘度調整溶媒として添加し(塗布工程に最適な粘度になるまでNMPを添加したものである)、混合して負極スラリーを調製した。
該負極スラリーを正極を形成した集電体の反対面に、該負極スラリーを塗布し、乾燥させて厚さ30μmの電極層の負極を形成した。この際、正極面積と負極面積を同じとし、正極と負極の集電体への投影図が一致するように調整して正極及び負極を形成した。
3.双極型電極の作製
集電体であるSUS箔の両面に正極と負極がそれぞれ形成されることにより、双極型電極が形成された。この双極型電極を縦160mm×横130mmに切り取り、正極、負極ともに外周部は10mmを剥がしとることにより、集電体であるSUS表面を露出させた。これにより、電極面積が1400mm×110mmであり、外周部に10mmの集電体であるSUS露出した双極型電極を作製した(図8参照のこと)。
<双極型電極及び電解質層の完成>
以下の材料を所定の比で混合して電解質材料を作製した。
電解液として、1.0M LiPFを含有するプロピレンカーボネート(PC)+エチレンカーボネート(EC)(1:1(体積比))90wt%、ホストポリマーとして、HFP成分を10%含むポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVdF−HFP)10wt%、および粘度調整溶媒として、電解液とPVdF−HFPの合計量100質量部に対してジメチルカーボネート(DMC)200質量部(塗布工程に最適な粘度になるまでNMPを添加したものである)を混合してプレゲル電解質(プレゲル溶液)を調製した。
該プレゲル電解質(プレゲル溶液)を先に形成された双極型電極両面の正極及び負極電極部の全面、並びに縦170mm×横140mm、厚さ12μmのポリエチレンセパレータ(セパレータ空孔率:40%)上の中央部(電極面積と同じ範囲)に塗布し、真空乾燥によりDMCを除去、乾燥させることで、正極及び負極(の空隙部)にゲル電解質を含有してなる(ゲル電解質の染み込んだ)双極型電極、並びにポリプロピレンセパレータ(の多孔質部分)にゲル電解質を含有してなる(ゲル電解質の染み込んだ)ゲル電解質層を完成させた。これにより、正極及び負極および電解質層のゲル電解質塗布部分の空孔率は、実質的に0%となる。
<シール部前駆体の形成>
上記で得られた双極型電極の正極周辺部の電極未塗布部分にディスペンサを用いて、図9に示すように電極13の外周部(4辺全て)にシール部前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)20aを塗布した。
次に上記で得られたゲル電解質層を正極側に集電体であるSUS箔すべてを覆うように設置した。
その後、スペーサの上から、ゲル電解質層のうち、外周部近傍のゲル電解質未塗布部分のセパレータの上から電極未塗布部分(=ゲル電解質未塗布部分;前記シール部前駆体を塗布した部分と同じ部分)にディスペンサを用いて、図3に示すようにゲル電解質層外周部のセパレータにシール部前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布し、含浸させた。ここでは、セパレータ内部(含浸)とその上部(負極周辺部の電極未塗布部分に相当する位置)にシール前駆体が位置するように、必要に応じて数回に分けて塗布した。
<積層>
上記で得られたゲル電解質層を載せた双極型電極を13枚真空密封しつつ、正極(活物質層)と負極(活物質層)がゲル電解質層を挟んで対向するように順次積層することで、単電池層が12積層された双極型二次電池要素(電池構造体)を作製した。
<双極型二次電池要素(電池構造体)の完成>
上記で得られた双極型二次電池要素(電池構造体)を、熱プレス機により面圧1kg/cm、80℃で1時間熱プレスすることにより、未硬化のシール部前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)を硬化した。この工程によりシール部20を所定の厚みまでプレス、さらに硬化を行うことが可能となる(図8参照)。以上で単電池層(単セル)が12セル積層された12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を完成させた。
(実施例1)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、さらにその上下に厚み1mmで双極型二次電池要素よりも大きい面積のベークライト板(高引張応力部材)でこれらを挟み込み、外装材として厚さ140μmのラミネートフィルム(厚さ30μmの外側ナイロン樹脂膜−厚さ50μmのアルミニウム箔−厚さ60μmの内側ポリプロピレン樹脂膜の3層構造)を用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図2参照のこと)。このとき、引張応力はベークライト板(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例2)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、さらにその上下に厚み1mmで双極型二次電池要素よりも大きい面積のポリプロピレン(PP)板(高引張応力部材)でこれらを挟み込み、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図2参照のこと)。このとき、引張応力は、PP板(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例3)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、その上下に厚み1mmで双極型二次電池要素よりも大きい面積のアルミニウム板でこれらを挟み込み、このアルミニウム板に厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを溶接した(図10A〜図10Cに示す接続部位41と同様の箇所に超音波溶接した。図10A〜10C参照のこと。)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図3参照のこと)。このとき、引張応力は、アルミニウム板(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例4)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、その上下に厚み1mmで双極型二次電池要素よりも大きい面積であり双極型二次電池要素のエッジに並行かつ対向する部位に、切り欠き断面幅0.5mmの切り欠き(断面半円形;切り欠きは、4辺すべてに設けた。即ち、エッジ部にかかる部分はすべて切り欠きが入っているものを用いた。図4A,B参照のこと。)を有するアルミニウム板でこれらを挟み込み、これら上下のアルミニウム板に、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブをそれぞれ溶接した(図10A〜図10Cに示す接続部位41と同様の箇所に超音波溶接した。図10A〜10C参照のこと。)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図4参照のこと)。このとき、引張応力は、アルミニウム板(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例5)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、その周辺部に4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)で、円形の断面直径Lが8mmのアルミニウム製の円柱を図5Bのように配置した(円柱の設置数及び配置位置は図5Bと同じようにし、隣接する円柱間の間隔Dを約30mmとした。)。また、集電体や正極タブ、負極タブ等の間でアルミニウム製の円柱を介して短絡(ショート)しないように、円柱と集電体との間に間隔を設け、また1つの円柱が、正極タブと負極タブの両方に接触しないようにして配置した(但し、アルミニウム製の円柱表面に絶縁性の塗料または絶縁性薄膜(フィルム)を施したものを用いてもよい。)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図5A,B参照のこと)。このとき、引張応力は、円柱状アルミニウム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例6)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、その周辺部に4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)で、正方形断面の一辺Lが8mmのシリコンゴム製の角柱を図5A、5Cのように配置した(角柱の設置数及び配置位置は図5Cと同じようにし、隣接する角柱間の間隔Dを約30mmとした。)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図5A,5C参照のこと)。このとき、引張応力は、角柱状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例7)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、その周辺部に4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)のシリコンゴムを周辺部すべてに図5Dのように額縁状に配置した。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図5A,5D参照のこと)。このとき、引張応力は、額縁状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例8)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、その周辺部に4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)となるように、本実施例では厚み2.5mmの柱状のシリコンゴムを縦に2つ積み重ねて図6A,図6C(高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2参照)のように配置した。これにより、高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2の間に電流取り出し用の正極タブ及び負極タブをそれぞれ通して固定した。なお、図8〜10に示すように、4辺全てに柱状のシリコンゴムを縦に2つ積み重ねて配置した(図8〜10の高引張応力部材31”を構成する高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2参照のこと)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図6A,6C、図8〜10参照のこと)。このとき、引張応力は、柱状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例9)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、その周辺部に4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)で、電流取り出し用の正極タブないし負極タブを固定する穴(貫通孔)を有する柱状のシリコンゴムを図6A、6Bのように配置した。これにより、高引張応力部材31の穴(貫通孔)に電流取り出し用の正極タブ及び負極タブをそれぞれ通して固定した。なお、図8〜10に示す高引張応力部材31”と同様に双極型二次電池要素(電池構造体)4辺全てに柱状のシリコンゴムを配置した。但し、タブを取り出す必要のない2辺に配置する高引張応力部材には、穴(貫通孔)のない柱状のシリコンゴム(厚さ5mm)を用いた。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図6A,6B、図8〜10参照のこと)。このとき、引張応力は、穴のない柱状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係、および穴を有する柱状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(実施例10)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、その上下に厚み1mmで双極型二次電池要素よりも大きい面積のアルミニウム板でこれらを挟み込み、このアルミニウム板に厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを溶接した(図10A〜図10Cに示す接続部位41と同様の箇所に超音波溶接した。図10A〜10C参照のこと。)。また、このアルミニウム板の周辺部には4つの双極型二次電池要素の合計厚みと同等の厚み(=5mm)となるように、本実施例では厚み2.5mmの柱状のシリコンゴムを縦に2つ積み重ねて図10A〜図10C(高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2参照)のように配置した。これにより、高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2の間に電流取り出し用の正極タブ及び負極タブをそれぞれ通して固定した。なお、図10に示すように、4辺全てに柱状のシリコンゴムを縦に2つ積み重ねて配置した(図10の高引張応力部材31”を構成する高引張応力部材31−1及び高引張応力部材31−2参照のこと)。そして、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した(図10参照のこと)。このとき、引張応力は、アルミニウム板(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係、および柱状シリコンゴム(高引張応力部材)>ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
(比較例1)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、そのまま外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した。
(比較例2)
上記で作製した12直(12セル直列)構造の双極型二次電池要素(電池構造体)を直列になるように4つ重ね、厚さ100μmの電流取り出し用のアルミニウム製の正極タブ及び負極タブを挟み、さらにその上下に厚み100μmで双極型二次電池要素よりも大きい面積のポリプロピレン(PP)板でこれらを挟み込み、外装材として実施例1と同様のラミネートフィルムを用いて真空密封することで48直列の双極型二次電池モジュールを作製した。このとき、引張応力は、PP板<ラミネートフィルム(外装材)の関係を満たしている。
<評価>
上記実施例1〜10および比較例1〜2の各双極型二次電池モジュールに充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験のサイクル条件は、5C定電流で200Vまで充電し、10分間休止をして5C定電流で120Vまで放電し、10分間休止までを1サイクルとした。試験中は、温度管理はせず、室温(約25℃)環境下で行った。
比較例1、2の双極型二次電池モジュールは、サイクルの途中(比較例1:21サイクル、比較例2:35サイクル)でそれぞれ内部短絡が発生し200Vまで充電することができなかった。
それに対し、実施例1〜10の双極型二次電池モジュールは、100サイクル以降も安定に充放電することが可能であることがわかった。実施例1〜10につき、充放電サイクル試験の結果(短絡などが原因で充放電サイクル試験を終了したときのサイクル数=終了サイクル)を下記表2に示す。
したがって、双極型二次電池モジュールの外装材よりも引張応力が高い部材(高引張応力部材)、すなわち剛性の高い部材を、双極型二次電池要素と外装材との間に挿入することで、双極型二次電池モジュールの剛性が向上することがわかった。
また、これら実施例1〜10の双極型二次電池モジュールの内部抵抗測定(1kHzの交流インピーダンス測定)を行い、実施例1の双極型二次電池モジュールの内部抵抗を100%としたときのそれぞれの内部抵抗値を表1に示す。
この結果から面方向に並行に挟み込んでいる高引張応力部材が、導電性を持ちこれらが導電タブ(電流取り出し用の正極タブ及び負極タブ)をかねている構造の方(実施例3、4、実施例10)が、内部抵抗が低いことがわかった。
Figure 0005456954
<熱振動サイクル評価>
請求項1〜10の双極型二次電池モジュールを振動と熱を加えながら、前記と同様の充放電サイクル試験を行った。
熱振動はしっかり固定した双極型二次電池モジュールに対して垂直の方向に振幅が3mmで50Hzの単調な振動を加え、恒温槽内で45℃にすることにより行った。
この結果から、図6に示すように、双極型二次電池要素の厚さ方向に並行に挟み込んで配置した柱状の高引張応力部材により、電流取りだし用の高導電性タブ(更には各層接続リード線)を固定しているものの方(実施例8〜10)が、優れた剛性及び端部やタブに熱振動(圧力)がかかるのを防止でき、熱振動サイクル寿命が大幅に向上できることがわかった。なかでも、高引張応力部材を双極型二次電池要素の面方向及び厚さ方向にそれぞれ並行に挟み込んで配置した方(実施例10)が、極めて高い剛性及び端部やタブに熱振動(圧力)がかかるのを防止でき、熱振動サイクル寿命が極めて顕著に向上できることがわかった。
Figure 0005456954
図1Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの代表的な一実施形態として、高引張応力部材(構造部材)を厚さ(積層)方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図1Bは、図1Aに用いた高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を適用した双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 図1Cは、図1Bに変えて図1Aに用いることのできる高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を適用した双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 図1Dは、図1Aに用いた板状(柱状)の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Eは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる額縁形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Fは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる格子状(網目状)形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Gは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる格子状形状の高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Hは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる格子状形状の高引張応力部材(構造部材)の更に他の実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Iは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる菱形形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Jは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできるハニカム形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Kは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる三角形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図1Lは、図1Dの高引張応力部材に変えて本発明で用いることのできる多数の柱状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を模式的に表した概略斜視図である。 図2Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの他の実施形態として、高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図2Bは、図2Aの双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 本発明の双極型二次電池モジュールの他の実施形態として、導電性の材料の高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図4Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定の部位に切り欠きを設けてなる高引張応力部材(構造部材)を面方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図4Bは、図4Aに用いた高引張応力部材(構造部材)の一実施形態を模式的に表した概略斜視図である。 図5Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、柱形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に並行に挟み込んで挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図5Bは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の一実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 図5Cは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の他の実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 図5Dは、図5Aに用いた柱形状の高引張応力部材(構造部材)の更に他の実施態様を図解しやすいように外装材を透過した状態の双極型二次電池モジュールの概略平面図である。 図6Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、柱形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に並行に挟み込み、更に電流取りだし用の高導電性タブあるいは各層接続リード線を固定して、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの概略断面図である。 図6Bは、図6Bは、図6Aの柱形状の高引張応力部材(構造部材)に電流取りだし用の負極タブを固定する形態の1例を模式的に表した概略斜視図である。 図6Cは、図6Aの柱形状の高引張応力部材(構造部材)に電流取りだし用の負極タブを固定する形態の他の1例を模式的に表した概略斜視図である。 図7Aは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向にそれぞれ並行に挟み込んで、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの1例を表した概略断面図である。 図7Bは、本発明の双極型二次電池モジュールの更に他の実施形態として、所定形状の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向にそれぞれ並行に挟み込んで、挿入、配置してなる双極型二次電池モジュールの他の1例を表した概略断面図である。 図8Aは、図7Aを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向に配置し、特に面方向の高引張応力部材を上下ともに2枚ずつ重ね、このうち内側は電極部位に相当する大きさとし、外側は内側よりも大きくし、はみでた外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であって、図解しやすいように外装材を透過した状態の図面である。 図8Bは、図8AのB−B線断面の概略断面図である。 図8Cは、図8AのC−C線断面の概略断面図である。 図9Aは、図7Aを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向及び面方向に配置し、面方向の高引張応力部材の外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であって、図解しやすいように外装材を透過した状態の図面である。 図9Bは、図9AのB−B線断面の概略断面図である。 図9Cは、図9AのC−C線断面の概略断面図である。 図10Aは、図7Bを詳しく表した図面であって、非導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を厚さ方向に、導電性材料の高引張応力部材(構造部材)を面方向に配置し、面方向の高引張応力部材の外周部を厚さ方向の高引張応力部材で支えるように配置してなる本発明の双極型二次電池モジュールの外観構成を模式的に表した概略平面図であって、図解しやすいように外装材を透過した状態の図面である。 図10Bは、図10AのB−B線断面の概略断面図である。 図10Cは、図10AのB−B線に直行するC−C線断面の概略断面図である。 本発明に係る双極型二次電池モジュールを直列化および/または並列化した組電池の代表的な実施形態の外観図であって、図11Aは組電池の平面図であり、図11Bは組電池の正面図であり、図11Cは組電池の側面図である。 本発明の組電池を搭載した車両の概念図である。
符号の説明
10 双極型二次電池モジュール、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極(正極活物質層)、
15 負極(負極活物質層)、
16 双極型電極、
17 電解質層(ゲル電解質層)、
19 単電池層(=電池単位ないし単セル)、
20 シール部、
21 双極型二次電池要素(電池構造体)、
25 正極タブ、
27 負極タブ、
29 外装材(ラミネートフィルム)、
31、31a〜31k 高引張応力部材、
31−1 上部高引張応力部材、
31−2 下部高引張応力部材、
31’ 双極型二次電池要素の面方向に配置された高引張応力部材、
31” 双極型二次電池要素の厚さ方向に配置された高引張応力部材、
32 双極型二次電池要素のエッジ、
32’ 切り欠き(ないし溝)、
33 外装材の封止部、
35 高引張応力部材の貫通孔(穴)、
37 各層の接続リード線、
39 高引張応力部材間の隙間、
41 電極タブの接続部分、
250 装脱着可能な小型の組電池、
300 組電池、
310 接続治具、
400 電気自動車(車両)。
D 柱状の高引張応力部材の断面径または一辺の長さ、
L 隣接する柱状の高引張応力部材同士の間隔、
H 双極型二次電池要素の厚さ方向に配置された高引張応力部材の厚さ(高さ)。

Claims (2)

  1. 集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成された双極型電極を、電解質層を挟んで少なくとも2層以上直列に積層した双極型二次電池要素を外装材に密封してなり、シール部が前記集電体の端部よりも面方向の内側に設置されている双極型二次電池モジュールにおいて、
    双極型二次電池要素と外装材との間に挿入され、前記双極型二次電池要素を面方向に挟み込んでおり、前記双極型二次電池要素の正極末端または負極末端、ならびに前記外装材に接しており、かつ前記集電体の面方向の長さよりも面方向の長さが長く、前記双極型二次電池要素のエッジに並行かつ対向する部位に切り欠きを有し、前記外装材よりも引張応力が高い部材を有することを特徴とする双極型二次電池モジュール。
  2. 請求項記載の部材は、導電性材料であり電気的に双極型二次電池要素の正極末端、負極末端に接続されており、前記外装材外部に取り出されていることを特徴とする双極型二次電池モジュール。
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