JP4158440B2 - 二次電池及びそれを用いた組電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池に関し、特に電池要素の密着性を向上させて電池出力、サイクル特性を向上させるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護運動の高まりを背景として、二酸化炭素排出規制が切に望まれる中、自動車業界ではガソリン車等の化石燃料を使用する自動車に替えて、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)の導入を促進すべく、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用電池の開発が鋭意行なわれている。こうしたモータ駆動用洋電池には、長期交換が不要な点から繰り返し充電が可能な二次電池が使用される。特にEV、HEV、FCVのモータ駆動のような高出力及び高エネルギー密度が要求される場合には、複数個の電池を直列に接続して構成した組電池を使用することが一般的であった。
【0003】
この方法に好適な二次電池として、高出力、高エネルギー密度を有し、取り扱いの容易な小型電池であるリチウムイオン二次電池、特に高エネルギー密度で軽量な高分子−金属複合フィルムで電池要素を外装した薄型リチウムイオン二次電池が有望視されている。リチウムイオン二次電池は正極、セパレータ、負極の間隔がサイクル特性や、出力に重要であることはよく知られており、その解決手段として特開平11−219731号公報、特開2000−357535号公報がある。
【0004】
しかしながら、外装に高分子−金属複合フィルムを用いた二次電池では、外装材が缶と違って強度がないために、特開平11−219731号公報、特開2000−357535号公報に記載の構造と同じ構造をとることができない。また、外装に高分子−金属複合フィルムを用いた二次電池では、高温使用時に電解液が蒸発して電池要素間の距離が大きくなる、電池が膨張する等してサイクル特性や出力が低下してしまう。また外装に高分子−金属複合フィルムを用いた二次電池であればリチウムイオン二次電池に限らず、バイポーラ電池等でも電池要素を密着させて出力向上させるという点においては同様である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するもので、電池要素間の密着性を向上させ、ガス発生時にも電池の膨張を低減し、サイクル特性、出力の良好な外装に高分子−金属複合フィルムを用いた二次電池を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
高分子−金属複合フィルムで電池要素を外装した二次電池であって、電池要素挟持手段を具備してなることを特徴とする二次電池によって上記目的は達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いることのできる二次電池は、高分子−金属複合フィルムで電池要素を外装した二次電池であれば特に限定されず、正極、セパレータ、負極、電解液またはゲル状電解質という構成のリチウムイオン二次電池、正極、負極、固体電解質によって構成される単電池を積層することによって構成されるバイポーラ電池でも適用可能である。
【0008】
特に望ましくはガスが発生しやすいリチウムイオン二次電池である。
【0009】
またここで電池要素とはリチウムイオン二次電池においては正極、セパレータ、負極から成る構成、バイポーラ電池においては正極、負極、固体電解質から成る構成を言うものである。
【0010】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面に基づき詳述する。図1〜7に本発明の二次電池を示す。主な構成は基本的に従来技術と同じである。よって以下ではこの発明に特徴的な部分を抽出して説明し、その他の部分は省略する。
【0011】
請求項2に記載したように挟持手段は、2枚以上の板材と該板材結合手段から成るものである。その実施例として、図1(a)は、2枚の板材と該板材結合手段から成る挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図1(b)は、2枚の板材と該板材結合手段から成る挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す正面図である。図1の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、これら電池要素1と板材2に板材結合手段であるテープ3を巻きつけて結合させてあるものである。ここでは、板材結合手段にテープを用いたが、ゴム、バンド、クリップ、紐等を用いて、電池要素1と板材2を、例えば、ゴムで留める、バンドで結ぶ、クリップで挟む、紐で縛る等して結合(固定)させてもよい。
【0012】
ここで板材としては、金属が好適に用いることができる。
【0013】
板材結合手段としては、例えば、テープ、ゴム、バンド、クリップ、紐等を好適に用いることができる。その材質としては、電解液や電解質に対する耐食性を有し、また電池温度の上昇(60℃程度になる)によって板材結合手段のテープやゴム等の粘着力や伸縮力が低下し、ひいては挟持効果が低下しないように耐熱性に優れてなるものであれば、特に制限されるべきものではなく、テープ、バンド、紐の場合には、例えば、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックを用いることができる。また、ゴムの場合には、天然ゴム、合成ゴムなど各種ゴム材を用いることができる。また、クリップの場合には、例えば、コの字形状の金属、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチック等の材質を用いることができる。
【0014】
挟持手段を成す板材は、各々の電極の集電体であっても良いし、端子であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。すなわち、挟持手段を成す2枚以上板材が、▲1▼各々正極集電体と負極集電体、▲2▼各々正極端子と負極端子(図1参照のこと)、▲3▼各々正極集電体と負極集電体と正極端子と負極端子、▲4▼各々正極集電体と負極端子、▲5▼各々負極集電体と正極端子などの組み合わせを挙げることができるが、これらに制限されるべきものではない。
【0015】
上記板材の大きさは、電極や集電体として用いる場合には、該電極や集電体に使用し得る大きさであれば良い。また、これら電極や集電体とは別に板材を使用する場合には、本発明の目的を達成することができるように、適宜その大きさを決定すればよいが、電極や集電体と略同じ大きさとするのが該板材結合手段により結合する際に便利である。
【0016】
上記板材の厚さも、電極や集電体として用いる場合には、該電極や集電体に使用し得る厚さであれば良い。また、これら電極や集電体とは別に板材を使用する場合には、本発明の目的を達成することができるように、適宜その厚さを決定すればよいが、剛性等の観点からは0.5〜1.0mmの範囲が利用しやすいものであるが、この範囲に制限されるべきものではない。
【0017】
また、該板材は、図1に示すように、平らな板材を用いることができるほか、挟持手段として、より効果を高めるには、図2(b)に一点破線で示すように、内側に湾曲している(中凹状に反った)板材を用い、結合手段によりフラットになるようにしてもよい(これにより、はじめから平らな板材を用いる場合に比して、より大きな圧縮力が加わり、電池要素間の密着性をより向上させることができる)など、本発明の目的を達成することができるように、適当な形状の板材を用いることができる。また、図4などに示すように、断面がコの字状の形状をしていてもよいし、図3に示すように、板バネ状の形状をしていてもよいなど、板材の形状については、特に制限されるべきものではない。
【0018】
また、導通して短絡するのを防ぐために板材結合手段は、絶縁体の必要がある。したがって、クリップなどのように、その材質に金属を用いる場合には、その金属表面に絶縁膜(絶縁塗膜ないし絶縁皮膜など)ないし絶縁被覆層を形成するなどして絶縁体にする必要がある。
【0019】
また、電極に均一に圧力をかけるためには、電極の直上の挟持手段を成す板材はフラットであることが望ましい。そのため、挟持手段を成す板材(圧迫材)と電極の間に、さらに挟持手段の他の1種として、1枚以上のフラットな板状のもの(スペーサ)または上記板材を挟むのが望ましい。一方、その外側の挟持手段を成す板材(圧迫材)は、上述したように、内側に湾曲している(中凹状に反った)板材を用いるのが望ましいと言える(図2(b)や図3(b)の一点破線で示す板材を参照のこと)。
【0020】
さらに電池要素側面側に高分子−金属複合フィルムの外装材との間に空間があり、そこにガスが溜まる構造となる。そのため、ガス発生時に電池の膨張を低減することができる。xこれは、電池作製段階では外装材内部は真空に引いて負圧にしているため、この空間にガスが出てくる。その結果、電池要素内にガスが溜まるのを防止でき、電池が膨張するのを抑制できるものである。
【0021】
また請求項3に記載したように挟持手段の1つである結合手段は、一方の少なくとも1つの板材が備える突起部を他方の少なくとも1つの板材が有する孔部に掛合させるものである。
【0022】
その実施例として、図2(a)は、第1の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿った断面図であり、図2(c)は、図2(a)の正面図、図2(d)は、図2(c)の掛合部を下から見た拡大図である。
【0023】
図2の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、板材結合手段として一方の板材2aが4隅に備える4つの突起部4を、他方の板材2bが有する4つの孔部5に掛合させてなるものである。
【0024】
詳しくは、図2(d)に示すように、一方の板材2aが4隅に備える突起部4先端の鉤爪状(鉤型またはL字状)の掛合部4aを孔部5に挿通し、孔部5の反対側に突き出した掛合部4aを横にずらして(スライドさせて)、掛合部4aを他方の板材2bに掛合させるものである。なお、掛合後に掛合部4aがずれて孔部5から抜け出ないように、必要があれば、掛合後に孔部5を適当な充填材等で塞いでもよい。
【0025】
また、一方の板材2aに突起部4を備える際には、図2(a)に示すように、一方の板材2aの孔部に突起部4を嵌合、あるいは溶接するなどして組み立てても良いし、一体成形してもよいなど、特に制限されない。
【0026】
次に、図4(a)は、第2の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線に沿った断面図であり、図4(c)は、図4(a)の掛合部の拡大図である。
【0027】
図4の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、板材結合手段として図4(b)の断面図でみた断面コ字型の一方の板材2aが、一方の側面に備える3つの鉤型突起部4aを、同じく断面コ字型の他方の板材2bが同じ側面に有する3つの孔部5aに挿通し掛合させると共に、他方の板材2bが、反対の側面に備える3つの鉤型突起部4bを、一方の板材2aが同じ側面に有する3つの孔部5bに挿通し掛合させてなるものである。これにより、挟持される電池要素1に圧がかかるように、各鉤型突起部および孔部の位置が決められている。
【0028】
図5(a)は、第3の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線に沿った断面図であり、図5(c)は、図5(a)の掛合部の拡大図である。
【0029】
図5の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、板材結合手段として、他方の平らな(フラットな)板材2bが、図5(b)の断面図でみた両側面の先端部に備える合計6つの鉤型突起部4を、図5(b)の断面図でみた断面がコ字型の一方の板材2aが両側面に有する合計6つの孔部5bに挿通し掛合させてなるものである。これにより、挟持される電池要素1に圧がかかるように、各鉤型突起部および孔部の位置が決められている。
【0030】
図4、5では、上述したように、板材の両側面2個所で、それぞれ突起部を孔部に挿通し掛合、固定する構造になっている。
【0031】
このとき挟持手段の1つである板材は、各々の電極の集電体であっても良いし、端子であってもよいが、図2、4、5の各実施例に示すように、集電体や端子とは別に板材を用いる場合には、少なくとも板材の側面(電池要素の電極などに接する恐れのある部分;掛合部ないし掛合手段を含む)は導通して短絡するのを防ぐためにプラスチック、または絶縁被覆してある金属である必要がある。
【0032】
また、図2、4、5の各実施例に示すように、鉤型突起部の内側の板材(電極に接する場所;図2(b)や図3(b)の一点破線で示す板材を参照のこと)は、内側に湾曲していてもよい(中凹状に反っていてもよい)。また、電極に均一に圧力をかけるために、板材と電極の間に、さらに挟持手段の他の1種として、1枚以上のフラットな板状のもの(スペーサ)または上記板材を挟んでもよい(図7参照のこと)。
【0033】
さらに電池要素の側面側に高分子金属複合フィルムの外装材との間に空間があり、そこにガスが溜まる構造となる。そのため、ガス発生時に電池の膨張を低減することができる。なお、上記空間は、ガスが発生した際に、膨張して形成されるものであり、電池作製段階で外装材内部は減圧されているため、この空間部分は萎んだ状態になっている。
【0034】
また、請求項4に記載したように、挟持手段は1枚の板材を屈曲、掛合させて成るものである。その実施例として、図3(a)は、電池要素が挟持手段を具備すべく、1枚の板材を屈曲させ、掛合する直前の様子を模式的に表した斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線に沿った断面図であり、図3(c)は、図3(a)の電池要素が挟持手段を具備した後の、1枚の板材を屈曲、掛合させてなる当該掛合部の拡大図である。
【0035】
図3の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである1枚の板材2を無負荷状態で開く方向に弾発力が作用する板バネとなるように屈曲し(図3(b)参照のこと)、屈曲された板材2の一方の先端部に備える3つの鉤型突起部4を、該板材2の他方の先端部に有する3つの孔部5に挿通し、掛合させてなるものである。屈曲した板材2は、板バネになっていて、電池要素を挟み、圧をかける構造となっているため、電池要素間の密着性を向上させることができる。なお、本実施例では、図3(B)に示すように、無負荷状態で開く方向に弾発力が作用する板バネとなるように屈曲したが、逆に、無負荷状態で閉じる方向に弾発力が作用する板バネとなるように、板材を屈曲させたものを用いてもよい。この場合にも、同様に、電池要素1に圧をかかる構造となっているため、電池要素間の密着性を向上させることができる。
【0036】
また、図3(B)に示すように、本実施例でも、電池要素側面側に板材屈曲部(高分子−金属複合フィルムの外装材)との間に空間があり、そこにガスが溜まる構造となるため、ガス発生時にも電池の膨張を低減することもできる。
【0037】
このとき挟持手段の1つである板材は、各々の電極の集電体であっても良いし、端子であってもよいが、図3の実施例に示すように、集電体や端子とは別に板材を用いる場合には、少なくとも板材の側面(電池要素の電極などに接する恐れのある部分;掛合部ないし掛合手段を含む)は、導通して短絡するのを防ぐためにプラスチック、または絶縁被覆してある金属である必要がある。
【0038】
電極に接する場所の板材は、内側に湾曲していてもよい(中凹状に反っていてもよい;図2(b)に一点破線で示す板材を参照のこと)。また、均一に圧力を電極にかけるために、板材と電極の間にさらに挟持手段の他の1種として、1枚以上のフラットな板状のもの(スペーサ)または他の板材を挟んでもよい。さらに電池要素側面側に高分子金属複合フィルムの外装材との間に空間があり、そこにガスが溜まる構造となる。
【0039】
また請求項5に記載したように、掛合部はさらに溶着または溶接によって固定しても良い。このようにすることでより一層電池要素の密着性向上、電池の膨張防止が図れるものである。また、車両用電池のように振動を受け、係合部がはずれて電池要素の密着性が低下するなどのおそれがなく、長期的な安全性、信頼性を高めることもできる。例えば、先に説明した図2〜5の掛合部、すなわち、鉤型突起部を孔部に挿通し、鉤型突起部が孔部から突出した部分の周囲などを溶着または溶接によって固定すればよい。特に、電池要素を挟持したのちに溶着または溶接するため、できるだけ発熱量の少ない超音波溶接等が望ましいといえる。
【0040】
さらに、請求項6に記載したように、前記結合手段は、一方の少なくとも1つの板材が備える突起部と、他方の少なくとも1つの板材が備える突起部を重ね合せ、重ね合せ部分を溶着または溶接、固定してもよい。
【0041】
図6(a)は、第1の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線に沿った断面図であり、図6(c)は、図6(a)の掛合部の拡大図である。
【0042】
図6の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、板材結合手段として、一方の板材2aが備える2つの突起部4a、4bと、他方の板材2bが備える2つの突起部4c、4dをそれぞれ重ね合せ、2つの重ね合せ部分をそれぞれ溶接し、固定してなるものである。2枚の板材を溶接してなる溶接部6は、2枚の板材の重ね合せ部分全面でも良いが、図6(a)、(c)に示すように、適当な間隔で行えば、電池要素間の密着性を向上させることができ、ガス発生時の電池膨張によっても剥がれることのない接合力を奏することができるものである。
【0043】
詳しくは、板材結合手段として図6(b)の断面図でみた断面が山形状の一方の板材2aが、両側面先端の突起部4a、4bと、同じく断面が山形状の他方の板材2bが同じ両側面先端に有する突起部4c、4dをそれぞれ重ね合せ、突起部4aと4c、及び4bと4dの2つの重ね合せ部分をそれぞれ、超音波溶接などにより溶接し、固定してなるものである。すなわち、図6に示す実施例では、2個所で溶接、固定する構造になっている。
【0044】
図7(a)は、第2の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A線に沿った断面図であり、図7(c)は、図7(a)の掛合部の拡大図である。
【0045】
すなわち、図7の挟持手段を具備してなる電池要素の構造については、電池要素1を挟持手段の1つである2枚の板材2を用いて挟持し、板材結合手段として、一方の板材2aが備える2つの突起部4a、4bと、他方の板材2bが備える2つの突起部4c、4dをそれぞれ重ね合せ、2つの重ね合せ部分をそれぞれ溶接し、固定してなるものである。2枚の板材を溶接してなる溶接部6は、2枚の板材の重ね合せ部分全面でも良いが、図7(a)、(c)に示すように、適当な間隔で行えば、電池要素間の密着性を向上させることができ、ガス発生時の電池膨張によっても剥がれることのない接合力を奏することができるものである。
【0046】
さらに、図7については、電池に対して圧が均一にかかるように、電池要素1の電極と挟持手段の板材2a、2bとの間に、それぞれ一枚づつ平坦な板材2c、2dを挿入した構造である。
【0047】
このとき挟持手段の1種である板材は、各々の電極の集電体であっても良いし、端子であってもよいが、図6、7の各実施例に示すように、集電体や端子とは別に板材を用いる場合には、導通して短絡するのを防ぐために、少なくとも板材の側面(電池要素の電極などに接する恐れのある部分;掛合部ないし掛合手段を含む)は、プラスチック、絶縁被覆してある金属などの絶縁体である必要がある。
【0048】
また、突起部の内側の板材2a、2b(電極に接する場所;図2(b)や図3(b)の一点破線で示す板材を参照のこと)は、内側に湾曲していてもよい(中凹状に反っていてもよい)。また、均一に圧力を電極にかけるために、板材と電極の間に、さらに挟持手段の他の1種として、1枚以上のフラットな板状のもの(スペーサ)2c、2dを挟んでもよい(図7参照のこと)。
【0049】
さらに電池要素の側面側に高分子金属複合フィルムの外装材との間に空間があり、そこにガスが溜まる構造となる。そのため、ガス発生時に電池の膨張を低減することができる。なお、上記空間は、ガスが発生した際に、膨張して形成されるものであり、電池作製段階で外装材内部は減圧されているため、この空間部分は萎んだ状態になっている。
【0050】
請求項1に記載の発明、さらに詳細には請求項2〜6に記載の発明によれば、図1〜7に示したような構造となり、電池要素の密着性を向上させて出力低下を防止し、ガス発生時にも電池要素および電池の膨張を低減し、サイクル特性を向上させ、電池の劣化の促進、出力低下を防止できる。さらに電池要素側面側に電池要素挟持手段との間に空間を設けてガス溜り部とし、電池要素間にガスが滞留することを防止するものである。
【0051】
また、請求項7に記載したように挟持手段をなす板材が、各々正極集電体、負極集電体およびまたは正極端子、負極端子である。その実施例として図1の実施例について、図8(a)は、板材が端子の場合の図1(a)のA−A線に沿った断面図であり、図8(b)は、図8(a)の板材のうち正極端子側での、端子と電池要素との接触部の様子を表した拡大図であり、図8(c)は、板材が集電体の場合の図1(a)のA−A線に沿った断面図であり、図8(d)は、図8(c)の板材のうち正極集電体側での、集電体と電池要素との接触部の様子を表した拡大図である。
【0052】
図8(a)では、挟持手段をなす2枚の板材のうち、板材2aが正極端子として、板材2bが負極端子として用いられている。そのため、図8(b)に示すように、該板材である正極端子には、これと導通するように、電池要素の正極集電体が接する構造となっている。該正極集電体の下面側にのみ正極(活物質)が形成されている。電池要素1には、該板材である端子は含まれないものとする。
【0053】
一方、図8(c)では、挟持手段をなす2枚の板材のうち、板材2aが正極集電体として、板材2bが負極集電体として用いられている。そのため、図8(d)に示すように、該板材である正極集電体には、正極(活物質)が接する構造となっている。電池要素1には、該板材である集電体が含まれるものとする。ただし、本発明の請求項1で規定する電池要素挟持手段は、電池要素の一部を用いる場合もあるといえる。また、請求項2〜6の実施例の説明では、板材に集電体を用いていないため、2枚の板材を用いて電池要素を挟持するとしたが、板材に集電体を用いる場合には、2枚の板材を用いて電池要素(板材である集電体は除く)を挟持すればよいといえる。
【0054】
このような構造とすることで、電池要素挟持手段の1つである板材と正極、負極端子が共用でき、コンパクトにでき、集電部と端子部の接続が不要となり、抵抗が低減でき、高出力が得られる。
【0055】
本発明に用いる二次電池は、その外形が請求項8に記載したような構造であることが望ましい。その1例として、図9(a)は、幅の広い電極端子を、電池外装から突出させてなる電池を模式的に表わす斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のA−A線に沿った断面図である。
【0056】
図9(a)に示すように、二次電池11は、高分子−金属複合フィルム12で電池要素1を外装した二次電池であって、電池要素挟持手段として該電池要素1を挟持し結合手段により固定させてなる2枚の板材2a、2bを具備してなり、電流取り出し用の正極16と負極17が、略角型(の二次電池)のそれぞれ異なる面(辺)に位置し、電池外装内で正極集電体及び負極集電体19に取り付けた幅の広い電流取り出し用の電極端子13、14を、直接電池外装の熱熱融着部15から突出させてなるものである。
【0057】
詳しくは、電池外装の高分子−金属複合フィルム12を、その周辺部を熱融着にて接合することにより、電池要素挟持手段を具備してなる電池要素(図示せず)を収納し封入している。正極端子13と負極端子14は、外装ラミネートフィルム12の略角型の異なる面(それぞれ異なる辺;対向する辺)の熱融着部15から取り出される構造をとる。
【0058】
そして、図9(b)に示すように、この二次電池11は、電池要素挟持手段として電池要素1を挟持し結合手段により固定させてなる2枚の板材2a、2bを具備してなり、電流取り出し用の正極16と負極17が、略角型(の二次電池)のそれぞれ異なる面(辺)に位置し、電池外装の高分子−金属複合フィルム12の内部で正極集電体(図示せず)及び負極集電体19に取り付けた幅の広い正極端子(図示せず)および負極端子14を、直接電池外装の高分子−金属複合フィルム12から突出させてなる。詳しくは、電池11は、外装にラミネートフィルム12を用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、正極16、セパレータ18および負極17を積層した電池要素1と、電池要素1を挟持し固定した板材2a、2bとを収納し密封した構成を有する。正極16及び負極18と導通される正極端子(図示せず)および負極端子14は、各電極16、18の正極集電体(図示せず)及び負極集電体17に超音波溶接、抵抗溶接等により取り付けられ、上記熱融着部15に挟まれて幅の広い電極端子13、14を、直接外装のラミネートフィルム12から外部に取り出す構造を有している。
【0059】
このような構造とすることで、電極端子を幅広くすることができ、かかる二次電池の並列接続が容易になるという効果を得られるものである。
【0060】
本発明に用いる二次電池は、その接続状態が請求項9に記載したような構造の組電池であることが望ましい。その1例を図10に示す。
【0061】
図10は、二次電池を電気的に並列接続した電池群を、さらに電気的に直列接続した組電池の内部構成を模式的に表わす平面図である。
【0062】
図10に示すように、二次電池を電気的に並列接続した電池群を、さらに電気的に直列接続したことを特徴とする組電池の構造の具体例を示す。
【0063】
図10に示すように、4個の二次電池12の正極端子13間および負極端子14間を並列接続する。こうして得られた群電池をさらに6組直列に接続して金属製の組電池ケース22に収納し、組電池21とすることができる。なお、組電池ケース22に設けられた組電池21の正極端子23および負極端子24と、各二次電池12の電極端子13、14とは、組電池21の正極および負極端子用リード線(図示せず)を用いて電気的に接続されている。また、二次電池12を4個並列接続する際には、スペーサのような適当な接続部材(図示せず)を用いて、各二次電池12の電極端子どうしを超音波溶接等により溶接ないし溶着することで電気的に接続すればよい。同様に、各電池群をさらに6組直列接続する際には、バスバーのような適当な接続部材(図示せず)を用いて、各二次電池12の電極端子13、14を超音波溶接等により溶接ないし溶着することで電気的に接続すればよい。ただし、本発明の組電池は、ここで説明したものに制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜採用することができる。また、該組電池には、使用用途に応じて、各種計測機器や制御機器類を設けてもよく、例えば、組電池ケース22には電池電圧を監視するために電圧計測用コネクタなどを設けてもよいなど、特に制限されるものではない。
【0064】
このような構造とすることで、組電池の直列、並列数を変えることにより、様々なバリエーションの出力に対応できるという効果を得られるものである。
【0065】
本発明に用いる二次電池は、その接続状態が請求項10に記載したような構造の複合組電池であることが望ましい。その1例を図11に示す。
【0066】
図11は、上記の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列に複合接続したことを特徴とする複合組電池を模式的に表わす概略斜視図である。
【0067】
図11に示すように、上記の組電池21(図10参照のこと)を6組並列に接続して複合組電池31とするには、各組電池ケース21に設けられた組電池の正極端子23および負極端子24を、外部正極端子部32、外部負極端子部33を有する組電池正極端子連結板34、組電池負極端子連結板35を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース22の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板36を固定ネジ37で固定し、各組電池21同士を連結する。また、各組電池21の正極端子23および負極端子24は、それぞれ正極絶縁カバー38および負極絶縁カバー39により保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。
【0068】
このような構造とすることで、電気自動車やハイブリッドカーに搭載する際、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。また、組電池モジュールを高電圧にすることにより、電気自動車やハイブリッドカーなどの車両に利用できる。
【0069】
本発明に用いる二次電池、組電池および/または複合組電池は、車両用途に好適に使用できる。その1例を図12に示す。
【0070】
図12は、上記二次電池、組電池および/または複合組電池を搭載した車両を模式的に表した概略図である。
【0071】
図12に示したように、EV、HEVあるいはFCV41の車体中央部の座席下に複合組電池31を搭載するのが、社内空間およびトランクルームを広く取れるため便利である。ただし、本発明では、これらに何ら制限されるべきものではなく、後部トランクルームの下部に搭載してもよいし、あるいはEVやFCVのようにエンジンを搭載しないのであれば、車体前方のエンジンを搭載していた部分などに搭載することもできる。なお、本発明では、複合組電池だけではなく、使用用途によっては、二次電池や組電池を搭載するようにしてもよいし、これら二次電池、組電池および/または複合組電池を適当に組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の二次電池、組電池および/または複合組電池を搭載することのできる車両としては、上記EV、HEV、FCVが好ましいが、これらに制限されるものではない。
【0072】
請求項11記載の発明によれば、高出力な組電池モジュールを用いることにより、環境にやさしく、燃費のよい車両が提供できるという効果を得られるものである。また、このような構造とすることで、比較的安価でエネルギー密度が大きく高出力な組電池が作製でき、航続距離の長く、燃費の良いEV、HEVあるいはFCVを提供することが可能になる。また、二次電池、組電池および/または複合組電池をEV、HEV、FCV等の車両に搭載することで、搭載時の大電流放電時における電極端子リードの発熱抑制でき、寿命特性が向上し、さらに比較的長期にわたる良好なシール性を確保という前記課題を解決することができる。
【0073】
次に、本発明の構造にリチウムイオン二次電池を適用する場合には以下に記載のリチウムイオン二次電池が望ましい。
【0074】
(1)正極活物質にリチウム遷移金属酸化物、金属酸化物、金属硫化物、導電性ポリマー、有機イオウ系化合物の少なくとも一つを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0075】
(2)正極活物質にリチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム鉄酸化物、またこれらの一部の元素を他の元素で置換した酸化物の中から少なくとも一つを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0076】
(3)正極活物質の平均粒径が、30μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。車両用電池として高出力を上げるためには、かかる平均粒径の範囲であることが望ましいものである。
【0077】
(4)正極材料中の正極活物質の充填率(質量比)が、0.3〜0.7の範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。高出力とエネルギー容量を最適化する点からかかる充填率の範囲が望ましいものである。なお、ここでいう正極材料には、正極活物質のほか、必要に応じて、バインダーおよび導電助剤が添加されるものである(ただし、集電体は含めないものとする)が、これらに制限されるべきものではなく、使用目的に応じて最適な正極材料を決定すればよいといえる。
【0078】
(5)正極活物質層の膜厚が、10〜200μmの範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。高出力、特に自動車等の車両において要求される高出力とエネルギー容量を最適化する点から、かかる膜厚の範囲が望ましいものである。ここでいう膜厚は、正極集電体の両面に形成される正極活物質層のうち、片側の膜厚をいう。
【0079】
(6)負極活物質としてリチウムの挿入、脱離が可能な炭素材料、合金、酸化物、窒化物の少なくとも一つを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0080】
(7)負極活物質として、黒鉛化炭素繊維、非晶質炭素系の少なくとも一つを用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0081】
(8)負極活物質の比表面積が、0.05〜5m2/g以下の範囲であることを特徴としたリチウムイオン二次電池である。車両用電池として高出力と容量を最適化する観点から、かかる比表面積の範囲が望ましいものである。
【0082】
(9)負極活物質物質層の膜厚が、10〜250μmの範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。高出力とエネルギー容量を最適化する点から、かかる膜厚の範囲が望ましいものである。ここでいう膜厚は、負極集電体の両面に形成される負極活物質層のうち、片側の膜厚をいう。
【0083】
なおさらに好適な正極材料と負極材料の組み合わせとしては、正極材料にLiMn複合酸化物、LiNi複合酸化物、またはそれらの混合物を使用し、負極材料に非晶質炭素材料を使用する組み合わせが挙げられる。その理由としては以下の通りである。1個当たりの容量が小さな電池を自動車用として使用するには並列接続する必要があるが、使用中に電池間の充放電状態に差が生じて開放電圧が異なる場合がある。このとき本来は並列接続された電池どうしは開放電圧が同程度となるように自動的に放電状態(充電状態)を同程度に調整する作用が働く。しかし例えば充放電特性曲線において放電状態(充電状態)に対する開放電圧の傾きが小さいNi−H系電池を使用すると、放電状態(充電状態)が互いに異なっても開放電圧に差が現れないので上記作用が働かず、そのまま充放電を続けると過充電、過放電状態になり電池材料の劣化が促されるおそれがあるためである。
【0084】
(10)電解液として、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiTaF6、LiAlCl4、Li210Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池である。
【0085】
(11)電池用セパレータとしては,ポリオレフィン系微多孔質セパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはそれらを2層以上組み合わせた多積層体であることを特徴としたリチウムイオン二次電池である。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
【0086】
(12)電池用セパレータの厚みとして、単層あるいは多層で4〜60μmであることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
【0087】
(13)電池用セパレータの微細孔の径が最大で1μm以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
【0088】
(14)電池用セパレータの空孔率が20〜50%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
【0089】
(15)放電状態(充電状態)に対する開放電圧の傾きが、SOC(充電量;state of charge)50%状態で2〜20mV/%の範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。容量演算がしやすく、車両搭載用電池としてシステムの電圧変動に耐え得る特性付与の観点から、かかる開放電圧の傾きの範囲が望ましいものである。
【0090】
(16)電池形状が直方体であり、その電池の幅W、長さL、厚さHとした場合、W/L比が0.3〜1.0の範囲かつW/H比が5〜100の範囲であることを特徴としたリチウムイオン二次電池である。電池の放熱性の観点から、かかるW/L比およびW/H比の範囲が望ましいものである。ここで、リチウムイオン二次電池の幅W、長さL、厚さHは、図9(a)に示す通りである。
【0091】
(17)電池形状が直方体であり、該電池の幅Wが50〜200mmの範囲、長さLが50〜300mmの範囲、厚さHが2〜10mmの範囲であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。端子の放熱性に優れた幅の広い電池端子の取り出し易さおよび電池の放熱性の観点から、かかる形状および寸法が望ましいものである。
【0092】
(18)電池の外装フィルムより取り出されるそれぞれの電池端子の幅Waが、取り出される外装フィルム1辺の長さ(電池の幅W)の20〜90%であることを特徴とするリチウムイオン二次電池である。ここで、電池端子の幅Wa、取り出される外装フィルム1辺の長さ(電池の幅W)は、図9(a)に示す通りである。良好なシール性を確保し、電極端子の温度上昇量を30℃以下に抑えることができる点から、かかる端子および外装フィルム寸法が望ましいものである。なお、電極端子の温度上昇量を30℃以下に抑えることで、電池の内圧の増加により、とりわけ電極端子と接する外装フィルムの熱融着部位のシール性が損なわれるのを抑えることができるものである。さらには正極、負極が異なった面(例えば反対側など)から取り出せることによって、端子幅が広く取れるようになり自動車用などの高出力に対応できる。ここで高出力とは30C(容量1Ahの電池であったら30A)程度の電流を流すことを言う。また電極幅についても同様の理由から電池幅の20〜90%であることが好ましい。
【0093】
(19)単電池(リチウムイオン二次電池)を並列または直列接続する際に、接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどの少なくとも一つの方法を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池の組電池である。
【0094】
上記(1)〜(19)のリチウムイオン二次電池およびその組電池は、以下のの効果を有する。
【0095】
・単電池(リチウムイオン二次電池)を並列接続させる場合、開放電圧の傾きが小さいと、SOCに差があっても接続でき、充放電を繰り返すと、過充電、過放電状態になる可能性がある。開放電圧の傾きがあるとそれらを防止できる。
【0096】
・放熱性がよくなり、電池要素部分に熱が溜まらず、劣化が促進されない。
【0097】
・電池幅および電池端子の幅を広くすることにより、大電流放電が可能となる。特に車両用電池としては有効になる。
【0098】
・単電池(リチウムイオン二次電池)を並列、直列に接続する際に容易にできる。
【0099】
・1つの組電池が故障した場合、その1つを交換すればよい。これは、車両に搭載する場合、組電池をさらに直列、並列、直列−並列の複合接続した複合組電池を用いるが、各組電池を交換可能な状態で接続することができるためである。
【0100】
なお各図に示した電池は、以下の仕様の電池である。
【0101】
高分子−金属複合フィルムで覆い、各電極端子を出し、真空に引きながら電解液を注入してから、電解液注入用の穴を閉じた。
【0102】
LiMn24系リチウムイオン二次電池を用いており、正極材料の活物質については、LiMn24であるが、Li欠損タイプ又はLi過剰タイプであってもよい。また、Mnの一部はMnを除く遷移金属元素及び他の金属元素の中から選ばれた少なくとも1種以上からなる金属元素で置換されていても良い。また、O欠損タイプ又はO過剰タイプでもよい。また、Oの一部をS、F、Clなどの元素の中から選ばれた少なくとも1種からなる元素で置換されていても良い。また、LiNiO2とその置換体、LiFeO2とその置換体、LiMnO2とその置換体などでも良い。
【0103】
負極としては、通常の非水電解質二次電池に用いられる材料がいずれも使用可能であり、例えば、金属リチウムやリチウム合金等のリチウム系金属、SnSiO3等の金属酸化物、LiCoN2等の金属窒化物及び炭素材料などを用いることができる。なお、本発明においては、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛及び難黒鉛化炭素などの炭素材料を好適に用いることができる。
【0104】
電解液としては、各種リチウム塩を電解質とし、これらを有機溶媒などの非水溶媒に溶解したもの使用できる。この場合、電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22Nなど従来公知のものが挙げられる。また、有機溶媒としては、特に限定されないが、カーボネート類、ラクトン類及びエーテル類などが挙げられ、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びγ―ブチロラクトンなどの溶媒を単独又は2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの非水溶媒や有機溶媒に溶解される電解質の濃度は、0.5〜2.0モル/リットルにすることが好ましい。かかる濃度範囲とすることで、電解液のイオン伝導性がよくなり、さらに高出力にできるためである。
【0105】
また、本発明のリチウム二次電池においては、上記電解液以外の他の電解媒体を用いることも可能であり、例えば、上記電解質を高分子マトリックスに均一分散させた固体若しくは粘稠体、又はこれらに非水溶媒を含浸させたものも用いることができる。この場合、高分子マトリックスとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル及びポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。
【0106】
更に、本発明のリチウム二次電池においては、正極と負極の短絡防止のためのセパレータをも設けることができる。かかるセパレータとしては、ポリエチレン及びセルロースなどの高分子材料の多孔性シートや、不織布が用いられる。
【0107】
本発明のリチウム二次電池の高分子−金属複合ラミネートフィルムとしては、特に制限されるべきものではなく、高分子フィルム間に金属フィルムを配置し全体を積層一体化してなる従来公知のものを使用することができる。具体例としては、例えば、高分子フィルムからなる外装保護層(ラミネート最外層)、金属フィルム層、高分子フィルムからなる熱融着層(ラミネート最内層)のように配置し全体を積層一体化してなるものが挙げられるが、これらに何ら制限されるべきものではない。
【0108】
【発明の効果】
本発明の二次電池では、電池要素挟持手段を具備することにより、電池要素間の密着性を向上させ、ガス発生時にも電池の膨張を低減し、良好なサイクル特性および出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、2枚の板材と該板材結合手段から成る挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図1(b)は、2枚の板材と該板材結合手段から成る挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す正面図である。
【図2】 図2(a)は、第1の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿った断面図であり、図2(c)は、図2(a)の正面図、図2(d)は、図2(c)の掛合部を下から見た拡大図である。
【図3】 図3(a)は、電池要素が挟持手段を具備すべく、1枚の板材を屈曲させ、掛合する直前の様子を模式的に表した斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線に沿った断面図であり、図3(c)は、図3(a)の電池要素が挟持手段を具備した後の、1枚の板材を屈曲、掛合させてなる当該掛合部の拡大図である。
【図4】 図4(a)は、第2の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線に沿った断面図であり、図4(c)は、図4(a)の掛合部の拡大図である。
【図5】 図5(a)は、第3の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線に沿った断面図であり、図5(c)は、図5(a)の掛合部の拡大図である。
【図6】 図6(a)は、第1の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線に沿った断面図であり、図6(c)は、図6(a)の掛合部の拡大図である。
【図7】 図7(a)は、第2の実施例の挟持手段を具備してなる電池要素の構造を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A線に沿った断面図であり、図7(c)は、図7(a)の掛合部の拡大図である。
【図8】 図8(a)は、板材が端子の場合の図1(a)のA−A線に沿った断面図であり、図8(b)は、図8(a)の板材のうち正極端子側での、端子と電池要素との接触部の様子を表した拡大図であり、図8(c)は、板材が集電体の場合の図1(a)のA−A線に沿った断面図であり、図8(d)は、図8(c)の板材のうち正極集電体側での、集電体と電池要素との接触部の様子を表した拡大図である。
【図9】 図9(a)は、幅の広い電極端子を、電池外装から突出させてなる電池を模式的に表わす斜視図であり、図9(b)は、図9(a)のA−A線に沿った断面図である。
【図10】 図10は、二次電池を電気的に並列接続した電池群を、さらに電気的に直列接続した組電池の内部構成を模式的に表わす平面図である。
【図11】 図11は、上記の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列に複合接続したことを特徴とする複合組電池を模式的に表わす概略斜視図である。
【図12】 図12は、上記二次電池、組電池および/または複合組電池を搭載した車両を模式的に表した概略図である。
【符号の説明】
1…電池要素、 2、2a〜2d…板材、
3…テープ、 4…突起部、
4a…掛合部、 5、5a、5b…孔部、
6…溶接部、 11…二次電池、
12…電池外装材(高分子−金属複合ラミネートフィルム)、
13…二次電池の正極端子、 14…二次電池の負極端子、
15…熱融着部、 16…正極、
17…負極、 18…セパレータ、
19…負極集電体、 21…組電池、
22…組電池ケース、 23…組電池の正極端子、
24…組電池の負極端子、 31…複合組電池、
32…外部正極端子部、 33…外部負極端子部、
34…組電池正極端子連結板、 35…組電池負極端子連結板、
36…連結板、 37…固定ネジ、
38…正極絶縁カバー、 39…負極絶縁カバー、
41…EV、HEVあるいはFCV。

Claims (12)

  1. 高分子−金属複合ラミネートフィルムで電池要素を外装した二次電池であって、前記高分子−金属複合ラミネートフィルムの外装材内に電池要素挟持手段を具備して成ることを特徴とするリチウムイオン二次電池において、
    前記挟持手段は、(1)電池要素の両表面全体を挟持する2枚以上の板材と該板材結合手段とから成り、該板材結合手段により該2枚以上の板材がフラットになるように取り付けられている、(2)あるいは1枚の板材を屈曲、掛合させて成ることで電池要素を挟持する両表面全体を挟持し、該板材が電池要素を挟持する両表面全体にフラットになるように取り付けられていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記(1)の2枚以上の板材が、内側に湾曲している板材を用い、前記板材結合手段により該2枚以上の板材がフラットになるように取り付けられている、あるいは前記(2)の1枚の板材を無負荷状態で開く方向または閉じる方向に弾発力が作用する板バネとなるように屈曲された板材を用い、該板材が電池要素を挟持する両表面全体にフラットになるように取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記電池要素と前記内側に湾曲している板材または屈曲された板材との間に、更に挟持手段の他の1種として1枚以上のフラットな板状のものまたは板材が挟まれていることを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記高分子−金属複合ラミネートフィルムの外装材内部が減圧されてなり、
    前記(1)では、電池要素の側面側に電池要素側面と高分子−金属複合ラミネートフィルムの外装材との間に、ガスが発生した際に、膨張して空間部分が形成されように萎んだ状態の空間部分が設けられている、
    あるいは前記(2)では、前記(1)の空間部分が設けられていると共に電池要素側面側に該電池要素側面と板材屈曲部との間にも減圧された空間があり、ガスが発生した際に、当該空間部分にもガスが溜まる構造となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記(1)挟持手段を成す板材が、各々正極集電体、負極集電体および/または正極端子、負極端子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記(1)挟持手段に用いられる板材結合手段は、一方の少なくとも1つの板材が備える突起部を他方の少なくとも1つの板材が有する孔部に掛合させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記掛合部をさらに溶着または溶接、固定して成ることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記(1)挟持手段に用いられる板材結合手段は、一方の少なくとも1つの板材が備える突起部と、他方の少なくとも1つの板材が備える突起部を重ね合せ、重ね合せ部分を溶着または溶接、固定してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 電流取り出し用の電極が、略角型の異なる面に位置し、積層した電極集電体または電池外装内で集電体に取り付けた、幅の広い電流取り出し用の電極端子を、直接電池外装から突出させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池を電気的に並列接続した電池群を、さらに電気的に直列接続したことを特徴とする組電池。
  11. 請求項10に記載の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列に複合接続したことを特徴とする複合組電池。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池、組電池および/または複合組電池を搭載したことを特徴とする車両。
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