JP2004111219A - ラミネート二次電池、複数のラミネート二次電池からなる組電池モジュール、複数の組電池モジュールからなる組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐環境性、耐久性に優れたラミネート二次電池を提供する。
【解決手段】セパレータ(24)を介して正極層(21)と負極層(22)とが交互に積層された電池要素(20)に電極端子(14)を接続し、電極端子を外部に露出させ電池要素をラミネートフィルム(12)で真空包装してなるラミネート二次電池であって、セパレータ、正極層、負極層は互いに相似形状を有し、セパレータ、正極層、負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、電池要素の積層方向の断面形状を台形形状とする。
【選択図】 図2
【解決手段】セパレータ(24)を介して正極層(21)と負極層(22)とが交互に積層された電池要素(20)に電極端子(14)を接続し、電極端子を外部に露出させ電池要素をラミネートフィルム(12)で真空包装してなるラミネート二次電池であって、セパレータ、正極層、負極層は互いに相似形状を有し、セパレータ、正極層、負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、電池要素の積層方向の断面形状を台形形状とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車(EV)、ハイブリット電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)のモータ駆動用、または蓄電用として最適な構造を有するラミネート二次電池、組電池モジュール、組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境保護運動の高まりを背景として、自動車の排ガスによる大気汚染が世界的な問題となっている。このため、モータを動力源とする電気自動車やエンジンとモータとを動力源とするハイブリッド電気自動車が注目を集めている。電気自動車の開発を支えるため、電気自動車に搭載する高エネルギー密度、高出力密度の電池の開発も盛んに行われている。
【0003】
電気自動車の電池には、繰り返し充電が可能な二次電池が使用される。電池の構成としては、巻回した電池要素を円筒型のケースに収納したものや、巻回した電池要素あるいは、平板状の電極、セパレータを積層した電池要素を扁平型のケースに収納したものがある。これらの円筒型または扁平型のケースは強度をもたせる必要があるため、金属容器で形成する必要がある(例えば、特許文献1参照。)。そのため、軽量化が容易でないという問題があった。
【0004】
そこで、電池の軽量化をし、より高エネルギー密度で高出力を実現できる電池として、ラミネートフィルムを外装ケースとし、その周囲を熱融着によりシールすることにより密閉化した電池が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−348772号公報
【特許文献2】
特開平11−224652号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラミネートフィルムを用いて内部の電池要素を密閉化する電池の場合には、その密閉化に際し、ラミネートフィルムの周囲を熱融着しながらその内部の空気を抜いて減圧し、電池要素を真空包装する。通常、電池要素は直方体形状を有しているので、真空包装された後の電池要素の角部分ではしわが生じる。しわが生じた部分では、ラミネートフィルムに余分な応力がかかるため、ラミネートフィルムの金属層でピンホールが生じやすくなる。
【0007】
一般的に用いられる電池は、その出力が経時的に大きく変動する状態で使用されることはめったになく、安定した環境で使用される。ところが、EV、HEV、FCVなど電気自動車に用いられる電池の場合、加減速が頻繁に行われることになるので、大電流の供給と充電とが頻繁に繰り返される。また、その電池の搭載場所も車両前後のエンジンルームやトランク内、座席の下など、あまり環境の良くない場所が選ばれる。
【0008】
このように、電気自動車への搭載を前提とする電池は、使用環境が厳しいため、電池内部からの液もれ、ガス漏れや外部からの水分の浸入の恐れのない、密封の信頼性の高いもの求められる。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、EV、HEV、FCVなど電気自動車のモータ駆動用、または蓄電用として最適な構造を有する、耐環境性、耐久性に優れた、ラミネート二次電池、複数のラミネート二次電池からなる組電池モジュール、複数の組電池モジュールからなる組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるラミネート二次電池は、セパレータを介して正極層と負極層とが交互に積層された電池要素に電極端子を接続し、前記電極端子を外部に露出させ前記電池要素をラミネートフィルムで真空包装してなるラミネート二次電池であって、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層は互いに相似形状を有し、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、前記電池要素の積層方向の断面形状が台形形状とされていることを特徴とするものである。前記ラミネートフィルムは、平坦なラミネートフィルムと前記電池要素の三次元形状に合致するカップ形状のラミネートフィルムとの合わせ面が熱融着により接合されたものである。
【0011】
このような構成にすると、電池要素をラミネートフィルムによって真空包装した場合、ラミネートフィルムが電池要素の形状になじみ、ラミネートフィルムにほとんどしわが生じない。同時に、電池素子もカップ状のラミネートフィルムの形状に沿って真空包装されるため、正極層、負極層がその形状に沿ってしっかりと位置決めされ、これらの層のずれによる短絡の発生と容量の低下をともに防止することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明のラミネート二次電池によれば、電池要素がその形状に沿うようにラミネートフィルムで真空密封されるので、ラミネートフィルムにしわが生じにくくなり、耐環境性、耐久性に優れたラミネート二次電池ととなる。また、電池要素を構成する各層の位置決めが容易であることから、各層の位置ずれが生じにくく、層間の短絡の発生、電池容量の低下が防止できる。
【0013】
また、本発明のラミネート二次電池を複数直並列接続して組電池モジュールを構成し、さらにその組電池モジュールを複数直並列接続して組電池を構成すれば、その組電池モジュールおよび組電池は、電気自動車用の電池として相応しい耐環境性を備えた電池となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるラミネート二次電池、複数のラミネート二次電池からなる組電池モジュール、複数の組電池モジュールからなる組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下に記載した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に含まれる範囲内で適宜変更して実施することができる。
【0015】
本発明にかかるラミネート二次電池は、セパレータを介して正極層と負極層とが交互に積層された電池要素に電極端子を接続し、前記電極端子を外部に露出させ前記電池要素をラミネートフィルムで真空包装してなるラミネート二次電池であって、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層は互いに相似形状を有し、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、前記電池要素の積層方向の断面形状が台形形状とされているものである。
【0016】
図1は、本発明にかかるラミネート二次電池の外観図であり、図2は、図1に示したラミネート二次電池のA−A断面図である。図1に示すように、本発明にかかるラミネート二次電池10は、高分子−金属複合ラミネートフィルム12からなる電池外装材で断面台形形状の電池要素を包み、電池要素に接続される電極端子14をラミネートフィルム12から外部に露出させ、ラミネートフィルム12の周囲を熱融着しながらその内部の空気を抜いて減圧し、電池要素が真空包装されてなるものである。
【0017】
本明細書に記載されている「真空包装」とは、電池要素を収容する電池内部を真空に近い状態にして包装をすることのほか、電池内部を大気圧よりも減圧した状態で包装することも含んでいる。
【0018】
図1では、一辺のみから正極および負極の電極端子14が引き出されているものを例示したが、電極端子の引き出し個所はこれに限られない。たとえば、正極の電極端子を一辺から、負極の電極端子をその一辺に対向する他の一辺から引き出すようにしても良い。
【0019】
本発明にかかるラミネート二次電池10の内部には、図2に示すように、電池要素20(実際の厚さは4mm程度)が収容される。電池要素20は、セパレータ24を介して負極層21と正極層22とが交互に積層されてなるものである。図2に示すラミネート二次電池10の場合、一番下の層から、負極層21−セパレータ24−正極層22−セパレータ24−負極層21−、…、−負極層21という順番で積層された複数の層によって電池要素20が形成される。すべての負極層21は負極の電極端子(図示せず)に接続され、すべての正極層22は正極の電極端子(図示せず)に接続される。なお、負極層21−セパレータ24−正極層22の3層は電池素子25を構成する。
【0020】
負極層21、正極層22、セパレータ24のそれぞれは互いに相似形状を有している。図2に示すラミネート二次電池10の場合、負極層21、正極層22、セパレータ24は長方形である。負極層21、正極層22、セパレータ24のそれぞれの面積は、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させている。したがって、大きな面積の層を一番下にして次第に小さな面積の層を上に積み重ねて行くと、図2に示すような、四角錐を水平面と平行に途中で切断したような形状の電池要素20が得られる。
【0021】
図2に示すラミネート二次電池10を製造する場合、平坦なラミネートフィルム12に載置した電池要素20に正負両極の電極端子を取り付け、その上から電池要素20の三次元形状に合致するカップ形状のラミネートフィルム12を被せ、電極端子の一部をラミネートフィルム12の外部に露出させるようにして両ラミネートフィルム12の合わせ面を熱融着により接合し、同時に電池要素20を収容する部分を減圧して真空包装する。
【0022】
電池要素20の収容部分が減圧されるにしたがって、大気圧がその収容部分の周囲にかかるが、電池要素20の三次元形状とラミネートフィルム12のカップ部分13の三次元形状がマッチしているので、ラミネートフィルム12が電池要素20の形状になじみ、ラミネートフィルム12にほとんどしわが生じない。
【0023】
同時に、電池素子20もカップ状のラミネートフィルム12の形状に沿って真空包装されるため、減圧されるに従って、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部がラミネートフィルム12の傾斜面に沿って自動的に位置決めされ、製造時における各層の位置決めは容易になる。各層が適切な位置に位置決めされるため、これらの層のずれが原因の、負極層21と正極層22との間の短絡の発生や容量の低下をともに防止できる。
【0024】
なお、電池要素20を真空包装しているのは、各層の間に空気などの気体が混入したままであると、未反応の部分が点在することになり、当初想定されていた電池容量を得ることができないからである。このため、真空包装するわけであるが、ラミネートフィルム12と電極要素20端部との間に空間が存在すると、ラミネートフィルム12にしわが生じ、ラミネートフィルムの金属層でピンホールが生じやすくなる。ピンホールが生じてしまうと、電池要素20の収容部分と外部との間におけるガスおよび水分のバリア性能が低下し、電池の耐久性が著しく低下する。
【0025】
本発明にかかるラミネート二次電池10では、電池要素20の側面に傾斜を作り、その傾斜にマッチした傾斜面を有するカップ状のラミネートフィルム12を用いることによってしわの発生を極力抑えている。本発明にかかるラミネート二次電池10では、電池要素20の側面に作られる傾斜面と電池要素20の底面とがなす角度を10度から80度の範囲に選定している。しかし、この角度はできれば、図2に示されているように、30度から60度の範囲が最も好ましい。
【0026】
図2は、電池要素20を構成するすべての負極層21、正極層22、セパレータ24の面積を、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させているが、図3に示すラミネート二次電池では、負極層21、正極層22、セパレータ24の面積を、負極層21−セパレータ24−正極層2から構成される電池素子25を単位として漸次減少させている。このように、電池素子25を単位として面積を減少させるようにすると、負極層21と正極層22との容量バランスが崩れない。
【0027】
図3に示すように、負極層21は、集電体26の両面に負極材料27を塗布してなるものである。また、正極層22は、集電体28の両面に正極材料29を塗布してなるものである。なお、負極材料27と正極材料29にどのようなものが使用されるのかは後で詳しく説明する。
【0028】
図4は、電池要素20を構成するすべてのセパレータ24、集電体26、集電体28の面積を、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させ、正極材料29が塗布されている面積と負極材料27が塗布されている面積も、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させ、正極材料29が塗布されている面積を、負極材料27が塗布されている面積よりも小さくしたものである。この場合も、図3のラミネート二次電池の場合と同様に、負極層21と正極層22との容量のバランスが崩れない。
【0029】
以上の実施の形態では、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部(ラミネートフィルム12と接触する部分)は単に切断しただけで何も加工を施していないが、図5に示してあるように、この部分を曲面形状にしても良い。負極層21、正極層22、セパレータ層24のすべての端部の角がなくなるように曲面形状とすれば、これらの層とラミネートフィルムとの接触が滑らかになり、これらの層がラミネートフィルム12の表面を傷つけ、正極層22と負極層21とがラミネートフィルム12の金属層に達して短絡を起こしてしまうことが防止できる。
【0030】
また、上記のように、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部を曲面形状に加工するのではなく、図6に示すように、電池要素20の端面とラミネートフィルム12の間に絶縁性のラミネート保護層30を設けるようにしても良い。ラミネート保護層30を設ければ、正極層22と負極層21との短絡防止はより確実なものとなる。なお、ラミネート保護層30は、絶縁性材料であれば良いが、たとえば、電池要素20の斜面にゴムシートを被せても良いし、その斜面に硬化性の絶縁材料を塗布しても良い。
【0031】
以上の実施の形態では、全周が斜面になっている4角錐状の電池要素20について述べたが、本発明は、図7に示すように、電極端子14がラミネートフィルム12から外部に引き出されている部分(端子部)の面のみが斜面となっている電池要素20に対しても適用可能である。
【0032】
端子部32は、集電体に端子34を取り付けて、その端子34を集めて電極端子14に接続するようになっているので、電池要素20とラミネートフィルム12との間には必ず隙間が生じる。このため、端子部32に対応する電池要素20の面が斜面になっていないとしわが生じやすい。したがって、少なくとも電池要素20の積層方向の断面形状は、電極端子14が外部に露出されている側の面のみが傾斜を有する台形形状であることが望ましい。
【0033】
本発明のラミネート二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池などが挙げられる。これらの中では、電気自動車用の電源としての用途を考慮すると、出力およびエネルギー密度に優れるリチウムイオン二次電池が好ましい。リチウムイオン二次電池であるラミネート二次電池を直列に接続して車両用電源とした場合、全体の出力電圧が400V程度の組電池を得ることも可能である。
【0034】
本発明のラミネート二次電池における、ラミネートフィルム12、電極端子14、正極層21、負極層22、集電体23、セパレータ24を構成する材料は、公知の材料を用いればよく、特に限定されるものではない。参考までに、以下、本発明のラミネート二次電池がリチウムイオン二次電池である場合について簡単に記述する。ただし、本発明のラミネート二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるわけではない。
【0035】
[正極層]
電池要素の正極を構成することになるシート状の正極層は、アルミニウム等からなる正極集電体の両面に正極材料が結着した構造を有する。正極材料としては、種々の酸化物(LiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物;二酸化マンガン;LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物;LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物;リチウム含有ニッケルコバルト酸化物;リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。これらの中では、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性を考慮すると、リチウムマンガン酸化物またはリチウムニッケル酸化物が好ましい。
【0036】
正極集電体には、導電性を向上させるために、導電性材料を併せて結着させてもよい。導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等が挙げられる。
【0037】
正極集電体としては、例えばアルミニウム製エキスパンドメタル、アルミニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いることができる。なお、正極は正極集電体の片面に正極材料を結着させた構造であってもよい。
【0038】
[負極層]
電池要素の負極を構成することになるシート状の負極層は、銅などからなる負極集電体の両面に負極材料が結着した構造を有する。負極材料としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用いることができる。このような炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、有機前駆体(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を不活性雰囲気中で熱処理して合成した炭素などが挙げられる。好ましくは、負極は非晶質カーボン系材料からなる。非晶質カーボン系材料は熱硬化性樹脂を炭素化することによって得られる。因みに、放電による電圧依存が大きい非晶質カーボン系材料を用いると、2以上のリチウムイオン二次電池を並列に接続した場合におけるリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0039】
負極集電体としては、例えば銅製エキスパンドメタル、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用いることができる。なお、負極は負極集電体の片面に負極材料を結着させた構造であってもよい。
【0040】
[セパレータ層]
電池要素のセパレータを構成することになるシート状のセパレータ層は、ポリオレフィン系微多孔質セパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを用いることができ、セパレータ中には、非水電解液が含浸させられる。非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO3)2]等のリチウム塩を挙げることができる。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、通常は0.2mol/L〜2mol/L程度である。
【0041】
非水電解液を保持するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。
【0042】
[ラミネートフィルム]
ラミネートフィルムは電池の外装材として用いられる。一般には、熱融着性樹脂フィルム、金属箔、剛性を有する樹脂フィルムがこの順序で積層された高分子金属複合フィルムが用いられる。上記の実施の形態では、台形のカップ形状に整形されたものを用いている。このような形状のものを用いることによって、内部に収容される電池要素の形状とマッチし、真空包装後にもしわが生じない。
【0043】
熱融着性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、アイオノマー、エチレンビニルアセテート(EVA)等を用いることができる。金属箔としては、例えばAl箔、Ni箔を用いることができる。剛性を有する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。具体的には、シール面側から外面に向けて積層したPE/Al箔/PETの積層フィルム;PE/Al箔/ナイロンの積層フィルム;アイオノマー/Ni箔/PETの積層フィルム;EVA/Al箔/PETの積層フィルム;アイオノマー/Al箔/PETの積層フィルム等を用いることができる。熱融着性樹脂フィルムは、電池要素を内部に収納する際のシール層として作用する。金属箔や剛性を有する樹脂フィルムは、湿性、耐通気性、耐薬品性を外装材に付与する。ラミネートフィルムは、超音波融着等を用いて、容易かつ確実に接合させることができる。
【0044】
[電極端子]
電極端子には、銅、鉄から選ばれる金属を用いることができるが、アルミニウム、ステンレス鋼といった金属またはこれらを含む合金材料も同様に使用可能である。また、表面被覆層にはニッケルが最も好適に使用できるが、銀、金といった金属材料も同様に使用可能である。
【0045】
以上の実施の形態では、高分子―金属を複合したラミネートフィルム12の周辺部全部を熱融着にて接合するラミネート二次電池について述べたが、本発明は、図8に示すように、高分子−金属を複合したラミネートフィルム12を用いて袋状にしたその開口部を熱融着にて接合するタイプのラミネート二次電池に対しても適用可能である。
【0046】
さらには2つの電極端子14をラミネート二次電池10の互いに反対側端面から取り出してラミネートフィルム12の周辺部全部を熱融着にて接合するタイプのラミネート二次電池(図9(a)参照のこと)、または2つの電極端子14をラミネート二次電池10の互いに反対側端面から取り出して、袋状にしたラミネートフィルムに収納し、その開口部を熱融着するタイプのラミネート二次電池(図9(b)参照のこと)に対しても適用可能である。
【0047】
本発明では、上記の扁平型のラミネート二次電池10を、少なくとも2以上直列または並列に接続して組電池とすることができる。具体的には、例えば、図10に示すように、ラミネート二次電池10を4枚並列に接続し(図10(b)参照のこと)、4枚並列にしたラミネート二次電池10をさらに6枚直列にして金属製の組電池ケース35に収納し(図10(a)、(c)参照)組電池40とすることができる。このように、ラミネート二次電池10を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池40を提供することができる。
【0048】
なお、組電池ケース35上部の蓋体に設けられた組電池40の正極端子42および負極端子44と、各ラミネート二次電池10の電極端子14、14とは、組電池40の正極および負極端子用リード線46、48を用いて電気的に接続されている。また、ラミネート二次電池10を4枚並列に接続する際には、スペーサ49のような適当な接続部材を用いて各ラミネート二次電池10の電極端子14を電気的に接続すればよい(図10(b)参照)。同様に、4枚並列にした各ラミネート二次電池10をさらに6枚直列に接続する際には、バスバー50のような適当な接続部材を用いて各ラミネート二次電池10の電極端子14、14を順次電気的に接続すればよい(図10(c)参照)。ただし、本発明の組電池40は、ここで説明したものに制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜採用することができる。また、この組電池40には、使用用途に応じて、各種計測機器や制御機器類を設けてもよく、例えば、組電池ケース35上部の蓋体には電池電圧を監視するために電圧計測用コネクタ55などを設けておいてもよいなど、特に制限されるものではない。さらにラミネート二次電池10同士を連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットを用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。
【0049】
また他の組電池の具体例として図9に示したラミネート二次電池10を用いて同様の組電池を構成しても良く、その場合を図11(a)〜(c)に示す。
【0050】
次に、上記の組電池を、少なくとも2以上直列、並列または直並列に接続し、組電池モジュールとすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。組電池モジュールとしては、例えば、図12に示したように、上記の組電池40を6組並列に接続して組電池モジュール60とするには、各組電池ケース35上部の蓋体に設けられた組電池40の正極端子42および負極端子44を、外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース35の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池40同士を連結する。また、各組電池40の正極端子42および負極端子44は、それぞれ正極および負極絶縁カバー68、69により保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。
【0051】
このように、組電池を複数直並列接続されてなる組電池モジュールは、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能である。
【0052】
組電池モジュール60を、電気自動車に搭載するには、図13に示したように、電気自動車70の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。
【0053】
なお、本発明では、組電池モジュール60だけではなく、使用用途によっては、組電池を搭載するようにしてもよいし、これら組電池と組電池モジュールを組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の組電池または組電池モジュールを搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車やハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラミネート二次電池の外観図である。
【図2】図1のラミネート二次電池のA−A断面図である。
【図3】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(電池要素単位に面積減少)を示す断面図である。
【図4】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(正極層面積が負極層面積より小)を示す断面図である。
【図5】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(各層端部が曲面形状)を示す断面図である。
【図6】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(ラミネート保護層)を示す断面図である。
【図7】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(電池要素の斜面が1面のみ)を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる別タイプのラミネート二次電池の外観図である。
【図9】本発明にかかるさらに別タイプのラミネート二次電池の外観図である。
【図10】本発明に係る組電池構造の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。
【図11】本発明に係る組電池構造の他の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。
【図12】本発明に係る組電池モジュール構造の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図である。
【図13】本発明に係る組電池モジュールを搭載した車両を模式的に表した概略図である。
【符号の説明】
10…ラミネート二次電池、
12…ラミネートフィルム、
13…カップ部分、
14…電極端子、
20…電池要素、
21…負極層21、
22…正極層22、
24…セパレータ、
25…電池素子、
26、28…集電体、
27…負極材料、
29…正極材料、
30…ラミネート保護層、
32…端子部、
34…端子、
35…組電池ケース、
40…組電池、
42…正極端子、
44…負極端子、
46…正極端子用リード線、
48…負極端子用リード線、
49…スペーサ、
50…バスバー、
55…電圧計測用コネクタ、
60…組電池モジュール、
62…組電池正極端子連結板、
64…組電池負極端子連結板、
66…連結板、
67…固定ねじ、
68…正極絶縁カバー、
69…負極絶縁カバー、
70…電気自動車。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車(EV)、ハイブリット電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)のモータ駆動用、または蓄電用として最適な構造を有するラミネート二次電池、組電池モジュール、組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境保護運動の高まりを背景として、自動車の排ガスによる大気汚染が世界的な問題となっている。このため、モータを動力源とする電気自動車やエンジンとモータとを動力源とするハイブリッド電気自動車が注目を集めている。電気自動車の開発を支えるため、電気自動車に搭載する高エネルギー密度、高出力密度の電池の開発も盛んに行われている。
【0003】
電気自動車の電池には、繰り返し充電が可能な二次電池が使用される。電池の構成としては、巻回した電池要素を円筒型のケースに収納したものや、巻回した電池要素あるいは、平板状の電極、セパレータを積層した電池要素を扁平型のケースに収納したものがある。これらの円筒型または扁平型のケースは強度をもたせる必要があるため、金属容器で形成する必要がある(例えば、特許文献1参照。)。そのため、軽量化が容易でないという問題があった。
【0004】
そこで、電池の軽量化をし、より高エネルギー密度で高出力を実現できる電池として、ラミネートフィルムを外装ケースとし、その周囲を熱融着によりシールすることにより密閉化した電池が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−348772号公報
【特許文献2】
特開平11−224652号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラミネートフィルムを用いて内部の電池要素を密閉化する電池の場合には、その密閉化に際し、ラミネートフィルムの周囲を熱融着しながらその内部の空気を抜いて減圧し、電池要素を真空包装する。通常、電池要素は直方体形状を有しているので、真空包装された後の電池要素の角部分ではしわが生じる。しわが生じた部分では、ラミネートフィルムに余分な応力がかかるため、ラミネートフィルムの金属層でピンホールが生じやすくなる。
【0007】
一般的に用いられる電池は、その出力が経時的に大きく変動する状態で使用されることはめったになく、安定した環境で使用される。ところが、EV、HEV、FCVなど電気自動車に用いられる電池の場合、加減速が頻繁に行われることになるので、大電流の供給と充電とが頻繁に繰り返される。また、その電池の搭載場所も車両前後のエンジンルームやトランク内、座席の下など、あまり環境の良くない場所が選ばれる。
【0008】
このように、電気自動車への搭載を前提とする電池は、使用環境が厳しいため、電池内部からの液もれ、ガス漏れや外部からの水分の浸入の恐れのない、密封の信頼性の高いもの求められる。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、EV、HEV、FCVなど電気自動車のモータ駆動用、または蓄電用として最適な構造を有する、耐環境性、耐久性に優れた、ラミネート二次電池、複数のラミネート二次電池からなる組電池モジュール、複数の組電池モジュールからなる組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるラミネート二次電池は、セパレータを介して正極層と負極層とが交互に積層された電池要素に電極端子を接続し、前記電極端子を外部に露出させ前記電池要素をラミネートフィルムで真空包装してなるラミネート二次電池であって、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層は互いに相似形状を有し、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、前記電池要素の積層方向の断面形状が台形形状とされていることを特徴とするものである。前記ラミネートフィルムは、平坦なラミネートフィルムと前記電池要素の三次元形状に合致するカップ形状のラミネートフィルムとの合わせ面が熱融着により接合されたものである。
【0011】
このような構成にすると、電池要素をラミネートフィルムによって真空包装した場合、ラミネートフィルムが電池要素の形状になじみ、ラミネートフィルムにほとんどしわが生じない。同時に、電池素子もカップ状のラミネートフィルムの形状に沿って真空包装されるため、正極層、負極層がその形状に沿ってしっかりと位置決めされ、これらの層のずれによる短絡の発生と容量の低下をともに防止することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明のラミネート二次電池によれば、電池要素がその形状に沿うようにラミネートフィルムで真空密封されるので、ラミネートフィルムにしわが生じにくくなり、耐環境性、耐久性に優れたラミネート二次電池ととなる。また、電池要素を構成する各層の位置決めが容易であることから、各層の位置ずれが生じにくく、層間の短絡の発生、電池容量の低下が防止できる。
【0013】
また、本発明のラミネート二次電池を複数直並列接続して組電池モジュールを構成し、さらにその組電池モジュールを複数直並列接続して組電池を構成すれば、その組電池モジュールおよび組電池は、電気自動車用の電池として相応しい耐環境性を備えた電池となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるラミネート二次電池、複数のラミネート二次電池からなる組電池モジュール、複数の組電池モジュールからなる組電池ならびにこれらいずれかの電池を搭載した電気自動車の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は以下に記載した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に含まれる範囲内で適宜変更して実施することができる。
【0015】
本発明にかかるラミネート二次電池は、セパレータを介して正極層と負極層とが交互に積層された電池要素に電極端子を接続し、前記電極端子を外部に露出させ前記電池要素をラミネートフィルムで真空包装してなるラミネート二次電池であって、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層は互いに相似形状を有し、前記セパレータ、前記正極層、前記負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、前記電池要素の積層方向の断面形状が台形形状とされているものである。
【0016】
図1は、本発明にかかるラミネート二次電池の外観図であり、図2は、図1に示したラミネート二次電池のA−A断面図である。図1に示すように、本発明にかかるラミネート二次電池10は、高分子−金属複合ラミネートフィルム12からなる電池外装材で断面台形形状の電池要素を包み、電池要素に接続される電極端子14をラミネートフィルム12から外部に露出させ、ラミネートフィルム12の周囲を熱融着しながらその内部の空気を抜いて減圧し、電池要素が真空包装されてなるものである。
【0017】
本明細書に記載されている「真空包装」とは、電池要素を収容する電池内部を真空に近い状態にして包装をすることのほか、電池内部を大気圧よりも減圧した状態で包装することも含んでいる。
【0018】
図1では、一辺のみから正極および負極の電極端子14が引き出されているものを例示したが、電極端子の引き出し個所はこれに限られない。たとえば、正極の電極端子を一辺から、負極の電極端子をその一辺に対向する他の一辺から引き出すようにしても良い。
【0019】
本発明にかかるラミネート二次電池10の内部には、図2に示すように、電池要素20(実際の厚さは4mm程度)が収容される。電池要素20は、セパレータ24を介して負極層21と正極層22とが交互に積層されてなるものである。図2に示すラミネート二次電池10の場合、一番下の層から、負極層21−セパレータ24−正極層22−セパレータ24−負極層21−、…、−負極層21という順番で積層された複数の層によって電池要素20が形成される。すべての負極層21は負極の電極端子(図示せず)に接続され、すべての正極層22は正極の電極端子(図示せず)に接続される。なお、負極層21−セパレータ24−正極層22の3層は電池素子25を構成する。
【0020】
負極層21、正極層22、セパレータ24のそれぞれは互いに相似形状を有している。図2に示すラミネート二次電池10の場合、負極層21、正極層22、セパレータ24は長方形である。負極層21、正極層22、セパレータ24のそれぞれの面積は、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させている。したがって、大きな面積の層を一番下にして次第に小さな面積の層を上に積み重ねて行くと、図2に示すような、四角錐を水平面と平行に途中で切断したような形状の電池要素20が得られる。
【0021】
図2に示すラミネート二次電池10を製造する場合、平坦なラミネートフィルム12に載置した電池要素20に正負両極の電極端子を取り付け、その上から電池要素20の三次元形状に合致するカップ形状のラミネートフィルム12を被せ、電極端子の一部をラミネートフィルム12の外部に露出させるようにして両ラミネートフィルム12の合わせ面を熱融着により接合し、同時に電池要素20を収容する部分を減圧して真空包装する。
【0022】
電池要素20の収容部分が減圧されるにしたがって、大気圧がその収容部分の周囲にかかるが、電池要素20の三次元形状とラミネートフィルム12のカップ部分13の三次元形状がマッチしているので、ラミネートフィルム12が電池要素20の形状になじみ、ラミネートフィルム12にほとんどしわが生じない。
【0023】
同時に、電池素子20もカップ状のラミネートフィルム12の形状に沿って真空包装されるため、減圧されるに従って、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部がラミネートフィルム12の傾斜面に沿って自動的に位置決めされ、製造時における各層の位置決めは容易になる。各層が適切な位置に位置決めされるため、これらの層のずれが原因の、負極層21と正極層22との間の短絡の発生や容量の低下をともに防止できる。
【0024】
なお、電池要素20を真空包装しているのは、各層の間に空気などの気体が混入したままであると、未反応の部分が点在することになり、当初想定されていた電池容量を得ることができないからである。このため、真空包装するわけであるが、ラミネートフィルム12と電極要素20端部との間に空間が存在すると、ラミネートフィルム12にしわが生じ、ラミネートフィルムの金属層でピンホールが生じやすくなる。ピンホールが生じてしまうと、電池要素20の収容部分と外部との間におけるガスおよび水分のバリア性能が低下し、電池の耐久性が著しく低下する。
【0025】
本発明にかかるラミネート二次電池10では、電池要素20の側面に傾斜を作り、その傾斜にマッチした傾斜面を有するカップ状のラミネートフィルム12を用いることによってしわの発生を極力抑えている。本発明にかかるラミネート二次電池10では、電池要素20の側面に作られる傾斜面と電池要素20の底面とがなす角度を10度から80度の範囲に選定している。しかし、この角度はできれば、図2に示されているように、30度から60度の範囲が最も好ましい。
【0026】
図2は、電池要素20を構成するすべての負極層21、正極層22、セパレータ24の面積を、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させているが、図3に示すラミネート二次電池では、負極層21、正極層22、セパレータ24の面積を、負極層21−セパレータ24−正極層2から構成される電池素子25を単位として漸次減少させている。このように、電池素子25を単位として面積を減少させるようにすると、負極層21と正極層22との容量バランスが崩れない。
【0027】
図3に示すように、負極層21は、集電体26の両面に負極材料27を塗布してなるものである。また、正極層22は、集電体28の両面に正極材料29を塗布してなるものである。なお、負極材料27と正極材料29にどのようなものが使用されるのかは後で詳しく説明する。
【0028】
図4は、電池要素20を構成するすべてのセパレータ24、集電体26、集電体28の面積を、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させ、正極材料29が塗布されている面積と負極材料27が塗布されている面積も、相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少させ、正極材料29が塗布されている面積を、負極材料27が塗布されている面積よりも小さくしたものである。この場合も、図3のラミネート二次電池の場合と同様に、負極層21と正極層22との容量のバランスが崩れない。
【0029】
以上の実施の形態では、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部(ラミネートフィルム12と接触する部分)は単に切断しただけで何も加工を施していないが、図5に示してあるように、この部分を曲面形状にしても良い。負極層21、正極層22、セパレータ層24のすべての端部の角がなくなるように曲面形状とすれば、これらの層とラミネートフィルムとの接触が滑らかになり、これらの層がラミネートフィルム12の表面を傷つけ、正極層22と負極層21とがラミネートフィルム12の金属層に達して短絡を起こしてしまうことが防止できる。
【0030】
また、上記のように、負極層21、正極層22、セパレータ24の端部を曲面形状に加工するのではなく、図6に示すように、電池要素20の端面とラミネートフィルム12の間に絶縁性のラミネート保護層30を設けるようにしても良い。ラミネート保護層30を設ければ、正極層22と負極層21との短絡防止はより確実なものとなる。なお、ラミネート保護層30は、絶縁性材料であれば良いが、たとえば、電池要素20の斜面にゴムシートを被せても良いし、その斜面に硬化性の絶縁材料を塗布しても良い。
【0031】
以上の実施の形態では、全周が斜面になっている4角錐状の電池要素20について述べたが、本発明は、図7に示すように、電極端子14がラミネートフィルム12から外部に引き出されている部分(端子部)の面のみが斜面となっている電池要素20に対しても適用可能である。
【0032】
端子部32は、集電体に端子34を取り付けて、その端子34を集めて電極端子14に接続するようになっているので、電池要素20とラミネートフィルム12との間には必ず隙間が生じる。このため、端子部32に対応する電池要素20の面が斜面になっていないとしわが生じやすい。したがって、少なくとも電池要素20の積層方向の断面形状は、電極端子14が外部に露出されている側の面のみが傾斜を有する台形形状であることが望ましい。
【0033】
本発明のラミネート二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ポリマーリチウム電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池などが挙げられる。これらの中では、電気自動車用の電源としての用途を考慮すると、出力およびエネルギー密度に優れるリチウムイオン二次電池が好ましい。リチウムイオン二次電池であるラミネート二次電池を直列に接続して車両用電源とした場合、全体の出力電圧が400V程度の組電池を得ることも可能である。
【0034】
本発明のラミネート二次電池における、ラミネートフィルム12、電極端子14、正極層21、負極層22、集電体23、セパレータ24を構成する材料は、公知の材料を用いればよく、特に限定されるものではない。参考までに、以下、本発明のラミネート二次電池がリチウムイオン二次電池である場合について簡単に記述する。ただし、本発明のラミネート二次電池は、リチウムイオン二次電池に限定されるわけではない。
【0035】
[正極層]
電池要素の正極を構成することになるシート状の正極層は、アルミニウム等からなる正極集電体の両面に正極材料が結着した構造を有する。正極材料としては、種々の酸化物(LiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物;二酸化マンガン;LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物;LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物;リチウム含有ニッケルコバルト酸化物;リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)や、カルコゲン化合物(二硫化チタン、二硫化モリブテンなど)等を挙げることができる。これらの中では、得られるリチウムイオン二次電池の出力特性を考慮すると、リチウムマンガン酸化物またはリチウムニッケル酸化物が好ましい。
【0036】
正極集電体には、導電性を向上させるために、導電性材料を併せて結着させてもよい。導電性材料としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセチレンブラックなど)、ニッケル粉末等が挙げられる。
【0037】
正極集電体としては、例えばアルミニウム製エキスパンドメタル、アルミニウム製メッシュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いることができる。なお、正極は正極集電体の片面に正極材料を結着させた構造であってもよい。
【0038】
[負極層]
電池要素の負極を構成することになるシート状の負極層は、銅などからなる負極集電体の両面に負極材料が結着した構造を有する。負極材料としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を用いることができる。このような炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、有機前駆体(例えば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等)を不活性雰囲気中で熱処理して合成した炭素などが挙げられる。好ましくは、負極は非晶質カーボン系材料からなる。非晶質カーボン系材料は熱硬化性樹脂を炭素化することによって得られる。因みに、放電による電圧依存が大きい非晶質カーボン系材料を用いると、2以上のリチウムイオン二次電池を並列に接続した場合におけるリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
【0039】
負極集電体としては、例えば銅製エキスパンドメタル、銅製メッシュ、銅製パンチドメタル等を用いることができる。なお、負極は負極集電体の片面に負極材料を結着させた構造であってもよい。
【0040】
[セパレータ層]
電池要素のセパレータを構成することになるシート状のセパレータ層は、ポリオレフィン系微多孔質セパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを用いることができ、セパレータ中には、非水電解液が含浸させられる。非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO3)2]等のリチウム塩を挙げることができる。電解質の非水溶媒に対する溶解量は、通常は0.2mol/L〜2mol/L程度である。
【0041】
非水電解液を保持するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等が挙げられる。
【0042】
[ラミネートフィルム]
ラミネートフィルムは電池の外装材として用いられる。一般には、熱融着性樹脂フィルム、金属箔、剛性を有する樹脂フィルムがこの順序で積層された高分子金属複合フィルムが用いられる。上記の実施の形態では、台形のカップ形状に整形されたものを用いている。このような形状のものを用いることによって、内部に収容される電池要素の形状とマッチし、真空包装後にもしわが生じない。
【0043】
熱融着性樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)、アイオノマー、エチレンビニルアセテート(EVA)等を用いることができる。金属箔としては、例えばAl箔、Ni箔を用いることができる。剛性を有する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等を用いることができる。具体的には、シール面側から外面に向けて積層したPE/Al箔/PETの積層フィルム;PE/Al箔/ナイロンの積層フィルム;アイオノマー/Ni箔/PETの積層フィルム;EVA/Al箔/PETの積層フィルム;アイオノマー/Al箔/PETの積層フィルム等を用いることができる。熱融着性樹脂フィルムは、電池要素を内部に収納する際のシール層として作用する。金属箔や剛性を有する樹脂フィルムは、湿性、耐通気性、耐薬品性を外装材に付与する。ラミネートフィルムは、超音波融着等を用いて、容易かつ確実に接合させることができる。
【0044】
[電極端子]
電極端子には、銅、鉄から選ばれる金属を用いることができるが、アルミニウム、ステンレス鋼といった金属またはこれらを含む合金材料も同様に使用可能である。また、表面被覆層にはニッケルが最も好適に使用できるが、銀、金といった金属材料も同様に使用可能である。
【0045】
以上の実施の形態では、高分子―金属を複合したラミネートフィルム12の周辺部全部を熱融着にて接合するラミネート二次電池について述べたが、本発明は、図8に示すように、高分子−金属を複合したラミネートフィルム12を用いて袋状にしたその開口部を熱融着にて接合するタイプのラミネート二次電池に対しても適用可能である。
【0046】
さらには2つの電極端子14をラミネート二次電池10の互いに反対側端面から取り出してラミネートフィルム12の周辺部全部を熱融着にて接合するタイプのラミネート二次電池(図9(a)参照のこと)、または2つの電極端子14をラミネート二次電池10の互いに反対側端面から取り出して、袋状にしたラミネートフィルムに収納し、その開口部を熱融着するタイプのラミネート二次電池(図9(b)参照のこと)に対しても適用可能である。
【0047】
本発明では、上記の扁平型のラミネート二次電池10を、少なくとも2以上直列または並列に接続して組電池とすることができる。具体的には、例えば、図10に示すように、ラミネート二次電池10を4枚並列に接続し(図10(b)参照のこと)、4枚並列にしたラミネート二次電池10をさらに6枚直列にして金属製の組電池ケース35に収納し(図10(a)、(c)参照)組電池40とすることができる。このように、ラミネート二次電池10を任意の個数直並列に接続することによって、所望の電流、電圧、容量に対応できる組電池40を提供することができる。
【0048】
なお、組電池ケース35上部の蓋体に設けられた組電池40の正極端子42および負極端子44と、各ラミネート二次電池10の電極端子14、14とは、組電池40の正極および負極端子用リード線46、48を用いて電気的に接続されている。また、ラミネート二次電池10を4枚並列に接続する際には、スペーサ49のような適当な接続部材を用いて各ラミネート二次電池10の電極端子14を電気的に接続すればよい(図10(b)参照)。同様に、4枚並列にした各ラミネート二次電池10をさらに6枚直列に接続する際には、バスバー50のような適当な接続部材を用いて各ラミネート二次電池10の電極端子14、14を順次電気的に接続すればよい(図10(c)参照)。ただし、本発明の組電池40は、ここで説明したものに制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜採用することができる。また、この組電池40には、使用用途に応じて、各種計測機器や制御機器類を設けてもよく、例えば、組電池ケース35上部の蓋体には電池電圧を監視するために電圧計測用コネクタ55などを設けておいてもよいなど、特に制限されるものではない。さらにラミネート二次電池10同士を連結するためには、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接により、または、リベットを用いて、またはカシメの手法を用いて、連結するようにしてもよい。
【0049】
また他の組電池の具体例として図9に示したラミネート二次電池10を用いて同様の組電池を構成しても良く、その場合を図11(a)〜(c)に示す。
【0050】
次に、上記の組電池を、少なくとも2以上直列、並列または直並列に接続し、組電池モジュールとすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。組電池モジュールとしては、例えば、図12に示したように、上記の組電池40を6組並列に接続して組電池モジュール60とするには、各組電池ケース35上部の蓋体に設けられた組電池40の正極端子42および負極端子44を、外部正極端子部、外部負極端子部を有する組電池正極端子連結板62、組電池負極端子連結板64を用いてそれぞれ電気的に接続する。また、各組電池ケース35の両側面に設けられた各ネジ孔部(図示せず)に、該固定ネジ孔部に対応する開口部を有する連結板66を固定ネジ67で固定し、各組電池40同士を連結する。また、各組電池40の正極端子42および負極端子44は、それぞれ正極および負極絶縁カバー68、69により保護され、適当な色、例えば、赤色と青色に色分けすることで識別されている。
【0051】
このように、組電池を複数直並列接続されてなる組電池モジュールは、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能である。
【0052】
組電池モジュール60を、電気自動車に搭載するには、図13に示したように、電気自動車70の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。
【0053】
なお、本発明では、組電池モジュール60だけではなく、使用用途によっては、組電池を搭載するようにしてもよいし、これら組電池と組電池モジュールを組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の組電池または組電池モジュールを搭載することのできる車両としては、上記の電気自動車やハイブリッドカーが好ましいが、これらに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるラミネート二次電池の外観図である。
【図2】図1のラミネート二次電池のA−A断面図である。
【図3】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(電池要素単位に面積減少)を示す断面図である。
【図4】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(正極層面積が負極層面積より小)を示す断面図である。
【図5】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(各層端部が曲面形状)を示す断面図である。
【図6】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(ラミネート保護層)を示す断面図である。
【図7】本発明にかかるラミネート二次電池の他の実施形態(電池要素の斜面が1面のみ)を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる別タイプのラミネート二次電池の外観図である。
【図9】本発明にかかるさらに別タイプのラミネート二次電池の外観図である。
【図10】本発明に係る組電池構造の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。
【図11】本発明に係る組電池構造の他の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図であり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は正面図である。
【図12】本発明に係る組電池モジュール構造の代表的な一実施形態を模式的に表した概略図である。
【図13】本発明に係る組電池モジュールを搭載した車両を模式的に表した概略図である。
【符号の説明】
10…ラミネート二次電池、
12…ラミネートフィルム、
13…カップ部分、
14…電極端子、
20…電池要素、
21…負極層21、
22…正極層22、
24…セパレータ、
25…電池素子、
26、28…集電体、
27…負極材料、
29…正極材料、
30…ラミネート保護層、
32…端子部、
34…端子、
35…組電池ケース、
40…組電池、
42…正極端子、
44…負極端子、
46…正極端子用リード線、
48…負極端子用リード線、
49…スペーサ、
50…バスバー、
55…電圧計測用コネクタ、
60…組電池モジュール、
62…組電池正極端子連結板、
64…組電池負極端子連結板、
66…連結板、
67…固定ねじ、
68…正極絶縁カバー、
69…負極絶縁カバー、
70…電気自動車。
Claims (12)
- セパレータを介して正極層と負極層とが交互に積層された電池要素に電極端子を接続し、前記電極端子を外部に露出させ前記電池要素をラミネートフィルムで真空包装してなるラミネート二次電池であって、
前記セパレータ、前記正極層、前記負極層は互いに相似形状を有し、
前記セパレータ、前記正極層、前記負極層それぞれの面積が相似形状を保ったまま積層方向に向かって漸次減少され、前記電池要素の積層方向の断面形状が台形形状とされていることを特徴とするラミネート二次電池。 - 前記ラミネートフィルムは、平坦なラミネートフィルムと前記電池要素の三次元形状に合致するカップ形状のラミネートフィルムとの合わせ面が熱融着により接合されたものであることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 前記セパレータ、前記正極層、前記負極層の面積は、正極層−セパレータ−負極層から構成される電池素子を単位として漸次減少されていることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 前記正極層は、集電体の両面に正極材料が形成されたものであり、前記負極層は、集電体の両面に負極材料が形成されたものであり、前記電池素子において、前記正極材料が形成される面積は、前記負極材料が形成される面積よりも小さくされていることを特徴とする請求項3記載のラミネート二次電池。
- 前記ラミネートフィルムと接触する前記セパレータ、前記正極層、前記負極層の端部は曲面形状とされていることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 前記ラミネートフィルムと前記セパレータ、前記正極層、前記負極層との間にはラミネート保護層が設けられていることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 前記台形形状の斜面と前記電極要素の底面とがなす角度は、10度から80度の範囲であることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 前記電池要素の積層方向の断面形状は、前記電極端子が外部に露出されている側の面のみが傾斜を有する台形形状であることを特徴とする請求項1記載のラミネート二次電池。
- 請求項1から8に記載のいずれかのラミネート二次電池が並列接続、直列接続または直並列接続されてなる組電池モジュール。
- 個々のラミネート二次電池の並列接続、直列接続または直並列接続は、超音波溶接、熱溶接、レーザ溶接または電子ビーム溶接を用いて、または、リベットを用いて、または、カシメの手法を用いて、行うことを特徴とする請求項9記載の組電池モジュール。
- 請求項9または請求項10に記載の組電池モジュールが並列接続、直列接続または直並列接続されてなる組電池。
- 請求項1〜8記載のラミネート二次電池、請求項9または10記載の組電池モジュール、請求項11記載の組電池のいずれかの電池を搭載したことを特徴とする電気自動車。
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